JP7501069B2 - 木質基材、化粧材及び木質基材の製造方法 - Google Patents

木質基材、化粧材及び木質基材の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、実用的な機械強度と耐水性とを備えた木質基材、化粧材及び木質基材の製造方法に関する。
木質基材は、木粉、木質チップ、木質繊維などの木質材料を接着剤と混合したものを加熱加圧成形して得られる基材であり、木質材料の種類などによりパーティクルボードや中密度繊維板などと称され、床や壁などの下地材、建具や家具など幅広い用途で使用されている。
木質基材の接着剤としては、従来、尿素樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤が、ホルムアルデヒドを含む硬化剤とともに用いていた。ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因となる有害物質であるため、木質基材からの放散が問題となり、放散量低減のための各種施策が検討されているが完全に抑制することはなかった。
これに対し、従来、ホルムアルデヒドを含まない接着剤として、粉体の糖類と粉体のポリカルボン酸を主成分とする接着剤を用い、これを植物繊維と混合し加熱加圧成形することで繊維ボードを製造する方法が提案されていた(特許文献1の段落[0017]参照)。また、従来、ポリビニルアルコールと水からなる接着剤を用いた木質基材を含む積層体の製造方法が提案されていた(特許文献2の段落[0017]、及び図1参照)。
特開2016-55620号公報 特許第5553279号公報
しかし、上記した従来の接着剤を用いた木質基材は、曲げ強度などの機械特性や耐水性が実用上十分なものではなかった。
そこで、本発明の一態様は、実用的な機械強度と耐水性とを備えた木質基材、化粧材及び木質基材の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の一態様に係る木質基材は、粉体状又はチップ状の木質材料と、粉体状の熱可塑性樹脂組成物とを含む原料混合物を加熱加圧して形成される木質基材であって、前記熱可塑性樹脂組成物が、熱可塑性樹脂と、有機過酸化物と、カルボン酸又はカルボン酸無水物の少なくとも一つを含む酸含有樹脂と、を含有し、前記有機過酸化物の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.01~3質量部であり、前記酸含有樹脂の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、1~50質量部であることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る木質基材は、前記原料混合物において前記木質材料と、前記熱可塑性樹脂組成物との質量比(木質材料/熱可塑性樹脂組成物)が、95/5~70/30であることを特徴とする。
本発明の一態様に係る木質基材は、前記酸含有樹脂が、無水マレイン酸変性ポリオレフィンであることを特徴とする。
本発明の一態様に係る木質基材は、前記酸含有樹脂が、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体であることを特徴とする。
本発明の一態様に係る木質基材は、前記木質材料が、菌床を原料に含むことを特徴とする。
本発明の一態様に係る化粧材は、粉体状又はチップ状の木質材料と、粉体状の熱可塑性樹脂組成物とを含む原料混合物を加熱加圧して形成される木質基材であって、前記熱可塑性樹脂組成物が、熱可塑性樹脂と、有機過酸化物と、カルボン酸又はカルボン酸無水物の少なくとも一つを含む酸含有樹脂と、を含有し、前記有機過酸化物の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.01~3質量部であり、前記酸含有樹脂の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、1~50質量部であり、前記木質基材に、意匠性基材が積層されてなることを特徴とする。
本発明の一態様に係る木質基材の製造方法は、熱可塑性樹脂と、有機過酸化物と、カルボン酸又はカルボン酸無水物の少なくとも一つを含む酸含有樹脂と、を含有し、前記有機過酸化物の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.01~3質量部であり、前記酸含有樹脂の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、1~50質量部である粉体状の熱可塑性樹脂組成物を得、前記熱可塑性樹脂組成物と、粉体状又はチップ状の木質材料を混合して木質基材の原料混合物を得、前記原料混合物を加熱加圧して前記木質基材を形成することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、実用的な機械強度と耐水性とを備えた木質基材、化粧材及び木質基材の製造方法を提供できる。
本発明の第1実施形態に係り、木質基材の原料混合物の模式図である。 本発明の第2実施形態に係り、化粧材の断面図である。
(図1に示す第1実施形態)
