JPH01108972A - 液−液異相系の反応装置 - Google Patents

液−液異相系の反応装置

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JPH01108972A
JPH01108972A JP26585587A JP26585587A JPH01108972A JP H01108972 A JPH01108972 A JP H01108972A JP 26585587 A JP26585587 A JP 26585587A JP 26585587 A JP26585587 A JP 26585587A JP H01108972 A JPH01108972 A JP H01108972A
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勝 坂田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は液−液異相反応系において、これら異相を撹拌
混和しながら連続多投反応を行い、しかも反応と同時に
同じ反応器内でこれら異相を連続的に分離し効率よく生
成物を得る反応装置に関するものである。
〔従来の技術およびその問題点〕
化学工業における化学反応はその大部分が異相系(気−
液、気−同、液−同、液−液、固−固)での反応であり
、その中の一つである液−液異相反応においても有用な
反応は数多くある。
例えば、リパーゼによる油脂の加水分解、油脂の改質、
油脂の合成や種々のエステルの合成反応、またプロテア
ーゼを利用した人工甘味料アスパルテームの合成等にみ
られる種々のペプチド合成反応、あるいは有機化合物の
ニトロ化反応、スルホン化反応やアルキル化反応等が挙
げられる。これら異相系反応は一般には、反応効率を高
めるため、通常、微細なエマルションとして反応を行い
、所定反応率に達した後、反応を停止して、次にそれぞ
れの相に分離して生成物を回収する回分操作となる。ま
た、原料物質を連続的に供給し、連続反応を行うことも
可能であるが、この場合反応器の他にエマルションを分
離する工程がさらに必要となる。
このように、互いに溶は合わない液−液異相分散系での
反応においては、反応後再び反応系をそれぞれの相に分
離する必要があり、この方法としては、一般に静置分離
、遠心分離、あるいは膜による分離等の方法が挙げられ
るが、反応後にこれらの分離工程を組み合わせた場合、
システム的に複雑となり、またコスト的にも負担が大き
くなり工業化の際には問題がある。
本発明者らは、すでに酵素あるいは微生物反応での液−
液異相系の反応において高反応率を維持しながら、同時
に生成物の分離をも行うことができる連続反応方法を提
案している(特願昭61−122994号公報)。しか
しながら、通常、化学反応や生化学反応の多くは反応率
が増大するにしたがって反応速度が減少するような反応
であり、反応速度は反応率の減少関数で表わせる。この
ような反応では、特に高反応率を維持しながら連続反応
を行う場合、完全混合型反応器よりも管型反応器の方が
効率的である。すなわち、特願昭61−122994号
においても、高反応率を維持するためには、反応速度が
おそくなるため、長い滞留時間が必要となり、生産速度
を確保するためには大きな反応容積が必要となる。
また、完全混合型反応器においても数冊の反応器を直列
につなぎ多段型とすることによって管型反応器に対する
不利さはかなり克服できるが、多数のりアクタ−が必要
となりシステム的に複雑となり、実用化には好ましくな
い。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記の問題点を解決すべく、特願昭61
−122994号による反応方法の特徴、すなわち、反
応とともに2相の分離をも同時に行うという特徴を失う
ことなく、しかも前述のような反応器の型式の違いによ
るそれら特性を踏まえて効率よく反応が行なえる反応器
の開発を目的として鋭意検討を重ねた結果、反応器内に
軽液相および重液相がそれぞれ適当な速度で上下に移動
可能な構造を有する仕切り板を設けることにより、1槽
の反応器で連続的に直列多段反応が行なえる効率的な反
応器を開発するに到った。
即ち本発明は、孔を有する仕切板により上、下に2以上
の隔室に仕切られており、各隔室にはそれぞれ内外に仕
切る中壁が設けられると共に、内室部に撹拌器が取付け
