以下、本開示の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
[Midamble内のHE-LTFのシンボル数の設定]
例えば、図1に示すように、Preambleに後続するデータフィールドにおいて、Midambleは、MMA個のデータシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル)毎に挿入される。
各Midamble内のHE-LTF(例えば、参照信号又はパイロット信号に対応)のシンボル数は、例えば、各端末(「STA(Station)」又は「UE(User Equipment)」とも呼ぶ)の空間時間ストリーム数の合計に対応して決定される。また、Midamble内のHE-LTFのシンボル数の設定は、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)多重における全てのリソースユニット(RU:Resource Unit)において共通である。
図2は、各端末の空間時間ストリーム数の合計と、HE-LTFシンボル数との対応関係の一例を示す。また、図3は、マルチユーザ多重されたリソースユニット(換言すると、複数の端末が割り当てられたリソースユニット)と、シングルユーザのリソースユニット(換言すると、1つの端末が割り当てられたリソースユニット)とが混在した時のHE-LTFシンボル数の設定例を示す。
なお、ここでは、「マルチユーザ」は、MU-MIMO(Multi User-Multiple Input Multiple Output)及びOFDMAを含む総称として定義する。
図3に示すように、リソースユニットによってユーザ多重状況が異なり、リソースユニットによって、各端末の空間時間ストリーム数の合計が異なる。この場合、各リソースユニットにおける空間時間ストリーム数の合計のうち、最大の合計数に基づいて、例えば、図2の対応関係を参照して、OFDMA多重している全リソースユニットに共通のHE-LTFシンボル数が設定される。
図3の例では、リソースユニット1では、多重数2のマルチユーザであり、2つの端末(例えば、端末1及び端末2)のそれぞれの空間時間ストリーム数は2である。このため、リソースユニット1の空間時間ストリーム数の合計は4となる。一方、リソースユニット2では、多重数1のシングルユーザであり、1つの端末の空間時間ストリーム数は2である。このため、リソースユニット2の空間時間ストリーム数の合計は2となる。
図3の例では、全てのリソースユニット1,2のうち、空間時間ストリーム数の合計が最大となるのはリソースユニット1である。よって、図3では、リソースユニット1の空間時間ストリーム数の合計4に基づいて、図2に従って、HE-LTFシンボル数は4に設定される。このHE-LTFシンボル数4の設定は、リソースユニット1に加え、リソースユニット2も含めて、OFDMA多重している全てのリソースユニットに共通の設定となる。
このように、リソースユニット毎の空間時間ストリーム数の合計が異なる場合でも、全てのリソースユニットに共通で使用されるHE-LTFシンボル数が設定されるため、オーバーヘッドが大きくなる。例えば、図3の例では、リソースユニット2の1つのリソースユニットでは、空間時間ストリーム数が2であり、対応するHE-LTFシンボル数(例えば、図2を参照)は2であるのに対して、リソースユニット2に対するHE-LTFシンボル数は4に設定される。換言すると、図3の例では、リソースユニット2に対して、不要なMidambleが挿入され、オーバーヘッドが増加する。特に、空間時間ストリーム数の合計が多いほど、HE-LTFシンボル数は多くなり(例えば、図2を参照)、オーバーヘッドの増加はより顕著になる。
[Midamble内のHE-LTFモード]
Midamble内のHE-LTFには、Preambleと同様、時間間隔の異なるHE-LTFモード(例えば、1x/2x/4x HE-LTF)が設けられている(例えば、非特許文献2を参照)。これらのHE-LTFモードは、以下のような特徴があり、使用環境に応じて使い分けることを想定している。
1x HE-LTF: Indoor(例えば、マルチパス遅延:小)環境におけるピークスループットを最大化するモード。1x HE-LTFでは、各HE-LTFモードの中でHE-LTFのオーバーヘッドは最小となる。
4x HE-LTF: Outdoor(例えば、マルチパス遅延:大)環境における性能を最大化するモード。ただし、4x HE-LTFでは、HE-LTFのオーバーヘッドは大きくなる。
2x HE-LTF: 例えば、室内又は屋外等の各種環境における性能とオーバーヘッドとのトレードオフを考慮したモード。
Midamble内のHE-LTFモードについても、HE-LTFのシンボル数と同様、OFDMA多重している全てのリソースユニットに共通に設定される。
[Midamble構成の通知]
Midambleの有無又は周期を含むMidamble構成は、マルチユーザ多重されている全ての端末に対して共通に設定される。
例えば、Midamble構成について、Midambleの有無(例えば、Doppler subfield)及び周期(例えば、MMA =10 or 20[symbols])は、端末に共通の制御信号を用いてアクセスポイント(AP(Access Point)又は基地局とも呼ばれる)から端末へ通知される。なお、端末に共通の制御信号(又は制御フィールド)には、例えば、HE-SIG-A又はTrigger frameの共通情報フィールド(Common Info field)等がある。
また、マルチユーザ多重の場合、多重される端末のOFDMシンボル数が端末間において同じになるように、ユーザ多重される各端末の情報ビット数のうち、最大の情報ビット数に合わせて、他の端末の情報ビットには、paddingビットが追加される。追加されるpaddingビット数の計算は、例えば、IEEE 802.11ax規格(例えば、非特許文献3を参照)の式(28-60)~(28-65)及び式(28-75)~(28-90)に従ってもよく、他の計算方法に従ってもよい。
図4は、一例として、4ユーザ(端末1~端末4)の各々の情報ビット数に応じてpaddingビット数が計算される。図4では、端末4が有する最大の情報ビット数(及びPaddingビット数)に合わせて、他の端末1~3に対して追加されるPaddingビット数が決定される。
例えば、マルチユーザ多重される端末毎の移動速度の違いによって端末間のフェージング環境が異なる場合があり、必要なMidambleの数は端末毎に異なる。このため、上述したように、Midamble構成をマルチユーザ多重される全ての端末に共通に設定する制御では効率が悪く、スループットが低下してしまう。
図5は、一例として、APから端末1及び端末2に対してOFDMA多重送信する場合を示す。
図5では、例えば、端末1からAPに対して低速移動であることを示す移動速度情報(例えば、Doppler状態情報(例えば、Dopplerモード=0))が送信され、端末2からAPに対して高速移動であることを示す移動速度情報(例えば、Dopplerモード=1)が送信される。図5では、例えば、低速移動する端末1にはMidambleは不要であり、高速移動する端末2にはMidambleは必要である。
よって、図5に示すように、端末1にはMidambleは不要であるにも関わらず、端末2にはMidambleは必要であるため、APは、OFDMA多重されている全ての端末1,2に対してMidamble有りとなるMidamble構成を共通に設定する。このように、図5に示す端末1は、低速移動しているため、Midambleが無くても良好な通信性能を得ることができるにも関わらず、端末1向けのデータに対して不要なMidambleが挿入され、スループットが低減してしまう。
また、例えば、車載向け規格であるIEEE 802.11pの次世代規格として検討が開始されているNGV(Next Generation V2X)においてもMidambleの導入が検討されている。NGVにおいても、車両毎の移動速度の違いによって車載端末間のフェージング環境が異なる場合が想定されるが、詳細な仕様はまだ決められていない。
そこで、本開示の一実施例では、各端末に対してMidambleを効率良く設定する方法について説明する。
(実施の形態1)
以下では、本実施の形態に係る下り回線(downlink)におけるマルチユーザ多重時のMidamble制御処理(例えば、後述する図6~図13)、及び、本実施の形態に係る上り回線(uplink)におけるマルチユーザ多重時のMidamble制御処理(例えば、後述する図14~図18)についてそれぞれ説明する。
[下り回線のMidamble制御方法]
本実施の形態に係る無線通信システムは、AP100及び端末200を備える。例えば、AP100は、複数の端末200向けのデータ信号(下りリンク信号)をOFDMA多重して各端末200へ送信する。
図6は、本実施の形態に係るAP100(例えば、通信装置に対応)の一部構成例を示すブロック図である。
図6に示すAP100において、Midamble構成決定部109(例えば、制御回路に相当)は、ユーザ多重される複数の端末200に対して、データフィールドに挿入される参照信号(例えば、Midamble)の構成を、複数の端末200毎に決定する。無線送受信部104(例えば、通信回路に相当)は、参照信号の構成に基づいてユーザ多重される信号の通信処理を行う。
[APの構成]
図7は、本実施の形態に係るAP100の構成例を示すブロック図である。
図7において、AP100は、トリガ生成部101と、Trigger frame生成部102と、変調部103と、無線送受信部104と、アンテナ105と、復調部106と、復号部107と、受信品質測定部108と、Midamble構成決定部109と、ユーザ個別フィールド生成部110と、プリアンブル生成部111と、ユーザデータ多重部112と、を有する。
トリガ生成部101は、各端末200に対して、例えば、Midamble構成を決定するために使用する情報(以下、「Midamble情報」と呼ぶ)の送信を指示するトリガを生成する。例えば、Midamble情報は、端末200の移動速度に関する「移動速度情報」、又は、端末200に対するMidambleの要否を示す「Midamble要求」である。なお、Midamble情報は、AP100においてMidamble構成を決定するための情報であればよい。トリガ生成部101は、生成したトリガをTrigger frame生成部102に出力する。
Trigger frame生成部102は、トリガ生成部101から入力されるトリガに対応したTrigger Type(例えば、信号種別)を設定して、上り信号の送信(例えば、OFDMA多重送信)を指示する制御信号であるTrigger frameを生成する。例えば、非特許文献3では、Midamble情報(例えば、移動速度情報又はMidamble要求)の送信を指示するTrigger Typeは定義されていない。本実施の形態では、例えば、非特許文献3において定義されたTrigger Typeに未使用の値(又は未定義の値)を、Midamble情報の送信指示(又は収集指示)に対応するTrigger Typeとして定義されてもよい。Trigger frame生成部102は、生成したTrigger frameを変調部103に出力する。
変調部103は、Trigger frame生成部102から出力されるTrigger frame、プリアンブル生成部111から出力されるプリアンブル、又は、ユーザデータ多重部112から出力されるデータ信号に対して変調処理を行う。変調部103は、変調後の信号を無線送受信部104に出力する。