図1中、20は、本発明の第1実施形態に係る木質基材であり、木質材料11の種類などによりパーティクルボードや中密度繊維板などと称され、床や壁などの下地材、建具や家具など幅広い用途で使用されている。
木質基材20は、図1に示すように、粉体状又はチップ状の木質材料11と、粉体状の熱可塑性樹脂組成物12とを含む原料混合物10を加熱加圧して形成される。
(木質材料11)
木質材料11は、粉体状又はチップ状のものである。
ここで、「粉体状」、「チップ状」には、サイズや形状の定義は一般に存在しない。本第1実施形態では、サイズが概ね数十ミクロン~数センチメートルの範囲にあるものをいう。
木質材料11は、例えば、木粉、木質繊維、木材をチップ状に破砕したものが挙げられ、原料としてはし間伐材、オガ粉、廃木材なども用いることができる。
また、木質材料11は、木材以外でも、竹、麻、ヤシ繊維、クルミ殻など、木材と同様にセルロース成分を含むものであれば候補とすることができる。
木質材料11の原料としては、例えば、キノコ栽培時に大量に発生する使用済み菌床が好適である。菌床は、キノコ栽培に用いる培地であり、木材チップやオガ粉にフスマや米ぬかなどの栄養分を混ぜたものである。菌床は、キノコ栽培後の国内で年間30万トン前後が廃棄されていると推定されバイオマスとして有望であるが、リサイクルが進んでいないのが現状である。
(木質材料11と熱可塑性樹脂組成物12との質量比)
木質材料11と熱可塑性樹脂組成物12との質量比(木質材料/熱可塑性樹脂組成物)は、95/5~70/30の範囲である。
木質材料11の含有量が、上記した範囲より大きくなると、木質基材20に十分な曲げ強度を付与することができない。一方、木質材料11の含有量が、上記した範囲より小さくなると、加熱加圧時に木質基材20の変形が生じやすくなり好ましくない。
(熱可塑性樹脂組成物12)
熱可塑性樹脂組成物12は、粉体状であり、次の含有物を含有している。
(1)熱可塑性樹脂
(2)有機過酸化物
(3)酸含有樹脂
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエスエル、ポリアミド、ポリオレフィン、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、エチレンビニルアセテート、シリコーンゴムなど各種用いることができるが、木質基材20の機械強度と耐水性の点でポリエチレンが好適である。
ポリエチレン樹脂は、特に限定されるものでなく、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなど既存の材料から、加熱加圧時の反応性や原料混合物10の流動性などを考慮し適宜選択して用いられる。
(有機過酸化物)
有機過酸化物は、原料混合物の加熱加圧において熱可塑性樹脂をラジカル架橋するために用いられ、酸含有樹脂にラジカル架橋性を有する材料を用いれば、酸含有樹脂と熱可塑性樹脂に架橋を生じさせることができる。
有機過酸化物は、特に限定されるものではなく、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステルなどの既存材料から、反応性や安定性を考慮し適宜選択して用いられる。
また、有機過酸化物は、ラジカル架橋剤の一種で有り、例えば、ヒドロペルオキシド類、ジアシルペルオキシド類、ペルオキシジカルボナート類、ペルオキシエステル類、ペルオキシカルボナート類、ジアルキルペルオキシド類、ケトンペルオキシド類等がある。
(有機過酸化物の添加量)
有機過酸化物の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.01~3質量部である。
有機過酸化物の添加量が0.01質量部に満たないと、原料混合物の加熱加圧時の反応性が不足するため、木質基材に十分な強度を得ることができない。また、有機過酸化物の添加量が3質量部を超えると反応時の分解生成物が多くなり、木質基材の変形の原因になる場合があるため好ましくない。
(酸含有樹脂)
酸含有樹脂は、木質材料11と熱可塑性樹脂の接着性を向上するため、カルボン酸又はカルボン酸無水物の少なくとも一つを含む樹脂が用いられる。
酸含有樹脂としては、例えば、無水マレイン酸変性ポリエチレンや無水マレイン酸ポリプロレンなど無水マレイン酸変性ポリオレフィン、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、及び無水イタコン酸変性ポリエチレンなどを用いることができる。
これらは、酸変性ポリマーであり、ポリオレフィン系樹脂をカルボン酸又はカルボン酸無水物をグラフト変性したもの、又はオレフィンとアクリル酸や無水マレイン酸などとの共重合体のいずれでも良い。
(酸含有樹脂の添加量)
酸含有樹脂の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して1~50質量部である。
酸含有樹脂の添加量が1質量部に満たないと、木質材料11との熱可塑性樹脂との接着性が不足するため、木質基材20に十分な強度を得ることができない。また、酸含有樹脂の添加量が50質量部を超えると強度が低下する場合が多いため好ましくない。
(熱可塑性樹脂組成物12の作成方法)
