JPH0132637Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、水ジエツトやスクリユ等の船内外機
により推進する小型舟艇の操向装置に関するもの
である。

（従来技術及びその間題点） 小型舟艇には、モーターボート、本出願人によ
り開発された水ジエツト推進によるスポーツ用小
型舟艇、或いは遊園地等で使用される足漕式等に
よるレジヤー用小型舟艇等がある。この内水ジエ
ツト推進によるスポーツ用小型舟艇は、第１図に
示す如く搭乗者１が船体２の後方の乗船部３に立
つてハンドルポール４の上端のハンドル５を操作
して操縦するようになつている。

その操向装置の構造を第２，３図によつて説明
すると、ハンドル５はくの字形に屈曲したパイプ
５ａを板状のハンドルホルダー６の後端部下面に
クランプ部材７を介して締付け固定し、パイプ５
ａの両端の握り部にゴム製グリツプ５ｂを嵌着固
定したもので、前記板状のハンドルホルダー６
は、カバー８（第１図）に被われた板状のハンド
ルポール４の下面の切欠段部４ａに配置して上下
両側にねじ９，９′が形成されたピン１０にて回
転可能に支持している。即ち、ハンドルホルダー
６の前端部に穿設されたピン穴６ａに断面Ｌ形の
ブツシユ１１を嵌め込んだ状態でハンドルポール
４の上端部のねじ穴４ｂと芯合わせの上ピン１０
を挿通螺合し、ピン１０の上下のねじ９，９′に
ナツト１２，１２′を締付けて回転可能に支持し
ている。

ところで、斯かる従来の操向装置は、板状のハ
ンドルホルダー６を板状のハンドルポール４の下
面の切欠段部４ａに配置してピン１０にて回転可
能に支持しているだけであるから、ブツシユ１１
が介在していても運航中の波浪による船体の衝
撃、エンジン駆動及びノズル１３（第１図参照）
からの水ジエツト噴出により発生する船体２の振
動等によつてハンドルホルダー６の回転支持部に
がたつきが生じる場合があつた。またこの操向装
置は、ハンドルポール４、それのカバー８（第１
図参照）、ハンドルホルダー６、ハンドル用のパ
イプ５ａ、ゴム製グリツプ５ｂ、それらの支持部
品や取付部品等構成部品の点数が多くて、製作、
組立に多くの工数を必要とし且つ著しくコスト高
となつていた。

（考案の目的） 本考案は、斯かる不都合を解決すべくなされた
もので、ハンドルホルダーとハンドルを一体化し
たハンドルをがたつきが生じないようにハンドル
ポールの上端に回転可能に支持できるようにし、
且つ構成部品の点数を少なくした小型舟艇の操向
装置を提供することを目的とするものである。

（考案の構成） ａ 小型舟艇のハンドルポールを角筒状に構成す
る。

ｂ 角筒状のハンドルポールの上端部中央に上下
面を貫通せる円形の穴を形成する。

ｃ 円形の穴の内周面及び周囲上下面にブツシユ
を介在して、外周側に握り部を形成した上下２
枚合わせの環状中空のハンドルを嵌着して回転
可能に支持する。

（実施例） 第４図及び第５図によつて本考案による小型舟
艇の操向装置の一実施例を説明する。図中１５は
第１図に示される船体２の船首部にて前後方向に
回転可能に立設されるハンドルポールで、角筒状
に構成されている。このハンドルポール１５は船
尾方向に彎曲せしめられ、その上端部は略水平に
なされていて、その上下面に第５図に示す如く段
部１６が形成されて扁平筒状になされている。こ
の扁平筒状のハンドルポール１５の上端部中央に
は、上下面を貫通せる円形の穴１７が形成されて
いる。そしてこの穴１７の内周面及び周囲上下面
にブツシユ１８が介在されて第４図に示す如く外
周側に握り部１９が形成された環状中空のハンド
ル２０が嵌着されて回転可能に支持されている。
前記ブツシユ１８は、第５図に示す如く上下に水
平に２分割されていて、夫々穴１７に上下両側よ
り嵌着され、また環状中空のハンドル２０も上下
に水平に２分割されていて、夫々穴１７に上下両
側より嵌着した円形の凹部２１の底が相互に当接
されて、ボルト２２、ナツト２３にて締結されて
いる。このハンドル２０の外周側の握り部１９も
上下に水平に２分割されていて、スペーサー２４
を介在してボルト２２、ナツト２３にて締結され
ている。２５は握り部１９に嵌着固定したゴム製
グリツプである。

