JP7499156B2 - 木質ボード及び木質ボードの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、木質ボード、及び、木質ボードの製造方法に関する。
環境への関心が高まるなか、年々増大する茶飲料抽出後の残渣、所謂茶殻の有効活用が求められている。茶殻の用途の一つとして、茶殻を配合した木質ボードが知られている。
例えば、特許文献1には、茶がらを主成分とする植物系廃棄物を、少なくともプロテアーゼもしくはペクチナーゼを含有する酵素剤による可溶化処理を行い、不溶残渣成分を乾燥処理後、加熱加圧成形処理する茶滓ボードの製造方法が開示されている。特許文献1では、茶殻には、酵素剤を使用した可溶化処理を施すことが必要とされている。
特開2008-57089号公報
本発明の実施形態は、簡便な方法で製造することができ、かつ、優れた強度を有する木質ボードを提供することを課題とする。本発明の他の実施形態は、優れた強度を有する木質ボードを、簡便に製造することができる方法を提供することを課題とする。
本発明には様々な実施形態が含まれる。実施形態の例を以下に列挙する。本発明は以下の実施形態に限定されない。
(1)茶殻と木質材とを含有し、前記茶殻における葉と茎との質量比が、葉:茎=6:4~9:1であり、前記茶殻の彩度が、14.0以上である、木質ボード。
(2)前記茶殻の含有量が、2~30質量%である、上記(1)に記載の木質ボード。
(3)木質ボード抽出液のpHが、7.0以下である、上記(1)又は(2)に記載の木質ボード。
(4)葉と茎との質量比が葉:茎=6:4~9:1であり、彩度が14.0以上である茶殻と、木質材とを準備すること、前記茶殻、前記木質材、及び水を含有するスラリーを調製すること、前記スラリーを用いて木質マットを形成すること、及び、前記木質マットを乾燥させること、を含む、木質ボードの製造方法。
(5)前記木質ボードにおける茶殻の含有量が、2~30質量%である、上記(4)に記載の製造方法。
(6)スラリーの調製に前記茶殻と水とを含有する含水茶殻を使用し、前記含水茶殻のpHが、6.0以下である、上記(4)又は(5)に記載の製造方法。
本発明の実施形態によれば、簡便な方法で製造することができ、かつ、優れた強度を有する木質ボードを提供することが可能である。本発明の他の実施形態によれば、優れた強度を有する木質ボードを、簡便に製造することができる方法を提供することが可能である。
本発明の実施形態について説明する。本発明は以下の実施形態に限定されない。
<木質ボード>
本発明の実施形態である木質ボードは、茶殻と木質材とを含有する。茶殻中の葉と茎との質量比は、葉:茎=6:4~9:1であり、茶殻の彩度は、14.0以上である。木質ボードは、サイズ剤、着色剤、結合剤等の任意の成分を含んでよい。
(茶殻)
茶殻は、原料茶から茶成分を水で抽出した後の葉及び茎を含む残渣である。茶殻には、葉残渣と茎残渣とが含まれる。本明細書において「原料茶」には、茶として抽出され得る有効成分を含む茶樹組織が含まれ、具体的には、葉及び茎が含まれる。原料茶は、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶、又はこれらの混合物のいずれであってよい。不発酵茶の例として緑茶が挙げられ、半発酵茶の例として烏龍茶が挙げられ、発酵茶の例として紅茶が挙げられる。原料茶は、緑茶であることが好ましく、緑茶の例として、蒸し茶、煎茶、玉露、番茶、玉緑茶、釜入り茶、中国緑茶等が挙げられる。原料茶は、1種のみからなる原料茶であっても、又は、2種以上の原料茶を含む混合原料茶であってよい。