られており、最上層の隔室にはその上部に重液相導入口
および軽液相の溢流口が設けられており、最下層の隔室
には撹拌器の下方に、軽液相導入口が設けられ、最下層
の隔室に重液相出口が設けられてなる互いに不溶あるい
は難溶で比重の異なる2液相の液−液異相系の反応装置
を提供するものである。
本発明は軽液相と重液相が上下2層に分離して存在する
反応器において軽液相と重液相とが混和しない部分を残
しながら、軽液相と重液相とをその界面近傍で混和する
ことにより、反応原料としての軽液相および重液相を、
あるいは軽液相および/又は重液相の中に存在する反応
原料を生成物に変換せしめ、混和しない部分の軽液相お
よび/又は重液相に存在する生成物を取り出すことがで
きる反応器において、反応器内を軽液相および重液相が
それぞれ適当な速度で上下に移動可能な構造を有する仕
切り板により多段に区切り連続多段反応を行うことので
きる装置を提供する。
従って、本発明により、2相異相系反応においてよりコ
ンパクトな反応器が実現でき、しかも反応とともに2相
の分離をも同時に行いうる非常にすぐれた反応方法が確
立できる。
本発明を更に詳しく、重液相として水溶液、軽液相とし
て水より比重の小さい非水溶液相の液−液2相系反応を
一例として、本発明の好適実施態様を示した図面に基づ
いて説明する。反応例としてA+B−+C+D (A、
Bはそれぞれ反応原料、C,Dはぞれぞれ生成物である
。今AおよびCは水溶性、BおよびDは水不溶性とする
。)で表わされる液−液2相系反応について第1図を用
いて説明する。第1図は本発明の特徴を有する反応器の
1例である。反応器1の下から2は水相、3,4.5は
反応部で孔を有する仕切り板27により3つの隔室に区
切られている。隔室の数は多くなれば効率がよくなるが
装置的に複雑になり高価になる。従って2〜lO個が好
ましい。仕切り板に区切られたそれぞれの部分は、非水
溶液相と水相を微細なエマルションとし効率的な反応を
行うため、ここではドラフトチューブ8を有するヘリカ
ルスクリュー型の撹拌羽根25により2相を混和する。
6は非水溶液(軽液)相である。第1図に示したように
反応器の最上部と最下部にそれぞれじゃま板10、22
を設けると反応器の最上部と最下部での液の完全混合を
防止し、非水溶液相ど水相とが分離した状態の部分が形
成できるので好ましい。
この反応器内に反応原料A(水相)と反応原料B(非水
溶液相)をそれぞれ反応原料(水相)貯槽16、反応原
料(非水溶液相)貯槽17より一定の比率でそれぞれポ
ンプ19.18により、水(重液相)導入口28、非水
溶液(軽液相)導入口9から仕込む。水と非水溶液は並
流あるいは向流いずれの方法で仕込んでもよいが通常は
向流となるように仕込むことが好ましい。
反応器内を区切る仕切り板としては、仕切り板を界した
上部と下部の液の混合はできるだけ少なく、一方非水溶
液と水を連続供給した場合それらの供給速度に見合うだ
けの移動速度を有するものが用いられる。すなわち、非
水溶液と水の供給速度だけそれぞれの液相が上下に移動
するものが最も好ましい。仕切り板の形状、材質として
は、上記の条件を満たすものであれば特に限定するもの
でなく、例えば蒸留、抽出等のたな段塔に使用される多
孔板トレイ、泡鐘トレイ、バブルトレイ等の形式のもの
が使用され、材質にふいても、ステンレス、ガラス、セ
ラミック、合成高分子等が使用される。
最上部の隔室には非水溶液(軽液相)の溢流口29、又
、最下層の隔室には水(重液相)出口30が設けられて
おり、それぞれの出口から生成したり、 Cを取り出す
本発明の方法を用いれば反応と同時に生成物の分離を行
うことができるので、回分操作はもちろん、連続的に生
成物を抜き出しながら反応原料を供給する連続反応ある
いは半連続反応を行うことも可能である。また、反応器
中を仕切り板により多段に区切り、液の完全混合を防ぐ
ことにより、効率的な反応が行え、反応時間の短縮、反
応器の縮小や生成物濃度の高濃度化等が可能となる。
中壁として第、1図のようなドラフトチューブ8および
撹拌羽根25を用いる場合ドラフトチューブの径は特に
限定されるものではなく目的とする反応により径を決定
すればよいが反応槽の径の5〜90%の径であれば好ま
しく用いられる。
また、撹拌羽根の回転速度は、反応器中の下層がうまく
巻き上げられて非水溶液相と水相との界面近傍で混和が
起こり、しかも反応器上部と下部に、非水溶液相と水相
とが混和しない部分が残るように設定すればよい。
