JP7497704B2

JP7497704B2 - 車両の変速操作装置

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Publication number: JP7497704B2
Application number: JP2021145215A
Authority: JP
Inventors: 陽一郎勇; 浩之天野; 享之大島; 誠高野; 悠太塚田; 京介早水; 広明小寺
Original assignee: Toyota Motor Corp
Current assignee: Toyota Motor Corp
Priority date: 2021-09-07
Filing date: 2021-09-07
Publication date: 2024-06-11
Anticipated expiration: 2041-09-07
Also published as: US20230072063A1; CN115773369A; EP4145021A2; EP4145021A3; JP2023038468A; EP4224038A2; US11906040B2

Description

本発明は、車両における複数の変速モードで使用することのできる変速操作装置に関するものである。

変速比を車両の走行状態に基づいて自動的に設定する自動変速モードでの走行レンジの選択操作と、変速比を手動操作によって切り替える手動変速モードでのシフト操作とを行うように構成した変速操作装置が特許文献１に記載されている。その変速操作装置は、シフトレバーをレンジもしくは変速段を選択させるために移動させる操作経路として、自動変速用のシフト路と手動変速用のシフト路とを互いに平行に、かつ隣接させて設け、それらのシフト路を連通させる連結用のシフト路を更に設けている。したがって、自動変速用のシフト路の内部でシフトレバーを移動させることによりドライブ（Ｄ）レンジやリバース（Ｒ）レンジなどの走行レンジを選択することにより、車両の走行状態に応じて、変速を自動的に生じさせることができる。また、シフトレバーを手動変速用のシフト路に移動し、そのシフト路の内部でアップ側もしくはダウン側にシフトレバーを移動させることにより、変速比を予め設定してある変速段での変速比に切り替えることができる。すなわち、手動での変速を行い、運転者の意図に応じた駆動力を得ることができる。

また、特許文献２には、右ハンドル車および左ハンドル車のいずれにも使用できるように構成されたシフトレバー装置が記載されている。このシフトレバー装置では、シフトレバーをシフト方向（車両前後方向）に対して傾ける方向（車両幅方向）が右ハンドル車と左ハンドル車とでは反対になるので、マニュアルスイッチとそのマニュアルスイッチに接触して動作させる係合部を設けた枠体とを、左右反転していずれにも取り付けられるように構成されている。したがって、特許文献２に記載されたシフトレバー装置では、部品を特に取り替えることなく、その取り付け位置もしくは姿勢を変えるだけで、右ハンドル車と左ハンドル車とのいずれにも搭載でき、部品の共通化を図ることができる、としている。

さらに、特許文献３には、シフトレバーを右もしくは左に傾けることにより、オートマチックモードとマニュアルモードとに切り替えるように構成されたシフトレバー装置が記載されている。このシフトレバー装置は、シフトレバーを起立させた状態および右もしくは左に傾けた状態のそれぞれで、前後方向に操作することにより、レンジや変速段を切り替えるように構成されている。したがって特許文献３に記載された装置は、特許文献１に記載されている装置と同様に、二つのシフト路が互いに平行に、かつ隣接して設けられた装置である。

一方、従来、変速機やクラッチ機構を搭載していない車両であって、手動変速を模擬するためにシフト装置を搭載した車両が知られている。すなわち、特許文献４には、駆動力源をモータとし、したがってクラッチ機構を有していない電気自動車であって、手動変速の際の挙動もしくはトルクの変化を模擬するように構成された電気自動車が記載されている。その電気自動車は、手動変速機を備えた車両（いわゆるＭＴ車両）と同様のシフトレバーによって変速段（変速比）を選択するシフト装置を備えており、したがってそのシフト装置は、電気自動車としての本来の走行であるいわゆるＥＶ走行の際に走行レンジを選択する機能と、いわゆる手動変速モードで複数の変速段を選択する機能とを備えることになる。

特開平１０－６７２４９号公報特開２００８－６９５７号公報特開２００８－６９５８号公報特許第６７８７５０７号公報

上記の特許文献１に記載された装置によれば、二つのシフト路が併存し、シフトレバーをそれらのシフト路の中で移動させて走行レンジや変速段を選択するように構成されているので、シフトレバーの位置を目視することにより、選択もしくは設定される走行レンジや変速段を認識することができる。しかしながら、自動変速用のシフト路は、アップシフトを指示するいわゆるアップポジションとダウンシフトを指示するいわゆるダウンポジションとの二つに限られているので、二段もしくはそれ以上に離れた変速段に任意に切り替えることができない。

また、特許文献１に記載された構成では、自動変速用と手動変速用との二つのシフト路を設ける必要があり、簡素化、小型化、省スペース化などの点で改良の余地がある。例えば、特許文献４に記載されているように、クラッチ機構を備えていない電気自動車で、モータのトルクを制御することにより手動変速車両での変速時のトルク変化あるいは挙動を再現するように構成された車両においては、手動変速を模擬するためにシフト装置には、複数（例えば６段）のシフトポジションを用意する必要がある。このような車両におけるシフト装置には、元来のレンジの選択を行うためのポジションも必要であるから、これら手動変速ならびにレンジ選択のためのポジションやシフト路を設けるとすれば、手動変速用のシフト路などの構成が付加される分、構成が複雑化し、また大型化してしまう。

