JP7491779B2 - 浸水深推定装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は浸水深推定装置及び方法に関し、例えば、対象地域について、人工衛星により撮影された画像(以下、これを衛星画像と呼ぶ)を用いて浸水域の浸水深を推定する浸水深推定装置に適用して好適なものである。
従来、水害被害に対する保険金の支払額を決定するに際しては被害状況の把握が必要であり、水害被害の被害状況の把握には、最大の浸水深(以下、これを最大浸水深と呼ぶ)が重要な要素となる。なお以下において「浸水深」とは、地盤面から浸水面までの距離を指すものとする。
本技術分野の背景技術として、特許文献1には、ニューラルネットワークを使用して合成開口レーダ(SAR:Synthetic Aperture Radar)画像と高さデータから高精度の土地被覆分類図を生成する技術が開示されている。
特開2019-35598号公報
ところで、近年、気候変動に伴う自然災害の激甚化及び高頻度化に伴い、保険金の支払いの迅速化に対する社会的な要請が高まっている。この場合、例えば、河川の氾濫等に起因する家屋の浸水災害に対する保険金の支払額の決定の際に重要な指標となる最大浸水深は、調査員が現地に赴いて調査しているため、迅速な保険金の支払額決定に相応の時間を要する問題があった。
この場合において、特許文献1に開示された技術は画像に対して地表情報を推定する技術であり、水域の有無を出力することは可能であるものの、浸水域の浸水深を把握することができない。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、浸水域の各地点の浸水深を迅速かつ容易に推定し得る浸水深推定装置及び方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、対象地域の浸水域の浸水深を推定する浸水深推定装置において、浸水に関する各種パラメータの値の組み合わせでなる複数の異なるシナリオに基づいて、前記対象地域における浸水現象をそれぞれシミュレーションする浸水シミュレーション計算部と、浸水中の前記対象地域を撮影した画像から前記浸水域を検出する浸水域検出部と、前記対象地域における実際の前記浸水域の情報と、各前記シナリオに基づく前記シミュレーションのシミュレーション結果とを比較し、当該実際の前記浸水域と類似する前記シミュレーション結果が得られた1又は複数の前記シミュレーションを抽出し、抽出した1又は複数の前記シミュレーションの前記シミュレーション結果に基づいて、抽出した前記シミュレーションにそれぞれ対応する前記シナリオごとに、前記対象地域の前記浸水域の各地点の浸水深をそれぞれ推定する浸水深推定部とを設け、前記浸水深推定部は、前記浸水域検出部により検出された実際の前記浸水域の位置と、各前記シナリオに基づく前記シミュレーションにより得られた前記浸水域の位置とを比較することにより、当該実際の前記浸水域と類似する前記シミュレーション結果が得られた1又は複数の前記シミュレーションを抽出し、さらに前記浸水域検出部は、前記対象地域を撮影した前記画像から複数の浸水域検出方法により前記浸水域を検出することができ、当該複数の浸水域検出方法のうちの1つの前記浸水域により前記浸水域を検出し、前記浸水深推定部が、前記浸水域検出部により検出された実際の前記浸水域の位置と、各前記シナリオに基づく前記シミュレーションにより得られた前記浸水域の位置との比較により、当該実際の前記浸水域と類似する前記シミュレーション結果が得られた前記シミュレーションを抽出できなかった場合に、実際の前記浸水域と類似する前記シミュレーション結果が得られた前記シミュレーションを抽出できるまで、又は、所定の回数分の当該比較が完了するまで、前記浸水域検出部が、他の前記浸水域検出方法により前記対象地域を撮影した前記画像から前記浸水域を検出する処理と、前記浸水深推定部が、前記浸水域検出部により検出された実際の前記浸水域の位置と、各前記シナリオに基づく前記シミュレーションにより得られた前記浸水域の位置とを比較する処理とを繰り返すようにした。
また本発明においては、対象地域の浸水域の浸水深を推定する浸水深推定装置において実行される浸水深推定方法であって、浸水に関する各種パラメータの値の組み合わせでなる複数の異なるシナリオに基づいて、前記対象地域における浸水現象をそれぞれシミュレーションする第1のステップと、浸水中の前記対象地域を撮影した画像から前記浸水域を検出し、前記対象地域における実際の前記浸水域の情報と、各前記シナリオに基づく前記シミュレーションのシミュレーション結果とを比較し、当該実際の前記浸水域と類似する前記シミュレーション結果が得られた1又は複数の前記シミュレーションを抽出する第2のステップと、抽出した1又は複数の前記シミュレーションの前記シミュレーション結果に基づいて、抽出した前記シミュレーションにそれぞれ対応する前記シナリオごとに、前記対象地域の前記浸水域の各地点の浸水深をそれぞれ推定する第3のステップとを設け、前記第2のステップにおいて、前記浸水深推定装置は、検出した実際の前記浸水域の位置と、各前記シナリオに基づく前記シミュレーションにより得られた前記浸水域の位置とを比較することにより、当該実際の前記浸水域と類似する前記シミュレーション結果が得られた1又は複数の前記シミュレーションを抽出し、前記浸水深推定装置は、前記対象地域を撮影した前記画像から複数の浸水域検出方法により前記浸水域を検出することができ、前記第2のステップにおいて、前記浸水深推定装置は、当該複数の浸水域検出方法のうちの1つの前記浸水域により前記浸水域を検出し、検出した実際の前記浸水域の位置と、各前記シナリオに基づく前記シミュレーションにより得られた前記浸水域の位置との比較により、当該実際の前記浸水域と類似する前記シミュレーション結果が得られた前記シミュレーションを抽出できなかった場合に、実際の前記浸水域と類似する前記シミュレーション結果が得られた前記シミュレーションを抽出できるまで、又は、所定の回数分の当該比較が完了するまで、他の前記浸水域検出方法により前記対象地域を撮影した前記画像から前記浸水域を検出する処理と、検出した実際の前記浸水域の位置と、各前記シナリオに基づく前記シミュレーションにより得られた前記浸水域の位置とを比較する処理とを繰り返すようにした。
