JPH0112790Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ソケツトにフイルタ素子を挿入する
内ケースを連結し、さらにソケツト後部及び該内
ケース外周に金属製外ケースを被せた構造のソケ
ツト付ノイズフイルタに関する。

本出願人により先にソケツトとフイルタ素子と
を収納する金属ケースとを組み合わせたソケツト
付ノイズフイルタが提案されている。しかし、た
んにソケツトに金属ケースを接続する構造では、
金属ケース内部の絶縁及びコイルやコンデンサ等
のフイルタ素子の位置決めが問題になり、さらに
金属ケースに対して絶縁して出力端子を設ける構
造等も複雑化する欠点がある。

本考案は、上記の点に鑑み、フイルタ素子を収
納する絶縁樹脂製の内ケースをソケツト後方に延
長したアース用接続金具で保持して当該ソケツト
に連結するとともに、ソケツト後部及び内ケース
外周を金属製外ケースで覆う構造とし、絶縁樹脂
製内ケースによりコイル、コンデンサ等のフイル
タ素子の絶縁及び位置決めを容易かつ確実とする
とともに金属製外ケースにより充分なシールド効
果を得ることが可能な製造組立容易で信頼性の高
いソケツト付ノイズフイルタを提供しようとする
ものである。

以下、本考案に係るソケツト付ノイズフイルタ
の実施例を図面に従つて説明する。

第１図乃至第４図において、電源入力用ソケツ
ト１は、前面にプラグと嵌合する凹部を有し、こ
の凹部内に突出するように一対の電源入力用接触
子２Ａ，２Ｂとアース用接触子３とを有してい
る。ここで、アース用接触子３には後方に略Ｌ字
状に延長したアース用接続金具４が一体化されて
おり、この略Ｌ字状に延長したアース用接続金具
４の後端に切起こしによりアース接続片４Ａが形
成され、そのアース用接続金具４上に絶縁樹脂製
の内ケース本体５が載置される。この内ケース本
体５は底面部とこれに対して垂直に曲がつた背面
部と両側面部とから成つており、側面部内面には
コンデンサ収納部を区画する突起６Ａ，６Ｂが形
成され、背面部には出力端子７Ａ，７Ｂが設けら
れかつ垂直引出溝５Ａに沿つて前記アース用接続
金具４から切起こしたアース接続片４Ａが引出さ
れてケース本体内側に折曲げられる。前記アース
用接続金具４の後端はアース用端子８となつてい
る。一方、内ケース本体５とともに内ケースを構
成するための絶縁樹脂製の蓋体９は前記内ケース
本体５に嵌合するようになつている。また、金属
製外ケース１０は絞り加工等により角筒状に形成
され、前記ソケツト１の取り付け部後面に密着す
るつば部１１を一体に有している。また、背面に
は前記内ケース本体に設けられた出力端子７Ａ，
７Ｂを外部に突出させるための窓１２及び前記ア
ース用端子８を引き出すためのスリツト状切欠１
３及び切起こし部１４とを有している。

このような内ケース及び外ケースの構造におい
て組み立て手順は、まず第１図のように電源入力
用ソケツト１のアース用接触子３より後方に延長
したアース用接続金具４上に内ケース本体５を載
置し、それから第２図のごとくコンデンサ収納部
にライン−アース間コンデンサ２０Ａ，２０Ｂを
配設し、さらにコモンモードチヨークコイル２１
及びライン間コンデンサ２２を設けるようにす
る。そして、コモンモードチヨークコイル２１の
第１の巻線２１Ａで接触子２Ａと出力端子７Ａと
を接続し、第２の巻線２１Ｂで接触子２Ｂと出力
端子７Ｂとを接続し、出力端子７Ａ，７Ｂとアー
ス接続片４Ａとの間にそれぞれライン−アース間
コンデンサ２０Ａ，２０Ｂを接続し、さらに、接
触子２Ａ，２Ｂ間にライン間コンデンサ２２を接
続する。所定の配線作業終了後、第３図のごとく
蓋体９を内ケース本体５に嵌合し、それから、金
属製外ケース１０を被せ、第４図のごとく窓１２
より出力端子７Ａ，７Ｂを引き出すとともにスリ
ツト状切欠１３よりアース用端子８を引き出す。
このとき、第５図のごとく外ケース１０側の切起
し部１４とアース用端子８とを点Ｐにおいてスポ
ツト溶接あるいはスポツトろう付することにより
外ケース１０とアース用端子８との電気的接続ひ
いてはアース用接触子３との接続が行なわれ、か
つ外ケース１０がはずれないように、ソケツト１
に対して機械的に固定されることになる。

