JP7508060B2 - Aeセンサ用音片アレイ配列構造、その配列構成方法、およびaeセンサ - Google Patents

Aeセンサ用音片アレイ配列構造、その配列構成方法、およびaeセンサ Download PDF

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本発明はAEセンサ用音片アレイ配列構造、その配列構成方法、およびAEセンサに係り、特に音片アレイ間の振動の干渉を軽減することのできる、AEセンサ用音片アレイ配列構造等に関するものである。
材料が外力の作用で変形、破壊に至る際に発生する音は、アコースティックエミッション(音響放射、Acoustic Emission 以下「AE」と略す)と呼ばれる。材料の表面に設置したAEセンサでAEを検出することにより、非破壊方式で材料の破壊過程を評価することができ(AE法)、これにより、構造物・設備の亀裂や摩擦、摩耗の進行を、破壊を伴うことなくモニタリングすることができる。
材料中を伝搬してきたAEの検出は、材料表面に取り付けたAEセンサによって行うが、圧電材料としてはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)が主体であり、特定の共振点のみを付与したセンサ構造となっているため、幅広い周波数特性を解析することが困難である。一方、広帯域型においては、計測した信号に対して周波数解析をする必要があり、信号処理装置を含め大がかりな装置構成が必要である。つまり、AEセンサの出力を取り込んだ後で事後的にFFT演算などによる解析を要し、リアルタイム解析ができないという問題がある。そもそも従来のAEセンサは1出力型であり、複数の共振周波数を一度に出力できるAEセンサは、これまで提供されていなかった。
そこで出願人は、複数の共振周波数を一度に出力でき、センサ出力を取り込んだ後の事後的なFFT演算などによる解析が不要で、簡易的なリアルタイム解析を行うことのできるAEセンサの開発に取り組み、下記〈1〉~〈15〉に挙げた発明を完成し、特許出願を行った(後掲特許文献1)。
〈1〉 複数の音片を備えてなるAEセンサ用音片アレイ構造であって、該音片はそれぞれ異なる共振周波数を持ち、これらの共振周波数が一度に出力され得ることを特徴とする、AEセンサ用音片アレイ構造。
〈2〉 前記音片は前記共振周波数の高さ順に該音片が配列されていることを特徴とする、〈1〉に記載のAEセンサ用音片アレイ構造。
〈3〉 ニオブ酸リチウム製であることを特徴とする、〈1〉、〈2〉のいずれかに記載のAEセンサ用音片アレイ構造。
〈4〉 前記音片の形態は一定の数学的規則に基づき決められていることを特徴とする〈1〉、〈2〉、〈3〉のいずれかに記載のAEセンサ用音片アレイ構造。
〈5〉 前記数学的規則は、前記共振周波数を変数とする関数であることを特徴とする、〈4〉に記載のAEセンサ用音片アレイ構造。
〈6〉 前記数学的規則は、前記共振周波数の二乗値の一次関数であることを特徴とする、〈4〉に記載のAEセンサ用音片アレイ構造。
〈7〉 前記数学的規則は、前記共振周波数のフーリエ級数展開であることを特徴とする、〈4〉に記載のAEセンサ用音片アレイ構造。
〈8〉 前記各音片からの出力が、擬似的なリアルタイムFFT(高速フーリエ変換)出力を形成することを特徴とする、〈7〉に記載のAEセンサ用音片アレイ構造。
〈9〉 前記音片はその長さ順に配列されていることを特徴とする、請求項〈1〉、〈2〉、〈3〉、〈4〉、〈5〉、〈6〉、〈7〉、〈8〉のいずれかに記載のAEセンサ音片アレイ構造。
〈10〉 前記音片はその断面積順に配列されていることを特徴とする、〈1〉、〈2〉、〈3〉、〈4〉、〈5〉、〈6〉、〈7〉、〈8〉のいずれかに記載のAEセンサ音片アレイ構造。
〈11〉 〈9〉、〈10〉のいずれかに記載のAEセンサ用音片アレイ構造を製造する方法であって、該音片アレイ構造の周波数帯域ならびにサンプリング周波数(分割数)を定義する帯域等定義過程、該定義に基づき各音片の共振周波数を設計する周波数設計過程、および、設計された周波数に基づき各音片の形態を特定するパラメータを算出する製造条件算出過程を備えることを特徴とする、AEセンサ用音片アレイ構造製造方法。
〈12〉 前記製造条件算出過程では、設計された周波数に基づき各音片の電気特性に係るパラメータが併せて算出されることを特徴とする、〈11〉に記載のAEセンサ用音片アレイ構造製造方法。
〈13〉 〈1〉、〈2〉、〈3〉、〈4〉、〈5〉、〈6〉、〈7〉、〈8〉、〈9〉、〈10〉のいずれかに記載のAEセンサ用音片アレイ構造を備えていることを特徴とする、AEセンサ。
〈14〉 擬似的なリアルタイムFFT(高速フーリエ変換)が可能であることを特徴とする、〈13〉に記載のAEセンサ。
〈15〉 〈11〉、〈12〉のいずれかに記載のAEセンサ用音片アレイ構造製造方法を含むことを特徴とする、AEセンサ製造方法。
これらの発明により、複数の共振周波数を一度に出力可能なAEセンサを提供することができ、AEセンサの出力を取り込んだ後でのマイクロコンピュータ等による事後的なFFT演算などによる解析が不要となり、簡易的なリアルタイム解析を行うことができるようになった。しかも、かかるAEセンサをより低コストで提供することができ、それによって、より高度な振動解析や装置システムの状態監視を可能とし、従来の用途を超えて応用範囲を拡大することができるようになった。
なお、図17は、上記前願発明AEセンサ用音片アレイ構造の基本的構成およびその実施例を示す説明図である。図示するように本AEセンサ用音片アレイ構造Y10等は、ベースY3に複数の音片(カンチレバー)Y2を備えてなるAEセンサ用音片アレイ構造であり、複数の音片Y2はそれぞれ異なる共振周波数を持ち、これらの共振周波数が一度に出力され得る構成である。本AEセンサ用音片アレイ構造Y10は、圧電、静電、歪み抵抗など電気的に出力可能な検出構造である。なお、設けられる複数の音片Y2の数は、図示する例には限定されず、用途・用法・所望の精度などによって適宜の数とすることができる。
本AEセンサ用音片アレイ構造Y10は、マイクロマシン技術によって圧電材料、静電材料等である単結晶基板上に形成することができる。特に圧電材料を好適に用いることができる。各音片Y2には電極が形成され、電極により共振周波数出力が電気的に検出される。また、電極は対向二面以上に設けられるが、実施例に後述するように各音片の四面に設ける構成とすることがより望ましい。その方が、音片Y2の振動をより高精度に検知でき、本発明の目的により合致し、本発明の効果をより高度に得られるからである。また、それぞれの電極から出力される信号は分離可能であるため、AEセンサとしては、1出力型でありながら複数の共振周波数を一度に出力するという従来にない形態である。
かかる構成の本発明AEセンサ用音片アレイ構造Y10では、単結晶材料である基板Y1上に複数の片もち梁状の複数の音片Y2が、同一ベースY3から伸びるように配置され、それぞれの音片が異なる共振周波数を持ち、当該共振周波数は一定規則の間隔を持つように形状が設計されているものとすることができる。つまり、複数の共振周波数が離散的に各音片に配置されている構造である。
また図18は、図17の基本的構成をさらに模式的に示した説明図である。本図では、音片4本Z1、Z2、Z3、Z4が共振周波数の高さ順に配列されていて、順にチャンネル1、2、3、4(CH1、―2、―3、―4)を構成するAEセンサ用音片アレイ構造Z10の例を示しており、また、上段は正面図、下段は斜視図である。
特願2018-175473号「AEセンサ用音片アレイ構造、AEセンサ、およびそれらの製造方法」(平成30(2018)年 9月19日出願。本願出願時において未公開)
しかし、上記前願発明にも改良すべき点があった。それは、AEセンサを複数個、または音片アレイを複数個配列した場合に、隣接するAEセンサ/音片アレイ間では、音片アレイ間の振動が干渉してしまう、ということである。この干渉は、共振周波数が近いほどより顕著に現れる。
そこで本発明が解決しようとする課題は、前願発明におけるかかる問題点を解消し、音片アレイを複数個配列したAEセンサであっても、隣接する音片アレイ間における振動干渉を抑制することのできる、AEセンサ用音片アレイ配列構造、その配列構成方法等を提供することである。
本願発明者は上記課題について検討した結果、複数のAEセンサ用音片アレイの配列を、前願発明のように長さ順にするのではなく、隣接するアレイ間の共振周波数差がより広くなるような順の配列とすることによって、音片アレイ間の振動干渉を抑制できることを見出し、これに基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
