JPH0113121Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、バルコニーにおいて、フロントフレ
ームよりも前方に張出して設けられる張出し部ユ
ニツト支持構造に関するものである。

［従来技術および解決しようとする問題点］ 従来、この種張出し部は、バルコニーの根太を
長くしてフロントフレームから前方に突出させ、
ここに張出し部を組付けるようにしていた。しか
るにこのものでは、張出し部の無い標準仕様のも
のに対し、長い根太と貫通孔が穿設されたフロン
トフレーム等の特殊仕様の部材を別途準備しなけ
ればならず、そのうえこれらは、煩雑かつ面倒な
現場組立が必要となり、しかもこれを技量の点に
おいてバラツキのある施工業者が現場組付けをす
るため、組付け後の品質および安全性に問題を生
じる等の欠点がある。

そこで工場等で予め組み込んだ張出し部を一組
のユニツトとして現場に搬入し、このものをバル
コニーに組付ける所謂ノツクダウン方式を採用す
ることが提唱される。しかるにこの場合、バルコ
ニーに標準仕様として組込まれるフロント支柱が
一部あるいは全く無い部所に張出し部ユニツトを
組付ける場合、張出し部用支柱を立設させた状態
でボルト孔を一致させる等の位置決め作業が必要
になるが、特に張出し部ユニツトが、足の無いも
のであつて、フロントフレームよりも前方に突出
しただけの片持ち状のものである場合、張出し部
ユニツトは、ボルト固定する以前の仮組状態にお
いて前倒れして安定支持が難しく、このため張出
し部ユニツトの組付けに際しては、張出し部ユニ
ツトを位置決め状態に保持するための作業者とボ
ルト止めをするための作業者との二人の作業者が
少なくとも必要になり、一人作業での組付けが極
めて難しいという問題がある。

そのため実公昭61−46081号公報に示す如く、
張出し部用支柱のみを単独でフロントフレームに
固定し、しかる後、この固定された支柱に張出し
部をユニツトとして組付ける様にしたものもある
が、この場合には、張出し部ユニツトを、張出し
部用支柱までもが一体組込みされたものにするこ
とができず、このためユニツト化が損なわれ、支
柱部材と張出し部ユニツトとの二部材を用意する
必要があつて、工場での梱包や製品管理、あるい
は現場搬入等が煩雑かつ面倒になるうえに、現場
での組込みに際し、張出し部用支柱と張出し部ユ
ニツトとの組込み工程がさらに必要になつて作業
性が悪い等の問題が生じる。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、上記の如き実状に鑑みこれらの欠点
を一掃すべく創案されたものであつて、根太先端
部にフロントフレームを固定し、その前側に予め
組込んだ張出し部ユニツトを取付けるように構成
してなるバルコニーにおいて、前記張出し部ユニ
ツトは、フロントフレームを上側から跨ぐよう嵌
合するための切欠き溝が下端部に形成された筒状
のユニツト支柱が一体的に組込まれたものとする
一方、フロントフレームには、根太突き当て部の
側方にユニツト支柱の切欠き溝を嵌合するための
嵌合部を形成し、該嵌合部に嵌合せしめたユニツ
ト支柱の筒溝内に嵌合してユニツト支柱を支持す
るための支持金具を、側方にある根太とフロント
フレームとに一体固定して張出し部ユニツトの前
倒れ防止機構を形成したことを特徴とするもので
ある。

［実施例］ 次に、本考案を図面に示された一実施例に基づ
いてさらに詳しく説明する。図面において、１は
バルコニーであつて、該バルコニー１は、住宅等
の建造物の屋根の上方に建付けられるものである
が、バルコニー１はサイド支柱２、中間支柱３、
フロントフレーム４、フロント笠木５、サイド笠
木６、サイドフレーム７、デツキ材８、根太９等
で構成されていることは従来通りである。

１０，１１はそれぞれユニツト化されたサイド
張出し部、センター張出し部であるが、両者１
０，１１の取付方式は一部を除いてほとんど同じ
であるので、以下センター張出し部１１を中心に
して説明する。センター張出し部１１は左右のユ
ニツト支柱１２、両側がそれぞれ円弧状に湾曲し
た笠木１３、フレーム１４、さらに敷板１５等に
よつてユニツト構成されているが、バルコニー１
の中央部位置においてフロントフレーム４より前
方に片持ち状に突出組付けされるように予め組付
けられたものである。