無線送受信部104は、変調部103から出力される信号に対して無線送信処理を行い、無線送信処理後の信号をアンテナ105を介して端末200へ送信する。また、無線送受信部104は、端末200から送信された信号を、アンテナ105を介して受信し、受信した信号に対して無線受信処理を行い、無線受信処理後の信号を復調部106に出力する。
復調部106は、無線送受信部104から出力される受信信号に対して復調処理を行う。復調部106は、復調後の信号を復号部107及び受信品質測定部108に出力する。
復号部107は、復調部106から出力される信号(例えば、端末200から送信されたプリアンブル及びデータを含む)に対して復号処理を行う。復号部107は、例えば、復号後の信号に含まれる各端末200のMidamble情報(例えば、移動速度情報又はMidamble要求)をMidamble構成決定部109に出力し、復号後のデータ(受信データ)を出力する。
受信品質測定部108は、復調部106から出力される復調信号を用いて、例えば、受信レベルの変動、信号対雑音比(Signal to Noise Ratio(SNR))、又は、受信誤り率などの受信品質を測定する。受信品質測定部108は、測定した受信品質を示す受信品質情報をMidamble構成決定部109に出力する。
Midamble構成決定部109は、ユーザ多重される複数の端末200に対して、Midamble構成(例えば、データフィールドに挿入される参照信号(HE-LTF等)の構成)を、複数の端末200毎に決定する。例えば、Midamble構成決定部109は、復号部107から出力される、各端末200のMidamble情報、又は、受信品質測定部108から出力される受信品質情報に基づいて、端末200毎のMidamble構成を決定する。
移動速度情報の一例として、Doppler状態情報(例えば、Dopplerモード=0:低速移動、Dopplerモード=1:高速移動)が端末200からAP100へ送信される場合について説明する。この場合、例えば、Midamble構成決定部109は、Doppler状態情報が低速移動を示す端末200に対して、Midambleが不要と判断し、Midamble無しのMidamble構成を設定する。また、例えば、Midamble構成決定部109は、Doppler状態情報が高速移動を示す端末200に対して、Midambleが必要と判断し、Midamble有りのMidamble構成を設定する。
移動速度情報の他の例として、AP100と端末200との間の相対移動速度の推定値が端末200からAP100へ送信される場合について説明する。この場合、例えば、Midamble構成決定部109は、相対移動速度の推定値が、Midamble無しでもチャネル推定精度が劣化しない範囲の値である場合、対応する端末200に対してMidambleが不要と判断し、Midamble無しのMidamble構成を設定する。また、例えば、Midamble構成決定部109は、相対移動速度の推定値が、Midamble無しではチャネル推定精度が劣化する範囲の値である場合、対応する端末200に対してMidambleが必要と判断し、Midamble有りのMidamble構成を設定する。
また、Midamble構成決定部109は、端末200からMidamble要求が通知される場合、Midamble要求(Midambleの有無)に従って、Midamble構成を決定する。
なお、Midamble構成決定部109は、Midambleの周期について、例えば、受信品質情報に基づいて、チャネル推定精度が劣化しない範囲に決定してよい。
Midamble構成決定部109は、決定した端末200毎のMidamble構成を示すMidamble構成情報をユーザ個別フィールド生成部110及びユーザデータ多重部112に出力する。
ユーザ個別フィールド生成部110は、Midamble構成決定部109から出力されるMidamble構成情報を、例えば、プリアンブルのHE-SIG-B内のユーザ個別フィールド(例えば、User Specific field)に設定する。ユーザ個別フィールド生成部110は、生成したユーザ個別フィールドの情報をプリアンブル生成部111に出力する。例えば、ユーザ個別フィールドは、端末200毎の情報を含む一つ以上のユーザフィールドから構成される。各端末200に関するMidamble構成情報は、各端末200に対応するユーザフィールドを用いて、対応する端末200へそれぞれ指示される。
プリアンブル生成部111は、例えば、レガシープリアンブル、又は、ユーザ個別フィールド生成部110において生成されたHE-SIG-B内のユーザ個別フィールドを含むHEプリアンブルを生成する。プリアンブル生成部111は、生成したプリアンブルを変調部103に出力する。
ユーザデータ多重部112は、各端末200向けの送信データを、例えば、MU-MIMO又はOFDMA等を用いてユーザ多重する。例えば、ユーザデータ多重部112は、Midamble構成決定部109から入力されるMidamble構成情報に示される端末200毎のMidamble構成に基づいて、端末200(ユーザ)の送信データ(例えば、Midambleを含む)を多重する。ユーザデータ多重部112は、多重した信号を変調部103に出力する。
[端末の構成]
図8は、本実施の形態に係る端末200の構成例を示すブロック図である。
図8において、端末200は、送信パケット生成部201と、変調部202と、無線送受信部203と、アンテナ204と、復調部205と、Midamble構成検出部206と、受信パケット復号部207と、Trigger frame復号部208と、Midamble情報生成部209と、を有する。
送信パケット生成部201は、プリアンブル及びデータから構成される送信パケットを生成する。送信パケットには、例えば、Midamble情報生成部209から出力される、Midamble情報(例えば、Midamble要求又は移動速度情報)が含まれる。送信パケット生成部201は、生成した送信パケットを変調部202に出力する。
変調部202は、送信パケット生成部201から出力される送信パケットに対して変調処理を行い、変調後の信号を無線送受信部203に出力する。
無線送受信部203は、変調部202から出力される信号に対して無線送信処理を行い、無線送信処理後の信号をアンテナ204を介してAP100へ送信する。また、無線送受信部203は、AP100から送信された信号(例えば、Trigger frame、又は、プリアンブル及びデータ)を、アンテナ204を介して受信し、受信した信号に対して無線受信処理を行い、無線受信処理後の信号を復調部205に出力する。
復調部205は、無線送受信部203から出力される信号に対して復調処理を行う。復調部205は、復調後の信号を、Midamble構成検出部206、受信パケット復号部207、Trigger frame復号部208及びMidamble情報生成部209に出力する。例えば、復調部205は、受信信号のデータフィールドに関して、Midamble構成検出部206から出力されるMidamble構成情報(例えば、Midambleの有無又は周期)に基づいて、信号の復調処理を行う。
Midamble構成検出部206は、復調部205から出力される復調信号(例えば、プリアンブル)から、AP100から送信されたHE-SIG-B内のユーザ個別フィールドに設定されているMidamble構成情報を検出する。Midamble構成検出部206は、検出したMidamble構成情報を復調部205に出力する。
受信パケット復号部207は、復調部205から出力される復調信号から、AP100から送信されたプリアンブル又はデータに対する復号処理を行う。受信パケット復号部207は、復号後の信号(受信データ)を出力する。
Trigger frame復号部208は、復調部205から出力される復調信号に含まれる、AP100から送信されたTrigger frameの復号処理を行う。Trigger frame復号部208は、復号後のTrigger frameにおいて、Midamble情報の送信指示を受けた場合、Midamble情報生成部209に対してMidamble情報の出力(又は生成)を指示する。
Midamble情報生成部209は、Trigger frame復号部208からの指示に従って、Midamble情報を生成する。Midamble情報生成部209は、例えば、復調部205から出力される復調信号のレベル変動速度に基づいて、端末200とAP100との間の相対速度を測定する。Midamble情報生成部209は、Trigger frame復号部208からMidamble情報の送信指示を受けた場合、測定した移動速度を示す移動速度情報又はMidamble要求を含むMidamble情報を送信パケット生成部201に出力する。
なお、移動速度情報は、例えば、Doppler状態情報(例えば、0:低速移動、1:高速移動)でもよく、AP100と端末200との間の相対移動速度の推定値でもよい。Midamble要求は、例えば、端末200からAP100に対して、下り回線におけるMidambleの要求の有無を示す信号である。また、Midamble情報は、例えば、Midamble要求(例えば、Midambleの有無を示す1ビット)と、Midamble周期を判断するための速度情報(例えば、高速又は低速を示す1ビット、又は、相対移動速度を表す2ビット以上の情報)とを組み合わせてもよい。
例えば、Midamble情報生成部209は、移動速度情報を出力する場合、移動速度の測定値そのものでもよく、移動速度の測定値から低速移動及び高速移動の何れであるかを判断し、判断結果に基づいてDoppler状態情報(例えば、0:低速移動、1:高速移動)を出力してもよい。
また、Midamble情報生成部209は、Midamble要求を出力する場合、移動速度の測定値がMidamble無しでもチャネル推定精度が劣化しない範囲の値である場合、Midamble無しを示すMidamble要求を出力する。また、Midamble情報生成部209は、移動速度の測定値がMidamble無しではチャネル推定精度が劣化する範囲の値である場合、Midamble有りを示すMidamble要求を出力する。
なお、Midamble情報生成部209において、端末200の移動速度は、復調信号のレベル変動速度から求める場合に限定されない。例えば、端末200が車両(図示せず)に搭載される場合には、Midamble情報生成部209は、車速情報を車速センサなどの別の手段から入手し、車速情報に基づいて、端末200の移動速度を測定してもよい。
[AP100および端末200の動作]
次に、本実施の形態に係るAP100及び端末200の動作の一例について説明する。
図9は、本実施の形態に係る下り回線におけるマルチユーザ多重時のMidamble制御処理例を示すシーケンス図である。
図9では、一例として、2つの端末200(端末1及び端末2)が存在する場合について説明するが、端末200の数は、3個以上でもよい。
また、図9において、端末1の移動速度は低速であり、端末2の移動速度は高速である。換言すると、図9において、端末1に対するMidambleは不要であり、端末2に対するMidambleは必要である。
図9において、AP100は、Midamble情報の送信指示(例えば、移動速度情報の収集指示又はMidamble要求指示)を各端末200(図9では、端末1及び端末2)に通知する(ST101)。Midamble情報の送信指示は、例えば、Trigger frameに含まれ、Trigger frameのTrigger Typeの1つとして定義されてもよい。
各端末200は、AP100からのMidamble情報の送信指示の受信をトリガにして、Midamble情報(例えば、移動速度情報又はMidamble要求)を生成する(ST102-1及びST102-2)。各端末200は、生成したMidamble情報をAP100へ送信する(ST103-1及びST103-2)。