第1図に示した如く充填材7を用いてもよい。
この場合、その充填材の形態は特に限定されるものでは
なく、通常一般に充填材として用いられるラシヒリング
、レッシングリング、ベルルサドル、インタロックスサ
ドル、ポールリング等の充填材や円筒状にしたネットな
どを充填してもよい。材質も特に限定されるものではな
く、金属、磁製、プラスチック製のもの等を用いること
ができる。
充填材を用いることによって水相および非水溶液相の接
触効率が高められ、また、触媒あるいは、酵素、微生物
等の生体触媒を用いた系においては、それら触媒と反応
原料の接触効率が高められ効率的な反応が行なえる。し
かし、充填材を用いなくともこれらの条件が満たされる
ならば特に充填材を使用する必要はない。
本反応器を用いて、通常の化学触媒、あるいは酵素、微
生物等の生体触媒を使った反応を行う場合、これら反応
に使用した触媒は効率よく反応器内に保持されるが、水
相あるいは非水溶液相に若干溶解してくることがある。
したがってこれら触媒の効率的な利用、あるいはまた生
成物の品質への影響等を考慮するとこれら触媒を濃縮回
収することが好ましい。
尚、本発明において、触媒とは通常の化学触媒はもちろ
ん酵素、微生物等の生体触媒を含めたすべての触媒のこ
とである。
触媒を効率的に濃縮回収するには静置分離、遠心分離、
膜分離等の方法が挙げられるが、連続的に分離するには
限外濾過膜を用いるのが好ましい。使用する限外濾過膜
は、反応に使用する触媒を通過させないものであれば材
質、形状等特に限定するものではなく、水相側に溶解し
たものを回収するには酢酸セルロース膜、ポリアクリロ
ニトリル膜、ポリスルホン膜、ポリアミド膜等のような
親水性材質のものが好ましく使用でき、また非水溶液相
に溶解したものを回収するにはポリプロピレン膜、ポリ
エチレン膜、テフロン膜等のような疎水性材質のものが
好ましく使用できる。さらに多孔質ガラス、多孔質セラ
ミック等の無機材質の膜は水相、非水溶液相のいずれの
相の膜分離にも好ましく使用できる。また、形状につい
ても平膜状、管状、スパイラル状、中空糸状等どのよう
な形状のものでも使用できる。限外濾過膜の分画分子量
については反応に使用する触媒により異なり、これら触
媒の透過が阻止できる孔径を有しておればよく、特に限
定するものではないが、一般に3000〜50000程
度のものが好ましい。限外濾過により触媒を含まない水
相あるいは非水溶液相を連続的に抜き出し、触媒の濃縮
液は連続的、あるいは半連続的に反応系内へ戻してやれ
ばよい。
尚、触媒のほとんどが反応器内に保持され水相あるいは
非水溶液相への溶解が無視できるならば限外濾過による
これら触媒の分離の必要はない。またあらかじめ種々の
方法で不溶性担体に固定化した触媒を充填することも可
能で、この場合も限界濾過による触媒回収工程は必要な
い。あるいはまた、限外濾過工程を省略して、水相あい
は非水溶液相に溶解した触媒分に相当するフレッシュな
触媒を添加する方法も可能である。
このような方法を用いれば特別な前処理を行うことなく
、反応器内に触媒を保持し効率よくこれら触媒の回収再
利用が可能である。触媒は特別な前処理を行うことなく
、充填材に吸着等により保持させるか、又はあらかじめ
種々の方法で不溶化処理をした触媒(担持触媒、固定化
生体触媒等)を充填するか、あるいはまたこれら充填物
を用いることなくフリーな状態で用いる等の方法がある
が、何れの方法を用いるかは触媒の特徴、あるいは反応
条件等により適当に選択すればよい。
本発明の特徴は、反応器中の上下2層を界面近傍で混和
させて反応を行わせ、反応器中の上層部および下層部に
は混和されない部分を残したままで反応を行い、反応と
同時に軽液相と重液相をそれぞれ独立にとり出せる反応
器において、反応器内に反応器内の液の完全混合を防ぎ
、しかも、軽液相と重液相がそれぞれの供給速度と同じ
速度で移動できる構造をもつ仕切り板を設けることによ
り効率的な反応即ち、1槽の反応器で連続的に直列多段
反応が行なえることである。したがって連続的に反応原
料を加えながら、同時に生成物を得ることができる。ま
た、連続的に反応が行なえるので反応器内の各生成物の
濃度を一定に維持することもできる。
本発明の方法は、軽液相と重液相の液−液異相系での種
々の反応に適用でき、前述のリパーゼによる油脂の加水
分解反応、リパーゼによるトリグリセリドの合成、トリ