木質ボードに含まれる茶殻は、葉と茎とを、葉:茎=6:4~9:1の質量比(乾燥固形分の質量比)で含む。木質ボードに含まれる茶殻は、葉と茎の比率は茶の収穫時期と収穫年で変化することから、安定した木質ボードを得るため、好ましくは木質ボードに含まれる茶殻は、分離された葉と茎とを、前記質量比となるように混合して得た混合物でよい。葉と茎の質量比は、葉:茎=6.5:3.5~9:1であることが好ましく、7:3~9:1であることがより好ましい。葉の質量比が6以上9以下であると良好な強度が得られる。
木質ボードに含まれる茶殻の彩度は、14.0以上である。彩度が14.0以上である場合、優れた強度を得ることができる。彩度は、15.0以上であることが好ましく、116.5以上であることがより好ましい。加熱前の茶葉又は蒸した茶葉の彩度が25であることから、茶殻の彩度は25以下であってよい。
茶殻の彩度は、木質ボード中から茶殻をピンセットなどを用いて採取し、採取した茶殻を粒径1mm以下に粉砕した後に測定する。茶殻の彩度(C*)は、分光光度計を使用して測定した明度L*と色度a*及びb*とから算出することができる。
木質ボード中の茶殻の含有量は、木質ボードの質量を基準として、好ましくは2~30質量%である。茶殻の含有量が2~30質量%である場合、強度の高い向上効果が得られる傾向がある。茶殻の含有量は、より好ましくは2~25質量%であり、更に好ましくは3~20質量%である。
(木質材)
木質ボードは、木質材を含有する。木質材は、木質ボード中に、解繊された木質繊維の状態、又は、小片化されたチップの状態で含まれていてよい。木質材として、一般的に建材、構造材料等として使用される、いわゆる木材を用いることができる。木質材の樹種としては、例えば、杉、桧、ヒバ、カラマツ、松等の針葉樹;クリ、カバ、カシ、シイ、ポプラ、柳等の広葉樹;ラワン等の南洋材などが挙げられる。工業廃材、建築廃材等の木質廃材を利用することも可能である。また、紙パルプ、古紙等の木質由来原料を利用することも可能である。木質材は、1種のみを、又は、2種以上を混合して使用できる。
木質ボード中の木質材の含有量は、木質ボードの質量を基準として、好ましくは70~98質量%である。木質材の含有量が70~98質量%である場合、茶殻と組み合わせることにより強度が向上する傾向がある。木質材の含有量は、木質ボードの質量を基準として、好ましくは75~98質量%であり、より好ましくは80~97質量%である。
(任意の成分)
求められる特性に応じて、木質ボードは、デンプン、PVC等の結合剤、炭素繊維、セラミック繊維等の他の繊維強化材、サイズ剤、着色剤等の添加剤などの任意の成分を含有してもよい。結合剤は、得られる木質ボードの強度を更に向上させるために用いられる。結合剤は、木質ボードに通常用いられるものから適宜選択して使用することができる。一方で、更なる強度向上を求めない場合は、木質ボードは、結合剤を含まなくてよい。木質ボード中の結合剤の含有量は、茶殻と木質材との合計の質量を基準として、例えば、0~20質量%、0~15質量%、又は0~10質量%であってよい。本発明の実施形態である木質ボードは、茶殻を含有することによって、結合剤を含まない場合であっても十分な強度を有する。
(木質ボード抽出液のpH)
木質ボード抽出液のpHは、良好な強度を得る観点から、7.0以下であることが好ましい。木質ボード抽出液は、木質ボードを所定時間にわたり水中に浸漬することにより得られる液体である。具体的には、木質ボード抽出液のpHは、次の方法により測定することができる。
(1)木質ボードを細かく粉砕する。
(2)100mLビーカーを使用し、粉砕物1gを25℃の蒸留水100gに3分間にわたり浸漬する。粉砕物を浸す前の蒸留水のpHは、7.0とする。
(2)浸漬後に得られる粉砕物含有液を、濾過により液体と固体とに分離する。分離後の液体を、木質ボード抽出液とする。
(3)木質ボード抽出液の25℃におけるpHを、pHメーターを用いて測定する。pHメーターは、pH緩衝液(pH=4.0、7.0、及び9.0)を用いて3点校正する。測定を5回行い、5回の平均値を吸水紙抽出液のpHとする。
