JPH01502504A - インクジェットシステム内のインクの脱泡 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はインクジェット装置に使用されているインクに溶解している空気を除去 する方法および装置に関し、さらに詳細には、効率良く脱泡し得る新規で改良さ れた方法および装置に関するものである。

多くのインクジェットシステムにおいては、インク室あるいはインク通路とつな がるオリフィスが設けられており、このインク通路に加えられた、周期的に増減 する圧力によってインクがオリフィスからしずくとなって射出されるようになっ ており、通常このインク通路に面して圧力発生面を有するピエゾ結晶素子が配さ れている。もしこの通路に導入されたインク中に空気が溶解している場合には、 上記圧力増減サイクル中の減圧時に、この溶解している空気がこの通路内のイン ク中で小さい気泡となる。このインク室のインクへの減圧が繰返し行なわれると これらの気泡は成長し、この成長した気泡はインクジェット装置の機能を低下せ しめる。

背景技術 今日に至るまで、インクジェット装置に脱泡したインクを供給し、気密シールを 施した、例えばフレキシブルなプラスチックのバッグや袋状のものを脱泡インク の供給に使用してなるシステムによってインクの脱泡状態を維持する試みが提案 されている。

しかしながら、このような技術は必ずしも充分とはいえない。これはフレキシブ ルなプラスチックの袋は多少通気性があり、高温状態においてはさらに高い通気 性を存し、このため例えば体積率で２０％以上もの多量の空気がこの袋を通して 高温インク中に溶は込むこととなるためホットメルトインクシステムにおいては 致命的な問題となる。さらに、空気は、インクの非噴射時においてインクジェッ トオリフィス部分のインクにも溶解する。この溶解した空気はインク内を拡散し てジェット圧力室に入り、噴射機能の低下をもたらす。ここに、ホットメルトジ ェット装置のインクジェットヘッド内での気泡生成はホットメルトジェット装置 のインク噴射故障の最も大きな原因となっている。

発明の説明 本発明によればインクジェットシステムのインクは、通気性は有するが透水性は 有しない薄膜を介し減圧雰囲気に面して配されている。発明の一懸様においては 、インクは通路を通ってインクジェットヘッドに運ばれ、この通路は引き下げら れた圧力状態に維持された空気充満領域と、通気性を有する膜を介して隣接する 。インク中に溶解した空気を除去する前に既に形成されていた気泡を排出するた め、上記通気性を有する膜がフレキシブルになっていて、増加した圧力がこの膜 にかかってインクジェットの中のインクにかかる圧力が増大するようになってお り、これによりこのインクがインクジェットから押し出されてインクジェット内 の気泡が一掃されるようになっている。

好ましい実施例においては、インクジェットヘッドに通じるインク供給部が脱泡 通路を備えており、インクは二〇脱泡通路を通る際に２つの対向する壁面によっ て細長く延びた状態とされ、また、この２つの対向する壁面のうち少なくとも一 方がフレキシブルな通気性を有する膜で、圧力が増減する空気充満領域をカバー するようになっている。

さらに、上記脱泡通路の上流にはチェックバルブが配され、このチェックバルブ により、上記空気充満領域に増加した圧力が加わった際にインクおよびこのイン ク中に混入している気泡をインクジェットヘッドから排出することを可能として いる。なお、このインクジェットヘッド内でオリフィスから脱泡通路方向へイン クが対流循環するように形成されている。

図面の簡単な説明 第１図は本発明に係る、代表的な実施例である、インク脱泡器を有するインクジ ェットインク供給装置のその一部を断面で示す概略図、 第２図は、第１図に示すインク供給装置に使用されているインク脱泡器を拡大し て示す断面図である。

図示する本発明の実施例であるインクジェット装置は、インクジェットヘッド１ １にインクを供給するための、液体インクを貯蔵するインク供給タンク１０を備 えている。このインクジェットヘッド１１は一般に用いられているやり方によっ てインクを噴射し紙あるいは他の画像記録媒体からなるシートあるいはウェブ１ ２上に所望のパターンを形成するものである。また、上記インクジェットヘッド １１は、例えば第１図の紙面に対して垂直方向の動きをなすように、上記ウェブ １２に対して横方向の往復動を行なわしめる公知の手段により支持されており、 一方、上記ウェブ１２は２組の駆動ロール１３．１４によって図中矢印で示す方 向にインクジェットヘッド１１上を通るようにして搬送される。

上記装置は、インク供給部１０からフレキシブルな供給路１６を通して、インク ジェットへラド１１の動きに対して支持されたタンク１７にインクを送出するイ ンクポンプ１５を備えている。ホットメルトインクが使用される場合、ハイネ（ ｌｉｎｅ）等により発明され、本願出願人と同一出願人により出願された「ホッ トメルトインク供給システム（ＨｏｔＭｅｌｔ　Ｉｎｋ　５ｕｐｐｌｙ　Ｓｙｓ ｔｅｍ）　Ｊ　；アメリカ合衆国特許出願番号０４：１．３Ｂ９　、　ＬＨ７年 ４月２８日出願；の明細書中に記載されているインク供給装置を使用してもよい 。この明細書中に記載されているインク供給装置においては、タンク１７中のイ ンク１８０レベルが低くなったときのみインク供給部１０からタンク１７にイン クが送出されるようになっている。