図9の例では、端末1は、低速移動であることを示す移動速度情報、又は、Midamble無しを示すMidamble要求をAP100へ送信する。一方、図9の例では、端末2は、高速移動であることを示す移動速度情報、又は、Midamble有りを示すMidamble要求をAP100へ送信する。
なお、各端末200は、予め定められた送信タイミング(例えば、所定の周期)に基づいて、Midamble情報をAP100へ送信してもよい。この場合、AP100から端末200へのMidamble情報の送信指示(ST101の処理)は不要となる。
AP100は、各端末200から送信されるMidamble情報に基づいて、Midamble構成を端末200毎に決定する(ST104)。AP100は、例えば、各端末200のMidamble構成を、リソースユニット(RU)毎に決定する。図9の例では、AP100は、端末1に対してMidamble無しを設定し、端末2に対してMidamble有り(又はMidamble周期)を設定する。
なお、AP100は、例えば、各端末200から送信される信号の受信レベルの変動又は受信品質を測定し、測定結果に基づいて、各端末200のMidamble構成をRU毎に決定してもよい。この場合、端末200からAP100へMidamble情報を送信するための処理(例えば、ST101、ST102-1、ST102-2、ST103-1及びST103-2の処理)が不要となる。
AP100は、各端末200に設定したMidamble構成に基づいて、プリアンブル及びデータを生成する(ST105)。図9の例では、プリアンブルには、端末1及び端末2の各々に対するMidamble構成情報が含まれる。また、例えば、端末1向けのデータには、Midambleが挿入されず、端末2向けのデータには、Midambleが挿入される。AP100は、生成したプリアンブル及びデータを各端末200へ送信する(ST106)。このように、AP100は、各端末200に設定したMidamble構成情報に基づいて、ユーザ多重される信号(データ)の通信処理(ここでは送信処理)を行う。
各端末200は、AP100から送信されるプリアンブル及びデータに対する受信処理を行う(ST107-1及びST107-2)。例えば、各端末200は、プリアンブルに含まれるMidamble構成情報に従って、データを受信する。
図10は、図9のST106においてユーザ多重される端末1及び端末2向けのプリアンブル及びデータの構成例を示す。
図10の例では、Midamble構成情報は、プリアンブルのHE-SIG-B内のユーザ個別フィールドの各端末200(端末1及び端末2)に対応する領域に含まれる。例えば、端末1に対するMidamble構成情報は、端末1向けのユーザ個別フィールド内の「Midamble構成」サブフィールドに設定される。同様に、例えば、端末2に対するMidamble構成情報は、端末2向けのユーザ個別フィールド内の「Midamble構成」サブフィールドに設定される。
例えば、図9では、AP100は、Midamble構成サブフィールドにおいて、低速移動の端末1に対して、Midamble無しを示すMidamble構成情報を設定し、高速移動の端末2に対して、Midamble有りを示すMidamble構成情報を設定する。また、図10に示すように、AP100は、データフィールドにおいて、リソースユニット1に割り当てられた低速移動の端末1向けのデータにはMidambleを挿入せず、リソースユニット2に割り当てられた高速移動の端末2向けのデータにMidambleを挿入する。
次に、Midamble構成情報におけるビット割当の一例について説明する。
ここでは、一例として、Midamble無しの場合の空間時間ストリーム数は16まで対応し、Midamble有りの場合の空間時間ストリーム数は8まで対応する。Midamble有りの場合に空間時間ストリーム数を8までに制限しているのは、Midambleが必要と判断されるような高速移動環境では、空間時間ストリーム数が16のように多い場合に受信性能を確保できないためである。
また、Midamble構成情報は、空間時間ストリーム数と、Midamble周期とを複合して(換言すると、組み合わせて)定義される場合について説明する。この定義によれば、Midamble構成情報において、Midamble周期に関するビットを増加させることなく、Midamble周期をAP100から端末200に通知できる。
例えば、図10に示すMidamble構成情報(又は、Midamble構成サブフィールド)には、「Midamble有無(例えば、1ビット)」と、「空間時間ストリーム数及びMidamble周期(例えば、4ビット)」とがサブフィールドとして設定される。なお、各フィールドのビット数は図10に示す例に限定されない。
例えば、「Midamble有無」フィールドの1ビットにおいて、「0」はMidamble無しを示し、「1」はMidamble有りを示す。なお、「Midamble有無」フィールドの値(0又は1)と、Midamble有無(有り又は無し)の対応関係は図10に示す関係の逆でもよい。
また、例えば、「空間時間ストリーム数及びMidamble周期」フィールドの4ビットは、Midambleの有無に応じて、割り当てられる情報が異なる。
例えば、図10に示すように、Midamble無しの場合、4ビットの全ビット(例えば、Bit0-3)は、(空間時間ストリーム数-1)の値(0~15の何れか)に対応する。一方、図10に示すように、Midamble有りの場合、4ビットのうち、3ビット(例えば、Bit0-2)は、(空間時間ストリーム数-1)の値(0~7の何れか)に対応し、残りの1ビット(例えば、Bit3)は、Midamble周期に対応する。図10では、Bit3=0は、Midamble周期=10[symbol](換言すると、Midamble周期:小)を示し、Bit3=1は、Midamble周期=20[symbol](換言すると、Midamble周期:大)を示す。なお、Midamble周期は、10又は20[symbol]に限らず、他の値でもよい。
例えば、Midamble構成決定部109は、複数の端末200の各々の移動速度に応じて、Midamble構成を決定する。例えば、Midamble構成において、端末200の移動速度が速いほど、データフィールドにおけるMidambleの数が多く設定される。Midambleの数は、例えば、Midambleの周期(MMA)又はHE-LTFモード(例えば、HE-LTFシンボル数)などによって設定されてもよい。なお、Midamble構成の決定に用いるパラメータは、端末200の移動速度に限らず、端末200の通信環境(例えば、フェージング環境)に対応するパラメータであればよい。
なお、図10に示すMidamble構成のビット割り当ては一例であり、図10に示す割り当てに限定されない。例えば、Midamble構成情報のビット数は5ビットに限定されず、他のビット数でもよい。また、端末200に設定可能な空間時間ストリーム数(例えば、上限値)は16個又は8個に限らず、他の値でもよい。また、「空間時間ストリーム数及びMidamble周期」フィールドにおけるMidamble有りの場合の空間時間ストリーム数(図10では3ビット)と、Midamble周期(図10では1ビット)とのビット割当は、図10に示す例に限定されない。
また、図10に示すように、Midamble構成情報において、空間時間ストリーム数とMidamble周期とが複合的に定義される場合に限定されず、空間時間ストリーム数とMidamble周期とがそれぞれ個別に定義されてもよい。
また、例えば、「空間時間ストリーム数及びMidamble周期」フィールドにおいて、Midamble有りの場合に、Midamble周期の大小に応じて、空間時間ストリーム数の制限(例えば、上限値)を可変に設定してもよい。例えば、Midamble周期が長い場合、空間時間ストリーム数を8までに制限し、Midamble周期が短い場合、空間時間ストリーム数を4までに制限してもよい。
次に、Midamble内のHE-LTFシンボル(例えば、図1を参照)の個数について説明する。
本実施の形態では、Midamble内のHE-LTFシンボル数は、RU毎の空間時間ストリーム数の合計の最大値に対応する個数(例えば、図3を参照)が全てのRUに共通に設定されるのではなく、各RUの空間時間ストリーム数の合計に対応する個数がRU毎に個別に設定される。
例えば、図11は、本実施の形態に係るマルチユーザ多重されたリソースユニット1と、シングルユーザのリソースユニット2とが混在した時のHE-LTFシンボル数の設定例を示す。
なお、AP100(例えば、Midamble構成決定部109)は、MU-MIMO多重される端末200間において同一のMidamble構成を決定する。一方、AP100は、OFDMA多重される端末200間において、各端末移動速度に適したMidamble構成を決定する。例えば、図11に示すリソースユニット1において、MU-MIMO多重される端末1及び端末2には、同一のMidamble構成が決定される。一方、図11に示すリソースユニット1に割り当てられる端末1及び端末2と、リソースユニット2に割り当てられる端末3とには、例えば、各々の端末200の移動速度に応じたMidamble構成が決定される。
例えば、図11において、リソースユニット1に割り当てられた端末1及び端末2の空間時間ストリーム数の合計は4であり、リソースユニット2に割り当てられた端末3の空間時間ストリーム数は2である。この場合、リソースユニット1におけるMidamble内のHE-LTFシンボル数は4に設定され、リソースユニット2におけるMidamble内のHE-LTFシンボル数は2に設定される(例えば、図2を参照)。
図11に示すように、本実施の形態では、リソースユニット毎の空間時間ストリーム数の合計が異なる場合には、リソースユニット毎の空間時間ストリーム数の合計に基づいて、リソースユニット毎に使用されるHE-LTFシンボル数がそれぞれ設定される。
例えば、本実施の形態(例えば、図11を参照)と、図3とを比較する。図3では、シングルユーザのリソースユニット2において、空間時間ストリーム数が2であるにも関わらず、HE-LTFのシンボル数は、他のリソースユニット1と共通の4個に設定される。これに対して、本実施の形態では、図11に示すように、シングルユーザのリソースユニット2において、空間時間ストリーム数(2個)に対応して、HE-LTFのシンボル数は2個に設定される。
これにより、図11に示すリソースユニット2では、図3と比較して、Midambleによるオーバーヘッドの増加を防ぐことができる。換言すると、本実施の形態では、或るリソースユニットにおいて、他のリソースユニットにおける空間時間ストリーム数に依らず、当該リソースユニットにおける空間時間ストリーム数に応じたHE-LTFシンボル数の適切な設定が可能になる。
次に、例えば、図12は、AP100(例えば、路側器)におけるユーザ多重において、移動速度の異なる複数の端末200が混在する一例(例えば、V2X環境)を示す。
図12において、端末1は低速移動(又は停止)しており(例えば、低速フェージング環境)、端末2は中速移動しており(例えば、中速フェージング環境)、端末3は高速移動している(例えば、高速フェージング環境)。この場合、AP100は、Midamble構成の決定において、例えば、端末1に対してMidamble無しを設定し、端末2に対してMidamble有り、かつ、Midamble周期:大を設定し、端末3に対してMidamble有り、かつ、Midamble周期:小を設定する。
図13は、図12において設定した端末1、端末2及び端末3に対するMidamble構成の一例を示す。図13に示すように、ユーザ多重される端末1~3の各々に対して、異なるMidamble構成が設定される。
