JP7502962B2 - ガス精製装置及びガス精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、希ガス等の気体から不純物としての空気成分(窒素、酸素、二酸化炭素、水等)を吸着除去するガス精製装置及び当該ガス精製装置を用いたガス精製方法に関する。
半導体製造、熱処理、検査、分析などの分野では様々なガスが用いられている。そのようなガスの中でも、希ガス(ヘリウム、アルゴン等)は高価なため、使用後に回収精製することが望まれている。しかし、回収した希ガスには、不純物として空気成分(窒素、酸素、二酸化炭素、水等)が含まれていることが多い。
また、ガスの回収によるメリットを大きくするために、回収精製装置の価格を安価に抑えたい一方で、できる限り回収ガスのロスを少なくして収率を高くすることが望まれている。さらに、回収精製装置を実際に設置する上で、設置面積等の条件を考えれば、必然的に装置サイズができる限り小さいことが望まれている。
回収されたガス中の空気成分を除去する装置として、TSA(温度スイング吸着装置)やPSA(圧力スイング吸着装置)がある。TSAとPSAにはそれぞれ長所と短所とがあり、適用するガスの組成、濃度、吸着剤の種類などによって使い分けられている。
TSAでは、一般的に、2筒の吸着筒、8個のバルブ、ヒーターを装置の基本構造として、吸着、脱圧、加熱、再生、冷却、均圧の工程を繰り返しながら、ガスを連続で処理する。TSAにおいては、吸着剤を加熱することで吸着質の脱離を促進できるため、再生後のガス吸着量が多くなる。また、加熱によって、強吸着成分(吸着剤に強く吸着される成分)を比較的短時間で脱離させることが可能である。但し、加熱再生の後に冷却を行うため、PSAに比べると1サイクルに要する時間が長いものとなる。
なお、上記加熱には、「高温のガスを用いて加熱する方法」と「ヒーター等の加熱装置で吸着筒ごと直接加熱する方法」とがある。「高温のガスを用いて加熱する方法」によって加熱再生を行う場合、再生用のガスが必要となる。当該再生用のガスには、精製ガスの一部や別途のガス供給設備を使用するが、その分、精製ガスのロスやランニングコストの増大を招いてしまう。また、加熱した再生用のガスが通る配管等には耐熱性の仕様が求められる。一方、「ヒーター等の加熱装置で吸着筒ごと直接加熱する方法」であれば、再生用のガスは不要だが、吸着筒の径が太い場合に中心部まで熱が伝わりにくいこと、加熱後の吸着剤の冷却に長時間を要することから、当該方法は径の細い吸着筒にしか適用できない。
一方、PSAでは、一般的に、2筒の吸着筒、8個のバルブを装置の基本構造として、吸着、均圧、再生の工程を繰り返しながら、ガスを連続で処理する。PSAにおいては、吸着剤を減圧によって再生するため、TSAに比べて短時間での再生が可能である。但し、再生後の吸着量がTSAに比べて少ないことや、一度にあまり多くの量の強吸着成分を脱離できないことから、短時間の吸着と減圧再生を数分で繰り返すこととなり、再生時の排気による回収ガスのロスが大きくなる。よって、排気される回収ガスの量を抑え、回収ガスのロスを減らすための工夫がなされている。
当該回収ガスのロスを減らすための工夫として、「一回の再生工程で排気される回収ガスの量を抑える方法」と「時間当たりの再生回数を減らす方法」とがある。「一回の再生工程で排気される回収ガスの量を抑える方法」は、吸着筒に残留する回収ガスの一部をタンク等に回収することで、一回の再生工程で排気される回収ガスの量を抑えるものである。2つ以上の吸着筒を備えるPSAであれば吸着工程終了時に吸着筒に残留するガスを他の吸着筒に回収することができるが、吸着筒が1つしかない場合には回収用のタンクや補助吸着筒が必要である。これらのタンクや補助吸着筒は容積が小さいとガス回収の効果が小さくなるため、吸着筒と同等以上の容積のものを用いることが多い。他にも、ガスの流れを切り替えるための配管やバルブ等も必要となる。そのため、装置全体としての価格が増大するとともに、当該装置のサイズも大きくなってしまう。また、「時間当たりの再生回数を減らす方法」は、吸着工程の時間を長くして再生工程の頻度を下げるものである。但し、吸着剤の量を増やして吸着工程の時間を引き延ばすと、減圧のみでは再生できなくなり、再生用のガスが必要になるので、逆にロスが増大してしまう。
