JPH0143179B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、スタツド付チエーンリンクのスタツ
ドに関する。

〔本発明の背景〕

多くの型のチエーン、特にびよう鎖は、一方で
はからみ合いの形成を防止し、他方ではその強度
を増大するため、いわゆるスタツドまたは補強材
を備えている、この種のスタツドは金属の横部材
であつて、各リンクの中央部においてその円形断
面の２本の縦方向脚部の間に挿入され、その両端
において、リンクの縦方向脚部の内側丸み部と係
合する凹面を有する。スタツド付チエーンを製造
するには、銅バー状のリンク形成素材を赤熱の可
塑性加工状態に加熱し、この状態の素材を曲げ
て、先行リンクに釣留し、次にバーの平らな両端
面を火花突合せ溶接機の中で溶接する。このよう
に形成されたリンクがなお赤熱加工状態にある間
に、スタツドをなお比較的広く開いた縦方向脚部
の間に挿入し、次にこれらの脚部を特殊プレス装
置の中でスタツドの両端の凹形端面に圧着してス
タツドを固定する。この形成部の中でチエーンを
形成したのち、これをまず硬化処理部に送り、そ
こで多数回の硬化処理と焼準処理を実施し、次に
引張テストと検査のためにテスト部に送る。

検査中に、スタツドのなんらかの欠陥、たとえ
ばクラツクが発見されることがある。その場合、
欠陥スタツドと対応のリンクの両方を取替えるた
めにチエーンを形成部に戻さなければならない。
チエーンの長さが１キロメートルまたはこれ以上
に達しまたその重量が数100キロ毎メートルに達
することが多いので、チエーンを形成部に戻す作
業（次に再びテスト部に戻す作業）はきわめて時
間を要し、費用がかかる。

〔本発明の概要〕

本発明の目的は、前述の欠点を除去し、スタツ
ド付チエーンリンクの欠陥スタツドを容易にまた
急速に交換する可能性を与えるにある。そのため
本発明は、２個の半体または部品を含み、これら
の部品は、相互に近接してスタツドを不可撓性リ
ンクの２本の縦方向脚部の間に挿入することので
きる初位置から、前記半体または部品が相互に離
間されて押圧部材によつて前記脚部間に締付けら
れる使用位置まで移動可能であるスタツドを提供
するものである。

〔本発明の実施例〕

以下本発明の実施例を図面につき説明する。

第１図ないし第５図において全体として１で示
すスタツドは公知のように鎖リンク２の大体中央
部に取付けられるように構成される。リンク２
は、２つのＵ形末端部のほか、２本の円形断面の
縦方向脚部３，３′を有する。第４図にもつとも
よく示されているように、スタツド１はその両端
に、好ましくは米国特許第4036010号明細書に記
載のように凹形に形成された端面４を有する。

本発明の原理により、スタツド１は２個の別々
の、しかし相互に連結された部品５，６に分割さ
れ、これらの部品５，６は、第１図に示すように
相互に近接した初位置から、第２図に示す相互に
離間された使用位置まで可動であつて、押圧部材
によつてリンクの脚部３，３′間に締付けられて
いる。第１図ないし第５図に示す実施態様におい
て、ピン７（第３図参照）が押圧部材として役立
ち、２つのねじ山８，９、すなわち、一端の左ね
じと、他端の右ねじとを有し、これらのねじ山の
間に、ピン回転用工具によつて係合される六角形
またはその他の多角形の鍔１０が配置されてい
る。スタツドの組立てられた状態において、外側
ねじ山８はスタツド半体５のくぼみ１２の対応の
内部ねじ山１１と係合し、同様にねじ山９は、ス
タツド半体６のくぼみ１４の内側ねじ山１３と係
合している。

第３図は、各スタツド半体５，６がその内側端
面において、全体としてＵ形の部品またはプレー
ト１６，１６′（第５図）と協働するための外周
シヨルダ１５を備えていることを示す。

