JP7502642B2 - クラッド材および製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、クラッド材および製造方法に関する。
クラッド材とは、異なる金属(以下、「異種金属」ともいう。)同士を、接合圧延、圧接等で接合した材料である。クラッド材は、接合された異種金属それぞれが持つ優れた特性を発揮できるため、単一金属および合金では達成しえない新たな特性を備える。
例えば、特許文献1には、炭素鋼またはマルテンサイト系ステンレス鋼と、アルミニウム合金とを接合したクラッド材が開示されている。特許文献1に開示されたクラッド材は、硬度の高い炭素鋼またはマルテンサイト鋼で耐摩耗性を確保しつつ、熱伝導性の良好なアルミニウム合金で放熱性を向上させている。
また、特許文献2には、スパッタエッチング工程を行った上で、ステンレス鋼と、高純度アルミニウムまたはアルミニウム合金とを、接合したクラッド材が開示されている。特許文献2に開示されたクラッド材は、耐食性と、強度とをステンレス鋼で確保し、高純度アルミニウムおよびアルミニウム合金で、軽量性と熱伝導性とを向上させている。
このように、クラッド材は、単一金属および合金では達成しえない、新たな特性を発現する。その一方、異種金属を接合させるために、金属同士の界面で剥離が生じやすく、しばしば剥離強度が問題になる。この剥離強度の問題に対し、特許文献1では、圧延条件および熱処理条件を制御することで、クラッド材の剥離強度を高めている。また、特許文献2では、予め界面をスパッタエッチングした状態で、圧下率10%以下で圧接することで、接合面の表面吸着物を除去し、クラッド材の接合強度を高めている。
国際公開第2017/043360号 国際公開第2017/057665号
しかしながら、クラッド材は、界面近傍で加熱および冷却に伴う熱膨張の差によって応力が発生し、界面の剥離強度が低い場合、接合した金属同士が剥離することがある。また、例えば、長期間、高温での加熱と冷却とが繰り返されるような用途で使用された場合、特許文献1および2に記載のクラッド材は、熱疲労により、変形が生じてしまう場合がある。したがって、このような用途では、剥離強度に加え、熱疲労に対する耐久性、すなわち耐熱疲労性を高める必要がある。
以上を踏まえ、本発明は、上記の課題を解決し、剥離強度と耐熱疲労性とに優れたクラッド材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、下記のクラッド材およびその製造方法を要旨とする。
(1)ステンレス鋼、工業用純チタン、またはチタン合金のいずれかからなる第1層と、
工業用純アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第2層と、
前記第1層と前記第2層との間に、少なくとも部分的に存在する酸化物層と、
を有し、
前記酸化物層が、結晶相を有する酸化物を含む、
クラッド材。
(2)さらに、ステンレス鋼、工業用純チタン、またはチタン合金のいずれかからなり、第2層に対して第1層の反対側に位置する第3層と、
前記第2層と前記第3層との間に、少なくとも部分的に存在する酸化物層と、
を有し、
前記酸化物層が、結晶相を有する酸化物を含む、
上記(1)に記載のクラッド材。
(3)前記結晶相がAlである、上記(1)または(2)に記載のクラッド材。
(4)前記結晶相がMgOである、上記(1)または(2)に記載のクラッド材。
(5)被覆材であるステンレス鋼、工業用純チタン、またはチタン合金のいずれかを加熱するとともに、基材である工業用純アルミニウムまたはアルミニウム合金のいずれかを、500~550℃の温度域で加熱する工程と、
加熱された前記基材と前記被覆材とを、圧延面で積層し、積層体とし、当該積層体を圧下率が10%以上で圧延し、クラッド帯とする工程と、
前記クラッド帯を、300~500℃の温度域で、3分以上加熱保持する工程と、
加熱保持された前記クラッド帯を、圧下率が2~10%の範囲で圧延する工程と、
圧延された前記クラッド帯を、300~550℃の温度域で、3分以上加熱保持する工程と、を有する、上記(1)~(4)のいずれか1項に記載のクラッド材の製造方法。
本発明によれば、剥離強度と耐熱疲労特性とに優れたクラッド材を得ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るクラッド材の構成を模式的に示した断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るクラッド材で、第3層を有するクラッド材の構成を模式的に示した断面図である。 図3は、剥離試験に用いられる試験材を模式的に示した図である。