本発明によれば、浸水域の各地点の浸水深を迅速かつ容易に推定し得る浸水深推定装置及び方法を実現できる。
本実施の形態による浸水深推定装置の全体構成を示すブロック図である。 浸水情報データベースの構成例を示す図表である。 浸水情報がラスタ形式で格納された浸水情報データベースの説明に供する概念図である。 シナリオテーブルの説明に供する図表である。 水生成オブジェクトテーブルの説明に供する図表である。 (A)はメッシュの説明に供する概念図であり、(B)は浸水深メッシュの説明に供する図である。 画像選択・条件設定画面の構成例を示す図である。 結果表示画面の構成例を示す図である。 結果詳細画面の構成例を示す図である。 結果詳細画面の説明に供する図である。 シナリオパラメータ変更画面の構成例を示す図である。 第1の浸水深推定処理の処理手順を示すフローチャートである。 本実施の形態における浸水シミュレーションの説明に供するグラフである。 第2の浸水深推定処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)本実施の形態による浸水深推定装置の構成
図1において、1は全体として本実施の形態による浸水深推定装置を示す。この浸水深推定装置1は、CPU(Central Processing Unit)2、メモリ3、記憶装置4、入力装置5及び出力装置6を備えた汎用のコンピュータ装置から構成される。
CPU2は、浸水深推定装置1全体の動作制御を司るプロセッサである。またメモリ3は、例えば揮発性の半導体メモリから構成され、CPU2のワークメモリとして利用される。メモリ3に格納されたプログラムをCPU2が実行することにより、後述のような浸水深推定装置1全体としての各種処理が実行される。
記憶装置4は、例えばハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリ等の大容量の不揮発性の記憶装置から構成され、各種プログラムや必要な情報を長期間保持するために利用される。
入力装置5は、例えば、マウスやキーボードなどから構成され、オペレータが必要な指示や情報を入力するために利用される。また出力装置6は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示装置から構成され、必要な画面や情報を表示するために利用される。
(2)浸水深推定機能
次に、かかる浸水深推定装置1に搭載された浸水深推定機能について説明する。この浸水深推定機能は、浸水発生時における対象地域内の各地点の浸水深を、例えば、対象地域を撮影した衛星画像のような位置情報をもつ画像(以下、これを参照画像と呼ぶ)を利用して推定する機能である。なお、以下においては浸水原因を河川の氾濫として説明する。
実際上、浸水深推定装置1は、氾濫位置、氾濫水量及び氾濫開始時刻などの浸水に関する各種パラメータの値をそれぞれランダムに選択した複数のシナリオ(以下、これらを浸水シナリオと呼ぶ)を生成し、生成した各浸水シナリオに従って対象地域に発生する浸水現象をそれぞれシミュレーションする。
そして浸水深推定装置1は、これらのシミュレーション(以下、これを浸水シミュレーションと呼ぶ)のシミュレーション結果(対象地域の各地点の浸水深の推定結果)を氾濫中の対象地域を撮影した参照画像とそれぞれ比較し、かかる参照画像と浸水域が類似するシミュレーション結果が得られた1又は複数の浸水シミュレーションを抽出する。
さらに浸水深推定装置は、このようにして抽出した各浸水シミュレーションのシミュレーション結果に基づいて、対象地域内の氾濫開始から所定経過時間ごとの各地点の浸水深をそれぞれ推定する。そして浸水深推定装置は、このようにして推定した対象地域の各地点の最大の浸水深や時系列の浸水深をマップ化して出力装置6(図1)に表示する。
以上のような浸水深推定機能を実現するための手段として、図1に示すように、本実施の形態の浸水深推定装置1のメモリ3には、浸水域検出プログラム10、浸水シナリオ生成プログラム11、浸水シミュレーション計算プログラム12、浸水深推定プログラム13及び浸水深マップ生成プログラム14が格納されると共に、浸水深推定装置1の記憶装置4には、画像データベース15、地図データベース16、浸水情報データベース17、浸水シナリオデータベース18及び時系列浸水深データベース19が格納されている。
浸水域検出プログラム10は、後述のように画像データベース15に格納された参照画像の中からオペレータが指定した1又は複数の参照画像を読み出し、読み出した参照画像中の各地点について浸水域を検出し、検出結果を浸水情報として浸水情報データベース17に格納する機能を有するプログラムである。
また浸水シナリオ生成プログラム11は、オペレータにより予め設定された、氾濫位置の範囲、当該氾濫位置から流出する単位時間当たりの水量(以下、これを氾濫水量と呼ぶ)の範囲及び氾濫開始時刻の範囲の各条件に従って、これら氾濫位置、氾濫水量及び氾濫開始時刻の各パラメータの値をランダムに組み合わせたパラメータ群を浸水シナリオとして複数生成する機能を有するプログラムである。浸水シナリオ生成プログラム11は、生成した浸水シナリオを浸水シナリオデータベース18に格納する。
浸水シミュレーション計算プログラム12は、後述のように地図データベース16に格納されている対象地域の地図データと、浸水情報データベース17に格納されている浸水情報とに基づいて、浸水シナリオごとにその浸水シナリオに従った浸水現象を数値解析により時系列でシミュレーションする機能を有するプログラムである。
