JP7511398B2 - ヒートシンク及びヒートシンクの製造方法 - Google Patents

ヒートシンク及びヒートシンクの製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、電子機器の放熱に用いるヒートシンクに関するものである。
近年、電子機器の小型化に伴う電子機器内部の空間が狭くなる傾向、並びに電子機器内部に実装される基板上の電子部品等の高密度化及び高集積化の技術の進展により、電子機器内部に実装される電子部品等を効率的に放熱する手段として、放熱性能の良好なヒートシンクの設計がますます重要となっている。
一般的なヒートシンクは、電子機器等の発熱部品に接触させるベースプレートと、ベースプレートで吸収した熱を空気中に拡散するためのフィンとで構成される。特に、金型の押し出しや切り出し等により製造されたヒートシンクは、ベースプレートとフィンが一体成型となっているため、ヒートシンクの設計段階において電子機器等の見積もりの発熱量が実際と異なった場合、製造したヒートシンクは放熱性能で良好な結果が得られずに、一体成型する金型の設計からやり直さなければならない。
この問題に対して、U字溝を形成する壁面に押潰部が設けられたベースプレートと、ベースプレートのU字溝に嵌め込むことができる嵌込部が設けられたフィンとで構成され、ベースプレートのU字溝にフィンの嵌込部を嵌め込んだ後、押潰部に対して押圧冶具を用いて押圧し、押潰部を塑性変形させてU字溝に嵌込部をかしめることにより、ベースプレートにフィンを固定する手法が開示されている(例えば、特許文献1)。このようなヒートシンクによれば、ベースプレートとフィンを別個に製造するので、ベースプレートに固定するフィンの数を変更することにより、ヒートシンクの放熱性能を調節することが可能となる。
特開平08-181259号公報
しかしながら、上述の手法では、ベースプレートにフィンを取り付けた状態で押潰部を押圧する際、取り付けたフィンが熱拡散のための突起形状を有しており、この突起形状が押潰部を押圧する押圧冶具と接触してしまう場合には、良好に押潰部を塑性変形させることができないおそれがある。このことは、フィンの形状における設計の柔軟性を損なうことに繋がる。
本開示は、上述のような問題を解決するためのものであり、フィンの形状における設計の柔軟性を損なうことなく、放熱性能を調整できるヒートシンクを得ることを目的とする。
本発明のヒートシンクは、基板に実装される種々の電装品と第1の面で対向し、第1の面の裏側である第2の面の縁部に開口する取付溝が複数並んで形成され、取付溝の各々の開口部分を挟んで縁部に1対のかしめ溝が形成されたベースプレートと、取付溝に取り付けられ、1対のかしめ溝によりかしめられた取付部を有するフィンとを備える。
また、本発明のヒートシンクの製造方法は、基板に実装される種々の電装品と対向する第1の面を有し、第1の面の裏面であって、縁部に複数並んで開口する取付溝が形成された第2の面を有するベースプレートを成形する工程と、取付溝の各々の開口部分を挟んで縁部に1対の固定溝を形成する工程と、フィンの取付部を取付溝に取り付ける工程と、固定溝を広げて塑性変形させ、取付部をかしめる工程とを有する。
本開示によれば、ヒートシンクのベースプレートの縁部において、取り付けたフィンとの間に塑性変形に伴う圧縮応力を生じる部分を設けたので、ヒートシンクのベースプレート及びフィンの設計の柔軟性を確保しながらベースプレートにフィンを固定させる効果が得られる。
本開示の実施の形態1における、ヒートシンクを実装する前の電子機器を模式的に説明するための透視図である。 電子機器の筐体の内部に、ヒートシンクのベースプレートを設置する過程を説明するための透視図である。 ヒートシンクのベースプレートをZ軸における正の向きに見た構造を模式的に説明するための構造図である。 ベースプレートに設けられた取付溝及び固定溝を主面及び側面の側から見た構造を模式的に説明するための模式図である。 フィンの形状を説明するための構造図である。 フィンの形状の第1の変形例を説明するための構造図である。 フィンの形状の第2の変形例を説明するための構造図である。 ベースプレートの取付溝にフィンを取り付ける方法を説明するための斜視図である。 押圧治具を用いてベースプレートの固定溝を塑性変形させる方法を説明するための模式図である。 押圧治具を用いてベースプレートの固定溝を塑性変形させる別の方法を説明するための模式図である。 ベースプレートにフィンを固定させる変形例を説明するための模式図である。 ベースプレートにフィンを固定させる別の変形例を説明するための模式図である。 押圧治具を用いて、ベースプレートの複数の取付溝に取り付けた複数のフィンの取付部を同時にかしめる過程を模式的に説明する模式図である。 ヒートシンクを実装した別の電子機器を模式的に説明する透視図である。 本開示の実施の形態2における、別の形状のフィンを取り付けたヒートシンクを説明するための斜視図である。 さらに別の形状のフィンを取り付けたヒートシンクを説明するための斜視図である。 本開示の実施の形態3における、フィンの主面フィンに対し水平フィンを取り付け可能とした構造を説明するための斜視図である。 図17に示すフィンを備えるヒートシンクを、電子機器に実装させた例を説明するための斜視図である。 本開示の実施の形態4における、ヒートシンクのベースプレートの縁部においてフィンをかしめる別の方法を説明するための模式図である。 本開示の実施の形態5における、ヒートシンクのベースプレートの形状の変形例を説明するための斜視図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における、ヒートシンク20を実装する前の電子機器1aを模式的に説明するための透視図である。電子機器1aは、筐体11a、プリント基板2、及び電子部品3を含む。
ここで、図1に示すように、電子機器1aの向きに対して空間座標系のX軸、Y軸、及びZ軸とそれぞれの向きを定義する。
筐体11aは、電子機器1aが実装する種々の部品類を内包して保護する空間を有する構造体である。図1に示した筐体11aは一例であって、中空の直方体形状とする。筐体11aの材質は、電子機器1aの用途に応じて決まるものであって、例えば、金属若しくは樹脂、又は金属及び樹脂を組み合わせてなる混成材であり、用途に合った形状に成形される。
