JPH01272875A

JPH01272875A - 芳香不織布及び芳香シート

Info

Publication number: JPH01272875A
Application number: JP10089188A
Authority: JP
Inventors: Yasuhiro Ogawa; 康弘小川; Toshio Yamauchi; 山内　敏夫; Akiko Omori; 明子大森
Original assignee: Kanebo Ltd
Current assignee: Kanebo Ltd
Priority date: 1988-04-22
Filing date: 1988-04-22
Publication date: 1989-10-31

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、芳香性を有する不織布、詳しくは弾性体繊維
不織布に香料を含有するマイクロカプセルを付着せしめ
て、耐久性のある芳香を付与した不織布及びシートに関
するものである。

（従来の技術）従来から芳香性を有する衣類については、様々な開発が
なされ、市場にも多く出回っていた。ところが、これら
の多くは単に最終製品に香水をスプレーしただけのもの
、或いは香気物質を表面に塗布しただけのものであって
、香料が蒸発すれば芳香が消失してしまい、また耐洗濯
性に乏しく、１回の洗濯で完全に香料が脱落してしまう
ようなものであった。

そこで、芳香を長期間持続させるための加工方法が、特
公昭５３−４７４４０号公報、特開昭５４−１１２２８
３号公報等、多数提案されている。

このような中で、不織布やシートに対しても芳香を付与
することが種々試みられてきた。これも、従来は、仕上
の時点で香水をスプレーするか、或いは包装時に包装袋
の中に芳香紙を封入し、または芯部を芳香紙とし、その
香りを不織布、シートに移すというようなものであった
。

更に特開昭６１−６３７１６号公報には、芯部に香料が
分散混合されかつ芯部に中空部を有する芳香芯鞘型複合
繊維が提案されているが、香料は通常＋５０°Ｃ以上で
揮発変質してしまい、溶融紡糸に耐えうる香料は限定さ
れるという問題点があった。

（発明が解決しようとする問題点）しかしながら、上記のようにして得られたシートは、そ
の芳香の耐久性に乏しいことは言うまでもなく、たった
１回の洗濯で完全に芳香が消失してしまい、極めて商品
価値の低いものであった。

更に、着用中外気に接触することにより、すぐに香料が
蒸発してしまい、着用後僅か数時間しか芳香を維持する
ことのできないものさえもあった。

また、包装袋の中で芳香紙の香りをシートに移すものに
おいては、袋密封後の経過時間によって与えられる芳香
の強さが異なり、結果的にこれが快香とならず商品自体
が欠陥品となってしまう場合があった。

本発明者等は、上述のような実情に鑑み、耐久性のある
芳香を弾性体不織布に付与することを目的に検討を重ね
た結果、香料を含有するマイクロカプセルを用いること
が芳香加工に好適であるとの知見を得た。

然して、本発明は、香料を含有するマイクロカプセルを
弾性体不織布に付着せしめることにより芳香の持続性が
得られること、そして使用中の摩擦で少しずつマイクロ
カプセルが破れて或いは意図的に摩擦することによって
発散効果を奏することに着目したものである。ところが
、特開昭４９−１９１９７号公報、特開昭５２−３１２
００号公報に開示されるように、不織布にマイクロカプ
セルとバインダーを単に付着せしめると、或いは特開昭
５３−１０６８８５号公報に開示されるように、転写捺
染法により付着せしめても充分に耐久性のある芳香を付
与することができない、更にバインダーが織編糸の中へ
浸透して極めて硬い風合になるとか、或いは転写部分が
異質の風合であり洗濯などで剥がれてしまうという問題
点も生じた。

本発明は、上述のような知見のもとでなされたものであ
って、弾性体繊維不織布自体の風合と伸縮性を損なうこ
となく、“好ましい香りの発散”と”芳香の持続性”と
の効果をも満足しうる芳香不織布及びシートの提供を目
的とするものである。

（問題点を解決するための手段）すなわち本発明は、香料入りマイクロカプセルを付着せ
しめた弾性体繊維不繊布であって、マイクロカプセルと
シリコン系樹脂バインダーとが２：１〜１：５の割合（
重量比）で与えられ、且つこれら両者の付着量が付着部
分の不織布重量の０．３〜７，０％を占めている芳香郊
織布及びそのシートである。