〔1〕 ニオブ酸リチウム製である三以上の音片アレイが並べられて一体となっているAEセンサ用音片アレイにおいて、 隣接する音片アレイ間における振動干渉を抑制するための配列構造であって、 該音片アレイの数が偶数であり、下記<T1’>の規定下、該順配列pRをその中央を基準として分割することによって、より長い方のグループとより短い方のグループの2グループにグループ分けして各グループから順に音片アレイを選択して並べた形態となっており、配列の両端部の音片アレイは最長・最短以外の音片アレイであることを特徴とする、AEセンサ用音片アレイ配列構造。
<T1’> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を規定し、これを「順配列」pRとする。
〔2〕 ニオブ酸リチウム製である三以上の音片アレイが並べられて一体となっているAEセンサ用音片アレイにおいて、隣接する音片アレイ間における振動干渉を抑制するための配列構造であって、該音片アレイの数が5であり、下記<T1’>の規定下、該順配列pRの中央の音片アレイを固定し、その前後に隣接してある音片アレイと合わせて計3本の音片アレイからなるグループを特定してこれを中央グループとし、該中央グループより長い方の1本とより短い方の1本を特定してこれらもグループとみなして計3グループとし、該中央グループ、その他のグループの一方、該中央グループ、その他のグループの他方、該中央グループ、の順に要素すなわち音片アレイを取り出して並べた形態となっており、配列の両端部の音片アレイは最長・最短以外の音片アレイであることを特徴とする、AEセンサ用音片アレイ配列構造。
<T1’> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を規定し、これを「順配列」pRとする。
〔3〕 ニオブ酸リチウム製である三以上の音片アレイが並べられて一体となっているAEセンサ用音片アレイにおいて、隣接する音片アレイ間における振動干渉を抑制するための配列構造であって、該音片アレイの数が7以上の奇数であり、下記<T1’>の規定下、該順配列pRの中央の音片アレイを固定し、その前後各方向すなわち短長各方向に1つ置きに選択した音片アレイと合わせて複数本の音片アレイからなるグループを特定してこれを中央グループとし、該中央の音片アレイより長い音片アレイでありかつ該中央グループに属さない音片アレイからなる長片グループと、該中央の音片アレイより短い音片アレイでありかつ該中央グループに属さない音片アレイからなる短片グループを特定して、計3グループとし、該長片グループから連続して取り出さず、該短片グループから連続して取り出さず、かつ配列の両端部の音片アレイを最長・最短以外の音片アレイとする他は、各グループから任意の順に要素すなわち音片アレイを取り出して並べた形態となっていることを特徴とする、AEセンサ用音片アレイ配列構造。
<T1’> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を規定し、これを「順配列」pRとする。
〕 下記<T1> ~ <T5>の定義下、 実際最小値MD > 順配列時最小値Md であるAEセンサ用音片アレイ配列構造が得られることを特徴とする、〔1〕、〔2〕、〔3〕のいずれかに記載のAEセンサ用音片アレイ配列構造。
<T1> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を仮想し、これを「順配列」pRとする。
<T2> 該順配列時における各隣接音片アレイ間の共振周波数の差を仮想し、これを「順配列時隣接周波数差」da、db、・・・とする。
<T3> 実際の配列Rにおける各隣接音片アレイ間の共振周波数の差を「実際隣接周 波数差」Da、Db、・・・とする。
<T4> 該順配列時隣接周波数差da等の中の最小値を「順配列時最小値」Mdとする。
<T5> 該実際隣接周波数差Da等の中の最小値を「実際最小値」MDとする。
〕 下記<T1> ~ <T7>の定義下、 実際総和SD > 順配列時総和Sd であるAEセンサ用音片アレイ配列構造が得られることを特徴とする、〔1〕、〔2〕、〔3〕のいずれかに記載のAEセンサ用音片アレイ配列構造。
<T1> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を仮想し、これを「順配列」pRとする。
<T2> 該順配列時における各隣接音片アレイ間の共振周波数の差を仮想し、これを「順配列時隣接周波数差」da、db、・・・とする。
<T3> 実際の配列Rにおける各隣接音片アレイ間の共振周波数の差を「実際隣接周 波数差」Da、Db、・・・とする。
<T4> 該順配列時隣接周波数差da等の中の最小値を「順配列時最小値」Mdとする。
<T5> 該実際隣接周波数差Da等の中の最小値を「実際最小値」MDとする。
<T6> 前記順配列時隣接周波数差da等の総和を「順配列時総和」Sdとする。
<T7> 前記実際隣接周波数差Da等の総和を「実際総和」SDとする。
〕 下記<T8>および<T9>の定義下、 Dn > dn であるAEセンサ用音片アレイ配列構造が得られることを特徴とする、〔4〕、〔5〕のいずれかに記載のAEセンサ用音片アレイ配列構造。
<T8> 前記順配列時隣接周波数差da、db、・・・、および前記実際隣接周波数差Da、Db、・・・は、いずれも共振周波数数値の降順であるか、または、いずれも共振周波数数値の昇順である。
<T9> 対応する(同一順位である)該順配列時隣接周波数差、該実際隣接周波数差を、それぞれdn、Dnとする。
〕 下記<T1>の定義下、隣接する音片アレイ間において、該順配列pRとは逆順(順配列pRが降順であれば昇順 、昇順であれば降順)になる箇所が一箇所以上あるAEセンサ用音片アレイ配列構造が得られることを特徴とする、〔1〕、〔2〕、〔3〕のいずれかに記載のAEセンサ用音片アレイ配列構造。
<T1> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を仮想し、これを「順配列」pRとする。
〕 下記<T1> ~ <T9>の定義群下、下記特徴群[V1]、[V2]、[V13]、[V23]のいずれかを満たすAEセンサ用音片アレイ配列構造が得られることを特徴とする、〔7〕に記載のAEセ ンサ用音片アレイ配列構造。
[V1]実際最小値MD>順配列時最小値Md
[V2]実際総和SD>順配列時総和Sd
[V13]MD>Md かつ 実際隣接周波数差Dn>順配列時隣接周波数差dn
[V23]SD>Sd かつ 実際隣接周波数差Dn >順配列時隣接周波数差dn 定義群
<T1> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を仮想し、これを「順配列」pRとする。
<T2> 該順配列時における各隣接音片アレイ間の共振周波数の差を仮想し、これを「順配列時隣接周波数差」da、db、・・・とする。
<T3> 実際の配列Rにおける各隣接音片アレイ間の共振周波数の差を「実際隣接周波数差」Da、Db、・・・とする。
<T4> 該順配列時隣接周波数差da等の中の最小値を「順配列時最小値」Mdとする。
<T5> 該実際隣接周波数差Da等の中の最小値を「実際最小値」MDとする。
<T6> 前記順配列時隣接周波数差da等の総和を「順配列時総和」Sdとする。
<T7> 前記実際隣接周波数差Da等の総和を「実際総和」SDとする。
<T8> 前記順配列時隣接周波数差da、db、・・・、および前記実際隣接周波数差Da、Db、・・・は、いずれも共振周波数数値の降順であるか、または、いずれも共 振周波数数値の昇順である。
<T9> 対応する(同一順位である)該順配列時隣接周波数差、該実際隣接周波数差を、それぞれdn、Dnとする。
〔1〕、〔2〕、〔3〕,〔4〕、〔5〕、〔6〕、〔7〕、〔8〕のいずれかに記載のAEセンサ用音片アレイ配列構造を備えていることを特徴とする、AEセンサ。
10ニオブ酸リチウム製である三以上の音片アレイが並べられて一体となっているAEセンサ用音片アレイにおいて、隣接する音片アレイ間における振動干渉を抑制するための配列を構成する方法であって、該音片アレイの数が偶数であり、下記<T1’>の規定下、該順配列pRをその中央を基準として分割することによって、より長い方のグループとより短い方のグループの2グループにグループ分けして各グループから順に音片アレイを選択して並べる各工程により行われ、配列の両端部の音片アレイは最長・最短以外の音片アレイとし、該各工程は所定のプログラムの指令に基づき電子計算機により実行されることを特徴とする、AEセンサ用音片アレイ配列構成方法。
