JPH0111552Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動変速機のシフトレバーロツク装置
に関するもので、駐車中にイグニツシヨンスイツ
チがなければ変速機のロツクが解除されず、ま
た、変速機がロツクされなければイグニツシヨン
スイツチのキーを抜くことができないようにし、
さらに作動不良等、不測の事態を生じたときには
手動によつてもロツク解除ができるようにしたも
のである。

（従来の技術） 自動変速機のシフトレバーは、駐車用レンジ
（Ｐレンジ）にしたとき、運転者以外の者がこれ
を動かすことができないようにするのが、事故防
止の観点および盗難防止の点から望ましい。しか
しながら従来のものにあつては、この点、必ずし
も満足し得るものではなかつた。

（考案が解決しようとする課題） 本考案はこの点に鑑みて成されたものであつ
て、シフトレバーに設けられるデテントピンの部
分にロツク機構を設けて小さな力でロツクができ
るようにすると共に耐久性と重量軽減を図り、ま
たロツクの制御を電気的に行なうようにして、シ
ートベルト等、他の安全装置との接続が容易に行
なえるようにし、さらに作動不良等、不測の事態
を生じたときには手動によつてもロツク解除がで
きるようなシフトレバーロツク装置を得ることを
解決課題とする。

（課題を解決するための手段） 本考案は、上記課題を解決するための手段とし
て、自動変速機のシフトレバー１のデテントロツ
ド４に設けられたデテントピン５をデテントプレ
ート７の位置決め孔８に直交するように設けて貫
通させ、前記シフトレバー１がデテントプレート
７の駐車レンジにあるときのデテントピン５と係
合するロツクピン１１を設け、このロツクピン１
１はイグニツシヨンスイツチ２３と連動してこの
イグニツシヨンスイツチ２３のオンの位置でのみ
付勢されるソレノイド１０によつて駆動されるよ
うにし、このソレノイド１０の付勢によつてロツ
ピン１１が退避するようにし、前記シフトレバー
１とイグニツシヨンスイツチ２３のロツク解除用
シヤフト１８とを連動ケーブルで接続し、前記シ
フトレバー１が駐車レンジのときイグニツシヨン
スイツチ２３のキー挿入用シリンダ２２がロツク
位置になり、キーが抜けるようにすると共に、前
記ソレノイド１０の基端に、スプリング１４でこ
のソレノイド１０側に付勢され先端を前記ロツク
ピン１１の基端に係合させた手動解除レバー１３
を設け、この手動解除レバー１３により前記デテ
ントピン５と係合するロツクピン１１の前記デテ
ントピン５との係合を強制解除するように構成し
たものである。

（作用） このような構成とすれば、通常の運転操作にお
いては、運転者は格別の意識を持たずにシフトロ
ツクを自動的に行なうことができ、駐車中にイグ
ニツシヨンスイツチがなければ変速機のロツクが
解除されないことになり、また、変速機がロツク
されなければイグニツシヨンスイツチのキーを抜
くことができないことになる。さらに作動不良
等、不測の事態を生じたときには手動によつても
ロツク解除ができることになる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図について説明する
と、第１図において１はシフトレバーであり、軸
２を支点にして回動するものである。シフトレバ
ー１は中空体で上端にノブ３を有するものであ
り、ノブ３の部分に設けられた押釦を操作するこ
とにより、デテントロツド４を下降させ得るよう
になつている。第２図および第３図に示すよう
に、デテントロツド４の下端にはデテントロツド
４に直交する方向にデテントピン５が設けられ、
シフトレバー１に設けられた孔６から突出して、
シフトレバー１に隣接して設けられたデテントプ
レート７の位置決め孔８を貫通している。９はデ
テントピン５を上方に付勢するスプリングであ
る。

第１図ないし第３図に示すように、シフトレバ
ー１の近傍位置（実際にはデテントプレート７の
外側）にはソレノイド１０が設けられており、ロ
ツクピン１１の突出制御を行なうようになつてい
る。ロツクピン１１は、スプリングにより突出力
が与えられ、ソレノイド１０が励磁されたときに
は退避するようになつている。このロツクピン１
１はデテントピン５に臨ませてあるので、ロツク
ピン１１が突出すると、デテントピン５の動きは
阻止され、この結果、シフトレバー１は第２図に
示す駐車用レンジ（Ｐレンジ）の位置に固定され
ることになる。

第１図に示すようにソレノイド１０の一端（シ
フトレバー１と反対側）には軸１２を中心にして
回転するＬ字形の手動解除レバー１３があり、ス
プリング１４によつて上端がソレノイド１０に当
接するように付勢されている。この手動解除レバ
ー１３の上端にはロツクピン１１の基端が係合し
ており、これによつて、手動解除レバー１３を軸
１２を中心にして反時計方向に回動させると、ソ
レノイド１０に通電することなく、ロツクピン１
１を退避させる（引込ませる）ことができること
になる。