そして、この芳香不織布とシートの好ましい加工方法と
しては、予め撥水処理を施した弾性体繊維不織布やその
シートに香料入りマイクロカプセルとシリコン系樹脂バ
インダーとを混合した処理剤を浸漬、パッディング、コ
ーティング法或いはプリント法により付与する方法があ
る。

本発明でいう弾性体繊維不織布とは、公知の弾性体繊維
から例えばスパンポンド、ニードルパンチ或いは湿式法
により作られた不織布をいい、その弾性体としてポリウ
レタン系弾性体、ポリエステル系弾性体或いはこれらと
天然繊維や合化繊維との混紡、合糸などによる混合糸を
使用してもよい、またバインダー付着との関係からは凹
凸を有する繊維例えば綿、マクロボイドを有する多孔質
繊維など、或いはバインダーと親和性のある繊維を混用
することが有利である。

更に本発明で用いる不織布には、バインダーが浸透して
風合いを硬くしないように、予め撥水処理を施しておく
ことが好ましく、これによってバインダーとマイクロカ
プセルが主として布の表面に付着し、弾性体繊維不繊布
本来の風合いと伸縮性を損わない、撥水処理としては公
知の方法を採用できるが、１Ｂ水性を必要としない用途
については比較的小量の処理剤を単に含浸後乾燥するだ
けでよい０例えば酢酸アルミニウムとパラフィンに乳化
剤と保護コロイドを加えたエマルジョンを含浸・乾燥す
る方法、メチルハイドロジエンボリンロキサンの乳化液
と金属石けんを加えたエマルジョンを用い含浸・乾燥後
熱処理する方法などがある。

本発明でいうシートとは、弾性体繊維不織布を少なくと
も一部に使用したシート、例えば伸縮性布帛と一体化し
た複合シートをいい、芯地、ユニフォーム、作業衣、ス
ラックス、ランジェリ−、スポーツウェア、ショーツ、
カジュアルウエア、絆創膏、おむつなどに使用できる。

本発明において用いられる香料入りマイクロカプセルは
、適宜の摩擦によって壊れて芳香を発散するものであれ
ばその組成等は特に限定されないが、低ホルマリンマイ
クロカプセルが好ましい。

従って、粒子径は通常５〜２０μｍ程度のものを使用し
、カプセルの膜厚は０．３〜３μｍ好ましくは０．５〜
１．５μｍである。尚、マイクロカプセルに関しては従
来から様々な製造方法が開発されており、代表的なもの
としては特公昭３７−７７２４号公報に記載された方法
が挙げられる。

バインダーとして用いるシリコン系樹脂バインダーは、
コーティング効果を奏しマイクロカプセルと編地との間
の接着剤としての役割を果たすものであり、特に水への
分散性に優れ水で容易に希釈可能なシリコン系水性エマ
ルジョン型例えばオルガノポリシロキサンを主成分とし
乳化剤で乳化したものが好ましい、これは、水の除去に
より硬化し、シリコンゴムの特長を有するゴム状皮膜を
形成するものであり、耐久性のある接着効果を奏するも
のである。

そして、このコーテイング材はマイクロカプセルの０．
５〜５倍好ましくは１〜２倍（重量比）与えられ、充分
な接着効果を発揮する。０．５倍よりも少なくするとコ
ーティング作用が極端に劣り、一方これを５倍よりも多
く与えてもマイクロカプセルの付着率はほとんど変わら
ず、逆に不織布やシートの風合や伸縮性において問題が
引き起こされ好ましくない、また、これら両者の付着量
は、通常付着部分の不織布重量の０．３〜７．０％、好
ましくは０．５〜３，０％を占める。即ち、マイクロカ
プセルは、シリコン系樹脂バインダーを上記割合で与え
られることにより不繊布に充分に付着するものであるか
ら、これら両者の付着量が前記０．３％よりも少ないも
のであれば、芳香の強さ及び耐久性共に不充分であり、
一方これが７．０％よりも多くなると、不織布としての
風合や伸縮性にかかわり、また−時に発散する香りがき
つくなりすぎるという問題も存在し、いずれも不適であ
る。つまり、好ましい香りの発散効果と共に好適な風合
及び柔軟性を有し、１１つその芳香が適宜の耐久性を有
するという全ての要件を満たすものは、上記の付着量で
ある。