〔本発明の作用〕

チエーンの中に通常型の欠陥スタツドが発見さ
れれば、これをそのリンクから（たとえばトーチ
切断によつて）取除き、その代わりに前記の型の
スタツドを配置する。初位置において、２個のス
タツド半体５，６は、ピン７がそれぞれのくぼみ
２，１４の底部に当接して２個の半体が最大限に
相互に近接し、スタツドにその最短全長が与えら
れるようにねじ込まれる。この状態において、こ
のスタツドは第１図に示すようなリンク２の２本
の長手方向脚部３，３′の中間に挿入することが
できる。次の段階において、鍔１０に対してスパ
ナまたは類似の工具を当接させてピン７を回転さ
せる。２つの相異なるネジ連結部８，１１および
９，１３により、ピン７の回転運動がスタツド半
体５，６の相互に離間する方向の縦方向運動を生
じ、このようにしてこれらスタツド半体の端面４
がリングの脚部３，３′の内側面に係合してその
間にスタツドを締付ける。ねじ山の型とピツチを
適当に選ぶことにより、スタツドを締付ける応力
を大に成し、スタツドが確実に前記リング脚部間
の必要位置に締付けることができる。次に２個の
Ｕ形プレート１６，１６′を、スタツド半体５，
６の内側端面の間のスペースの中に両側から挿入
することによつて取付け、次に第５図に示すよう
にこれらのプレートを溶接線１７によつて固定す
る。これに先立つて、オプシヨンとしてピン７を
スタツド半体５，６に対して、１個または複数の
溶接点によつて固定することができる。

実際上、２枚のプレート１６，１６′は２つの
機能をもつている。すなわち一方では、スタツド
締付操作中に開放されたピン７の部分を隠すため
であり、他方では、スタツドを全体として補強す
るためである。

第６図ないし第８図に示す他の実施態様におい
ては、２個のスタツド半体または部品５′，６′の
締付部材としてくさび７′が使用される。この場
合、一方のスタツド半体６′はおすピン１８を有
し、このおすピン１８が他方のスタツド半体５′
の対応のめすソケツト１９の中に挿入されて案内
され、またくさび７′はピン１８の末端と、スタ
ツド半体５′のソケツト１９の底面２０との間に
配置される。さらに詳しく述べれば、くさび７′
は、めすソケツト１９を包囲するシエル型または
円筒形の壁部２２の２個の通孔２１，２１′を通
して突出する。さらに、くさび７′は、それぞれ
おすピン１８の端面とソケツト底部２０の内側面
とに形成されたグループ２３と２４の中を案内さ
れる。またこのスタツドは、前記のＵ形プレート
１６，１６′に類似した２個の好ましくは面取り
されたＵ形部材２５，２５′を含む。第７図から
明らかなように、くさび７′は、スタツドの巾ま
たは厚さより相当に大なる初長を有するものとす
る。

前記のスタツドをチエーンリンクの２つの縦方
向脚部の中間に配置する際に、まずくさび７′と
Ｕ形部材２５，２５′を取りはずしたまま、２個
の半体５′，６′を相互近接位置にもたらす。その
場合、おすピン１８はめすソケツト１９の底部に
当接し、スタツドはその最短全長を有する。この
状態においてスタツドをリンク脚部の中間に自由
に挿入することができる。そこで、２個のスタツ
ド半体を相互に分離し、くさび７′を第７図に示
す位置まで打込み、このようにしてスタツドをリ
ンクの縦方向脚部の間に締付ける。最終段階にお
いて、くさびの突出端部を切断し、さらにくさび
および２個のＵ形部材２５，２５′を図示の位置
において溶接する。

〔本発明の効果〕

本発明によれば、従来必要とされたようにチエ
ーン全体またはその一部を検査部から修理部まで
戻す複雑な費用のかかる操作を必要とすることな
く、欠陥スタツドを取替えることができる。