本発明者らは、クラッド材の剥離強度および耐熱疲労特性を向上させるため、種々の検討を行い、以下の(a)~(c)の知見を得た。
(a)通常のクラッド材の製造では、接合圧延までに、素材となる異種金属が加熱されるため、その表面に部分的または全体的に酸化皮膜が形成することがある。この酸化皮膜は、接合圧延される金属同士の界面に残存する酸化物となり、接合を阻害し、剥離強度を低下させるため、望ましくない。
剥離強度を確保するため、特許文献1では、圧延により酸化皮膜の一部を破壊し、酸化物のない金属表面(以下、「新生表面」と記載する。)を形成させ、この新生表面で互いの金属層の層間で原子の相互拡散を促進させ、接合強度を確保している。一方で、特許文献1のクラッドは、金属層の層間の一部に残存する酸化物に関しては着目していないため、加熱と冷却とが生じる環境において、熱疲労により、クラッド材の性能が著しく低下してしまうことがある。
(b)そこで、本発明者らは、耐熱疲労性を高めるため、クラッド材の異種金属間に残存している酸化物に着目した。この酸化物は異種金属の直接的な接合を阻害し、剥離強度を低下させることが知られている。例えば、特許文献2のように、スパッタエッチングを用い、クラッドの界面の酸化物等を除去し、剥離強度を確保することもできるが、このような場合であっても、酸化物の制御が難しく、耐熱疲労特性を十分確保するのが難しい場合がある。また、スパッタエッチングを行うための特殊な設備が必要となる。この結果、製造コストが上昇する。
(c)以上の点を踏まえ、本発明者らは、特殊な設備を使用することなく、耐熱疲労特性を高めることを検討した。そして、酸化物の状態がクラッド材の耐熱疲労性を変化させることを明らかにした。すなわち、酸化物内に、原子が規則的配列した結晶相の酸化物が一部でも形成している場合には、耐熱疲労性を向上させることができることがわかった。
したがって、高い剥離強度を確保しつつ、さらに、耐熱疲労性を向上させるためには、結晶相の酸化物を形成させることが望ましい。このためには、後述する製造条件を適切に制御するのが望ましい。
本発明は上記の知見に基づいてなされたものである。以下、本発明の各要件について詳しく説明する。
1.クラッド材の全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係るクラッド材の構成を模式的に示した断面図である。図1に示すように、クラッド材10は、第1層11、第2層12、および酸化物層14を有する。また、板厚方向に、第1層11と第2層12とが積層しており、第1層11は、第2層12と接合界面13を介して接合されている。
酸化物層14は、酸化物からなり、第1層11と第2層12との間に、少なくとも部分的に存在する。言い換えれば、酸化物層14は、第1層11と第2層12の間、すなわち接合界面13において、少なくとも部分的に形成している。このため、接合界面13においては、酸化物層14が無い部分があってもよく、この部分では、第1層11と第2層12とが表面同士で、直接接合している。また、酸化物層14は、後述するように、結晶相の酸化物を有する。
クラッド材10は、例えば、図2に示すように、第1層11と、第2層12と、第3層15と、酸化物層14とを有する構成であってもよい。ここで、第2層12は、第1層11と第2層12との間の接合界面13a(以下、「第1接合界面」とも記載する。)を介して、第1層11と接合されている。同様に、第3層15は、第2層12と第3層15との間の接合界面13b(以下、「第2接合界面」とも記載する。)を介して、第2層12と接合されている。
図2では、第2層12を介し、第1層11と第3層15とが板厚方向に積層している。すなわち、第3層15は、第2層12に対して第1層11の反対側に位置する。この場合、酸化物層14は、第1層11と第2層12との間、および第2層12と第3層15との間に形成する。すなわち、第1接合界面13aと第2接合界面13bにおいて、酸化物層14が存在する。
また、図2の場合、図1の場合と同様、第1接合界面13aおよび第2接合界面13bにおいて、酸化物層14が無い部分があってもよく、この部分では、第1層11と第2層12、および第2層12と第3層15とが、表面同士で、直接接合している。
なお、図1および図2は、クラッド材10が、板材である場合であるが、例えば、管状の素材であってもよい。
2.第1層および第3層について
第1層11および第3層15は、高温で緻密な酸化皮膜を有する金属素材からなる。具体的には、第1層11および第3層15は、ステンレス鋼、工業用純チタン、またはチタン合金のいずれかからなる。これらの金属素材は、強度および耐食性等の特性に優れ、クラッド材10が使用される用途に適しているからである。なお、第1層11に加え、第3層15を有するクラッド材10の場合、第1層11および第3層15は、異なる種類の金属素材であってもよいが、耐熱疲労性を高めたい場合には、同じ種類の金属素材であるのがよい。
