JPH01133795A - オフセツト印刷用電子写真版の不感脂化処理液 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、オフセット印刷用電子写真版の不感脂化処理
液に関し、更に詳しくは、紙等の支持体表面に酸化亜鉛
を塗布した版材（以下「マスターペーパー」と称する）
に、電子写真法で親油性画像を形成し、これをオフセッ
ト印刷用原版として使用する際に用いるフィチン酸をキ
レート剤とした不感脂化処理液の改良に関する。

〈従来の技術〉 オフセット印刷用電子写真版の不感脂化処理液には、（
ア）無害である、（イ）インクにシアニンブルーを使用
できる、（つ）　ｐＨ調節が容易である等の見地から、
フェロシアンイオンを主体としたものに代り、フィチン
酸を主体としたものが提唱されている。しかし、フィチ
ン酸を単に希釈しただけからなる不感脂化処理液では直
ぐマスターペーパーに地汚れが発生し、実用に耐え得な
いことは周知である。そこで従来より、フィチン酸にア
ミノカルボン酸の錯体若しくはその塩およびポリオキシ
カルボン酸を添加する（特開昭５７−２０３９４号公報
参照）又はフィチン酸の金属塩に水溶性フッ化物及びジ
カルボン酸アルカリ金属塩とリン酸のアルカリ金属塩を
添加する（特開昭５９−３５９９４号公報参照）等の方
法で不感脂化処理液の実用化を図り、数千〜１万枚印刷
した後にも、マスターペーパーや印刷物に地汚れを発生
させない不感脂化処理液が提案されている。

しかし、本発明者が上記従来例に基づいて不感脂化処理
液を調製し、追試を行ったところ、削出しから印刷物に
薄い地汚れが発生し、これらの不感脂化処理液には実用
上問題があることが判明した。

そこで、本発明者は特開昭６２−７７９９４号公報にお
いて、２種以上のジカルボン酸を用いることにより、地
汚れのない実用上使用可能な不感脂化処理液を提案して
いる。

尚、この発明に関係する文献として、特開昭６０−２３
０９９号公報を参照されたい。

〈発明が解決しようとする問題点〉 本発明者が提案した上記不感脂化処理液によれば、確か
に、印刷物に地汚れが発生しなくなる。

ところで、技術の豊富化、更には不感脂化処理液の高性
能化等の見地から、特開昭６２−７７９９４号公報に記
載された不感脂化処理液の配合以外の配合の不感脂化処
理液が求められている。

〈問題点を解決するための手段〉 この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、キレー
ト剤としてフィチン酸を用いるオフセット印刷用電子写
真版の不感脂化処理液であって、２つの配位原子を有す
る１種又は２種以上のジアミンが含有されていることを
特徴とする。

〈手段の詳細な説明〉 以下、上記手段について詳細に説明する。

（ａ）フィチン酸（別名、イノジットヘキサリン酸）は
、その２位−６位又は３位−５位の水酸基が、マスター
ペーパー上に電子写真法で形成された画像部分以外の部
分（非画像部分）の表面上の亜鉛をキレート化すること
により、該非画像部分を疎油性としてインク（油性であ
る）の付着防止作用を奏する。尚、このフィチン酸は植
物の種子あるいは穀物等から得られる物質であり、人体
に無害である。

フィチン酸の添加量は、不感脂化処理液における濃度に
おいて、３％以上、好ましくは５％以上である。

（ｂ）２つの配位原子を有するジアミンは、−服代ＮＨ
２−Ｒ−ＮＨ２として表わされるものであり、具体的に
は、エチレンジアミン、プロピレンジアミン（Ｒ＝　　
　ＣＨ２ＣＨＩＣＨ３）−）、トリメチレンジアミン、
パラフェニレンジアミン等を挙ることができ、これらの
うち１種又は２種以上が用いられる。

これらのジアミン類はアルカリ性を示すので、フィチン
酸と塩を形成することとなる。

これらのジアミンを不感脂化処理液へ添加すると、印刷
物に地汚れが発生しなくなる（各実施例参照）。これは
、フィチン酸ジアミン塩が液中でイオン解離し、フィチ
ン酸が亜鉛と不溶性のキレートを形成した後、フリーに
なったジアミンが、更に亜鉛と不溶性のキレートを形成
し、フィチン酸とジアミンのバランスが崩れることなく
、スムーズにこの反応が進行するためであると推定され
る。尚、モノアミンでは、好適な結果が得られなかった
（比較例４〜５参照）。モノアミンの場合には、特開昭
６０−２３０９９号公報に示されたように、水溶性カチ
オンポリマー等の他の添加剤が必要とされる。

ジアミンの添加量は、水酸化ナトリウム等のｐＨ調整剤
が存在しない条件下で、不感脂化処理液のｐＨを３．０
〜６．０に調整する量、より好ましくは略４．０に調整
する量である。これを、エチレンジアミンで換算すると
、フィチン酸に対してモル比で２．８６〜４．３６倍、
より好ましくは１．３１倍となる（実施例１参照）。