有機過酸化物と酸含有樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物12は、各種公知の方法で作製することが可能である。例えば、一軸混錬機やバッチ式混錬機を用いて熱可塑性樹脂とともに有機過酸化物と酸含有樹脂とを加熱混錬後、機械的粉砕や凍結粉砕などの方法で粉体化することができる。
(原料混合物10の加熱加圧の方法)
原料混合物10の加熱加圧は各種公知の方法を用いることができるが、枠型を用いたプレス成型が好適である。
加熱温度は通常は、120℃~250℃であり、熱可塑性樹脂の融点以上であることが必要であるが、250℃を超えると木質材料11の熱劣化が顕著に生じ場合がある。加圧圧力は、通常は10kgf/cm~400kgf/cmであり、所望する木質基材の密度により適宜した値を用いる。
上記で得られる木質基材20の密度や形状は用途に応じて適宜決定されるが、密度については0.5~1.2g/cm、特に0.6~1.1g/cmが好ましい。
(図2に示す第2実施形態)
図2を用いて第2実施形態について説明する。
本第2実施形態の特徴は、先に図1を用いて説明した第1実施形態に係る木質基材20に、意匠性を有する意匠性基材31を積層した化粧材30とした点である。
本第2実施形態によれば、木質基材20に意匠性基材31を積層することで、意匠性を付与することができる。
すなわち、木質基材20は、基材単独でも化粧材として実用に供することができるが、意匠性を付与するため、図2に示すように絵柄などの意匠が付与された紙やフィルムなどの意匠性基材31を木質基材20に積層して化粧材30としたものである。
以下に、本発明の第1実施形態に係る木質基材の実施例1~7及び比較例1~4について説明する。なお、本発明は、下記の実施例1~7に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1の熱可塑性樹脂組成物の成分、質量は、次の通りである。
(1)低密度ポリエチレン樹脂 100質量部
(2)有機過酸化物(商品名:パーヘキサC、日油(株)製) 1.5質量部
(3)酸含有樹脂:無水マレイン酸変性ポリエチレン 25質量部
上記(1)~(3)をバッチ式混錬装置で加熱混錬後、機械粉砕することで、粉体状の熱可塑性樹脂組成物を得た。
木質材料には、キノコ収穫後の菌床を洗浄、乾燥した材料を用いた。
木質材料と熱可塑性樹脂組成物とを、質量比(木質材料/熱可塑性樹脂組成物)「85/15」で乾式混合することで、木質基材の原料混合物を得た。
この原料混合物をアルミ製の型枠に導入し、熱プレス装置で加熱加圧することで木質基材を得た(プレス条件:40kgf/cm、200℃10分、基材材厚:10mm、基材密度:0.8g/cm)。
(実施例2)
実施例2では、木質材料と熱可塑性樹脂組成物との質量比(木質材料/熱可塑性樹脂組成物)を、実施例1の「85/15」から「60/40」に変更し、それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
(実施例3)
実施例3では、無水マレイン酸変性ポリエチレン(酸含有樹脂)を、実施例1の25質量部から40質量部に増加し、それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
(実施例4)
実施例4では、酸含有樹脂として、実施例1の無水マレイン酸変性ポリエチレンを、エチレンメタクリル酸共重合体に変更し、それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
(実施例5)
実施例5では、酸含有樹脂として、実施例1の無水マレイン酸変性ポリエチレンを、実施例4のエチレンメタクリル酸共重合体以外の「無水イタコン酸変性ポリエチレン」に変更し、それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
(実施例6)
実施例6では、有機過酸化物の配合量を、実施例1の1.5質量部から0.01質量部に減少し、それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
(実施例7)
実施例7では、有機過酸化物の配合量を、実施例1の1.5質量部から3質量部に増加し、それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
(比較例1)
比較例1では、有機過酸化物を使用せず、それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
(比較例2)
比較例2では、無水マレイン酸変性ポリエチレン(酸含有樹脂)を使用せず、それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
(比較例3)
比較例3では、有機過酸化物の配合量を、実施例1の1.5質量部から5質量部に増加し、それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
(比較例4)
比較例4では、無水マレイン酸変性ポリエチレンの配合量(酸含有樹脂)を、実施例1の25質量部から60質量部に増加し、それ以外は実施例1と同様の方法で木質基材を得た。