実際上、浸水シミュレーション計算プログラム12は、ユニバーサル横メルカトル(UTM:Universal Transverse Mercator)図法などで表現された対象地域の地図上に定義された図5(A)に示すようなメッシュ21により区切られた各小領域(以下、これらの小領域をセルと呼ぶ)21Aの時系列の浸水深を、かかる浸水シミュレーションによりそれぞれ算出する。そして浸水シミュレーション計算プログラム12は、算出した浸水シナリオごとの浸水シミュレーションの時系列のシミュレーション結果を時系列浸水深データベース19に格納する。
浸水深推定プログラム13は、時系列浸水深データベース19に格納された浸水シナリオごとの浸水シミュレーションの時系列のシミュレーション結果のうち、オペレータにより指定された上述の参照画像が撮影された時刻のシミュレーション結果と、当該参照画像の浸水域との類似度合を表す類似度を浸水シナリオごとにそれぞれ算出する機能を有するプログラムである。浸水深推定プログラム13は、算出した浸水シナリオごとのかかる類似度をそれぞれ浸水シナリオデータベース18に格納する。また浸水深推定プログラム13は、浸水シナリオごとのかかる類似度に基づき、類似度が高い1又は複数の浸水シナリオのシミュレーション結果を利用して対象地域の各地点の浸水深を推定し、推定結果を浸水深マップ生成プログラム14に通知する。
浸水深マップ生成プログラム14は、浸水深推定プログラム13から通知された推定結果に基づいて、図7について後述する最大浸水深マップ60や、図8~図10について後述する浸水深マップ84,110を出力装置6に表示する機能を有するプログラムである。浸水深マップ84,110及び最大浸水深マップ60の詳細については後述する。
一方、画像データベース15には、氾濫中の対象地域を撮影した参照画像の画像ファイルが予め格納される。本実施の形態においては、このような参照画像として衛星画像を想定しているが、ヘリコプターから氾濫中の対象地域を撮影した画像や、氾濫中の対象地域を高層ビルから撮影した画像などを参照画像として適用するようにしてもよい。
また参照画像としては、画像のピクセルの地理上の位置を認識できるものであれば、カラー画像やモノクロ画像又はスペクトル画像、SAR(合成開口レーダ)画像、レーダ画像などの画像であってもよい。さらに、参照画像として、SNS(Social Networking Service)の投稿場所の位置情報などに基づいて浸水の可能性を推定した2次元グラフ、いわゆるヒートマップなどを適用することもできる。
地図データベース16には、対象地域を含む必要な範囲の地図のデータ(地図データ)が予め格納される。かかる地図データには、各地点の緯度及び経度や、EPSG(European Petroleum Survey Group)コードのほか、各地点の標高や、河川及び各種構造物の位置、大きさ及び形状などの情報も含まれる。
浸水情報データベース17には、上述のようにオペレータにより指定された参照画像について浸水域検出プログラム10が生成した、対象地域の地点ごとの浸水の有無を表す浸水情報が格納される。かかる浸水情報の形式としては、ベクタ形式及びラスタ形式のいずれであってもよい。
浸水情報がベクタ形式の場合、浸水情報データベース17には、図2に示すように、対象地域内の幾つかの地点について、その地点の位置、観測時刻、及び、その地点の浸水の有無といった各情報17A~17Cがそれぞれ格納される。また、その地点の浸水深(地盤面から浸水面までの距離)の実測値が取得できている場合には、その実測値の情報17Dも浸水情報として浸水情報データベース17に格納される。
なお浸水情報における位置の情報17Aとしては、ジオメトリの型(「ベクタデータ種別(type)」)、EPSGコード(「EPSG code」)及び座標(「coordinates」)などの各情報17AA~17ACが格納される。ジオメトリの型としては点(「point」)及びポリゴン(「polygon」)などがあり、座標としては緯度及び経度が利用される。
また浸水情報がラスタ形式の場合、浸水情報データベース17には、図3に示すように、浸水情報として参照画像の高さ(画素数)、幅(画素数)、観測時刻、座標参照系(CRS)、参照画像の左下の座標、メッシュ120を構成する各ピクセル120Aの大きさ及び各ピクセル120Aの値をそれぞれ表す各情報が格納される。なお、「ピクセルの値」としては、浸水の有無又は浸水深が適用される。
浸水シナリオデータベース18には、浸水シナリオ生成プログラム11により生成された浸水シナリオが格納される。この浸水シナリオデータベース18は、図4Aに示すシナリオテーブル18Aと、図4Bに示す水生成オブジェクトテーブル18Bとから構成される。
浸水シナリオテーブル18Aは、浸水シナリオ生成プログラム11が生成した浸水シナリオを一元管理するためのテーブルであり、シナリオID欄18AA、氾濫開始時刻UTC欄18AB、水生成オブジェクトID欄18AC及び類似度評価欄18ADを備えて構成される。シナリオテーブル18Aでは、1つの行が浸水シナリオ生成プログラム11により生成された1つの浸水シナリオに対応する。
そしてシナリオID欄18AAには、対応する浸水シナリオに対して付与されたその浸水シナリオに固有の識別子(シナリオID)が格納され、氾濫開始時刻UTC欄18ABには、対応する浸水シナリオに基づく浸水シミュレーションにおいて河川の氾濫が開始される氾濫開始時刻が協定世界時で格納される。
また水生成オブジェクトID欄18Aには、図4Bについて後述する水生成オブジェクトテーブル18Bで管理された水生成オブジェクトの中からその浸水シナリオで使用すべき水生成オブジェクトの識別子(水生成オブジェクトID)が格納される。水生成オブジェクトの詳細については後述する。
