JPH01234600A - ステンレス鋼帯の脱スケール方法 - Google Patents

ステンレス鋼帯の脱スケール方法

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JPH01234600A
JPH01234600A JP5820788A JP5820788A JPH01234600A JP H01234600 A JPH01234600 A JP H01234600A JP 5820788 A JP5820788 A JP 5820788A JP 5820788 A JP5820788 A JP 5820788A JP H01234600 A JPH01234600 A JP H01234600A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スケール除去に使用される薬液の管理及びそ
の廃液処理が簡単であり、スケール除去能力が大きくて
ラインスピードが高速化されても追従可能であり、ライ
ンで発生する廃液やスラッジについて環境汚染などの公
害上の問題も心配すること無く、そして何よりも最#製
品の表面品質を良好にさせるステンレス鋼帯の脱スケー
ル方法に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、JISG4306 r熱間圧延ステンレス鋼帯
Jに規定されるNα1仕上(表面仕上)などの熱間圧延
ステンレス鋼帯製品は、熱間圧延されたステンレス鋼帯
を素材としてこれを焼鈍などを含む熱処理、酸洗又はこ
の酸洗に準しる処理を施すために一連のライン化された
焼鈍酸洗工程を通板されて製造されている。この焼鈍酸
洗工程を経て製造された熱間圧延ステンレス鋼帯を剪断
してJISG43011「熱間圧延ステンレス鋼板」に
規定される熱間圧延ステンレス鋼板製品が製造されてい
る。
また、JISG4307 r冷間圧延ステンレス鋼帯」
に規定されるNα2D、 No、28. BA等の各種
研磨仕」−(表面仕」二)の冷間圧延ステンレス鋼帯製
品は、前記焼鈍酸洗工程を経て製造された熱間圧延ステ
ンレス鋼帯を素材とこれをそれぞれライン化された冷間
圧延工程、焼鈍酸洗工程を必要に応じて繰り返し通板し
、しかもこれらの工程間にあって素材表面のスケール残
や地底を除去するために必要に応じてライン化された中
間研磨工程に通板され、更に調質圧延工程、剪断や裁断
処理等がなされる精整工程を経て製造される。そして、
このようにして製造された冷間圧延ステンレス鋼帯を剪
断してJISG4305 r冷間圧延ステンレス鋼板」
に規定される冷間圧延ステンレス鋼板製品が製造されて
いるのである。
以上に述べた如く、ステンレス鋼帯製品及び同鋼板製品
は、熱間圧延、この熱間圧延後の焼鈍を含む熱処理及び
冷間圧延により加工硬化された素材の軟化焼鈍が施され
るので、程度の差こそあれその都度その素材表面に主と
してFeやCrなどの酸化物から成るスケールが生成す
る。この素材表面に生成したスケールを完全に除去して
各工程を推進しないと良好な表面品質の最#製品を得る
ことが出来ないので、その都度脱スケール処理が施され
るのである。
しかしながら、ステンレス鋼帯の素材表面に生成するス
ケールは一般に緻密なために他の普通鋼や特殊鋼などの
ものと比へて非常に除去困難、すなわち脱スケール固壁
なのである。
そこでこのステンレスm帯の素材表面に生成するスケー
ルの脱スケールに関して、従来から種々な脱スケール方
法が実施されたり提案されたりしている。
先ず古くから最も基本的で且つ広〈実施されてきた本処
理としての方法は、硫酸、硝酸、塩酸。
弗酸又はこれらを混合した混酸薬液で処理して脱=4− スケールを行い均一で適度の不動態化を施す酸洗処理で
あった。しかしながら、との酸洗処理のみによる本処理
方法では、ステンレス鋼帯の高速処理による生産性の向