(木質基材の評価)
木質基材の物性評価は、次の(1)機械強度、(2)耐水性、(3)基材変形の3点で評価した。
(機械強度)
機械強度は、JISA5908に準拠する方法で曲げ強度を測定した。測定値(単位:N/mm)に対する機械強度の評価基準は当該JISの規格値を踏まえ、以下とした。
機械強度の評価基準は、次の通り、「○」、「△」、「×」の3段階で評価し、「○」及び「△」を合格とし、「×」を不合格とした。
○:13以上(合格)
△:8以上13未満(合格)
×:8未満(不合格)
(耐水性)
耐水性は、JISA5908に準拠する方法で吸水厚さ膨潤率を測定した。測定値(単位:%)に対する耐水性の評価基準は当該JISの規格値を踏まえ、以下とした。
耐水性の評価基準は、次の通り、「○」、「△」、「×」の3段階で評価し、「○」及び「△」を合格とし、「×」を不合格とした。
○:8未満(合格)
△:8以上12未満(合格)
×:12以上(不合格)
(基材変形)
基材変形とは、基材表面が部分的に膨れた状態であり、主にプレス中に基材内部で発生するガスの滞留により発生する。基材変形は基材端部の状態により如実に反映されるため、基材端部の外観を目視評価した。
基材変形の評価基準は、次の通り、「○」、「△」、「×」の3段階で評価し、「○」及び「△」を合格とし、「×」を不合格とした。
○:空隙なし(合格)
△:痕跡程度の空隙あり(合格)
×:空隙あり(不合格)
(評価結果)
木質基材の評価結果は、次の表1の通りである。
Figure 0007501069000001
3点の物性評価のすべてが「合格」なのは、実施例1~7の7件であり、残る4件の比較例1~4は1個以上の不合格を含んでいた。
(機械強度の評価結果)
機械強度が不合格なものは、比較例1、比較例2及び比較例4の3件であった。
比較例1では、「有機過酸化物」を使用せず、又、比較例2では「無水マレイン酸変性ポリエチレン」を使用しないことが原因と推測できる。すなわち、「有機過酸化物」と「無水マレイン酸変性ポリエチレン」とのいずれか一方でも欠くと、機械強度が低下することが推測できる。
比較例4では、無水マレイン酸変性ポリエチレンの配合量(酸含有樹脂)を、実施例1の25質量部から60質量部に増加したことが原因と推測できる。すなわち、酸含有樹脂を増加しすぎると、機械強度が低下することが推測できる。
(耐水性の評価結果)
耐水性が不合格なものは、比較例1~比較例3の3件であった。
比較例1では、「有機過酸化物」を使用せず、又、比較例2では「無水マレイン酸変性ポリエチレン」を使用しないことが原因と推測できる。すなわち、「有機過酸化物」と「無水マレイン酸変性ポリエチレン」とのいずれか一方でも欠くと、耐水性が低下することが推測できる。
比較例3では、有機過酸化物の配合量を、実施例1の1.5質量部から5質量部に増加したことが原因と推測できる。すなわち、「有機過酸化物」を増加しすぎると、耐水性が低下することが推測できる。
(基材変形の評価結果)
基材変形が不合格なものは、比較例3の1件だけであった。
比較例3では、有機過酸化物の配合量を、実施例1の1.5質量部から5質量部に増加したことが原因と推測できる。すなわち、「有機過酸化物」を増加しすぎると、反応時の分解生成物が多くなり、木質基材の変形の原因になる場合があるものと推測できる。
(実施例1~7の評価結果)
実施例1~7の評価結果は、3点の物性評価のすべてが「合格」である。
実施例1~7の評価結果を比較すると、3点の物性評価のすべてが「○」であるのは、実施例1及び実施例4の2件だけである。
機械強度の評価結果に「△」を含むのは、実施例3、実施例5及び実施例6の3件である。
実施例3では、無水マレイン酸変性ポリエチレン(酸含有樹脂)を、実施例1の25質量部から40質量部に増加したことが原因と推測できる。実施例5では、酸含有樹脂として、実施例1の無水マレイン酸変性ポリエチレン、及び実施例4のエチレンメタクリル酸共重合体以外の「無水イタコン酸変性ポリエチレン」に変更したことが原因と推測できる。実施例6では、有機過酸化物の配合量を、実施例1の1.5質量部から0.01質量部に減じたことが原因と推測できる。
耐水性の評価結果に「△」を含むのは、実施例6及び実施例7の2件である。
実施例6では、有機過酸化物の配合量を、実施例1の1.5質量部から0.01質量部に減じたことが原因と推測できる。実施例7では、有機過酸化物の配合量を、実施例1の1.5質量部から3質量部に増加したことが原因と推測できる。
基材変形の評価結果に「△」を含むのは、実施例2及び実施例7の2件である。
実施例2では、質材料と熱可塑性樹脂組成物との質量比(木質材料/熱可塑性樹脂組成物)を、実施例1の「85/15」から「60/40」に変更したことが原因と推測できる。実施例7では、有機過酸化物の配合量を、実施例1の1.5質量部から3質量部に増加したことが原因と推測できる。
(総合的な評価結果)
総合的な評価結果としては、実施例1~7は、3点の物性評価のすべてが「合格」であり、表1から明らかなように、本発明の木質基材は優れた機械強度と耐水性を有し、基材変形も問題ないことが示された。
10 原料混合物
11 木質材料
12 熱可塑性樹脂組成物
20 木質基材
30 化粧材
31 意匠性基材