プリント基板2は、電子機器1aの用途としての機能を実行するための処理を行う、種々の電装品を実装した基板である。
電子部品3は、プリント基板2に実装された種々の電装品の一部を示す。電子部品3は電子機器1aの動作に伴い発熱する。そして、電子機器1aの筐体11aの内部は、電子部品3の発熱によって局所的に高温状態となる。このことは、高温状態となった領域の特に周辺に配置された種々の電装品に誤動作を生じさせる要因となり得る。このため、筐体11aの内部が局所的に高温状態となることを抑制するように、電子部品3などの電装品における発熱を適切に吸熱及び拡散して放熱制御を行う必要がある。
図2は、電子機器1aの筐体11aの内部に、ヒートシンク20のベースプレート4を設置する過程を説明するための透視図である。図2(a)は、ベースプレート4を設置する前の状態を示す。図2(b)は、ベースプレート4を設置した状態を示す。図2に示す例では、ヒートシンク20のベースプレート4が、電子機器1aに実装されたプリント基板2上の電子部品3に対して直に又は伝熱材を介して接して吸熱を行う。ベースプレート4の材質には、例えば、アルミニウム及び銅などの、熱伝導率が高いものが用いられる。
ここで、ベースプレート4は、電子部品3によって支持されてもよいし、筐体11aによって支持されてもよい。また、ヒートシンク20のベースプレート4は、図2のように一枚に限定されることなく、複数のベースプレート4を接合したり、電子部品3に合わせて個別に設けられたりしてもよい。
図3は、ヒートシンク20のベースプレート4をZ軸における正の向きに見た構造を模式的に説明するための構造図である。
ここで、ベースプレート4をY軸における負の向きから見たときの面を主面4a、ベースプレート4をY軸における正の向きに見たときの面を裏面4b、及びベースプレート4のX軸及びY軸からなる面に対して平行な面を側面4cと定義する。また、ベースプレート4の裏面4bの側に電子部品3が配置されるものとする。なお、主面4aは第1の面であり、裏面4bは第2の面である。
ベースプレート4には、取付溝5及び固定溝6が設けられる。取付溝5は、ベースプレート4の主面4aの縁部において少なくとも1箇所は開口している。なお、取付溝5がベースプレート4の2箇所の縁部で開口する場合は、ベースプレート4の主面4aにわたって対向した2つの縁部において開口するよう形成される。
図3に示す取付溝5は、ベースプレート4に所定の間隔で設けられた、Z軸方向の断面が末広がりの台形と嵌め合わせられる形状の溝としている。所定の間隔とは、ヒートシンク20に要求される放熱性能の範囲等を考慮した設計に基づいて決められる。このような形状とすると、後述するフィン10を取り付けた状態においてY軸の正の向きに抜けにくくすることができる。
固定溝6は、ベースプレート4の主面4a及び側面4cの少なくともいずれかの面において、取付溝5を挟んだ位置に一対、幅が取付溝5よりも狭く窪んだ形状に成形され設けられる。別の言い方をすれば、固定溝6は、取付溝5の傍らに、又は取付溝5に沿って設けられる。このため、ベースプレート4は、溝を形成しても強度に支障がない程度の厚みを有する形状とする。
図4は、ベースプレート4に設けられた取付溝5及び固定溝6を主面4a及び側面4cの側から見た構造を模式的に説明するための模式図である。図4(a)は、ベースプレート4の取付溝5及び固定溝6を主面4aの側から見た構造を示す。図4(b)は、ベースプレート4の取付溝5及び固定溝6を側面4cの側から見た構造を示す。なお、図4(a)及び(b)は、ベースプレート4の一部を省略して図示したものである。
図4(a)及び(b)に示すように、ベースプレート4には、後述するフィン10を取り付けるための取付溝5が形成されている。さらに、図4(a)及び(b)の例では、ヒートシンク20に複数のフィン10を取り付けるために、取付溝5はベースプレート4に複数設けられ、溝のZ軸方向から見た形状は末広がりの台形状となっている。
また、図4(a)及び(b)に示すように、固定溝6は、ベースプレート4の主面4a及び側面4cの少なくともいずれかの縁の部分(縁部ともいう)に、取付溝5を挟んで設けられる。取付溝5の両側の一対の固定溝6は、後述する第1の押圧治具30からの荷重を受けることによって取付溝5の側に歪み、つまり塑性変形して、これにより、ベースプレート4に取り付けられたフィン10のずれを抑止させるように作用し、また、ベースプレート4とフィン10との密着度合いも増す。
取付溝5及び固定溝6の間隔、つまり位置関係は、ベースプレート4に取り付けられたフィン10のずれを抑止するのに十分な変形を生じつつ、ベースプレート4が破損しないよう決められる。具体的には、ベースプレート4の材質の特性、取付溝5と固定溝6の形状及び寸法、並びに、フィン10の材質の特性、形状、及び寸法などを考慮して決められる。材質の特性とは、例えば、剛性、強度、塑性率、及び歪み硬化率などを指す。
図5は、フィン10の形状を説明するための構造図である。図5(a)は、フィン10全体の斜視図である。図5(b)は、取り付ける前のベースプレート4とフィン10とをY軸方向に並べてZ軸の負の向きから見た平面図である。図5(c)は、図5(a)のフィン10をY軸の正の向きから見たときのベースプレート4との寸法の比較を説明するための平面図である。
図5(a)及び(b)に示すフィン10は、主面フィン7、水平フィン8、及び取付部9で構成される。
主面フィン7は、ベースプレート4が吸収し蓄積した熱を放熱したりフィン10全体に拡散したりするためのものであって、ベースプレート4の主面4aに対しておよそ鉛直方向に取り付けられる。およそ鉛直方向とは、主面フィン7をベースプレート4に取り付けるときに含まれる公差を意味する。なお、主面フィン7の形状は屈曲したり湾曲したりしても良く、この場合には、主面フィン7はベースプレート4の主面4aに対して鉛直でなくともよい。