上を図りながら尚且つ完全な脱スケール処理を行い、最
終製品として表面品質の良好なものを得る要求に対応し
切れなくなり、この本処理である酸洗処理の前に、機械
的、化学的又はこれらを組合せた前処理が併用されるよ
うになってきたのである。
すなわち、機械的前処理はスケール量の多い熱間圧延材
の場合に酸洗に先立ってショットプラス1−やスケール
ブレーカ−などによってスケール層に亀裂を生じさせて
脱スケールを容易にするための機械的処理であるが、こ
れらの機械的前処理にあってはステンレス鋼帯の素地に
圧痕を残したり加工硬化を起こさせたりする欠点を有し
ていた。
また、従来より行われているNa2SO4を電解質とす
る水溶液中での電解や溶融苛性アルカリ処理等の化学的
前処理によって一部の成分を溶タデさせてスケールの組
成や素地との結合力を弱める方法も実施されているが、
スケール量の比較的少ない冷間圧延材にあっては効果が
あるが、スケール量の多い熱間圧延材に対しては効果が
少なかった。
このような経過があって、化学的前処理としてNa2S
O4水溶液中で陽極電解をするか又は溶融苛性アルカリ
処理を行い、次いで硝弗酸、硝弗酸等による酸洗又はそ
の代わりにNaCl1等の水溶液中で陽極電解する脱ス
ケール方法が行われるようになった。
一方、ステンレス鋼帯の生産性向上のために圧延、焼鈍
と共に、脱スケールを高速化して高能率に実施すること
が要求され、そのためスケール除去能力の大きい脱スケ
ール方法の開発が望まれるようになってきた。しかしな
がら、化学的前処理としてNa、SO4水溶液中で陽極
電解を行う場合にこの前処理方法は冷間圧延材に対して
は効果は大きいが、熱間圧延材に対しては元来それ程大
きな効果はなく、またCr”イオンを溶出させるのでそ
の廃液処理が公害防止上甚だ厄介であった。従ってNa
、S04水溶液中での電解による前処理では熱間圧延材
に対しては高速化し難い上、熱間、冷間いずれの圧延材
に対しても高速化した場合はそれだけCr”イオン溶出
量が増して電解液の老化を早めると共にその処理が一層
厄介となる欠点があった。
また、化学的前処理の他の方法として溶融苛性アルカリ
処理を行う場合は、溶融苛性アルカリが高粘性であるこ
とから高速化によって液持出し量が大きくなり、ワイピ
ング装置によっても速度に追従して液持出し量の増加を
防止することが困難でコスト高となる欠点があった。そ
して上記の如く高速化することが困難である前処理を弱
体化してその弱体化分を強化するために酸濃度及び液温
を上げて酸洗を行う場合には酸洗液の老化が早まる結果
、酸濃度管理、追酸、廃液処理等にかかる労力、費用が
多大のものとなる欠点があった。また酸洗の代わりにN
aCl等を電解質とする水溶液中で陽極電解を行っても
それが脱スケールの主体となる程に強く行う場合はステ
ンレス鋼帯にピットを発生させ易い欠点があった。この
ように丁寧に低速で行ってこそ良い結果を得る脱スケー
ルとその高速化とは」二記の如〈従来両立し難いもので
あった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上記従来技術の欠点なくスケール除去能力が
大きく従って高速化が可能でしかも廃液処理の問題が少
なく、表面を品質良好にさせるステンレス鋼帯の脱スケ
ール方法の提供を目的とする。そのためには、前処理と
その後に行う本処理とにどのような処理方法をどのよう
な条件で行うかについて解決困難な課題があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等はかかる課題を解決すべく鋭意検討の結果、
本処理としてはスケール直下の金属素地をも積極的に除
去して表面をきれいにする利点を有する酸洗を採用し、
酸洗の前記欠点を軽減するために前処理を行うこととし
、その前処理としてはNa2SO4水溶液中での陽極電
