JPH0133278Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、下水汚泥等の脱水に用いるベルト
プレスにおける汚泥の供給装置に関する。

「従来技術」 ベルトプレスは、一般に多数配列したロール間
に、上下一対の布を走行自在に掛け回わし、こ
られ布間に汚泥を供給し挟持させ、上記ロール
によつて加圧して脱水するものであるが、その能
率は、汚泥を如何に巾広の布間に、均一に供給
するかに懸つている。現在では、布の巾は３ｍ
にも達しており、この布上に、如何にして均一
に汚泥を供給するか種々提案されている。例え
ば、実開昭56−42317号のものは、下布上に供
給された汚泥を機械的に拡げるものであり、ま
た、実開昭57−95472号のものは、汚泥の流動性
を利用して、トラフ内で拡散させるものである。

「考案が解決しようとする問題点」 然しながら、前述の機械的に汚泥を掻き拡げる
ものでは、その装置が複雑でコスト高となり、ト
ラフを用いるものでは、トラフ内に汚泥が沈積し
て、広い巾に均一に拡散させることは困難であ
る。

「問題を解決するための手段」 そこで、この考案では、上述トラフ装置に工夫
を施すとともに、トラフからでた汚泥に対しても
均し装置を設けて、従来の問題点を解消したもの
であつて、その要旨とするところは、多数並列し
たロール間に、上下一対の無端状の布を走行自
在に掛け回わしたベルトプレスにおいて、上記下
布の走行始端部の上方に、その巾方向に駆動軸
の回わりに設けられて、回転自在なトラフを設
け、そのトラフと下布との間に設けたシユート
の下端部に、シユート上を滑落する汚泥に対し
て、接近離脱自在な均し用のロールを設けたもの
である。

「作用」 この考案は、上述のように構成されており、ト
ラフに供給された汚泥は、このトラフに沿つて
布の巾方向に拡散するとともに、このトラフが駆
動軸の回わりで回転するので、完全に下向きとな
り、従来のトラフのように汚泥が溜ることがな
い。そして、トラフが下向きとなることにより落
下して、シユート上を滑落する汚泥は、さらに、
ロールによつて押し拡げられて完全に拡散する。
このロールによつて拡散せしめるに際しても、こ
のロールが回転するので、従来の堰板のように、
該部に汚泥が溜ることもない。尚、ローラとシユ
ートとの間隔は、使用するに当つて、ローラを上
下に揺動自在にするも、また固定しておくも自由
である。

「実施例」 第１図は、この考案を施したベルトプレスの概
略の側面図であり、図中符号１は上布、２は下
布であり、これら上下一対の布１，２は、多
数配列したロール３……に沿つて走行するように
してある。４は、このベルトプレスで脱水する汚
泥濃縮用のトロンメルであり、その濃縮汚泥の落
下口の下方には、回転自在な駆動軸５の回わりに
設けたトラフ６が臨ませてある。７は汚泥供給用
のシユートであり、その下端部には汚泥均し用の
ローラ８が設けてある。このトラフ６およびロー
ラ８部分について、第２図〜第４図に基づいてさ
らに詳述すれば、前述の駆動軸５は、モータ９に
よつて駆動されるようになつており、図中１０は
伝動チエーン、１１はスプロケツトである。そし
て、前述駆動軸５の回わりに形成されるトラフ６
は、駆動軸５を中心にして放射状に配列した仕切
板で構成されている。次に、シユート７の下端に
設けるローラ８は、その両端がシユート７に設け
た支持腕１２に軸支されており、また、支持腕１
２は、シユートに枢着されていて、ローラ８を上
下に揺動できるようにしてある。

上述のように構成されたベルトプレスでは、ト
ロンメル４で濃縮されて、トラフ６に供給された
汚泥は、トラフ６内で布１，２の巾方向に拡散
したのち、このトラフ６が回転することで、シユ
ート７上に落下し、そして、落下した汚泥は、シ
ユート７上を滑落して、ローラ８によつて平均に
均らされて下布１上に供給される。

この汚泥の供給に際して、この実施例のもので
は、汚泥を供給されたトラフ６が回転し下向きと
なるので、トラフ内に汚泥が溜ることがなく、ま
た、トラフ６は駆動軸の回わりに複数個連続して
設けてあるので、布の走行方向にも均一に汚泥
を供給することができる。また、布の巾方向、
走行方向に多少の不均一が生じても、ローラによ
り平均化することができ、このとき、ローラ部分
に汚泥を堆積させることもないものである。尚、
下布上に供給された汚泥は、後に設けたロール
により脱水されて、機体後端より排出される。符
号１３は、剥離用のスクレーパである。

「考案の効果」 このように、この考案に係る装置は、給泥用の
トラフを駆動軸の回りに放射状に設けることによ
つて、従来のトラフのように内部に汚泥を沈積さ
せることがなく、布の巾方向に平均に拡散させ
ることができ、また、布の進行方向にも連続的
に供給可能である。さらに、このようにして供給
された汚泥を、ローラによつてその厚みを平均に
することができるもので、この装置を用いること
によつて、均一な水分の高脱水ケーキを得ること
ができ、特に、その布の巾の広い大型のベルト
プレスに用いて卓効を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案を施したベルトプレスの概
略の側面図、第２図は、その汚泥の供給装置部分
の平面図、第３図はその正面図、第４図はその左
側面図である。 符号説明、１……上布、２……下布、３…
…ロール、５……駆動軸、６……トラフ、７……
シユート、８……ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数並列したロール３……間に、上下一対の無
   端状の布１，２を走行自在に掛け回わしたベル
   トプレスにおいて、上記下布２の走行始端部の
   上方に、その巾方向に駆動軸５の回わりに設けら
   れて回転自在なトラフ６を設け、そのトラフ６と
   下布２との間に設けたシユート７の下端部に、
   シユート７上を滑落する汚泥に対して、接近離脱
   自在な均し用のローラ８を設けてなるベルトプレ
   スにおける汚泥の供給装置。