JPH0134594Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用ドアミラー、特に詳細には自
動車の車室内に走行風を導入することのできる自
動車用ドアミラーに関するものである。

（従来技術） フロントドアにいわゆる三角窓を設けた自動車
においては、この三角窓を開くことにより走行風
を車室内に導入することができる。しかし三角窓
を備えない自動車にあつては、フロントドアのウ
インドを全開しても走行風はフロントシート近辺
には導入されず、該フロントシートの乗員は爽快
感が得られない。そこで例えば実開昭54−53253
号公報に示されるように、自動車走行中に外気を
車室内に導くようにした自動車用ドアミラーが提
案されている。このドアミラーは、ミラー本体の
奥行を深くとると共に車室側の側面を平滑に形成
し、この側面に当たつた走行風の一部を車室内に
導入するようにしたものである。

しかし上記のようなドアミラーにあつては、走
行風の導入方向を調整するとそれにつれてミラー
の角度が変わつてしまうので、乗員の思い通りに
走行風の導入方向を設定することができない、と
いう不都合があつた。

（考案の目的） 本考案は上記のような不都合を解消し、ミラー
の取付角度を最適に維持したまま、走行風の導入
方向を自由に調整することができる、自動車用ド
アミラーを提供することを目的とするものであ
る。

（考案の構成） 本考案の自動車用ドアミラーは開閉可能なドア
ガラスを備えたドアに固定されるミラーケース内
に調整可能にミラーを配設した自動車用ドアミラ
ーにおいて、 ミラーケースをドアガラスと間隔を置いて対向
する位置に配し、 上記ミラーケースの車室寄りの位置には、一端
が該ケースの前面に開口するとともに他端がドア
ガラスに対向するように開口して走行風を流通さ
せる走行風導入通路を設け、 該走行風導入通路の車体外方側の側壁には、上
記走行風の導入方向を制御可能に走行風調整板を
ピボツト支持し、 この走行風調整板を上記ミラーケースの外面か
ら突出しない大きさとしたことを特徴とするもの
である。

（実施例） 以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を詳
細に説明する。

第１図は本考案の１実施例による自動車用ドア
ミラーを示すものであり、第２図は該ドアミラー
の平断面図である。自動車のドアに固定されるミ
ラーケース１は、ドアに直接固定される取付部２
と、ケース本体３とを有し、これら取付部２とケ
ース本体３との間にはミラーケース内外を連通さ
せる走行風導入通路４が形成されている。このミ
ラーケース１は第２図に示されるように、フロン
トドア５のドアサツシ６に固定されたコーナーブ
ラケツト７に、取付ビス８を用いて固定される。
なおこのミラーケース１は、開閉可能なドアガラ
ス２０と間隔を置いて対向する位置に配される。
そして走行風導入通路４は、一端がミラーケース
１の前面に開口するとともに、他端がドアガラス
２０に対向するように形成されている。

ミラーケース本体３内には、自動車後方側（第
２図において下方側）に突出するボール体９が支
持されたミラー支持部材１０が固定されており、
また該ミラーケース本体３の開口部内にはミラー
１１が配設されている。該ミラー１１は、ミラー
受板１２の裏面に形成されたボール受承部１３が
上記ボール体９を受承してピボツト係合すること
により、上下左右方向に取付角度が調整されるよ
うになつている。

上記ミラーケース本体３の車室側の側壁、すな
わち前記走行風導入通路４の車体外方側の側壁３
ａの大部分は、図示の通り、車体後方側に行くに
従つて次第に車室に近付く形状とされている。こ
の側壁３ａには、ボール受承部１４が形成され、
該ボール受承部１４には調整板支持アーム１５の
一端に形成されたボール体１６が受承されてい
る。このボール体１６は球面状凹部を有するボー
ル押え１７によつて押さえられて、該ボール押え
１７、ボール受承部１４にピボツト係合し、した
がつてアーム１５は上下左右方向に自由に角度が
変えられるものとなつている。そしてこのアーム
１５の他端には、前記走行風導入通路４の縦幅に
近い縦幅を有する走行風調整板１８が固定されて
いる。この走行風調整板１８は図示の通り、ミラ
ーケース１の外面から突出しない大きさとされて
いる。アーム１５と走行風調整板１８との接合部
からボール受承部１４にかけての部分は、一端部
が前記側壁３ａに、他端部が該走行風調整板１８
に接合されたラバーシート１９によつて覆われて
いる。