<T1’> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を規定し、これを「順配列」pRとする。
11AEセンサ用音片アレイにおいて、隣接する音片アレイ間における振動干渉を抑制するための配列を構成する方法であって、該音片アレイの数が5であり、下記<T1’>の規定下、該順配列pRの中央の音片アレイを固定し、その前後に隣接してある音片アレイと合わせて計3本の音片アレイからなるグループを特定してこれを中央グループとし、該中央グループより長い方の1本とより短い方の1本を特定してこれらもグループとみなして計3グループとし、該中央グループ、その他のグループの一方、該中央グループ、その他のグループの他方、該中央グループ、の順に要素すなわち音片アレイを取り出して並べる各工程により行われ、配列の両端部の音片アレイは最長・最短以外の音片アレイであり、該各工程は所定のプログラムの指令に基づき電子計算機により実行されることを特徴とする、AEセンサ用音片アレイ配列構成方法。
<T1’> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を規定し、これを「順配列」pRとする。
12AEセンサ用音片アレイにおいて、隣接する音片アレイ間における振動干渉を抑制するための配列を構成する方法であって、該音片アレイの数が7以上の奇数であり、下記<T1’>の規定下、該順配列pRの中央の音片アレイを固定し、その前後各方向すなわち短長各方向に1つ置きに選択した音片アレイと合わせて複数本の音片アレイからなるグループを特定してこれを中央グループとし、該中央の音片アレイより長い音片アレイでありかつ該中央グループに属さない音片アレイからなる長片グループと、該中央の音片アレイより短い音片アレイでありかつ該中央グループに属さない音片アレイからなる短片グループを特定して、計3グループとし、該長片グループから連続して取り出さず、該短片グループから連続して取り出さず、かつ配列の両端部の音片アレイを最長・最短以外の音片アレイとする他は、各グループから任意の順に要素すなわち音片アレイを取り出して並べる各工程により行われ、該各工程は所定のプログラムの指令に基づき電子計算機により実行されることを特徴とする、AEセンサ用音片アレイ配列構成方法。
<T1’> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を規定し、これを「順配列」pRとする。
本発明のAEセンサ用音片アレイ配列構造、その配列構成方法、およびAEセンサは上述のように構成されるため、これらによれば、音片アレイを複数個配列したAEセンサにおける音片アレイの配列を工夫するという簡単な方法によって、隣接する音片アレイ間における振動干渉を抑制することができる。
また、前願発明における全ての効果を本願発明が備えていることはもちろんである。すなわち、複数の音片アレイを一体構造化でき、複数の共振周波数を一度に出力可能なAEセンサを提供することができること、AEセンサの出力を取り込んだ後でのマイクロコンピュータ等による事後的なFFT演算などによる解析が不要となって簡易なリアルタイム解析を行えること、かかるAEセンサをより低コストで提供できること、そして、より高度な振動解析や装置システムの状態監視が可能となり、従来の用途を超えて応用範囲を拡大することができるようになったことである。
本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造の基本的構成を前願発明のそれと対比して示す模式的な説明図である。 図1に示す基本的構成における配列の特徴を示すための説明図である。 本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造の別の構成(その1)における配列の特徴を前願発明のそれと対比して示す模式的な説明図である。 本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造の別の構成(その2)における配列の特徴を前願発明のそれと対比して示す模式的な説明図である。 本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造の別の構成(その3)における配列の特徴を前願発明のそれと対比して示す模式的な説明図である。 本発明音片アレイ配列構成方法例を示すフロー図である。 CH数が偶数の場合の本発明音片アレイ配列構成方法例を示す説明図である。 CH数が奇数(5以下)の場合の本発明音片アレイ配列構成方法例を示す説明図である。 CH数が奇数(7以上)の場合の本発明音片アレイ配列構成方法例を示す説明図である。 本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造実施例1(音片アレイ数5)の構成を示す説明図である。 本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造実施例2(音片アレイ数6)の構成を示す説明図である。 本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造実施例3(音片アレイ数7)の構成を示す説明図である。 本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造実施例4(音片アレイ数8)の構成を示す説明図である。 本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造実施例5(音片アレイ数19)の構成を示す説明図である。 実施例IIのAEセンサ用音片アレイ配列構造の構成および隣接周波数差を前願発明のそれらと対比して示す模式的な説明図である。 実施例IIおよび現行品の各CHにおける差動出力を測定したグラフである。 実施例IIおよび現行品の各CHにおける不要応答出力を基準化したグラフである。 実施例IIおよび現行品の各CH(音片アレイ)における音片アレイの姿勢変化を示す説明図である。 前願発明AEセンサ用音片アレイ構造の基本的構成およびその実施例を示す説明図である。 図17の基本的構成をさらに模式的に示した説明図である。
以下、図面により本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造の基本的構成を前願発明のそれと対比して示す模式的な説明図である。図示するように本発明のAEセンサ用音片アレイ配列構造10は、三以上の音片アレイ1、2、3、・・・が並べられて一体となっているAEセンサ用音片アレイ配列の構造であって、下記<T1> ~ <T5>の定義下、下式に示す条件を満たすことを主たる構成とする。なお、図では音片アレイ数は4本であるが、これは例示であり、本発明がこれに限定されるものではない(図7までの各図を用いる説明において同様である)。
実際最小値MD > 順配列時最小Md ・・・(式1)
<T1> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を仮想し、これを「順配列」pRとする。
<T2> 該順配列時における各隣接音片アレイ間の共振周波数の差を仮想し、これを「順配列時隣接周波数差」da、db、・・・とする。
<T3> 実際の配列Rにおける各隣接音片アレイ間の共振周波数の差を「実際隣接周波数差」Da、Db、・・・とする。
<T4> 該順配列時隣接周波数差da等の中の最小値を「順配列時最小値」Mdとする。
<T5> 該実際隣接周波数差Da等の中の最小値を「実際最小値」MDとする。
なお、上記特徴を有する以外は、上述した前願発明と基本的に構成を共通とする。すなわち、本発明のAEセンサ用音片アレイ構造10は、ベース9に複数の音片(カンチレバー)1、2、3、・・・を備えてなり、音片1等はそれぞれ異なる共振周波数を持ち、これらの共振周波数が一度に出力され得る。本AEセンサ用音片アレイ構造10は、圧電、静電、歪み抵抗など電気的に出力可能な検出構造である。なお、設けられる音片1等の数は、図示する例には限定されず、用途・用法・所望の精度などによって適宜の数とすることができる。
また、本AEセンサ用音片アレイ構造10は、マイクロマシン技術によって圧電材料、静電材料等である単結晶基板上に形成することができる。特に圧電材料を好適に用いることができる。各音片1等には電極が形成され、電極により共振周波数出力が電気的に検出される。また、電極は対向2面以上に設けられるが各音片1等の4面に設ける構成とすることがより望ましい。その方が、音片1等の振動をより高精度に検知でき、本発明の目的により合致し、本発明の効果をより高度に得られるからである。また、それぞれの電極から出力される信号は分離可能であるため、AEセンサとしては、1出力型でありながら複数の共振周波数を一度に出力するという従来にない形態である。