Claims (15)

  1. 粉体状又はチップ状の木質材料と、粉体状の熱可塑性樹脂組成物とを含む原料混合物を加熱加圧して形成される木質基材であって、
    前記熱可塑性樹脂組成物が、熱可塑性樹脂と、有機過酸化物と、カルボン酸又はカルボン酸無水物の少なくとも一つを含む酸含有樹脂と、を含有し、
    前記有機過酸化物の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.01~3質量部であり、
    前記酸含有樹脂の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、1~0質量部であることを特徴とする木質基材。
  2. 前記原料混合物において前記木質材料と、前記熱可塑性樹脂組成物との質量比(木質材料/熱可塑性樹脂組成物)が、95/5~70/30であることを特徴とする請求項1に記載の木質基材。
  3. 前記酸含有樹脂が、無水マレイン酸変性ポリオレフィンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の木質基材。
  4. 前記酸含有樹脂が、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の木質基材。
  5. 前記酸含有樹脂が、無水イタコン酸変性ポリエチレンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の木質基材。
  6. 前記熱可塑性樹脂は、ポリエチレン樹脂であることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の木質基材。
  7. 前記有機過酸化物の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、1.5~3質量部であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の木質基材。
  8. 前記有機過酸化物は、1,1-ジ-(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサンであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の木質基材。
  9. 前記木質材料が、菌床を原料に含むことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の木質基材。
  10. 粉体状又はチップ状の木質材料と、粉体状の熱可塑性樹脂組成物とを含む原料混合物を加熱加圧して形成される木質基材であって、
    前記熱可塑性樹脂組成物が、熱可塑性樹脂と、有機過酸化物と、カルボン酸又はカルボン酸無水物の少なくとも一つを含む酸含有樹脂と、を含有し、
    前記有機過酸化物の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.01~3質量部であり、
    前記酸含有樹脂の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、1~0質量部である前記木質基材に、意匠性基材が積層されてなることを特徴とする化粧材。
  11. 前記有機過酸化物の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、1.5~3質量部であることを特徴とする請求項10に記載の化粧材。
  12. 前記有機過酸化物は、1,1-ジ-(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサンであることを特徴とする請求項10または請求項11に記載の化粧材。
  13. 熱可塑性樹脂と、有機過酸化物と、カルボン酸又はカルボン酸無水物の少なくとも一つを含む酸含有樹脂と、を含有し、
    前記有機過酸化物の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.01~3質量部であり、
    前記酸含有樹脂の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、1~0質量部である粉体状の熱可塑性樹脂組成物を得、
    前記熱可塑性樹脂組成物と、粉体状又はチップ状の木質材料とを混合して木質基材の原料混合物を得、
    前記原料混合物を加熱加圧して前記木質基材を形成することを特徴とする木質基材の製造方法。
  14. 前記有機過酸化物の含有量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、1.5~3質量部であることを特徴とする請求項13に記載の木質基材の製造方法。
  15. 前記有機過酸化物は、1,1-ジ-(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサンであることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の木質基材の製造方法。
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