以下、上記構成のドアミラーの作用、効果につ
いて説明する。調整板支持アーム１５の先端がピ
ボツト支持されていることにより、走行風調整板
１８は上下左右方向に自由に取付角度が調整され
る。したがつて第２図に示されるように該走行風
調整板１８を、自動車後方に行くにしたがつて次
第に車室に近づくように傾斜させておけば、自動
車の走行時に導入通路４より取入れられた走行風
は該調整板１８によつてその風向が調整され、第
２図に矢印Ａで示すように車室側に向かつて流れ
る。したがつてこのときフロントドア５のウイン
ドが開かれていれば、走行風は車室内に効率良く
導入される。

この走行風の導入方向は、走行風調整板１８の
取付角度を変えることにより制御されうる。すな
わち走行風調整板１８を、第２図においてボール
体１６の周りに時計方向に回動させるにつれ、走
行風はより自動車前方側（第２図において上側）
において車室に導入されるようになる。また走行
風調整板１８の上下方向の角度を変えることによ
り、例えば乗員の胸元に向けて、あるいは顔に向
けてというように、走行風の導入高さ（上下方向
角度）を調整することも可能である。

さらに上記走行風調整板１８を、その内端がミ
ラーケース取付部２に近接するように前方に向
け、走行風導入通路４をほぼ閉じる状態に設定す
ることも可能である。そうすれば、調整板１８に
よる強い走行風を車室に入れず、ウインドを開け
ておくことにより自然に車室に入つて来る走行風
のみによつて穏やかな爽快感を得ることができ
る。

また勿論ながら、ドアガラス２０を閉めれば、
走行風を全く車室内に入れないようにすることが
できるし、雨や埃等の侵入も防止できる。そして
降雨、時降雪時等に、走行風調整板１８を走行風
導入時の状態と同じにしてドアガラス２０を閉め
ておけば、走行風は走行風導入通路４に対向する
部分においてドアガラス２０に当たり、そこの部
分からドアガラス２０に沿つて車体後方側に流れ
る。そうなれば、ミラー１１の内側部分のドアガ
ラス２０に付着した雨水等が後方に流され、ミラ
ー１１による後方視認性が向上する。このように
する場合にも、走行風調整板１８の向きを上下左
右方向に自由に変えることができるから、運転者
の目とミラー１１との間のドアガラス部分におい
て雨等が良好に流れるように、走行風の向きを自
在に設定可能である。

そして走行風調整板１８はミラーケース１の外
面から突出しない大きさとされているから、この
走行風調整板１８によつて走行抵抗が著しく増大
したり、あるいは大きな風切音が発生することは
ない。また前述した通り走行風調整板１８の向き
を上下左右方向に自由に変えることができるか
ら、上記風切音が発生し難いように該調整板１８
の向きを設定することも可能である。

なお本実施例のドアミラーにおいては前述の通
り、アーム１５と走行風調整板１８との接合部か
らボール受承部１４にかけての、凹凸が生じる部
分をラバーシート１９によつて覆つているので、
導入通路４を流れる走行風によつて不快な風切音
が発生することが防止される。

（考案の効果） 以上詳細に説明した通り本考案の自動車用ドア
ミラーは、ミラー角度を考えることなく自由に走
行風導入方向を変えうるので、車室内乗員の爽快
感を高める効果が極めて高い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を示す斜視図、第２
図は上記実施例の平断面図である。 １……ミラーケース、３ａ……ミラーケース側
壁、４……走行風導入通路、５……フロントド
ア、１１……ミラー、１４……ボール受承部、１
５……調整板支持アーム、１６……ボール体、１
７……ボール押え、１８……走行風調整板、２０
……ドアガラス。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 開閉可能なドアガラスを備えたドアに固定され
   るミラーケース内に調整可能にミラーを配設した
   自動車用ドアミラーであつて、 上記ミラーケースはドアガラスと間隔を置いて
   対向する位置に配され、 上記ミラーケースの車室寄りの位置には、一端
   が該ケースの前面に開口するとともに他端がドア
   ガラスに対向するように開口して走行風を流通さ
   せる走行風導入通路が設けられ、 該走行風導入通路の車体外方側の側壁には、上
   記走行風の導入方向を制御可能に走行風調整板が
   ピボツト支持され、 この走行風調整板は上記ミラーケースの外面か
   ら突出しない大きさとされていることを特徴とす
   る自動車用ドアミラー。