一方、特許文献２に記載されたシフトレバー装置は、右ハンドル車用に構成した場合と、左ハンドル車用に構成した場合とで部品を共用できる。しかしながら、特許文献２に記載されたシフトレバー装置は、ハンドル（ステアリングホイール）に対する位置が左右に異なることに伴ってシフトレバーを傾ける方向が左右に異なる場合に部品の共用化を図ることのできる構造になっており、その前提として、走行レンジあるいは変速段を選択するためのシフト方向が異ならないことが必要である。言い換えれば、特許文献２に記載されているシフトレバー装置の構成は、特許文献１に記載されているように、シフト路が複数種類ある装置には適用することができない。

なお、特許文献３に記載された装置は、特許文献１に記載されている装置と同様に、二つのシフト路が互いに平行に、かつ隣接して設けられた装置であるから、特許文献１と同様の課題がある。

上述したように、いわゆる自動変速モードと手動変速モードとで使用できるように構成された従来のシフト装置は、自動変速用のシフト路やポジションと手動変速用のシフト路やポジションとを併存させた構成になっているから、シフトレバーの位置を目視することにより、現在の変速モードが自動変速モードであるか手動変速モードであるか、ならびに選択されているレンジや変速段を認識できる半面、二つのシフト路が必須であるなど、上述した簡素化や小型化などの点で改善すべき余地があった。言い換えれば、従来では、ドライバによるレンジやシフトポジションなどの認識の容易性と、構成の簡素化や小型化などの搭載性の向上との両立を図る点で未だ充分ではなかった。

本発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであって、シフトポジションの確認が容易であり、しかも搭載性に優れた車両の変速操作装置を提供することを目的とするものである。

本発明は、上記の目的を達成するために、ベースポジションと、複数のシフトポジションと、前記ベースポジションと前記シフトポジションとに移動可能な操作桿と、複数の前記シフトポジションに対応して設けられかつ前記操作桿を前記シフトポジションに案内するシフト路と、前記ベースポジションから前記各シフト路に到りかつ前記操作桿を前記シフト路に案内する少なくとも一本のセレクト路とを備えている車両の変速操作装置であって、前記車両は、走行のための駆動力の制御の態様が互いに異なる第１変速モードと第２変速モードとを選択可能に構成され、前記第１変速モードが選択されている場合に複数の前記シフト路のうちのいずれかのシフト路および前記いずれかのシフト路が対応している前記シフトポジションへの前記操作桿の前記セレクト路からの進入を規制し、かつ前記第２変速モードが選択されている場合に前記規制を解除する規制機構を備え、かつ前記第１変速モードが選択されて前記規制機構による前記規制が行われている場合の前記操作桿の移動可能な前記ベースポジションおよび前記シフトポジションならびに前記セレクト路および前記シフト路を図形で表示する第１表示と、前記第２変速モードが選択されて前記規制機構による前記規制が解除されている場合の前記操作桿の移動可能な前記ベースポジションおよび前記シフトポジションならびに前記セレクト路および前記シフト路を図形で表示する第２表示とを、選択されている前記第１変速モードと前記第２変速モードとに応じて選択的に表示する表示器を更に備え、前記規制機構は、前記車両の前後方向と幅方向との二方向に揺動可能に下端部で支持された前記操作桿が貫通している第１ガイド板と、前記第１ガイド板の下側に上下動可能に配置された第２ガイド板と、前記第２ガイド板を前記第１ガイド板に対して上下動させるアクチュエータとを有し、前記第１ガイド板には、前記操作桿を前記車両の幅方向にガイドする第１セレクト路と、前記第１セレクト路に直交していて前記操作桿を車両の前後方向にガイドする複数の第１シフト路とが形成され、前記第２ガイド板には、前記第１セレクト路の一部に上下方向で重なる第２セレクト路と、前記第２セレクト路に直交するとともに複数の前記第１シフト路よりも少数で前記第１シフト路のいずれかと上下方向で重なる複数の第２シフト路とが形成され、前記第２ガイド板が下がっている状態では、前記操作桿が前記第１ガイド板の前記第１セレクト路および前記第１シフト路とに沿って移動し、かつ前記第２ガイド板が上がっている状態では、前記操作桿の移動が前記第２ガイド板の前記第２セレクト路および前記第２シフト路とに沿う移動に規制されるように構成されていることを特徴としている。

本発明においては、前記表示器は、選択されている前記第１変速モードもしくは前記第２変速モードを表示するモード表示機能を備えていてよい。

本発明においては、前記モード表示機能は、選択されている変速モードを文字で表示する機能、前記図形の背景色を選択されている前記変速モードに応じた色とする機能、前記図形の背景模様を選択されている前記変速モードに応じた模様とする機能のいずれか一つであってよい。

本発明においては、前記表示器は、前記操作桿を移動させて選択されている前記シフトポジションを前記図形上に強調表示する機能を備えていてよい。

本発明においては、前記表示器は、前記シフトポジションを示す文字を備え、前記強調表示する機能は、前記操作桿を移動させて選択されている前記シフトポジションを示す前記文字を他の前記文字とは異なる表示とする機能であってよい。

本発明においては、前記第２変速モードは、前進走行のための複数の前記シフトポジションを選択できるように構成され、前記表示器は、前記第２変速モードが選択されている場合に、前記車両の走行状態の変化に基づいて前記シフトポジションを切り替えることを催告するシフト催告機能を備えていてよい。

本発明においては、前記シフト催告機能は、所定の催告表示の点灯、前記図形の背景色もしくは背景模様あるいは選択するべき前記シフトポジションを示す表示の点滅のいずれかであってよい。