また、タンク１７中のインクにかかる圧力を大気圧と同じに維持するためにタン ク１７に空気孔１９が設けられている。

したがって、インク供給部ｌＯ内のインクが空気と断絶されていたとしても、タ ンク１７に貯蔵された際のインク１８は空気を含むことになる。インクとしてホ ットメルトインクが使用される場合には、体積率で２０％もの空気がインク中に 溶解する。インクがこのような溶解した空気を含む場合には、インクジェットヘ ッド１１におけるインクは周期的な減圧を受けてこのインク中に気泡が形成され る虞れがあり、インクジェットヘッドの運転に支障が生じる。このような問題を 解決するため、本発明ではインク脱泡器２０をタンク１７とインクジェットへラ ド１１の間のインク供給通路中に設けている。このインク脱泡器２０に増減する 圧力を供給するため、二〇脱泡器２０にフレキシブルな空気通路２２を介して空 気ポンプ２１がつながれている。二のインク脱泡器２ｏはインクジェットヘッド １１およびタンク１７とともに往復動をなすように取り付けられており、二の図 示された実施例装置においてはこの脱泡器２０の往復動により二〇脱泡１２０上 の突起２４が、突出したポンプレバー２３と係合し、これにより空気ポンプ２１ が作動する。

上記ポンプレバー２３はポンプ２１内に配設されたピストン２５と接続されてお り、これによりもし上記脱泡器２０に負圧がかけられる場合には、上記脱泡器２ ｏの一方向への動きによりポンプレバー２３が操作され、ピストン２５が、空気 通路２２を通して引き下げられた圧力を送出する方向に作動し、ピストン２５は その所定位置にロックされる。もし脱泡器２０に増加した圧力が加えられる場合 には、上記突起２４により上記ピストン２５と接続されたポンプレバー２３は前 述した方向と反対方向に操作される。

二〇脱泡器２０およびインクジェットヘッド１１の内部構造が第２図により示さ れている。タンク１７の下端近傍にはタンク１７から狭幅の脱泡通路２７へのイ ンクの通過を許容するチェックバルブ２６が配されており、さらに二〇脱泡通路 ２７内のインクはインクジニットヘッド１１内で２手に分かれ２本の通路２８． ２９に導かれてこのへラド１１に供給される。この脱泡通路２７は好ましくは、 厚み０．１ｃｍ、幅１．５ａ、長さ８．８９３の大きさに構成され、その境界部 は１対の平行な壁部３０．３１により形成されている。この壁部３０．３１は空 気は透過するがインクは透過しないフレキシブルなシート材料により形成されて おり、この材料としては例えばＤｏｖＣｏｒｎｊｎｇ社製ＳＳＦ−ＭＥＸＤ１７ ４の様な厚さ０．０２５　ｃｍ程度の医療用シリコンシートの厚膜を使用しても よい。

上記壁部３０．３１を形成する膜ｇｏ、　８１の上記通路２７とは反対側の面に は、空気通路２２とつながる空気充満領域３２．３３が設けられている。各空気 充満領域３２．３３は膜支持部３４を有しており、図示する実施例装置において はこの膜支持部３４は波形の通気性シートもしくはスクリーンからなっており、 この充満領域３２．３３の圧力が低下したときに膜３０．３１を支持するように なりている。上記空気ポンプ２１は各充満領域３２．３３を、０．７５気圧以下 の圧力に、さらに好ましくは０．４〜０．６気圧の圧力に調整する。さらに、こ の通路２７の長さと幅が適当な値に選択され、これによりインクジェットへラド １１の稼動中にこのヘッド１１に供給されるインクは上記通路２７内で少なくと も０．５分間、好ましくは少なくとも１分間にわたって滞溜し、この間減圧状態 下におかれる。

このような処理によつて過剰にインクに溶解していた空気はこのインクが上記通 路２７を通過する間に膜３０．３１を通して除去され、これによりインク中に溶 解している空気の濃度が、インクジェットヘッドで気泡ができない程度のレベル に引き下げられる。

この膜３０．３１および空気充満領域３２．８３は、装置を運転停止状態から再 度稼動状態としたときにインクジェットへラド１１のオリフィス３５を通して気 泡を含んだインクを放出するように調整されている。このような目的のため空気 ポンプ２１は上述したように増加した圧力を通路２２を通して脱泡器２０に送出 するように構成されている。この結果フレキシブルな膜３０．’３１は互いに近 づくこととなる。さらに、チェックバルブ２Ｂによりインクがタンク１７に逆流 するのを防止しているので通路２７内のインクはインクジェットヘッド１１内に 押し出され、このインクジェットヘッド内の気泡を含んだインクはインクジェッ トオリフィス３５を通して排出される。