一般的なTSAやPSAでは、処理するガスの量が少なくなっても、必要最低限の基本的構成は変わらないために、設備投資額を低減することが難しい。但し、バイオガス中のメタンや水蒸気改質ガス中の水素を製品ガスとして取り出すPSAにおいては、特許文献1や特許文献2に示されるように、1筒の吸着筒と4個のバルブを装置の基本構造とする1系統のプロセスを採用することで、装置の低コスト化や装置サイズの小型化が可能である。
特許第6114341号公報 特許第6284563号公報
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2に記載の技術は、バイオガス中からメタンを取り出す場合や水蒸気改質ガス中から水素を取り出す場合など、その用途が限られるものであり、同じ技術を他の用途にそのまま転用できない。その一方で、希ガスからの空気成分除去においては、除去効率の良い方法が確立されていないという課題があった。
そこで、本発明は、希ガスからの空気成分除去を効率良く行うことのできるガス精製装置及び当該ガス精製装置を用いたガス精製方法を確立することを目的としている。特に、空気の主な構成成分が吸着剤(ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル等)に相対的に強く吸着される成分(強吸着成分:水、二酸化炭素等)と相対的に弱く吸着される成分(弱吸着成分:窒素、酸素等)の二つに大別できることに鑑みて、強吸着成分用と弱吸着成分用の2筒の吸着筒を備えるガス精製装置を想定し、当該ガス精製装置を構成する上で、当該装置の低コスト化、装置サイズの小型化、回収ガスのロス抑制(回収率の向上)を行うことを目的としている。
本発明は、不純物として水、二酸化炭素、窒素、酸素を含む希ガスである原料ガスから当該不純物を吸着除去するガス精製装置であって、前記不純物のうち水、二酸化炭素を吸着除去するための強吸着成分用吸着筒と、前記不純物のうち窒素、酸素を吸着除去するための弱吸着成分用吸着筒と、前記強吸着成分用吸着筒を加熱するための加熱手段と、前記原料ガスを前記強吸着成分用吸着筒の入口側に導入する原料ガス導入経路と、前記強吸着成分用吸着筒の出口側と前記弱吸着成分用吸着筒の入口側を接続する吸着筒接続経路と、前記弱吸着成分用吸着筒の出口側から精製ガスを導出する精製ガス導出経路と、前記強吸着成分用吸着筒の入口側に接続される排ガス経路と、前記強吸着成分用吸着筒の入口側に接続され、前記強吸着成分用吸着筒と前記弱吸着成分用吸着筒とを同時に真空吸引する真空ポンプを有する真空排気経路と、を備え、前記弱吸着成分用吸着筒より前記強吸着成分用吸着筒の方が小径であり、前記加熱手段は、前記強吸着成分用吸着筒の周囲に巻かれるヒーターであり、前記強吸着成分用吸着筒の筒径が50A以下であることを特徴とするものである。
好適には、前記強吸着成分用吸着筒の筒径が25A以下であり、前記弱吸着成分用吸着筒の筒径が100A以上であり、また、前記吸着筒接続経路は、単一の配管からなり、バルブが設けられていなく、また、前記精製ガス導出経路に設けられた背圧調整弁を更に備えており、強吸着成分用吸着筒と弱吸着成分用吸着筒に充填される吸着剤は同じものであるか異なるものである。

さらに、本発明は、前記ガス精製装置を用いるガス精製方法であって、前記原料ガスを前記原料ガス導入経路から導入し、強吸着成分用吸着筒及び弱吸着成分用吸着筒で前記不純物を吸着除去し、前記精製ガス導出経路から精製ガスを取り出す吸着工程と、前記吸着工程後のガス流路内の圧力を、前記排ガス経路を開放することにより大気圧に戻す脱圧工程と、前記脱圧工程後の前記強吸着成分用吸着筒を前記加熱手段によって加熱するとともに、前記真空ポンプを用いて前記強吸着成分用吸着筒及び前記弱吸着成分用吸着筒を同時に減圧し、それぞれの内部に充填されている吸着剤から吸着除去された前記不純物を脱離させる再生工程と、前記再生工程の終了後、前記強吸着成分用吸着筒を冷却する冷却工程とを含むことを特徴とするものである