木質ボード抽出液のpHは、好ましくは7.0~5.0であり、より好ましくは7.0~5.2であり、更に好ましくは7.0~5.5である。7.0以下のpHが得られる場合、木質ボード内で茶殻の繊維が十分に解繊していると考えられる。pHが5.0以上である場合、茶殻により木質ボードの強度がより向上する傾向がある。
木質ボードの厚さは特に限定されず、用途に応じた適切な厚さであってよい。木質ボードの厚さは、例えば、0.5~50mmとできる。
木質ボードの例として、ハードボード(HB、硬質繊維板)、MDF(メディアム・デンシティファイバーボード、中質繊維板)、インシュレーションボード(IB、軟質繊維板)等が挙げられる。好ましくは湿式製法で製造される木質ボードである。木質ボードは、後述する木質ボードの製造方法によって好ましく製造される。木質ボードは、例えば、家具;床;内壁;屋根等の建築下地;ドア、窓枠等の造作部材などに好ましく使用することができる。また、木質ボードは、防滑剤塗装など表面処理を行っても構わない。ただし、表面処理が行われている場合、木質ボード抽出液のpHは、表面処理が行われた部分を除いた木質ボードを粉砕して測定する。
<木質ボードの製造方法>
本発明の実施形態である木質ボードの製造方法は、葉と茎との質量比が葉:茎=6:4~9:1であり、彩度が14.0以上である茶殻と、木質材とを準備すること(以下、「準備工程」という場合がある。);前記茶殻、前記木質材、水、及び、必要に応じて結合剤等の任意の成分を含有するスラリーを調製すること(以下、「スラリー調製工程」という場合がある。);前記スラリーを用いて木質マットを形成すること(以下、「木質マット形成工程」という場合がある。);及び、前記木質マットを乾燥させること(以下、「乾燥工程」という場合がある。)、を含む。木質ボードの製造方法は、更に、木質材を破砕し小片化する工程(小片化工程)、木質材を解繊する工程(解繊工程)等の木質ボード製造のために行われる一般的な工程を含んでよい。なお、「工程」には、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、当該「工程」において規定される操作が実施される限り、他の工程と明確に区別できない工程も含まれる。
[準備工程]
準備工程では、少なくとも、茶殻と木質材とを準備する。茶殻は、乾燥茶殻であっても、又は、含水茶殻であってよい。強度の高い木質ボードを得る観点から、含水茶殻を使用することが好ましい。
(含水茶殻)
含水茶殻は、茶殻と水とを含有する。前記実施形態における茶殻に関する説明を木質ボードの製造方法における茶殻に適用することができる。
含水茶殻の含水率(すなわち、含水茶殻中の水の含有量)は、含水茶殻の質量を基準として、65~95質量%であることが好ましく、70~90質量%であることがより好ましく、70~85質量%であることが更に好ましい。水分率が95質量%以下である場合、茶殻と水とが分離することによって容器に充填した含水茶殻の水分率に差異が生じることを防ぎやすい傾向がある。水分率に差異があると、木質ボード製造時の茶殻の添加量に影響が及ぶ場合がある。含水茶殻は保水性が良いため、機械脱水では65%未満に含水率を調整することが不可能であり、石油資源などを使用した乾燥を必要とする。
含水茶殻として、原料茶から茶成分を抽出した後に得られる水を含む残渣をそのまま使用することができる。抽出後の水を含む残渣に更に水を加えて含水率を調整してもよい。又は、水を含む残渣を乾燥させ、乾燥茶殻を得て、乾燥茶殻と水とを混合してよく馴染ませて得られる含水茶殻を使用することができる。
抽出の条件は茶葉の種類に応じて設定することができる。抽出に使用する水は、例えば、水道水、天然水、蒸留水、イオン交換水等である。水の温度は、好ましくは50~100℃、より好ましくは60~95℃、更に好ましくは65~90℃である。抽出時間は、好ましくは1~30分、より好ましくは2~20分、更に好ましくは3~10分である。使用する水の量は、原料茶の質量10gに対し、好ましくは0.1~10L、より好ましくは0.2~8L、更に好ましくは0.3~5Lである。