即ち、フロントフレーム４は後側が開いた断面
略コ字形状を成しており、ここに固定金具１６が
嵌入している。この固定金具１６は、固定金具１
９をあいだに介在するが根太９にボルト２２ａを
介して一体的に固定され、さらに前側から当てが
われる目隠し金具１８を貫通するビス１８ａによ
つてフロントフレーム４に一体的に固定されてい
る。さらに固定金具１６はフロントフレーム４の
裏面側に嵌入しフロントフレーム４の表面側に接
当せしめる目隠し金具１８とともにフロントフレ
ーム４にビス１８ａで止め固定されるようになつ
ている。固定補助金具１７はフロントフレーム４
の上面側に当てがわれ、フロントフレーム４の裏
面に嵌合した固定金具１９の一端側とともにフロ
ントフレーム４にボルト２０で締付固定されてい
る。固定金具１９はさらにボルト２１で固定金具
１６の一側面に緊着せしめているが、さらに固定
金具１９のフロントフレーム４から建物側に突出
した他端側は根太９の先端部側方に上下方向のボ
ルト２２で一体固定されている。

一方、前記支柱１２は中空状の角筒部材によつ
て形成されているが、その上端部にはキヤツプ材
１２ａが嵌着されている。支柱１２の下端部はそ
の左右両側面が開口するように切欠き溝２３が形
成されており、フロントフレーム４の根太突き当
て部の側方において、該根太９とフロントフレー
ム４とに固定金具１９を介して一体固定された各
金具１６，１７，１８（これらが本考案の支持金
具に対応する）によつて、支柱１２の溝筒内に嵌
合して張出し部１１を自立支持するための支持機
構が形成されている。そして、フロントフレーム
４に嵌合せしめた支柱１２は、取付金具２４を貫
通するボルト２５を外側から固定金具１６に螺入
し、また内側からはボルト２６を固定金具１６及
び固定補助金具１７に螺入することによつて支持
機構に一体的に緊着固定される。取付金具２４に
はフレーム１４の両端部が螺着されるが、フレー
ム１４の中央部は略直角三角形状をした補強体２
７の頂部が図示しないボルトによつて固定される
ようになつている。そして補強体２７の直角を挾
んだ一辺は中間支柱３にボルト２８で螺着され、
他辺は敷板１５の裏面に接当してこれを補強支持
するようになつている。

図中、２９はサイド支柱２、中間支柱３の下端
部に回動自在に設けた支柱脚、３０は中間支柱３
補強用の補強板、３１はセンター張出し部１１用
のパネル体、３２は笠木１３と支柱１２上端部と
を取付固定する取付体、３３はそのためのボルト
である。

叙述の如く構成された本考案の実施例におい
て、ユニツト化されたセンター張出し部１１を組
付けるには、まず、固定金具１６をフロントフレ
ーム４に開口した裏面側から嵌入し、そしてこれ
を固定補助金具１７、目隠し金具１８とともに固
定金具１９を介してフロントフレーム４にビス１
８ａ、ボルト２０，２１を用いて一体固定し、さ
らにその側方位置にて固定金具１９をボルト２
２，２２ａを用いて根太９に一体固定して、根太
９の側方に張出し部１１の支持機構を形成する。
しかる後、予め工場等でユニツト組付されたセン
ター張出し部１１の支柱１２を、切欠き溝２３が
上記支持機構を内装するようにフロントフレーム
４に嵌合させて自立支持させ、しかる後ボルト２
５，２６を用いて固定すれば、センター張出し部
１１は支柱１２を介してバルコニーに強固に支持
固定されることとなり、而してセンター張出し部
１１の支柱１２までをも組込んだ張出し部ユニツ
トを用いてのノツクダウン方式による現場組付け
ができることになる。