本発明のガス精製装置及びガス精製方法によれば、特に、不純物として空気成分を含む希ガスについて、強吸着成分用と弱吸着成分用の吸着筒を分離して、2筒の吸着筒を配管で接続した構成となり、個々の吸着剤に吸着される空気成分が分離されることによって、効率の良いガス精製が行われるものとなる。強吸着成分用吸着筒に充填された吸着剤は加熱と真空脱離によって再生可能であり、再生ガスを不要とする。また、強吸着成分用吸着筒と弱吸着成分用吸着筒とを一つの真空ポンプにより減圧可能である。
また、弱吸着成分用吸着筒より強吸着成分用吸着筒の方が小径であることから、加熱手段を有する強吸着成分用吸着筒は確実に再生され、弱吸着成分用吸着筒は大きな筒とすることにより吸着量を増加させることができ、吸着時間を長くすることが可能である。さらに、種々の条件に合わせて吸着剤を選択することが可能である。
よって、当該装置の低コスト化、装置サイズの小型化、回収ガスのロス抑制(回収率の向上)が達成される。
本発明のガス精製装置の一形態例を示す系統図である。 比較例1~2におけるガス精製装置を示す図(特許文献1の図1に示されるものと同様の装置)である。 比較例3~4におけるガス精製装置を示す図である。 比較例5におけるガス精製装置を示す図である。 比較例6におけるガス精製装置を示す図である。 比較例7におけるガス精製装置を示す図である。
図1は本発明のガス精製装置の一形態例を示す系統図である。本形態例のガス精製装置は、図1に示すように、原料ガスを昇圧する圧縮機P1と、真空ポンプP2と、バルブV1~V4と、背圧調整弁V5と、強吸着成分用吸着筒A1と、弱吸着成分用吸着筒A2と、原料ガス導入経路L1と、吸着筒接続経路L2と、精製ガス導出経路L3と、排ガス経路L4と、真空排気経路L5と、強吸着成分用吸着筒A1の周囲に巻かれるヒーター(加熱手段)H1とを備えて構成される。
原料ガス導入経路L1は、精製が行われる原料ガスを強吸着成分用吸着筒A1の入口側に導入するための経路である。当該原料ガス導入経路L1には、圧縮機P1とバルブV1とが設けられている。圧縮機P1は原料ガスを圧縮して特定の圧力に昇圧するものであり、バルブV1によって開閉が制御される。
吸着筒接続経路L2は、強吸着成分用吸着筒A1の出口側と弱吸着成分用吸着筒A2の入口側とを接続する経路であり、強吸着成分用吸着筒A1において強吸着成分が除去された後の原料ガスを弱吸着成分用吸着筒A2に導入するものである。当該吸着筒接続経路L2にはバルブ等が設けられておらず、単一の配管から構成される。
精製ガス導出経路L3は、弱吸着成分用吸着筒A2の出口側から弱吸着成分が除去された後の原料ガスを精製ガスとして導出するための経路である。当該精製ガス導出経路L3には、バルブV2と背圧調整弁V5とが設けられている。背圧調整弁V5によって精製ガスの圧力が制御されており、バルブV2によって開閉が制御される。
排ガス経路L4は、原料ガス導入経路L1と合流して強吸着成分用吸着筒A1の入口側に接続される経路であり、後述する脱圧工程において、強吸着成分用吸着筒A1において吸着された強吸着成分と弱吸着成分用吸着筒A2において吸着された弱吸着成分を脱離させるために、系内の圧力を大気圧にするために排気する際に用いられる経路である。当該排ガス経路L4には、バルブV3が設けられており、当該バルブV3によって開閉が制御される。
真空排気経路L5は、原料ガス導入経路L1と合流して強吸着成分用吸着筒A1の入口側に接続される経路であり、後述する再生工程において、強吸着成分用吸着筒A1において吸着された強吸着成分と弱吸着成分用吸着筒A2において吸着された弱吸着成分を脱離させるために、真空吸引を行って排気するための経路である。当該真空排気経路L5には、バルブV4と真空ポンプP2とが設けられており、真空ポンプP2によって真空吸引が行われ、バルブV4によって開閉が制御される。排ガス経路L4と真空排気経路L5とは、当該真空排気経路L5の真空ポンプP2よりも下流側において合流している。