本発明においては、前記車両は、前記第２変速モードが選択されている状態で、所定のアップシフトを行うことを所定の車速で判定する第１走行モードと、前記アップシフトを行うことを前記所定の車速より高車速で判定する第２走行モードとを選択できるように構成され、前記シフト催告機能が前記表示の点滅である場合に前記表示の点滅のタイミングを、前記第１走行モードが選択されている場合と前記第２走行モードが選択されている場合とで異ならせるように構成されていてよい。
本発明においては、前記アクチュエータは、前記第１変速モードが選択されている場合に前記第２ガイド板を前記第１ガイド板に向けて上昇させ、かつ前記第２変速モードが選択されている場合に前記第２ガイド板を前記第１ガイド板から下側に下げるように構成されていてよい。
本発明においては、前記アクチュエータによって前後動させられて前記第２ガイド板を上下動させる昇降機構を更に備え、前記昇降機構は、前記アクチュエータによって前後動させられる第３ガイド板と、前記第３ガイド板の前後動する方向において上下方向に傾斜して前記第３ガイド板に形成された傾斜ガイド孔と、前記第２ガイド板に一体に設けられかつ前記傾斜ガイド孔に挿入されているピンとを有していてよい。
本発明においては、前記アクチュエータによって前後動させられて前記第２ガイド板を上下動させる昇降機構を更に備え、前記昇降機構は、パンタグラフ機構によって構成されていてよい。

本発明によれば、シフトポジションを手動操作によって選択するための操作桿は、セレクト路およびこれに繋がっているシフト路によってベースポジションから各シフトポジションに案内される。第１変速モードが選択されている場合、いずれかのシフト路へ操作桿を進入させること、すなわちいずれかのシフトポジションに操作桿を移動させることが規制機構によって規制される。これに対して第２変速モードが選択されている場合には、規制機構による規制が解除され、操作桿を各シフトポジションに移動させることができる。すなわち、第１変速モードでのセレクト路およびシフト路ならびに各ポジションは、第２変速モードで操作桿をシフト操作する場合のセレクト路およびシフト路ならびに各ポジションの一部であり、これらセレクト路およびシフト路ならびに各ポジションは、第１変速モードと第２変速モードとで共用した構成となっている。したがって、本発明によれば、少なくとも二つの変速モードを選択でき、かつ各変速モードで一つの操作桿を移動させてシフト操作する変速操作装置の全体としての構成を簡素化もしくは小型化して車両搭載性を向上させることができる。

したがって、本発明の変速操作装置では、操作桿の移動範囲や、移動させて選択した位置（すなわちポジション）で実行される変速制御の内容が、第１変速モードと第２変速モードとで異なるが、第１変速モードでのシフト路やセレクト路ならびに各ポジションが表示器に線図などの図形で表示され、同様に第２変速モードでのシフト路やセレクト路ならびに各ポジションが表示器に線図などの図形で表示されるから、操作桿の位置や選択されているポジションを目視によって容易に確認あるいは認識することができる。

さらに、本発明においては、表示器にモード表示機能を備えさせた場合は、選択している変速モードもしくは現在実行されている変速モードを目視によって容易に認識できる。

また、操作桿は、選択したポジションに保持されるように構成され、あるいはベースポジションに復帰して待機するように構成されていてもよく、いずれの構成であっても、シフトポジションを図形上に強調表示する機能を備えることにより、運転者に、選択しているシフトポジションを容易に認識させることができる。

またさらに、第２走行モードにおけるシフトポジションの選択は、走行に適した変速比もしくは変速段を設定するために実行し、したがって走行状態が変化した場合には他の変速比もしくは変速段を設定するためにシフトポジションを切り替えることが好ましく、そのような切り替えを催告するシフト催告機能を備えることにより、運転者の変速操作を補助してエネルギ効率がよく、あるいは駆動力に過不足のない走行を可能にすることができる。

本発明の実施形態における車両の一例を模式的に示すブロック図である。そのシフト装置の一例を分解しかつ一部を省略して示す模式図である。その支持部の一例を示す一部断面した模式図である。ディテント機能を生じさせるための構成の一例を示す部分図である。表示器で表示する内容の一例を示す表示画面図であり、（Ａ）は自動変速モードでの表示内容の一例を示し、（Ｂ）は手動変速モードでの表示内容の一例を示す。

以下、本発明を図に示す実施形態に基づいて説明するが、以下に説明する実施形態は本発明を具体化した場合の一例に過ぎないのであって、本発明を限定するものではない。

先ず、本発明の実施形態で対象とする車両１について説明すると、図１はその車両１を模式的に示しており、駆動力源２の出力側に変速部３が連結され、その変速部３から出力した駆動力を終減速機４を介して左右の駆動輪５に伝達するように構成されている。駆動力源２は、要は、車両１が走行するための駆動力を出力できる動力機であればよく、内燃機関やモータ、あるいはその両者を併用した動力装置などであってよい。変速部３は、駆動力源２から入力されたトルクを増減して出力し、あるいはトルクの伝達を遮断し、さらにはトルクの作用方向（回転方向）を反転して出力する機構であって、図１に示す例では、車両１の車速やアクセル開度などの要求駆動力などの走行状態に応じて変速比を連続的に変化させるいわゆる無段変速機能を有し、さらにはその変速比を段階的（ステップ的）に切り替えることのできる疑似有段変速機として機能させることのできるように構成されている。その例は、ベルト式無段変速機やエンジンとモータとが連結された遊星歯車機構式動力分割機構を設けたハイブリッド駆動装置などである。

変速部３は、変速を車両１の走行状態に基づいて自動的に実行する自動変速モードと、変速比を運転者（図示せず）の手動によるシフト操作に基づいて、予め決められている変速比（変速段）にステップ的に切り替える手動変速モードを設定できるように構成されており、それらの変速モードの切り替えならびに変速を電気的に制御するように構成されている。ベルト式無段変速機であれば、プーリに対するベルトの巻き掛け半径を、車両１の走行状態に応じて変化させて燃費もしくはエネルギ効率が良好になる変速比に変速する。また、ハイブリッド車であれば、エンジンの回転数を最適燃費線上の回転数となるようにモータによってエンジン回転数を制御する。