かかる構成の本発明AEセンサ用音片アレイ構造10では、単結晶材料である基板上に複数の片もち梁状の音片1等が、同一ベース9から伸びるように配置され、それぞれの音片1等が異なる共振周波数を持ち、当該共振周波数は一定規則の間隔を持つように形状が設計されているものとすることができる。つまり、複数の共振周波数が離散的に各音片1等に配置されている構造である。
そして、本発明の特徴的構成である、
実際最小値MD > 順配列時最小Md
を満たすことにより本発明では、音片アレイZ1、Z2、・・・を長さ順に配列する上記前願発明のAEセンサ用音片アレイ構造Z10よりも、音片1、2、・・・等を隣接する音片アレイ間の共振周波数差がより大きくなるような配列順とすることができる。それによって、隣接する音片アレイ間における振動干渉が抑制される。このことについては、追って図1-2等を用いてもさらに説明する。
本図では、前願発明AEセンサ用音片アレイ構造Z10の音片アレイの長さ順配列Z1-Z2-Z3-Z4 における隣接周波数の最小値(順配列時最小値)よりも、本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造10の音片配列の長さ順配列1-2-3-4 における隣接周波数の最小値(実際最小値)の方が大きくなっており、それによって、隣接する音片アレイ間における振動干渉が抑制される。 本図では、本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造10の配列は、前願発明AEセンサ用音片アレイ配列構造Z10の音片アレイ配列がZ3-Z1-Z4-Z2 に変更されて、音片アレイ1-2-3-4 となっている形である。
なお、図中において左に示した前願発明の構成は「従来」と表示し、右に示した本発明の構成に係る表示中の「(旧CH-)」は、前願発明構成における配置位置を示す。また、前願発明、本発明のいずれにおいても、音片アレイ配列における各音片アレイの位置は、左から順にチャンネル1(CH1)、チャンネル2(CH2)、・・・と表示し、隣接周波数差を考える場合の隣接音片アレイ(隣接チャンネル、隣接CH)は、CH1-CH2、・・・のように表示する(以降の各図、各表においても同様である)。
音片アレイ(カンチレバー)の長さと共振周波数の相関について、説明する。下式(2)に示す通り、音片アレイの断面積、断面形状が同一である限り、音片アレイ間の共振周波数の大きさは音片アレイの 長さLの二乗に反比例する。なお、fn:n次の共振周波数、 E:縦弾性係数、 I:断面二次モーメント、 A:断面積、 L:音片アレイの長さ、 ρ:密度、 kn:境界条件のλ(境界条件で決まる係数) である。
各音片アレイの断面積を変えることに基づいて、本発明所期の課題を解決するための共振周波数の配列を構成することも、本発明からは除外されない。しかしながら、製造工程、使用態様、いずれの観点からも、各音片アレイの断面積・断面形状は同一として、その長さを変えることに基づいて共振周波数の配列を構成する方が望ましい。したがって以下は、各音片アレイの長さを変えることによる構成を前提として説明する。すなわち、かかる構成においては、順配列pRにおける共振周波数高低順と、音片アレイの長短順が逆である。
図1-2は、図1に示す基本的構成における配列の特徴を示すための説明図である。また表1は、当該配列の特徴である周波数差を示す表である。隣接周波数差は、前願発明での相隣接する二つの音片アレイ間(CH間)における共振周波数を用いて、左から順にa、b、c、・・・と定義する(以降の各図による説明においても同様である)。したがって、本図等の中では、
a:前願発明に係る音片アレイp1-p2間の隣接周波数差、
b:前願発明に係る音片アレイp2-p3間の隣接周波数差、
c:前願発明に係る音片アレイp3-p4間の隣接周波数差
である(以降の各図表においても同様とする)。
図等に示すように、前願発明AEセンサ用音片アレイ配列構造p10における隣接周波数差を左から順に、a、b、c とした場合、本AEセンサ用音片アレイ配列構造10における隣接周波数差は、左から順に、a+b、a+b+c、b+c となる。そうすると、実際最小値MDがa+b、a+b+c、b+cのいずれの場合であっても、なおかつ順配列時最小Mdがa、b、cのいずれをとる場合であっても、常に、MD>Md が成立する。
つまり、
a<b<c の場合は、Md=a、MD=a+b、
a<c<b の場合は、Md=a、MD=a+c、
b<a<c の場合は、Md=b、MD=a+b、
b<c<a の場合は、Md=b、MD=b+c、
c<a<b の場合は、Md=c、MD=a+c、
c<b<a の場合は、Md=c、MD=b+c、
であり、常に、MD>Md が成立する。
このように、実際最小値MD > 順配列時最小Md の条件を満たす音片アレイ配列を有する本AEセンサ用音片アレイ配列構造10は、音片アレイp1、p2、・・・を長さ順に配列する前願発明のAEセンサ用音片アレイ構造p10よりも、音片1、2、・・・等を隣接する音片アレイ間の共振周波数差がより大きくなるような配列順とすることができる。それによって、隣接する音片アレイ間における振動干渉が抑制される。
図2は、本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造の別の構成(その1)における配列の特徴を前願発明のそれと対比して示す模式的な説明図である。また表2は、当該配列の特徴である周波数差を示す表である。上述の<T1> ~<T5>に加えて下記<T6>、<T7>の定義下、
実際総和SD > 順配列時総和Sd ・・・(式3)
を満たすことにより、本AEセンサ用音片アレイ構造210では、音片アレイp1、p2、・・・を長さ順に配列する上記前願発明のAEセンサ用音片アレイ構造p10よりも、音片21、22、・・・等を隣接する音片アレイ間の共振周波数差がより大きくなるような配列順とすることができる。それによって、隣接する音片アレイ間における振動干渉が抑制される。
<T6> 前記順配列時隣接周波数差da等の総和を「順配列時総和」Sdとする。
<T7> 前記実際隣接周波数差Da等の総和を「実際総和」SDとする。
表2に示すように本例のAEセンサ用音片アレイ配列構造210は、実際総和SD=2a+3b+2c であり、これは、順配列時総和Sd=a+b+c よりも大きい。つまり、隣接周波数差Da、Db、・・・の総和SDが、順配列時の総和Sdよりも大きい配列構成とすることにより、音片21、22、・・・等を隣接する音片アレイ間の共振周波数差がより大きくなるような配列順とすることができ、隣接する音片アレイ間における振動干渉が抑制される。なお、本AEセンサ用音片アレイ配列構造210は、ここに述べた(式3)SD>Sd の条件の他に、上述した(式2)MD>Md の条件をも満たすように構成された配列構造としてもよい。
図3は、本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造の別の構成(その2)における配列の特徴を前願発明のそれと対比して示す模式的な説明図である。また表3は、当該配列の特徴である周波数差を示す表である。上述の<T1> ~<T7>に加えて下記<T8>、<T9>の定義下、
Dn > dn ・・・(式4)
を満たすことにより、本AEセンサ用音片アレイ構造310では、音片アレイp1、p2、・・・を長さ順に配列する上記前願発明のAEセンサ用音片アレイ構造p10よりも、音片31、32、・・・等を隣接する音片アレイ間の共振周波数差がより大きくなるような配列順とすることができる。それによって、隣接する音片アレイ間における振動干渉が抑制される。
<T8> 前記順配列時隣接周波数差da、db、・・・、および前記実際隣接周波数差Da、Db、・・・は、いずれも共振周波数数値の降順であるか、または、いずれも共振周波数数値の昇順である。
<T9> 対応する(同一順位である)該順配列時隣接周波数差、該実際隣接周波数差を、それぞれdn、Dnとする。
表3に示すように、順配列時隣接周波数差dnと実際隣接周波数差Dnを比較すると、CH1-CH2間ではa<a+b、CH2-CH3間ではb<a+b+c、CH3-CH4間ではc<b+c、であって、常にdn<Dnが成り立っている。つまり、任意の実際隣接周波数差Dnが常に、対応する(同一順位である)順配列時隣接周波数差dnよりも大きい配列構成とすることにより、音片31、32、・・・等を隣接する音片アレイ間の共振周波数差がより大きくなるような配列順とすることができ、隣接する音片アレイ間における振動干渉が抑制される。