強吸着成分用吸着筒A1は、空気成分のうち相対的に吸着剤に強く吸着される成分(水、二酸化炭素等)を吸着するための吸着筒である。強吸着成分用吸着筒A1は、円筒状で、内部に強吸着成分を吸着する強吸着成分用吸着剤が充填されている。強吸着成分用吸着剤としては、水や二酸化炭素を吸着できる吸着剤、具体的にはCaXゼオライト、NaXゼオライト、LiXゼオライト、NaAゼオライト、CaAゼオライト、KAゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル等を使用することができ、中でもCaXゼオライト、NaXゼオライトが好ましく、特に水の吸着量の多いNaXゼオライトがより好ましい。
弱吸着成分用吸着筒A2は、空気成分のうち相対的に吸着剤に弱く吸着される成分(窒素、酸素等)を吸着するための吸着筒である。弱吸着成分用吸着筒A2は、円筒状で、内部に弱吸着成分を吸着する弱吸着成分用吸着剤が充填されている。弱吸着成分用吸着剤としては、窒素や酸素を吸着できる吸着剤、具体的にはCaXゼオライト、NaXゼオライト、LiXゼオライト、NaAゼオライト、CaAゼオライト、KAゼオライト、活性アルミナ、活性炭(モレキュラーシーブ)等を使用することができ、中でも活性アルミナ、CaXゼオライトが好ましく、特に窒素および酸素を減圧のみで脱離できかつ吸着量の多いCaXゼオライトがより好ましい。
なお、吸着された各成分の脱離のしやすさを考慮して、弱吸着成分用吸着筒A2より強吸着成分用吸着筒A1の方が小径となるように各吸着筒の大きさが設定されている。また、上記強吸着成分用吸着剤及び弱吸着成分用吸着剤には、同じ物質または異なる物質を用いても構わない。また、長時間吸着できるように吸着剤を充填することが好ましく、強吸着成分用吸着筒A1の吸着可能時間と弱吸着成分用吸着筒A2の吸着可能時間とが同じになるか、少なくとも、強吸着成分用吸着筒A1の吸着可能時間が長くなるように吸着剤を充填することが好ましい。
上記構成のガス精製装置を用いて行われるガス精製方法は、以下の4工程からなる。
1.吸着工程
バルブV1、V2を開、バルブV3、V4を閉として、圧縮機P1で原料ガスを圧縮し、圧縮された原料ガスを、原料ガス導入経路L1、吸着筒接続経路L2、精製ガス導出経路L3の順に流しながら、バルブV1、強吸着成分用吸着筒A1、弱吸着成分用吸着筒A2、バルブV2、背圧調整弁V5を通過させる。この時、原料ガスが流れる区間は背圧調整弁V5の働きにより、大気圧より高い圧力まで上昇する。経路を進む途中で、原料ガス中の強吸着成分である水と二酸化炭素は強吸着成分用吸着筒A1で吸着除去される。その際にガスの流通によって当該ガスの温度が上昇するが、吸着筒接続経路L2を通る間の放熱により当該ガスは冷却される。その後、弱吸着成分用吸着筒A2において弱吸着成分である窒素と酸素が吸着除去される。これらの過程を経て、原料ガス中の不純物を吸着除去し、精製されたガスを取り出す。この吸着工程は例えば1~24時間、好適には2~12時間継続される。
2.脱圧工程
吸着工程の終了後、バルブV1、V2、V4を閉、バルブV3を開にして、排ガス経路L4内にガスを流通させることで、系内(バルブV1~V4で区切られる部分)の脱圧を行う。脱圧工程は系内が大気圧になるまで継続される。この脱圧工程において、強吸着成分用吸着剤と弱吸着成分用吸着剤にそれぞれ吸着した不純物の一部が脱離される。この脱圧工程は例えば1時間以内、好適には5~30分実施する。
3.再生工程