葉と茎との質量比(乾燥固形分の質量比)は、上述のとおり葉:茎=6:4~9:1である。葉:茎=6:4~9:1である原料茶を抽出した後に得られる残渣を、葉と茎の比率をそのままとして使用してもよい。葉と茎との分離には、木茎選別機を使用することができる。また、残渣を葉と茎とに分離した後、葉:茎=6:4~9:1を満たすように混合した混合物を使用してもよい。
茶殻の彩度は、上述のとおり14.0以上である。茶殻の彩度は、抽出前に行われる原料茶への加熱条件が強いほど小さくなる傾向がある。例えば、加熱温度が高い及び/又は加熱時間が長い場合は、茶殻の彩度は小さくなる。一方、加熱温度が低い及び/又は加熱時間が短い場合は、茶殻の彩度は大きくなる。
茶殻の彩度は、茶殻を乾燥させた後に測定することができる。乾燥は、茶殻の彩度への影響を抑え、かつ、十分に乾燥させる条件で行う。乾燥温度は、例えば、70~105℃であることが好ましく、90~105℃であることがより好ましく、90~100℃であることが更に好ましい。乾燥時間は、例えば、3~24時間であることが好ましく、3~12時間であることがより好ましく、3~8時間であることが更に好ましい。
含水茶殻の粒径は、0.3mm以上10mm未満であることが好ましい。含水茶殻の粒径は、より好ましくは0.3mm以上5mm未満であり、更に好ましくは0.3mm以上1mm未満である。粒径が0.3mm以上である場合、木質ボードから茶殻が脱離することを防止しやすい傾向がある。粒径が10mm未満である場合、木質ボード中で木質材と茶殻の繊維と絡み、強度が向上する傾向がある。含水茶殻の粒径は、例えば、抽出後に得られる残渣に水を加え、湿式粉砕することによって調整できる。湿式粉砕にはミキサー、ミル、リファイナー、パルパー、臼等を使用できる。また、木質材を解繊する工程に茶殻を加えて一緒に粉砕してもよい。含水茶殻の粒径は、ふるい分け法により測定することができる。
後述する混合物スラリーの調製に使用する含水茶殻のpHは、好ましくは6.0以下であり、より好ましくは6.0~3.0であり、更に好ましくは6.0~4.0である。pHが6.0以下である場合、混合物スラリー中で茶殻の繊維が十分に解繊していると考えられる。pHが3以上である場合、茶殻の繊維の破壊が防止され、十分な強度を有する木質ボードが得られやすい傾向がある。含水茶殻のpHは、pH調整剤を使用して調整してもよい。pH調整剤として、塩酸、硫酸、酢酸等の酸、又は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の塩基が挙げられる。また、含水茶殻のpHを、pH調整剤を使用して一旦小さくした後に、更にpH調整剤を使用して大きくすることによって、混合物スラリーの調製に使用する含水茶殻のpHが6.0~3.0の範囲となるように調整してもよい。
木質ボードの強度を向上させる観点から、含水茶殻のpHは、含水茶殻をパルプと混合するまでに、少なくとも所定の時間にわたり6.0以下に保たれることが好ましい。所定の時間は、茶殻が腐敗しない時間とする。所定の時間は、例えば6時間~60日であり、好ましくは12時間~45日であり、より好ましくは24時間~30日である。また、pHは、より好ましくは6.0~3.0である。pHの調整には、上記のpH調整剤を使用できる。
(木質材)
前記実施形態における木質材に関する説明を木質ボードの製造方法で使用する木質材に適用することができる。木質材は、木質繊維を水に懸濁させたスラリー(以下、「木質繊維スラリー」という場合がある。)の状態であってもよい。木質材を解繊して木質繊維を得る方法として、例えば、ディファイブレーター(defibrator:解繊機)、ハンマーミル、リングブレーカー等を用いる方法が挙げられる。ディファイブレーターは、細かく均質な繊維を得ることができるという観点から、好ましく使用できる。木質繊維スラリーの水分率(スラリー中の水の含有量)は、木質繊維スラリーの質量を基準として、90~99.5質量%が好ましく、93~99質量%がより好ましく、95~98質量%が更に好ましい。
