JPH01283215A - 入浴用薬用的効果物品および入浴剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、入浴用薬用的効果物品および入浴剤に関し、
さらに詳しく言えば、檜、松および杉のうちの少なくと
も１つからなる木片体から抽出される抽出成分の抗菌性
、殺菌性および殺虫作用さらには皮膚および血行の活性
作用等を具備する抽出成分の作用により入浴によってあ
かぎれ、ひびあれ、切り傷、水虫等が治癒され更に皮膚
および血行の活性化により健康状態を維持することがで
きるという薬用的効果を向上させることができる入浴用
薬用的効果物品および入浴剤に関する。

〔従来の技術〕

従来の入浴剤としては、目的により主として、色と芳香
を楽しみ心を和らげ気分を爽快にさせるもの、薬剤等を
入れ治療又は美容効果（以下、この両者を併せて薬用的
効果という）を出すもの等が知られている。

この上記後者のものとして、例えば、生薬から抽出した
抽出成分を使用したものが知られている（特開昭５９−
５１２１１号公報）。

さらに上記前者のものとして、檜の木質部の粉末を重炭
酸ソーダおよび必要に応じて添加されるバインダーを使
用してペレット状等に成形して檜香を具備するもの（特
開昭６１−１７５０９号公報）、更に木材のおが屑その
他の木材粉を袋詰めにして浴水に浸して、出てくる木材
養分を利用して木の香りや木製風呂の感じが味わえるよ
うにした木材の浴水効果剤（特開昭６１−１８３２１６
号公報）も知られている。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記特開昭５９−５１２１１号公報における入浴剤は、
生薬の抽出エキスを用いるものであり、この生薬は身近
に存在するものといえず大量に生産可能のものでもなく
高価である。

更に、上記特開昭６１−１７５０９号公報における入浴
剤は、檜の香りを長期間持続させることができるように
して白木の浴槽を使用したと同じような感じを与える入
浴剤で有り、特に薬用的効果を目的としたものではない
。さらに特開昭６１−１８３２１６号公報における入浴
剤は木材のおが屑等の木材粉を用いるものであり、この
場合には木材の抽出成分が持続的にしかも徐々に浴水中
に抽出されるという効果もなく、おが屑にした時点で精
油等の成分はそれに保持されず、はとんどおが屑には有
機質成分が含まれないので、薬用的効果は期待できず、
更にはその効果の持続性もない。そして、この明細書で
言っているように木の香りや木製風呂の感じを味わえる
ようにしたものであり、木製風呂しか味わえなかった効
果をプラスチック製又は金属製の風呂においてもその効
果を得るということを目的としているものに過ぎない。

　− 本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、檜
等の適当な大きさの木片体から抽出される抽出成分が入
浴における薬用的効果に優れることを見出して完成され
たものであり、この効果を達成すること、更には余剰材
又は余剰チップを有効再利用することを目的とし、前記
後者の２つの木材系の入浴剤のように木の香りを楽しみ
かつ木製の風呂の感じを得るためになされたものとは根
本的に相違する。

〔課題を解決するための手段〕

本発明においては木片体が用いられ、おが屑やカンナ屑
は適用されない。これは、おが屑又はカンナ屑を入浴材
として用いる場合には、それを製造した際、それらがあ
まりにも小さ過ぎ又は薄過ぎるので、精油等の有機質成
分がそれにほとんど保持されておらず、そのため浴水中
での薬用的効果を十分に期待できず、また、たとえあっ
たとしてもその効果の持続性も良くないからである。更
にこれらを第２発明の抽出原料として用いても、その有
効な有機質成分が少ないので好ましくない。この木片体
の大きさは、最大辺長さが１０〜２００ｍｍである。１
０ｍｍ未満では上記効果が少なく、おが屑に近似してく
るからであり、２００ｍｍを越えると、使用に不便であ
り、更に抽出速度が遅くなりしかも木片体全体の有効成
分を十分に抽出できない恐れがあるからである。また抽
出効果を上げようとして長尺状体にしたとしても、この
ように大きなものは、通常の経済的製法によれば両端面
が冬目をもつ切断面となり、その他の面が剥がれ面とな
り板目になることが多く、この板目からは十分に有効成
分が抽出されにくくなり好ましくない。又この形態は、
例えば、第１図の如く、冬目２をもつ上下両面が切断面
３となり、他は剥がれ面４なっているものが好ましい。

