JPH0112899Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は鋼管、特に最近普及しつつある薄肉の
一般配管用ステンレス鋼鋼管等を配管施工現場に
おいて簡便にかつ切断歪みを生ずることなく切断
することができるパイプ切断機に関するものであ
る。

（従来の技術） 従来のパイプ切断機としては、チヤツクにより
保持されて回転するパイプの外周に薄い円板状の
ローラー刃を送りねじによつて送りながら押付
け、次第にパイプに食い込ませて切断を行わせる
ようにしたものが普通であるが、大径で薄肉のパ
イプを切断すると切口がくびれたり切口が多角形
に歪んだりする欠点があつた。またこのような欠
点を防止するために送りねじのピツチを細かくす
ると切断に要する時間が長くなるうえ、切断後に
ローラー刃を後退させるためには送りねじを何回
も回転させなければならず、不便で非能率な憾み
があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は上記のような従来の問題点を解決し
て、薄肉のパイプの切口を変形させることなく能
率的に切断することができ、切断後のローラー刃
の後退も迅速に行うことができるパイプ切断機を
目的として完成されたものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、先端に回転自在なローラー刃を備え
た複数の板状の主体部の側面にカム溝を備えたロ
ーラーホルダーを、パイプと同心に配置される固
定リングに凹設された半径方向の案内溝に摺動自
在に嵌挿するとともに、該固定リングに回転でき
るように取付けられたカムプレートの側面にスパ
イラルカムを突設して、このスパイラルカムを前
記カム溝に係合させてなり、前記固定リングはそ
の外周縁に円周方向に伸びる長孔を備えたものと
してこの長孔に位置調節自在に固定されたリンク
の一端にカムハンドルを枢着し、該カムハンドル
の先端をカムプレートに枢着することによりカム
プレートが固定リングに回転できるように取付け
られていることを特徴するものである。

（実施例） 次に本考案を図示の実施例について詳細に説明
する。

１はベース、２は該ベース１上に水平に設けら
れた一対の支持棒、３は該支持棒２上に送りハン
ドル４により移動自在に支持された往復台、５は
ベース１の一端に設けられて切断されるパイプ５
０をチヤツクし、回転させるパイプ回転機構であ
る。６は往復台３上にヘツドピン７によつて回動
自在に取付けられた固定リングであり、図示のよ
うにその先端の突出部８を往復台３の突起９上に
載せたときに固定リング６の中心がパイプ５０の
中心と同心に配置されるようになつている。固定
リング６には複数個の案内溝１０が半径方向に凹
設されており、各案内溝１０には先端に回転自在
なローラー刃１１を備え板状の主体部１２の側面
に斜にカム溝１３を備えたローラーホルダー１４
が摺動自在に嵌挿されている。１５は押えリング
１６によつて固定リング６の側面に回転できるよ
うに取付けられたリング状のカムプレートであ
り、その側面には複数のスパイラルカム１７が突
設され、各スパイラルカム１７が前記のローラー
ホルダー１４のカム溝１３に係合されている。こ
の結果、カムプレート１５が回転するとローラー
ホルダー１４は固定リング６の案内溝１０に沿つ
てパイプ５０の半径方向に進退動することとなる
が、カムプレート１５の回転を迅速かつ正確に行
わせるために次のとおりの機構が採用されてい
る。即ち、固定リング６はその外周縁に円周方向
に延びる長孔１８を備え、この長孔１８にリンク
１９の上部が位置決めボルト２０と固定ハンドル
２１とによつて位置調節自在に固定されている。
そしてこのリンク１９の一端の透孔２２にはカム
ハンドル２３が中間のピン２４をもつて枢着され
ており、カムハンドル２３の先端のピン２５がカ
ムプレート１５の耳状部２６の透孔２７に枢着さ
れている。

