JPH0134458Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は例えばVTR（ビデオテープレコー
ダ）或は磁気デイスク再生装置等に利用して好適
なミクサ兼トラツプ回路に関し、特に信号の減衰
量を少なくしSN比のより混合信号を得ると共に
部品点数を少なくし安価に作ることができるミク
サ兼トラツプ回路を提供しようとするものであ
る。

〈考案の背景〉 VTR或はデイスク装置のような映像信号と音
声信号を別々のトラツクから再生し、これを混合
して受像機に供給する装置においては映像信号と
音声信号をミクサによつて混合し、受像機に供給
するようにしている。音声信号及び映像信号には
相互に例えばクロストーク等により不要信号が含
まれる場合が多い。従つて信号を混合すること
と、相互に含まれる不要信号を除去することが要
求される。

〈従来の説明〉 このような理由から従来は第１図及び第２図に
示すように直列抵抗器１並列抵抗器３とによつて
構成したミクサMXと、コイルＬとコンデンサ
C₁，C₂と抵抗器２とによつて構成したトラツプ
回路Ｔを直列に接続している。

つまり第１図の例ではミクサMXによつて二つ
の信号を混合し、混合された信号から不要成分を
トラツプ回路Ｔによつて除去するようにした場合
を示す。

また第２図の例では二つの信号から予め不要信
号を除去しその後にミクサMXにより混合するよ
うにした場合を示す。

このように従来はミクサMXとトラツプ回路Ｔ
とを直列接続して用いるものであるから入力端子
IN₁及びIN₂と出力端子OUTとの間に少なくとも
２本の抵抗器１と２が直列接続されることとな
る。

〈従来回路の欠点〉 従来の回路はミクサMXとトラツプ回路Ｔとを
直列に接続するものであるため、信号伝送路上に
これらミクサMXとトラツプ回路Ｔを構成する２
本の抵抗器１と２が直列に挿入されることとなり
この部分で信号の減衰を受け、SN比を悪くして
いる。

このため第３図に示すような回路が与えられ
る。この回路によればトラツプ回路Ｔを構成する
抵抗器２が抵抗器３とによつてミクサMXを構成
する。従つてこの第３図の回路によれば入力と出
力端子IN₁−OUT及びIN₂−OUTとの各間には
直列抵抗器２が一本だけ存在するだけとなる。よ
つてSN比を改善することができる。

この第３図の回路は第１図及び第２図の回路と
比較すれば抵抗器が二本分だけ少なくなつており
部品数を少なくできる利点が得られる。然しトラ
ツプ回路Ｔの双方にコイルＬを必要とし、部品点
数を充分少なくしたとは言い難い。またトラツプ
周波数の調整をコイルＬにおいて各別に行なわな
くてはならないため調整個所が多いためこの点で
人手を食いコスト高となる。

〈考案の目的〉 この考案の目的はSN比のより、然も部品点数
を少なくでき、安価に作ることができることと、
調整個所を一点とし、調整の人手をも少なくでき
るミクサ兼トラツプ回路を提供するにある。

〈考案の実施例〉 第４図にこの考案の一実施例を示す。この考案
では一つのコイルＬを２つのトラツプ回路Ｔにお
いて兼用し、更にトラツプ回路Ｔを構成する抵抗
器２をミクサに兼用するように構成したものであ
る。

つまり、入力端子IN₁とIN₂に２本の直列抵抗
器２の各一端を接続し、この２本の直列抵抗器２
の他端を共通接続して出力端子OUTに接続する。
出力端子OUTと共通電位点４との間に並列抵抗
器３を接続し、これら抵抗器２と抵抗器３とによ
つてミクサMXを構成するものである。

更に入力端子IN₁とIN₂それぞれにコンデンサ
C₁，C₂の各一端を接続し、コンデンサC₁，C₂の
他端を共通接続し、その共通接続点と共通電位点
との間に一個のコイルＬを接続する。コンデンサ
C₁，C₂とコイルＬとの共通接続点と出力端子
OUTの間にコンデンサC₃を接続する。

〈考案の作用効果〉 このように構成することによりこの考案によれ
ば抵抗器２と３によつてミクサMXを構成すると
共に抵抗器２とコンデンサC₁，C₃及びC₂，C₃と
コイルＬによつて２つのトラツプ回路を構成する
ことができる。このトラツプ回路のトラツプ周波
数_tは _t＝１／2π√（C₁＋C₂＋C₃）Ｌ により決められる。

従つてこの考案によれば入力端子IN₁，IN₂と
出力端子OUTとの間にはそれぞれに一本の抵抗
器２が存在するだけであるため信号の減衰を少な
くでき、SN比のよい混合出力を得ることができ
る。更に二つのラツプ回路は一つのコイルＬを兼
用したから部品点数を少なくできる。特にこの回
路中でコイルが最もコストが高い部品であるため
大幅なコストダウンが期待できる。然もコイルＬ
が一個で済むためトラツプ回路のトラツプ周波数
設定のための調整個所を一点にすることができ
る。よつて調整のための人手を少なくでき、この
点でもコストダウンを期待できる。

以上説明したようにこの考案によれば安価で然
もSN比のよいミクサ兼トラツプ回路を提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のミクサとトラツプ回
路の組合せを説明するための接続図、第３図は従
来の改良案を説明するための接続図、第４図はこ
の考案の一実施例を示す接続図である。 IN₁，IN₂：入力端子、OUT：出力端子、２：
直列抵抗器、３：並列抵抗器、C₁，C₂，C₃：コ
ンデンサ、Ｌ：コイル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 Ａ 複数の入力端子及び共通の出力端子間にそれ
   ぞれ直列接続した複数の直列抵抗器と、 Ｂ 上記出力端子と共通電位点の間に接続した並
   列抵抗器と、 Ｃ 上記複数の入力端子に各一端が接続され他端
   が互に共通接続された複数のコンデンサと、 Ｄ 上記出力端子に一端が接続され他端が上記コ
   ンデンサの共通接続点に接続されたコンデンサ
   と、 Ｅ これらコンデンサの共通接続点と共通電位点
   の間に接続したコイルと から成るミクサ兼トラツプ回路。