これは製造容易であり、かつこの剥がれ面４は第１図に
示すように板目になることが多く、そのため切断面３か
ら効率良く徐々に抽出されるからである。しかし、第２
図の如く、全面が切断面となる直方体形状、その他の立
方体、長尺状体等のものでも良い。なお最大辺長さが１
００〜２００ｍｍ程度と大きい場合は、その幅等の他辺
の長さを小さくして長尺状体等のような使い易い形状と
する必要がある。

上記木片体は、檜、松及び杉のうちの１種又は２種以上
から構成されるものであればよい。この対象をこれら檜
等と限定するのは、これらは、外地材と違い内地材であ
り四季のもとにおいて生産される月であるので、年１回
に年輪（冬目）が生じこの冬目から精油等の有機質成分
が浴水中で徐々にしみ出てくるからである。なお、この
冬目は冬眠するために回りに有機質成分をはき出して形
成されたもので、その成分が濃縮された層といえる。又
これらの檜等の針葉樹においては抗菌性、殺菌性、殺虫
作用を有する精油等の有機質成分が含まれているので、
その薬用的効果を極めて高めることができる。特にこれ
らの材質のうち若い油の乗り切った木がよい。これは、
より有効な有機質成分がより多く含まれているからであ
る。

上記袋状体又は容器状体は、木片体から生じる固形物の
通過を阻止する程度の細孔をもつ。これは、いわゆるガ
ーゼ程度の孔よりも小さいものである。この袋状体は木
綿等の糸で編んだり織ったりしたものでも良く、またナ
イロン系から成る網状体でもよい。また容器状体は、袋
状体のような柔軟性はなくて樹脂製、金属製又はセラミ
ック製の容器に所定の細孔を具備するものであれば良い
。また袋状体と容器状体を組み合わせることもできるし
、袋状体特に木綿製のように弱いものについては、他の
手段（網状体、容器状体）で補強することもできるし、
重ねることもできる。

第２発明の入浴剤は上記チップを水により蒸煮し又は水
中で沸騰させて抽出される抽出液からなる。この抽出液
は多くの水を含んだ水含有抽出液であっても良いし、こ
れから水を除去させて濃縮した抽出液であっても良い。

この濃縮されたものにあっては、抽出有効成分が多いの
で使用量が少なくてすむ。

〔実施例〕

以下、実施例により本発明を具体的に説明する。

実施例１ 本実施例は入浴用薬用的効果物品に関するものである。

第３図にその物品を、第１図に木片体を示す。この物品
は木片体］表装状体６からなる。

木片体１として、長さ約２０〜５０ｍｍ、幅約３０〜５
０ｍｍ、厚さ約３〜５ｍｍ程度のチップを準備した。こ
の子ツブｌは、その冬目２が切断面３に配置されるよう
にチッパ−により製作されたものである。このチップｌ
の約ＩＫｇの各々を縦３００ｍｍ、横２５０ｍｍの２つ
の同形状の袋状体６の中に入れて、チップ入り袋状体（
入浴用薬用的物品）５を製作した。この袋状体６は、木
綿の金山織物で６０番手の糸の太さから成っており、そ
の上部は、紐７により開口部が閉止されている。なおこ
のチップ１の材質は檜を用いた。