さらに類似度評価欄18ADには、浸水深推定プログラム13により上述のように算出された、その浸水シナリオに基づいて行われた浸水シミュレーションのシミュレーション結果と参照画像との類似度が格納される。
従って、図4Aの例の場合、例えば「A1」というシナリオIDが付与された浸水シナリオでは、協定世界時の「2020/07/04 12:00」が氾濫開始時刻に設定されており、水生成オブジェクトとして「B101」が選択され、浸水深推定プログラム13により算出された、その浸水シナリオに基づいて行われた浸水シミュレーションのシミュレーション結果と参照画像との類似度が「0.1」であったことが示されている。
また水生成オブジェクトテーブル18Bは、浸水シナリオ生成プログラム11により生成された、浸水シミュレーションにおける河川の氾濫位置や、その氾濫位置から流出する単位時間当たりの水量(流水量)などの浸水に関する条件を規定したオブジェクト(以下、これを水生成オブジェクトと呼ぶ)を管理するために利用されるテーブルであり、図4Bに示すように、水生成オブジェクトID欄18BA、オブジェクト種類欄18BB、氾濫位置欄18BC、流量時系列欄18BD及び氾濫水量欄18BEを備えて構成される。水生成オブジェクトテーブル18Bでは、1つの行が1つの水生成オブジェクトに対応する。
そして水生成オブジェクトID欄18BAには、対応する水生成オブジェクトに対して付与されたその水生成オブジェクトの水生成オブジェクトIDが格納され、オブジェクト種類欄18BBには、河川の氾濫原因の種類(破堤や、河川の水位が堤防を越える流量生成など)が格納される。また氾濫位置欄18BCは、経度欄18BCA及び緯度欄18BCBに分けられており、河川の氾濫位置の経度が経度欄18BCAに、また緯度が緯度欄18BCBにそれぞれ格納される。
さらに流量時系列欄18BDには、氾濫開始から所定時間後ごとの氾濫位置から流出する単位時間当たりの水量(流水量)がそれぞれ格納され、氾濫水量欄18BEには、河川の氾濫位置から流出した総水量(氾濫水量)が格納される。
従って、図4Bの例の場合、「B101」という水生成オブジェクトIDが付与された水生成オブジェクトのオブジェクト種類は「流量生成」であり、当該水生成オブジェクトにおいて、経度が「139.474264」、緯度が「35.702896」の地点で河川の氾濫が発生し、氾濫発生から「0」秒後、「3600」秒後、「7200」秒後、「10800」秒後及び「14400」秒後における氾濫位置からの流水量はそれぞれ「0」〔m3/s〕、「0」〔m3/s〕、「5000」〔m3/s〕、「2500」〔m3/s〕及び「0」〔m3/s〕であり、氾濫水量が「90」であることが示されている。
時系列浸水深データベース19は、浸水シミュレーション計算プログラム12により算出された対応する浸水シナリオごとの浸水シミュレーションのシミュレーション結果である時系列の浸水深メッシュ20(図5(B))の情報を管理及び保持するために利用されるデータベースである。
ここで「浸水深メッシュ」とは、対象地域の地図上に定義した図5(A)に示すようなメッシュ21のある瞬間における各セル21Aの浸水深に関する情報であり、図5(B)に示すように、メッシュ21の横方向のセル数、縦方向のセル数、河川の氾濫開始時刻、座標参照系(CRS:Coordinate Reference System)、画像左下の座標、及び、各セル21Aの大きさの各情報と、対応する時系列シミュレーションで使用した浸水シナリオのシナリオIDとを第1の属性情報20A(図5(B)では「メッシュ情報」)としてもつ。
また浸水深メッシュ20は、セル21Aごとの情報として、そのセル21AのセルID(左下のセル21Aを〔0,0〕とし、そこから数えた縦方向及び横方向のセル数)、氾濫開始から所定時間経過後の浸水深、及び、最大の浸水深(以下、これを最大浸水深と呼ぶ)の各情報を第2の属性情報20B(図5(B)では「セル情報」)としてもつ。ただし、1つの浸水深メッシュ20が第2の属性情報20Bとしてそれぞれもつ「氾濫開始から所定時間経過後の浸水深」は、それぞれその浸水深メッシュ20が対応付けられた、氾濫開始からある1つの所定時間経過後の浸水深のみである。
なお、図5(A)ではセル21Aの形状が矩形として示されているが、セル21Aの形状は矩形に限らず、三角形や六角形であってもよい。
(3)各種画面の構成
次に、かかる浸水深推定機能に基づいて浸水深マップ生成プログラム14により出力装置6(図1)に表示される各種画面の画面構成について説明する。
図6は、入力装置5(図1)を介した所定操作によって出力装置6(図1)に表示させることができる画像選択・条件設定画面30を示す。この画像選択・条件設定画面30は、画像ファイルが画像データベース15(図1)に格納された参照画像の中からオペレータが所望する参照画像を選択したり、その後実行される対象地域の浸水シミュレーションにおける各パラメータ(氾濫位置、氾濫水量及び氾濫開始時刻)の範囲を設定するための画面である。
図6に示すように、画像選択・条件設定画面30は、地図表示領域31、画像選択領域32及びシナリオ探索範囲設定領域33を備えて構成される。
そして地図表示領域31には、地図データベース16(図1)に格納された地図データに基づいてユニバーサル横メルカトル図法などで表現された地図が表示される。かかる地図には、河川のほか、駅及び線路などの人工的な構造物も含まれる。なお、地図に代えて航空写真や衛星写真を地図表示領域に表示するようにしてもよい。地図には、北方向を表すアイコン40や、縮尺を表す凡例41も表示される。
地図表示領域31に表示された地図の範囲は、入力装置5(図1)を用いた所定操作(例えば、マウスのドラッグ)により変更することができる。また、かかる地図の縮尺も入力装置5を用いた所定操作(例えば、マウスのホイールの回転)により変更することができる。