水平フィン8は、主面フィン7から伝わった熱を放熱するためのものである。水平フィン8は、主面フィン7に対して前述と同様におよそ鉛直方向に設けられたり、屈折、屈曲又は湾曲して設けられたり、板形状若しくは柱形状に設けられたりしてもよい。なお、水平フィン8は必ずしも“水平”に設けられることを意味するものではなく、主面フィン7から突起した形状(同様の***及び突出した形状も含む)の部分を指す。また、水平フィン8は、主面フィン7と一体成型であっても、主面フィン7に対して接合されたものであってもよい。
取付部9は、ベースプレート4の取付溝5に嵌まる部分であって、Z軸方向の断面が末広がりの台形状に成形されている。フィン10の取付部9とベースプレート4の取付溝5とが噛み合った状態でフィン10が取り付けられる。また、取付部9は、フィン10がベースプレート4に取り付けられた状態で、ベースプレート4が吸収し蓄積した熱を主面フィン7に伝える。なお、取付溝5及び取付部9の接触面には放熱グリスが塗布されることが望ましい。取付溝5及び取付部9の間に塗布された放熱グリスは、双方の隙間を埋めて空間を無くすように作用する。その結果、取付溝5及び取付部9の間の熱抵抗を下げる効果がある。
図5(a)及び(b)において、フィン10の破線枠で囲まれた部分を張出部100と定義する。図5(a)及び(b)では、フィン10のうち、ベースプレート4の主面4aに設けられた固定溝6からY軸の正の向きに補助線21aを延ばしたとき、補助線21aに掛かる部分とその外側部分をフィン10の張出部100として示している。言い換えると、固定溝6(又は、かしめ溝)の縁を基点としたベースプレート4の主面4aにおける法線にかかるフィン10の部分を張出部100とする。
つまり、フィン10の張出部100とは、ベースプレート4の主面4aに成形された固定溝6に対して、例えば治具などを用いて、Y軸の負の向きに荷重を掛けようとした場合に、フィン10に治具が接触する部分を含むフィン10の張り出した部分を指す。
図5(c)に示すように、図5(a)におけるフィン10の主面フィン7及び取付部9のZ軸方向の寸法は、ベースプレート4の取付溝5と並べて配置すると、ベースプレート4の主面4aのZ軸方向の縁部からX軸と平行に延ばした2本の補助線21bを引いたとき、この2本の補助線21bの間隔と同等となる。
一方で、図5(c)に示すように、図5(a)におけるフィン10の水平フィン8のZ軸方向の寸法は、水平フィン8のZ軸方向の縁部からX軸と平行に延ばした2本の補助線21cを引いたとき、ベースプレート4の固定溝6が補助線21bと補助線21cとの間に位置する範囲に収まる。
このため、フィン10の取付部9がベースプレート4の取付溝5に取り付けられたとき、ベースプレート4の固定溝6は取付部9のZ軸方向の端部の両側に位置し、また、固定溝6からY軸方向に延ばした補助線21aはフィン10の水平フィン8、つまり、フィン10の張出部100に掛かることはない。
図6は、フィン10の形状の第1の変形例を説明するための構造図である。図6(a)は、フィン10全体の斜視図である。図6(b)は、取り付ける前のベースプレート4とフィン10とをY軸方向に並べてZ軸の負の向きから見た平面図である。図6(c)は、図6(a)のフィン10をY軸の正の向きから見たときのベースプレート4との寸法の比較を説明するための平面図である。
図6(a)及び(b)に示すフィン10は、図5に示すフィン10と同様に、主面フィン7、水平フィン8、及び取付部9で構成される。主面フィン7、水平フィン8、取付部9、及び張出部100についての説明は図5と同様のため省略する。
図6(c)に示すように、図6(a)におけるフィン10の取付部9のZ軸方向の寸法は、ベースプレート4の取付溝5と並べて配置すると、ベースプレート4の主面4aのZ軸方向の縁部からX軸と平行に延ばした2本の補助線21bを引いたとき、この2本の補助線21bの間隔と同等となる。
一方で、図6(c)に示すように、図6(a)におけるフィン10の主面フィン7及び水平フィン8のZ軸方向の寸法は、主面フィン7及び水平フィン8のZ軸方向の縁部からX軸と平行に延ばした2本の補助線21cを引いたとき、ベースプレート4の固定溝6が補助線21bと補助線21cとの間に位置する範囲に収まる。
このため、フィン10の取付部9がベースプレート4の取付溝5に取り付けられたとき、ベースプレート4の固定溝6は取付部9のZ軸方向の端部の両側に位置し、また、固定溝6からY軸方向に延ばした補助線21aはフィン10の水平フィン8、つまり、フィン10の張出部100に掛かることはない。
図7は、フィン10の形状の第2の変形例を説明するための構造図である。図7(a)は、フィン10全体の斜視図である。図7(b)は、取り付ける前のベースプレート4とフィン10とをY軸方向に並べてZ軸の負の向きから見た平面図である。図7(c)は、図7(a)のフィン10をY軸の正の向きから見たときのベースプレート4との寸法の比較を説明するための平面図である。
図7(a)及び(b)に示すフィン10は、図5に示すフィン10と同様に、主面フィン7、水平フィン8、及び取付部9で構成される。主面フィン7、水平フィン8、取付部9、及び張出部100についての説明は図5と同様のため省略する。
図7(c)に示すように、図7(a)におけるフィン10の主面フィン7、水平フィン8、及び取付部9のZ軸方向の寸法は、ベースプレート4の取付溝5と並べて配置すると、ベースプレート4の主面4aのZ軸方向の縁部からX軸と平行に延ばした2本の補助線21bの間に、主面フィン7、水平フィン8、及び取付部9のZ軸方向の縁部からX軸と平行に延ばした2本の補助線21cが位置する範囲に収まる。
このため、フィン10の取付部9がベースプレート4の取付溝5に取り付けられたとき、固定溝6からY軸方向に延ばした補助線21aはフィン10の水平フィン8、つまり、フィン10の張出部100に掛かることはない。
図5及び図6に示したフィン10では、取付部9がベースプレート4の取付溝5に取り付けられた後に、固定溝6に荷重を掛けることによってかしめられたとき、固定溝6を形成する部分が取付溝5の側に塑性変形して、この塑性変形による残留応力によって取付溝5の溝面が取付部9を押圧した状態となるため、取付部9が取付溝5に沿ってずれるのを防ぐ効果を奏する。また、取付溝5と取付部9との対向する面に働く圧縮応力は、各々の面が密着する度合いを高めるように作用するため、ベースプレート4とフィン10との熱抵抗を下げる効果を奏する。