そのような制御を行うためのコントローラ６が設けられている。コントローラ６は、いわゆる変速機用電子制御装置（ＥＣＵ）であって、マイクロコンピュータを主体にして構成され、各種のセンサやスイッチなどから入力される信号（データ）および予め記憶しているデータを利用して演算を行い、その演算の結果を制御指令信号として変速部３に出力し、適宜の変速比に設定し、あるいはトルクを伝達しないニュートラル状態に設定するようになっている。

したがって、このコントローラ６には、車速やアクセル開度などの車両１の走行状態を表すデータが入力され、これに加えて、自動変速モードと手動変速モードとに切り替えるモード切替スイッチ７からの信号、車両１をパーキング状態で停止させておくパーキングスイッチ８からの信号、シフト装置９からの信号などが更に入力されている。そして、コントローラ６は、変速部３に対して制御指令信号を出力するのに加えて、選択されているシフトレンジやシフトポジションなどを表示する表示器１０に表示信号を出力するように構成されている。

本発明の実施形態における上記のシフト装置９の一例を図２に模式的に示してある。図２は、そのシフト装置９の模式的な分解斜視図であり、運転者が手動操作するシフトレバーもしくはシフトスティックなどのいわゆる操作桿（以下、単にシフトレバーと記す。）１１が設けられ、そのシフトレバー１１はその下端部を、互いに直交する二軸を中心に回動可能な支持部１２によって支持されている。それらの軸の一方の軸Ｘは、車両１の前後方向に向けた回転中心軸であり、他方の軸Ｙは、車両の幅方向（横方向）に向けた回転中心軸である。この支持部１２は、従来知られている適宜の構成のものを採用してよく、その一例を原理的に示せば、シフトレバー１１の下側の部分に図３に模式的に示すように、下向きに凸となった半球状の支持体１３が取り付けられており、その支持体１３は、所定の固定部に設けられている球面状の受け座１４に摺動可能に接触している。したがって、シフトレバー１１はこれら支持体１３と受け座１４とによって上下方向に支持され、かつ平面状の３６０°のいずれの方向にも傾動させることができるようになっている。

また、シフトレバー１１の下端部は、受け座１４の中央部に、シフトレバー１１の下側の部分を緩く貫通させる貫通孔１５が形成され、シフトレバー１１はその貫通孔１５を通って下側に延び、バランス機構１６に連結されている。このバランス機構１６は、弾性力によって、シフトレバー１１を中立位置に保持し、また中立位置に復帰移動させるためのものであり、従来知られている適宜の構成のものを採用してよい。例えば、シフトレバー１１の下端部を中心にして、直交する二軸の方向にバネなどの弾性部材を配置し、それらの弾性部材の弾性力がバランスすることにより、シフトレバー１１を中立位置に保持するように構成されている。

シフトレバー１１は、内部機構を隠蔽するとともに車室（図示せず）の内装の一部となっている化粧板１７を貫通して車室内に突き出ており、その上端部に、運転者が把持するノブ１８が設けられている。また、シフトレバー１１が化粧板１７を貫通している部分は、シフトレバー１１の中間部に嵌め込んである蛇腹状のゴムブーツ１９によって隠蔽されている。

化粧板１７の直下には、シフトレバー１１を貫通させてあるガイド板２０が設けられている。このガイド板２０は、手動変速機用のシフト機構を模擬したシフト操作を可能にするためのものであって、シフトレバー１１をガイドするための一本のセレクト路２１と、そのセレクト路２１に交差する複数のシフト路２２とが形成されている。これらセレクト路２１とシフト路２２とは、シフトレバー１１の太さ程度の幅の細長い貫通部もしくは開口部である。図２に示すセレクト路２１およびシフト路２２の例は「Ｈ型」と称され、セレクト路２１の一方の端部で直角に曲がっているシフト路２２が、後進段を選択するためのシフト路であり、その端部が後進段のためのシフトポジション（Ｒポジション）に割り当てられている。

他の３本のシフト路２２がセレクト路２１に直交し、かつ互いに平行に形成されており、それら３本のシフト路２２の各端部が前進第１速（１ｓｔ）ないし前進第６速（６ｔｈ）のシフトポジションに割り当てられている。具体的には、Ｒポジションに隣接しかつＲポジション側から順に第１速（１ｓｔ）、第３速（３ｒｄ）、第５速（５ｔｈ）が配置され、これらの各ポジションに対してセレクト路２１を挟んで反対側で、Ｒポジション側から順に第２速（２ｎｄ）、第４速（４ｔｈ）、第６速（６ｔｈ）が配置されている。そして、第３速と第４速とが各端部に割り当てられているシフト路２２とセレクト路２１との交差部分が本発明の実施形態におけるベースポジションに相当するニュートラル（Ｎ）ポジションに割り当てられている。なお、ガイド板２０は、セレクト路２１が車両の幅方向に沿う方向となるように固定されており、したがって、通常の手動変速機を搭載している車両におけるシフトレバーと同様の経路で、シフトレバー１１を各シフトポジションに移動させることができる。

上記のガイド板２０の下側に、本発明の実施形態における規制機構を構成する第２のガイド板２３が設けられている。このガイド板２３は、本発明の実施形態における第１変速モードに相当する自動変速モードが選択されている場合にシフトレバー１１の移動範囲を規制するためのものであって、１本のセレクト路２４と、そのセレクト路２４に交差する２本のシフト路２５とが形成されている。