この様に本考案にあつては、張出し部１１はユ
ニツトとして支柱１２までもが予め工場で組立て
られたものを現場に搬入し、単なるボルト締め等
の作業によつて所謂ノツクダウン方式によつて簡
単に組付けることができるが、この場合に、セン
ター張出し部１１は、根太９の側方において、該
根太９とフロントフレーム４とに一体固定せしめ
た金具１６，１７，１８によつて構成した支持機
構により、支柱１２をフロントフレーム４に嵌合
しただけの仮組状態であつても、起立姿勢に仮保
持されることになる。つまり支持機構は、根太９
とフロントフレーム４との両者が枠組み形成され
る部位において一体固定されているため強度的に
極めて優れ、しかもその根太９は支持機構部位に
あるのではなくその側方に有るため、切欠き溝２
３のフロントフレーム４への上下方向の嵌合量
を、支持機構を固定するための根太９によつて何
ら制限を受けてしまうことなく、必要量だけ深く
確保することができ、従つてユニツト化されたセ
ンター張出し部１１をバルコニーに組込むに際
し、該張出し部１１は、足の無いものであつて
も、支柱１２をフロントフレーム４に形成した支
持機構に嵌合させただけの仮組状態で前倒れ防止
された状態に支持されることになる。このため支
柱１２が組込まれた張出し部ユニツトであつても
前倒れ防止をして位置決め保持するための介添え
作業者が不要になつて、一人作業でも簡単に張出
し部ユニツトの組込み作業ができることになる。
しかも張出し部ユニツトは、支柱１２までもが予
め組込まれたものであるから、完成品としてのユ
ニツト化が達成できて、製品管理や部材管理の大
幅な簡略化が計れることになる。

また既設のバルコニーに張出し部を後付けする
場合において、バルコニーを殆ど分解し、フロン
トフレーム４を貫通孔が開設されたものに交換す
るか貫通孔を別途穿設し、さらに根太９を長いも
のに交換するような煩雑かつ面倒なことをする必
要が無く、既設のフロントフレーム４と根太９を
そのまま用い、しかもこれらを何ら分解しない状
態のままでドリル等による簡単な穿孔作業とボル
ト緊締作業のみによつて直ちに張出し部１１の組
付けができることとなり、このため、作業能率が
著しく向上して、作業時間の著しい短縮ができる
うえに、出来映も作業者の技量に左右されること
はない。

尚、本実施例にあつては、センター張出し部１
１はその中央部が補強体２７によつて保持された
状態となるため、強度的に優れることは勿論であ
るが、さらに敷板１５の安定性が増し、従来みら
れた敷板１５の不安感がなくなる利点もある。