解は電解液の自己再生能とスケールをスラッジとして分
離出来る分離能と−の利点を有するので、種々検討して
前記欠点が出ないような処理条件を求めようとしたが、
そのような条件は得られなかった。
そこで、従来酸洗の代わりとして考えられていたNaω
等の一塩基性無機酸塩を電解質とする水溶液中の陽極電
解による前処理について更に検討したところ、次のよう
なことが判った。すなわち、NaFを使用した場合は脱
スケール能力はNa2SO4の場合よりは大きいが生成
スラッジの粘性が高くてその除去が困難なこと、NaN
O3を使用した場合は脱スケール能力はNa、SO4の
場合と同程度であること、また電解液中にCr”イオン
が発生する点についてはNaF及びNaNO3の場合は
共にNa2SO4の場合と同様であってスラッジは水酸
化第二鉄を主成分として茶色を呈していること、海水を
使用した場合は陰極に白いスケールが付看して通電不能
となったこと、これに対してNaClを使用した場合は
脱スケール能力はNa25O,の場合よりも格段に大き
く、ステンレス鋼帯特に5US304の表面に無数のビ
ットが生じるが生成スラッジは青緑色を呈していて電解
液にはCr”″6イオンが認められないことが判った。
そしてこの場合の脱スケールの原理は非酸化性条外下て
の電気化学的反応と推察された。このNaCl水溶液中
での電解について更に検討を進めた結果、通常、焼鈍工
程等の組み込まれたラインのスピー1−によって定まる
電解槽通過時間すなわち電解時間に応じて電流密度を調
整することによって所定範囲とならしめ得る電流密度(
A/dIIりと電解時間(秒)とのM(A・秒/記)を
、熱間及び冷間各圧延材別に定められる一定値以下とす
る電解条件下に電解することによって前記ピッ1−の発
生を防止することの出来ることが判明した。その結果、
このようにしてNaClを電解質として使用する陽極電
解で前処理した後に酸洗をすることにより前記目的を達
成出来ることを究明して本発明を完成したのである。
以下、本発明方法を図面によって詳細に説明する。
第1図は本発明方法の実施状態の1例を示す工程図、第
2図及び第3図は本発明方法において規定される電流密
度と電解時間との積の範囲の上限をそれぞれ熱間及び冷
間各圧延ステンレス鋼帯別に示すグラフである。
〔構成の説明〕
本発明方法においては、前処理として50〜200g/
lのNaClを主成分とする水溶液から成る電解液中で
ステンレス鋼帯を陽極として電解を行うのであるが、こ
の陽極電解の電解液のNaCll14度を最低50g/
lとしたのは低濃度ではfrlM、液の導電性が低くな
って電流効率が下がるからであり、NaCl濃度は高い
程好ましいが最高を200 g / RとしたのはNa
Clの水への溶解度を考慮したからである。
この陽極電解の電解液の液温は、脱スケール結果への影
響が比較的小さいので、常温(20°C)でも差し支え
はなく、そして高温の方が電導性やNaCl溶解度が高
くなって好ましいか80℃を超えると蒸発水量の増加に
伴う濃度管理の煩雑化、エネルギーロス等の問題が起こ
るので、20〜80°Cを適用範囲とし、中でも60℃
付近が最適である。
熱間圧延ステンレス鋼帯(SUS304. S、US4
30)のNaClを電解質とする陽極電解を液温、電流
密度(A/dイ)、電解時間(秒)を変えて行い、処理
後の減h(とC「゛6イオン発生の有無及びピット発生
の有無とについて調へた結果を第1表に示す。なお、液
温が高い場合については後に実施例の一部として第3表
に示す。
以下余白 第1表及び第3表から、電解処理による減量の大小(脱
スケール能力に大きく関係する) 、 Cr”発生の有
無及びピッ1ル発生の有無に対してはNaCρ濃度や液
温の影響は大きくないことが判る。このような結果は冷
間圧延ステンレス鋼帯についても同様であった。
電解時の電流密度(A/龍)と電解時間(秒)との積(
