JPH0152806B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は磁気ヘツドに関するものであり、特に
高密度磁気記録に好適な垂直磁気記録用磁気ヘツ
ドを提供するものである。すなわち本発明は回転
ヘツド装置等に搭載可能で実用的な記録再生兼用
磁気ヘツドを提供することを目的とする。

記録媒体を厚さ方向に磁化する垂直記録方式は
原理的に短波長程媒体内の減磁界が小さくなる為
に高密度記録に適している。このような垂直記録
を良好に行なうには垂直方向に強い異方性を有す
る記録媒体と強い垂直成分磁界を発生する記録ヘ
ツドが必要になる。

従来の垂直記録方式は第１図に示すように基本
構成からなつている。磁気記録媒体１は非磁性ベ
ース２の上に膜面内に磁化容易を有するパーマロ
イ等の強磁性薄膜３を介して膜面に垂直方向に磁
化容易軸を有する垂直磁化膜４が形成されたもの
である。磁気ヘツドは主磁極２０及び励磁巻線８
を有する補助磁極６からなり主磁極２０が垂直磁
化膜４に接するように記録媒体１をはさむ構造に
なつている（以下このヘツドを補助磁極励磁形垂
直ヘツドと呼ぶ）。信号を記録する際は、励磁巻
線８に流れる信号電流により強磁性体コア７を磁
化し、この強磁性体コア７の発生する磁界により
主磁極２０を磁化する。垂直磁化膜４は主磁極２
０の発生する強い磁界によつて垂直に磁化され
る。

このような補助磁極励磁形垂直ヘツドによれ
ば、垂直記録として優れた記録特性が得られ、更
に記録媒体として上述のような２層膜媒体を用い
ることにより効率のよい高密度記録が可能であ
る。

しかし、上述のような補助磁極励磁形垂直ヘツ
ドではヘツドで記録媒体をはさむ構造になつてい
る為に応用範囲が限定され且つ実用化に際し種々
の問題が生じて来る。特に使用周波数帯域が広く
大きな相対速度を必要とするような場合、例えば
ビデオ信号やPCM信号の場合、通常はヘツドを
回転させる方式を用いるが上述のような構造では
実用化が困難である。

本発明は前記問題点を勘案してなされたもので
あり、記録媒体をはさむことなく、記録再生特性
の優れた垂直磁気記録再生用ヘツドを提供するも
のである。

以下に本発明の実施例を図面でもつて説明す
る。第２図に示すように本実施例の磁気ヘツドの
基本構成は記録媒体入側コア９と記録媒体出側コ
ア１０がギヤツプ１４をはさんで対向したリング
形構造を有するものである。記録媒体入側コア９
はMn−Znフエライト等の強磁性体コア１１より
なり、記録媒体摺動面側からコア９がＵ字形にな
るように溝１５が形成されている。一方、出側コ
ア１０は例えばパーマロイ、センダスト等の強磁
性薄膜５からなつている。巻線は記録媒体出側コ
ア１０のまわりか、あるいは後部ギヤツプ近傍の
コアのまわりにほどこした第１の巻線１６と、Ｕ
字形をした記録媒体入側コア９の溝１５に対して
ギヤツプ側のコアのまわりにほどこした第２の巻
線１７を有している。

前記構成よりなる磁気ヘツドの記録時の動作を
説明する。従来のリング形ヘツドもベクトル磁界
を発生しており、その垂直方向成分で垂直磁化膜
に信号を記録することはできるが、その磁界強
度、磁界分布共に、垂直方向に記録するには不充
分な為に記録特性が劣つている。

これに対して第２図に示す本実施例の磁気ヘツ
ドにおいては、出側コア１０を強磁性薄膜で構成
することにより磁束が上記薄膜部５に集中し、垂
直磁化膜４の残留磁化を決定づける記録媒体出側
の垂直成分の磁界分布が急俊になる。さらに第１
の巻線１６及び第２の巻線１７にギヤツプ面１４
に面している記録媒体入側及び出側コアのギヤツ
プ面に生じる磁化が同極性になるように信号電流
を流すことにより、記録時の磁束の流れは第２図
の破線のようになり、第１の巻線１６で発生させ
た磁束をより有効に垂直磁化膜４に作用させるこ
とができる。

なお記録媒体入側コアの記録媒体摺動面１２，
１２′は記録媒体出側の強磁性薄膜５の摺動面の
面積に比べて十分に広い為に垂直磁化膜４にはほ
とんど作用しない。信号発生時には上記ヘツドは
ギヤツプ１４を有するリング形ヘツドとして動作
し、高能率再生が行なえる。

また、第３図の本発明の他の実施例に示すよう
に出側コア１０に例えばZnフエライト等からな
る非極性の補強部１３を配置しても前記動作原理
は全く同じであり、ヘツド製造のしやすさ、ヘツ
ドタツチ、摩耗等のヘツド記録媒体間インターフ
エイスにおいてより望ましい結果が得られる。

また溝１５についても非磁性材料で少くとも摺
動面近傍を充填することにより同様の効果が得ら
れる。

第４図は本発明の磁気ヘツドのさらに他の実施
例を示すもので、記録媒体出側コア１０におい
て、前記強磁性薄膜５の記録媒体出側に、少くと
も記録媒体摺動面近傍が例えばZnフエライト等
の非磁性材料からなり残る後部コアをMn−Znフ
エライト等の強磁性材料１１で構成したコアを配
置したものである。

この構成によれば、前述したようにヘツド製造
のしやすさ、ヘツド−記録媒体間のインターフエ
イスが良好になると同時に、記録時においては強
磁性薄膜５の飽和を押さえてより高率的な記録が
でき、再生時においてはコア能率を向上させ高性
能な記録再生特性が得られる。

以上実施例をもとに説明したように本発明の磁
気ヘツドは垂直記録媒体をはさむ必要がなく、し
かも垂直記録として高能率な記録及び再生ができ
ることから、広範囲の高密度記録分野への応用が
可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の垂直磁気記録方式磁気ヘツドの
構成を示す図、第２図は本発明の実施例における
磁気ヘツドを示す図、第３図は本発明の他の実施
例における磁気ヘツドを示す図、第４図は本発明
のさらに他の実施例における磁気ヘツドを示す図
である。 １……磁気記録媒体、９……記録媒体入側コ
ア、１０……記録媒体出側コア、１１……強磁性
体コア、１２，１２′……磁気媒体摺動面、１４
……ギヤツプ、１５……溝、１６……第１の巻
線、１７……第２の巻線。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 強磁性バルク材料よりなる記録媒体入側コア
   と、強磁性薄膜コアからなる記録媒体出側コアと
   で磁気ギヤツプを構成したリング形磁気ヘツドに
   おいて、前記記録媒体入側コアがＵ字形になるよ
   うに記録媒体摺動面側から溝を形成し、前記記録
   媒体出側コアあるいは該記録媒体出側コアに当接
   している記録媒体入側コアの部分に第１の巻線を
   施すとともに、前記記録媒体入側コアのＵ字形の
   前記磁気ギヤツプ側脚部分に第２の巻線を施した
   ことを特徴とする磁気ヘツド。 ２ 強磁性薄膜コアの記録媒体出側において、少
   くとも記録媒体摺動面近傍を非磁性材料で構成
   し、残る後部コアを強磁性材料で構成したコアを
   配置したことを特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載の磁気ヘツド。