JPH0138252Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、エンジンのブローバイガスを吸気系
に還流させる主として車両用エンジンのブローバ
イガス還流装置に関する。

（従来の技術） この種装置として例えば実開昭59−60324号公
報に記載されているようにエンジンのシリンダヘ
ツドカバー内のブリーザ室をブローバイガス通路
を介してエアクリーナケースに接続するものは知
られている。

（考案が解決しようとする課題） この場合寒冷時はブローバイガス中に含まれる
水分のブローバイガス通路内での付着凍結を出ず
ることがあり、特に該通路はシリンダヘツドカバ
ー上の走行風の当り易い箇所に配置されることか
ら温度低下による凍結を生じ易い問題点があつ
た。

本考案はかゝる問題点を解決することを目的と
する。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するための本考案の構成はエ
ンジンのシリンダヘツドカバー内のブリーザ室
を、ブローバイガス通路を介してエアクリーナケ
ースに接続するものにおいて、前記ブローバイガ
ス通路を、前記シリンダヘツドカバーに一端で直
付けされて中間部にフイルタを介在させたチヤン
バーとしての中間フイルタケースに形成し、該中
間フイルタケースを、前記シリンダヘツドカバー
側のエアクリーナケースのダーテイサイドと大気
との間の仕切壁の側方に間隔を存して配置すると
共にエアクリーナケース上面のアツパーカバー
に、前記仕切壁より前記中間フイルタケースの上
方を越えてシリンダヘツドカバー側に延びる延設
部と、該延設部の端部から前記中間フイルタケー
スの中間部のフイルタより下方向まで垂下する垂
下部とを設け、該垂下部内側に前記エアクリーナ
ケースのダーテイ側に連なる接続部を設け、該接
続部と前記中間フイルタケース上面とを弾性通路
部材を介して接続したことを特徴とする。

（作用） そして本考案は前記の手段によりブローバイガ
スは膨張室内でその潤滑油分を粗分離すると共に
その水分をフイルタに吸収されて油分と水分の少
ないブローバイガスとしてエアクリーナケース内
に導入されると共にそのブローバイガス通路はエ
アクリーナケースの内外２重構造の嵌挿部で覆わ
れてシリンダヘツドカバー上の走行風によつて直
接冷却されることがないので、通路内のガスの凍
結を防止できる。

（実施例） 以下本考案を図示の実施に付説明する。

図面は頭上カム弁式の車両用サイクルエンジン
に本案装置を提供した実施例を示し、１はシリン
ダヘツド、２はシリンダヘツドカバー、３は該ヘ
ツドカバー２の後方に配置したエアクリーナケー
スであり、該ヘツドカバー２の内部空間をクラン
ク室（図示せず）に連通させると共に、該ヘツド
カバー２内の上部空間に仕切板４ａで気液分離用
のブローバイガス室４を画成し、該ブリーザ室４
をブローバイガス通路５を介して該エアクリーナ
ケース３に接続し、更に図示しないがクランク室
をPCVバルブを介在させた別のブローバイガス
通路を介して該エアクリーナケース３に連なる吸
気マニホルド６に接続して従来公知の所謂PCV
（Positive Crankcase Ventilatipn）方式のブロ
ーバイガス還流装置を構成し、通常運転時は後者
のブローバイガス通路を介しての該吸気マニホル
ド６へのブローバイガスの還流と、前者のブロー
バイガス通路５を介しての該エアクリーナケース
３側からの新気の導入とが行われて、クランク室
の換気が促進されるようにした。

ここで高負荷運転時等は、該ブローバイガス通
路５を介して該エアクリーナケース３側のブロー
バイガスが還流されるが、該通路５は該ヘツドカ
バー２上の走行風等を受け易い箇所に配置される
ことから、このままでは寒冷時該通路５内でのブ
ローバイガス中の水分の付着凍結を生じ易くな
る。

