JPH0141746B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、ふとん、キルテイング、ベツト、パ
ツトに用いるわた、不織布、カーペツト、その他
ナプキン、紙おむつの吸収体に用いるパルプ繊維
等のシート状繊維を製造するシート状繊維の製造
装置に関する。

［従来の技術］ 従来のふとんのわた等に用いるシート状繊維の
製造装置としてはウエブ（カーデイング装置によ
り繊維の向きが一定方向にされ、かつ所定の厚み
および幅に形成された繊維帯）に、鉤針を複数を
打ち込んでこれを引き抜くことにより繊維を絞ま
せて強度を高めるニードルパンチ機が知られてい
る。

［発明が解決しようとする問題点］ しかし、複数の鉤針をウエブに打ち込み、これ
を引き抜くには速度に限界があり、製造装置が遅
いという問題点がある。

また、鉤針が繊維を切断してかえつて強度が弱
まる場合もあつた。

本発明は上記従来技術の問題点を解決するため
になされたもので、繊維を切断することなく、高
速でシート状繊維を製造する製造装置を提供する
ことを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は表面に針が形成された周速が異なる２
つの回転ドラムの間に繊維帯を挿通させて波状に
しわよせするしわ寄せ機構と、前記表裏の隣り合
う波状部をくしなでるくしなで機構と、これらし
わ寄せ機構と、絡ませ機構とを駆動する駆動機構
とからなることを、その構成とする。

［作用］ 駆動機構を作動させ、繊維帯をしわ寄せ機構の
周速の異なる二つの回転ドラムの間に挿入する
と、繊維帯は各々の回転ドラムの針に保持されて
回転しようとするので、波状にしわ寄せされる。

この波状にしわ寄せされた繊維帯はくしなで機
構によりその表裏の隣り合う波状部がくしなでさ
れて繊維が絡み合う。

［実施例］ 以下、本発明の第１実施例を第１図〜第５図に
基づいて説明する。

このシート状繊維の製造機１は繊維帯２を波状
にしわ寄せするしわ寄せ機構３と、表裏の隣り合
う波状部をくしなでするくしなで機構４，５とこ
れらを駆動する駆動機構６とからなつている。

前記しわ寄せ機構３はケーシング７に軸支され
た第１回転ドラム８を備えている。この第１回転
ドラム８の外周には時計方向に湾曲して突出する
複数の針８ａが形成されている。この第１回転ド
ラム８の外周には繊維帯２を挿入する挿入部９か
ら下面にまたがつて複数の保持ローラ１０ａ，１
０ｂ，１０ｃ，１０ｄがほぼ当接するように配置
されている。これらの保持ローラ１０ａ，１０
ｂ，１０ｃ，１０ｄは第１回転ドラム８と逆（時
計回り）に回転する。前記第１回転ドラム８およ
び最右端の保持ローラ１０ｄと近接する位置に所
定のクリアランスl₁をもつて第２回転ドラム１１
が配置されている。この第２回転ドラム１１は外
周に反時計方向に湾曲した針１１ａが形成されて
いる。この針１１ａは前記第１回転ドラム８の針
８ａよりも傾きが小さく形成されている。また、
この第２回転ドラム１１は前記第１回転ドラム８
に対して所定の周速差をもつて遅く、かつ逆（時
計回り）に回転している。

前記くしなで機構４，５は表面くしなで機構４
と裏面くしなで機構５とからなつている。表面く
しなで機構４は前記第２回転ドラム１１と表面く
しなでドラム１２から構成されている。表面くし
なで回転ドラム１２は第１回転ドラム８の近傍で
あつて、第２回転ドラム１１と所定のクリアラン
スl₂で配置されている。このクリアランスl₂は前
記第１、第２回転ドラム８，１１の間のクリアラ
ンスl₁より大きくなつている。表くしなで回転ド
ラム１２は、周面に時計方向に湾曲した針１２ａ
が形成され、第２回転ドラム１２と同一周速で反
対方向（反時計方向）に回転している。