尚、不感脂化処理液のｐＨが３．０〜６．０の範囲を外
れると、印刷物に地汚れが発生するのことは周知の事項
である。

このように、ジアミンの単体で不感脂化処理液のｐＨを
調整した場合に、性能の優れた不感脂化処理液が得られ
る（実施例１〜９参照）。

また、水酸化ナトリウム等の他のｐＨ調整剤を併用する
ことができる（実施例ｔｏ、ｉｉ参照）。この場合は、
ジアミンの割合が多くなればなる程、不感脂化処理液の
性能が連続的に向上する。

本発明者の検討によれば、不感脂化処理液を所定のｐＨ
に調整するのに必要な他のｐＨ調整剤の量（比較例１〜
６参照）の２０％以上をジアミンで置換ずれは有効と考
えられる。例えば、比較例１−６　＝ の水酸化ナトリウムの場合には、その使用量を１８．４
１　ｘ　Ｏ，８０＝１３．１３ｇ以下とする。

以上、エチレンジアミンを例に採り、ジアミンの添加量
を説明してきたが、プロピレンジアミン等地のジアミン
を１種若しくはそれらの２種以上を用いる場合、又はエ
チレンジアミンと他のジアミンを併用する場合には、フ
ィチン酸ジアミン塩の解離恒数等を考慮して、上記添加
量の値は適宜補正されることとなる。

（Ｃ）尚、本不感脂化処理液の調製に際し、必要に応じ
下記薬剤（ｃｌ）〜（ｃｌ）を添加することができる。

（ｃｌ）澱粉（可溶性澱粉、デキストリン形を含む）及
びその誘導体、繊維素誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、
アラビアゴム、プルラン等の一般に使用されている糊剤
。

（ｃｌ）エチレングリコール、プロピレングリコール、
ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、グ
ルコース、砂糖等の湿潤剤（ｃ３）リン酸、メタリン酸
、硝酸、珪酸、メタ珪酸等の、この種の印刷用材料薬品
に常識的に使用される無機酸及びその塩。

（ｃ４）クエン酸、タンニン酸等の常識的に使用される
有機酸及びその塩、サリチル酸、安息香酸、デヒドロ酢
酸等の防腐剤。

（ｃ５）ベンゼン、トルエン等芳香族のスルフォン酸及
びその塩等の助剤。

（ｃ６）低級アルコール、エーテル、ケトン。

セロソルブ等の界面張力調整剤。

（ｃｌ）着色用色素。

（ｄ）キレート化助剤として、特開昭ａ２−７７９９４
号公報に示した２種以上のジカルボン酸を併用すること
ができる。このように併用する場合には、併用しない場
合に比して、不惑脂化処理液の性能が更に向上する（目
視のよるフィーリングの違いがでる）。

尚、併用しない不感脂化処理液（ジアミンを添加したも
の、及び特開昭６２−７７９９４号公報に示されたもの
）であっても、実用に供する性能を有することはいうま
でもない。

このときのジアミンの添加量は、上記と同様に、不感脂
化処理液のｐＨを３．０〜６．０に調整する量とする。

〈発明の効果〉 以上説明したように、フィチン酸、ジアミン及び他の有
効成分を有する不感脂化処理液を調製し、マスターペー
パー１枚につき３０００枚（マスターペーパーの耐久枚
数である）のオフセット印刷を行ったところ、地汚れそ
の他の異状は何ら認められず良好な印刷物が得られた。

尚、当然であるが、不感脂化処理液は適宜継ぎ足すもの
とする。また、浸し水としては、同−液を水で２０倍に
希釈したものを使用した。

このように本発明の不感脂化処理液は、実用上充分に使
用に耐え得るものである。

つまり、この発明により、実用に供し得る新たな不感脂
化処理液が提供されたことになる。

〈実施例〉 以下、本発明の実施例について説明する。

第１表及び第２表に示した配合の実施例の不感脂化処理
液と、第３表に示した配合の比較例の不感脂化処理液と
を調製する。尚、フィチン酸（５０％）には、三井東圧
（株）製造のものを用いたこの不感脂化処理液を製版さ
れたマスターペーパーに塗布し、一方、上記不感脂化処
理液を水で２０倍に希釈し印刷用浸し水とする。

そして、通常のオフセット印刷機（リョービ（株）製２
８００ＣＤ）により藍インク（（株）日研化学研究所製
；マスターブルー）で中性紙（北越製紙（株）製２０％
Ａｓｈのもの）に印刷をした。

地汚れの有無を目視（ただし、実施例１ｏ、１１はルー
ペ）により判断した。

結果を各表に示す。

これより、各実施例の不感脂化処理液が十分実用に供せ
られることがわかる。

第　　２　表 第３表

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 キレート剤としてフイチン酸を用いるオフセット印刷用
   電子写真版の不感脂化処理液において、２つの配位原子
   を有する１種又は２種以上のジアミンが含有されている ことを特徴とするオフセット印刷用電子写真版の不感脂
   化処理液。