シリコン樹脂バインダーの付与は、后工程を行わない芯
地、作業衣、ランジェリ−等の最終製品に行うことも好
ましく、香料入りマイクロカプセルとシリコン樹脂バイ
ンダーからなる処理液槽に浸漬し、風合を損なわない方
法で脱水・乾燥すればよい。

（実施例）下記５種類の不織布或いはシートを定法に従って出水処
理した（出水柔軟剤：メチルハイドロジエンポリシロキ
サンを主成分とする）。また尿素系樹脂の香料入りマイ
クロカプセルｌｏｇ／ｆ！（ジャスミン香気、平均粒径
８μｍ、膜ｒｇ−１μｍ）をエポキシ変性ジメチルポリ
シロキサン樹脂を主成分とするシリコン系水性エマルジ
ョン２０ｇ／ｌに混合した０次いでマイクロカプセルの
付着量が不織布或いはシートの重量に対し０．４５％と
なるように前記エマルジョンを不織布等に浸漬した後ピ
ックアップ率が１００％となるよう遠心脱水し、乾燥及
び１２０〜１３０°Ｃ１分の温熱処理をした。このよう
にして香料入りマイクロカプセルが付着せしめられた不
織布、シートは定法に従って乾燥、仕上セット工程へと
送られて芳香不織布或いは芳香シートにした。

■　エステル系ポリウレタンのスパンボンド不織布（目
付１０ｇ／ｒｒｒ） ■　ポリエステルエーテル系弾性体のスパンボンド不織
布（目付１０ｇ／ボ） ■　エステル系ポリウレタン繊維の二−ドルパンチ不織
布（目付５０　ｇ　／　＋ｒｆ　）■　■の不繊布とナ
イロンの緯編布を熱ロールで一体化した複合シート ■　■の不織布とナイロン／スパンデックスの交編ニッ
トを熱ロールで一体化した複合シート次に上記不織布及びシートの洗濯耐久性と風合を試験し
た。

尚、耐洗濯性の試験は、ＪＩＳ　　ＬＯ２１７４０１法
に準じて行い、芳香の消失するまでの回数で表した。ま
た、芳香の評価は、１０人で夫々５段階評価（最適な芳
香を発散しているものを０点とし、その上下で強過ぎる
ものを＋１．＋２、弱過ぎるものを−１，−２とする）
を行い、その平均点を評価点とした。また、風合につい
ては、同じ＜１０人が良好、やや劣る、劣ると感じたも
のをそれぞれ０１−１、−２としてその平均点を評価点
とした。

この結果をみれば、本発明に係る芳香不織布とシートが
当所の目的を達成していること、即ち、　　　１耐久性
のある良い香りと良好な風合と伸縮性を有　　ラするも
のとなっていることが明らかになるであろう。

（発明の効果）本発明は、以上に述べた構成により、次のような効果を
奏する。

まず、不織布或いはシートに香料入りのマイクロカプセ
ルを付着せしめているため、着用中或いは意図的な摩擦
により少しずつカプセルが破れて好適な香りを発散する
。従って、その香りは一気に発散されて消失してしまう
ものではなく、充分な持続性を有するものである。

また、マイクロカプセルに対して適宜の割合でバインダ
ーとしてのシリコン系樹脂を与えることにより、接着力
及び付着性を著しく向上させて目的とする付着量及び香
りの耐久性を獲得している。

そして、その加工方法は、煩雑な加工工程を必要とせず
、マイクロカプセルとシリコン系樹脂バインダーとを適
宜の割合で混合した処理剤を付与し、加熱処理を行うこ
とにより、本発明に係る芳ｉ不織布やシートを確実に製
造しうる方法である。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）香料入りマイクロカプセルを付着せしめた弾性体
繊維不織布であって、マイクロカプセルとシリコン系樹
脂バインダーとが２：１〜１：５の割合（重量比）で与
えられ、且つこれら両者の付着量が付着部分の不織布重
量の０．３〜７．０％を占めている芳香不織布。
（２）請求項１記載の芳香不織布と伸縮性布帛とから作
られたことを特徴とする芳香シート。