例えば、図13に示すように、低速移動の端末1向けのデータフィールドには、Midambleが挿入されない。これにより、端末1に対して不要であるMidambleを削減でき、端末1に対するスループットを向上できる。
また、図13に示すように、高速移動の端末3向けのデータフィールドには、端末2よりも短い周期でMidambleが挿入される。これにより、端末3では、Midambleを用いてチャネル推定精度を向上でき、端末3に対するスループットを向上できる。
また、図13に示すように、中速移動の端末2向けのデータフィールドには、端末3よりも長い周期でMidambleが挿入される。これにより、端末2の移動速度に適した数よりも過剰にMidambleが挿入されることなく、チャネル推定精度を向上でき、端末2に対するスループットを向上できる。
このように、本実施の形態によれば、AP100は、Midamble構成を端末200毎に決定してユーザ多重する。この処理により、例えば、下り回線のユーザ多重において、移動速度の異なる端末200が混在するケースでも、各端末200の通信環境に応じたMidamble構成を設定できる。よって、本実施の形態によれば、ユーザ多重される複数の端末200に対して、Midamble構成を端末200毎に効率良く設定でき、各端末200のスループットを向上できる。
また、Midamble構成が異なるRU(換言すると、端末200)を含むマルチユーザ伝送では、プリアンブルのHE-LTFモードに関わらず、Midamble内のHE-LTFモードはデータシンボルと同じ長さのモード(例えば、802.11axの場合は4x HE-LTF)にすることが好ましい。例えば、RU間においてデータシンボルとMidambleシンボルとが混在する場合、データシンボルとMidambleシンボルとが混在する期間を揃えることにより、端末200における復調時のRU間干渉又はキャリア間干渉を防止できる。
また、MidambleシンボルとデータシンボルとのRU間干渉が問題にならない場合(例えば、RU間干渉が与える影響が小さい場合)、Midamble内のHE-LTFモード(例えば、1x/2x/4x HE-LTF)には、各端末200の伝搬路環境に応じて異なるモードが設定されてもよい。例えば、80+80 MHz帯域のように、分離された複数の帯域を結合した周波数帯を用いた伝送の場合、端末200において各帯域に対して個別に受信処理を行うことは容易である。よって、AP100は、端末200に割り当てられた帯域において、異なるMidamble構成の混在を許容してもよく、Midambleの無いRUを設けてもよい。例えば、AP100は、80+80 MHz帯域のうち、一方の80MHz帯域には、高速移動用のMidamble構成のRUを含むように構成して2x HE-LTFのMidambleを挿入し、他方の80MHz帯域には、4x LTFのMidambleを挿入してもよい。
以上、下り回線のMidamble制御方法について説明した。
[上り回線のMidamble制御方法]
次に、上り回線のMidamble制御方法について説明する。
本実施の形態に係る無線通信システムは、端末300及びAP400を備える。例えば、AP400は、OFDMA多重された複数の端末300のデータ信号(上りリンク信号)を受信する。
[端末の構成]
図14は、本実施の形態に係る端末300の構成例を示すブロック図である。
図14において、端末300は、送信パケット生成部301と、変調部302と、無線送受信部303と、アンテナ304と、復調部305と、受信パケット復号部306と、Midamble構成検出部307と、Midamble情報生成部308と、を有する。
送信パケット生成部301は、プリアンブル及びデータから構成される送信パケットを生成する。送信パケットには、例えば、Midamble情報生成部308から出力されるMidamble情報(例えば、Midamble要求又は移動速度情報)が含まれる。また、送信パケット生成部301は、Midamble構成検出部307から出力されるMidamble構成情報に基づいて、送信パケット内のデータフィールドにおける送信データ(例えば、Midambleを含む)の配置を決定する。送信パケット生成部301は、生成した送信パケットを変調部302に出力する。
変調部302は、送信パケット生成部301から出力される送信パケットに対して変調処理を行い、変調後の信号を無線送受信部303に出力する。
無線送受信部303は、変調部302から出力される信号(例えば、Midamble情報、又は、プリアンブル及びデータ)に対して無線送信処理を行い、無線送信処理後の信号をアンテナ304を介してAP400へ送信する。また、無線送受信部303は、AP400から送信された信号(例えば、Trigger frame)を、アンテナ304を介して受信し、受信した信号に対して無線受信処理を行い、無線受信処理後の信号を復調部305に出力する。
復調部305は、無線送受信部303から出力される信号に対して復調処理を行う。復調部305は、復調後の信号を、受信パケット復号部306、Midamble構成検出部307、及びMidamble情報生成部308に出力する。
受信パケット復号部306は、復調部305から出力される復調信号から、AP400から送信されたプリアンブル又はデータに対する復号処理を行う。受信パケット復号部306は、復号後の信号(受信データ)を出力する。
Midamble構成検出部307は、復調部305から出力される復調信号に含まれる、AP400から送信されたTrigger frameの端末毎情報内のフィールド(例えば、User Info field)に設定されているMidamble構成情報を検出する。Midamble構成検出部307は、検出したMidamble構成情報を送信パケット生成部301に出力する。
Midamble情報生成部308は、Midamble情報を生成する。Midamble情報生成部308は、例えば、復調部305から出力される復調信号のレベル変動速度に基づいて、端末300とAP400との間の相対速度を測定する。Midamble情報生成部308は、測定した移動速度を示す移動速度情報又はMidamble要求を含むMidamble情報を送信パケット生成部301に出力する。
なお、Midamble情報生成部308が生成するMidamble情報に含まれる移動速度情報又はMidamble要求は、例えば、図8に示すMidamble情報生成部209が生成する移動速度情報又はMidamble要求と同様でもよい。
また、Midamble情報生成部308において、端末300の移動速度は、復調信号のレベル変動速度から求める場合に限定されない。例えば、端末300が車両(図示せず)に搭載される場合には、Midamble情報生成部308は、車速情報を車速センサなどの別の手段から入手し、車速情報に基づいて、端末300の移動速度を測定してもよい。
[APの構成]
図15は、本実施の形態に係るAP400の構成例を示すブロック図である。
図15において、AP400は、送信パケット生成部401と、Trigger frame生成部402と、変調部403と、無線送受信部404と、アンテナ405と、復調部406と、復号部407と、受信品質測定部408と、Midamble構成決定部409と、を有する。
図15に示すAP400において、Midamble構成決定部409(例えば、制御回路に相当)は、ユーザ多重される複数の端末300に対して、データフィールドに挿入される参照信号(例えば、Midamble)の構成を、複数の端末300毎に決定する。無線送受信部404(例えば、通信回路に相当)は、参照信号の構成に基づいてユーザ多重される信号の通信処理(例えば、受信処理)を行う。
例えば、送信パケット生成部401は、プリアンブル及びデータから構成される送信パケットを生成する。送信パケット生成部401は、生成した送信パケットを変調部403に出力する。
Trigger frame生成部402は、Midamble構成決定部409から出力されるMidamble構成情報を、例えば、端末毎情報内のフィールドに設定して、Trigger frameを生成する。例えば、非特許文献3では、Trigger frameの端末毎情報内にはMidamble構成に対応するフィールド(又はサブフィールド)は定義されていない。本実施の形態では、例えば、非特許文献3において定義されたフィールドに加え、Midamble構成に対応するフィールドを定義してもよい。Trigger frame生成部402は、生成したTrigger frameを変調部403に出力する。
変調部403は、送信パケット生成部401から出力される送信パケット又はTrigger frame生成部402から出力されるTrigger frameに対して変調処理を行う。変調部403は、変調後の信号を無線送受信部404に出力する。
無線送受信部404は、変調部403から出力される信号に対して無線送信処理を行い、無線送信処理後の信号をアンテナ405を介して端末300へ送信する。また、無線送受信部404は、端末300から送信された信号を、アンテナ405を介して受信し、受信した信号に対して無線受信処理を行い、無線受信処理後の信号を復調部406に出力する。
復調部406は、無線送受信部404から出力される受信信号に対して復調処理を行う。復調部406は、復調後の信号を復号部407及び受信品質測定部408に出力する。
復号部407は、復調部406から出力される信号(例えば、端末300から送信されたプリアンブル及びデータを含む)に対して復号処理を行う。復号部407は、例えば、復号後の信号に含まれる各端末300のMidamble情報(移動速度情報又はMidamble要求)をMidamble構成決定部409に出力し、復号後のデータ(受信データ)を出力する。
受信品質測定部408は、復調部406から出力される復調信号を用いて、例えば、受信レベルの変動、信号対雑音比(SNR)、又は、受信誤り率などの受信品質を測定する。受信品質測定部408は、測定した受信品質を示す受信品質情報をMidamble構成決定部409に出力する。
Midamble構成決定部409は、ユーザ多重される複数の端末300に対して、Midamble構成(例えば、データフィールドに挿入される参照信号(HE-LTF等)の構成)を、複数の端末300毎に決定する。Midamble構成決定部409は、例えば、復号部407から出力される、各端末300のMidamble情報、又は、受信品質測定部408から出力される受信品質情報に基づいて、端末300毎のMidamble構成を決定する。
移動速度情報の一例として、Doppler状態情報(例えば、Dopplerモード=0:低速移動、Dopplerモード=1:高速移動)が端末300からAP400へ送信される場合について説明する。この場合、例えば、Midamble構成決定部409は、Doppler状態情報が低速移動を示す端末300に対して、Midambleが不要と判断し、Midamble無しのMidamble構成を設定する。また、例えば、Midamble構成決定部409は、Doppler状態情報が高速移動を示す端末300に対して、Midambleが必要と判断し、Midamble有りのMidamble構成を設定する。
移動速度情報の他の例として、AP400と端末300との間の相対移動速度の推定値が端末300からAP400へ送信される場合について説明する。この場合、例えば、Midamble構成決定部409は、相対移動速度の推定値が、Midamble無しでもチャネル推定精度が劣化しない範囲の値である場合、対応する端末300に対してMidambleが不要と判断し、Midamble無しのMidamble構成を設定する。また、例えば、Midamble構成決定部409は、相対移動速度の推定値が、Midamble無しではチャネル推定精度が劣化する範囲の値である場合、対応する端末300に対してMidambleが必要と判断し、Midamble有りのMidamble構成を設定する。