第１図に示すように、シフトレバー１の基部に
はインナワイヤ１５の一端が係止されている。１
６はアウタワイヤであり、ブラケツト１７によつ
て固定されているものである。インナワイヤ１５
とアウタワイヤ１６とは図示しないステアリング
ハンドルの近傍まで伸び、インナワイヤ１５は、
第４図、第５図に示す公知のイグニツシヨンスイ
ツチのロツク解除用シヤフト１８に結合している
（第５図参照）。

ロツク解除用シヤフト１８は第４図、第５図に
示すようにイグニツシヨンスイツチ本体１９の上
部に嵌合しており、インナワイヤ１５によつて第
５図における右方に引かれたとき、その中央部に
形成された斜面２０により、キー回転防止用爪２
１が動いて、キー（図示せず）挿入用シリンダ２
２を、アクセサリー位置からロツク位置に回動で
きるようにするものである。キーはキー挿入用シ
リンダ２２がロツク位置になることによつてのみ
抜くことができる。

このように構成されたこの装置は、第６図に示
すようにソレノイド１０を、イグニツシヨンスイ
ツチ２３がオンの位置のとき通電されるようにバ
ツテリー２４に接続して使用する。イグニツシヨ
ンスイツチ２３をオンにするとソレノイド１０が
励磁され、ロツクピン１１を退避させるので、デ
テントピン５の動きに制約を与えず、したがつて
シフトレバー１は自由に操作できることになる。

次に停車をし、車輌を駐車させるためにシフト
レバー１を第１図に破線で示す駐車用レンジにす
ると、これによつて引かれるインナワイヤ１５に
よりロツク解除用シヤフト１８が動き、キー回転
防止用爪２１を動かして、キー挿入用シリンダ２
２のロツクが解除され、回動可能となる。これに
よりキーをロツク位置まで回して抜けば、ソレノ
イド１０が非導通となり、ロツクピン１１は突出
状態を維持するのでシフトレバー１のデテントピ
ン５はロツクピン１１の突出によつて押し下げる
ことができなくなり、シフトレバー１はその動き
が規制されることになる。

（考案の効果） 本考案は以上説明したように構成したものであ
るから、簡単な構成で、シフトレバーとイグニツ
シヨンスイツチとの連係が得られ、シフトレバー
が駐車用レンジのときにイグニツシヨンスイツチ
のキーを抜くことができ、キーを入れてイグニツ
シヨンスイツチをオンにするとシフトレバーの操
作が可能となる機能が得られることになる。これ
により、事故防止性と盗難防止性とが向上するこ
とになる。そして上記機能は通常の運転時には運
転者が全く意識しない操作によつて得られる。そ
して作動不良等、不測の事態を生じたときには手
動によつてもロツク解除ができる。全体の小型化
が図れる上に、シフトレバーのロツクが電気制御
でできるので、たとえばシートベルトの安全装置
等との接続も容易に行なえることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例中シフトレバーの部
分を示す側面図、第２図は第１図中の要部の側面
図、第３図は第２図の方向矢視図、第４図は本
考案の一実施例中イグニツシヨンスイツチ部分を
示す断面図、第５図は第４図の−断面図、第
６図はソレノイドの接続回路を示す回路図であ
る。 １……シフトレバー、４……デテントロツド、
５……デテントピン、８……位置決め孔、１０…
…ソレノイド、１１……ロツクピン、１２……
軸、１３……手動解除レバー、１４……スプリン
グ、１５……インナワイヤ、１８……ロツク解除
用シヤフト、１９……イグニツシヨンスイツチ本
体、２２……キー挿入用シリンダ、２３……イグ
ニツシヨンスイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動変速機のシフトレバーのデテントロツドに
   設けられたデテントピンをデテントプレートの位
   置決め孔に直交するように設けて貫通させ、前記
   シフトレバーがデテントプレートの駐車レンジに
   あるときのデテントピンと係合するロツクピンを
   設け、該ロツクピンはイグニツシヨンスイツチと
   連動して該イグニツシヨンスイツチのオンの位置
   でのみ付勢されるソレノイドによつて駆動される
   ようにし、該ソレノイドの付勢によつてロツクピ
   ンが退避するようにし、前記シフトレバーとイグ
   ニツシヨンスイツチのロツク解除用シヤフトとを
   連動ケーブルで接続し、前記シフトレバーが駐車
   レンジのときイグニツシヨンスイツチのキー挿入
   シリンダがロツク位置になり、キーが抜けるよう
   にすると共に、前記ソレノイドの基端に、スプリ
   ングで該ソレノイド側に付勢され先端を前記ロツ
   クピンの基端に係合させた手動解除レバーを設
   け、該手動解除レバーにより前記デテントピンと
   係合するロツクピンの前記デテントピンとの係合
   を強制解除するように構成したことを特徴とする
   自動変速機のシフトレバーロツク装置。