これらのセレクト路２４およびシフト路２５は、本発明の実施形態における第２変速モードに相当する手動変速モードが選択されている場合にシフトレバー１１の移動範囲を決めてガイドする上記の第１のガイド板２０のセレクト路２１とシフト路２２との一部に一致する形状になっている。具体的に説明すると、第２のガイド板２３におけるセレクト路２４は、第１のガイド板２０におけるセレクト路２１のうち、Ｎポジションから、各端部が第５速と第６速とに割り当てられているシフト路２２との交差部までの部分と同形状になっている。そして、この第１のガイド板２０におけるこのシフト路２２と同形状のシフト路２５が、第２のガイド板２３におけるセレクト路２４の端部に交差した状態に形成されている。そして、このシフト路２５の一方の端部が後進走行のためのリバースレンジ（Ｒ）ポジションに割り当てられ、他方の端部が前進走行のためのドライブレンジ（Ｄ）ポジションに割り当てられている。なお、これらＲポジションとＤポジションとの中間位置すなわちセレクト路２４とシフト路２５との交差部分が、ニュートラル（Ｎ）ポジションに割り当てられている。

一方、このセレクト路２４の他方の端部（第２のガイド板２３の中央部側の端部）に交差しているシフト路２５は、第１のガイド板２０におけるＮポジションから第４速が割り当てられている端部までのシフト路２２と同形状になっており、このシフト路２５の端部がブレーキレンジ（Ｂ）ポジションに割り当てられている。なお、このシフト路２５とセレクト路２４との交差部、すなわちシフト路２５とセレクト路２４とが直角に曲がっている箇所が、本発明の実施形態におけるベース（Ｂａ）ポジションに割り当てられている。

第２のガイド板２３は、Ｂａポジションが第１のガイド板２０におけるＮポジションの直下に位置し、かつＲポジションとＤポジションとが端部に割り当てられているシフト路２５が、第１のガイド板２０において第５速と第６速とのシフトポジションが端部に割り当てられているシフト路２２の直下に位置し、さらにＢポジションが第１のガイド板２０における第４速のシフトポジションの直下に位置するなど、第１のガイド板２０に接近もしくは接触する程度の位置を上限位置とし、前述した支持部１２に接近した位置を下限位置として上下動するように構成されている。

第２のガイド板２３を上下動させる機構は、必要に応じて適宜の構成の機構を採用することができ、例えば４本のリンクによって構成したパンタグラフ機構を第２のガイド板２３に連結して設け、そのパンタグラフ機構を適宜のアクチュエータもしくはラック・アンド・ピニオンによって伸縮させて、第２のガイド板２３を上下動させるように構成することができる。また、図２に示すように、水平移動を昇降動作に変換する機構を用いることができる。

その機構について具体的に説明すると、前述したシフト路２５と平行な一対の支持板２６が、第２のガイド板２３を挟んだ両側に起立した状態に配置されており、それらの支持板２６には、昇降方向（上下方向）に対して斜めになっているガイド孔２７が形成されている。ガイド孔２７は長孔であって、左右の各支持板２６に複数本（図２では２本）、互いに平行に形成されている。その傾斜の方向は、上記のＢａポジションとＢポジションとの間のシフト路２５を基準にして説明すると、Ｂポジション側が高くなり、Ｂａポジション側が低くなる方向になっている。これらのガイド孔２７に摺動可能に差し込まれているピン２８が第２のガイド板２３の左右両側に設けられている。

そして、第２のガイド板２３は、上下方向にのみ移動するように保持されており、これに対して左右の支持板２６は水平方向（シフト路２５の延長方向）にのみ適宜のアクチュエータ２９によって前後動するように保持されている。したがって、支持板２６をアクチュエータ２９によって水平方向に移動させると、そのガイド孔２７の内部をピン２８が摺動するから、ピン２８すなわち第２のガイド板２３がガイド孔２７の傾斜に従って昇降させられる。

なお、第２のガイド板２３が下限位置に下がっている状態では、シフトレバー１１を第１のガイド板２０におけるセレクト路２１やシフト路２２に沿って移動させる。そのため、シフトレバー１１の傾き角度が大きくなるので、そのような動作を可能にするために、第２のガイド板２３は、前述した支持部１２に可及的に近づけ、またそのセレクト路２４やシフト路２５は、シフトレバー１１の外径より幾分大きく形成することが好ましい。

シフトレバー１１を移動させることにより選択されたシフトポジションを検出するポジション検出器３０が設けられている。このポジション検出器３０は、従来のハイブリッド車で採用されている構成のものであってよく、例えば上記のセレクト路２１，２４に沿う方向（横方向）のシフトレバー１１の動きをＭＲ－ＩＣなどのセレクトセンサによって検出し、シフト路２２，２５に沿う方向（縦方向）のシフトレバー１１の動きをホール素子などのシフトセンサによって検出し、これら横方向の検出信号と縦方向の検出信号との組み合わせによってシフトポジションを検出するように構成されている。なお、シフトポジションの検出は、自動変速モードと手動変速モードとのそれぞれの変速モードごとに行われ、したがって各ガイド板２０，２３での位置が同一であっても、各変速モードに基づいてシフトポジションの判定が行われる。例えば、手動変速モードで第５速のシフトポジションは自動変速モードではＲポジションと判定され、同様に手動変速モードで第６速のシフトポジションは自動変速モードではＤポジションと判定される。