また、Midamble構成決定部409は、端末300からMidamble要求が通知される場合、Midamble要求(Midambleの有無)に従って、Midamble構成を決定する。
なお、Midamble構成決定部409は、Midambleの周期について、例えば、受信品質情報に基づいて、チャネル推定精度が劣化しない範囲に決定してよい。
Midamble構成決定部409は、決定した端末300毎のMidamble構成を示すMidamble構成情報をTrigger frame生成部402に出力する。
[端末300及びAP400の動作]
次に、本実施の形態に係る端末300及びAP400の動作の一例について説明する。
図16は、本実施の形態に係る上り回線におけるマルチユーザ多重時のMidamble制御処理例を示すシーケンス図である。
図16では、一例として、2つの端末300(端末1及び端末2)が存在する場合について説明するが、端末300の数は、3個以上でもよい。
また、図16において、端末1の移動速度は低速であり、端末2の移動速度は高速である。換言すると、図16において、端末1に対するMidambleは不要であり、端末2に対するMidambleは必要である。
図16において、各端末300は、Midamble情報(例えば、移動速度情報又はMidamble要求)を生成する(ST201-1及びST201-2)。各端末300は、生成したMidamble情報をAP400へ送信する(ST202-1及びST202-2)。
図16の例では、端末1は、低速移動であることを示す移動速度情報、又は、Midamble無しを示すMidamble要求をAP400へ送信する。一方、図16の例では、端末2は、高速移動であることを示す移動速度情報、又は、Midamble有りを示すMidamble要求をAP400へ送信する。
なお、各端末300は、AP400からの指示(例えば、Midamble情報の送信指示。図示せず)の受信をトリガにして、Midamble情報(例えば、移動速度情報又はMidamble要求)をAP400へ送信してもよく、予め定められた送信タイミング(例えば、所定の周期)に基づいて、Midamble情報をAP400へ送信してもよい。
AP400は、各端末300から送信されるMidamble情報に基づいて、Midamble構成を端末300毎に決定する(ST203)。AP400は、例えば、各端末300のMidamble構成を、RU毎に決定する。図16の例では、AP400は、端末1に対してMidamble無しを設定し、端末2に対してMidamble有り(又はMidamble周期)を設定する。
なお、AP400は、例えば、各端末300から送信される信号の受信レベルの変動又は受信品質を測定し、測定結果に基づいて、各端末300のMidamble構成をRU毎に決定してもよい。この場合、端末300からAP400へMidamble情報を送信するための処理(例えば、ST201-1、ST201-2、ST202-1及びST202-2の処理)が不要となる。
AP400は、各端末300に設定したMidamble構成を示すMidamble構成情報を、例えば、Trigger frameの端末毎情報内のMidamble構成フィールドに設定して、Trigger frameを生成する(ST204)。AP400は、生成したTrigger frameを各端末300へ送信する(ST205)。
各端末300は、例えば、Trigger frameに含まれる端末300毎に設定されたMidamble構成情報に基づいて、プリアンブル及びデータを生成する(ST206-1及びST206-2)。図16の例では、端末1は、データフィールドにおいてMidambleを挿入せず、端末2は、データフィールドにおいてMidambleを挿入する。各端末300は、生成したプリアンブル及びデータをAP400へ送信する(ST207-1及びST207-2)。
AP400は、各端末300から送信されるプリアンブル及びデータに対する受信処理を行う(ST208)。例えば、AP400は、各端末300に対して設定したMidamble構成情報に従って、データを受信する。このように、AP400は、各端末300に設定したMidamble構成情報に基づいて、ユーザ多重される信号(データ)の通信処理(ここでは受信処理)を行う。
図17は、図16のST205においてAP400から各端末300へ通知されるTrigger frameの構成例を示す。
図17の例では、Midamble構成情報は、Trigger frameの端末毎情報フィールド(ユーザ情報フィールド)の各端末300(端末1及び端末2)に対応する領域に含まれる。例えば、端末1に対するMidamble構成情報は、端末1向けの端末毎情報1フィールド内の「Midamble構成」サブフィールドに設定される。同様に、例えば、端末2に対するMidamble構成情報は、端末2向けの端末毎情報2フィールド内の「Midamble構成」サブフィールドに設定される。
例えば、図16の例では、AP400は、Midamble構成サブフィールドにおいて、低速移動の端末1に対して、Midamble無しを示すMidamble構成情報を設定し、高速移動の端末2に対して、Midamble有りを示すMidamble構成情報を設定する。
図18は、図16のST207-1及びST207-2においてユーザ多重される端末1及び端末2から送信される送信パケット(例えば、プリアンブル及びデータ)の構成例を示す。
図18に示すように、低速移動の端末1は、データフィールドにおいて、リソースユニット1に割り当てられたデータにはMidambleを挿入しない。一方、図18に示すように、高速移動の端末2は、データフィールドにおいて、リソースユニット2に割り当てられたデータにMidambleを挿入する。
次に、Midamble構成情報におけるビット割当の一例について説明する。
ここでは、一例として、上述した下り回線の制御方法における例と同様、Midamble無しの場合の空間時間ストリーム数は16まで対応し、Midamble有りの場合の空間時間ストリーム数は8まで対応する。
また、Midamble構成情報は、HE-LTFシンボル数と、Midamble周期とを複合して(換言すると、組み合わせて)定義される場合について説明する。この定義によれば、HE-LTFシンボル数に関するビットを増加させることなく、Midamble周期をAP400から端末300に通知できる。
例えば、図17に示すMidamble構成情報(又は、Midamble構成サブフィールド)には、「Midamble有無(例えば、1ビット)」と、「HE-LTFシンボル数及びMidamble周期(例えば、4ビット)」とがサブフィールドとして設定される。なお、各フィールドのビット数は図17に示す例に限定されない。
例えば、「Midamble有無」フィールドの1ビットにおいて、「0」はMidamble無しを示し、「1」はMidamble有りを示す。なお、「Midamble有無」フィールドの値(0又は1)と、Midamble有無(有り又は無し)の対応関係は図10に示す関係の逆でもよい。
また、例えば、「HE-LTFシンボル数及びMidamble周期」フィールドの4ビットは、Midambleの有無に応じて、割り当てられる情報が異なる。
例えば、図17に示すように、Midamble無しの場合、4ビットの全てのビット(例えば、Bit0-3)は、(HE-LTFシンボル数-1)の値(0~15の何れか)に対応する。一方、図17に示すように、Midamble有りの場合、4ビットのうち、3ビット(例えば、Bit0-2)は、(HE-LTFシンボル数-1)の値(0~7の何れか)に対応し、残りの1ビット(例えば、Bit3)は、Midamble周期に対応する。図17では、Bit3=0は、Midamble周期=10[symbol](換言すると、Midamble周期:小)を示し、Bit3=1は、Midamble周期=20[symbol](換言すると、Midamble周期:大)を示す。なお、Midamble周期は、10又は20[symbol]に限らず、他の値でもよい。
例えば、Midamble構成決定部409は、複数の端末300の各々の移動速度に応じて、Midamble構成を決定する。例えば、Midamble構成において、端末300の移動速度が速いほど、データフィールドにおけるMidambleの数が多く設定される。Midambleの数は、例えば、Midambleの周期(MMA)又はHE-LTFモード(例えば、HE-LTFシンボル数)などによって設定されてもよい。なお、Midamble構成の決定に用いるパラメータは、端末300の移動速度に限らず、端末300の通信環境(例えば、フェージング環境)に対応するパラメータであればよい。
なお、図17に示すMidamble構成のビット割り当ては一例であり、図17に示す割り当てに限定されない。例えば、Midamble構成情報のビット数は5ビットに限定されず、他のビット数でもよい。また、端末200に設定可能なHE-LTFシンボル数(例えば、上限値)は16個又は8個に限らず、他の値でもよい。また、「HE-LTFシンボル数及びMidamble周期」フィールドにおけるMidamble有りの場合のHE-LTFシンボル数(図17では3ビット)と、Midamble周期(図17では1ビット)とのビット割当は、図17に示す例に限定されない。
また、図17に示すように、Midamble構成情報において、HE-LTFシンボル数とMidamble周期とが複合的に定義される場合に限定されず、HE-LTFシンボル数とMidamble周期とがそれぞれ個別に定義されてもよい。
このように、本実施の形態によれば、AP400は、Midamble構成を端末300毎に決定し、各端末300は、端末300毎に決定されたMidamble構成に基づいて上りリンク信号を送信(例えば、ユーザ多重)する。この処理により、例えば、上り回線のユーザ多重において、移動速度の異なる端末300が混在するケースでも、各端末300の通信環境に応じたMidamble構成を設定できる。よって、本実施の形態によれば、ユーザ多重される複数の端末300に対して、Midamble構成を端末300毎に効率良く設定でき、各端末300のスループットを向上できる。
例えば、低速移動の端末300に対して不要なMidambleを削減でき、当該端末300に対するスループットを向上できる。また、例えば、高速移動の端末300に対してMidambleの挿入により、チャネル推定精度を向上でき、スループットを向上できる。
以上、上り回線のMidamble制御方法について説明した。
このように、本実施の形態では、AP(例えば、AP100又はAP400)は、ユーザ多重される複数の端末(例えば、端末200又は端末300)に対して、データフィールドに挿入されるMidambleの構成を、複数の端末毎に決定し、決定したMidamble構成に基づいて、ユーザ多重される信号の通信処理を行う。また、端末(例えば、端末200又は端末300)は、例えば、端末毎の通信環境に応じて設定されたMidamble構成に基づいて、通信処理を行う。
これにより、本実施の形態では、APは、端末毎の通信環境(例えば、移動速度)に応じて、端末毎のMidamble構成を適切に設定できる。この設定により、例えば、低速移動の端末に対する不要なMidambleを削減でき、スループットを向上できる。また、例えば、高速移動の端末に対するチャネル推定精度を向上でき、スループットを向上できる。
