JPH0141322Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (a) 考案の目的 （考案の技術分野） 本考案はヘツドレストの下部に垂下状に突設し
た２本の円柱状のヘツドレストステーによつてヘ
ツドレストをシートバツク上部に取り付け支持す
る車両用シートのヘツドレスト支持構造に関す
る。

（考案の技術的背景） 車両用シートのヘツドレストはシートバツクの
上部に高さ調節自在に取り付けられるものであつ
て、その支持は、ヘツドレストの下部にヘツドレ
ストステーを垂下状に突設し、該ヘツドレストス
テーをシートバツクの上部に埋設せる筒状のホル
ダーに摺動自在に挿入して行なわれている。

このヘツドレストの支持構造は、ヘツドレスト
の下部中央に所定幅の板状に形成した一つのヘツ
ドレストステーを垂下状に取り付けた１本ステー
のものと、ヘツドレストの下部に円柱状に形成し
た２本のヘツドレストステーを所定の幅間隔でも
つて垂下状に突設した所謂２本ステーと呼ばれる
タイプのものとがある。

そして、この種のヘツドレストの支持構造には
ホルダーにヘツドレストステーを摺動自在に挿入
してヘツドレストを支持させることからヘツドレ
ストに前後左右方向のがたつきが生じていた。

（従来技術とその問題点） 従来、ヘツドレスト、換言すればヘツドレスト
ステーのがたつきを防止する手段としては第６図
乃至第８図に示すように、ヘツドレストステー１
を前後方向にわずかに湾曲させて形成し、該ヘツ
ドレストステー１を筒２をストレートに形成した
ホルダーＡに挿入するようにしたものがある。

即ち、ストレートに形成した比較的柔軟性のあ
る合成樹脂製の筒２に前後方向に後に凸でもつて
わずかに湾曲させたヘツドレストステー１を摺動
自在に挿入すると、筒２の内壁前面の上端２ａお
よび下端２ｂがヘツドレストステー１の前面１ａ
と当接し、筒２の内壁後面の中間点２ｃがヘツド
レストステー１の後面１ｂと当接するのでヘツド
レストステー１の前後方向のがたつきが防止され
る。

一方、左右方向に関しては筒２とヘツドレスト
ステー１との間に遊びがあるためにがたつきが生
じてしまうが、ヘツドレストの高さ調節用の掛止
溝３をヘツドレストステー１の左右方向の側面に
設け、この掛止溝３にホダーＡの上部に設けたロ
ツク機構４のロツク爪４ａを掛合させることでこ
のがたつきを防止している。

ところが、このような手段ではヘツドレストス
テー１の前後方向の側面掛止溝３が設けられ、こ
の掛止溝３にホルダー３側に設けられるロツク機
構４のロツク爪４ａを掛合する形態の支持構造に
あつては左右方向のがたつきを防止できないばか
りか、ヘツドレストステー１をロツク爪４ａの１
箇所でもつて固定するため、左右方向のがたつき
を防止することが不充分であつた。

（考案の技術的課題） 本考案の技術的課題は、ヘツドレスト支持構造
が２本ステーによる場合において、ヘツドレスト
ステーおよびそのホルダーとに設けられるロツク
機構の方式に係らず、ヘツドレストステーの前後
および左右のがたつきを防止することにある。

(b) 考案の構成 （本考案の技術的手段） 上記技術的課題を解決するために本考案の技術
的手段は、ヘツドレストの下部に円柱状のヘツド
レストステーが２本ステーの取付形態でもつて垂
下状に突設され、シートバツクの上部に埋設せる
ホルダーに前記ヘツドレストステーを摺動自在に
挿入してヘツドレストを支持する車両用シートの
ヘツドレスト支持構造において、上記ホルダーの
筒を前後方向と左右方向との曲りを複合させた曲
線でもつて湾曲形成した構成になつている。

（技術的手段の作用） 上記技術的手段によれば、ホルダーの筒を前後
方向と左右方向との曲りを複合させた曲線形状、
例えば筒の中程が後方に凸で左方に凸となる曲線
形状に湾曲させたので、この筒にヘツドレートに
形成した円柱状のヘツドレストステーを挿入する
と、筒の内壁後面の上端および下端がヘツドレス
トステーの後面と当接し、筒の内壁右側面の中間
点がヘツドレストステーの右側面と当接する。