A・秒/面、以下単位面積当りの電気量と言うことがあ
る)は脱スケール能力とピッ1−の発生に最も影響する
ものである。この単位面積当りの電気量の上限が、熱間
圧延ステンレス鋼帯の場合+1800A・秒/記で、冷
間圧延ステンレス鋼帯の場合は40OA・秒/dJであ
り、それぞれの場合に上記値を超えるときは、ステンレ
ス鋼帯が5US304である場合にピン1〜が発生する
。ステンレス鋼帯が5O5430ではこの一]二限はも
う少し上である。ここで熱間圧延と冷間圧延との差違は
、JISG4304及びJISG4305の規定に従う
ものとする。第2図及び第3図は、ピットの発生し易い
5O5304を使用しそれぞれ熱間圧延ステンレス鋼帯
及び冷間圧延ステンレス鋼帯を種々な電流密度(A/c
ull)と電解時間(秒)とを組み合わせた条件(他の
条件:NaCl濃度200g/l、、液温60℃は一定
)下に陽極電解したときのピッ1−発生の状況をグラフ
としたものであって、上記範囲が5IJS340と5U
S430とに共通して規定するときの単位面積当りの電
気量範囲の」二限であることを示している。
一方、NaCαを電解質とする陽極電解による前処理は
、スケールの大部分を除去して酸洗の負担を軽減しよう
とする処理であるから、この役割を果たすのに充分な単
位面積当りの電気量範囲の下限は種々な試験の結果、熱
間圧延ステンレス鋼帯では200A・秒/面で、冷間圧
延ステンレス鋼帯では100A・秒/dIIlであった
。脱スケールは通常鋼帯の形態で焼鈍工程と同じライン
を走行しながら行われるから、焼鈍に必要な処理時間す
なわち焼鈍炉通過時間を板厚の大小によって変えるため
に調整された通板速度がそのまま電解槽通過時間すなわ
ち電解時間を決めてしまうことになるが、電流密度(A
、/、M)を調整することにより単位面積当りの電気量
を上記範囲内とすることによりピットの発生を防止して
且つ充分な前処理を行うことが出来るのである。NaC
l水溶液中の陽極電解によれば、陽極に生成する酸との
反応の他に塩素イオンの作用も加わるので、スケール除
去能力は大きい。
本発明方法においてNaCl水溶液中の電解処理の後に
行う酸洗処理に使用する酸としては、スケール層の直下
の金属素地までも除去するために少なくとも弗酸の混入
された硝弗酸と硝弗酸とのいずれかを使用するのてあり
、硝弗酸酸洗液ではHFfi度5〜50g/l、HNO
3′a度50〜100g/lが適当であり、硝弗酸酸洗
液ではHFlli度5〜50g/l。
112SO4′a度150−250 g / Qが適当
であり、上記範囲中でもHF濃度が高い方が好ましい。
一般しこ硝弗酸酸洗液か硝弗酸酸洗液かのいずれか一方
を使用する場合、及びいずれをも使用して2段の酸洗を
行う場合の後段で使用するものとしては、表面の仕上り
状態及び不働態化処理の観点から硝弗酸酸洗液を好まし
くは液温50〜70℃で使用するのが良い。このように
前段に硝弗酸を、後段に硝弗酸を使用する2段の酸洗を
5US304.5O5430等に適用する場合、硝弗酸
による上記効果の他に、先に使用する硝弗酸酸洗液の液
温を70〜90°Cとして酸洗すれば、硝弗酸による脱
スケール及びエツチング効果が加わって大変良い結果が
得られる。第2表は熱間圧延ステンレス鋼帯(SUS3
04 。
5IJS430)を硝弗酸、硫酸、硝弗酸各単独使用の
酸洗液で処理したときの減量を調べた結果である。
第2表 第2表から硝弗酸酸洗液が前段の酸洗液として特に優れ
ていることが判る。冷間圧延ステンレス鋼帯についても
同様な結果が得られた。H2SO4単独使用の酸洗液に
よる前段酸洗処理は、S[l5304の場合は減量は大
きいがスマットを生じさせることがあるため行わない方
が好ましく 、 5US430の場合は実施しても良い
次に電解や酸洗に付帯して行われる操作も含めて、本発
明方法による脱スケール工程の具体例を第1図により説
