JPH0143988Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は前部にエンジン及びミツシヨンケース
を設けるとともに後部に苗植付装置を設けた機体
の前後中間に左右一対の推進車輪を上下調節自在
に配備するとともに、機体中央下部にフロートを
設けた歩行型田植機に関する。

この種の歩行型田植機は、機体の前後中間に配
備された車輪を接地支点としてエンジン及びミツ
シヨンケースと、苗植付装置とを前後にバランス
良く配置することによつて、機体の重量バランス
を良好にすべく、更に、耕盤の起伏に応じて上下
するフロートのセンサー作動に基づいて、前記推
進車輪を上下動させることによつて常に機体を田
面に対して一定に姿勢させるように構成されてい
るが、この場合には前記推進車輪の上下動を行う
構成が、前記ミツシヨンケースの左右両側部に車
輪伝動ケースの前部基端を上下揺動自在に枢支連
結して、その後部遊端に前記推進車輪を軸支する
とともに、前記車輪の上下動範囲を機体との相対
位置関係から、その上限位置を前記車輪伝動ケー
スが水平姿勢になる状態に設定したものであるか
ら、第４図に示すように、前記車輪０８の上下揺
動によつて変動する車輪接地点０Ｐおよび０P′の
水平距離０Ｌが大なるものになり、前記機体の重
量バランを崩す要因になつていた。そして、車輪
伝動ケースを下降揺動させる深い圃場では、前記
車輪接地点が機体に対して前方に移行して機体重
心が車輪接地点に対して後方に移行するととも
に、深い圃場では前記車輪から受ける、逆トルク
によつて機体自身を後方へ転倒させようとするモ
ーメントが増大し、機体の後傾斜傾向が強くなつ
て、歩行型田植機として操作性が悪化する欠点が
あつた。

本考案は、かかる実情に鑑み、簡単な構造付加
を持つて、重量バランスの崩れを出来るだけ押
え、かつ、接地フロート巾への影響を極力少なく
した状態のものを提供する点に目的を有する。

上記目的を達成すべくなされた本考案に係る歩
行型田植載の特徴構成は前記ミツシヨンケースの
左右両側部に、側面視に前記フロートと重複する
出力ケース部を下方に向けて延出し、この出力ケ
ース部に車輪伝動ケースの前部基端を上下揺動自
在に枢支連結して、その後部遊端に前記推進車輪
を軸支するとともに、前記車輪伝動ケースに対し
て前記出力ケース部と推進車輪を同一側面に配置
してある点にある。

このような特徴構成を有する本考案の作用効果
は次の通りである。

つまり、前記出力ケース部を設ける簡単な構造
付加だけで、前記車輪の機体に対する上下動位置
をあまり変えることなく、前記車輪伝動ケースの
基端の揺動支点位置を従来構成のものに比して下
方に位置させることが出来、しかも、前記伝動ケ
ースの基端位置を前記フロートと重複する位置ま
で下げるに、例えば前記接地フロートの一部に切
込みを設けて、ミツシヨンケースを下方に延出し
た状態でその延出部で前記伝動ケースの基端を上
下揺動可能に枢支した構成を採つたものではない
から、前記構成による前記フロートの前記切込み
部への泥土の詰りといつたことを招来することな
く、第３図に示すように前記車輪伝動ケースの基
端位置を前記車輪の上下動範囲の中間高さに位置
させることが出来る為に、前記車輪の上下揺動に
かかる接地点Ｐ及びP′の水平距離Ｌを小なるもの
に出来、前記車輪の上下揺動にかかる機体の重量
バランスの崩れを低減化することが出来るに至つ
た。

更に、前記車輪伝動ケースを前記出力ケース部
に支承するに、前記出力ケース部と推進車輪とを
前記車輪伝動ケースに対して同一側面位置に配置
してあるので、つまり、前記車輪が前記出力ケー
ス部と機体横方向同一幅位置に位置しているので
第５図に示すような前記出力ケース部０２Ａに対
して前記車輪伝動ケース０１４と車輪０８とが順
次最横外側に位置する場合に比して、前記深田で
の作業時に泥面下に位置する前記出力ケース部、
車輪伝動ケース、及び、車輪の占める横幅長さを
短く出来、これらによる泥押しを少くして既植苗
への悪影響をなくすことが出来る。