このように、塑性変形によりフィン10の取付部9をかしめた状態の固定溝6をかしめ溝とも呼ぶこととする。
図7に示すフィン10では、取付部9がベースプレート4の取付溝5に取り付けられた後に、固定溝6に荷重を掛けることによってかしめられたとき、固定溝6を形成する部分が取付溝5の側に、図5又は図6の場合よりも大きく塑性変形して取付溝5の溝幅を狭めるため、取付部9が取付溝5に沿ってずれるのをより強固に防ぐ効果を奏する。
図5~7に示したとおり、ベースプレート4の取付溝5及び固定溝6の形状、並びにフィン10の取付部9の形状のバリエーションは様々であるが、電子機器1aが使用されるときの振動や、電子機器1a自体の動作に伴う発熱などの影響のもとで、ベースプレート4からフィン10が外れないよう、また、ヒートシンク20に要求される放熱性能を満たすよう設計されることが望ましい。
なお、ベースプレート4、並びにフィン10の主面フィン7及び水平フィン8は矩形形状としているが、この例に限られることなく、ベースプレート4にフィン10を取り付けるための取付溝5が設けられ、ベースプレート4の少なくとも縁部にフィン10を固定するための固定溝6が設けられていれば、矩形以外の形状であってもよい。
図8は、ベースプレート4の取付溝5にフィン10を取り付ける方法を説明するための斜視図である。フィン10a及びフィン10bの取付部9はそれぞれ、ベースプレート4の取付溝5に対してZ軸の正の向き(矢印22aの向き)にスライドしながら嵌め込まれて取り付けられる。フィン10の取付部9は、ベースプレート4の取付溝5に対し、スムーズに、又は圧入して、嵌め込むことができる形状に成形されている。2本の補助線21dは、フィン10bの取付部9と、この取付部9が嵌め込まれるベースプレート4の取付溝5との対応を示すための、Z軸に平行な直線である。
図9は、第1の押圧治具30を用いてベースプレート4の固定溝6を塑性変形させる方法を説明するための模式図である。第1の押圧治具30の材質としては、ベースプレート4に荷重を掛けて精度よく変形させ続けることができるように、高い強度、高い硬度、耐摩耗性、耐熱性、及び耐腐食性などの特性を有していることが望ましく、例えば、鋼を含む超硬合金などを用いる。
図9(a)は、ベースプレート4の2つの固定溝6a及び6bのそれぞれと第1の押圧治具30の先端部分30a及び30bとの対応関係を模式的に説明するための斜視図である。図9(a)に示すように、第1の押圧治具30は先が二股に分かれた構造とする。そして、第1の押圧治具30の二股の部分は、2つの固定溝6a及び6bのそれぞれに対応して荷重を掛けられるよう、テーパ形状に成形された先端部分30a及び30bを有する。ベースプレート4の2つの固定溝6a及び6bと、第1の押圧治具30の先端部分30a及び30bとの対応を補助線21aa及び21abで示す。
図9(b)は、ベースプレート4の2つの固定溝6a及び6bに対し位置合わせをした第1の押圧治具30の先端部分30a及び30bを示す模式図である。図9(b)に示すように、第1の押圧治具30の先端部分30a及び30bのテーパ形状の端部と固定溝6a及び6bとは、X軸方向に対し、補助線21aに沿って位置合わせできるように成形されている。
図9(c)は、第1の押圧治具30の先端部分30a及び30bでベースプレート4の固定溝6a及び6bを押圧する過程を示す模式図である。図9(c)において、破線枠12a及び12bに示すように、第1の押圧治具30をY軸の負の向き(矢印22bの向き)にベースプレート4に近づけると、先端部分30a及び30bのテーパ形状の端部がそれぞれ固定溝6a及び6bに嵌まる寸法となっている。そして、先端部分30a及び30bのテーパ形状の幅は、各テーパ形状の端部が固定溝6a及び6bのY軸方向の底に達しない位置において固定溝6a及び6bの溝幅よりも広くなっている。このように、第1の押圧治具30で固定溝6を押圧していくと、先端部分30a及び30bの端部が固定溝6の底に達する前に、先端部分30a及び30bの幅が固定溝6の溝幅よりも狭い寸法から徐々に広い寸法に広がる形状のため、先端部分30a及び30bから溝幅を広げる方向(つまり、X軸方向)の応力を受けて、固定溝6a及び6bは特に取付溝5の側に塑性変形する。ここで、固定溝6a及び6bは取付溝5の反対側にも塑性変形するが、固定溝6を基準とすると、取付溝5の反対側よりも取付溝5の側のほうが、ベースプレート4の厚みが薄いため、又はそのように形状を設計し成形することにより、特に取付溝5の側に大きく塑性変形を生じることとなる。
図9(d)は、第1の押圧治具30を用いてベースプレート4に取り付けたフィン10をかしめる過程を示す模式図である。なお、図9(d)で取り付けたフィン10は、図5に示した形状のものとする。図9(d)に示すように、ベースプレート4にフィン10を取り付けた状態で、第1の押圧治具30の先端部分30a及び30bのそれぞれをベースプレート4の固定溝6a及び6bに対して矢印22bの向きに押圧すると、上述のとおり、固定溝6はX軸方向の取付溝5の向きに大きく塑性変形を生じるため、その結果、破線枠13aで囲んだように、取付溝5と取付部9とが接する部分において圧縮応力が生じる。このときの圧縮応力により、取付溝5と取付部9とが密着して互いに摩擦力を生じてベースプレート4に取り付けたフィン10がずれることを防止するとともに、ベースプレート4とフィン10との間の熱抵抗を下げる効果が得られる。このように、ベースプレート4に形成した固定溝6を塑性変形させて、ベースプレート4の取付溝5に取り付けたフィン10の取付部9を固定することを、本開示では“かしめ接合”又は“かしめ”という。
図9(e)は、ベースプレート4にフィン10を取り付けてかしめる前の固定溝6及び取付部9の状態を拡大した模式図である。また、図9(f)は、ベースプレート4にフィン10を取り付けてかしめた後の固定溝6及び取付部9の状態を拡大した模式図である。なお、図9(e)及び(f)で取り付けたフィン10は、図5に示した形状のものとする。
図9(e)に比べて図9(f)では、ベースプレート4の取付溝5の周辺部分(破線枠12a及び12bで囲んだ部分)と、フィン10の取付部9の表面周辺部分(破線枠13aで囲んだ部分)は、塑性変形により圧縮応力が残留した状態となることが分かる。この塑性変形した部分を塑性変形部Pdとする。図9(f)では、塑性変形部Pdをハッチングで示している。