（作用） 上述の如く構成された本実施例の小型舟艇の操
向装置は、第１図に示されるように運航時搭乗者
１が船体２の後方の乗船部３に立つて、第４，５
図に示される角筒状のハンドルポール１５の上端
の環状中空のハンドル２０の握り部１９のゴム製
グリツプ２５を把んで、該ハンドル２０を適宜回
転操作して操縦する。

このハンドル５の回転操作に於いて、ハンドル
２０は、ハンドルポール１５の扁平角筒状の上端
部中央に穿設された円形の穴１７の内周面及び周
囲上下面にブツシユ１８を介して嵌着されている
ので、該ハンドル２０は扁平角筒状の上端部を挾
持するように回転可能に支持され、且つハンドル
２０の回転する摺動部分は、穴１７の内周面と穴
１７の周囲上下面の三面となる。従つて、運航中
波浪により船体２（第１図参照）に衝撃を受けて
も、またエンジン駆動及びノズル１３（第１図参
照）からの水ジエツト噴出により船体２に振動が
生じても、ハンドル２０の回転支持部にはがたつ
きが殆んど生じることがない。

（効果） 以上の説明で判るように本考案の小型舟艇の操
向装置は、環状中空のハンドルの回転する摺動部
分が、角筒状のハンドルポールの上端部の円形の
穴の内周面及び周囲上下面の三面であり、しかも
ハンドルがハンドルポールの上端部を穴の内側か
ら挾持するように回転可能にハンドルポールの上
端に支持されているので、運航中波浪等により船
体に衝撃を受けても、エンジン駆動、水ジエツト
噴出により船体に振動が生じてもハンドルの回転
支持部にがたつきが殆んど生じることがない。

また、本考案の小型舟艇の操向装置は、角筒状
のハンドルポールと、上下２枚合わせの環状中空
のハンドルと該ハンドルに一体に形成されている
握り部に嵌着するグリツプと、ハンドルの回転摺
動部に介在する環状のブツシユとより成るので、
従来の操向装置のように板状のハンドルポールの
カバー、ハンドルホルダー、ハンドル取付用のク
ランブ部材、ハンドルホルダー回転支持部材等が
不要で著しく構成部品の点数が少なくて、製作、
組立の工数が少なく簡易であり、且つコストが著
しく低減される。

さらにハンドルポールを角筒状になしハンドル
を環状中空となしてあるので、従来の操向装置よ
りも強度が向上し、その上それらの内部に操作
用、制御用の各機器やそれらの配線、ケーブル等
を内蔵することが可能であり、それらを海水等か
ら防護できる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は小型舟艇を示す概略図、第２図は従来
の小型舟艇に於ける操向装置の要部を示す底面
図、第３図は第２図のＡ−Ａ線矢視断面図、第４
図は本考案の小型舟艇に於ける操向装置の要部を
示す平面図、第５図は第４図のＢ−Ｂ線拡大断面
図である。 １５……ハンドルポール、１７……穴、１８…
…ブツシユ、１９……握り部、２０……環状中空
のハンドル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 小型舟艇のハンドルポールを角筒状に構成し、
   該ハンドルポールの上端部中央に上下面を貫通せ
   る円形の穴を形成し、この円形の穴の円周面及び
   周囲上下面にブツシユを介在して外周側に握り部
   を形成した上下２枚合わせの環状中空のハンドル
   を嵌着して回転可能に支持して成る小型舟艇の操
   向装置。