JPH0156612B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ 本発明は、例えば電気機器を収容する複数個の
キユービクルを電気的に接続する場合に有用な電
気機器とケーブルの接続部に関する。

［発明の技術的背景とその問題点］ 一搬に、キユービクル内には遮断器や断路器等
の開閉装置および計器や継電器等を取付けた配電
盤等からなる電気機器が収容されている。

しかして複数室のキユービクルは、第１図に示
されるように、各キユービクル１ａ，１ｂ，１ｃ
内に設置した逆Ｔ型状の分岐ブツシング２ａ，２
ｂ，２ｃ間を連絡する母線３ab，３bcにより電
気的に接続されている。

なお、母線と分岐ブツシングとの接続は、第２
図に示すように、分岐ブツシング２の基部中心に
内蔵された中間閉鎖の筒状遮蔽電極４に、ケーブ
ル導体５の先端に取付けたクサビ６を圧入するこ
とによりなされている。

図中７は導体引出棒、８はモールドストレスコ
ーンをそれぞれ示している。

ところで、電気機器間の導体接続部は通常露出
されており、このため充電部とケース間（三相の
場合は異相間）は電圧に比例して絶縁距離を大き
くとらなければならない。

しかしながら、絶縁距離を大きくとるとキユー
ビクル等が大型化し、所要スペースが大となる難
点がある。

このため、キユービクル１ａ，１ｂ，１ｃ内に
六弗素化硫黄ガス（SF₆ガス）を封入したミニク
ラツド方式のキユービクルが開発されているが、
かかるミニクラツド方式のキユービクルにおいて
は、ガス圧が高い（約2.5Kg／cm²）のでキユービ
クルのケース壁を厚くしなければならず、このた
めキユービクルが重くなり、その運搬が大変であ
りまた高価となる難点があつた。

そこで、キユービクル内に低ガス圧（約0.5
Kg／cm²）のSF₆ガスを封入し、絶縁距離を短くし
てキユービクル全体を小型化し、ひいてはキユー
ビクルの運搬を容易にしたいわゆる低ガス圧方式
のキユービクルが提案されている。

ところが、かかる低ガス圧方式のキユービクル
においては、キユービクルの小型化により各キユ
ービクル間を電気的に接続する母線の長さが必然
的に短くなり、それに比例して母線を曲げること
が困難になるので、第２図に示すような接続方法
では、母線を撓ませてこの母線の両側に取付けた
クサビを分岐ブツシング内に挿入し、キユービク
ル間の電気的接続を行うことが困難になるという
難点があつた。

［発明の目的］ 本発明は上記事情に基づきなされたもので、キ
ユービクルを小型化しても、キユービクル間の電
気接続を容易なし得る電気機器とケーブルの接続
部を提供することを目的としている。

［発明の概要］ すなわち本発明に係る電気機器とケーブルの接
続部は、それ自身の側部にケーブル端末を受容す
る受容口を有し、それ自身の基部中心に筒状の遮
蔽電極を内蔵しかつこの遮蔽電極の外周の一部か
ら径方向に突出する導体引出棒の先端部のみを露
出させた少くとも２個の分岐ブツシングと、両端
を段剥処理によつて露出させた各導体端部にそれ
ぞれプラグを取付けたケーブルとからなり、この
ケーブルの各プラグを前記受容口を通り前記各遮
蔽電極の内周に配設された接触子にそれぞれ密嵌
することにより少なくとも２個の分岐ブツシング
を電気的に接続してなる電気機器とケーブルの接
続部において、前記接触子の内径および前記受容
口の口径を前記ケーブルの仕上外径より大として
成ることを特徴としている。

［発明の実施例］ 次に本発明の実施例について説明する。

第３図において開閉装置や配電盤等の電気機器
（図示せず）を収容し、その内部にSF₆ガス９を
封入したキユービクル等のケース１０ａ，１０
ｂ，１０ｃ壁側には逆Ｔ型状の分岐ブツシング１
１ａ，１１ｂ，１１ｃが、それぞれ後述する導体
引出棒１３の先端がケース１０ａ，１０ｂ，１０
ｃ内に位置するように気密に取付けられている。

分岐ブツシング１１ａ，１１ｂ，１１ｃは第４
図に示されるように、筒状の遮蔽電極１２と、遮
蔽電極の中央部外周から径方向に突出する導体引
出棒１３と、遮蔽電極１２の内周に配設された接
触子１４と、これらの充電部材の外周に、導体引
出棒１３の先端部および接触子１４もしくは遮蔽
電極１２の端部に連なるケーブル端末の受容口１
５を除いてエポキシ樹脂等によりモールド被覆さ
れた逆Ｔ型状のブツシング１６とで構成されてい
る。なお、接触子１４は遮蔽電極１２の内周に設
けられた凹溝１７に、孔を多数打ち抜いた弾性を
有する導電板を凹溝の内壁にそわせて挿入するこ
と等により形成されている。