ここで、図9(e)のベースプレート4は固定溝6を設けている分だけ単にフィン10が設けられたベースプレート4よりも表面積が増加して放熱性が向上し、更に、図9(e)の固定溝6に比べて図9(f)の固定溝6は溝幅が広がって外気の流動性を向上させるので熱拡散による放熱量をより増加させる。つまり、本開示のヒートシンク20は、放熱性を高めるための設計の柔軟性、つまり自由度が確保された張出部100を有するフィン10を、ベースプレート4に対して任意の配置及び枚数で容易に設置することを可能とし、更に、ベースプレート4の縁部に形成された複数の固定溝6によってフィン10を強固に固定するとともに、ベースプレート4自体の放熱量を増加させる効果を奏する。
図10は、第1の押圧治具30を用いてベースプレート4の固定溝6を塑性変形させる別の方法を説明するための模式図である。
図10に示すように、第1の押圧治具30は図9のものと同様の形状を有しており、ベースプレート4の固定溝6をX軸方向に広げるように塑性変形させることが可能であるが、第1の押圧治具30をZ軸の正の向きに押圧して固定溝6を変形させるところが、図9とは異なる。
図10(a)は、ベースプレート4の2つの固定溝6a及び6bのそれぞれと第1の押圧治具30の先端部分30a及び30bとの対応関係を模式的に説明するための斜視図である。図10(b)は、フィン10を取り付けた状態でベースプレート4の固定溝6に対し第1の押圧治具30を押圧する過程を示す模式図である。図10(c)は、ベースプレート4の固定溝6を押圧した後の固定溝6及び取付部9の状態を拡大した模式図である。なお、図10に取り付けるフィン10は図5に示した形状のものとする。
図10(a)及び(b)では、第1の押圧治具30の先端部分30a及び30bのそれぞれと、2つの固定溝6a及び6bとの対応を補助線21aa及び21abで示す。
図10(b)及び(c)において、破線枠12c及び12dに示すように、第1の押圧治具30をZ軸の正の向き(矢印22cの向き)にベースプレート4に近づけると、先端部分30a及び30bのテーパ形状の端部がそれぞれ固定溝6a及び6bに嵌まる寸法となっている。そして、先端部分30a及び30bのテーパ形状の幅は、各テーパ形状の端部が固定溝6a及び6bのZ軸方向の底に達しない位置において固定溝6a及び6bの溝幅よりも広くなっている。このように、第1の押圧治具30で固定溝6を押圧していくと、先端部分30a及び30bの端部が固定溝6の底に達する前に、先端部分30a及び30bの幅が固定溝6の溝幅よりも狭い寸法から徐々に広い寸法に広がる形状のため、先端部分30a及び30bから溝幅を広げる方向(つまり、X軸方向)の応力を受けて、固定溝6a及び6bは特に取付溝5の側に塑性変形する。ここで、固定溝6a及び6bは取付溝5の反対側にも塑性変形するが、固定溝6を基準とすると、取付溝5の反対側よりも取付溝5の側のほうが、ベースプレート4の厚みが薄いため、又はそのように形状を設計し成形することにより、特に取付溝5の側に大きく塑性変形を生じることとなる。
図10(b)及び図10(c)では、ベースプレート4の取付溝5の周辺部分(破線枠12c及び12dで囲んだ部分)と、フィン10の取付部9の表面周辺部分(破線枠13bで囲んだ部分)は、塑性変形により圧縮応力が残留した状態となることが分かる。図9と同様に、この塑性変形した部分を塑性変形部Pdとする。図10(c)では、塑性変形部Pdをハッチングで示している。
図11は、ベースプレート4にフィン10を固定させる変形例を説明するための模式図である。図11の変形例では、図9及び図10と同様に、ベースプレート4の取付溝5にフィン10の取付部9を取り付けた状態で、固定溝6を第1の押圧治具30で押圧する。
図11(a)は、フィン10を取り付けた状態でベースプレート4の固定溝6に対し第1の押圧治具30を押圧する過程を示す模式図である。図11(b)は、ベースプレート4の固定溝6を押圧した後の固定溝6及び取付部9の状態を拡大した模式図である。なお、図11に取り付けるフィン10は図7に示した形状のものとする。図11(c)は、ベースプレート4の取付溝5の形状の変形例を説明するための模式図である。
図11(a)に示すように、フィン10の取付部9のZ軸方向の長さLbは、ベースプレート4のZ軸方向の長さLaよりも短い。取付溝5は、ベースプレート4の主面4aの1つの縁部から他の縁部にわたって形成されてもよい。また、ベースプレート4の破線枠14で囲われた部分のように、ベースプレート4の取付溝5は、ベースプレート4のZ軸方向の両縁部のうち少なくとも一方に達していてもよい。ベースプレート4の少なくとも一方の縁部に取付溝5が達していれば、フィン10の取付部9を取り付けることが可能である。また、ベースプレート4のZ軸方向の端部と、取り付けられたフィン10の取付部9との差分を差分Dで示し、端部に設けられた固定溝6のZ軸方向の深さを深さGで示す。また、第1の押圧治具30の先端部分30a及び30bのそれぞれと、2つの固定溝6a及び6bとの対応を補助線21aa及び21abで示す。
図11(b)に示すように、第1の押圧治具30をZ軸の正の向き(矢印22dの向き)に押圧すると、ベースプレート4の固定溝6a及び6bの周辺に塑性変形部Pdが形成される。ここで、塑性変形部PdはZ軸方向において差分Dよりも深く形成されるほうが、フィン10の取付部9がZ軸方向にずれないように強固に固定できるために望ましく、そのため、固定溝6の深さGは差分Dよりも長いほうが望ましい。
図11(c)に示すように、ベースプレート4の取付溝5をZ軸の正の向きに先細なテーパ形状に成形してもよい。図11(c)では、このときの取付溝5を取付溝5aとしている。そして、フィン10の取付部9を取付溝5aに合う形状とすることで、フィン10を取り付けた後、フィン10の取付部9を挿入した側の固定溝6を押圧してかしめることで、フィン10をベースプレート4に対して強固に固定することが可能となる。なお、取付溝5a及び取付部9のテーパ形状は、X軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかに先細であればよい。さらに、取付溝5aと取付部9とをより密着させるために、X軸方向及びY軸方向の少なくともいずれかにおいて、取付溝5aの溝幅よりも取付部9の幅を僅かに大きくとり、治具等を用いて圧入して嵌め込むようにしてもよい。ここでいう僅かとは、ベースプレート4及びフィン10が破損することなく嵌め込みが可能な、設計により導出される寸法であって、例えば0.3mm以下とする。
