JPH0130921Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は座席構造に関し、更に詳細に説明する
と、クツシヨンパツドと一体化されたインナーフ
レームを有する座席構造に関する。

従来の車両等の座席は第１図及び第２図に示す
如く、シートクツシヨン１のクツシヨンパツド２
とこのクツシヨンパツド２の外周縁に沿う枠線状
のインナーフレーム３が一体的に形成され、イン
ナーフレーム３及びクツシヨンパツド２がシート
フレーム４に取付けられるようになされ、シート
フレーム４に設けられたＳばね、コイルスプリン
グ等からなるスプリング材５と相俟つてシートク
ツシヨン１に適宜のクツシヨン性を付与してい
る。然し乍ら、従来のシートクツシヨン１のイン
ナーフレーム３とスプリング材５とは夫々別体に
構成され、着座時等にシートクツシヨン１の中央
部に荷重が加えられるとシートクツシヨンの両サ
イド１Ｌ及び１Ｒが内側に変形し、着座者の側部
に圧迫感を与え、着座者が大腿部を自由に動かす
事が出来ず、良好な乗心地を得る事が出来ない欠
点を有していた。

また実公昭54−19925号公報にはシートフレー
ムに上枠線を取付けた構造が示されており、この
上枠線の両側部にはシートフレームに取付けるた
めの折曲部が内側方向に屈折形成されているが、
この折曲部はシートフレームの内側には位置して
おらず、またシートフレームに固着されているた
め、下方向には移動することができず、下限が決
定されているため着座者の体形とのなじみが悪
く、上枠線に負荷によるねじり力が作用した場合
にはこのねじり力が直接着座者に与えられ、着座
者が上枠線により圧迫される虞れを有するもので
あつた。

本考案の目的は、着座時等にシートクツシヨン
の中央部に荷重が加えられた場合にシートクツシ
ヨンの両サイドが内側に変形し難く、着座者の側
部に対する圧迫感がなく、良好な乗心地を簡単な
構成により得る事が出来る座席構造を提供するも
ので、以下図面を参照して詳述する所より明らか
となるであろう。

第３図及び第４図には本考案に係る座席構造の
一実施例の概略が夫々示されており、シートクツ
シヨン１１はシートフレーム１４と、このシート
フレーム１４に取付けられたＳばねまたはコイル
スプリング付ワイヤ等からなるスプリング材１５
と、前記シートフレーム１４及びスプリング材１
５に取付けられるインナーフレーム１３を有する
クツシヨンパツド１２と、前記クツシヨンパツド
１２を被覆する表皮（図示せず）とから構成され
る。

前記インナーフレーム１３は外周部１６と内側
部１７とからなり、前記外周部１６はクツシヨン
パツド１２の外周縁上部に沿つてクツシヨンパツ
ド１２と一体的に形成され、また前記内側部１７
は前記外周部１６の両側部より内側下部方向に
夫々延びて平面より見てコの字状の両端部が延長
した形状に形成され、且つ正面より見て内側下方
に傾斜する傾斜部１７ａと、中央方向に延びる水
平部１７ｂとからなる。

前記インナーフレーム１３の傾斜部１７ａと水
平部１７ｂはクツシヨンパツド１２に一体的に埋
設された第４図に示す状態に形成されている。

尚本実施例においてはインナーフレーム１３の
外周部１６の両側部の中央付近より前記内側部１
７が一対内側下部方向に夫々延びているものを示
したが、一対に限定されるものではなく、複数形
成する事も出来、内側部１７の傾斜部１７ａ及び
水平部１７ｂの形状も図示のものに限定されるも
のではない。

以下が本考案に係る座席構造の一実施例の構成
であるが、斯る構成に依れば、第５図Ａに示す如
く、シートクツシヨン１１に着座した場合に、着
座者の体重でクツシヨンパツド１２及びスプリン
グ材１５が撓わむとインナーフレーム１３の内側
部１７の水平部１７ｂが下方に押圧され、傾斜部
１７ａ及び外周部１６が共に引き下げる方向に押
圧される事により、シートクツシヨン１１の両サ
イド１１Ｌ及び１１Ｒが下方向に移動し、内側に
倒れて来ないので着座者に対して圧迫感を与える
事がない。

また着座者が立ち上がると、クツシヨンパツド
１２及びスプリング材１５が復元力により原位置
に上昇し、更にインナーフレーム１３も上昇する
事により、シートクツシヨン１１の両サイド部１
１Ｌ及び１１Ｒが持ち上げられ、原位置に復帰す
る。

尚第５図Ｂに示す如く、シートクツシヨン１１
の前側部１１Ｆはインナーフレーム１３の内側部
１７が平面より見てコの字状に形成されているた
め、相互に対向する傾斜部１７ａ及び水平部１７
ｂを境として前後に撓み易く、前側部１１Ｆのク
ツシヨン性を増大させているので自動車等の運転
席用座席として用いる場合には運転者の大腿部の
屈伸を自由に行う事が出来る。

本考案の座席構造に依れば、着座者の体重でシ
ートクツシヨンの中央部が沈むにつれてインナー
フレームの内側部の水平部が下方に押圧され、内
側部の水平部が固着状態にないので、水平部の下
方向への移動により傾斜部及び外周部が共に下方
に引き下げられ、インナーフレームが固定されて
いるものに比較し、インナーフレームのねじり力
や反力が直接着座者に与えられる虞れがなく、着
座者の体形とのなじみが優れ、シートクツシヨン
の両サイドが中央部側に倒れて来るのを防止出
来、着座者に対する圧迫感を著しく軽減させる事
が出来、簡易な構成により良好な乗心地を得る事
が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の座席構造を示す斜視図、第２図
は第１図の断面説明図、第３図乃至第５図Ａ，Ｂ
は本考案に係る座席構造の一実施例の概略を夫々
示すもので、第３図は斜視図、第４図は正面断面
説明図、第５図Ａは本考案におけるシートクツシ
ヨンの着座状態における変形例を示す正面断面説
明図、第５図Ｂは着座状態における変形例を示す
側面断面説明図である。 図中、１１……シートクツシヨン、１１Ｌ，１
１Ｒ……サイド部、１１Ｆ……前側部、１２……
クツシヨンパツド、１３……インナーフレーム、
１４……シートフレーム、１５……スプリング
材、１６……インナーフレームの外周部、１７…
…インナーフレームの内側部、１７ａ……傾斜
部、１７ｂ……水平部、１８……クリツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クツシヨンパツドと一体的に構成されるインナ
   ーフレームを有する座席構造において、前記イン
   ナーフレームはクツシヨンパツドの外周縁上部の
   内側に沿つて設けられた外周部と、該外周部の両
   側部の略中央位置よりクツシヨンパツドの内側下
   部方向に延び、且つ外周部と一体的に形成された
   内側部とからなり、前記内側部は前記外周部より
   内側下方に傾斜する傾斜部と、該傾斜部より中央
   方向に延びる水平部とからなり、前記傾斜部及び
   水平部は平面より見て略コ字状に形成され、且つ
   傾斜部及び水平部が前記クツシヨンパツドに一体
   的に埋設されると共に、前記傾斜部及び水平部は
   前記クツシヨンパツドが取付けられるシートフレ
   ームの内側に位置し、且つ内側部の水平部の下部
   にクツシヨンパツドが適宜の厚さで存在し、着座
   者の着座状態で前記水平部が下方に押圧されるこ
   とにより傾斜部及び外周部が共に下方に引き下げ
   られるようになされている事を特徴とする座席構
   造。