画像選択領域32には、画像データベース15に格納されている各画像ファイル(ここでは衛星画像の画像ファイル)のファイル名の一覧が表示される。なお、画像データベース15に格納されている画像ファイルの中からオペレータにより事前に指定された「geotiff」などの拡張子の画像ファイルのファイル名のみを画像選択領域32に表示するようにしてもよい。
画像選択領域32では、一覧表示された各画像ファイルのファイル名の中から所望する画像ファイルのファイル名をクリックにより選択することで、その画像ファイルに基づく参照画像について、観測センサ(例えば、その画像を撮影した人工衛星)の名称や、その画像の撮影時刻及び撮影角度などの詳細情報42を表示させることができる。
また画像選択領域32には、各画像ファイルにそれぞれ対応させてチェックボックス43が表示されており、これらチェックボックス43の中から所望する参照画像の画像ファイルに対応付けられたチェックボックス43をクリックすることでその参照画像を選択することができる。
このように参照画像が選択された場合、その参照画像が地図表示領域31に表示された地図上の該当箇所に縮尺を合わせた状態で重ねて表示される。またこのとき選択された参照画像に対応するチェックボックス43にはチェックマーク44が表示される。画像選択領域32では、参照画像を複数選択することができ、選択された各参照画像がそれぞれ地図表示領域31に表示された地図上の該当箇所に重ねてそれぞれ表示される。
なお図6では、地図表示領域31に表示された画像45が画像選択領域32においてオペレータにより選択された参照画像を表しており、画像45中、他の箇所よりも黒く着色された領域は浸水していると判定された領域を表している。
シナリオ探索範囲設定領域33では、浸水シミュレーションにおける氾濫水量、氾濫開始時刻及び氾濫位置の各パラメータの値の範囲と、浸水シナリオ生成プログラム11(図1)が生成すべき浸水シナリオの数とを設定することができる。本実施の形態においては、参照画像がもつメタデータに基づいてこれらのパラメータのデフォルト値が自動設定されるものとしているが、これらパラメータの値を入力装置5を用いてオペレータが所望の値に変更することもできる。図6は、氾濫水量の範囲として「10」~「100」、氾濫開始時刻の範囲として「2020/07/01 12:00」~「2020/07/01 18:00」、氾濫位置として河川沿いが指定され、浸水シナリオ数として「100」が指定された例を示している。
そして画像選択・条件設定画面30では、上述のようにして画像選択領域32で所望する1又は複数の参照画像を選択し、シナリオ探索範囲設定領域33で各パラメータの値やシナリオ数を指定した後にパラメータ生成&シミュレーショオン開始ボタン34をクリックすることにより、シナリオ探索範囲設定領域33で指定した数の浸水シナリオを生成させて、これらの浸水シナリオに基づく各浸水シミュレーションを浸水深推定装置1に実行させることができる。
図7は、浸水シミュレーションのシミュレーション結果が表示される結果表示画面50を示す。画像選択・条件設定画面30においてパラメータ生成&シミュレーショオン開始ボタン34をクリックすると、上述のように1又は複数の浸水シナリオに基づく浸水シミュレーションが実行され、これら浸水シミュレーションに基づいてこの図7に示す結果表示画面50が画像選択・条件設定画面30に代えて出力装置6(図1)に表示される。
この結果表示画面50は、地図表示領域51及び選択画像情報表示領域52を備えて構成される。そして地図表示領域51には、直前の画像選択・条件設定画面30の地図表示領域31に表示されていた地図がそのまま表示される。また地図表示領域51には、地図の北方向を表すアイコン61や、縮尺を表す凡例62も表示される。
さらに結果表示画面50の地図表示領域51には、地図に重ねて最大浸水深マップ60が表示される。最大浸水深マップ60は、上述の浸水シミュレーションに基づいて算出された、対象地域の地図上に定義された図5(A)のようなメッシュ21の各セル21Aの最大浸水深を視覚化したマップであり、これらメッシュ21の各セル21Aとそれぞれ一致する複数のセル60Aを備える。
そして、これらのセル60Aは、それぞれメッシュ21の対応するセル21Aについて算出されたそのセル21Aの最大浸水深に応じた色に着色される。また、これらの色が表す浸水深を示す凡例63が地図表示領域51に表示される。従って、オペレータは、この結果表示画面50の地図表示領域51に表示された最大浸水深マップ60に基づいて、対象地域の各地点における最大浸水深を認識することができる。
また選択画像情報表示領域52には、直前の画像選択・条件設定画面30の画像選択領域32においてオペレータにより選択された参照画像の詳細情報が表示される。従って、オペレータは、地図表示領域51に表示された最大浸水深マップ60がどの参照画像に基づいて生成されたものであるかを選択画像情報表示領域52に表示された参照画像の詳細情報に基づいて認識することができる。
一方、浸水深推定装置1では、結果表示画面50の選択画像情報表示領域52に表示された結果詳細ボタン53をクリックすることにより、出力装置6に表示される画像を図8に示す結果詳細画面70に切り換えることができる。
この結果詳細画面70は、地図表示領域71、浸水シナリオ選択領域72及びシナリオパラメータ制御領域73を備えて構成される。そして地図表示領域71には、初期時、直前の結果表示画面50(図7)の地図表示領域51に表示されていた地図と、参照画像の画像76とがそのまま表示される。また地図表示領域71には、地図の北方向を表すアイコン80や、縮尺を表す凡例81も表示される。
また浸水シナリオ選択領域72には、浸水シナリオ生成プログラム11(図1)により生成された複数の浸水シナリオのうち、浸水深マップ生成プログラム14により選択された1又は複数の浸水シナリオ(参照画像の浸水域と類似度が高いシミュレーション結果が得られた1又は複数の浸水シナリオ)のシナリオID及び類似度がそれぞれ表示される。なお図8では、かかる類似度が高い浸水シナリオから順番に並べて浸水シナリオ選択領域72に表示する場合を例示しているが、浸水シナリオのシナリオIDの順番に並べて表示するようにしてもよい。