前記裏面くしなで機構５は前記第２回転ドラム
１１の右側方に所定のクリアランスl₃をもつて配
置された第３回転ドラム１３を備えている。この
第３回転ドラム１３は、外周に前記第２回転ドラ
ム１１とは針１３ａの向きが同じ向き（時計回
り）に湾曲しているとともに回転方向は逆向き
（反時計回り）かつ、遅い周速で回転している。
この第２、第３回転ドラム１１，１３の近接部下
方には、前記第３回転ドラム１３と所定のクリア
ランスl₄で裏面くしなで回転ドラム１４が配置さ
れている。この裏面くしなで回転ドラム１４の外
周には第３回転ドラム１３の針１３ａの向きと逆
向き（反時計方向）に湾曲した針１４ａが形成さ
れ、第３回転ドラム１３と逆向き（時計方向）に
回転している。前記第３回転ドラム１３の下面に
沿つて裏面くしなで回転ドラム１４の右側方に複
数の運般ローラ１５ａ，１５ｂ，１５ｃ，１５ｄ
が配置してある。これらの運般ローラ１５ａ，１
５ｂ，１５ｃ，１５ｄは第３回転ドラム１３と逆
回転（時計回り）に回転している。この右端の運
般ローラ１５ｄの上方であつて前記第３回転ドラ
ム１３の右側には剥離ドラム１６が所定のクリア
ランスl₅で配置してある。この剥離ドラム１６と
前記右側の運般ローラ１５ｄの間から加工されて
完成品となつたシート状繊維１７が排出される排
出部１８をなしている。

前記駆動機構６はケーシング７内に配置された
第１駆動モータ１９を備えている。この第１駆動
モータ１９は駆動力はチエン２０を介して第１回
転ドラム８に伝達される。この第１回転ドラム８
の回転力がチエン２１とスプロケツト８ｂ，１０
a′，１０b′，１０c′，１０d′を介してそれぞれ前
記保持ローラ１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄに
伝達されるとともに、スプロケツト８ｃ，１２ｂ
とチエン２２を介して表くしなで回転ドラム１２
を回転させる。

前記第２回転ドラム１１は第２駆動モータ２３
によつて回転され、この回転力がチエン２４とス
プロケツト１４ｂ，２５ａを介して、前記裏面く
しなで回転ドラム１４と、その下方に配置した第
１ギヤ２５に伝達される。前記裏面くしなで回転
ドラム１４の回転力はチエン２６とスプロケツト
１４ｃ，１５a′，１５b′，１５c′，１５d′を介し
て前記複数の運般ローラ１５ａ，１５ｂ，１５
ｃ，１５ｄに伝達される。前記第１ギヤ２５には
第２ギヤ２７が噛合し、この回転力がチエン２８
とスプロケツト２７ａ，１３ｂ，１６ｂを介して
減速され、第３回転ドラム１３と剥離回転ドラム
１６に伝達されるのである。

次に、本実施例の作用について説明する。

まず、第２図に示すような繊維が一定方向に向
いた繊維帯（ウエブ）２を第１図の挿入部９から
挿入して、しわよせ機構３に送り込む。すなわ
ち、繊維帯２を挿入部９から第１回転ドラム８と
保持ローラ１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄの間
から挿入して第１回転ドラム８に巻きつける。第
１回転ドラム８に巻きついた繊維帯２は保持ロー
ラ１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄでガイドされ
反時計方向に回転移動する。そして第２回転ドラ
ム１１との間に移動すると、第２回転ドラム１１
は針１１ａの湾曲する向きが逆で、かつ、第１回
転ドラム８より所定の固定差をもつて遅れて回転
するので、繊維帯２は第３図に示すように波状に
しわ寄せられる。この波状にしわ寄せられた繊維
帯２は第２回転ドラム１１の表面に巻きつき表面
くしなで機構４によつてその表面がくしなでされ
る。すなわち、第２回転ドラム１１と表面くしな
でドラム１２との間のクリアランスl₂は第１、第
２回転ドラム８，１１との間のクリアランスl₁よ
り大きく形成され、かつ、表面くしなでドラム１
２は、その針１２ａが第２回転ドラム１１の針と
逆向きに湾曲するとともに速い周速で回転するの
で繊維帯２の波状部１２ａの表面がくしなでさ
れ、第４図に示すように隣り合う波状部２ａ，２
ａの繊維が絡み合う。繊維帯２は前記第２回転ド
ラム１１の上面に巻き付いたままの状態で、第３
回転ドラム１３とのクリアランスl₃を通過する。
その際、第３回転ドラム１３は第２回転ドラム１
１と同じ向き（時計回り）に針１３ａが湾曲して
おり、逆回転、かつ、遅い周速で回転しているの
で、繊維帯２は第３回転ドラム１３に受け渡され
て巻き付き、その裏面が表側に位置する。