明する。
焼鈍炉(図示なし)の通過速度のまま走行して来たステ
ンレスtllF1は、送板ロール15を経て電解槽2内
に送板され、前後への浸漬ロール14.14によって電
解槽2内に満たされているNaCl水溶液から成る電解
液中に浸漬された状態で通過し、その間に電解用電源5
に接続された陽極板3と陰極板4とステンレス#I!8
1との間にこのステンレス鋼帯1が陽極板3の間を通過
するときには陰極に、陰極板4の間を通過するときには
陽極にそれぞれ帯電するように形成される回路によって
ステンレス鋼帯1は陽極電解作用を受けて、表面のスケ
ールの大部分は電解液中に溶解除去される。このように
電解液中に溶解したスケールは陰極板4の作用で生成し
た水酸イオンと結合して金属水酸化物から主として成る
スラッジに変化する。このスラッジはステンレス鋼帯1
に付着して送板中に表面に疵を付けるので逐次スラッジ
液貯槽7に抜き出し、更に遠心分離機8でスラッジを電
解液から分離して排出し、電解液は液送ポンプ9及び6
によって電解槽2に戻す。電解槽2中のNaClは絶え
ず自己再生しており且つCr′″6イオンの生成も無い
ので電解液の老化は無い。電解条件として電流密度(A
/dJ)をステンレス鋼帯1の電解槽2の通過時間に従
って規定範囲に調整することは前記説明の通りである。
電解槽2を通過したステンレス鋼帯1は送板ロール15
を経てブラツシロール12とバックアップロール13と
の間を通過する。このとき陽極電解によって金属素地と
の結合力が弱まっているが未だ付着残存しているスケー
ルの大半が除去される。
次いでステンレス鋼帯1は送板ロール15を経て酸洗槽
10内に送板され、前後の浸漬ロール14.14によっ
て前記説明の酸洗液に浸漬された状態で通過し、その間
に僅かに残存しているスケールの全部が溶解除去される
と共に、スケール層の直下に存在する金属素地の金属素
地を溶解させる。スケール層の大部分は前記電解処理で
除去しているから、その分だけ酸洗槽10での酸洗液の
老化は少ないから、酸洗液の脱スケール及びエツチング
能の維持管理は容易である。
酸洗槽1.0を通過したステンレス鋼帯1は送板ロール
15を経てブラツシロール12とバックアップロール1
3との間を通過し、このとき僅かなスケールや金属素地
が金属素地との結合力が弱い状態で残存していたとして
も除去されると共に、美麗な素地が表出する。
酸洗に前記2種類の酸洗液を使用するときは、上記酸洗
を前段とし、これに続いて第1図に示す如く更に」=記
と同様の送板ロール15と浸漬ロール】4を備えた酸洗
槽11とブラツシロール12.バックアップロール13
とを通過させてもう1種の酸洗液による後段の酸洗処理
とブラツシ処理とを行えば良い。この2段の酸洗処理の
場合、1段だけの場合に比べて更にエツチング効果を増
強出来ると共に各段毎に酸濃度の調整が可能なことがら
酸洗能力の維持が容易となる。前後段の酸洗液として何
を使用するのが好ましいかは前記説明の通りである。こ
のようにして本発明方法による脱スケール工程は終了す
る。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明す
る。
焼鈍工程を経て走行して来る熱間圧延ステンレス鋼帯(
板厚3.8mの5O5304、板厚3.6mmの5US
340)を実験のため一旦コイルに巻き取り、第1図に
示す工程により種々な送板速度で、つまり電解時間及び
酸洗時間を種々に変えて脱スケールを行った。
電解液としてNaClの他、Na25o4. NaNO
3,NaFの水溶液を使用し、種々な電解条件で前処理
を行った。
これらの電解液及び電解条件を第3表に示す。引き続く
2段の酸洗処理に使用した酸洗としては前117[iA
ニ+;1H7sOJi度カ228 g / Q テI+
F11度カ10g/lの硝弗酸酸洗液を液温75°Cで
