JPH0135140Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は芝刈機のブレード及びミツシヨン等を
収納するハウジングの構造に関する。

従来の芝刈機は第１図の平面図に示すように、
ブレード１を囲むキヤツプ状のスクロール２と、
該スクロール２の後端に設けられ、ミツシヨン３
を収納する収納部４とを一体化してハウジング５
とし、このハウジング５の前部左右に前輪６，６
を、後部左右に後輪７，７をそれぞれ設け、ハウ
ジング５の後部から斜め上方にハンドルパイプ
８，８を延出し、ハウジング５上に載置したエン
ジンの動力を駆動軸９及びミツシヨン３を介して
後輪７，７に伝達し走行せしめるようにしてい
る。

そして、エンジンの動力をミツシヨン３に伝え
るにはミツシヨン３の収納部４に開口部１０を形
成し、この開口部１０に駆動軸９を貫通せしめる
必要がある。このため従来の芝刈機にあつては、
前記開口部１０を、前記収納部４のスクロール２
側の面部であつて且つスクロール２の中心を通る
機体前後方向の中心線ｌ上に位置する部分に形成
するか、或いはそのまま中心線ｌから側方、即ち
図中想像線で示す位置に開口部１０を形成してい
る。

しかしながら、上記の如き構成とすると、開口
部１０はスクロール２の最後部に位置し、必然的
に開口部１０が後方に位置することとなり、ハウ
ジング５全体の長さが大きくなる。斯かる事情は
駆動軸９の代わりにベルトを用いた場合でも同様
である。

本考案はハウジング全体の長さを短くして、コ
ンパクト化と軽量化を可能とした芝刈機のハウジ
ング構造を提供することを目的とする。

この目的を達成すべく本考案は、駆動軸或いは
駆動ベルト等を貫通せしめるためにミツシヨン収
納部に形成する開口部の位置を、ブレードの回転
軸を通る機体前後方向の中心線を基準としてスク
ロールの中心を通る機体前後方向の中心線から左
右いずれかに偏位させたことを構成上の特徴とす
る。

以下に本考案の実施例を第２図及び第３図に基
づいて説明する。第２図は本考案に係るハウジン
グ構造を適用した芝刈機の概略平面図、第３図は
同芝刈機のハウジング内を示す断面図である。

ハウジング２０は下方に向つて開放された平面
視円状のスクロール２１と、該スクロール２１の
後端に形成されるミツシヨン収納部２２とからな
り、これらスクロール２１と収納部２２はアルミ
ニウム合金などを鋳造することで一体的に成形さ
れる。そして、ハウジング２０の前部左右及び後
部左右には従来例と同様に前輪２３及び後輪２４
が設けられ、ハウジング２０の後部からは斜め後
方にハンドルパイプ２５が延設されている。

一方、スクロール２１内にはブレード２６が回
転可能に配設されるとともに、中央部にフアン収
納部２７が設けられ、ブレード２６の回転に伴な
う風とフアンによる風によつて刈り取つた芝をス
クロール２１の内側に沿つて飛送せしめ、放出口
２８を通してハンドルパイプ２５，２５間などに
取り付けた袋体内に排出するようにしている。

また、ミツシヨンス収納部２２内にはガイド穴
２９ａを形成したガイド部材２９が固設され、該
ガイド穴２９ａにボルトなどの結着具３０を介し
てミツシヨン３１が支持されている。而して、結
着具３０を緩め、ミツシヨン３１の上下位置を調
整すれば、ブレード２６と地面との距離が変わる
ので、芝の刈込み深さを任意に調整することがで
きる。

また、収納部２２の前面即ちスクロール２１側
の面には開口部３２が形成され、この開口部３２
の下端線３２ａは前記スクロール２１の円弧状周
縁２ａと一致している。又、この開口部３２を貫
通して駆動軸３３が配設され、エンジンの出力軸
とミツシヨン３１とを連結し、ミツシヨン３１内
の歯車列を介して車軸３４を回転せしめ、芝刈機
を走行するようにしている。ここで、駆動軸３３
は前部軸３３ａと後部軸３３ｂをジヨイント３５
で連結してなり、ジヨイント３５は前部軸３３ａ
に固着され、このジヨイント３５に後部軸３３ｂ
がスプライン嵌合している。而して、ミツシヨン
３１の位置を上方に移動調整した場合には、後部
軸３３ｂがジヨイント３５内に更に入り込み、下
方に移動調整した場合には、ジヨイント３５内を
後部軸３３ｂが後退し、ミツシヨン３１の上下動
に伴う前後方向の変化量を吸収する。更に、開口
部３２の上端から前方に駆動軸３３のカバー３６
が延設されている。

ここで前記開口部３２は、スクロール２１の中
心を通る機体前後方向の中心線ｌから左右いずれ
か（実施例では左側、放出口２８と反対側）に偏
位しているので、該開口部３２はスクロール２１
の最後部よりも前方に位置することになり、その
分だけミツシヨン３１も前方に配置することがで
き、ミツシヨン収納部２２を前後方向に縮めるこ
とができる。したがつてブレード２６の回転軸２
６ａとミツシヨン収納部２２の後端との距離Ｌが
小さくなる。

上記の如きハウジング２０を鋳造するには、例
えば固定型と可動型とのパーテイングラインが開
口部３２の位置となるようにし、更にパーテイン
グラインの下端部がスクロール２１の周縁位置と
なるようにすればよい。

尚、図示例にあつては駆動軸３３によりエンジ
ンとミツシヨンとを連結せしめたが、駆動軸の代
わりにベルト或いはチエーン等を用いる場合であ
つても本願考案に係るハウジング構造を適用し得
る。

以上に説明した如く本考案によれば、駆動軸等
の駆動部材を貫通させるために、芝刈機のハウジ
ングに形成する開口部を、スクロールの中心を通
る機体前後の中心線から左右いずれかに偏位させ
たので、ハウジング全体をコンパクトにすること
ができ、且つ軽量化も達成でき、したがつて使用
しやすく、また使用しない場合の収納スペースが
小さくて済む芝刈機を提供し得る等多くの効果を
発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の芝刈機の概略平面図、第２図は
本考案に係るハウジング構造を適用した芝刈機の
概略平面図、第３図は同芝刈機のハウジング内部
を示す縦断面図である。 尚、図面中２０はハウジング、２１はスクロー
ル、２２はミツシヨン収納部、２６はブレード、
２６ａはブレードの回転軸、２８は放出口、３１
はミツシヨン、３２は開口部３２ａは開口部の下
端縁、３３は駆動軸、ｌは機体前後方向の中心線
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 芝刈用のブレードを囲む平面視円状のスクロー
   ルと、該スクロールの後端側に設けられ、ミツシ
   ヨンを収める収納部とからなるハウジングにおい
   て、前記収納部の前記スクロール側の面部に開口
   部を形成して該開口部にエンジンからの動力をミ
   ツシヨンを介して車軸に伝える動力伝達部材を挿
   通し、前記開口部を前記スクロールの中心を通る
   機体前後方向の中心線から左右いずれかに偏位し
   て形成したことを特徴とする芝刈機のハウジング
   構造。