そして、発明者自身が体験した結果を以下に述べる。ま
ずこの２つのチップ入り袋状体５を浴槽（約１１０１０
Ｘ７４Ｘ６０、水量約３４０．ｆりの少し熱め（約４２
〜４４℃）の浴水の中に入れた。そして毎日、浴水は変
えるがこの袋状体５はそのまま約１４日使用した。使用
中、浴水の色は薄茶色になる。発明者自身、手にあかぎ
れ、切り傷が、足に水虫があり、この浴槽に１日１回約
２０分入浴して、その治癒経過等を調べた。

その結果、約２〜３日入った所、手の荒れもなくなり、
あかぎれも治り、皮膚がつるつるしてきた。また水虫も
約２〜３日ごろから目にみえて治癒し始め、７日でほぼ
完全に治癒した。そして約２週間程経過すると、冬目部
分は茶色っぽい色から白っぽい色に変わり、有機質成分
がほぼ抽出除去されていることが目視上観察された。ま
た、約１０日の使用で袋の表面が、樹脂状で茶色の物質
により目が詰まり気味になってくるので、これを除去し
て継続使用することができる。

このように、あかぎれ、ひび、切り傷、水虫が治癒する
のは、この檜および松のチップに含まれる精油等の有機
質成分には、「木材利用の化学」（今村博之等編、共立
出版（株）出版）Ｐ、１５３．３７４〜３７５．３８２
〜３８３に示すように、種々のフェノール類、モノテル
ペン、ジテルペン、エーテル等、更には「木組化学」　
（右田伸彦等編、共立出版（株）出版）Ｐ、４６１〜４
６３）に示すようにトロポロン類、モノテルペン、セス
キテルペン等の薬効成分が含まれており、更には種々抽
出される樹脂等の有機質成分の複合効果によって、抗菌
性、殺菌性、殺虫性更に皮膚および血行の活性化を図る
ことができるものと考えられる。更に、本使用方法によ
り、田虫、痔、いんきん等についても治癒効果は大きい
。

また使用チップの大きさは、上記のように適当な大きさ
のため、抽出速度、１日の抽出量が適度であり、しかも
１４日程度の使用によりほぼ完全に抽出され、更に使用
上も大変便利である。即ち、冬目から徐々に有機質成分
が抽出されるので、穏やかで持続性がありチップの使用
寿命を長くする効果を得ることができる。即ち使用浴水
を廃棄して新たな浴水にこのチップを用いても継続して
抽出されるし、浴水を汲み出しても常時抽出されている
ので、その有効成分の濃度がほとんど低下することもな
い。さらに、袋状体として木綿袋を用いて、目は細かい
が適度な通気孔をもつので、抽出成分の通過性は良好で
あるとともに、チップから生じる固形物が袋外へ流出し
ないので、浴水をあまり汚すこともなく、しかも浴水中
に固形物が浮遊することもないので、衛生上も良好でか
つ不快感もない。なおこの檜及び松は約１０〜６０年中
の若い材質を用いているので、有効成分の含有量が多く
、そのため上記効果により優れる。

実施例２ 本実施例はチップの抽出液からなる入浴剤に関する・。

まず実施例１とほぼ同形状の檜、松又は杉の各２　ｋｇ
のチップを、各々これらが入る釜の中に入れ（ｊぼ全体
が浸漬される程度の水道水を入れ、これを加熱し沸騰さ
せて煮詰める。この場合、水の蒸発により水が減少除去
していくので、少しづづ水を追加して常にほぼチップが
浸漬される程度の水量に調整する。そしてチップの冬目
の茶色が白色になり全体が脆くなるまで煮詰める。なお
時々攪拌する。約３〜５時間程度で白っぽくなる。そし
て抽出された抽出液は各々約３００〜４００ｃｃであっ
た。そしてこの場合檜は黄色〜上世を示し、松も同色を
示し、杉はほぼ褐色を示した。この３００〜４００ｃｃ
の抽出成分としては、約２　ｋｇのチップを用いて抽出
しているので、上記実施例１と同添加量とするには１日
当たり合計で約２０〜３０ｃｃを添加することにより上
記とほぼ同等の効果を得ることができる。