次に、前記繊維帯２はその裏面が裏面くしなで
機構５によりくしなでされる。すなわち、裏面く
しなで回転ドラム１４と、第３回転ドラム１３と
のクリアランスl₄はクリアランスl₂と同様になつ
ており、裏面くしなでドラム１４は第３回転ドラ
ム１３と針１４ａの向き、および回転方向が逆
で、かつ、周速度は速いので、繊維帯２の裏面は
針１４ａによりくしなでられ第５図に示すように
隣り合う波状部２ａの繊維が絡み合つたシート状
繊維１７に形成される。このシート状繊維１７は
第３回転ドラム１３に巻きついたまま複数の運般
ローラ１５ａ，１５ｂ，１５ｃ，１５ｄにガイド
されて右側方に移動する。そして、剥離回転ドラ
ム１６は、第３回転ドラム１３と針１６ａの湾曲
する向きおよび回転する方向も同じなのでシート
状繊維１７は第３回転ドラム１３から振りはらわ
れて、最右端の運般ローラ１５ｄと剥離回転ドラ
ム１６の間から排出部１８へ導かれる。

この実施例によれば各回転ドラムの回転方向
と、周速および針の湾曲する向きを変えるだけの
構造なので、波状にしわ寄せされ、表裏の繊維が
絡んだシート状繊維を容易、かつ、高速で製造で
き、繊維が切れにくいという効果がある。

なお、前記実施例において表・裏くしなで回転
ドラムは、それぞれ第２、第３回転ドラムと同じ
回転向き、針の湾曲する向きは逆向きとし、かつ
周速を遅くする構造としても同様のくしなで効果
が得られる。

［発明の効果］ 以上の説明から明らかなように本発明は、表面
に針が形成された一対の回転ドラムの周速差を利
用して繊維帯を波状にしわ寄せさせるしわ寄せ機
構と、前記波状部の表面をくしなでるくしなで機
構とを備えているので、波状にしわ寄せられ表裏
の繊維が絡み合つたシート状繊維を容易かつ高速
で製造でき、繊維を切断しないという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す側面図、第２
図は第１図の挿入部に挿入する前の繊維帯の斜視
図、第３図はしわ寄せ機構によつて加工された繊
維帯の側面図、第４図は表面くしなで機構によつ
てくしなでられた繊維帯の側面図、第５図は裏面
くしなで機構によつて加工され完成品となつたシ
ート状繊維の斜視図である。 １……シート状繊維の製造装置、２……繊維
帯、２ａ……波状部、３……しわ寄せ機構、４，
５……（表、裏）くしなで機構、６……駆動機
構、８……（第１）回転ドラム、８ａ……針、１
１……（第２）回転ドラム、１１ａ……針。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 表面に針が形成された周速が異なる２つの回
   転ドラムの間に繊維帯を挿通させて波状にしわよ
   せするしわ寄せ機構と、 前記表裏の隣り合う波状部をくしなでるくしな
   で機構と、 これらしわ寄せ機構と、絡ませ機構とを駆動す
   る駆動機構とからなるシート状繊維の製造装置。