また、例えば、車載向け規格であるIEEE 802.11pの次世代規格として検討が開始されているNGVにおいても、例えば、車両毎の移動速度の違いによって車載端末間のフェージング環境に応じて、端末毎のMidamble構成を設定することにより、各端末のスループットを向上できる。
なお、本実施の形態では、下り回線のMidamble制御では、Midamble構成に「空間時間ストリーム数」を含め、上り回線のMidamble制御では、Midamble構成に「HE-LTFシンボル数」を含める場合について説明した。しかし、本実施の形態では、Midamble構成に「空間時間ストリーム数」又は「HE-LTFシンボル数」が含まれればよい。
(実施の形態2)
本実施の形態では、端末毎の情報ビット数が異なり、例えば、データフィールドにおけるOFDMA多重のためのPaddingビット数などの冗長度が端末間で異なっている条件(例えば、図4を参照)を想定する。
本実施の形態では、データフィールドにおける冗長度に対応する部分をMidambleに置き換えて活用する方法について説明する。
図19は、本実施の形態に係るAP500の構成例を示すブロック図であり、図20は、本実施の形態に係る端末600の構成例を示すブロック図である。なお、図19及び図20において、実施の形態1(例えば、図7及び図8)と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
例えば、図19に示すAP500では、Midamble構成決定部501の動作が実施の形態1と異なる。また、図20に示す端末600では、Midamble構成検出部601の動作が実施の形態1と異なる。
図19に示すAP500において、Midamble構成決定部501(例えば、制御回路に相当)は、ユーザ多重される複数の端末600に対して、データフィールドに挿入される参照信号(例えば、Midamble)の構成を、複数の端末600毎に決定する。無線送受信部104(例えば、通信回路に相当)は、参照信号の構成に基づいてユーザ多重される信号の通信処理(例えば、送信処理)を行う。
例えば、図19に示すAP500において、Midamble構成決定部501には、データフィールドにおける冗長度を計算するためのパラメータ(以下、冗長度計算パラメータと呼ぶ)が入力される。Midamble構成決定部501は、冗長度計算パラメータを用いて、冗長度を計算する。
冗長度は、例えば、各端末600に対する情報ビット以外に付加される情報量である。例えば、冗長度は、Paddingビットのビット数で表される。
冗長度計算パラメータには、例えば、ユーザ数(端末600の数)、各ユーザ(端末600)のパケット長、RUサイズ、ストリーム数、MCS(Modulation and Coding Scheme)、FEC(Forward Error Correction)コーディング種別等がある。
また、Paddingビット数は、例えば、802.11ax規格(例えば、非特許文献3を参照)で定められている式(28-60)~(28-63)、(28-76)~(28-88)に従って計算される。なお、Paddingビット数の計算方法は、802.11ax規格に定められた方法に限定されない。
以下、Paddingビット(例えば、FEC前のPaddingビットであるpre-FEC Paddingビット)のビット数を「NPAD,Pre-FEC,u」と表す。
例えば、Midamble構成決定部501は、次式に従って、端末600に送信するデータに対するPaddingビット(例えば、pre-FEC Paddingビット)部分に挿入可能なMidamble数(以下、「N
Midamble,PAD,Pre-FEC,u」と表す)を算出する。
ここで、Ruは、端末番号uの端末600に設定される符号化率を示し、NHE-LTFは、HE-LTFフィールド内のOFDMシンボル数を示し、THE-LTF-SYMは、HE-LTFフィールド内のガードインターバルを含むOFDMシンボル長を示す。また、式(1)の右辺の関数は、変数A(ここでは、A=NPAD,Pre-FEC,u/(Ru・NHE-LTF・THE-LTF-SYM))以下の最大の整数を返す関数(例えば、floor関数)である。
また、Midamble構成決定部501は、式(1)に従って算出したMidamble数の部分を除いたPaddingビット数(以下、「N
PAD,Pre-FEC,remaining,u」と表す)を次式に従って算出する。
Midamble構成決定部501は、FEC後の符号化ビット(例えば、ビット数を「N
CBPS,last,u」と表す)を、式(1)に従って算出されたMidamble数+1(N
Midamble,PAD,Pre-FEC,u+1)で分割し、次式で示す間隔(又は周期)(以下、「M
MA,pre-FEC,u」と表す)で分割されたシンボルの間にMidambleを設定する。
ここで、式(3)の右辺の関数は、変数A(ここでは、A=NCBPS,last,u/(NMidamble,PAD,Pre-FEC,u+1))以上の最小の整数を返す関数(例えば、ceil関数)である。
以上により、データフィールドに挿入されるMidamble数が決定される。Midamble構成決定部501は、決定したMidamble構成を示すMidamble構成情報をユーザ個別フィールド生成部110及びユーザデータ多重部112に出力する。
AP500は、端末600毎に決定したMidamble構成に基づいて、ユーザ多重される複数の端末600向けのデータを送信する。
一方、図20に示す端末600において、Midamble構成検出部601は、Midamble構成決定部501と同様にして、冗長度計算パラメータを用いて、端末600に設定されるMidamble構成を算出し、算出したMidamble構成を示す情報を復調部205に出力する。これにより、各端末600は、端末600毎に決定されたMidamble構成に基づいて、ユーザ多重されるデータを受信する。
なお、AP500は、Midamble構成決定部501において決定されたMidamble構成を示すMidamble構成情報を、例えば、実施の形態1と同様、HE-SIG-B内のユーザ個別フィールドに設定して端末600に通知してもよい。この場合は、端末600のMidamble構成検出部601は、例えば、HE-SIG-B内のユーザ個別フィールドからMidamble構成情報を検出し、検出したMidamble構成情報を復調部205に出力する。
また、AP500及び端末600は、例えば、Midambleを挿入可能な範囲内において、各端末600に対して必要な分のMidambleを設定してもよい。例えば、AP500及び端末600は、実施の形態1と同様、端末600の通信環境(例えば、移動速度)に応じて、端末600毎のMidamble数を決定してもよい。これにより、端末600の移動速度に適したRU毎のMidamble構成を決定できるため、端末600の受信性能が向上し、スループットが向上する。なお、本実施の形態において、Midamble情報を用いずに冗長度を用いてMidamble構成が決定される場合、図19に示すAP500及び図20に示す端末600において、Midamble情報の生成及び通知のための構成は省略できる。
図21は、本実施の形態に係るOFDMA多重時のMidamble構成の一例である。
図21では、一例として、4つの端末600(端末1~端末4)がユーザ多重(OFDMA多重)される場合について説明する。なお、ユーザ多重される端末600の個数は4個に限定されない。
また、図21では、端末1、端末2、端末3及び端末4の順に、情報ビット数が少ない。換言すると、端末1、端末2、端末3及び端末4の順に、ユーザ多重のためのPaddingビット数(例えば、pre-FEC Paddingビット数)等の冗長度が大きい。
図21の場合、AP500は、端末600毎のPaddingビット数などの冗長度に応じて、Midamble構成(例えば、Midamble数(NMidamble,PAD,Pre-FEC,u)又は周期(MMA,pre-FEC,u))を決定する。
図21に示すように、各端末600のMidamble構成において、端末600の冗長度が大きいほど、Midamble数は多くなる。例えば、図21では、端末1には5個のMidambleが設定され、端末2には3個のMidambleが設定され、端末3には2個のMidambleが設定され、端末4にはMidambleが設定されない。
このように、本実施の形態では、端末600に対するデータフィールドにおいて、Paddingビット(換言すると、冗長ビット)の代わりに、Midambleが挿入されることによって、冗長度が減る。換言すると、端末600に対するデータフィールドにおいて、Midambleの挿入によって情報ビットは減らない。このため、本実施の形態によれば、Midamble挿入によるオーバーヘッドの増加を防ぐことができる。これにより、本実施の形態では、AP500は、端末600毎の冗長度に応じて、端末600毎のMidamble構成を適切に設定できる。
なお、本実施の形態に係るMidamble数の決定方法の一例として、冗長度(例えば、冗長度に対応するビット数そのもの又はビット数に対応したグループ識別番号)と、Midamble構成(例えば、データフィールドに挿入されるMidamble数)とは予め対応付けられてもよい。この場合、AP500は、各端末600の冗長度に関する情報又は識別子(例えば、冗長度に対応するビット数又はグループ識別番号)を端末600へ通知する。これにより、端末600は、AP500から通知される情報に基づいて、Midamble数を決定できる。
また、本実施の形態では、シンボル数が最も多い端末600(換言すると、冗長度が小さい端末600)のMidamble数を減らすことで、OFDMシンボル数を減らすこともできる。
また、本実施の形態では、下り回線におけるMidamble構成の設定について説明したが、本実施の形態は、上り回線におけるMidamble構成の設定に対しても同様に適用できる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、Trigger frameにおいて、例えば、端末の速度条件に応じたRA(Random Access)用AID(Association ID)及びMidamble構成を定義する。これにより、端末は、端末の移動速度に適したMidamble構成に基づいてRA送信できる。
本実施の形態に係る無線通信システムは、AP700及び端末800を備える。例えば、AP700は、OFDMA多重された複数の端末800のRA信号を受信する。
[APの構成]
図22は、本実施の形態に係るAP700の構成例を示すブロック図である。
図22において、AP700は、送信パケット生成部701と、RA用AID決定部702と、Trigger frame生成部703と、変調部704と、無線送受信部705と、アンテナ706と、受信処理部(例えば、復調部707及び復号部708)と、を有する。
図22に示すAP700において、RA用AID決定部702(例えば、制御回路に相当)は、ユーザ多重される複数の端末800に対して、データフィールドに挿入される参照信号(例えば、Midamble)の構成(換言すると、Midamble構成に対応するRA用AID)を、複数の端末800毎に決定する。無線送受信部705(例えば、通信回路に相当)は、参照信号の構成に基づいてユーザ多重される信号の通信処理(例えば、受信処理)を行う。
例えば、送信パケット生成部701は、プリアンブル及びデータから構成される送信パケットを生成する。送信パケット生成部701は、生成した送信パケットを変調部704に出力する。
RA用AID決定部702は、各端末800に対して設定するRA用AIDを決定する。