上記実施例によれば、次のような効果を上げる
ことができる。

(1) ソケツト１に内ケース本体５及び蓋体９から
なる絶縁樹脂製内ケースを連結し、この内部に
フイルタ素子としてのコンデンサ２０Ａ，２０
Ｂ，２２、コイル２１を収納する構造であるか
ら、各素子の絶縁を確実に行なうことができ、
かつ位置決めを容易にすることができる。

(2) ソケツト１後部及び内ケース２の外周に金属
製外ケース１０を被せる構造であるから、ノイ
ズフイルタのシールドを確実に行なうことがで
き、しかも堅牢な構造とすることができる。ま
た、この場合、外ケース１０は角筒状で良いか
ら絞り加工により安価に構成できる。

(3) 電源入力用ソケツト１のアース用接触子３に
アース用接続金具４を後方に延長して設ける構
造であり、この上に内ケース本体５を載置する
ことができ、しかも、接続金具４の先端をアー
ス用端子８として金属製外ケース１０を被せた
とき外ケース１０の固定にも用いることができ
るから、構造が簡単であり、ソケツト１に対し
て別体の内ケース本体５を用いることができる
利点がある。

(4) アース用接続金具４より切起こしによりアー
ス接続片４Ａを形成し、これを内ケース本体５
の背面部に引き出したので、ライン−アース間
コンデンサ２０Ａ，２０Ｂの接続作業を容易に
行なうことができる。

なお、内ケース本体を底面部と背面部とを有
するＬ字板形状としてもよい。

以上説明したように、本考案によれば、ソケツ
トに絶縁樹脂製内ケースを連結し、該内ケース内
にフイルタ素子を収納するとともにソケツト後部
及び内ケース外周を覆うごとく金属製外ケースを
被せる構造としたので、フイルタ素子の絶縁及び
位置決めを容易とするとともにシールド効果を良
好にすることができ、製造組立容易なソケツト付
ノイズフイルタを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るソケツト付ノイズフイル
タの実施例であつて電源入力用ソケツトに内ケー
ス本体を連結する状態を示す分解斜視図、第２図
はソケツトに内ケース本体を連結した構造にフイ
ルタ素子を設ける構成を示す分解斜視図、第３図
はソケツトに内ケースを連結しさらに外ケースを
被せる構成を示す分解斜視図、第４図は実施例の
完成状態の構成を示す斜視図、第５図は外ケース
とアース用端子との接続構造を示す拡大斜視図で
ある。 １……電源入力用ソケツト、２Ａ，２Ｂ，３…
…接触子、４……アース用接続金具、４Ａ……ア
ース接続片、５……内ケース本体、６Ａ，６Ｂ…
…突起、７Ａ，７Ｂ……出力端子、８……アース
用金具、９……蓋体、１０……金属外ケース、２
０Ａ，２０Ｂ，２２……コンデンサ、２１……コ
モンモードチヨークコイル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 入力用接触子及びアース用接触子と該アース用
   接触子より後方に延長するアース用接続金具とを
   有するソケツトの後方に、絶縁樹脂製の内ケース
   を前記アース用接続金具で保持される如く連結
   し、該内ケース内にフイルタ素子を収納し、該内
   ケース背面に接続端子及び前記アース用接続金具
   より切起こしたアース接続片を設けるとともに、
   前記ソケツト後部及び前記内ケース外周を覆う如
   く金属製外ケースを被せたことを特徴とするソケ
   ツト付ノイズフイルタ。