図11(a)~(c)では、ベースプレート4の取付溝5及び5aの周辺部分(破線枠12e及び12fで囲んだ部分)は、塑性変形により圧縮応力が残留した状態となることが分かる。図9と同様に、この塑性変形した部分を塑性変形部Pdとする。図11(b)では、破線枠12e及び12fで囲んだ部分において、塑性変形部Pdをハッチングで示している。
図12は、ベースプレート4にフィン10を固定させる別の変形例を説明するための模式図である。
図12(a)に示す変形例では、フィン10の主面フィン7におけるY軸の負の向きの端部、つまり、破線枠9aで囲まれた部分が取付部9として機能する。そして、ベースプレート4の取付溝5及び固定溝6はこのような取付部9を固定するのに適した形状となっている。この変形例のヒートシンク20によれば、ベースプレート4及びフィン10の加工が容易となる効果がある。
また、図5~7に示したフィン10の取付部9の形状は、X軸方向の厚みがY軸の負の向きに対して徐々に広がるものであったが、図12(b)に示す変形例の取付部9は、破線枠9bで囲まれた部分に示すように、端部の厚みが急峻に増す形状、つまり四角柱状となっている。そして、ベースプレート4の取付溝5及び固定溝6はこのような取付部9を固定するのに適した形状となっている。この変形例のヒートシンク20によれば、激しい振動又は大きな温度変化がある環境に設置された電子機器1aにおいても、ベースプレート4からフィン10を抜けにくくする効果がある。
図13は、第1の押圧治具30を用いて、ベースプレート4の複数の取付溝5に取り付けた複数のフィン10の取付部9を同時にかしめる過程を模式的に説明する模式図である。
図13に示す第1の押圧治具30は、図9に示した第1の押圧治具30の先端部分30a及び30bを複数並べた構造となっており、ベースプレート4に設けられた複数の取付溝5と対応するそれぞれの固定溝6に対して、同時に押圧することが可能である。第1の押圧治具30の先端部分30a及び30bと固定溝6との対応関係を補助線21eで示す。第1の押圧治具30は、先端部分30a及び30bの並べ方次第で、ベースプレート4のZ軸方向の両縁部に形成された固定溝6のうち任意のものを同時に押圧することが可能である。図13では、第1の押圧治具30を用いてベースプレート4に設けられた複数の固定溝6をY軸の負の向き(矢印22bの向き)に同時に押圧する例を示している。
このように、先端部分30a及び30bを複数並べた第1の押圧治具30を用いて複数の固定溝6を同時に押圧すると、ベースフィン4の取付溝5及び固定溝6の周辺部分の塑性変形による歪みが均一となるため、ヒートシンク20自体の品質が良好となり、また、ヒートシンク20の生産性を向上させることも期待できる。
なお、図13に示すように、ベースプレート4の複数の固定溝6に対して、Y軸の負の向きに押圧してもよいし、Z軸の正の向き及び負の向きの少なくとも一方から同時に押圧してもよい。例えば、図7に示すフィン10のZ軸方向の寸法がベースプレート4と等しい場合には、フィン10の張出部100を避けてY軸の負の向きに押圧することは困難であるが、Z軸方向から同時に押圧すればフィン10の張出部100を避けて容易に固定することができる。
図14は、ヒートシンク20を実装した別の電子機器1bを模式的に説明する透視図である。電子機器1bは、筐体11b、プリント基板2、及び電子部品3を含む。
図14に示すように、電子機器1bの筐体11bは、近くに設置される外部装置15の影響により、一部のY軸方向の寸法を短くとる必要がある。このような筐体11bのうち、Y軸方向の寸法を短くとった部分を筐体11bbとし、それ以外の部分を筐体11baとする。
このような場合であっても、本開示によれば、ヒートシンク20のうち、筐体11bbに含まれる空間において放熱を行う部分では、ベースプレート4に取り付けるフィン10のY軸方向の寸法を筐体11bbの空間に合わせて短くとり、フィン10の表面積が少なくなる分はフィン10の枚数、配置、及び形状を適切に選択することで、筐体11bbの空間においても所望の放熱性能を確保することができる。
つまり、本開示のヒートシンク20は、電子機器1bの動作時に求められる放熱性能、気流制御、並びに筐体11bの空間の形状及び寸法などを考慮したうえで、ベースプレート4に対して種々の形状のフィン10を任意の枚数及び配置で容易に設置し、強固に固定された状態で取り付けることができる。ここで、任意の枚数及び配置とは、ベースプレート4の取付溝5及び固定溝6を、フィン10を任意に取り付け可能となるように、予め設計及び形成しておくものとする。これにより、電子機器1bが実装するプリント基板2で動作する電子部品3の発熱量、並びに筐体11bの空間の形状及び寸法などの制約条件のもとで、ヒートシンク20の設計上の柔軟性を確保させる効果が得られる。
以上説明したように、実施の形態1によれば、ベースプレート4にフィン10を取り付けるための取付溝5を設けるとともに、ベースプレート4の縁部において取付溝5を挟む位置に固定溝6を設けるように構成したので、ヒートシンク20のベースプレート4に対して張出部100を有する任意の形状のフィン10を任意の枚数及び配置で取り付け、電子機器のプリント基板2に実装した電子部品3の放熱を行うことが可能となる。その結果として、電子機器の筐体内部の放熱設計における柔軟性を確保させる効果が得られる。また、ヒートシンク20のベースプレート4に対してフィン10を容易に取り付け、かしめて強固に固定することが可能となるため、ヒートシンク20自体の生産性及び信頼性を向上させる効果が得られる。
言い換えれば、ベースプレート4及びフィン10が別の部材として構成されるヒートシンク20において、ベースプレート4に取り付けたフィン10が有する突起形状(突出及び***した形状を含む)の間隙から押圧冶具30を挿入し、均一の荷重を掛けて押圧するという製造工程が不要となる。
実施の形態2.