(ステンレス鋼)
上記ステンレス鋼の種類は、特に限定しないが、例えば、フェライト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、オーステナイト-フェライト系ステンレス鋼(「二相系ステンレス鋼」ともいう。)、その他、析出硬化系ステンレス鋼が考えられる。具体的な鋼種としては、SUS304、SUS430、SUS403、等などであってもよい。なお、高温強度を高めたい場合には、ステンレス鋼を、強度の高いマルテンサイト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、二相系ステンレス鋼、または析出強化系ステンレス鋼とするのがよい。
(工業用純チタン)
上記工業用純チタンとは、意図的に添加した元素を含まず、不純物とTiとからなるチタン材であり、通常、Ti含有量が、98質量%以上となる。工業用純チタンとしては、JIS 1種~4種、またはASTM/ASME Grade1~4が一般的である。また、上記工業用チタン材では、不純物量が、C:0.08質量%以下、H:0.015質量%以下、O:0.40質量%以下、N:0.05質量%以下、Fe:0.50質量%以下であることが定められている。
(チタン合金)
上記チタン合金の種類は、特に限定しない。チタン合金は、Tiを70質量%以上含み、意図的に添加した元素を含む合金であるが、具体的には、α型チタン合金、α+β型チタン合金、またはβ型チタン合金が一般的である。α型チタン合金としては、例えば、高耐食性合金(JIS規格の11種~13種、17種、19種~22種、ASTM規格のGrade7、11、13、14、17、30、31で規定されるチタン合金、および種々の元素を少量含有させたチタン合金)、Ti-0.5Cu、Ti-1.0Cu、Ti-1.0Cu-0.5Nb、Ti-1.0Cu-1.0Sn-0.3Si-0.25Nb等がある。
α+β型チタン合金としては、例えば、Ti-3Al-2.5V、Ti-5Al-1Fe、Ti-6Al-4V等がある。β型チタン合金としては、例えば、Ti-11.5Mo-6Zr-4.5Sn、Ti-8V-3Al-6Cr-4Mo-4Zr、Ti-13V-11Cr-3Al、Ti-15V-3Al-3Cr-3Sn、Ti-20V-4Al-1Sn、Ti-22V-4Al等がある。
3.第2層について
第2層12は、熱伝導性が高い金属素材からなる。具体的には、第2層12は、工業用純アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。工業用純アルミニウムまたはアルミニウム合金は、熱伝導率が高く、放熱性が良好であるため、クラッド材10が加熱と冷却とを繰り返す用途に用いられる場合にも適しているからである。
(工業用純アルミニウム)
上記工業用純アルミニウムとは、意図的に添加した元素を含まず、不純物とAlとからなるアルミニウム材であり、通常、Al含有量が、98質量%以上となる。なお、不純物として、例えば、Si、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Zr、Ga、V、N、Ni、B、Zr、Tiが含まれることがある。
(アルミニウム合金)
上記アルミニウム合金については、特に、その種類を限定せず、一般的に用いられる合金であればよい。アルミニウム合金としては、2000系と呼ばれるAl-Cu系合金、3000系と呼ばれるAl-Mn系合金、4000系と呼ばれるAl-Si系合金、5000系と呼ばれるAl-Mg系合金、6000系と呼ばれるAl-Mg-Si系合金、7000系と呼ばれるAl-Zn-Mg系合金がある。
比較的高温に加熱される部材への適用が想定される場合には、第2層12には、JIS H 4000:2014に規定された、A3003、A3004、A5052、およびA5083等の非熱処理型アルミニウム合金を用いるのが好ましい。熱処理型アルミニウム合金では、高温に曝された際に強度低下が生じる恐れがあるので、あまり好ましくない。但し、必要な場合には適応しても問題にはならない。
また、後述するように、剥離強度と耐熱疲労性とを高める上で、MgOの結晶相を含む酸化物層14とするためには、アルミニウム合金は、Mgを0.2質量%以上含有する合金とするのが好ましい。
4.酸化物層について