RA用AIDは、RA送信に使用するリソースユニット(RU)を端末800に指示するための信号である。本実施の形態では、RA用AIDには、RA送信用のRUに加え、当該RUにおいて設定されるMidamble構成が対応付けられている。また、例えば、Midamble構成は、実施の形態1と同様に端末の移動速度に応じて設定される。換言すると、RA用AIDは、端末の速度条件(例えば、低速、中速及び高速の何れか)に応じて対応付けられている。端末の速度条件に応じたRA用AIDには、例えば、端末に割り当てられたAIDの通知によってRUを割り当てる方法である「Scheduled access」において未使用のAIDが設定されてもよい。
RA用AID決定部702は、例えば、復号部708から出力される、各端末800から送信されたMidamble情報(例えば、移動速度情報)に基づいて、各端末800の移動速度に応じたRA用AID(換言すると、Midamble構成)を決定する。RA用AID決定部702は、決定した各端末800のRA用AIDをTrigger frame生成部703に出力する。
Trigger frame生成部703は、RA用AID決定部702から出力されるRA用AIDを含むTrigger frameを生成する。Trigger frame生成部703は、生成したTrigger frameを変調部704に出力する。
変調部704は、送信パケット生成部701から出力される送信パケット又はTrigger frame生成部703から出力されるTrigger frameに対して変調処理を行う。変調部704は、変調後の信号を無線送受信部705に出力する。
無線送受信部705は、変調部704から出力される信号に対して無線送信処理を行い、無線送信処理後の信号をアンテナ706を介して端末800へ送信する。また、無線送受信部705は、端末800から送信された信号(例えば、Midamble情報又はRA信号)を、アンテナ706を介して受信し、受信した信号に対して無線受信処理を行い、無線受信処理後の信号を受信処理部の復調部707に出力する。このように、AP700は、RA用AIDを端末800へ通知することにより、当該RA用AIDに対応付けられたMidamble構成を端末800に対して暗黙的に通知する。
復調部707は、無線送受信部705から出力される受信信号に対して復調処理を行う。復調部707は、復調後の信号を復号部708に出力する。
復号部708は、復調部707から出力される信号(例えば、端末800から送信されたプリアンブル又はデータを含む)に対して復号処理を行う。復号部708は、例えば、復号後の信号に含まれるMidamble情報をRA用AID決定部702に出力し、復号後の信号に含まれる復号後のデータ(受信データ)を出力する。
なお、復調部707及び復号部708は、各端末800に通知するRA用AIDに対応付けられたRU及びMidamble構成に従って、受信処理(例えば、復調処理及び復号処理)を行う。
[端末の構成]
図23は、本実施の形態に係る端末800の構成例を示すブロック図である。
図23において、端末800は、送信パケット生成部801と、変調部802と、無線送受信部803と、アンテナ804と、復調部805と、受信パケット復号部806と、Midamble情報生成部807と、Trigger frame検出部808と、Midamble構成選択部809と、を有する。
送信パケット生成部801は、プリアンブル及びデータから構成される送信パケット(例えば、RA信号)を生成する。送信パケットには、例えば、Midamble情報生成部807から出力されるMidamble情報が含まれる。また、送信パケット生成部801は、Midamble構成選択部809から出力されるMidamble構成情報及びRU情報に基づいて、送信データ(例えば、Midambleを含む)の配置を決定する。送信パケット生成部801は、生成した送信パケットを変調部802に出力する。
変調部802は、送信パケット生成部801から出力される送信パケットに対して変調処理を行い、変調後の信号を無線送受信部803に出力する。
無線送受信部803は、変調部802から出力される信号(例えば、Midamble情報又はRA信号)に対して無線送信処理を行い、無線送信処理後の信号をアンテナ804を介してAP700へ送信する。また、無線送受信部803は、AP700から送信された信号(例えば、Trigger frame)を、アンテナ804を介して受信し、受信した信号に対して無線受信処理を行い、無線受信処理後の信号を復調部805に出力する。
復調部805は、無線送受信部803から出力される信号に対して復調処理を行う。復調部805は、復調後の信号を、受信パケット復号部806、Trigger frame検出部808、及び、Midamble情報生成部807に出力する。
受信パケット復号部806は、復調部805から出力される復調信号から、AP700から送信されたプリアンブル又はデータに対する復号処理を行う。受信パケット復号部806は、復号後の信号(受信データ)を出力する。
Midamble情報生成部807は、Midamble情報を生成する。Midamble情報生成部807は、例えば、復調部805から出力される復調信号のレベル変動速度に基づいて、端末800とAP700との間の相対速度を測定する。Midamble情報生成部807は、測定した移動速度を示す移動速度情報を含むMidamble情報を送信パケット生成部801に出力する。なお、Midamble情報生成部807において、端末800の移動速度は、復調信号のレベル変動速度から求める場合に限定されない。例えば、端末800が車両(図示せず)に搭載される場合には、Midamble情報生成部807は、車速情報を車速センサなどの別の手段から入手し、車速情報に基づいて、端末800の移動速度を測定してもよい。
Trigger frame検出部808は、復調部805から出力される復調信号から、Trigger frameを検出する。Trigger frame検出部808は、検出したTrigger frameに含まれる端末800に設定されたRA用AIDをMidamble構成選択部809に出力する。
Midamble構成選択部809は、Trigger frame検出部808から出力されるRA用AIDに対応付けられた少なくとも1つのRUの中から、RA送信に用いるRUをランダムに選択する。また、Midamble構成選択部809は、Trigger frame検出部808から出力されるRA用AIDに対応付けられたMidamble構成を選択する。Midamble構成選択部809は、選択したMidamble構成を示すMidamble構成情報、及び、選択したRUを示すRU情報を送信パケット生成部801に出力する。
図24は、AP700から端末800へ通知されるTrigger frameの構成例を示す。
図24に示すように、RA用AIDは、例えば、Trigger frameの端末毎情報フィールド(ユーザ情報フィールド)内の「AID12」サブフィールドに設定される。例えば、図24の端末毎情報フィールドのAID12サブフィールドでは、アソシエーション時に端末800に割り当てられるAIDが通知される。また、図24の端末毎情報フィールドのAID12サブフィールドでは、RA用AIDが通知される。RA用AIDは、例えば、アソシエーション時に端末800に割り当てられるAIDに未使用のAIDである。
本実施の形態では、例えば、図24に示すように、RA用AIDと、端末速度(例えば、低速、中速及び高速)と、Midamble構成とがそれぞれ対応付けられている。
図24では、端末800の速度条件に応じたRA用AIDには、例えば、Scheduled accessにおいて未使用のAID(例えば、AID=0,2043及び2044)が使用される。例えば、Trigger frameにおいて通知されるAIDが0,2043及び2044の何れかの場合、端末800は、RU Allocationサブフィールドにおいて指示されるRUがRA用RUであることを特定できる。
なお、RA用AIDには、Scheduled accessにおいて未使用のAIDに限らず、他のAIDが使用されてもよい。また、図24では、Associated STAの場合(換言すると、Scheduled accessにおいて未使用のAIDをRA用AIDとして定義する場合)の一例を示すが、Non associated STA用に別途RA用AIDを定義してもよい。
図24では、一例として、RA用AID=0,2043及び2044の各々に対応して異なるMidamble構成(例えば、有無及び周期)がそれぞれ定義されている。例えば、RA用AID=0には、低速の端末速度、及び、Midamble無しのMidamble構成が対応付けられている。また、RA用AID=2043には、中速の端末速度、及び、Midamble有りかつ周期MMA=20のMidamble構成が対応付けられている。また、RA用AID=2044には、高速の端末速度、及び、Midamble有りかつ周期MMA=10のMidamble構成が対応付けられている。
AP700は、例えば、端末800の移動速度に対応するRA用AIDを決定する。これにより、端末800に対して、端末800の移動速度に対応するMidamble構成が決定される。
図25は、RUとMidamble構成との対応の一例を示す。
図25では、RA用AID=0(低速端末用)には、RU0及びRU1が対応付けられ、RA用AID=2043(中速端末用)には、RU2及びRU3が対応付けられ、RA用AID=2044(高速端末用)には、RU4及びRU5が対応付けられている。
端末800は、AP700から送信されるTrigger frameに含まれるRA用AIDに対応する、RU及びMidamble構成を特定する。
例えば、端末800の移動速度が低速の場合、端末800は、図25に示すRU0及びRU1の中からRUをランダムに選択する。また、端末800は、RA送信においてMidambleを挿入しない。
また、例えば、端末800の移動速度が中速の場合、端末800は、図25に示すRU2及びRU3の中からRUをランダムに選択する。また、端末800は、RA送信において周期MMA=20のMidambleを挿入する。
また、例えば、端末800の移動速度が高速の場合、端末800は、図25に示すRU4及びRU5の中からRUをランダムに選択する。また、端末800は、RA送信において周期MMA=10のMidambleを挿入する。
このように、本実施の形態では、RA用RUを指示するRA用AID(例えば、ランダムアクセス用リソースを指示する識別子に相当)と、Midamble構成(例えば、データフィールドに挿入される参照信号の構成に相当)とが予め対応付けられている。また、RA用RU(例えば、ランダムアクセス用リソースを指示する識別子に相当)は、端末800の移動速度に関する条件(例えば、図24では端末速度)と対応付けられている。これにより、端末800は、RA用AIDの通知に基づいて、端末800の移動速度に応じたMidamble構成によってRA送信できるので、スループットが向上する。また、本実施の形態では、RA用AIDとMidamble構成とが予め定義されるので、AP700から端末800へのRA用AIDの通知の他に、Midamble構成情報を通知するための新たなシグナリングが不要となる。
なお、本実施の形態では、AP700が、端末800の移動速度に応じてRA用AIDを決定する場合について説明した。しかし、本実施の形態では、端末800は、例えば、RA用AID(例えば、図24では0、2043及び2044の何れか)の中から、端末800の移動速度に対応するRA用AIDを選択し、選択した値に対応付けられたRU及びMidamble構成を選択してもよい。この場合、端末800は、AP700に対して、端末800の移動速度情報を通知しなくてもよい。例えば、AP700は、端末800から送信される上りリンク信号レベルの測定結果に基づいてAP700と端末800との相対速度レベルを算出し、算出した相対速度レベルに基づいて、当該端末800に対するRA用AIDを決定してもよい。