そこで図示の実施例では本考案の特徴とすると
ころに従い、該通路５は、ヘツドカバー２に直付
けされて、その中間部にフイルタ７を内蔵する膨
張ケース８に形成し、又エアクリーナケース３の
シリンダヘツドカバー２側の壁部即ち前壁部を内
外２重構造の嵌挿部とし、その内壁部３ａと外壁
部３ｂとの間の空間に、間隔を存して該膨張ケー
ス８を嵌挿し、その外壁部３ｂは膨張ケース８の
上方よりヘツドカバー２に向けて下方に延出して
フイルタ７を完全に覆うようにケース８を覆い、
該外壁部３ｂを防風板として機能させて該ケース
８に走行風等から直接当らないようにした。又膨
張ケース８はエアクリーナケース３の嵌挿部の上
壁に設けた接続部３ｃにゴム製その他の弾性通路
部材９を介して弾性的に接合させた。

なおエンジン１は前傾エンジンとし、そのヘツ
ドカバー２内のブリーザ室４も前傾に形成すると
共にブリーザ室４の後部のヘツドカバー２の上面
に膨張ケース８も直付けして該ケース８も前傾と
し、外壁部３ｂもケース８に対応して前傾させ、
かくてブローバイガス４の後部及び膨張ケース８
への水の浸入を防止すると共に前傾の外壁部３ｂ
はその内部の膨張ケース８への走行風の流れを有
効に防止してその保温性を高めるようにした。

（考案の効果） この様に本考案によるときはシリンダヘツドカ
バー２とエアクリーナケース３とを接続するブロ
ーバイガス通路５は、これをシリンダヘツドカバ
ー２に一端を直付けされて中間部にフイルタ７を
介在させたチヤンバーとしての中間フイルタケー
ス８に形成したからブローバイガス通路５は油分
と水分との分離効果の優れた通路に形成すること
ができ而も該中間フイルタケース８をシリンダヘ
ツドカバー２側のエアクリーナケース３のダーテ
イサイド３ｄと大気との間の仕切壁３ａの側方に
間隔を存して配置すると共に、前記エアクリーナ
ケース３の上面のアツパーカバー３ｅに、前記仕
切壁３ａより前記中間フイルタケース８の上方を
越えて、シリンダヘツドカバー２側の延びる延設
部３ｆと該延設部３ｆの端部から前記中間フイル
タケース８の中間のフイルタ７より下方向まで垂
下する垂下部３ｂとを設けたものであるからフイ
ルタ７を介在させた中間フイルタケース８の大部
分はアツパーカバー３ｅから延びる垂下部３ｂに
より覆われてブローバイガス通路５内での凍結を
防止することができ、更に垂下部３ｂ内側にはエ
アクリーナケース３のダーテイサイド３ｄ側に連
なる接続部３ｃを設け、該接続部３ｃと前記中間
フイルタケース８上面とを弾性通路部材９を介し
て接続したから接続通路が短かく形成されると共
に中間フイルタケース８はエンジンの振動を受け
ることなくエアクリーナケース３に接続されて接
続部のシール性を損うことなく簡単に接続されて
その組付工数を大幅に削減することができる等の
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本案装置を具備するエンジンの要部の截
断側面図である。 ２……シリンダヘツドカバー、３……エアクリ
ーナケース、３ａ……内壁部、３ｂ……外壁部、
３ｃ……接続部、５……ブローバイガス通路、７
……フイルタ、８……膨張ケース、９……弾性通
路部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンのシリンダヘツドカバー内のブリーザ
   室を、ブローバイガス通路を介してエアクリーナ
   ケースに接続するものにおいて、前記ブローバイ
   ガス通路を、前記シリンダヘツドカバーに一端で
   直付けされて中間部にフイルタを介在させたチヤ
   ンバーとしての中間フイルタケースに形成し、該
   中間フイルタケースを、前記シリンダヘツドカバ
   ー側のエアクリーナケースのダーテイサイドと大
   気との間の仕切壁の側方に間隔を存して配置する
   と共に前記エアクリーナケース上面のアツパーカ
   バーに、前記仕切壁より前記中間フイルタケース
   の上方を越えてシリンダヘツドカバー側に延びる
   延設部と、該延設部の端部から前記中間フイルタ
   ケースの中間部のフイルタより下方向まで垂下す
   る垂下部とを設け、該垂下部内側に前記エアクリ
   ーナケースのダーテイ側に連なる接続部を設け、
   該接続部と前記中間フイルタケース上面とを弾性
   通路部材を介して接続したことを特徴とするエン
   ジンのブローバイガス還流装置。