〔発明の変更態様〕

もちろん本発明は付図について説明した実施態
様に限定されるものでない。故に、スタツドの締
付を実施するためねじまたはくさび以外のオプシ
ヨン型の押圧部材を使用することができる。第１
図ないし第５図に示した型の両ねじ型ピンの代わ
りに、一端にねじ山を備えるが他端は平滑であつ
て対応のスタツド半体の対応の平滑くぼみと係合
するようにした回転ピンを使用することができ
る。また本発明の主旨の範囲においてその他の変
更が可能である。

本発明によるスタツドは、チエーンの製造に使
用されるだけでなく、欠陥スタツドを有する中古
チエーンの修理にも使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はチエーンリングの中に挿入され初位置
で示される本発明によるスタツドの側面図、第２
図は使用位置におけるスタツドを示す類似の図、
第３図はスタツドの各成分を示す分解斜視図、第
４図は組立てられた状態のスタツドを示す斜視
図、第５図は使用状態におけるスタツドを示す他
の斜視図、第６図は本発明によるスタツドの他の
実施態様を示す断面図、第７図は第６図の−
線に沿つた断面図、第８図は、第６図と第７図に
示されたスタツドに含まれる２個のワツシヤ部品
の斜視図である。 １……スタツド、２……チエーンリンク、３，
３′……縦方向脚部、４……当接端面、５，６，
５′，６′……部品、７……ピン、７′……くさび、
８，９……ねじ山、１０……鍔、１１，１３……
ねじ山、１２，１４……くぼみ、１８……おすピ
ン、１９……めすソケツト、２１，２１′……通
孔、２０……ソケツトの底部、２３，２４……案
内グループ、２２……ソケツト壁部、２５，２
５′……Ｕ形ワツシヤ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ２個の半体または部品５，６を含み、これら
   の部品は、相互に近接してスタツド１を不可撓性
   リンク２の２本の縦方向脚部３，３′の間に挿入
   することのできる初位置から、前記半体または部
   品が相互に離間されて押圧部材によつて前記脚部
   間に締付けられる使用位置まで移動可能であるこ
   とを特徴とするスタツト付チエーンリンクのスタ
   ツド。 ２ 回転ピン７は、２個のスタツド半体５，６の
   間に配置された押圧部材として役立ち、一方のス
   タツド半体のくぼみ１２の中の対応の内側ねじ山
   １１と係合する少なくとも１つの外側ネジ山８を
   有することを特徴とする特許請求の範囲第１項に
   よるスタツド。 ３ ピン７は２個のねじ山８，９、すなわち一端
   の左ねじ山と他端の右ねじ山とを含み、また両方
   のスタツド半体５，６はピン７の前記両端ねじ山
   ８，９に対する内側ねじ山１１，１３を有するく
   ぼみ１２，１４を有することを特徴とする特許請
   求の範囲第２項によるスタツド。 ４ ピン７は、これを回転するための工具によつ
   て係合される多角形ツバ１０を有することを特徴
   とする特許請求の範囲第２項または第３項にるス
   タツド。 ５ 少なくとも１個のくさび７′が押圧部材とし
   て作用することを特徴とする特許請求の範囲第１
   項によるスタツド。 ６ 一方のスタツド半体６′はおすピン１８を有
   し、このおすピンは他方のスタツド半体５′の対
   応のめすソケツト１９の中に挿入案内され、また
   前記ピン１８の末端と前記他方のスタツド半体
   ５′のソケツト１９を限定する底部２０との間に
   くさび７′が配置され、このくさびは、ソケツト
   １９を画成するシエル型壁部２２の少なくとも１
   つの通孔２１，２１′を通して突出することを特
   徴とする特許請求の範囲第５項によるスタツド。 ７ くさび７′は、それぞれピン１８の末端部と
   ソケツト底部２０の内側面に備えられたグループ
   ２３，２４の中を案内されることを特徴とする特
   許請求の範囲第６項によるスタツド。 ８ スタツドの使用状態においてピン７，１８を
   隠すため、２個のＵ形部材１６，１６′；２５，
   ２５′の中に両側から挿入されるプレートが配置
   されることを特徴とする特許請求の範囲第２項乃
   至第７項のいずれかによるスタツド。