図15は、実施の形態2における、別の形状のフィン10を取り付けたヒートシンク20を説明するための斜視図である。
図15(a)に示すように、各々のフィン10は、湾曲した1枚の主面フィン7と取付部9で構成される。ところで、図15(b)及び(c)に示すように、フィン10は水平フィン8を備えていないが、湾曲した形状のために、破線枠で囲まれた張出部100を有する。このようなフィン10を取り付けた場合、ベースプレート4の固定溝6からY軸の正の向きに補助線21fを引いたとき、フィン10の張出部100に掛かってしまう。
つまり、ベースプレート4の取付溝5に沿って固定溝6を設けても、このようなフィン10を取り付けた場合、ベースプレート4の両縁部よりも内側にある固定溝6に対しては均一に荷重を掛けることが困難となり、その結果、十分なかしめ加工が行われていない固定溝6は、取付溝5と固定溝6との間の厚みが薄い分、余計にベースプレート4へのフィン10の固定を不十分な状態として、ヒートシンク20の品質を良好にできないおそれが生じる。
したがって、本実施の形態のフィン10のような形状においても、取付溝5を挟む一対の固定溝6をベースプレート4の縁部にのみ設けることで、張出部100に掛かることなく良好に固定溝6に対して均一に荷重を掛けることが可能となり、結果として、ヒートシンク20の品質を良好なものとすることができる。
図16は、さらに別の形状のフィン10を取り付けたヒートシンク20を説明するための斜視図である。
図16に示すように、主面フィン7の形状は図15に示すものに限定されることなく、例えば、主面フィン7の取付部9とは反対側の端部に至る面を湾曲させたり、折り曲げたりして、主面フィン7を歪んだ形状とすることにより、主面フィン7の表面積を増やしたり、通気口40を通過する気流200を効率的に気流制御をしたりすることが可能となる。その結果、ヒートシンク20の放熱性能を向上させる効果が得られる。
以上説明したように、実施の形態2によれば、実施の形態1のヒートシンク20において、ベースプレート4に対して主面フィン7自体に張出部100を有するフィン10を任意の枚数及び配置で取り付けることが可能となる。その結果として、ヒートシンク20の設計の柔軟性をより確保させる効果が得られる。また、筐体内部での気流制御を考慮して主面フィン7の形状、枚数及び配置を設計することができるため、実施の形態1のヒートシンク20の放熱性能をより向上させる効果が得られる。
実施の形態3.
図17は、実施の形態3における、フィン10の主面フィン7に対し水平フィン8を取り付け可能とした構造を説明するための斜視図である。図17(a)は、フィン10の主面フィン7に水平フィン8を取り付ける過程を説明するための模式図である。図17(b)は、フィン10の主面フィン7に水平フィン8を取り付けた状態を説明するための模式図である。
フィン10の主面フィン7には、水平フィン8を取り付けるための取付溝5と、取付溝5を挟む位置に一対の固定溝6とが設けられている。この主面フィン7の取付溝5に対して、Z軸の正の向き(矢印22eの向き)に、取付部9を有する水平フィン8を所望の枚数及び配置だけ取り付けて、主面フィン7の固定溝6を押圧してかしめ固定を行う。主面フィン7に設けられた取付溝5と水平フィン8の取付部9との対応を補助線21gで示す。
図18は、図17に示すフィン10を備えるヒートシンク20を、電子機器1bに実装させた例を説明するための斜視図である。
なお、図17及び図18に示したフィン10の主面フィン7では片面にのみ取付溝5及び固定溝6を設けているが、主面フィン7の両面に取付溝5及び固定溝6を設けて主面フィン7の両面に水平フィン8を取り付けてもよい。このとき、主面フィン7の一方の面に設けられる取付溝5及び固定溝6と、もう一方の面に設けられる取付溝5及び固定溝6とは、Y軸方向においてずらした位置とすることで、フィン10の両面に取り付けられた水平フィン8が隣接するフィン10の水平フィン8とぶつからずに、ベースプレート4に取り付けるフィン10をより密に配置することができる。
以上説明したように、実施の形態3によれば、実施の形態1のヒートシンク20において、さらに、フィン10の主面フィン7に対して任意の形状の水平フィン8を任意の枚数及び配置で取り付けることが可能となる。その結果として、ヒートシンク20の設計の柔軟性をより確保させる効果が得られる。
実施の形態4.
図19は、本開示の実施の形態4における、ヒートシンク20のベースプレート4の縁部においてフィン10をかしめる別の方法を説明するための模式図である。図19(a)に示すフィン10は、例えば、図12(a)で扱った形状のものとする。
図19(b)は、図19(a)のヒートシンク20をY軸の負の向きに見たところを示す平面図である。図19(b)に示すように、フィン10の主面フィン7は、ベースプレート4の取付溝5よりもZ軸方向の寸法が長く、ベースプレート4の縁部から一部がはみ出ている。取付溝5は、ベースプレート4の主面4aにわたって対向した2つの縁部において開口するよう形成される。なお、フィン10の水平フィン8は省略している。
図19(c)は、図19(b)に示すフィン10の主面フィン7をX軸の正の向きに倒して塑性変形させた状態を示す。破線枠12gで囲んだ部分に示すように、フィン10の主面フィン7に対して第2の押圧治具50を用いてZ軸方向に(矢印60の向きに)荷重を掛けることにより主面フィン7を塑性変形させ、主面フィン7がベースプレート4の両縁部を挟んでかしめた状態とする。これにより、主面フィン7とベースプレート4の縁部との間に圧縮応力が生じて強固に固定され、ベースプレート4に取り付けたフィン10がずれることを抑止する効果が得られる。このように、フィン10の主面フィン7を塑性変形させて、ベースプレート4の取付溝5に取り付けたフィン10をベースプレート4の両縁部を挟み込んで固定することを、本開示では“かしめ接合”又は“かしめ”という。
以上説明したように、実施の形態4によれば、フィン10の主面フィン7をベースプレート4の両縁部を挟んだ状態に塑性変形をさせて固定することが可能となる。その結果として、ヒートシンク20のベースプレート4に固定溝6を形成しなくとも、実施の形態1~3のように、ベースプレート4に対して設計の柔軟性を確保しつつ、フィン10を容易に取り付けて強固に固定させる効果が得られる。
実施の形態5.