なお、本AEセンサ用音片アレイ配列構造310は、ここに述べた(式4)Dn>dn の条件を満足することが必要十分な構成の配列構造ではあるが、この条件を満足する場合には必ず、上記(式2)MD>Md、(式3)SD>Sd の各条件をも満足することになる。
図4は、本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造の別の構成(その3)における配列の特徴を前願発明のそれと対比して示す模式的な説明図である。図示するように本発明のAEセンサ用音片アレイ配列構造410は、三以上の音片アレイ41、42、43、・・・が並べられて一体となっているAEセンサ用音片アレイ配列の構造であって、下記<T1>の定義下、隣接する音片アレイ41-42間等において、順配列pRとは逆順Rv(順配列pRが降順であれば昇順、昇順であれば降順)になる箇所が一箇所以上あることを、主たる構成とする。
<T1> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を仮想し、これを「順配列」pRとする。
図4では、前願発明AEセンサ用音片アレイ配列構造p10は当然ながら全般において正順Fw(ここでは降順が正順Fw、昇順が逆順Rv)の構成であるが、一方、本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造410では、CH1-CH2間において逆順Rv、CH2-CH3間において正順Fw、そしてCH3-CH4間において再び逆順Rvの構成である。音片アレイp1、p2、・・・等を、それらの長さを変えずに配列が変更される場合、途中に一以上の逆順Rvを設けることによって、上記(式3)に示した実際総和SDは順配列時総和Sdよりも大きくなることは、容易に把握できる。
かかる条件を満たすことにより、本AEセンサ用音片アレイ構造410では、音片アレイp1、p2、・・・を長さ順に配列する上記前願発明のAEセンサ用音片アレイ構造p10よりも、音片41、42、・・・等を隣接する音片アレイ間の共振周波数差がより大きくなるような配列順とすることができる。それによって、隣接する音片アレイ間における振動干渉が抑制される。
なお、本AEセンサ用音片アレイ配列構造410は、ここに示した逆順具有という条件を満足することが必要十分な構成の配列構造ではあるが、上記(式1)、(式2)、(式3)の少なくともいずれかの条件をも具備する構成であってもよい。つまり、(式1)~(式3)のいずれか、(式1)+(式2)、(式1)+(式3)、(式2)+(式3)、(式1)~(式3)の全て、のいずれかが上記逆順具有条件に付加された構成も、本発明の範囲内である。
上述したいずれかの本発明AEセンサ用音片アレイ構造を構成するための材料としては特に、圧電材料、または圧電材料を含むものを用いることしてもよい。圧電材料としては従来PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)が主として用いられており、本願発明においてもこれを材料とすることが排除はされないが、本願発明は特にニオブ酸リチウム(LN)の使用を主に想定して構成されているため、以下の説明ではLN製である音片アレイ構造を前提とする。
なお、以上説明したいずれかのAEセンサ用音片アレイ配列構造を備えているAEセンサ用音片アレイ、またかかるAEセンサ用音片アレイを備えているAEセンサ、加えて、擬似的なリアルタイムFFT(高速フーリエ変換)が可能なAEセンサも、本発明の範囲内である。さらに、以上説明したいずれかのAEセンサ用音片アレイ構造製造方法を含むAEセンサ製造方法もまた、本発明の範囲内である。
次に、本発明音片アレイ配列構成方法について説明する。
本発明音片アレイ配列構成方法は、上述のいずれかに記載のAEセンサ用音片アレイ配列構造に係る音片アレイ配列を構成する方法であって、下記<T1’>の規定下、順配列pRを2グループまたは3グループ以上にグループ分けし、各グループから順に音片アレイを選択して並べることにより行う音片アレイ配列構成方法である。なおかかるフローは、電子計算機により実行されるプログラムの形態をとることによって、簡易、効率的、かつ高速なルーチンとすることができるため、かかる構成が推奨される。
<T1’> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を規定し、これを「順配列」pRとする。
すなわち、順配列pRを任意の方式によって複数のグループに分割し、各グループから順に音片アレイを取出して、それを並べることにより、順配列pRを崩し、上述した(式1)~(式3)の条件や逆順具有条件の少なくともいずれかに該当する構成を得るのが、本方法の考え方である。なお、かかる本音片アレイ配列構成方法では、グループ分けは、順配列pRの降順または昇順に従って行うものとすることができる。以下、具体的な例をもって説明する。
図5は、本発明音片アレイ配列構成方法例を示すフロー図である。図示するように本例フローでは、初期状態=音片アレイの長さ順配列を前提とし、これに対して配列変更の各手順を施していく。まず、使用音片アレイ総数(CH数)が偶数であるか奇数であるかを判別し、CH数が偶数の場合は、全体を2グループに分ける(グループ化)し、各グループに含まれる要素(個別の音片アレイ)を交互に取り出して順に配列化することで音片アレイ配列構成方法とする。本フローにより処理することで順配列pRが崩され、上述した(式1)~(式3)の条件や逆順具有条件の少なくともいずれかに該当する配列構成とし得る。
一方、CH数が奇数の場合は、それが5本以下であるか7本以上であるかによって異なる処理フローとする。CH数が5本以下の場合は、まず中央のCHすなわちCHNを固定し、3グループにグループ化する。そして、各グループに含まれる要素(個別の音片アレイ)を交互に取り出して順に配列化することで音片アレイ配列構成方法とする。中央のCHであるCHNを含むグループは、CHN-1であるCH(順配列pRにおいてCHNに隣接する長い方の音片アレイ)、およびCHN+1であるCH(順配列pRにおいてCHNに隣接する短い方の音片アレイ)から構成されることとし、残る2グループは、CHNを含むグループよりも長い音片アレイのグループ、および短い音片アレイのグループとする。
本フローにより処理することで順配列pRが崩され、上述した(式1)~(式3)の条件や逆順具有条件の少なくともいずれかに該当する配列構成とし得る。なお、CH数が3である場合、各音片アレイが即各グループであり、この場合の配列は、CHN(CH2)-CH1-CH3 となる。CH数が5の場合の詳細については、図7により後述する。
CH数が7本以上の場合も同様に、まず中央のCHすなわちCHNを固定し、3グループにグループ化する。そして、各グループに含まれる要素(個別の音片アレイ)を交互に取り出して順に配列化することで音片アレイ配列構成方法とする。しかし、CH数7本以上の場合は5本以下の場合と異なるグループ化方法をとる。
すなわち、中央のCHであるCHNを含むグループは、CHN-2、CHN-4、・・・、およびCHN+2、CHN+4、・・・のように、CHNから長短両方向に向かってそれぞれ一つ置きのCH(音片アレイ)を選択してグループの要素とする。そして残る2グループは、CHNよりも長い音片アレイであって残っているCHのグループ、および短い音片アレイであって残っているCHのグループとする。本フローにより処理することで順配列pRが崩され、上述した(式1)~(式3)の条件や逆順具有条件の少なくともいずれかに該当する配列構成とし得る。
図6は、CH数が偶数の場合の本発明音片アレイ配列構成方法例を示す説明図である。図では、CH数4(音片アレイ数4脚)とCH数6(同6脚)の例を示す。いずれの例でも、順配列pRを中央で分割して2グループ化する。そして、より長い方をグループA(Gr.A)、短い方をグループB(Gr.B)とし、各グループから交互に要素(CH)を取り出して配列を形成する。この場合、Gr.A、Gr.Bのいずれを左端にしてもよい。また、本方法によれば、各グループGr.A、Gr.B間には、図中破線矢印で示すように、グループとしての周波数差が形成されるような配置となる。このように、本方法によって良好な所期の配列構成を得ることができる。
図7は、CH数が奇数(5以下)の場合の本発明音片アレイ配列構成方法例を示す説明図である。図では、CH数5(音片アレイ数5脚)の例を示す。図示するように中央のCHであるCHNすなわちCH3を含むグループA(Gr.A)は、CHN-1であるCHつまり旧CH1(順配列pRにおける音片アレイCH1)、およびCHN+1であるCHつまり旧CH5(順配列pRにおける音片アレイCH5)、合計3本の音片アレイから構成され、残る2グループは、CHNを含むグループよりも長い音片アレイである旧CH2(順配列pRにおける音片アレイCH2)のみからなるグループB(Gr.B)、および短い音片アレイである旧CH4(順配列pRにおける音片アレイCH4)のみからなるグループ(Gr.C)とする。