第１のガイド板２０に従うシフトレバー１１の操作を行ってシフトポジションを選択する場合に、それぞれのシフトポジションにシフトレバー１１が移動したことを感知し、またシフトレバー１１をそのシフトポジションに保持させるいわゆるディテント機能を設けることができる。従来、自動変速機用のシフト装置にディテント機構が設けられているが、そのシフト装置はシフトレバーを一方向に往復動させるように構成され、したがってそのディテント機構も一方向の動きに対して作用するようになっている。このようなディテント機構を、直交する二軸方向に設ければ、上記のシフトレバー１１に対するディテント機能を生じさせることができる。あるいは、例えば図４に示すように、シフト路２５の端部の近くに、シフト路２５の幅を狭めるように突起３１を設け、その突起３１に弾性力を作用させてシフト路２５内に突出させておく。シフトレバー１１がその突起３１を乗り越える場合にシフトレバー１１の操作力に対する反力が一時的に生じるから、操作力の変化によってシフト操作を行ったことを感知できる。また、突起３１がシフトレバー１１をシフト路２５の端部である所定のシフトポジションに押しとどめるから、そのシフトポジションを保持することができる。

上記のシフト装置９では、セレクト路２１，２４やシフト路２２，２５は化粧板１７の下に隠れていて見ることができないから、シフトポジションなどのシフト操作している状態を見ることができない。また、セレクト路２１，２４やシフト路２２，２５でのシフトレバー１１の位置を万が一、見ることができるように構成したとしても、シフトポジションの意味が自動変速モードと手動変速モードとで異なっているから、シフト路２２，２５内でのシフトレバー１１の位置からシフトポジションを直ちに認識することは困難である。上記のシフト装置９に付設されている表示器１０は、このような不都合を解消するためのものであり、各変速モードに応じて、セレクト路２１，２４およびシフト路２２，２５ならびに各シフトポジションあるいはシフトレンジを表示するように構成されている。

表示器１０は、前述したコントローラ６によって制御される。すなわち、前述したポジション検出器３０の検出信号がコントローラ６に入力されていて、コントローラ６はその入力信号に基づいて、選択されているシフトポジションを判定し、そのシフトポジションを表示器１０に表示するように構成されている。したがって、表示器１０は、液晶を使用したカラー表示器であり、任意の図形や模様、文字などを、任意の色彩で表示し、かつその明度もしくは輝度を変え、さらには点灯、消灯、点滅を適宜に行うことができる。この表示器１０は、シフト装置９の一部として、シフトレバー１１に関係づけて設けられている。具体的には、表示器１０はシフトレバー１１の上端部であるノブ１８の頂面に設けられ、あるいはシフトレバー１１の近傍（例えば化粧板１７の表面所定箇所）に設けられている。

図５の（Ａ）および（Ｂ）に表示内容の一例を示してある。図５の（Ａ）は自動変速モードが選択されている場合の第１表示の内容を示しており、その表示は全体としての形状が円形であって、その中心部に前述したＢａポジションを示す点（以下、仮に符号Ｂａを付す。）があり、ここから第２のガイド板２３におけるセレクト路２４および各シフト路２５に沿う方向に延びている矢印が図形３２として表示される。そして、各矢印の先端部に前述したＤポジション、Ｒポジション、Ｎポジション、Ｂポジションのそれぞれを示すアルファベットが表示されている。これら図形３２およびアルファベット以外の部分が背景３３であり、この背景色は単色であってもよく、あるいは適宜の背景模様が付されていてもよい。

図５の（Ｂ）は手動変速モードが選択されている場合の第２表示の内容を示しており、その表示の全体としての形状は円形であって、その円の内部に、前記第１のガイド板２０におけるセレクト路２１およびシフト路２２のスケルトン図（線図）が図形３４として表示される。各シフト路２２に相当する線の先端部に、それぞれに対応するシフトポジションを示す「Ｒ」および「１」から「６」の符号が表示される。そして、Ｎポジションの位置が目立った点（以下、仮に符号Ｎを付す。）で表示される。これら図形３４および符号以外の部分が背景３５であり、この背景３５は、上記の自動変速モード用の表示における背景３３と同様に、背景色は単色であってもよく、あるいは適宜の背景模様が付されていてもよい。なお、図５の（Ａ）および（Ｂ）に示す形状ならびに色彩は、予め画像データとしてコントローラ６に記憶させておく。

図１に模式的に示すモード切替スイッチ７を操作することにより自動変速モードおよび手動変速モードを切り替えて選択することができ、自動変速モードが選択されると図５の（Ａ）に示す表示が表示器１０に表れる。それと併せて前述した第２のガイド板２３が上昇し、シフトレバー１１を動かすことのできる範囲が、そのガイド板２３に形成されているセレクト路２４とシフト路２５とによる範囲に規制される。また、手動変速モードが選択されると図５の（Ｂ）に示す表示が表示器１０に表れる。それと併せて前述した第２のガイド板２３がシフトレバー１１を傾動可能（もしくは回動可能）に支持している支持部１２の近くに下降するので、第２のガイド板２３によるシフトレバー１１の動き（移動）の規制が解除される。したがって、表示器１０に表れる図形３２，３４によって、その時点で選択されて設定されている変速モードが自動変速モードか、手動変速モードかを認識することができる。また、背景３３，３５の色や模様を自動変速モードと手動変速モードとで異ならせる。これは、前述したコントローラ６による画像処理によって行うことができ、こうすることにより、視覚による変速モードの認識が容易になる。なお、背景３３，３５の一部に、自動変速モードを示す「Ａ」あるいは「Ａｕｔｏ」などの文字表示、手動変速モードを示す「Ｍ」あるいは「Ｍａｎｕ」などの文字表示を行うことができる。これらの変速モードを視覚的に認識させる手段もしくは機能が、本発明の実施形態におけるモード表示機能もしくはモード表示手段に相当する。