(実施の形態4)
本実施の形態では、Midamble構成は、複数の周波数帯毎に予め規定されている。
例えば、マルチユーザ多重時又はマルチバンドにおけるMU多重時を想定し、RU又はバンド毎に、Midamble構成が予め規定される。
例えば、高速移動端末用のRU、中速移動端末用のRU、及び、低速移動端末用のRUが予め設定されてよい。各RUには、例えば、想定する端末速度に応じたMidamble構成が規定されている。この場合、APは、端末の移動速度に応じて、当該端末に対応する送信パケットが割り当てられる(又は収容される)RU、及び、Midamble構成を決定する。
または、高速移動端末用のバンド、中速移動端末用バンド、及び、低速移動端末用のバンドが予め設定されてもよい。各バンドには、例えば、想定する端末速度に応じたMidamble構成が規定されている。この場合、APは、端末の移動速度に応じて、当該端末に対応する送信パケットが割り当てられる(又は収容される)バンド、及び、Midamble構成を決定する。
このようにすることで、本実施の形態では、実施の形態1と同様、不要なMidambleを削減でき、スループットを向上できる。また、本実施の形態では、Midamble構成が予め規定されているので、Midamble構成を通知するための新たなシグナリングが不要となる。
なお、本実施の形態に係るAP及び端末は、例えば、実施の形態1~3(図7、図8、図14、図15、図19、図20、図22及び図23)の何れかの構成を備えてよい。
以下、本実施の形態に係る、RU又はバンド毎にMidamble構成が規定される例について説明する。
<例1>
図26は、RU毎にMidamble構成が規定される例を示す。
図26に示すRU0及びRU1は低速移動端末用RUであり、RU0及びRU1には、低速移動端末用のMidamble構成(例えば、Midamble無し)が規定される。また、図26に示すRU2は中速移動端末用RUであり、RU2には、中速移動端末用のMidamble構成(例えば、Midamble有り、及び、周期:大(MMA =20)が規定される。また、図26に示すRU3は高速移動端末用RUであり、RU3には、高速移動端末用のMidamble構成(例えば、Midamble有り、及び、周期:小(MMA =10)が規定される。
例えば、端末の移動速度に応じて、当該端末が収容されるRU、及び、端末に設定されるMidamble構成が決定される。
<例2>
図27は、バンド毎にMidamble構成が規定される例を示す。
図27に示すバンド0は低速移動端末用バンドであり、バンド0には、低速移動端末用のMidamble構成(例えば、Midamble無し)が規定される。また、図27に示すバンド1は中速移動端末用バンドであり、バンド1には、中速移動端末用のMidamble構成(例えば、Midamble有り、及び、周期:大(MMA =20)が規定される。また、図27に示すバンド2は高速移動端末用バンドであり、バンド2には、高速移動端末用のMidamble構成(例えば、Midamble有り、及び、周期:小(MMA =10)が規定される。
例えば、端末の移動速度に応じて、当該端末が収容されるバンド、及び、端末に設定されるMidamble構成が決定される。
<例3>
各バンドが配置される周波数帯によってフェージング環境が異なる。そこで、例3では、各バンドが配置される周波数帯のフェージング環境に応じてMidamble構成が規定される。
図28は、バンド毎にMidamble構成が規定される他の例を示す。
図28に示すバンド0では低速フェージング環境であり、バンド0には、低速フェージング用のMidamble構成(例えば、Midamble無し)が規定される。また、図28に示す、バンド0よりも高い周波数帯に配置されるバンド1では中速フェージング環境であり、バンド1には、中速フェージング用のMidamble構成(例えば、Midamble有り、及び、周期:大(MMA =20)が規定される。また、図28に示す、バンド1よりも高い周波数帯に配置されるバンド2では高速フェージング環境であり、バンド2には、高速フェージング用のMidamble構成(例えば、Midamble有り、及び、周期:小(MMA =10)が規定される。
例えば、端末が収容されるバンドに応じて、当該バンドのフェージング環境に適したMidamble構成が決定される。
<例4>
例4では、少なくとも1つのバンド(又はRU)において、複数のMidamble構成が規定される。
図29は、バンド毎にMidamble構成が規定される他の例を示す。
図29に示すバンド0は低速移動端末用バンドであり、バンド0には、低速移動端末用のMidamble構成(例えば、Midamble無し)が規定される。
また、図29に示すバンド1は中速移動端末用バンドであり、バンド1には、中速移動端末用のMidamble構成として、例えば、Midamble有り及び周期:中(MMA =10)、及び、Midamble有り及び周期:大(MMA =20)が規定される。
また、図29に示すバンド2は高速移動端末用バンドであり、バンド2には、高速移動端末用のMidamble構成として、例えば、Midamble有り及び周期:小(MMA =5)、及び、Midamble有り及び周期:中(MMA =10)が規定される。
例えば、端末が収容されるバンドに応じて、当該バンドのフェージング環境に適したMidamble構成が決定される。また、図29に示すバンド1及びバンド2において、例えば、実施の形態1と同様に、複数のMidamble構成の候補の中から、端末の移動速度に応じて1つのMidamble構成(周期)が選択される。
なお、図29は、一例であり、バンド1及びバンド2に規定されるMidamble構成の候補数は2に限らず、バンド0に規定されるMidamble構成の候補数は1に限らない。例えば、異なるバンド(図29のバンド1及びバンド2)に設定されるMidamble構成(例えば、周期)の候補は、一部が重複していてもよく、全てが異なってもよい。
<例5>
図30は、バンド毎にMidamble構成が規定される他の例を示す。
図30に示すバンド0は、APと端末とが接続するアソシエーション用のバンドであり、バンド0には、例えば、Midamble無しが規定される。
また、図30に示すバンド1は、高速データ伝送用のバンドであり、バンド1には、例えば、Midamble有り、かつ、複数のMidamble周期(例えば、周期:大(MMA =20)及び周期:小(MMA =10))が規定される。
例えば、端末の動作(例えば、アソシエーション又は高速伝送)に応じてバンド及びMidamble構成が決定される。また、図30に示すバンド1において、例えば、実施の形態1と同様に、複数のMidamble構成の候補の中から、端末の移動速度に応じて1つのMidamble構成(周期)が選択される。
なお、図30では、バンド1において、複数のMidamble周期の候補が規定される例を示しているが、これに限定されず、例えば、複数のMidamble周期が異なるバンド毎に固定的に規定されてもよい。
また、上述したRU又はバンド毎に規定されたMidamble構成は、標準化仕様において予め規定されてもよく、報知情報として各端末に通知されてもよい。
また、本実施の形態において説明したRU又はバンドにおけるMidamble構成の規定(例えば、図26~図30)は一例であり、RU又はバンドとMidamble構成との対応関係、Midamble構成(有無又は周期など)、又は、規定されるMidamble構成の候補数等は、これらの例に限定されない。
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
(他の実施の形態)
なお、上記実施の形態では、一例として、802.11axを想定したHE(High Efficiency)を用いる場合について説明したが、802.11axに限定されない。例えば、本開示の一実施例は、802.11axの次世代向け規格であるEHT(Extremely High Throughput)、又は、車載向け規格である802.11pの次世代向け規格であるNGVに適用してもよい。
また、上記実施の形態では、Midamble構成は、例えば、Midambleの有無及びMidamble周期(例えば、MMA)を含む場合について説明したが、Midambleの構成を表すパラメータはこれらに限定されない。例えば、Midambleの構成は、各Midamble内のHE-LTFモードを含んでもよく、Midambleの設定に関する他のパラメータを含んでもよい。
また、上記実施の形態では、一例として、低速移動の端末に対して、「Midamble無し」を設定する場合について説明したが、低速移動の端末に対するMidamble構成は、これに限らない。例えば、低速移動の端末に対するMidamble構成には、「Midamble有り」が設定され、高速移動(又は中速移動)の端末に設定されるMidamble構成と比較して、長い周期が設定されてよく、HE-LTFのオーバーヘッドが小さいHE-LTFモードが設定されてもよい。
また、上記実施の形態では、端末の移動速度を、低速及び高速の2グループ、又は、低速、中速及び高速の3グループに分ける場合について説明したが、端末の移動速度のグループ分け、2又は3グループに限定されない。
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。
上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサ等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサが含まれる。
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
本開示の一実施例に係る通信装置は、ユーザ多重される複数の端末に対して、データフィールドに挿入される参照信号の構成を、前記複数の端末毎に決定する制御回路と、前記参照信号の構成に基づいて、ユーザ多重される信号の通信処理を行う通信回路と、を具備する。
本開示の一実施例に係る通信装置において、前記制御回路は、前記複数の端末の各々の通信環境に応じて前記参照信号の構成を決定する。
本開示の一実施例に係る通信装置において、前記通信環境は前記端末の移動速度に対応し、前記参照信号の構成において、前記移動速度が速いほど、前記参照信号の数が多い。
本開示の一実施例に係る通信装置において、前記制御回路は、前記複数の端末の各々に対する前記データフィールドにおける冗長度に応じて前記参照信号の構成を決定する。
本開示の一実施例に係る通信装置において、前記参照信号の構成において、前記冗長度が大きいほど、前記参照信号の数が多い。
本開示の一実施例に係る通信装置において、前記冗長度と、前記参照信号の構成とは予め対応付けられている。
本開示の一実施例に係る通信装置において、ランダムアクセス用リソースを指示する識別子と、前記参照信号の構成とが対応付けられている。
本開示の一実施例に係る通信装置において、前記識別子は、前記端末の移動速度に関する条件と対応付けられている。
本開示の一実施例に係る通信装置において、前記参照信号の構成は、複数の周波数帯毎に規定されている。
本開示の一実施例に係る通信方法は、ユーザ多重される複数の端末に対して、データフィールドに挿入される参照信号の構成を、前記複数の端末毎に決定し、前記参照信号の構成に基づいて、ユーザ多重される信号の通信処理を行う。
2018年10月26日出願の特願2018-202052の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。