さらに浸水シナリオ選択領域72では、シナリオID及び類似度が表示された各浸水シナリオにそれぞれ対応させてチェックボックス82が表示されており、オペレータが所望する浸水シナリオに対応するチェックボックス82をクリックすることでその浸水シナリオを選択することができる。このとき選択された浸水シナリオに対応するチェックボックス82(そのときクリックされたチェックボックス82)にはチェックマーク83が表示される。
そしてオペレータは、上述のようにして浸水シナリオ選択領域72において所望する浸水シナリオを選択した後に浸水深マップ出力ボタン74をクリックすることにより、そのとき選択した浸水シナリオにのみ基づく浸水シミュレーションのシミュレーション結果を、地図表示領域71に表示された地図に重ねて表示させることができる。
なお、このシミュレーション結果は時系列の浸水深メッシュ20(図5(B))に基づいて生成された時系列の浸水深マップ84であるが、地図表示領域71には1つの時刻の浸水深マップ(氾濫開始から所定の1つの経過時間後の浸水深マップ)84が表示される。また浸水深マップ84では、各セル84Aがそれぞれ対応する地点の最大浸水深に応じた色に着色される。そしてこれらの色が表す浸水深を示す凡例85が地図表示領域71に表示される。
またシナリオパラメータ制御領域73には、浸水シナリオ選択領域72において選択された浸水シナリオの詳細情報86と、地図表示領域71に表示された画像76(直前の画像選択・条件設定画面30で選択された参照画像)の詳細情報87とが表示されると共に、その上側に再生ボタン90、停止ボタン91、戻しボタン92及び早送りボタン93からなる操作ボタン群94と、タイムスライダ95とが表示される。
そして結果詳細画面70では、操作ボタン群94の再生ボタン90をクリックすることによって、図9に示すように、浸水シナリオ選択領域72で選択した浸水シナリオに基づいて実行された浸水シミュレーションのみに基づいて得られた時系列の各浸水深マップ84を、時間の早いものから順番に地図表示領域71に表示された地図に重ねてスライドショー形式で順次表示させることができる。これによりオペレータは、対象地域内の各地点における浸水深の変化の様子を視覚的に確認することができる。なお、浸水深マップ84のこのスライドショーは、停止ボタン91をクリックすることにより停止することができる。
また結果詳細画面70では、戻しボタン92をクリックすることにより時系列の各浸水深マップ84を、地図表示領域71に表示された地図に重ねて、かつ時間を戻す方向にスライドショー形式で順次表示させることができ、さらには早送りボタン93をクリックすることによりスライドショー形式で表示される時系列の各浸水深マップ84の表示間隔を短くさせることができる。
さらに結果詳細画面70では、タイムスライダ95を操作することによって、氾濫開始から所望する経過時間後の浸水深マップ84を地図表示領域71に表示された地図に重ねて表示させることができる。従って、オペレータは、タイムスライダ95を操作することによって、例えば、地図表示領域71に表示された画像76の撮影時刻と同じ時刻の浸水深マップ84を地図表示領域71に表示させることができ、これによって浸水シナリオ選択領域72で選択された浸水シナリオにのみ基づく浸水シミュレーションのシミュレーション結果と、画像76に表示された実際の浸水状況とを比較することができる。
一方、結果詳細画面70では、シナリオパラメータ制御領域73の下側に表示されたシナリオパラメータ変更ボタン75をクリックすることにより、そのとき浸水シナリオ選択領域72で選択している浸水シナリオにおける氾濫場所や氾濫水量及び氾濫開始時刻のパラメータ値を変更することができる。
実際上、かかるシナリオパラメータ変更ボタン75をクリックした場合、出力装置6(図1)の表示画面が図10に示すようなシナリオパラメータ変更画面100に切り換えられる。このシナリオパラメータ変更画面100は、図10からも明らかなように、地図表示領域101、シナリオパラメータ制御領域102及びシナリオパラメータ変更領域103から構成される。
そして地図表示領域101には、結果詳細画面70(図8)の地図表示領域71(図8)と同様に、地図と、1つの時刻(氾濫開始からある1つの所定経過時間後の時刻)の浸水深マップ110と、図8について上述した画像76と同様の画像111と、図8について上述したアイコン80及び凡例81,85と同様のアイコン112及び凡例113,114とが表示される。
またシナリオパラメータ制御領域102には、結果詳細画面70(図8)の操作ボタン群94(図8)やタイムスライダ95(図8)とそれぞれ同様の機能を有する操作ボタン群115及びタイムスライダ116と、そのとき地図表示領域101に画像111が表示されている参照画像の詳細情報117とが表示される。
さらにシナリオパラメータ変更領域103には、直前の結果詳細画面70の浸水シナリオ選択領域72(図8)において選択されていた浸水シナリオにおける氾濫位置(図10では「破堤場所」)、氾濫水量及び氾濫開始時刻の各パラメータの値がそれぞれ変更自在に表示される。かくして、オペレータは、入力装置5(図1)を操作して、かかる浸水シナリオの氾濫位置、氾濫水量及び氾濫開始時刻の各パラメータのうちの所望する一部又は全部のパラメータの値を所望する値に修正することにより、その浸水シナリオのそのパラメータの値をその値に変更することができる。なお、図10は、地図表示領域101で点線で示した「×」の位置から実線で示した「×」の位置にまで氾濫位置を変更した例を示している。