次に以上の分岐ブツシング間を、66kV〜77kV
級の架橋ポリエチレン絶縁ケーブル等からなるケ
ーブルで接続する方法について述べる。

第５図に示されるように、まずケーブル１８の
両端を段剥してケーブル導体１９，１９およびケ
ーブル絶縁体２０，２０を露出し、露出された各
ケーブル絶縁体外周あるいはケーブル外周にケー
ブル遮蔽層２１端の電界緩和を行なうストレスコ
ーン２２，２２、このストレスコーンをケーブル
端末の受容口１５に向けて押圧するスプリング等
の押圧部材２３，２３およびケーブル端末を保護
する保護管２４，２４等を装着する。

次にケーブル導体１９の一端Ｃに、段剥処理前
のケーブル外径すなわちケーブル仕上外径Ｄとほ
ぼ等しいか、あるいはそれ以上で、かつ接触子１
４に密嵌されうるような外径ｄを有する導電性の
プラグ２５を取付け、しかる後にプラグ２５を取
付けていないケーブル導体１９の他端Ｂを、他方
の分岐ブツシング１１ｂ内の接触子１４に遊嵌さ
せ、この状態で前述と同様のプラグ２５をケーブ
ル導体１９の他端Ｂに取付ける。

しかして、ケーブル１８を矢符方向に引き戻
し、各プラグ１９，１９を各分岐ブツシング内の
各接触子１４，１４に密嵌し、予め装着しておい
た各ストレスコーン２２，２２等の所要部品を所
定位置に配置し、常套手段により組立てる。

分岐ブツシング１１ａと分岐ブツシング１１ｂ
との接続も同様の方法により行なわれ、以上によ
つて本発明に係る電気機器とケーブルの接続部が
完成する。

図中、２６はケース側壁、２７はシール、２８
は外部半導電層、２９はシールドをそれぞれ示し
ている。

［発明の効果］ 上述した本発明においては、分岐ブツシングと
ケーブル導体の接続をプラグイン方式で行ない、
かつ接触子の内径およびケーブル端末の受容口の
口径をケーブル仕上外径より大としてケーブルが
接触子内を遊嵌できるようしたので、分岐ブツシ
ングの間隔が短くてもケーブルを曲げることなく
分岐ブツシング間を電気的に接続することができ
る。

従つて本発明においては、キユービクル間連絡
用のケーブル長をストレスコーン等の所要部品を
装着するだけの長さにまで短くすることができる
ので、キユービクルの小型化に追随しうる電気機
器とケーブルの接続部を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電気機器とケーブルの接続部を
示す説明図、第２図は従来における分岐ブツシン
グと母線との接続状況を示す要部断面図、第３図
は本発明の電気機器とケーブルの接続部を示す説
明図、第４図は本発明における分岐ブツシングと
ケーブルの接続状況を示す要部断面図、第５図は
本発明における分岐ブツシングとケーブルとの接
続方法を示す概略説明図である。 １１，１１ａ，１１ｂ，１１ｃ……分岐ブツシ
ング、１２……遮蔽電極、１３……導体引出棒、
１４……接触子、１５……受容口、１６……ブツ
シング、１８……ケーブル、１９……ケーブル導
体、２０……ケーブル絶縁体、２２……ストレス
コーン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ それ自身の側部にケーブル端末を受容する受
   容口を有し、それ自身の基部中心に筒状の遮蔽電
   極を内蔵しかつこの遮蔽電極の外周の一部から径
   方向に突出する導体引出棒の先端部のみを露出さ
   せた少くとも２個の分岐ブツシングと、両端を段
   剥処理によつて露出させた各導体端部にそれぞれ
   プラグを取付けたケーブルとからなり、このケー
   ブルの各プラグを前記受容口を通り前記各遮蔽電
   極の内周に配設された接触子にそれぞれ密嵌する
   ことにより少なくとも２個の分岐ブツシングを電
   気的に接続してなる電気機器とケーブルの接続部
   において、前記接触子の内径および前記受容口の
   口径を前記ケーブルの仕上外径より大として成る
   ことを特徴とする電気機器とケーブルの接続部。 ２ 分岐ブツシングが、電気機器を収容するケー
   ス側壁に導体引出棒の先端部が前記ケース内に位
   置するように気密に取付けられていることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の電気機器とケ
   ーブルの接続部。