JPH0116808Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建物の伸縮継手装置に関するものであ
る。

建物の伸縮部は２つの躯体に分離され、躯体間
の間隙（目地）は閉塞する必要があるので、例え
ば壁の場合には躯体の内外面にエキスパンシヨン
ジヨイントカバーが設けられている。このエキス
パンシヨンジヨイントカバーが金属製であつても
防火上の観点からは不十分の場合があり、目地に
耐火性の防火材を充填する必要がある。しかし、
伸縮部の目地では躯体の伸縮に伴いその間隙が変
化するので、防火材を充填しても脱落する虞があ
る。そこで、本考案は建物が伸縮しても防火材が
目地を十分に閉塞し脱落しないように、弾性体を
装着した防火材を屈曲して取付けたものである。

以下、本考案を添付する図面に示す具体的な実
施例に基いて詳細に説明する。

建物の伸縮部では躯体が分離して構成され、そ
の躯体１，１間の目地２に弾性体３を装着した防
火材４を屈曲し躯体側面１ａ，１ａに弾着させて
取付ける。

防火材４は例えばアルミ箔５に耐火材６を貼り
付けたシート状のものである。弾性体３としては
線状スプリング７、Ｗ状バネ８、Ｖ状板バネ９等
があつて、これ等を防火材４に装着する。

このような弾性体３を装着した防火材４を内方
へ屈曲して前記目地２に挿入すると、防火材４は
弾性体３により外方に付勢されその両端部は躯体
側面１ａ，１ａに弾着して目地２に取付けられ
る。

躯体１，１間の内外面はカバープレート１０，
１１で覆われる。すなわち、カバープレート１０
は躯体１内面に螺着されたクリツプ式縁材１２に
その中央に突出した係合片１３を挿入し目地２を
覆い両端に装着したガスケツト１４，１４を躯体
１，１のそれぞれの内面に当接して取付けられ
る。また、カバープレート１１は、躯体１，１外
面のアンカーに固着されたアングル材１５，１５
に螺締された縁材１６，１６にスプリングクリツ
プ１７を係合させて目地２を覆うようにして螺締
する。また、カバープレート１１の両端にはガス
ケツト１８が装着され躯体１，１のそれぞれの外
面に当接し、縁材１６，１６の上面にもガスケツ
ト１９，１９が装着されカバープレート１１内面
間を封止している。符号２０は合成樹脂製止水
板、２１はコーキングである。

ところで、躯体１が伸縮し目地２の間隙が大き
くなると目地２に取付けた防火材４には弾性体３
が装着してあるので防火材４は外方に付勢され防
火材４の両端部は躯体側面１ａに弾着し、目地２
の間隙が小さくなるとそれに応じて防火材４は収
縮し、防火材４は目地２を常時充填する。

本考案は、上述のように、躯体間の目地に弾性
体を装着した防火材を屈曲して躯体側面に装着さ
せて取付けたから、躯体が伸縮しても目地から防
火材が脱落することは全くない。また、目地への
防火材の取付けは防火材を屈曲させて挿入させる
だけでよく、至極容易で、特別にボルト、ナツ
ト、ブラケツト等の支持具は不要で、目地用の防
火材を安価に提供できる。防火材は弾性体に付勢
されて躯体との接触面を有するようにして躯体側
面に弾着するので脱落するようなことはなく、接
触面を有するように目地に装着しているので、火
災が発生した際火炎の進入を遮断する効果は大き
い。また、防火材を躯体間の目地の屋外側寄りに
設けているので、火災が発生した際、屋外側から
の火炎の進入を直ちに遮断できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の具体的な実施例で、第１図は目
地に防火材を取付けた状態を示す横断面図、第２
図、第３図および第４図は防火材に装着した弾性
体を例示した斜視図である。 １……躯体、２……目地、３……弾性体、４…
…防火材、１ａ……躯体壁面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 対向する躯体の両端縁に縁材を設け、両縁材の
   屋外側にはガスケツトを嵌着し、躯体間の目地を
   覆うカバープレートを前記ガスケツトに当接させ
   スプリングクリツプを縁材に係合させて螺締する
   建物の伸縮継手装置において、躯体間の目地の屋
   外側寄りに、内方に変形させて装着した線状スプ
   リング、Ｗ状バネ、Ｖ状板バネなどの弾性体によ
   り外方へ付勢するようにした防火材を躯体との接
   触面を有して躯体側面に弾着させたことを特徴と
   する建物の伸縮継手装置。