そして浸水深推定装置1では、上述のようにシナリオパラメータ変更画面100を用いて浸水シナリオの所望するパラメータの値を変更した後にシミュレーション再計算ボタン104をクリックすることによって、パラメータの値を変更した後の浸水シナリオに基づく浸水シミュレーションを実行させることができる。そして、このとき実行された浸水シミュレーションのシミュレーション結果である時系列の浸水深マップ110のうちの1つの時刻の浸水深マップ110が地図表示領域101に表示される。
また浸水深推定装置1では、地図表示領域101に表示された浸水深マップ110を、シナリオパラメータ制御領域102に表示された操作ボタン群115やタイムスライダ116を操作することによって、結果詳細画面70の操作ボタン群94やタイムスライダ95を操作したときと同様に切り替えることができる。
(4)浸水深推定機能に関する処理
図11は、上述した浸水深推定機能に関連して浸水深推定装置1により実行される、結果表示画面50(図7)を表示するまでの一連の処理(以下、これを第1の浸水深推定処理と呼ぶ)の流れを示す。なお、以下においては、各種処理の処理主体を「プログラム」として説明するが、実際上は、その「プログラム」に基づいて浸水深推定装置1のCPU2(図1)によりその処理が実行されることは言うまでもない。
この第1の浸水深推定処理は、図6について上述した画像選択・条件設定画面30において参照画像の選択及び必要な条件設定が行われた後にパラメータ生成&シミュレーショオン開始ボタン34がクリックされると開始される。
そして、まず、浸水域検出プログラム10(図1)が、そのとき画像選択・条件設定画面30の画像選択領域32(図6)において選択された参照画像ごとに浸水域をそれぞれ抽出し、抽出した浸水域に関する浸水情報を浸水情報データベース17(図1)に格納する(S1)。
なお、参照画像から浸水域を抽出する方法としては、例えば、予め機械学習を行ったAI(Artificial Intelligence)を用いることができる。また、参照画像がSAR画像である場合には、水面が画像上で暗く映る特性を利用して、画像処理で浸水域を抽出するようにしてもよい。さらに浸水情報データベース17に格納する浸水情報としては、浸水箇所の情報(図2の情報17Cの「true」)だけでなく、図2のように浸水していない箇所の情報(図2の情報17Cの「false」)や、判別できなかったという情報(図2の情報17Cの「null」)を含んでいてもよい。
また浸水域検出プログラム10は、浸水情報を図2について上述したベクタ形式で浸水情報データベース17に格納した場合には、その浸水情報を図3について上述したラスタ形式の浸水情報に変換する(S2)。
この変換により、画像選択・条件設定画面30(図6)の画像選択領域32(図6)で選択された参照画像ごとに、図3に示したような浸水の有無がピクセル120Aごとに判定されたメッシュ(以下、これを浸水域メッシュ120と呼ぶ)が作成される。
なお、ステップS1において浸水情報がベクタ形式で浸水情報データベース17に格納された場合には、このステップS2は省略される。そして浸水域検出プログラム10は、この後、浸水シナリオ生成プログラム11(図1)を呼び出す。
浸水シナリオ生成プログラム11は、浸水域検出プログラム10により呼び出されると、画像選択・条件設定画面30のシナリオ探索範囲設定領域33(図6)で設定された範囲で氾濫水量、氾濫開始時刻及び氾濫位置のパラメータの値をランダムに選択した浸水シナリオを、シナリオ探索範囲設定領域33で設定されたシナリオ数だけ生成し、生成した浸水シナリオを浸水シナリオデータベース18(図1)に格納する(S3)。
この際、浸水シナリオ生成プログラム11は、画像選択・条件設定画面30のシナリオ探索範囲設定領域33で氾濫位置が河川沿いに設定されている場合には、河川の右岸又は左岸の線上のいずれかの位置を氾濫位置に決定して浸水シナリオを生成する。そして浸水シナリオ生成プログラム11は、この後、浸水シミュレーション計算プログラム12(図1)を呼び出す。
浸水シミュレーション計算プログラム12は、浸水シナリオ生成プログラム11により呼び出されると、浸水シナリオデータベース18に格納されている各浸水シナリオに基づいて浸水シミュレーションをそれぞれ実行することにより、浸水シナリごとの時系列の浸水深メッシュ20(以下、これを時系列浸水深メッシュ群と呼ぶ)をそれぞれ生成する(S4)。
この浸水シミュレーションの計算は、流体力学に基づき、地図データに含まれる対象地域内の各地点の標高や、河川の位置、形状及び大きさなど情報を利用して行われる。この場合、通常の浸水シミュレーションでは、氾濫位置から流れ出る時間当たりの流水量を時間ごとに設定することが一般的であるが、本実施の形態においては、図12に示すように、氾濫開始後に瞬間的に流水量が最大値となった後に、流水量が線形に減少していくと仮定して、氾濫の総水量(氾濫水量)だけをパラメータとする。ただし、流水量が一定であるとしてもよく、また流水量が線形に増加後、線形に減少していくとしてもよい。さらには浸水シナリオ生成プログラム11が流水量をパラメータとして設定するようにしてもよい。
そして浸水シミュレーション計算プログラム12は、かかる浸水シミュレーションが完了すると、このとき得られた浸水シナリオごとの時系列浸水深メッシュ群を時系列浸水深データベース19(図1)に格納した後、浸水深推定プログラム13(図1)を呼び出す。
浸水深推定プログラム13は、浸水シミュレーション計算プログラム12により呼び出されると、浸水シナリオごとに、その浸水シナリオに基づいて生成された時系列浸水深メッシュ群を構成する浸水深メッシュ20の中から、画像選択・条件設定画面30(図6)の画像選択領域32(図6)で選択された参照画像の撮影時刻と同じ時刻の浸水深メッシュ(以下、これを瞬間浸水深メッシュと呼ぶ)20を抽出する(S5)。