オリフィス３５を通して侵入した空気が溶解しているインクジェットヘッド１１ 内のインクを脱泡するため、通路２８゜２９とオリフィス３５をつなぐインクジ ェット通路３８の後壁３７上にヒータ３６がマウントされている。このヒータ３ ６が駆動されるとジェット操作の非噴射期間にオリフィス３５から内部に侵入し た空気が溶解している通路３８内のインクはこの通路３８により上方に流れ、さ らに通路３９から脱泡通路２７に流れるという様にして対流により連続的に循環 する。なお、二〇脱泡通路２７においてインクは下方の通路２８まで移動する間 に脱泡され、二の後この通路２８を通って上記通路３８に戻る。

システム稼動中において、空気を含む、タンク１７からのインクはインクジェッ トヘッドの作動に応じて通路２７を通りインクジェットへラド１１に送出される 。上記空気充満領域３２．３３内の引き下げられた圧力は膜３０．８１を通して インク中に溶解された空気を除去するように作用する。上記脱泡器２０が往復運 動をするため、空気ポンプ２１は突起２４とレバー２３との係合によって、上記 空気充満領域３２．３１内の圧力を引き下げた状態に保持するように操作される 。装置の操作を開始する際に、インクジェットへラド１１からインクを放出する 必要がある場合には空気ポンプ２１は、上記空気充満領域８２．３３に増加した 圧力を供給するようになっている。インクジェットヘッド１１の非噴射期間にお いては、通路８ｇ、　Ｂ９．２７．２８を通してなされるインクの対流循環はオ リフィス３５を通じて侵入した空気が溶解したインクを脱泡器３５に搬送する。

以上、上述した実施例によって本発明を説明したが、この実施例に種々の変更や 変型を加えることが可能である。

例えば、上記通気性を有する膜と空気充満領域はインクタンクの１つの壁部を用 いて形成することも可能である。すなわち、このような変更あるいは変形は、以 下に示す請求の範囲に記載された発明に含まれるものである。

手続補正書 平成１年４月１８弔ｉ

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. （１）インクジェットシステム中のインクからこのインク中に溶解されている気 体を除去する脱泡器において、前記インクジェットシステムのインク格納部材の 壁部を形成する、気体透過性、インク不透過性を有する障壁手段と、 この障壁手段の、前記インク格納部材とは反対側に気体充満領域を形成されてな る気体充満手段と、前記インク格納部材内のインクから、前記障壁手段を通して このインク中に溶解している気体を除去するのに充分な引き下げられた気体圧力 を前記気体充満手段に供給する圧力調整手段とを備えてなることを特徴とする脱 泡器。
2. （２）前記インク格納部材がインクタンクと前記インクジェットシステムのイン クジェットヘッドとをつなぐインク流路を形成してなることを特徴とする請求項 １記載の脱泡器。
3. （３）前記インク流路がインクを前記障壁手段に接触させるように構成され、こ の接触している時間が、前記インクジェットシステムの作動期間中において少な くとも約１／２分であり、前記圧力調整手段が前記気体充満手段内の圧力を約３ ／４気圧以下に維持してなることを特徴とする請求項２記載の脱泡器。
4. （４）前記インク流路の一部に設けられた入水端にチェックバルブ手段が配され 、該インク流路の、該入水端とは反対の端部である出水端にこのインク流路を前 記インクジェットヘッドにつなぐインク通路手段が配され、前記圧力調整手段が 、前記インク流路内のインクを前記インクジェットヘッド方向に送り出すための 、前記気体充満手段に増加した圧力を加える手段を含むことを特徴とする請求項 ２記載の脱泡器。
5. （５）前記インクジェットヘッドが、オリフィスと、このオリフィスと前記イン ク格納部材との間に形成された閉ループ通路と、該オリフィスと該インク格納部 材との間に形成された該閉ループ通路内でインクの対流循環を行なわしめるヒー タ手段を含むことを特徴とする請求項２記載の脱泡器。
6. （６）前記障壁手段が、フレキシブルな膜と、前記気体充満手段内に配設された 膜支持部材を含み、この気体充満手段に引き下げられた圧力が加わった際に該膜 支持部材により前記膜手段を保持してなることを特徴とする請求項１記載の脱泡 器。
7. （７）インクジェットシステム内のインクからこのインク中に溶解されている気 体を除去する方法において、気体透過性／インク不透過性を有する障壁手段の一 方の面に前記インクジェットシステム内のインクを接触せしめ、他方の面に引き 下げられた気体圧力を加えることを特徴とする方法。
8. （８）前記障壁手段の前記一方の面が前記インクジェットシステム内のインク通 路に面してそのインク通路内のインクと接触し、前記他方の面に１気圧以下の圧 力が加えられることを特徴とする請求項７記載の方法。
9. （９）前記引き下げられた気体圧力が、前記障壁手段のこの圧力が加わる側とは 反対側に加わる圧力の３／４以下であることを特徴とする請求項７記載の方法。
10. （１０）前記インクが前記障壁と少なくとも約１／２分間に亘って接触するよう に維持されていることを特徴とする請求項７記載の方法。