脱圧工程の終了後、バルブV1、V2、V3を閉、バルブV4を開にし、強吸着成分用吸着筒A1のヒーターH1と真空ポンプP2を動作させて、真空排気経路L5を通じて、強吸着成分用吸着剤と弱吸着成分用吸着剤にそれぞれ吸着した不純物を脱離させる。ヒーターは100~600℃、好適には150~400℃に加熱する。この再生工程は不純物が脱離するのに十分な時間継続される。この再生工程は例えば1~24時間、好適には2~12時間継続される。
4.冷却工程
再生工程の終了後、バルブV1~V4を閉にし、強吸着成分用吸着筒A1のヒーターH1を停止させて強吸着成分用吸着筒A1を冷却する。この冷却工程は例えば1~24時間、好適には2~12時間継続される。冷却は自然放冷で行うことができるが、ヒーターを取り外す、冷却ファン等で風を当てる、吸着筒内に冷却ガスを流す等の方法により冷却を促進してもよい。冷却工程終了後は、次の吸着工程に備えて、待機状態となる。
なお、本発明のガス精製装置及びガス精製方法の適用範囲は、以下の表1のとおりである。
Figure 0007502962000001
図1に示される構成のガス精製装置を使用してガス精製を行った。詳細は表2のとおりである。
Figure 0007502962000002
[比較例1]
比較例1として、図2に示されるような均圧回収用タンクを備える1筒式PSAの構成からなるガス精製装置を使用してガス精製を行った。弱吸着成分用と強吸着成分用の吸着剤を一つの吸着筒に積層して充填しているものである。(特許文献1の図1に示される装置と同様の装置である。)詳細は表3のとおりである。
Figure 0007502962000003
上記比較例1では、実施例と比べて、回収ガスの純度が、精製ガスとして利用することができない程度に低かった。さらに、強吸着成分を吸着させすぎたためか、真空ポンプによる真空吸引だけでは吸着剤を完全に再生できなかった。
[比較例2]
比較例2として、比較例1と同様に図2に示される構成のガス精製装置を使用して、以下の表4に示す条件でガス精製を行った。
Figure 0007502962000004
上記比較例2では、空気を含む希ガスの精製において、実施例ほど製品ガスのロス抑制効果が得られなかった。
[比較例3]
比較例3として、図3に示される構成のガス精製装置を使用してガス精製を行った。(図2の構成から均圧回収用タンクがない構成の装置である。)詳細は表5のとおりである。
Figure 0007502962000005
上記比較例3についても、比較例1と同様に、真空ポンプによる真空吸引だけでは吸着剤が完全に再生できない上に、回収ガスの純度が、精製ガスとして利用することができない程度に低かった。
[比較例4]
比較例4として、比較例3と同様に図3に示される構成のガス精製装置を使用して、以下の表6に示す条件でガス精製を行った。
Figure 0007502962000006
上記比較例4では、製品ガスのロスが多くなってしまった。
[比較例5]
比較例5として、図4に示される構成のガス精製装置を使用してガス精製を行った。(図3の構成から、吸着筒の側面にヒーターを巻き付けた構成の装置である。)詳細は表7のとおりである。
Figure 0007502962000007
上記比較例5では、ヒーターによる加熱再生では吸着筒中心部の吸着剤が再生されない上に、回収ガスの純度が、精製ガスとして利用することができない程度に低かった。
[比較例6]
比較例6として、図5に示される構成のガス精製装置を使用してガス精製を行った。(図4の構成から、吸着筒の出口側配管に接続した精製ヘリウム供給ラインを有する構成の装置である。)詳細は表8のとおりである。
Figure 0007502962000008
上記比較例6では、精製ヘリウム供給ラインを別途追加することで装置が複雑化し、装置価格が上昇する。また、製品ガスロス以上の精製ヘリウムガスを別途供給しなければならないものとなった。
[比較例7]
比較例7として、図6に示される構成のガス精製装置を使用してガス精製を行った。(図2~5の構成に用いられる吸着筒を3筒直列に接続した装置である。)詳細は表9のとおりである。
Figure 0007502962000009
上記比較例7では、吸着筒を複数設けたため装置が複雑化し、装置価格が上昇する。