前述したようにシフトレバー１１の位置は、セレクトセンサによる検出信号およびシフトセンサによる検出信号の組み合わせによって検出でき、また表示器１０に表示することができる。したがって本発明の実施形態では、シフトレバー１１を動かすことに合わせて、図５の（Ａ）や（Ｂ）に示す丸印をそれぞれの図形３２，３５上で動かすことができる。そして、その丸印が到達したポジションすなわち手動操作によって選択されたシフトポジションあるいはシフトレンジを示すアルファベットや数字などの文字を強調表示する。その強調表示は、太字での表示、図５の（Ｂ）に「１」について示してあるように色彩のある枠（円形や矩形など）で囲んだ文字を白抜きした表示、他の文字をぼかしたり網掛けすることにより相対的に明瞭にする表示、文字の大きさあるいは書体を他の文字とは異ならせた表示などであってよい。

さらに、上記の表示器１０は、手動変速モードで特有の表示を行うように構成することができる。すなわち、手動変速モードでは、変速比（もしくは変速段。以下、まとめて変速段と記す。）の選択は、運転者の意図で行うことが基本であるが、車両１の実際の走行状態に適した変速段は運転者の意図に拘わらず存在している。すなわち、好ましい変速段は、所定の加速特性を得ることができ、また燃費などのエネルギ特性が優れる走行状態として車両の設計上、予め定めておくことができる。そして、その変速段は、例えばアクセル開度と車速とを変数とした二次元マップとして予め用意することができる。このマップから求まる変速段とシフト装置９によって選択されて設定されている変速段とが相違することとなった場合、マップから求まる変速段へのシフトを催告する催告表示を行うシフト催告手段もしくはシフト催告機能を備えることができる。具体的には、マップから求まる変速段など、設定することが好ましいと判断される変速段を示す文字を表示器１０に表示し、あるいはその変速段を示しているシフトポジションの文字（数字）を点滅などで強調表示する。なお、加速する場合には車速の増大に伴ってアップシフトし、また減速する場合にはダウンシフトするのが通常であるから、シフト催告手段もしくはシフト催告機能は、変速段を示す文字を強調表示するなど設定するべき変速段を表示する代わりに、アップシフトあるいはダウンシフトを催告する表示であってもよい。例えば、背景３５の色や模様をアップシフトやダウンシフトを指示するものに変化させ、あるいは点滅速度をアップシフトやダウンシフトに応じたものとするなどの表示であってもよい。

このように手動変速モードで変速を推奨する場合、その判断は、前述したマップから求まる変速段と現在の変速段との比較によって行うことになる。したがって、その場合、車両１の走行特性はマップによって決まることになるので、そのマップとしてアップシフトタイミングが異なる複数のマップあるいはマップに相当するデータを予め用意しておき、変速段の判断に使用するマップを切り替えることにより、車両１の走行特性を変更することができる。その走行特性の一例は、スポーツモードやエコノミーモードであり、スポーツモードでは、アップシフト線を高車速側に設定して、車速の増大に対してアップシフトを遅らせることにより、大きい駆動力で走行するモードである。これに対して、エコノミーモードは、アップシフト線を低車速側に設定して、アップシフトを比較的早期に生じさせてエンジン回転数を低く抑え、その結果、燃費もしくはエネルギ効率を向上させるモードである。

したがって、これらの走行モードでは、車速やアクセル開度などの変化に対する変速のタイミングが異なるので、シフトの催告を行う場合、いずれの走行モードのもとでのシフト催告であるかを運転者に告知することが望ましい。すなわち、表示器１０は、シフトの催告を何らかの表示の点滅によって行う場合、本発明の実施形態での第１走行モードに相当するエコノミーモードと、第２走行モードに相当するスポーツモードとで点滅のタイミングを異ならせるように構成することができる。

以上、本発明の実施形態の一例を説明したが、本発明は上記の実施形態とは異なる構成とすることができるのであり、例えば、本発明における規制機構は、第１のガイド板における所定のシフト路およびセレクト路の一部を、第２のガイド板で覆う構成以外に、所定のシフト路へのシフトレバーの進入ならびにセレクト路の所定箇所へのシフトレバーの移動を規制するシャッターに類した部材をシフト路やセレクト路に設けた構成としてもよい。

１車両
２駆動力源
３変速部
４終減速機
５駆動輪
６コントローラ
７モード切替スイッチ
８パーキングスイッチ
９シフト装置
１０表示器
１１シフトレバー
１２支持部
１３支持体
１４受け座
１５貫通孔
１６バランス機構
１７化粧板
１８ノブ
１９ゴムブーツ
２０ガイド板
２１，２４セレクト路
２２，２５シフト路
２３ガイド板
２６支持板
２７ガイド孔
２８ピン
２９アクチュエータ
３０ポジション検出器
３１突起
３２，３４図形
３３，３５背景

