JPH0126098Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は放電灯点灯装置に使用する高電圧パル
ス発生用の安定器の構造に関するものである。

（背景技術） 近年この種の安定器においては、端子接続部お
よび本体とケースとの間隙に熱硬化性樹脂液（い
わゆるコンパウンド）を充填硬化させることによ
つて、絶縁強度および機械的耐久性を高めるとと
もに放熱特性を向上したものが用いられている。

特に高電圧を発生するHID放電灯用の安定器
にあつては、大気中の水蒸気によつて絶縁破壊を
起すことが多く、端子台のハンダ接続部をコンパ
ウンドで被覆することは絶縁耐力を高める上でき
わめて有効である。

しかしながら上述のように、各端子間をコンパ
ウンドで充填した構造にも次に述べるような問題
点がある。すなわち、リード線を端子にハンダ付
けする工程において、作業者がハンダを多く使い
過ぎ、フラツクスが端子台上面に流れ出して、両
方の端子部から流れ出したフラツクスが中央で繋
がつてしまつた場合には、このフラツクス層のた
めに樹脂液が端子台上面に密着せず、そのために
硬化時の樹脂の収縮によつてコンパウンド層と端
子台上面との間に空隙を生じ、これが絶縁強度低
下の原因になつていた。第４図にフラツクスの付
着した場合イと付着しない場合ロとのコンパウン
ド充填型安定器の絶縁破壊電圧の比較データを示
した。

（考案の目的） 本考案は上述の問題点を解決し、ハンダフラツ
クスによつて絶縁耐力が低下することのないコン
パウンド充填型放電灯用安定器の構造を提供する
ものである。

（考案の開示） 第１図は本考案放電灯用安定器の一実施例であ
り、安定器本体１にリード線２のハンダ接続を行
い、ケースに収納する直前の状態を示したもので
ある。図において、安定器本体１は鉄心３にコイ
ル４を巻装して形成され、本体１の一端面に絶縁
材料よりなる端子台５が設けられている。端子台
５の上面には複数個の端子６が植設されており、
各端子６間にそれぞれ凸部７が各端子６同士を互
いに隔てるように設けられている。この端子台５
は第２図に示すように、その下面に絶縁板８を介
してボルト９により鉄心３に固定され、各端子６
にコイル４の両端１０，１１および中間タツプ１
２が接続される。さらに各端子６には外部接続用
のリード線２が接続され、ハンダ１３によつて固
定される。

第３図の実施例は、端子台５を２枚のベーク板
５ａ，５ｂで形成し、一方のベーク板５ａに設け
た透孔７ａによつて凸部７を形成することによ
り、凸部７の加工を低コストでできるようにした
ものである。

また第４図の実施例は、凸部７を充分高くして
端子台５とケース１４との絶縁距離を確保するた
めのスペーサの役目を兼ねさせた例である。

（考案の効果） 本考案によれば、上述のように端子台上面の各
端子間に設けられた凸部によつて、端子部から流
出したフラツクスが遮断され、両側からのフラツ
クスが連続するのを防止することができるので、
コンパウンド充填後に両端子部がコンパウンドと
端子台上面との空隙によつて連通してしまうおそ
れがなく、したがつて従来のようにこの空隙のた
めに絶縁強度が低下するのを防止することができ
るという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は同上の要部断面図、第３図は他の実施例を示
すもので、ａおよびｂは組立前の各部品の上面
図、ｃおよびｄは組立後の上面図および断面図で
あり、第４図はさらに他の実施例の要部断面図、
第５図は従来例の絶縁特性を説明するグラフであ
る。 １は安定器本体、２はリード線、３は鉄心、４
はコイル、５は端子台、６は端子、７は凸部、８
は絶縁板、９はボルト、１０，１１はコイル端
部、１２は中間タツプ、１３はハンダ、１４はケ
ース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端面に絶縁材料よりなる端子台を形成した安
   定器本体を、各端子にリード線をハンダ接続して
   ケースに挿入し、ケースと本体との間隙および端
   子台の上面に熱硬化性樹脂液を充填し硬化させた
   構成において、上記端子台上面の各端子間に端子
   設置部分よりも突出した凸部を形成して成る放電
   灯用安定器。