［作用効果］ 以上要するに、本考案は叙述の如く構成された
ものであるから、バルコニーに張出し部を組付け
るに際し、張出し部を、支柱までをも予め組込ん
で、一部品として完全にユニツト化された張出し
部ユニツトにし、部材管理、搬出の簡素化、さら
にはノツクダウン方式を採用した現場組付けの簡
素化を計ることができるものであるが、この場合
に、張出し部ユニツトに自立性の足が無く、単独
では不安定で前倒れしてしまうものであつても、
ユニツト支柱に形成した切欠き溝のフロントフレ
ームに対する嵌合部が根太の側方に形成され、し
かも該部位には、根太とフロントフレームとの両
者に一体固定された前倒れ防止の支持機構が形成
されていて、上記嵌合したユニツト支柱の支持を
することになる。このため、ユニツト支柱は、切
欠き溝をフロントフレームの支持機構部に嵌合さ
せた仮組状態でも、支持機構を介して根太とフロ
ントフレームとのコーナー部での両者による支持
と、切欠き溝部のフロントフレームの上下嵌合ス
トロークが根太によつて制限を受けること無く必
要において深く確保することが相俟つて強力な前
倒れ防止作用を受けて、片持ち状のものでも自立
状態に仮保持せしめることができ、この結果、支
柱付き張出し部ユニツトを組み込む際に従来どう
しても必要だつた張出し部ユニツトの前倒れを支
えて位置決め状態に保持する介添え作業者が不要
と成り、一人作業であつても簡単かつ確実に張出
し部ユニツトの組込みができて、効率的なノツク
ダウン方式が採用でき作業性の大幅な改善と品質
保持が計れることになる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るバルコニーにおける張出し
部ユニツトの前倒れ防止構造の一実施例を示した
ものであつて、第１図はバルコニーの要部分解斜
視図、第２図、第３図はそれぞれ取付部材の組立
斜視図、第４図、第５図はそれぞれセンター張出
し部組立斜視図、第６図は笠木の要部組立斜視
図、第７図はサイド張出し部の組立斜視図、第８
図は概略平面図である。 図中、１はバルコニー、２はサイド支柱、３は
中間支柱、４はフロントフレーム、５はフロント
笠木、７はサイドフレーム、９は根太、１０はサ
イド張出し部、１１はの安定性が増し、従来みら
れた敷板１５の不安感がなくなる利点もある。 ［作用効果］ 以上要するに、本考案は叙述の如く構成された
ものであるから、バルコニーに張出し部を組付け
るに際し、張出し部を、支柱までをも予め組込ん
で、一部品として完全にユニツト化された張出し
部ユニツトにし、部材管理、搬出の簡素化、さら
にはノツクダウン方式を採用した現場組付けの簡
素化を計ることができるものであるが、この場合
に、張出し部ユニツトに自立性の足が無く、単独
では不安定で前倒れしてしまうものであつても、
ユニツト支柱に形成した切欠き溝のフロントフレ
ームに対する嵌合部が根太の側方に形成され、し
かも該部位には、根太とフロントフレームとの両
者に一体固定された前倒れ防止の支持機構が形成
されていて、上記嵌合したユニツト支柱の支持を
することになる。このため、ユニツト支柱は、切
欠き溝をフロントフレームの支持機構部に嵌合さ
せた仮組状態でも、支持機構を介して根太とフロ
ントフレームとのコーナー部での両者による支持
と、切欠き溝部のフロントフレームの上下嵌合ス
トロークが根太によつて制限を受けること無く必
要において深く確保することが相俟つて強力な前
倒れ防止作用を受けて、片持ち状のものでも自立
状態に仮保持せしめることができ、この結果、支
柱付き張出し部ユニツトを組み込む際に従来どう
しても必要だつた張出し部ユニツトの前倒れを支
えて位置決め状態に保持する介添え作業者が不要
と成り、一人作業であつても簡単かつ確実に張出
し部ユニツトの組込みができて、効率的なノツク
ダウン方式が採用でき作業性の大幅な改善と品質
保持が計れることになる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るバルコニーにおける張出し
部ユニツトの前倒れ防止構造の一実施例を示した
ものであつて、第１図はバルコニーの要部分解斜
視図、第２図、第３図はそれぞれ取付部材の組立
斜視図、第４図、第５図はそれぞれセンター張出
し部組立斜視図、第６図は笠木の要部組立斜視
図、第７図はサイド張出し部の組立斜視図、第８
図は概略平面図である。 図中、１はバルコニー、２はサイド支柱、３は
中間支柱、４はフロントフレーム、５はフロント
笠木、７はサイドフレーム、９は根太、１０はサ
イド張出し部、１１はセンター張出し部、１２は
支柱、１６は固定金具、１７は固定補助金具、１
８は目隠し金具、１９は固定金具、２０，２１，
２２，２２ａはボルト、２３は切欠き溝、２４は
取付金具、２５，２６はボルトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 根太先端部にフロントフレームを固定し、その
   前側に予め組込んだ張出し部ユニツトを取付ける
   ように構成してなるバルコニーにおいて、前記張
   出し部ユニツトは、フロントフレームを上側から
   跨ぐよう嵌合するための切欠き溝が下端部に形成
   された筒状のユニツト支柱が一体的に組込まれた
   ものとする一方、フロントフレームには、根太突
   き当て部の側方にユニツト支柱の切欠き溝を嵌合
   するための嵌合部を形成し、該嵌合部に嵌合せし
   めたユニツト支柱の筒溝内に嵌合してユニツト支
   柱を支持するための支持金具を、側方にある根太
   とフロントフレームとに一体固定して張出し部ユ
   ニツトの前倒れ防止機構を形成したことを特徴と
   するバルコニーにおける張出し部ユニツトの前倒
   れ防止構造。