Claims

ベースポジションと、複数のシフトポジションと、前記ベースポジションと前記シフトポジションとに移動可能な操作桿と、複数の前記シフトポジションに対応して設けられかつ前記操作桿を前記シフトポジションに案内するシフト路と、前記ベースポジションから前記各シフト路に到りかつ前記操作桿を前記シフト路に案内する少なくとも一本のセレクト路とを備えている車両の変速操作装置であって、
前記車両は、走行のための駆動力の制御の態様が互いに異なる第１変速モードと第２変速モードとを選択可能に構成され、
前記第１変速モードが選択されている場合に複数の前記シフト路のうちのいずれかのシフト路および前記いずれかのシフト路が対応している前記シフトポジションへの前記操作桿の前記セレクト路からの進入を規制し、かつ前記第２変速モードが選択されている場合に前記規制を解除する規制機構を備え、かつ
前記第１変速モードが選択されて前記規制機構による前記規制が行われている場合の前記操作桿の移動可能な前記ベースポジションおよび前記シフトポジションならびに前記セレクト路および前記シフト路を図形で表示する第１表示と、前記第２変速モードが選択されて前記規制機構による前記規制が解除されている場合の前記操作桿の移動可能な前記ベースポジションおよび前記シフトポジションならびに前記セレクト路および前記シフト路を図形で表示する第２表示とを、選択されている前記第１変速モードと前記第２変速モードとに応じて選択的に表示する表示器を更に備え、
前記規制機構は、
前記車両の前後方向と幅方向との二方向に揺動可能に下端部で支持された前記操作桿が貫通している第１ガイド板と、前記第１ガイド板の下側に上下動可能に配置された第２ガイド板と、前記第２ガイド板を前記第１ガイド板に対して上下動させるアクチュエータとを有し、
前記第１ガイド板には、前記操作桿を前記車両の幅方向にガイドする第１セレクト路と、前記第１セレクト路に直交していて前記操作桿を車両の前後方向にガイドする複数の第１シフト路とが形成され、
前記第２ガイド板には、前記第１セレクト路の一部に上下方向で重なる第２セレクト路と、前記第２セレクト路に直交するとともに複数の前記第１シフト路よりも少数で前記第１シフト路のいずれかと上下方向で重なる複数の第２シフト路とが形成され、
前記第２ガイド板が下がっている状態では、前記操作桿が前記第１ガイド板の前記第１セレクト路および前記第１シフト路とに沿って移動し、かつ前記第２ガイド板が上がっている状態では、前記操作桿の移動が前記第２ガイド板の前記第２セレクト路および前記第２シフト路とに沿う移動に規制されるように構成されている
ことを特徴とする車両の変速操作装置。
請求項１に記載の車両の変速操作装置であって、
前記表示器は、選択されている前記第１変速モードもしくは前記第２変速モードを表示するモード表示機能を備えていることを特徴とする車両の変速操作装置。
請求項２に記載の車両の変速操作装置であって、
前記モード表示機能は、選択されている変速モードを文字で表示する機能、前記図形の背景色を選択されている前記変速モードに応じた色とする機能、前記図形の背景模様を選択されている前記変速モードに応じた模様とする機能のいずれか一つであることを特徴とする車両の変速操作装置。
請求項１に記載の車両の変速操作装置であって、
前記表示器は、前記操作桿を移動させて選択されている前記シフトポジションを前記図形上に強調表示する機能を備えていることを特徴とする車両の変速操作装置。
請求項４に記載の車両の変速操作装置であって、
前記表示器は、前記シフトポジションを示す文字を備え、
前記強調表示する機能は、前記操作桿を移動させて選択されている前記シフトポジションを示す前記文字を他の前記文字とは異なる表示とする機能である
ことを特徴とする車両の変速操作装置。
請求項１から５のいずれか一項に記載の車両の変速操作装置であって、
前記第２変速モードは、前進走行のための複数の前記シフトポジションを選択できるように構成され、
前記表示器は、前記第２変速モードが選択されている場合に、前記車両の走行状態の変化に基づいて前記シフトポジションを切り替えることを催告するシフト催告機能を備えている
ことを特徴とする車両の変速操作装置。
請求項６に記載の車両の変速操作装置であって、
前記シフト催告機能は、所定の催告表示の点灯、前記図形の背景色もしくは背景模様あるいは選択するべき前記シフトポジションを示す表示の点滅のいずれかであることを特徴とする車両の変速操作装置。
請求項７に記載の車両の変速操作装置であって、
前記車両は、前記第２変速モードが選択されている状態で、所定のアップシフトを行うことを所定の車速で判定する第１走行モードと、前記アップシフトを行うことを前記所定の車速より高車速で判定する第２走行モードとを選択できるように構成され、
前記シフト催告機能が前記表示の点滅である場合に前記表示の点滅のタイミングを、前記第１走行モードが選択されている場合と前記第２走行モードが選択されている場合とで異ならせるように構成されている
ことを特徴とする車両の変速操作装置。
請求項１に記載の車両の変速操作装置であって、
前記アクチュエータは、前記第１変速モードが選択されている場合に前記第２ガイド板を前記第１ガイド板に向けて上昇させ、かつ前記第２変速モードが選択されている場合に前記第２ガイド板を前記第１ガイド板から下側に下げる
ことを特徴とする車両の変速操作装置。
請求項１に記載の車両の変速操作装置であって、
前記アクチュエータによって前後動させられて前記第２ガイド板を上下動させる昇降機構を更に備え、
前記昇降機構は、前記アクチュエータによって前後動させられる第３ガイド板と、前記第３ガイド板の前後動する方向において上下方向に傾斜して前記第３ガイド板に形成された傾斜ガイド孔と、前記第２ガイド板に一体に設けられかつ前記傾斜ガイド孔に挿入されているピンとを有している
ことを特徴とする車両の変速操作装置。
請求項１に記載の車両の変速操作装置であって、
前記アクチュエータによって前後動させられて前記第２ガイド板を上下動させる昇降機構を更に備え、
前記昇降機構は、パンタグラフ機構によって構成されている
ことを特徴とする車両の変速操作装置。