本発明の一実施形態に係るクラッド材10の酸化物層14は、酸化物からなる。また、この酸化物層14は、上述したように、図1の場合においては、第1層11と第2層12との間に少なくとも部分的に、不可避的に形成している。ここで、第1層11および第2層12は、接合界面13を介して接合されていることから、言い換えれば、接合界面13において酸化物が存在していると言える。接合界面13においては、酸化物層14が無い部分があっても良い。接合界面13の全面において、酸化物層14が形成しているとは限らない。
また、図2の場合には、酸化物層14は、第1層11と第2層12との間だけでなく、第2層12と第3層15との間にも形成している。すなわち、第1接合界面13aおよび第2接合界面13bにおいて、酸化物層14が形成している。
なお、酸化物層14は、第1接合界面13aの少なくとも一部、および第2接合界面の13bの少なくとも一部に、不可避的に存在している。但し、上記二つの接合界面13aおよび13bにおいては、酸化物層14が無い部分があっても良く、二つの接合界面13aおよび13bの全面において、酸化物層14が形成しているとは限らない。
この酸化物層14は、厚さが、約10~数10nm程度の非常に薄いものである。後述するように、クラッド材10を製造する場合には、第2層12となる基材と、第1層11および第3層15となる被覆材とを、圧延する前に、個別に加熱する。この際、基材および被覆材の表面に形成する酸化物が残存したものが、クラッド材10の酸化物層14となる。なお、通常、第2層12となる基材に由来する酸化物が多く、第1層11および第3層15となる被覆材に由来する酸化物の影響は小さい。
例えば、第2層12が工業用純アルミニウムからなる場合、酸化物層14の酸化物は、基材である工業用純アルミニウムに由来するAl酸化物を多く含む。第2層12がアルミニウム合金の場合も同様であるが、例えば、Alより酸化しやすいMgが、基材であるアルミニウム合金に含まれる場合には、具体的には、Mgが0.2質量%以上含まれる場合には、酸化物層14の酸化物は、Mg酸化物を多く含む。
なお、第1層11と第2層12との間に形成し、第1接合界面13aに存在する酸化物層14(以下、「第1酸化物層」とも記載する。)と、第2層12と第3層15との間に形成し、第2接合界面13bに存在する酸化物層14(以下、「第2酸化物層」とも記載する。)とは、ともに、後述する特徴を有する酸化物層であればよく、同じ種類の酸化物から構成されていても、異なる種類の酸化物から構成されていてもよい。
(結晶相)
ここで、酸化物層14は、結晶相の酸化物を含む。結晶相とは、特定の結晶構造を有する、すなわち規則的な原子配列を有する相のことをいう。通常、酸化物層の酸化物は、不規則な原子配列を有するアモルファス相となる。このアモルファス相の酸化物は、剥離強度を低下させ、耐熱疲労性を低下させる。その一方、酸化物層14において、主として、アモルファス相の酸化物を含むものの、一部に結晶相の酸化物を含む場合は、剥離強度と耐熱疲労性とが向上する。
この理由については定かではないものの、以下の理由が考えられる。アモルファス相の線膨張係数は、金属素材の線膨張係数と比較し、かなり低い。このため、酸化物層14がアモルファス相からなる場合、金属素材からなる第1層11、第2層12、および第3層15と、酸化物層14とは、線膨張係数に大きな差が生じる。この結果、加熱と冷却とが繰り返される場合、第1層11、第2層12、および第3層15と、酸化物層14との間で、熱膨張と熱収縮とが生じる際の挙動が大きく相違し、剥離、変形等が生じやすくなる。その一方、結晶相の酸化物の線膨張係数は、第1層11、第2層12、および第3層15の線膨張係数と近い値であるため、熱膨張と熱収縮とが生じても、各層の挙動が大きく相違しない。この結果、剥離と熱疲労とを抑制することができると考えられる。
酸化物層14の酸化物がAl酸化物を多く含む場合、結晶相は、Alであるのが好ましい。また、酸化物層14の酸化物がMg酸化物を多く含む場合、結晶相は、MgOであるのが好ましい。ここで、結晶相がMgOである方が、結晶相がAlである場合と比較し、熱疲労による変形、層間剥離を抑制することができ、耐熱疲労性が向上する。
なお、酸化物層14および酸化物層14中の結晶相については、以下の手順で、その存在を確認することができる。クラッド材のL断面(圧延方向および板厚方向に平行な断面)でかつ接合界面13(13aあるいは13b)を含むように、透過型電子顕微鏡(TEM)観察用の薄膜試料を作製する。薄膜試料は、例えば、収束ビーム法により作成すればよい。そして、接合界面13(13aあるいは13b)の長さが5μmとなるような長さで酸化物層14の観察を行う。これは、10万倍の倍率で、25視野測定したことに相当する。以後の説明においては、便宜のため、10万倍における1視野当たりの測定方法について述べることとする。接合界面が13aと13b両方ある場合は、両方について実施する。