以上から、実施例と比較例1~7とを比較すると、吸着剤の再生、回収精製ガス純度、製品ガスのロス、装置価格、装置サイズなどの点を総合的に考慮した上で、実施例で用いられた装置がガス精製装置として最も優れているものといえる。
これは、本発明のガス精製装置及びガス精製方法が、強吸着成分用吸着筒と弱吸着成分用吸着筒とに分離することにより、いわゆる1系統のガス装置ながら、TSAとPSAの長所を組み合わせた構成となっているからである。以下、その効果を具体的に述べる。
1.再生用のガスが不要
弱吸着成分は中真空領域まで吸引できる真空ポンプによる減圧だけで容易に脱離可能であるが、強吸着成分は減圧のみでは脱離しにくい。吸着筒を直接加熱しながら真空吸引する手法では、再生用のガスは不要だが、当該手法は径の細い吸着筒にしか採用できない。
また、強吸着成分は吸着剤の重量当たりの吸着量が多く、少量での吸着除去が可能である一方で、弱吸着成分は吸着剤の重量当たりの吸着量が少ないために、必要になる吸着剤の量が多い。そのため、強吸着成分用の吸着剤と弱吸着成分用の吸着剤を同じ吸着筒に充填すると、全体として筒の径が太くなってしまい、吸着筒の直接加熱を採用できない。
しかしながら、本発明のように、強吸着成分用吸着筒A1を分離して、弱吸着成分用吸着筒A2よりも小径のものとすることで、吸着筒の直接加熱を採用することが可能となり、再生用のガスが不要となる。
2.弱吸着成分の有効吸着量が増加
弱吸着成分は真空ポンプ等による減圧だけで容易に脱離できるため、吸着筒の径を太くしても問題はない。そこで、弱吸着成分用吸着筒を強吸着成分用吸着筒よりも大径のものとすることで、物質移動帯を短くして有効吸着量を増加させることが可能となる。
3.1つの真空ポンプで対応可能かつ2筒間にバルブ等が不要
吸着筒接続経路L2は単に接続配管でつなぐだけの構造であり、当該配管にバルブ等は不要である。また、当該構造を採用するがゆえに、強吸着成分用吸着筒A1と弱吸着成分用吸着筒A2の2筒の真空吸引を同時に行えるため、真空ポンプは1機のみで良い。
4.回収タンクや補助吸着筒なしでも回収ガスの十分なロス抑制が可能
強吸着成分を大量に吸着させても、再生工程において強吸着成分用吸着筒A1の直接加熱と真空吸引とをあわせて行うことで当該強吸着成分を脱離させることができる。一方、弱吸着成分は真空吸引のみで脱離させることができるため、弱吸着成分用吸着筒A2については吸着時間に合わせて筒を大きくしても問題なく、吸着時間を長くすることも可能である。その際に、回収タンクや補助吸着筒を設ける必要はない。その上で、再生工程の時間を長くして頻度を減らすことにより、回収ガスの十分なロス抑制効果が得られる。
5.バルブや真空ポンプの耐熱仕様が不要
脱圧工程により吸着筒内を排気(ブローダウン)してから、再生工程において当該吸着筒の直接加熱と真空吸引を行うため、再生時に高温のガスが微量しか流れない。また、配管が放熱機構として働き、当該配管を通過することでガスの温度が下がる。よって、真空排気経路L5に設けられるバルブV4や真空ポンプP2といった配管機器に耐熱仕様は不要である。
6.強吸着成分の吸着熱を放散できる
強吸着成分が吸着することにより生じる吸着熱は、吸着筒接続経路L2を通じて放散されるので、弱吸着成分用吸着筒A2の加熱による弱吸着成分の吸着量低下を防止できる。
7.配管や死容積の違いによる回収ガスのロスに差が生じにくい
上述のように、強吸着成分用吸着筒A1は直接加熱しながら真空吸引をすることにより再生可能であり、弱吸着成分用吸着筒A2の筒を大きく設計することも可能なことから、吸着時間を長くすることが可能である。吸着時間を長くすることによって、配管や死容積部分の違いによる回収ガスのロスへの影響が微小である。
8.ガス流量の変動による影響が小さい
上述のように、吸着時間を長くすることによって、瞬時的なガス流量の変動による影響が小さい。
