JPH0134549Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は主として自動車の機関に装着される
車両用発電機に関するもので、特にスリツプリン
グの外径を小さくして周速を低下させる構造にし
たときの軸受け強度の改善を計ることをを目的に
したものである。

従来のこの種の発電機は、第１図および第２図
にその例が示されるようにスリツプリングの外径
は反駆動側のベアリングの外径より大きくする構
造が一般的である。ベアリング外径より小さくす
るとブラシ保持器に当つて組立が不可能という理
由からである。第１図および第２図において、１
は回転子で、回転軸１ａと、界磁巻線１ｂを有す
る。２は三相出力巻線２ａを有する固定子、３は
この固定子を保持する駆動側のブラケツト、４は
同じく上記固定子を保持する反駆動側のブラケツ
ト、５は駆動用プーリ、６は上記回転子１の一端
部に装着されたスリツプリング、７はこのスリツ
プリングと摺接された給電用のブラシ、３０は駆
動側のベアリング、４０は反駆動側のベアリング
である。

第１図は反駆動側のベアリングとしてボールベ
アリングを使用した例である。この第１図の従来
例の場合騒音が小さいという長所を有するが、負
荷容量の関係から外径が大きく、したがつてスリ
ツプリング６の外径が小さくできないという短所
を有する。第２図は反駆動側のベアリングとして
ニードルベアリングを使用した例で、このニード
ルベアリング４０の外径は小さく、したがつてス
リツプリング６の外径を小さくできるという長所
を有するが、回転時の騒音が非常に大きいという
欠点を有する。

スリツプリング６の外径を小さくするとその回
転時の周速が下がるためその分だけ発電機の使用
回転速度を上げて出力を増大させることができる
のであるが、騒音との関係で、上述の例のごとく
いずれかの短所を容認して使用せざるを得なかつ
た。

この考案は上記の欠点を解消するためになされ
たもので、スリツプリングの外径を小さくしてし
かも騒音の小さな車両用発電機を提供することを
目的とするものである。

第３図はこの考案の第１の実施例を示すもので
ある。４１と４２は上記回転軸１ａに対し軸方向
に並列的に隣接して装着された２個のボールベア
リングで、各々の外径は上記スリツプリング６の
外径より小さく設定されており、又、上記各ベア
リングは、上記反駆動側ブラケツト４と上記回転
軸１ａとの間に装着されている。このように構成
された実施例にあつては、２個のボールベアリン
グ４１，４２は負荷容量を考慮して外径を小さく
できるので、その分だけスリツプリング６の外径
を小さくできる。又、ボールベアリング４１，４
２はニードルベアリングに比して騒音が小さいと
いう長所を有するので、回転速度を上げて出力を
増大させしかも騒音が小さく実用的にすぐれた車
両用発電機を提供することが出来る。

第４図はこの考案の第２の実施例を示すもので
４１ａ，４２ａは上記各ボールベアリング４１，
４２に設けられたシール、４３は潤滑油である。
この実施例のものでは、一方のベアリング４１と
他方のベアリング４２を各々片側シールとして、
両者のシール４１ａ，４２ａ間に潤滑油４３を封
入したものである。一般に車両用発電機はベアリ
ングの負荷による機械的寿命の他に潤滑油の枯渇
による焼付きによつて寿命が決定される。この第
４図の実施例の構造は従来の如く１個の大きなベ
アリングを使用するものより、多くの潤滑油を保
持できるのでそれだけベアリングの寿命が長くな
るという特長を有する。

第５図はこの考案の第３の実施例を示すもの
で、２個のボールベアリング４１，４２の外形並
びに内径を各々互いに異ならせるとともに、他方
のベアリング４２に対する回転子１の軸１２ａの
軸径を一方のベアリング４１に対する軸１１ａの
軸径より小さく形成したものである。この他に回
転子１の軸を共通にして外輪径の異なるベアリン
グを使用することは勿論可能である。

以上の説明の通りこの考案は反駆動側ブラケツ
トと回転子の軸間に配設される軸受を、その外径
がスリツプリングの外径より小でかつ軸方向に２
個隣接して配置されたボールベアリングから構成
するようにしているので、負荷容量を補償しつゝ
スリツプリングの外径を小さくすることができる
ので、騒音を低くおさえて高速回転にできるの
で、小形で大きな出力を有する車両用発電機を提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車両用発電機の断面図、第２図
は同じく従来の他の実施例を示す断面図、第３図
はこの考案の第１の実施例を示す断面図、第４図
はこの考案の第２の実施例を示す断面図、第５図
はこの考案の第３の実施例を示す断面図である。 図において、１は回転子、１ａは回転軸、１ｂ
は界磁巻線、２は固定子、２ａは三相出力巻線、
３は駆動側のブラケツト、４は反駆動側のブラケ
ツト、４１は一方のボールベアリング、４２は他
方のボールベアリング、４１ａ，４２ａは夫々シ
ール、４３は潤滑油である。尚、図中同一符号は
同一部分または相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 界磁巻線とこの巻線への給電用スリツプリン
   グとを有する回転子、三相出力巻線を有する固
   定子、この固定子を保持する駆動側ブラケツト
   および反駆動側ブラケツト、この両ブラケツト
   の軸中心と上記回転子の軸間に軸受を配設して
   上記回転子を回転自在に支承する構造を有する
   ものにおいて、上記反駆動側ブラケツトと上記
   回転子の軸間に配設される軸受はその外径が上
   記スリツプリングの外径より小でかつ軸方向に
   ２個隣接して配置されたボールベアリングから
   構成されていることを特徴とする車両用発電
   機。 (2) ボールベアリングは各々片側シールボールベ
   アリングより構成され各ベアリングのシールの
   無い側を互いに対向させ、その間に潤滑油を封
   入したことを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第(1)項記載の車両用発電機。 (3) ２個のボールベアリングは各々互いに径が異
   なるものより構成したことを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第(1)項記載の車両用発電機。