観察された酸化物層14に対し、制限視野回折を行い、結晶相の有無を確認する。制限視野回折では、倍率10万倍、制限視野サイズをφ10nmで、倍率10万倍の各視野毎に、接合界面13(13aあるいは13b)の長さを10等分し、10等分した領域1か所ずつで回折図形を調べ、結晶相の有無を調べる。回折図形の中で、1箇所でも結晶相の回折図形が確認された場合は、結晶相を有すると判断する。また、調べた結晶相の回折図形から、酸化物を同定することができる。
5.クラッド材の厚さについて
剥離強度と耐熱疲労性との観点から、本発明の一実施形態に係るクラッド材10の厚さは、0.5mm超であることが好ましく、0.7mm以上であることがより好ましく、1.0mm以上であることがさらに好ましい。なお、本発明の一実施形態に係るクラッド材は、ブレーキロータまたはクラッチ板などの摺動部材、耐熱性と強度とを伝熱性と両立する必要のある調理器具、IH加熱性と伝熱性とを両立する必要のあるIH調理器具などに利用可能である。
6.製造方法
本発明の一実施形態に係るクラッド材の好ましい製造方法について説明する。以下記載の方法で、安定的に製造することができることが確認されている。
6-1.加熱工程
(基材および被覆材の加熱)
以下、第1層11がステンレス鋼板であり、第2層12が、アルミニウム合金板である場合を例に採り、説明する。なお、第3層15がある場合についても、併せて説明を行うが、第1層11と同様、第3層15がステンレス鋼板である場合を例に採り、説明する。
最初に、クラッド材10として製造された後に、第1層11、および、第3層15がある場合には第1層11、および、第3層15となる金属素材(以下、「被覆材」と定義する。)、すなわちステンレス鋼板を用意する。同様に、クラッド材10として製造された後に、第2層12となる金属素材(以下、「基材」と定義する。)、すなわち、アルミニウム合金板を用意する。
続いて、被覆材であるステンレス鋼板と、基材であるアルミニウム合金板と、を加熱する。被覆材である、ステンレス鋼板は、250~450℃の温度域で加熱するのが好ましい。加熱温度が、250℃未満であると、接合界面13(13aおよび13b)の化学的活性が十分生じず、剥離強度が低下する。または、後述する第1圧延工程において、接合ができない。このため、加熱温度は、250℃以上とするのが好ましく、300℃以上とするのがより好ましい。一方、加熱温度が450℃を超えると、被覆材に過剰に厚い酸化皮膜が形成し、接合しにくくなる。このため、加熱温度は、450℃以下とするのが好ましく、400℃以下とするのがより好ましい。
なお、工業用純チタンおよびチタン合金を被覆材として用いる場合も、これらの酸化特性の観点から250~450℃の温度域で加熱するのが好ましい。ステンレス鋼を被覆材とした場合と同様、加熱温度が250℃未満であると、接合界面の化学的活性が十分生じず、剥離強度が低下する、または圧延接合ができなくなるからである。また、加熱温度が450℃を超えると、過剰に厚い酸化皮膜が生成し、接合しにくくなるからである。
被覆材の加熱と同時に基材の加熱を行う。基材を比較的高めの温度で加熱し、予め、一定の厚さのアモルファス相の酸化物を形成させておくことで、後述する工程において、上記アモルファス相の酸化物の一部が結晶相の酸化物に変化する。このため、基材であるアルミニウム鋼板は、500~550℃の温度域で加熱するのが好ましい。
基材の加熱温度が、500℃未満であると、後の製造工程において、結晶相を有する酸化物が形成しない。このため、加熱温度は、500℃以上とするのが好ましく、510℃以上とするのがより好ましい。一方、加熱温度が550℃を超えると、酸化皮膜が厚くなりすぎる結果、後の圧延工程において、接合しにくくなる。このため、加熱温度は、550℃以下とするのが好ましい。安定的に製造する観点からは、加熱温度は、540℃以下とするのがより好ましい。
続いて、加熱された基材および被覆材を、圧延面同士が重なり合うように積層する。以後の説明において、基材と被覆材とが積層された中間材を積層体と呼ぶ。図1のように、第3層15を有しないクラッド材10を製造する場合、基材、被覆材いずれの順で積層してもよいが、図2のように、第3層15も有するクラッド材10の場合には、板厚方向に被覆材、基材、被覆材の順で積層し、積層体とすればよい。第1層11と第3層15とが同一の金属素材でない場合は、第1層11と金属素材を第1被覆材、第3層15となる金属素材を第3被覆材と定義する。すなわち、図2において、第1層11と第3層15とが異なる金属素材であるクラッド材10の場合には、板厚方向に第1被覆材、基材、第3被覆材の順で積層し、積層体とすればよい。