なお、本発明において、原料ガスに自圧がある場合、圧縮機P1は不要である。また、大気圧程度の圧力での吸着を行う場合、精製ガス導出経路L3に背圧調整弁V5は不要である。また、精製ガスのロス抑制を効率よく行うために、回収タンクや補助吸着筒を設けてもよい。その他に、原料ガスや精製ガスのレシーバータンク、微量不純物除去装置、粉塵フィルター、精製器等を前後に取り付けてもよい。
A1・・・強吸着成分用吸着筒、A2・・・弱吸着成分用吸着筒、L1・・・原料ガス導入経路、L2・・・吸着筒接続経路、L3・・・精製ガス導出経路、L4・・・排ガス経路、L5・・・真空排気経路、P1・・・圧縮機、P2・・・真空ポンプ、V1~V4・・・バルブ、V5・・・背圧調整弁、H1・・・ヒーター(加熱手段)

Claims (7)

  1. 不純物として水、二酸化炭素、窒素、酸素を含む希ガスである原料ガスから当該不純物を吸着除去するガス精製装置であって、
    前記不純物のうち水、二酸化炭素を吸着除去するための強吸着成分用吸着筒と、
    前記不純物のうち窒素、酸素を吸着除去するための弱吸着成分用吸着筒と、
    前記強吸着成分用吸着筒を加熱するための加熱手段と、
    前記原料ガスを前記強吸着成分用吸着筒の入口側に導入する原料ガス導入経路と、
    前記強吸着成分用吸着筒の出口側と前記弱吸着成分用吸着筒の入口側を接続する吸着筒接続経路と、
    前記弱吸着成分用吸着筒の出口側から精製ガスを導出する精製ガス導出経路と、
    前記強吸着成分用吸着筒の入口側に接続される排ガス経路と、
    前記強吸着成分用吸着筒の入口側に接続され、前記強吸着成分用吸着筒と前記弱吸着成分用吸着筒とを同時に真空吸引する真空ポンプを有する真空排気経路と、
    を備え
    前記弱吸着成分用吸着筒より前記強吸着成分用吸着筒の方が小径であり、
    前記加熱手段は、前記強吸着成分用吸着筒の周囲に巻かれるヒーターであり、
    前記強吸着成分用吸着筒の筒径が50A以下である
    ことを特徴とするガス精製装置。
  2. 前記強吸着成分用吸着筒の筒径が25A以下であり、前記弱吸着成分用吸着筒の筒径が100A以上であることを特徴とする請求項1に記載のガス精製装置。
  3. 前記吸着筒接続経路は、単一の配管からなり、バルブが設けられていないことを特徴とする請求項1又は2に記載のガス精製装置。
  4. 前記精製ガス導出経路に設けられた背圧調整弁を更に備えていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のガス精製装置。
  5. 強吸着成分用吸着筒と弱吸着成分用吸着筒に充填される吸着剤が同じであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のガス精製装置。
  6. 強吸着成分用吸着筒と弱吸着成分用吸着筒に充填される吸着剤が異なることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のガス精製装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のガス精製装置を用いるガス精製方法であって、
    前記原料ガスを前記原料ガス導入経路から導入し、強吸着成分用吸着筒及び弱吸着成分用吸着筒で前記不純物を吸着除去し、前記精製ガス導出経路から精製ガスを取り出す吸着工程と、
    前記吸着工程後のガス流路内の圧力を、前記排ガス経路を開放することにより大気圧に戻す脱圧工程と、
    前記脱圧工程後の前記強吸着成分用吸着筒を前記加熱手段によって加熱するとともに、前記真空ポンプを用いて前記強吸着成分用吸着筒及び前記弱吸着成分用吸着筒を同時に減圧し、それぞれの内部に充填されている吸着剤から吸着除去された前記不純物を脱離させる再生工程と、
    前記再生工程の終了後、前記強吸着成分用吸着筒を冷却する冷却工程とを含む、
    ガス精製方法。
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