従つて、筒の内壁とヘツドレストステーの側面
とが前後方向および左右方向の接点を持つことか
ら、ヘツドレストステーの前後左右方向のがたつ
きが防止される。

(c) 考案の効果 このように本考案によれば、ヘツドレストステ
ーの前後左右方向のがたつきがホルダーの筒だけ
で防止されるので、ホルダーの上部およびヘツド
レストステーの側面に設けられるヘツドレストス
テーのロツク機構の方式を選択する必要がない。

また、ヘツドレストステーのがたつきが完全に
防止されるので、ヘツドレストのがたつきによる
不快感が解消される。

(b) 考案の実施例 次に、本考案による車両用シートのヘツドレス
ト支持構造が実際上どのように具体化されるかを
図面により説明する。

第１図は本考案ヘツドレスト支持構造の右側面
断面図、第２図は本考案ヘツドレスト支持構造の
片側のみを示す正面断面図、第３図乃至第５図は
第２図に示す−乃至−線に沿える各端面
図である。

本考案ヘツドレスト支持構造は、ヘツドレスト
Ｂの下部に２本ステーの取付形態でもつて垂下状
に突設せるストレートな円柱のヘツドレストステ
ー１と、シートバツクＣに埋設せる比較的柔軟性
のある合成樹脂製のホルダーＡから成る。

ヘツドレストステー１は、ヘツドレストＢの高
さ調節に必要な適宜長さに形成され、その後部側
面に所定の間隔でもつて掛止溝３が切欠形成され
ている。

ホルダーＡは、上部のロツク機構４部とその下
方に連続する筒２とから成る。

筒２は、ヘツドレストステー１を摺動自在に挿
入する適宜内径でもつて円筒管形状に形成される
と共に、筒の中程が後方に凸で左方に凸となる曲
線形状にわずかに湾曲させて形成されている。

従つて、ホルダーＡにヘツドレストステー１を
挿入すると、筒２の湾曲形状によつて筒２の内壁
後面の上端２ｂおよび下端２ｃがヘツドレストス
テーの後面１ｂと当接し、筒２の内壁右側面の中
間点２ｆがヘツドレストステー１の右側面１ｃと
当接する。

このように、ヘツドレストステー１が前後方向
の２点と左右方向の１点とからなる３点２方向の
支持形態でもつて筒２に挾持状に支持固定される
ので、ヘツドレストステー１に前後および左右方
向の力が加わつてもがたつくことがない。

依つて、所期の目的を達成することができる。

尚、上記実施例ではヘツドレストステーの形状
がストレートの場合について説明したが、これに
限つたものではなく、ヘツドレストステーを筒の
湾曲形状よりゆるやかな曲がりでもつて湾曲形成
するも任意である。

また、筒の湾曲形状も上記実施例の如きものに
限たものではなく、前後方向と左右方向との２方
向の曲がりをそなえたゆるやかな湾曲形状であれ
ばよい。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案車両用シートのヘツ
ドレスト支持構造の実施例を示し、第１図は本考
案ヘツドレスト支持構造の右側面断面図、第２図
は本考案ヘツドレスト支持構造の片側のみを示す
正面断面図、第３図は線端面図、第４図は
−線端面図、第５図は−線端面図であり、
第６図乃至第８図は従来例を示し、第６図はヘツ
ドレスト支持構造の右側面断面図、第７図はヘツ
ドレスト支持構造の片側のみを示す正面断面図、
第８図はホルダーの斜視図である。 尚、図中Ａはホルダー、１はヘツドレストステ
ー、２は筒である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヘツドレストの下部に円柱状のヘツドレストス
   テーが２本ステーの取付形態でもつて垂下状に突
   設され、シートバツクの上部に埋設せるホルダー
   に前記ヘツドレストステーを摺動自在に挿入して
   ヘツドレストを支持する車両用シートのヘツドレ
   スト支持構造において、上記ホルダーの筒を前後
   方向と左右方向との曲りを複合させた曲線でもつ
   て湾曲形成したことを特徴とする車両用シートの
   ヘツドレスト支持構造。