接合圧延を行う場合、被覆材および基材が所定の温度まで昇温されてから、後述する温間圧延までの時間(以下、単に「加熱時間」と記載する。)は、特に限定しない。しかしながら、安定した厚さの酸化物を形成させるために、例えば、加熱時間は、2秒以上とするのが好ましい。また、加熱時間が過剰に長時間になると、生産性が低下することから、加熱時間は、通常、120秒以下になると考えられる。
6-2.第1圧延工程
続いて、積層体を温間圧延し、クラッド帯とする(以下、本工程を「第1圧延工程」ともいう)。温間圧延の際の圧下率は、10%以上とするのが好ましい。圧下率が10%未満であると、その後の熱処理工程において、接合界面での原子間の相互拡散が生じにくい。このため、圧下率は、10%以上とするのが好ましく、15%以上とするのがより好ましい。圧下率の上限は、特に定めないが、圧延機の負荷および安定操業の観点から、通常、60%以下とすることが好ましい。さらに、50%以下とするのがより好ましい。圧延は、大気中で行えばよい。
なお、圧下率は、以下の(a)式を用い、算出することができる。ここで、下記のXは、基材の板厚と被覆材の板厚を合せたものとすればよい。
圧下率(%)=100×(X-Y)/X ・・・(a)
X:圧延前の積層体の板厚
Y:圧延後の積層体の板厚
工業用純アルミニウムおよびアルミニウム合金である基材より、ステンレス鋼、チタンおよびチタン合金の方が、強度が高く、上記第1圧延工程では、主として、積層体中の基材部分が変形する。
一般的に、クラッド材の接合では、圧延の際、基材と被覆材とが接する界面で、酸化皮膜のない新生表面が生成し、その新生表面の金属同士が結合することによって複層構造のクラッド帯が形成されると考えられる。しかし、第1圧延工程では、基材より硬質であるステンレス鋼は基材と比較して変形量が少なく、大きな新生表面が生成しない。そのため、限られた新生表面で接合された状態のクラッド帯となる。
新生表面以外の接合面は、加熱工程で、基材および被覆材の表面に形成した酸化物が、第1圧延工程を経て、各接合界面で、基材と被覆材との間に内包され、中間層として形成される。なお、この中間層においては、酸化皮膜中の酸化物は、依然として、アモルファス構造のままである。この酸化物は、加熱工程において、被覆材および基材表面に生成した酸化物に由来するが、その厚みの大小の関係から、基材に由来する酸化物が主体となる。
6-3.第1熱処理工程
続いて、クラッド帯を300~500℃の温度域で、3分以上加熱保持する、熱処理を行うのが好ましい(以下、本工程を「第1熱処理工程」ともいう。)。クラッド帯において、形成したアモルファス相である中間層の酸化物を、結晶相の酸化物とするためである。また、クラッド帯において、新生面同士で結合している部分において、原子間の相互拡散を進め、接合を強めるためである。
第1熱処理工程における熱処理温度が300℃未満であると、アモルファス相から結晶相への変化が生じない。このため、熱処理温度を300℃以上とするのが好ましい。結晶相の安定性の観点から、熱処理温度は、320℃以上とするのがより好ましく、400℃以上とするのがさらに好ましい。一方、熱処理温度が500℃を超えると、脆性の高い金属間化合物が接合界面に生成し、脆化が生じる。このため、熱処理温度は、500℃以下とするのが好ましく、480℃以下とするのがより好ましい。
なお、結晶相の生成および新生表面での相互拡散は、比較的短時間の熱処理でも進行するが、熱処理時間は、3分以上とするのが好ましい。熱処理時間が3分未満であると、これら反応が十分生じないからである。熱処理時間は、10分以上とするのがより好ましい。熱処理時間の上限は、特に定めないが、生産効率の観点から、通常、10時間以下になると考えられる。
アモルファス相である中間層の酸化物が、加熱工程における一定温度以上の加熱、第1圧延工程での一定量以上の圧延、および第1熱処理工程での一定温度以上の熱処理により、結晶化する理由は不明である。しかしながら、加熱工程において、基材上に十分な厚みまで酸化物が成長した上で、一定量以上の圧下率で圧延することで、その酸化物に加えられた加工と、第1熱処理工程の加熱による熱エネルギーとが駆動力となり、アモルファス相から結晶相に変化するものと考えられる。
6-4.第2圧延工程
続いて、加熱保持されたクラッド帯を、圧下率が2~10%の範囲で圧延するのが好ましい(以下、本工程を「第2圧延工程」ともいう。)。第1熱処理工程までの製造工程を経たクラッド帯は、被覆材と基材が部分的に新生面で接合し、かつ新生面での相互拡散が進んだ、いわば仮留めがなされている状態である。第2圧延工程では、被覆材と基材が弱いながらも仮留めされているため、第1圧延工程と異なり、どちらか一方ではなく、共に同程度展伸される。このことから、被覆材、基材共に同程度の新生面が生成し、後述する第2熱処理工程を施すことで、それら新生面同士の結合が促進され、各層の結合がより強くなり、剥離強度が向上する。