従ってこの場合においては、液体を水浴中に入れること
で簡便に上記効果を得ることができ、迅速な効果をも期
待できる。また袋の目が詰まり、　□これを掃除すると
言うような使用上の不便さもない。

なお、本発明においては、上記具体的実施例に示すもの
に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々
変更した実施例とすることができる。チップは上記実施
例の使用形態のみならず、檜、松及び杉のうちの２以上
を混合したチップを１つの袋中に入れて用いることもで
きるし、それらの単独のチップのみを用いることもでき
る。また第２発明の抽出液においてもそれらのチップの
混合物を蒸煮等により抽出した混合抽出液を用いること
もできるし、抽出した後、各抽出液を抽出後所定の割合
で混合した抽出混合液を用いることもできる。また上記
チップ又は抽出液の使用量は、目的、用途、例えば浴水
量、使用により槽外へ流出させる浴水量又は所望の薬用
的効果の程度等により、種々選択される。

また袋状体には、更に上記物品を水道の蛇口等の係止部
に引っ掛ける紐等を具備しても良い。容器状体の場合は
同様に紐等を具備しても良いし、第４図に示すように浴
槽の一上端部に離脱可能のように係止する係止部８を具
備しても良い。なおこの容器状体６ａには蓋部９をもつ
。

〔発明の作用および効果〕

本発明の入浴用薬用的効果物品及び入浴剤は、檜、松及
び杉の内の少なくとも１つからなるチップを用いるので
、これらの冬目から抗菌性、殺菌性及び殺虫性更には皮
膚を活性化させる有機質成分が水浴中に抽出混入され、
又はその効果をもつ抽出液を水浴中に添加させるので、
このような薬用的効果、即ち治療効果および肌がつるつ
るするような美容効果を併せもつ。即ち、湯冷めしない
し、手足の荒れ、あかぎれ、切り傷、皮膚病、いんきん
、田虫、痔、水虫等について極めて効果がある。これは
、この薬用的効果のある有効有機質成分が皮膚に浸透し
また皮膚から切り傷等に付着した黴菌を取ったり黴菌の
活動を弱めたりまた殺菌させたりし、更にはこれらの有
効成分が入浴中の皮膚を活性化し、ひいては体全体の活
性化を図り、健康を維持、回復をすることができるから
と考えられる。

特に第１発明では、適当な大きさの木片体を用いかつ冬
目から徐々に抽出されるので、抽出速度、抽出量等のバ
ランスが良く、即ち薬用的効果特に穏やかな持続性ある
効果および使用の利便性のバランスに極めて優れる。ま
た適度な細孔を具備する袋状体等をもつので、木片体か
ら生じる固形物特に小さな固形物が浴水中に流出しない
ので、衛生的にも良好であり不快感も少ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例１に係わる木片体の斜視図、第２図は全
面が切断面となる木片体の斜視図、第３図は実施例１に
係わるチップ入り袋状体の説明図、第４図は係止部を具
備する容器状体の説明図である。 １；木片体（チップ）、２；冬目、３；切断面、４；剥
がれ面、５；チップ入り袋状体、６；袋状体、７；紐、
８：係止部、９：蓋。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）檜、松および杉のうちの少なくとも１つからなり
   、冬目がいずれかの面に十分に識別でき最大辺長さが１
   ０〜２００ｍｍの大きさである木片体と、該木片体を内
   に充填し細孔を具備する袋状体又は容器状体と、を具備
   し、上記木片体を浴水に浸漬した場合、主として上記木
   片体の上記冬目から有機質成分が徐々に抽出されること
   を特徴とする入浴用薬用的効果物品。
2. （２）檜、松よび杉のうちの少なくとも１つからなり、
   冬目がいずれかの面に十分に識別でき最大辺長さが１０
   〜２００ｍｍの大きさである木片体を水で蒸煮し又は水
   中で沸騰させて抽出される抽出液を主成分とすることを
   特徴とする入浴剤。