図20は、本開示の実施の形態5における、ヒートシンク20のベースプレート4の形状の変形例を説明するための斜視図である。
図20に示すベースプレート4のような矩形以外の形状であっても、フィン10を取り付けるための取付溝5を設けるとともに、実施の形態1~3のように固定溝6を塑性変形させることによりフィン10を固定してもよいし、実施の形態4のようにベースプレート4に取り付けたフィン10をベースプレート4の縁部に向けて歪めることよりフィン10を固定してもよい。
1a,1b 電子機器、2 プリント基板、3 電子部品、4 ベースプレート、4a 主面、4b 裏面、4c 側面、5 取付溝、6 固定溝、7 主面フィン、8 水平フィン、9 取付部、10,10a,10b フィン、11a,11b 筐体、20 ヒートシンク、30 第1の押圧治具、50 第2の押圧治具、100 張出部。

Claims (6)

  1. 基板に実装される種々の電装品と第1の面で対向し、前記第1の面の裏側である第2の面の縁部に開口する取付溝が複数並んで形成され、前記取付溝の各々の開口部分を挟んで前記縁部に1対のかしめ溝が形成されたベースプレートと、
    前記取付溝に取り付けられ、前記1対のかしめ溝によりかしめられた取付部を有するフィンと、を備え、
    前記ベースプレートは、互いに交差するX軸とZ軸方向に沿って設けられ、
    前記フィンは、前記X軸および前記Z軸に交差するY軸方向に延びる主面フィンと、前記主面フィンに接続され、前記X軸と前記Z軸方向に沿って設けられた水平フィンとを有し、
    前記取付溝は、前記第2の面の前記X軸方向に延びる一対の辺の一方の辺の前記縁部から他方の辺の前記縁部にわたって前記Z軸に沿って形成され、
    前記水平フィンの前記Z軸側の両端部は、前記ベースプレートの前記Z軸側の両端部よりも前記ベースプレートの内部に後退し、
    前記かしめ溝は、前記一方の辺の前記縁部と前記他方の辺の前記縁部に分かれて設けられている、ヒートシンク。
  2. 前記水平フィンは、前記主面フィンに対して突出した板形状である、請求項に記載のヒートシンク。
  3. 前記取付溝は、前記第2の面の法線方向に対し、深いほど末広がりの形状である、請求項1または2に記載のヒートシンク。
  4. 前記取付溝は、前記第2の面の水平方向に対し、開口した1つの前記縁部から離れるほど先細な形状である、請求項1からのいずれか1項に記載のヒートシンク。
  5. 互いに交差するX軸とZ軸方向に沿って設けられた基板であり、前記基板に実装される種々の電装品と第1の面で対向し、前記第1の面の裏側である第2の面に、前記Z軸方向わたって延び対向した2つの縁部に開口部分を含む取付溝と、前記開口部分を挟んで前記縁部に設けられた1対のかしめ溝とを有するベースプレートと、
    前記取付溝に取り付けられ、前記取付溝が形成された前記2つの縁部をかしめて固定する取付部を有するフィンと、を備え、
    前記フィンは、前記X軸および前記Z軸に交差するY軸方向に延びる主面フィンと、前記主面フィンに接続され、前記X軸と前記Z軸方向に沿って設けられた水平フィンとを有し、
    前記水平フィンの前記Z軸側の両端部は、前記ベースプレートの前記Z軸側の両端部よりも前記ベースプレートの内部に後退し、
    前記かしめ溝は、一方の前記縁部と他方の前記縁部にそれぞれ別々に設けられている、ヒートシンク。
  6. 基板に実装される種々の電装品と第1の面で対向し、前記第1の面の裏側である第2の面の縁部に開口する取付溝が複数並んで形成され、前記取付溝の各々の開口部分を挟んで前記縁部に1対のかしめ溝が形成されたベースプレートと、
    前記取付溝に取り付けられ、前記1対のかしめ溝によりかしめられた取付部を有するフィンと、を備え、
    前記ベースプレートは、互いに交差するX軸とZ軸方向に沿って設けられ、
    前記フィンは、前記X軸および前記Z軸に交差するY軸方向に延びる主面フィンと、前記主面フィンに接続され、前記X軸と前記Z軸方向に沿って設けられた水平フィンと、前記フィンを前記取付溝に取り付け可能な取付部とを有し、
    前記取付溝は、前記第2の面の前記X軸方向に延びる一対の辺の一方の辺の前記縁部から他方の辺の前記縁部にわたって前記Z軸に沿って形成され、
    前記水平フィンの前記Z軸側の両端部は、前記ベースプレートの前記Z軸側の両端部よりも前記ベースプレートの内部に後退し、
    前記かしめ溝は、前記一方の辺の前記縁部と前記他方の辺の前記縁部に分かれて設けられている、ヒートシンクの製造方法であって、
    前記ベースプレートを成形する工程と、
    前記取付溝の各々の開口部分を挟んで前記縁部に前記1対のかしめ溝を形成する工程と、
    前記取付部を前記取付溝に取り付け前記フィンを前記ベースプレートに取り付ける工程と、
    前記かしめ溝を広げて塑性変形させ、前記取付部をかしめる工程と、
    を有するヒートシンクの製造方法。
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