第2圧延工程での圧下率が、2%未満であると、その後に熱処理を行っても、十分な接合強度が得られない。このため、圧下率は、2%以上とするのが好ましく、3%以上とするのがより好ましい。一方、圧下率が10%を超えると、圧下率が高すぎて、クラッド帯の接合界面で、剥離が生じやすくなる。また、形成させた結晶相が破壊されてしまうことがある。このため、圧下率は、10%以下とするのが好ましく、9%以下とするのがより好ましい。
なお、第2圧延工程を経て、最終板厚になるが、例えば、この際のクラッド帯の板厚は、0.5mm超であるのが好ましい。そして、クラッド帯中の被覆材(第1層および第3層)の厚さは、0.1~1.0mmの範囲であるのが好ましい。また、基材(第2層)の厚さは、0.4~1.0mmであるのが好ましい。
6-5.第2熱処理工程
続いて、圧延されたクラッド帯を300~550℃の温度域で、3分以上加熱保持する熱処理を行うのが好ましい(以下、本工程を「第2熱処理工程」ともいう。)。新生表面同士の接合部の相互拡散を促進させ、剥離強度を高めるためである。熱処理温度が300℃未満であると、上述した相互拡散が進行しない。このため、熱処理温度は、300℃以上とするのが好ましく、320℃以上とするのがより好ましい。一方、熱処理温度が、550℃を超えると、脆性の高い金属間化合物が接合界面に生成し、脆化が生じる。このため、熱処理温度は、550℃以下とするのが好ましく、480℃以下とするのがより好ましい。
熱処理時間が3分未満であると、上述した相互拡散が進行しにくい。このため、熱処理時間は、3分以上とするのが好ましく、10分以上とするのがより好ましい。なお、熱処理時間の上限は、特に定めないが、生産効率の観点から、通常、10時間以下になると考えられる。
6-6.その他
上記、第2熱処理工程を経た後、必要に応じて、レベラによる平坦矯正を行ってもよい。上述した工程を経て、クラッド材10が得られる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
基材として、表1に記載の化学組成を有する工業用純アルミニウム板およびアルミニウム合金板を用意した。また、被覆材として、表2および表3に記載の化学組成を有するステンレス鋼板、工業用純チタン板(JIS1種)、およびチタン合金板(Ti-6Al-4V)を用意した。なお、用意した基材および被覆材は、同じ大きさのものであった。用意した基材と被覆材を用い、図2に示すような、第3層をも有するクラッド材を製造した。ここで、第1層と第3層を同種の金属材料とし、被覆材は、1種類のみとした。
Figure 0007502642000003
これらの基材および被覆材を、表4に示す温度で加熱した後(加熱工程)、板厚方向に、被覆材、基材、被覆材の順で、圧延面同士が接する様に、積層し、加熱状態を維持したまま表4に示す条件で温間圧延(第1圧延工程)を行った。続いて、表4に示す条件で、第1熱処理、第2圧延、および第2熱処理の各工程を行った後、冷却し、クラッド材を得た。
Figure 0007502642000004
得られたクラッド材について、以下記載の方法で、酸化物層および酸化物層中の結晶相の有無、および結晶相の同定を行った。また、特性を評価するために、以下記載の方法で、剥離試験および熱疲労試験を行った。
(酸化物層および酸化物層中の結晶相の確認)
クラッド材のL断面でかつ接合界面を含むように、TEM観察用の薄膜試料を作製した。薄膜試料は、収束イオンビーム法により作成した。そして、接合界面の長さが5μmとなるような長さで酸化物層の観察を行った。
これは、10万倍の倍率で、25視野測定したことに相当する。酸化物層は、No.33を除く全ての例で観察された。この酸化物層に対し、制限視野回折を行い、結晶相の有無を確認した。制限視野回折では、制限視野サイズをφ10nmで、倍率10万倍の各視野毎に、接合界面長さを10等分したそれぞれの領域で1か所ずつ回折図形を調べ、結晶相の有無を調べた。回折図形の中で、1箇所でも結晶相の回折図形が確認された場合は、結晶相を有すると判断した。また、調べた結晶相の回折図形から、酸化物を同定した。
(剥離試験)
得られたクラッド材から、圧延方向を長手方向とし、幅10mm、長さ150mmの短冊状の試験片を切出し、長手方向片側端部を機械的に強制剥離させ、図3に示すように接合界面を開き接合部を一部残したまま、丁字型に変形させ、二股に剥離させた部分をそれぞれ引張試験機の片方ずつのチャックに固定した。この状態で引張を行い、得られたクロスヘッド荷重(N)の平均値を、試験片幅(mm)で除した値を剥離強度(N/mm)として、定義した。