又、第５図における想像線で示すように、前記
車輪０８間隔を一定にした場合に、フロート０９
幅寸法を大きくとれる為に、泥流れを良好にする
間隙を形成し乍ら、前記フロートの安定した接地
姿勢が得られる。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図、及び、第２図に示すように、前部にエ
ンジン１、及び、ミツシヨンケース２を設けると
ともに、前記ミツシヨンケース２から機体後方側
に向つて機枠兼用の伝動ケース３を延設し、更
に、前記伝動ケース３の後端に植付ケース４、植
付機構５、苗のせ台６、及び、苗のせ台６背面に
位置させたハンドル７とからなる苗植付装置Ａを
配設して構成された機体を、その機体の前後中間
に上下揺動自在に配備された左右一対の推進車輪
８，８と、機体中央下部に設けられたフロート９
とによつて田面に対して一定した姿勢を確保すべ
く上下動自在に歩行型田植機を構成する。

前記推進車輪８，８の上下揺動機構を詳述する
と、第２図に示すように、前記ミツシヨンケース
２の下端部に支承された左右独立回転可能な横向
き伝動軸１０ａ，１０ｂの中央嵌合部に伝動ギヤ
１０を遊嵌するとともに、この伝動ギヤ１１の両
側にスプライン嵌合されたクラツチ片１２ａ，１
２ａを有する操向クラツチ１２，１２を設ける。
前記伝動軸１０ａ，１０ｂの両側端にギヤ伝動機
構１３を内装した出力ケース部２Ａ，２Ａを側面
視で前記フロート９と重複する状態で下方に向け
て延出し、この出力ケース部２Ａ，２Ａの横内側
に車輪伝動ケース１４，１４の前部基端を上下揺
動自在に枢支連結するとともに、その後部遊端外
側に前記推進車輪８，８を軸支してある。前記推
進車輪８，８の後方には整地板１７，１７が設け
られている。

前記車輪伝動ケース１４，１４の前部基端に前
記ケース１４，１４と連動揺動可能なアーム１
５，１５を立設すると共に、前記ケース１４，１
４の上下揺動を司る油圧シリンダ（図外）のピス
トンロツドに連動連結された連結ロツド１６，１
６と前記アーム１５，１５の上端を相対揺動可能
に連結し、更に、前記油圧シリンダの制御を行う
制御弁（図外）と前記フロート９とをリンク機構
で連動連結して、もつて、前記フロート９の耕盤
の起伏による上下動によつて、前記車輪８，８を
前記フロート９と逆方向に上下動させ、常に機体
を田面に対して一定した植付姿勢を確保出来るよ
うに構成してある。

尚、前記車輪伝動ケース１４に対して前記出力
ケース部２Ａと推進車輪８を同一側面に配置する
構成として、第２図の想像線で示す位置に前記車
輪伝動ケース１４を配設し、より接地フロート９
の接地幅を大なるものになるように構成してもよ
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型田植機の実施例を示
し、第１図は全体側面図、第２図は要部拡大一部
切欠平面図、第３図は車輪の上下揺動範囲を示す
概略図、第４図は従来の車輪の上下揺動範囲を示
す概略図、第５図は比較例を示す要部拡大一部切
欠平面図である。 １……エンジン、２……ミツシヨンケース、２
Ａ……出力ケース部、８……推進車輪、９……フ
ロート、１４……車輪伝動ケース、Ａ……苗植付
装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前部にエンジン１及びミツシヨンケース２を設
   けるとともに後部に苗植付装置Ａを設けた機体の
   前後中間に左右一対の推進車輪８，８を上下調節
   自在に配備するとともに、機体中央下部にフロー
   ト９を設けた歩行型田植機であつて、前記ミツシ
   ヨンケース２の左右両側部に、側面視にて前記フ
   ロート９と重複する出力ケース部２Ａ，２Ａを下
   方に向けて延出し、この出力ケース部２Ａ，２Ａ
   に車輪伝動ケース１４，１４の前部基端を上下揺
   動自在に枢支連結して、その後部遊端に前記推進
   車輪８，８を軸支するとともに、前記車輪伝動ケ
   ース１４に対して前記出力ケース部２Ａと推進車
   輪８を同一側面に配置してある歩行型田植機。