そして、各グループGr.A、Gr.B、Gr.Cから交互に一つずつ要素(音片アレイ)を取り出して配列するが、左端はGr.Aの要素から始めることが望ましい。各グループGr.A、B、Cの要素数はそれぞれ3、1、1であり、要素数の多いGr.Aから要素選択をしていくことで、グループA-Aが連続して配置されることを防止でき、本発明の目的上好ましいからである。本フローにより処理することで順配列pRが崩され、上述した(式1)~(式3)の条件や逆順具有条件の少なくともいずれかに該当する配列構成とし得る。なおまた、本方法でも、各グループGr.A、Gr.B、Gr.C相互の間には、図中実線矢印で示すように、グループとしての周波数差が形成されるような配置となる。このように、本方法によって良好な所期の配列構成を得ることができる。
図7-2は、CH数が奇数(7以上)の場合の本発明音片アレイ配列構成方法例を示す説明図である。図では、CH数7(音片アレイ数7脚)の例を示す。図示するように中央のCHであるCHNすなわちCH4を含むグループA(Gr.A)は、CHN-2であるCHつまり旧CH2(順配列pRにおける音片アレイCH2)、およびCHN+2であるCHつまり旧CH6(順配列pRにおける音片アレイCH6)、合計3本の音片アレイから構成され、残る2グループは、CHNを含むグループよりも長い音片アレイである旧CH1ならびに旧CH3(順配列pRにおける音片アレイCH1、CH3)からなるグループB(Gr.B)、および短い音片アレイである旧CH4ならびに旧CH6(順配列pRにおける音片アレイCH4、CH6)からなるグループC(Gr.C)とする。
そして、各グループGr.A、Gr.B、Gr.Cから交互に一つずつ要素(音片アレイ)を取り出して配列するが、図7により説明したCH数が5以下の場合と違い、左端をGr.Aから取り出すことを必ずしも推奨しない。各グループGr.A、B、Cの要素数はそれぞれ3、2、2と複数であり、あえてGr.Aから要素選択をしなくても、同一グループが連続して配置されることを防止できるからである。図では、Gr.Bから左端の音片アレイを選択している。本フローにより処理することで順配列pRが崩され、上述した(式1)~(式3)の条件や逆順具有条件の少なくともいずれかに該当する配列構成とし得る。なおまた、本方法でも、各グループGr.A、Gr.B、Gr.C相互の間には、図中実線矢印で示すように、グループとしての周波数差が形成されるような配置となる。このように、本方法によって良好な所期の配列構成を得ることができる。
なお、図5~7-2を用いて説明した方法は本音片アレイ配列構成方法の一例であり、本発明がこれらに限定されるものではない。要するに、順配列pRを、任意の方式によって複数のグループに分割し、各グループから順に音片アレイを取出して、それを並べることにより、順配列pRを崩し、上述した(式1)~(式3)の条件や逆順具有条件の少なくともいずれかに該当する構成を得られる方法である限り、本発明の範囲内である。
以下、本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造の実施例を説明するが、本発明が、これらに限定されるものではない。
〔実施例I 種々の音片アレイ数によるAEセンサ用音片アレイ配列構造〕
図8は、本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造実施例1(音片アレイ数5)の構成を示す説明図である。また、表4は実施例1における隣接周波数差を示す表である。なお、図表では、前願発明AEセンサ用音片アレイ配列構造と対比させて本実施例を示すとともに、音片アレイ数nの場合にこれを「n脚」のようにも表す(以下の実施例2~5でも同様である)。
上述の4脚の場合同様、本実施例1(5脚)AEセンサ用音片アレイ構造510においても、音片アレイp51、p52、・・・を長さ順に配列する上記前願発明のAEセンサ用音片アレイ構造p510よりも、音片51、52、・・・等隣接する音片アレイ間の共振周波数差がより大きくなるような配列順となっている。それにより、隣接する音片アレイ間における振動干渉抑制効果が得られる。なお、図および表に示された通り、本実施例1(5脚)は上述の(式1)条件、(式2)条件、(式3)条件、および逆順具有条件の全てを満たす構成である。
図9は、本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造実施例2(音片アレイ数6)の構成を示す説明図である。また、表5は実施例2における隣接周波数差を示す表である。本実施例2(6脚)AEセンサ用音片アレイ構造610においても、音片アレイp61、p62、・・・を長さ順に配列する上記前願発明のAEセンサ用音片アレイ構造p610よりも、音片61、62、・・・等隣接する音片アレイ間の共振周波数差がより大きくなるような配列順となっている。それにより、隣接する音片アレイ間における振動干渉抑制効果が得られる。なお、図および表に示された通り、本実施例2(6脚)は上述の(式1)条件、(式2)条件、(式3)条件、および逆順具有条件の全てを満たす構成である。
図10は、本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造実施例3(音片アレイ数7)の構成を示す説明図である。また、表6は実施例3における隣接周波数差を示す表である。なお、本実施例3AEセンサ用音片アレイ構造710では、各隣接周波数差の文字表記の元となる順配列時隣接周波数差a、b、c、・・・等は、下記の通りに設定されていることとする。
a≦c、d、e
f≦b、c、d
本実施例3(7脚)AEセンサ用音片アレイ構造710においても、音片アレイp71、p72、・・・を長さ順に配列する上記前願発明のAEセンサ用音片アレイ構造p710よりも、音片71、72、・・・等隣接する音片アレイ間の共振周波数差がより大きくなるような配列順となっている。それにより本AEセンサ用音片アレイ構造710は、隣接する音片アレイ間における振動干渉抑制効果が得られる。なお、図および表に示された通り、本実施例3(7脚)は上述の(式1)条件、(式2)条件、(式3)条件、および逆順具有条件の全てを満たす構成である。
図11は、本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造実施例4(音片アレイ数8)の構成を示す説明図である。また、表7は実施例4における隣接周波数差を示す表である。本実施例4(8脚)AEセンサ用音片アレイ構造810においても、音片アレイp81、p82、・・・を長さ順に配列する上記前願発明のAEセンサ用音片アレイ構造p810よりも、音片81、82、・・・等隣接する音片アレイ間の共振周波数差がより大きくなるような配列順となっている。それにより本AEセンサ用音片アレイ構造810は、隣接する音片アレイ間における振動干渉抑制効果が得られる。なお、図および表に示された通り、本実施例4(8脚)は上述の(式1)条件、(式2)条件、(式3)条件、および逆順具有条件の全てを満たす構成である。
図12は、本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造実施例5(音片アレイ数19)の構成を示す説明図である。また、表8は実施例5における隣接周波数差を示す表である。なお、本実施例3AEセンサ用音片アレイ構造710では、各隣接周波数差の文字表記の元となる順配列時隣接周波数差a、b、c、・・・等は、下記の通りに設定されていることとする。
a≦e、f、g、h、I、j、k、l、m
b≦d、e、f、g、h、I、j、k、l、m
c≦d、e、f、g、h、I、j、k、l
p≦g、h、I、j、k、l、m、n、o
q≦f、g、h、I、j、k、l、m、n、o
r≦f、g、h、I、j、k、l、m、n
本実施例5(19脚)AEセンサ用音片アレイ構造910においても、音片アレイを長さ順に配列する上記前願発明のAEセンサ用音片アレイ構造p910よりも、隣接する音片アレイ間の共振周波数差がより大きくなるような配列順となっている。それにより本AEセンサ用音片アレイ構造910は、隣接する音片アレイ間における振動干渉抑制効果が得られる。なお、図および表に示された通り、本実施例5(19脚)は上述の(式1)条件、(式2)条件、(式3)条件、および逆順具有条件の全てを満たす構成である。
〔実施例II 試作4脚AEセンサ用音片アレイ配列構造の評価〕