グリセリドのエステル交換反応、あるいはサーモライシ
ンによるカルボベンジルオキシ−1−アスパラギン酸と
γ−フェニルアラニンメチルエステルからの人工甘味料
アスパルテーム(アスパルチルフェニルアラニンメチル
エステル)の合成などのようなプロテアーゼによるづプ
チドの合成反応、あるいはまた、これら生化的な反応の
他に、有機化合物のニトロ化反応、スルホン化反応やア
ルキル化反応等の液−液2相系での反応に広く応用可能
であるが、これらに限定されるものではない。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。
実施例−1 本発明の方法を用いて酵素により油脂の加水分解を行う
場合について述べる。この場合、反応物質は油脂および
水、酵素はリパーゼ、反応生成物は脂肪酸およびグリセ
リンである。本発明者らはリパーゼを用いた油脂の加水
分解に際しては、生成物であるグリセリンがリパーゼの
安定性に大きく寄与していることをすてに寛出している
。本発明者らの研究によれば反応系内の水相中のグリセ
リン濃度が10〜40重量%の範囲内にあるとき酵素が
安定化され好ましく油脂の加水分解が進行する。本発明
の方法は、反応器内の仕切り板に区切られた各段それぞ
れにおいて各種成分の濃度を一定に保つことが容易であ
り、従ってリパーゼによる油脂の加水分解に好ましく適
用される。つまり、油脂と水相の供給比率を適当に調節
することにより、高い油脂分解率を維持したままで水相
中のグリセリン濃度を制御できる。
第1図は本発明の好適実施システムの一例を示したもの
であり、まず、第1図に示した反応システムによりリパ
ーゼによる大豆油の加水分解を行った。リパーゼによる
油脂の加水分解では第1図において9は油脂供給ノズル
、11は脂肪酸溶液貯槽、14はグリセリン水溶液膜処
理用貯槽、15はグリセリン水貯槽、16は水貯槽、1
7は油脂貯槽となる。
反応槽1に予め大豆油を酵素分解した分解脂肪酸く脂肪
酸含有率85%)  1kg、 15wt%グリセリン
水1kgおよびキャンディダシリンドラセより生産した
リパーゼ(320000単位/g) 2 gを加えた反
応槽を30℃に保ちながら反応を行った。
反応槽の径とドラフトチニーブ8の径の比率は10:6
である。また撹拌羽根は第1図に示したようなリボン型
羽根25を用い周速は約0.5m/秒として撹拌を行っ
た。この反応槽1に油脂貯槽17からポンプ18により
50g/HRの流量で大豆油(脂肪酸含有率0%)を反
応槽下部のノズル9から連続供給し、また、水貯槽16
にはあらかじめ15wt%グリセリン水を仕込んでおき
、ポンプ19を用いて50g/HRの流量で15wt%
グリセリン水を反応器上部から連続的に供給した。即ち
反応槽内での油相および水相の平均滞留時間が20時間
となるようにそれぞれ反応器内へ供給した。
反応槽を仕切り板により3段に区切ることにより完全混
合することなく効率のよい加水分解反応が行われる。ま
た反応槽の上部と下部にそれぞれじゃま板10と22を
設けることによりその上側6と下側2ではほとんど水を
含まない脂肪酸、あるいはほとんど油を含まないグリセ
リン水が得られる。このようにして脂肪酸は供給した大
豆油の量だけ連続的に軽液相の溢流口29よりオーバー
フローにより抜き出し、グリセリン水は反応槽下部の出
口30からポンプ20により連続的に抜き出し、−旦貯
槽14に貯めた後、限外濾過膜13により水相に溶解し
ている酵素を濃縮回収し、グリセリン水の抜き出し量が
50g/HRとなるように調整しながら反応を行った。
本実施例では限外濾過膜としてポリアクリロニトリル膜
(分画分子量30000)を用いて半連続的に酵素の濃
縮を行い再び反応槽へもどした。
このような反応装置を用いて大豆油、グリセリン水溶液
の連続供給及び脂肪酸溶液、グリセリン水溶液の連続抜
き出しを行いながら反応を継続した。
20時間後(反応槽内での平均滞留時間に等しい)、反
応槽1の3の部分、4の部分、5の部分から反応液を採
取し、それぞれの油相の酸価及び鹸化価を測定し、また
それぞれの水相のグリセリン濃度を測定した。30部分
の酸価= 155゜鹸化価=198.4の部分の酸価=
181 、鹸化価=199.5の部分の酸価=190 
、鹸化価=200が得られた。下式より加水分解率を計
算したところ、3. 4. 5の部分の加水分解率はそ
れぞれ78%、91%、95%であった。
また、3.4.5の部分のグリセリン濃度は、それぞれ