[調製工程]
調製工程では、茶殻、木質材、水、及び、必要に応じて結合剤等の任意の成分を含有するスラリー(以下、「混合物スラリー」という場合がある。)を調製する。好ましい方法として、含水茶殻、木質繊維を含有するスラリー、及び水を混合してスラリーを得る方法;含水茶殻に水を加えて粉砕したスラリー、木質繊維を含有するスラリー、及び水を混合してスラリーを得る方法;含水茶殻、木質材、及び水を混合後に木質材を解繊し、スラリーを得る方法などが挙げられる。後者の方法では、例えば、木質材チップに含水茶殻を混合して一緒にディファイブレーターにより解繊する。茶殻及び木質材を混合後に解繊すると、作業が単純であり、また、均質な混合物が得られる傾向がある。
混合物スラリー中の茶殻の含有量(乾燥固形分の質量%)は、2質量%以上であってよい。茶殻の含有量は、混合物スラリーの質量(ただし水の質量は除く)を基準として、好ましくは2~30質量%であり、より好ましくは2~25質量%であり、更に好ましくは3~20質量%である。混合物スラリー中の木質材の含有量(乾燥固形分の質量%)は、混合物スラリーの質量(ただし水の質量は除く)を基準として、好ましくは70~98質量%であり、より好ましくは75~98質量%であり、更に好ましくは80~97%である。
[成型工程]
成型工程では、混合物スラリーを用いて木質マットを形成する。木質マットを形成する方法として、例えば、混合物スラリーから水を排出させる方法が挙げられる。混合物スラリーからの水の排出は、抄造、すなわち網等のろ過部材上に混合物スラリーを供給して水をろ過することにより行うことができる。ろ過面積と供給する混合物スラリー量との比率を調節することにより、木質マットの厚さを調節することができる。
[乾燥工程]
乾燥工程では、木質マットを乾燥させる。乾燥は、木質マットの乾燥が全体に均一に進行し、乾燥直後の水分率が0~8質量%になる条件で行うことが好ましい。乾燥温度は、例えば90~200℃、好ましくは100~180℃とできる。乾燥時間は、例えば、1~24時間とできる。
本発明の実施形態について実施例により具体的に説明する。本発明の実施形態は以下の実施例に限定されない。
[実施例1]
(含水茶殻の調製)
緑茶(株式会社伊藤園製)を、木茎選別機(株式会社服部製作所製)を用いて葉と茎とに分離した後、表1に示す比率となるように葉と茎とを混合し、原料茶を得た。原料茶から茶成分を抽出し(原料茶10g/水1L、80℃、5分)、茶と残渣とを得た。残渣に水を加えてミキサー(株式会社グルーセブ ジャパン製「BL310AJP」)で粉砕し、含水茶殻を得た。茶殻の彩度は、いずれの茶殻も14~15の範囲内であった。彩度測定用のサンプルは、含水茶殻を105℃で5時間にわたり加熱して乾燥させた後、ミキサーで1mm以下に粉砕することによって調製した。彩度は、分光光度計(日本電色工業株式会社製「SE6000」)を用いて測定した。
(木質ボードの作製)
市販のインシュレーションボード(大建工業株式会社製)に水を加えて5分間浸漬し、その後、ミキサー(株式会社グルーセブ ジャパン製「BL310AJP」)に投入して5分間撹拌して水分率92%の木質材スラリーを得た。得られた木質材スラリーに含水茶殻を加え、混合物スラリーを調製した。混合物スラリーを乾燥固形分質量が4gとなるように小分けにして、目開き180μmのワイヤー(篩面積:0.018m)上に流し込み、16cm×11cmの木質マットを作製した。木質マットの上から約120g/cmの圧力を加えて脱水を行った。その後、105℃にて24時間乾燥させて茶殻を含有する木質ボード(茶殻含有量10質量%)を作製した。