音片アレイ数4(4脚)の本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造を試作し、隣接アレイ間の振動干渉抑制効果について試験、評価した。
図13は、実施例IIのAEセンサ用音片アレイ配列構造の構成を前願発明のそれらと対比して示す模式的な説明図である。なお各図表中、「現行」は前願発明AEセンサ用音片アレイ配列構造を示す。図示するように本例AEセンサ用音片アレイ配列構造1010を構成する各音片アレイ101、102、103、104は、音片アレイが長さ順(左端から降順)に配列されている現行AEセンサ用音片アレイ配列構造p1010における各音片アレイを、音片アレイp103、p101、p104、p102の順に配列変更してCH1~4とした構成である。
図示するように、AEセンサ用音片アレイ配列構造1010の各CHにおける共振周波数は次の通りである。
CH1:21.8kHz、CH2:15.7kHz、CH3:27.4kHz、CH4:18.3kHz
そうすると、現行・本発明各AEセンサ用音片アレイ配列構造の隣接周波数差は表9の通りとなる。ここに示す通り本例AEセンサ用音片アレイ配列構造1010では、現行のものと比べ、各チャンネルともその隣接周波数差が大きくなっている。
なお、上記(式1)~(式3)に示した式で比較すると、下記の通りである。
・実際最小値MDと順配列時最小Md ((式1))
MD=6.1 Md=2.6 ∴ MD>Md
・実際総和SDと順配列時総和Sd ((式2))
SD=26.9 Sd=11.7 ∴ SD>Sd
・対応する隣接周波数差Dn、dn
表に示す通り、全てのCHにおいて Dn>dn
また、図13に示す通り本実施例IIのAEセンサ用音片アレイ配列構造1010は、CH1からCH2、CH3からCH4において上記逆順具有条件にも適合している。
試作した実施例IIにおける隣接チャンネル間の干渉改善状況について評価した。
図14は、実施例IIおよび現行品の各CHにおける差動出力を測定したグラフである。ここでは、CH3における応答出力発生の際の、その他のチャンネル(音片アレイ)においてなされる不要応答出力がどの程度あるか、比較した。なお、図中の「SP」はSP(スプリアス)振動であり、これは、音片アレイにおける幅方向(水平方向)の振動であり、不要な成分である。主振動では、音片アレイは厚み方向(面垂直方向)に振動する。
グラフ中の破線円形で囲んだ2箇所(CH2、CH4)に示される通り、現行品ではいずれの箇所でも、約100mVrmsの差動出力が検出されたところ、本実施例IIでは1~10mVrmsであった。すなわち、本発明AEセンサ用音片アレイ配列構造1010では不要成分の振幅が低減した。これは、隣接CH間の干渉が抑制されたためであり、本発明の効果が確認された。
図15は、実施例IIおよび現行品の各CH(音片アレイ)における不要応答出力を基準化したグラフである。縦軸に示した出力値=不要成分/主成分 が小さいほど、不要応答が小さく、すなわちCH間の干渉が抑制されていることを示す。なお、グラフ中の写真は、本実施例II(右下)および現行品(左上)の形態を示す。図示するように本発明では、現行品と比較して、全てのチャンネルCH1~4において不要応答出力が低減されており、隣接CH間の干渉が抑制されていることが確認された。
図16は、実施例IIおよび現行品の各CH(音片アレイ)における音片アレイの姿勢変化を示す説明図である。各CHにおいて応答出力が発生する際の、その他のチャンネルにおいてなされる不要応答出力による姿勢変化がどの程度あるかを示したものである。なお、図中には図15同様に本実施例II(右)および現行品(左)の形態を写真で示している。図示するように、各CHにおいて本発明実施例IIでは、現行品と比較して姿勢変化が少なく、振動干渉が抑制されていることが確認された。
本発明のAEセンサ用音片アレイ配列構造、その配列構成方法、およびAEセンサによれば、音片アレイを複数個配列したAEセンサにおける、隣接する音片アレイ間の振動干渉を抑制することができる。したがって、AEセンサ製造・使用分野、および関連する全分野において、産業上利用性が高い発明である。
1、2、3、4、21、22、23、24、31、32、33、34、41、42、43、44、51、52、53、54、55、61、62、63、64、65、66、71、72、73、74、75、76、77、81、82、83、84、85、86、87、88、101、102、103、104…音片(カンチレバー)
9、29、39、49、5B、6B、7B、8B、10B…ベース
10、210、310、410、510、610、710、810、910、1010…AEセンサ用音片アレイ構造
Fw…正順
Rv…逆順
(以下は前願発明に係る符号)
Y1…基板
Y2…複数の音片(カンチレバー)
Y3、Z9、p9、p5B、p6B、p7B、p8B、p9B、p10B…ベース
Y10、Z10、p10、p510、p610、p710、p810、p910、p1010…AEセンサ用音片アレイ構造
Z1、Z2、Z3、Z4、p1、p2、p3、p4、p51、p52、p53、p54、p55、p61、p62、p63、p64、p65、p66、p71、p72、p73、p74、p75、p76、p77、p81、p82、p83、p84、p85、p86、p87、p88、p101、p102、p103、p104…音片

Claims (12)

  1. ニオブ酸リチウム製である三以上の音片アレイが並べられて一体となっているAEセンサ用音片アレイにおいて、 隣接する音片アレイ間における振動干渉を抑制するための配列構造であって、
    該音片アレイの数が偶数であり、
    下記<T1’>の規定下、
    該順配列pRをその中央を基準として分割することによって、より長い方のグループとより短い方のグループの2グループにグループ分けして各グループから順に音片アレイを選択して並べた形態となっており、
    配列の両端部の音片アレイは最長・最短以外の音片アレイである
    ことを特徴とする、AEセンサ用音片アレイ配列構造。
    <T1’> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を規定し、これを「順配列」pRとする。
  2. ニオブ酸リチウム製である三以上の音片アレイが並べられて一体となっているAEセンサ用音片アレイにおいて、隣接する音片アレイ間における振動干渉を抑制するための配列構造であって、
    該音片アレイの数が5であり、
    下記<T1’>の規定下、
    該順配列pRの中央の音片アレイを固定し、その前後に隣接してある音片アレイと合わせて計3本の音片アレイからなるグループを特定してこれを中央グループとし、該中央グループより長い方の1本とより短い方の1本を特定してこれらもグループとみなして計3グループとし、
    該中央グループ、その他のグループの一方、該中央グループ、その他のグループの他方、該中央グループ、の順に要素すなわち音片アレイを取り出して並べた形態となっており、
    配列の両端部の音片アレイは最長・最短以外の音片アレイである
    ことを特徴とする、AEセンサ用音片アレイ配列構造。
    <T1’> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を規定し、これを「順配列」pRとする。
  3. ニオブ酸リチウム製である三以上の音片アレイが並べられて一体となっているAEセンサ用音片アレイにおいて、隣接する音片アレイ間における振動干渉を抑制するための配列構造であって、
    該音片アレイの数が7以上の奇数であり、
    下記<T1’>の規定下、
    該順配列pRの中央の音片アレイを固定し、その前後各方向すなわち短長各方向に1つ置きに選択した音片アレイと合わせて複数本の音片アレイからなるグループを特定してこれを中央グループとし、
    該中央の音片アレイより長い音片アレイでありかつ該中央グループに属さない音片アレイからなる長片グループと、
    該中央の音片アレイより短い音片アレイでありかつ該中央グループに属さない音片アレイからなる短片グループを特定して、計3グループとし、
    該長片グループから連続して取り出さず、
    該短片グループから連続して取り出さず、
    かつ配列の両端部の音片アレイを最長・最短以外の音片アレイとする他は、
    各グループから任意の順に要素すなわち音片アレイを取り出して並べた形態となっている
    ことを特徴とする、AEセンサ用音片アレイ配列構造。
    <T1’> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を規定し、これを「順配列」pRとする。
