JPH0112526B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は下水汚泥等の濃縮装置の改良に関す
る。従来のこの種濃縮装置としては、濃縮槽中に
中空状に構成した多数の板を列設して、板内
に得られた液を槽外に取出すとともに、板の
表面に付着したケーキを槽の底部に振り落して、
これをスクリユーコンベア等によつて、槽外に取
出す装置が提案されている。然しながら、この従
来のものでは、板表面に付着したケーキを完全
に剥離すること、すなわち、過濃縮面を再生す
ることがむつかしく能率が悪い難点がある。

この発明は、上述のような従来のこの種濃縮装
置の難点を解消したものであつて、板の過濃
縮面を覆うように無端状の布を設け、ケーキを
剥離するに際しては、この布を走行させてケー
キを剥離するとともに、ケーキを剥離した布の
過面を完全に再生できるようにしたことを特徴
とするものである。

以下、図面に基づいてこの発明を説明すれば、
先ず、その構成は図に示すように、濃縮槽１内に
水没させて、多数の中空状の板２を列設し、こ
れら板２の過面を被覆して走行自在な布３
を濃縮槽１に設けるとともに、上記板２には、
それぞれ液の取出管４を設け、これら液の取
出管４を濃縮槽１外に導出したものである。液
２の構成について詳述すれば、そのフレーム５
は、第３図に示すように、額縁状に構成してあつ
て、その表裏の面には、それぞれネツト６が張設
してある。そして、この液２は第２図に示すよ
うに、濃縮槽１内に設けた支持枠７に取付けられ
ている。また、布３は第４図に示すように、上
記板２の表裏の面を覆うように、板２の上下
に設けた案内ロール８……に、ジグザグ状に掛け
回わした上で、濃縮槽１外に設けた駆動ロール９
および従動ロール１０に掛け回わして走行するよ
うにしてある。符号１１は布３の洗浄槽であ
り、この洗浄槽１１部分には、回転ブラシ１２お
よび洗浄水の噴射ノズル１３が設けてある。尚、
この洗浄槽１１に、超音波発生器を設けて、超音
波によつて洗浄するようにしてもよい。また、第
１図において、符号１４はスクレーパー、第２図
において符号１５は液取出管４に接続したサイ
フオン管、１６はトラツプ、１７はサイフオン管
を作動させるための電磁弁、１８は空気抜き用の
弁である。なお、図例では板列を一列設けた濃
縮装置を示しているが、大型の濃縮槽１の場合に
は、板列を多条に設け得るは勿論である。ま
た、符号２０は、汚泥取出用のスクリユーコンベ
アを示す。

この発明は上述のように構成してあるので、濃
縮槽１に下水汚泥等の原液を供給しつつ、サイフ
オン管１５を作動させれば、原液は板２の表裏
において過されて、液はサイフオン管１５に
より濃縮槽１外に抜き取られ、濃縮槽１内の汚泥
は濃縮されて濃縮槽１の底部に蓄積されると同時
に、板２の表裏における布面にも濃縮された
汚泥（ケーキ）が次第に蓄積される。すなわち、
原液の供給と同時に液を取り出し、連続して原
液の濃縮が可能なもので、薄手の板２を多数並
列して、過（濃縮）面積の広いことと相俟つ
て、効率の高い濃縮をすることができるものであ
る。そして、上述のような濃縮運転を継続して、
布が目詰りしたときには、液の排出量が減
り、濃縮槽１の水位が高くなるが、この場合に
は、この水位を検知して駆動ロール９を回転さ
せ、布３を走行させて付着したケーキをスクレ
ーパー１４によつて剥離するとともに、洗浄槽１
１において、洗浄することによつて布３を再生
させることができ、再び、過（濃縮）運転をな
すことができる。この布の洗浄操作についてさ
らに詳述すれば、図例のものでは、第２図に示す
液面検出用のスイツチ１９が、サイフオン管１５
に設けた電磁弁１７および原液供給路に設けた弁
（図示省略）に連動連結されていて、濃縮槽１の
液面Ｈが高くなると上述の弁を閉止するととも
に、駆動用ロールを回転させて、布３を走行さ
せる。すなわち、サイフオンが切られて、布３
に水圧力がかかつていない状態で、これを走行さ
せ、付着したケーキをスクレーパー１４で剥離す
るとともに、洗浄槽１１において、目詰物を除去
することができるものである。このようにして、
布３が一巡してケーキの剥離および洗浄が終れ
ば、再び、過濃縮運転をするものであつて、こ
の布３の再生操作は図示を省略しているが、タ
イマーで設定された時間内に自動的に行われるも
のである。尚、第２図において、サイフオン管１
５の上部に設けた空気抜用の弁１８はサイフオン
起動時に使用するものであり、また、下部に設け
たトラツプ１６は、液が減少したときに空気が
浸入してサイフオンが切られるのを防止するため
のものである。また、濃縮槽１の底部に溜つた濃
縮ケーキは、スクリユーコンベア２０で取出され
る。

このように、この発明に係る濃縮装置は、多数
の板を列設して極めて広い過濃縮面積を採る
ことができて、効率の高い、迅速な過濃縮がで
きるは勿論のこと、特に、この発明においては、
過濃縮面を形成する布を走行するようにした
ことによつて、従来この種濃縮装置で最大の難点
であつた過濃縮用の布の再生を完全、且つ、
自動的になすことができるものであつて、大量の
汚泥処理に適応することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る濃縮装置の概略の縦断
側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線に沿つてみた
概略の断面図、第３図はこの発明に係る板部分
の正面図、第４図は同じく斜面図である。 符号説明、１……濃縮槽、２……板、３……
布、４……液取出管、５……フレーム、６…
…ネツト、１１……洗浄槽。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 濃縮槽１内に水没させて多数の中空状の板
   ２を列設し、これら板２の過面を被覆して走
   行自在な布３を濃縮槽１に設けるとともに、上
   記板２には、それぞれ液取出管４を設け、こ
   れら液の取出管４を槽外に導出してなる汚泥等
   の濃縮装置。 ２ 上記板２が額縁状の枠体５の表裏面に、金
   属製のネツト６を張設し、その周辺面をシール材
   で押えた構造を有するものである特許請求の範囲
   第１項記載の汚泥等の濃縮装置。 ３ 上記多数立設した板群を濃縮槽１内に複数
   列設けた特許請求の範囲第１項記載の汚泥等の濃
   縮装置。 ４ 上記濃縮槽１の底部に汚泥搬送用のコンベア
   ー２０を配設した特許請求の範囲第１項記載の汚
   泥等の濃縮装置。 ５ 濃縮槽１に、布３の洗浄槽１１を付設し、
   この洗浄槽１１中を布３が走行するようにする
   とともに、洗浄槽１１中に超音波の発生装置を設
   けてなる特許請求の範囲第１項記載の汚泥等の濃
   縮装置。 ６ 板２に設けた液取出管４を板２の下部
   に設けたことを特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載の汚泥等の濃縮装置。