なお、本試験では、第1接合界面および第2接合界面の両方の剥離強度を測定し、その2つの平均値を算出し、剥離強度とした。剥離試験の結果、剥離強度の値が10N/mm以上のものは剥離強度が良好であると判断し、剥離強度の値が10N/mm未満である場合は、剥離強度が不良であると判断した。
(熱疲労試験)
クラッド材から、150mm角の板を切出し、熱疲労試験を行った。熱疲労試験は、切出した板に対し、大気炉で500℃、1分間保定した後炉から出し、50℃まで冷却、これを1サイクルとし、これを500、および800サイクル繰り返した後に板の変形、または層間剥離が起こらなかったものを○と記載した。また、上記サイクルにおいて、変形が生じたものを×と記載した。
そして、500サイクルで変形または層間剥離が生じなかった例について、耐熱疲労性が良好であると判断した。また、800サイクルで変形または層間剥離が生じなかった例について、耐熱疲労性がさらに良好であると判断した。一方、500サイクルで、変形または層間剥離が生じた例については、耐熱疲労性が不良であると判断した。なお、板の変形は、板を水平な台に置いた際に、1.0mm以上の浮きがある場合に、変形したと判断した。以下、結果を表5に示す。
Figure 0007502642000005
本発明の要件を満足するNo.1~29は、良好な剥離強度と耐熱疲労性を示した。特に、結晶相がMgOであったNo.4、8、11、15、および19の例は、さらに良好な耐熱疲労性を示した。一方、本発明の要件を満足しないNo.30~33は、剥離強度および耐熱疲労性の少なくとも一方が不良であった。
No.30は、基材の加熱温度が低く、結晶相が形成しなかったため、耐熱疲労特性が低下した。同様に、No.31は、基材の加熱温度が低く、加熱時間を長くしても、結晶相が形成しなかったため、耐熱疲労特性が低下した。また、No.32は、第1熱処理および第2熱処理の熱処理温度が低かったため、被覆材、基材間の新生面での相互拡散が進まず、かつ結晶相が形成されなかった。このため相互拡散が必要な剥離強度と、酸化物相中の結晶相が必要な耐熱疲労特性とがともに低下した。No.33は、第1圧延工程における圧下率が低かったため、第1圧延工程において接合しなかった。
本発明に係るクラッド材は、ブレーキロータまたはクラッチ板などの摺動部材、耐熱性と強度を伝熱性とを両立する必要のある調理器具、IH加熱性と伝熱性とを両立する必要のあるIH調理器具などに利用可能である。
10.クラッド材
11.第1層
12.第2層
13.接合界面
13a.第1接合界面
13b.第2接合界面
14.酸化物層
15.第3層

Claims (5)

  1. ステンレス鋼、工業用純チタン、またはチタン合金のいずれかからなる第1層と、
    工業用純アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第2層と、
    前記第1層と前記第2層との間に、少なくとも部分的に存在する酸化物層と、
    を有し、
    前記酸化物層が、結晶相を有する酸化物を含む、
    クラッド材。
  2. さらに、ステンレス鋼、工業用純チタン、またはチタン合金のいずれかからなり、第2層に対して第1層の反対側に位置する第3層と、
    前記第2層と前記第3層との間に、少なくとも部分的に存在する酸化物層と、
    を有し、
    前記酸化物層が、結晶相を有する酸化物を含む、
    請求項1に記載のクラッド材。
  3. 前記結晶相がAlである、請求項1または2に記載のクラッド材。
  4. 前記結晶相がMgOである、請求項1または2に記載のクラッド材。
  5. 被覆材であるステンレス鋼、工業用純チタン、またはチタン合金のいずれかを加熱するとともに、基材である工業用純アルミニウムまたはアルミニウム合金のいずれかを、500~550℃の温度域で加熱する工程と、
    加熱された前記基材と前記被覆材とを、圧延面で積層し、積層体とし、当該積層体を圧下率が10%以上で圧延し、クラッド帯とする工程と、
    前記クラッド帯を、300~500℃の温度域で、3分以上加熱保持する工程と、
    加熱保持された前記クラッド帯を、圧下率が2~10%の範囲で圧延する工程と、
    圧延された前記クラッド帯を、300~550℃の温度域で、3分以上加熱保持する工程と、を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のクラッド材の製造方法。
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