24%、16.4%、15.4%であった。尚、5の部
分の分解率は脂肪酸溶液貯槽11に得られる脂肪酸溶液
の分解率に等しく、3の部分の水相中のグリセリン濃度
はグリセリン水溶液貯槽15のグリセリン水溶液のグリ
セリン濃度に等しい。
同様に大豆油の供給開始40時間後、60時間後、80
時間後、100時間後の反応槽の各部分の分解率及びグ
リセリン濃度を測定したところ、第1表の如くであった
第1表 このように100時間の連続反応を行っても酵素は全く
失活せず、大豆油の分解率も92〜95%が得られ、水
相中のグリセリン濃度も23〜24%に維持できた。
一方、脂肪酸溶液貯槽11に得られる脂肪酸溶解中の水
分は0.5%以下であった。また、限外濾過膜を透過し
たグリセリン水は品質的にも良好なグリセリン水が得ら
れた。このように本反応システムを用いることにより、
反応と生成物の分離を同時に行いながらしかも効率よく
酵素を回収再利用し、高分解率を維持できることがわか
った。
比較例−1 ここでは、反応槽内に実施例−1で用いたような反応槽
を多段に区切る仕切り板を有しない反応槽を用いて大豆
油の連続加水分解を行った。
反応槽に予め大豆油を酵素分解した分解脂肪酸(脂肪酸
含有率85%)1kg、2ht%グリセリン水1kg及
びキャンディダシリンドラセより生産したリパーゼ(3
20000単位/g) 2 gを加えて反応槽を30℃
に保ちながら反応を行った。・反応槽の径とドラフトチ
ャーブの径の比率は10:6である。また撹拌羽根はリ
ボン型羽根を用い周速は0.5m/秒として撹拌を行っ
た。
反応槽の下部から50g/HRの流量で大豆油を供給上
部から25g/HRの流量で水を供給し連続反応を行っ
た。即ち反応槽内での大豆油の平均滞留時間が20時間
、モして水相中のグリセリン濃度が約20%に保つこと
ができるようにそれぞれ反応槽内へ供給した。
このようにして、実施例−1と同様に生成した脂肪酸は
連続的にオーバーフローにより抜き出し、甘木は限外濾
過膜により水相に溶解している酵素を回収した後、連続
的に系外に抜き出した。
反応時間毎の大豆油の加水分解率およびグリセリン濃度
を測定したところ第2表のようになった。
第2表 このように100時間の連続反応を行っても、酵素の失
活は認められなかったが、大豆油の分解率は85〜86
%であり、実施例−1に比べて低いことがわかる。
実施例−2 実施例−1と同様の装置を用い、初期仕込み大豆油分解
液、15wt%グリセリン水溶液および酵素仕込み量も
実施例−1と同じにし、大豆油供給量は実施例−1と同
じ50g/HRとし、15wt%グリセリン水溶液供給
量を25g/HRに変更した。
即ち水相の平均滞留時間を40時間とした。このように
して大豆油の連続加水分解を行った。反応時間毎の反応
槽各部の油脂分解率およびグリセリン濃度は第3表のよ
うになった。
第3表 このように水相の供給スピードを調整することにより高
分解率を維持しながら、しかも高濃度グリセリン水が得
られることがわかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の反応装置の1例を示す模式%式% 10・・・上部じゃま板 11・・・生成物(軽液相)貯槽 12・・・せき 13・・・限外濾過膜 14・・・生成物(重液相)膜処理用貯槽15・・・生
成物(重液相)貯槽 16・・・反応原料(重液相)貯槽 17・・・反応原料(軽液相)貯槽 18〜21・・・ポンプ 22・・・下部じゃま板 23〜24・・・バルブ 25・・・撹拌羽根 26・・・撹拌用モーター 27・・・反応槽内仕切り板 28・・・重液相導入口 29・・・生成物(軽液相)溢流口 30・・・生成物(重液相)出口

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 孔を有する仕切板により上下に2以上の隔室に仕切
    られており、各隔室にはそれぞれ内外に仕切る中壁が設
    けられると共に、内室部に撹拌器が取付けられており、
    最上層の隔室にはその上部に重液相導入口および軽液相
    の溢流口が設けられており、最下層の隔室には撹拌器の
    下方に、軽液相導入口が設けられ、最下層の隔室に重液
    相出口が設けられてなる互いに不溶あるいは難溶で比重
    の異なる2液相の液−液異相系の反応装置。
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