  4. 下記<T1> ~ <T5>の定義下、 実際最小値MD > 順配列時最小値Md であるAEセンサ用音片アレイ配列構造が得られることを特徴とする、請求項1、2、3のいずれかに記載のAEセンサ用音片アレイ配列構造。
    <T1> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を仮想し、これを「順配列」pRとする。
    <T2> 該順配列時における各隣接音片アレイ間の共振周波数の差を仮想し、これを「順配列時隣接周波数差」da、db、・・・とする。
    <T3> 実際の配列Rにおける各隣接音片アレイ間の共振周波数の差を「実際隣接周 波数差」Da、Db、・・・とする。
    <T4> 該順配列時隣接周波数差da等の中の最小値を「順配列時最小値」Mdとする。
    <T5> 該実際隣接周波数差Da等の中の最小値を「実際最小値」MDとする。
  5. 下記<T1> ~ <T7>の定義下、 実際総和SD > 順配列時総和Sd であるAEセンサ用音片アレイ配列構造が得られることを特徴とする、請求項1、2、3のいずれかに記載のAEセンサ用音片アレイ配列構造。
    <T1> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を仮想し、これを「順配列」pRとする。
    <T2> 該順配列時における各隣接音片アレイ間の共振周波数の差を仮想し、これを「順配列時隣接周波数差」da、db、・・・とする。
    <T3> 実際の配列Rにおける各隣接音片アレイ間の共振周波数の差を「実際隣接周 波数差」Da、Db、・・・とする。
    <T4> 該順配列時隣接周波数差da等の中の最小値を「順配列時最小値」Mdとする。
    <T5> 該実際隣接周波数差Da等の中の最小値を「実際最小値」MDとする。
    <T6> 前記順配列時隣接周波数差da等の総和を「順配列時総和」Sdとする。
    <T7> 前記実際隣接周波数差Da等の総和を「実際総和」SDとする。
  6. 下記<T8>および<T9>の定義下、 Dn > dn であるAEセンサ用音片アレイ配列構造が得られることを特徴とする、請求項4、5のいずれかに記載のAEセンサ用音片アレイ配列構造。
    <T8> 前記順配列時隣接周波数差da、db、・・・、および前記実際隣接周波数差Da、Db、・・・は、いずれも共振周波数数値の降順であるか、または、いずれも共振周波数数値の昇順である。
    <T9> 対応する(同一順位である)該順配列時隣接周波数差、該実際隣接周波数差を、それぞれdn、Dnとする。
  7. 下記<T1>の定義下、隣接する音片アレイ間において、該順配列pRとは逆順(順配列pRが降順であれば昇順 、昇順であれば降順)になる箇所が一箇所以上あるAEセンサ用音片アレイ配列構造が得られることを特徴とする、請求項1、2、3のいずれかに記載のAEセンサ用音片アレイ配列構造。
    <T1> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を仮想し、これを「順配列」pRとする。
  8. 下記<T1> ~ <T9>の定義群下、下記特徴群[V1]、[V2]、[V13]、[V23]のいずれかを満たすAEセンサ用音片アレイ配列構造が得られることを特徴とする、請求項に記載のAEセ ンサ用音片アレイ配列構造。
    [V1]実際最小値MD>順配列時最小値Md
    [V2]実際総和SD>順配列時総和Sd
    [V13]MD>Md かつ 実際隣接周波数差Dn>順配列時隣接周波数差dn
    [V23]SD>Sd かつ 実際隣接周波数差Dn >順配列時隣接周波数差dn 定義群
    <T1> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を仮想し、これを「順配列」pRとする。
    <T2> 該順配列時における各隣接音片アレイ間の共振周波数の差を仮想し、これを「順配列時隣接周波数差」da、db、・・・とする。
    <T3> 実際の配列Rにおける各隣接音片アレイ間の共振周波数の差を「実際隣接周波数差」Da、Db、・・・とする。
    <T4> 該順配列時隣接周波数差da等の中の最小値を「順配列時最小値」Mdとする。
    <T5> 該実際隣接周波数差Da等の中の最小値を「実際最小値」MDとする。
    <T6> 前記順配列時隣接周波数差da等の総和を「順配列時総和」Sdとする。
    <T7> 前記実際隣接周波数差Da等の総和を「実際総和」SDとする。
    <T8> 前記順配列時隣接周波数差da、db、・・・、および前記実際隣接周波数差Da、Db、・・・は、いずれも共振周波数数値の降順であるか、または、いずれも共 振周波数数値の昇順である。
    <T9> 対応する(同一順位である)該順配列時隣接周波数差、該実際隣接周波数差を、それぞれdn、Dnとする。
  9. 請求項1,2,3,4,5,6、7、8のいずれかに記載のAEセンサ用音片アレイ配列構造を備えていることを特徴とする、AEセンサ。
  10. ニオブ酸リチウム製である三以上の音片アレイが並べられて一体となっているAEセンサ用音片アレイにおいて、隣接する音片アレイ間における振動干渉を抑制するための配列を構成する方法であって、
    該音片アレイの数が偶数であり、
    下記<T1’>の規定下、
    該順配列pRをその中央を基準として分割することによって、より長い方のグループとより短い方のグループの2グループにグループ分けして各グループから順に音片アレイを選択して並べる各工程により行われ、
    配列の両端部の音片アレイは最長・最短以外の音片アレイとし、
    該各工程は所定のプログラムの指令に基づき電子計算機により実行される
    ことを特徴とする、AEセンサ用音片アレイ配列構成方法。
    <T1’> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を規定し、これを「順配列」pRとする。
  11. AEセンサ用音片アレイにおいて、隣接する音片アレイ間における振動干渉を抑制するための配列を構成する方法であって、
    該音片アレイの数が5であり、
    下記<T1’>の規定下、
    該順配列pRの中央の音片アレイを固定し、その前後に隣接してある音片アレイと合わせて計3本の音片アレイからなるグループを特定してこれを中央グループとし、該中央グループより長い方の1本とより短い方の1本を特定してこれらもグループとみなして計3グループとし、
    該中央グループ、その他のグループの一方、該中央グループ、その他のグループの他方、該中央グループ、の順に要素すなわち音片アレイを取り出して並べる各工程により行われ、
    配列の両端部の音片アレイは最長・最短以外の音片アレイであり、
    該各工程は所定のプログラムの指令に基づき電子計算機により実行される
    ことを特徴とする、AEセンサ用音片アレイ配列構成方法。
    <T1’> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を規定し、これを「順配列」pRとする。
  12. AEセンサ用音片アレイにおいて、隣接する音片アレイ間における振動干渉を抑制するための配列を構成する方法であって、
    該音片アレイの数が7以上の奇数であり、
    下記<T1’>の規定下、
    該順配列pRの中央の音片アレイを固定し、その前後各方向すなわち短長各方向に1つ置きに選択した音片アレイと合わせて複数本の音片アレイからなるグループを特定してこれを中央グループとし、
    該中央の音片アレイより長い音片アレイでありかつ該中央グループに属さない音片アレイからなる長片グループと、
    該中央の音片アレイより短い音片アレイでありかつ該中央グループに属さない音片アレイからなる短片グループを特定して、計3グループとし、
    該長片グループから連続して取り出さず、該短片グループから連続して取り出さず、かつ配列の両端部の音片アレイを最長・最短以外の音片アレイとする他は、
    各グループから任意の順に要素すなわち音片アレイを取り出して並べる各工程により行われ、
    該各工程は所定のプログラムの指令に基づき電子計算機により実行される
    ことを特徴とする、AEセンサ用音片アレイ配列構成方法。
    <T1’> 全ての音片アレイをその共振周波数の高低順に並べてなる配列を規定し、これを「順配列」pRとする。
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