使用し、後段の酸洗Lニー ハHNO31度カフ0 g
 / Q テHF濃度が10g/lの硝弗酸酸洗液を液
温60℃で使用した。この実験に使用した電解槽2.酸
洗槽10及び1]におけるステンレス鋼帯の浸漬長はい
ずれも同じであるから111i段、後段の各酸洗処理時
間は電解時間と同じであり、それ以外の酸洗処理の条件
は各実験に共通であるから次表に示すことは省略した。
上記脱スケール実験において、陽pi電解(処理])、
前段の酸洗(処理2)、後段の酸洗(処理3)各処理後
の減量(■/dJ)を測定すると共にそれらを合計し、
各処理段階での脱スケール能及び]二程全体の脱スケー
ル能力を表わした。この減量の測定方法は、予め重量2
幅、長さの判っているコイルに処理条件の変更を含む処
理1.処理2及び処理3を施した後、再びその重量2幅
、長さを測定し、その重量差を板幅(dm)と処理長さ
(dm)の積で除して単位長さ当りの減量を求める方法
と、処理条件の変更を含む処理1.処理2及び処理3を
施す前にコイルより100m角(ldm角)のサンプル
を採取し、各処理後にもその条件下でのサンプルを同様
に採取し、その重量差をサンプル面積で除して単位長さ
当りの減量を算出する方法とのいずれかにより測定した
。また、工程終了後に目視によりスケール残存の有無を
観察した。以上の他に電解中における電解液中のCr”
イオンの検出作業を行ってその発生の有無を調べた。更
にピン1〜の発生の有無も調べたが、有の場合は陽極電
解で発生したものである。これらの結果を第3表に示す
以下余白 第3表から、陽極電解(処理1)での減量についてはN
aClを電解質とする場合が他の場合に比べて最も多く
て酸洗における酸洗液の老化をそれだけ軽減させ得るこ
とが判り、またCr+Gイオンの発生も他の場合(但し
海水の場合を除く)に認められるのに対し、NaClの
場合には無いことが判る。
そしてNaClの場合の中では、単位面積当りの電気量
(aXb)が本発明方法に規定する範囲の上限以下にあ
る場合はピットは発生しないが、そうでない場合はピッ
1〜が発生していることが判る。また、NaC1Aを電
解質とする陽極電解における単位面積当りの電気量(a
 X b)が本発明方法に規定する範囲にある場合は第
3表に示す如く処理1での減量がかなり大きく、電解時
間と同じ時間の酸洗で美麗な表面のステンレス鋼?fF
が得られたが、単位面積当りの電気量(a X b)が
本発明方法に規定する範囲の下限よりも小さい場合は電
解時間よりも多くの時間をかけて酸洗を行わねばならず
、酸洗液の老化を早めてその管理が厄介となることが判
る。海水を使用して電解した場合は電極に白色スケール
が付いて実施困難であったので、酸洗は省略した。
以上、上記表から本発明方法が脱スケール方法として非
常に優れたものであることが判る。
〔効果〕
以上詳述した如き本発明に係るステンレス帯の脱スケー
ル方法は、以下に列挙するような種々の利点を有してお
り、その工業的価値は非常に大きなもがある。
1、前処理によって大部分の脱スケールが可能であるこ
とから、酸洗槽における脱スケール負荷が軽減されるこ
とになり、酸洗液の寿命も延び脱スケール能力が安定し
た。従って、酸洗液の濃度管理及び追酸に要する労力、
費用も軽減されると同時に脱スケールの高速化が可能と
なった。
2、熱間圧延材、冷間圧延材のいずれであって同じライ
ンで兼用して充分な脱スケール能力が得られるようにな
ったことから、生産能力の向上が図られる。
3、前処理方法として、塩化ナトリウム水溶液を使用し
た陽極電解を採用したことで、電解槽より排出される廃
液中のCr”イオンの処理が不要となりその処理費用が
軽減された。また、電解液中にCr”イオンの生成がな
いこと及び除去されたスケールは金属水酸化物よりなる
スラッジとして、液相より分離することから液の劣化も
少なく、また電解質である塩化ナトリウムも比較的安価