(木質ボードの評価)
作製した木質ボードを3cm×4cmにカットし、デジタルフォースゲージ(株式会社イマダ製「DPX-5TR」)を用いて引張強度を測定した。
(茶殻の繊維量の測定)
抽出後の茶殻を105℃で熱風乾燥し、乾式粉砕を行い、茶成分分析計(静岡製機株式会社製「GTN-9」)を用いて茶殻の質量を基準とする繊維量(質量%)を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 0007499156000001
表1に示すとおり、葉と茎との質量比が葉:茎=6:4~9:1である茶殻であって、茶殻の彩度が14.0以上である茶殻を含有する木質ボードは、高い強度を有していた。
[実施例2]
(含水茶殻の調製)
質量比が葉:茎=7:3である緑茶(株式会社伊藤園製)をフライパンで加熱し、加熱の度合いの異なる原料茶(緑茶葉)を調製した。原料茶から茶成分を抽出し(原料茶10g/水1L、80℃、5分)、茶と残渣とを得た。残渣に水を加えてミキサー(株式会社グルーセブ ジャパン製「BL310AJP」)で粉砕し、含水茶殻を得た。
(木質ボードの作製)
上記で調製した含水茶殻を使用した以外は、実施例1と同様の方法により木質ボードを作製した。木質ボードの引張強度を、実施例1と同様の方法により測定した。結果を表2に示す。
(木質ボードの評価)
実施例1と同様の方法により木質の引張強度を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0007499156000002
[実施例3]
(含水茶殻の調製)
実施例1と同様の方法により、抽出後の含水率が80%の緑茶残渣(株式会社伊藤園製、緑茶(葉:茎=6:4))を得た。茶殻の彩度は14.4であった。彩度は、実施例1と同様の方法により測定した。含水茶殻の25℃におけるpHは、6.5であった。pHは、上述の方法に従い測定した。
次いで、含水茶殻にpH調整剤を添加して混合し、表3に示す各pHを示す含水茶殻を得た。pH調製前及びpH調整後の含水茶殻を室温で1日にわたり静置した。pH調整剤としては塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液を使用した。
(木質ボードの作製)
上記で調製した含水茶殻を使用した以外は、実施例1と同様の方法により木質ボードを作製した。各木質ボードについて、上述の方法に従いpHを測定した。結果を表3に示す。
(木質ボードの評価)
実施例1と同様の方法により木質の引張強度を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0007499156000003

Claims (6)

  1. 茶殻と木質材とを含有し、
    前記茶殻における葉と茎との質量比が、葉:茎=6:4~9:1であり、
    前記茶殻の彩度が、14.0以上である、
    木質ボード。
  2. 前記茶殻の含有量が、2~30質量%である、請求項1に記載の木質ボード。
  3. 木質ボード抽出液のpHが、7.0以下である、請求項1又は2に記載の木質ボード。
  4. 葉と茎との質量比が葉:茎=6:4~9:1であり、彩度が14.0以上である茶殻と、木質材とを準備すること、
    前記茶殻、前記木質材、及び水を含有するスラリーを調製すること、
    前記スラリーを用いて木質マットを形成すること、及び
    前記木質マットを乾燥させること、
    を含む、木質ボードの製造方法。
  5. 前記木質ボードにおける茶殻の含有量が、2~30質量%である、請求項4に記載の製造方法。
  6. スラリーの調製に前記茶殻と水とを含有する含水茶殻を使用し、前記含水茶殻のpHが、6.0以下である、請求項4又は5に記載の製造方法。
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