（作用） このように構成されたものは、先ずパイプ回転
機構５に切断されるパイプ５０をチヤツクさせた
うえ往復台３をスライドさせて固定リング６を切
断すべき位置に固定し、固定ハンドル２１を緩め
てリンク１９とカムハンドル２３とカムプレート
１５とを一体的に固定ハンドル２１の長孔１８に
沿つて第１図の右方向へ回転させ、固定リング６
の半径方向の案内溝１０に摺動自在に嵌挿された
ローラーホルダー１４をパイプ５０の中心に向つ
て進出させてその先端のローラー刃１１をパイプ
５０の外周面に接触させる。次にその位置で固定
ハンドル２１を締付けて位置決めボルト２０の位
置を固定したうえでパイプ５０を回転させつつカ
ムハンドル２３を徐々に第１図の左方向へ回転さ
せれば、カムハンドル２３はリンク１９の透孔２
２に枢着されたピン２４を中心として回転してそ
の先端のピン２５がカムプレート１５を第１図の
右方向へ徐々に回転させる。この結果、カムプレ
ート１５の側面に突設されたスパイラルカム１７
がローラーホルダー１４の側面のカム溝１３にパ
イプ５０の中心方向に向かう力を加え、ローラー
ホルダー１４の先端に回転自在に設けられたロー
ラー刃１１が回転中のパイプ５０の表面に食い込
み、カムハンドル２３の操作によりパイプ５０を
切断することができる。このときパイプ５０は複
数のローラー刃１１によつて切断されるうえロー
ラー刃１１をカムハンドル２３の人手による操作
に応じてわずかずつパイプ５０に切込ませること
ができるので、肉薄のパイプであつても切口を変
形させることなく切断することができる。しかも
切断終了後はカムハンドル２３を戻せばローラー
刃１１は迅速に後退し、また切断すべきパイプ径
が変るときにも固定ハンドル２１を緩めてカムプ
レート１５を回転させれば、ローラーホルダー１
４を急速に進退させることができる。このように
固定リング６の外周縁に円周方向に設けられた長
孔１８の範囲内において、リンク１９、カムハン
ドル２３とともにカムプレート１５を回転させて
固定することにより、カムハンドル２３の操作に
ついて行われるローラーホルダー１４のストロー
クの開始点を簡単に変えることができることとな
り、従つて、異径のパイプの切断作業をも極めて
能率的に行うことができる利点がある。

（考案の効果） 本考案は以上の説明からも明らかなように、薄
肉のパイプをも切口を歪ませることなく能率的に
切断することができるうえ、切断後のローラー刃
の後退も極めて迅速に行うことができるもので、
異径のパイプの切断作業をも極めて能率的に行う
ことができる利点と相俟ち、従来のパイプ切断機
の問題点を解消したものとして、その実用的価値
は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠正面
図、第２図は同じく一部切欠側面図、第３図は要
部の分解斜視図である。 ６：固定リング、１０：案内溝、１１：ローラ
ー刃、１２：主体部、１４：ローラーホルダー、
１５：カムプレート、１７：スパイラルカム、１
８：長孔、１９：リンク、２３：カムハンドル、
５０：パイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端に回転自在なローラー刃１１を備えた複数
   の板状の主体部１２の側面にカム溝１３を備えた
   ローラーホルダー１４を、パイプ５０と同心に配
   置される固定リング６に凹設された半径方向の案
   内溝１０に摺動自在に嵌挿するとともに、該固定
   リング６に回転できるように取付けられたカムプ
   レート１５の側面にスパイラルカム１７を突設し
   て、このスパイラルカム１７を前記カム溝１３に
   係合させてなり、前記固定リング６はその外周縁
   に円周方向に伸びる長孔１８を備えたものとして
   この長孔１８に位置調節自在に固定されたリンク
   １９の一端にカムハンドル２３を枢着し、該カム
   ハンドル２３の先端をカムプレート１５に枢着す
   ることによりカムプレート１５が固定リング６に
   回転できるように取付けられていることを特徴す
   るパイプ切断機。