であることから低コストでしかも安定した前処理が可能
となった。
4、本発明方法における前処理は充分な脱スケール能力
を有し、しかも溶融塩の如く粘性が高くなくて液持出し
が少ないことから、ゴス1−的にも優れている。
5、前処理にて、大部分のスケール除去が可能となった
ことから、酸洗処理においては残存するスケールの除去
が為されると同時に、スケール直下の金属素地をも溶解
することになるので、脱スケールが不十分であることに
起=27− 因するステンレス鋼帯の表面欠陥である肌荒れや光沢む
らが減少出来た。
6、本発明方法を実施するときの設備面に関しては、電
解槽及び酸洗槽のいずれも従来のものをそのまま使用す
ることが出来るから、殆んど設備改造を要せず、しかも
脱スケール能力の向上が図れた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の実施状態の1例を示す工程図、第
2図及び第3図は本発明方法において規定される電流密
度と電解時間との積の範囲の上限をそれぞれ熱間及び冷
間各圧延ステンレス鋼帯別に示すグラフである。 1・・ステンレス鋼帯 2・・電解槽 3・・・陽極板 4・・陰極板 5・・・電解用電極 6・・・液送ポンプ 7・・スラッジ液貯槽 8 遠心分離機 9・・・液送ポンプ 10・酸洗槽 11  酸洗槽 12・ブラツシロール 13・バックアップロール 14・・・浸漬ロール 15・・・送板ロール

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 50〜200g/lのNaClを主成分とする水溶
    液から成る電解液中で液温が20〜80℃、電流密度と
    電解時間との積が200〜800A・秒/dm^2の条
    件下に熱間圧延ステンレス鋼帯を陽極として電解処理を
    行い、次いで少なくとも硝弗酸と硫弗酸とのいずれかに
    より酸洗処理してスケール直下の金属素地まで除去する
    ことを特徴とするステンレス鋼帯の脱スケール方法。 2 酸洗処理を、先に硫弗酸で次いで硝弗酸での2段処
    理で行う請求項1に記載のステンレス鋼帯の脱スケール
    方法。 3 硫弗酸として、H_2SO_4濃度が150〜25
    0g/lでHF濃度が5〜50g/lのものを液温70
    〜90℃で使用する請求項1又は2に記載のステンレス
    鋼帯の脱スケール方法。 4 硝弗酸として、HNO_3濃度が50〜100g/
    lでHF濃度が5〜50g/lのものを液温50〜70
    ℃で使用する請求項1又は2に記載のステンレス鋼帯の
    脱スケール方法。 5 50〜200g/lのNaClを主成分とする水溶
    液から成る電解液中で液温が20〜80℃、電流密度と
    電解時間との積が100〜400A・秒/dm^2の条
    件下に冷間圧延後に焼鈍を施されたステンレス鋼帯を陽
    極として電解処理を行い、次いで少なくとも硝弗酸と硫
    弗酸とのいずれかにより酸洗処理してスケール直下の金
    属素地まで除去することを特徴とするステンレス鋼帯の
    脱スケール方法。 6 酸洗処理を、先に硫弗酸で次いで硝弗酸での2段処
    理で行う請求項5に記載のステンレス鋼帯の脱スケール
    方法。 7 硫弗酸として、H_2SO_4濃度が150〜25
    0g/lでHF濃度が5〜50g/lのものを液温70
    〜90℃で使用する請求項5又は6に記載のステンレス
    鋼帯の脱スケール方法。 8 硝弗酸として、HNO_3濃度が50〜100g/
    lでHF濃度が5〜50g/lのものを液温50〜70
    ℃で使用する請求項5又は6に記載のステンレス鋼帯の
    脱スケール方法。
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