また浸水深推定プログラム13は、ステップS2で作成した参照画像の浸水域メッシュ120(図3)と、ステップS5で抽出した浸水シナリオごとの対応する瞬間浸水深メッシュ20とをそれぞれ比較し、ステップS5で抽出した浸水シナリオごとの瞬間浸水深メッシュ20の中から参照画像の浸水域メッシュ120と浸水域の位置が類似する瞬間浸水深メッシュ20をすべて抽出する(S6)。浸水深推定プログラム13は、このような瞬間浸水深メッシュ20の抽出を、画像選択・条件設定画面30の画像選択領域32で選択された参照画像ごとに行う。
なお、ステップS2で作成した参照画像の浸水域メッシュ120と、ステップS5で抽出した浸水シナリオごとの対応する瞬間浸水深メッシュ20とにおける浸水域の位置が類似しているか否かの判定は、例えば、浸水域のIoU(Intersection over Union)や、浸水しているか否かの判定の正解率を類似度として、類似度の大きさに基づいて行うことができる。
またステップS5で抽出した浸水シナリオごとの瞬間浸水深メッシュ20の中から、参照画像の浸水域メッシュ120と類似する瞬間浸水深メッシュ20を抽出する方法としては、類似度が高い瞬間浸水深メッシュ20を一定数抽出する方法や、類似度が予め定められた閾値以上の瞬間浸水深メッシュ20をすべて抽出する方法などを適用することができる。
続いて、浸水深推定プログラム13は、ステップS6で抽出した各瞬間浸水深メッシュをそれぞれ含む各時系列浸水深メッシュ群を抽出し(S7)、抽出した各時系列浸水深メッシュ群に基づいて浸水深メッシュ20の各セル21Aの最大浸水深をそれぞれ推定して、これら推定した最大浸水深をそれぞれそのセル21Aの値とする最大浸水深メッシュ20を生成する(S8)。
具体的に、浸水深推定プログラム13は、各セル21Aの値を、それぞれステップS7で抽出した各時系列浸水深メッシュ群をそれぞれ構成するすべての浸水深メッシュ20のうちの最大の浸水深とする浸水深メッシュ20を最大浸水深メッシュ20として生成する。そして浸水深推定プログラム13は、この後、浸水深マップ生成プログラム14を呼び出す。
浸水深マップ生成プログラム14は、浸水深推定プログラム13により呼び出されると、図7について上述したように、ステップS8で生成された最大浸水深メッシュ20を地図に重ねて地図表示領域51(図7)に表示した結果表示画面50(図7)を生成し、生成した結果表示画面50を出力装置6(図1)に表示する(S9)。以上により、この第1の浸水深推定処理が終了する。
なお、ステップS6の処理において、類似度が予め定められた閾値以上の瞬間浸水深メッシュ20を、参照画像の浸水域メッシュ120(図3)と類似する瞬間浸水深メッシュ20として抽出するものとした場合、ステップS5で抽出した浸水シナリオごとの瞬間浸水深メッシュ20の中から参照画像の浸水域メッシュ120(図3)と類似する瞬間浸水深メッシュ20を検出できない(いずれの浸水シナリオの瞬間浸水深メッシュ20の類似度も閾値未満)場合がある。
このような場合において、例えば、浸水域検出プログラム10が複数の浸水域検出方法により浸水域を検出できる機能を有するときには、ステップS1で浸水域検出プログラム10が参照画像内の浸水域を検出する浸水域検出方法を他の浸水域検出方法に切り換えてステップS1以降の処理をやり直すことにより、参照画像の浸水域メッシュ120(図3)と類似する瞬間浸水深メッシュ20を検出できる可能性がある。ただし、このようにしてステップS1~ステップS6の処理をやり直したとしても、最終的に参照画像の浸水域メッシュ120(図3)と類似する瞬間浸水深メッシュ20を検出できない場合もあるため、やり直し回数に閾値を設けることが望ましい。
図13は、このようなステップS1~ステップS6のやり直しを含む、かかる浸水深推定機能に関連して浸水深推定装置1により実行される一連の処理(以下、これを第2の浸水深推定処理と呼ぶ)の流れを示す。この場合、浸水深推定装置1では、ステップS10~ステップS15までの処理が図11のステップS1~ステップS6と同様に実行される。
そして、この後、浸水深推定プログラム13が、参照画像の浸水域メッシュ120と類似する瞬間浸水深メッシュ20をステップS15で抽出できたか、又は、やり直し回数が予め設定された閾値を超過したか否かを判断する(S16)。
浸水深推定プログラム13は、この判断で否定結果を得た場合には浸水域検出プログラム10(図1)を呼び出す。そして浸水域検出プログラム10は、それまでに試したことがない浸水域検出方法を利用してステップS10を実行し、この後、ステップS2~ステップS16の処理が上述と同様に実行される。そして浸水深推定装置1では、この後、ステップS15で肯定結果が得られるまでステップS10で利用する浸水域検出方法を未使用の他の浸水域検出方法に切り換えながら、ステップS10~ステップS16の処理が繰り返される。
そして浸水深推定プログラム13が、やがて参照画像の浸水域メッシュ120(図3)と類似する瞬間浸水深メッシュ20をステップS15で抽出し、又は、やり直し回数が予め定められた閾値(例えば、浸水域検出プログラム10が利用可能な浸水域検出方法の数)を超過することによりステップS16で肯定結果が得られると、ステップS17~ステップS19の処理が図10のステップS7~ステップS9と同様に実行される。
この際、浸水深推定プログラム13は、やり直し回数が閾値を超過することによりステップS16で肯定結果を得ることによりステップS17に進んだ場合には、それまでのやり直しにより最も類似度が高かった所定個数の瞬間浸水深メッシュ20を含む各時系列浸水深メッシュ群をステップS17でそれぞれ抽出し、抽出したこれら時系列浸水深メッシュ群を利用してステップS18を上述のステップS8と同様に実行する。
(5)本実施の形態の効果
以上のように本実施の形態の浸水深推定装置1では、実際の浸水域を撮影した参照画像と、氾濫位置、氾濫水量及び氾濫開始時刻の各パラメータの値をランダムにそれぞれ組み合わせた複数の浸水シナリオに基づく浸水シミュレーションのシミュレーション結果とを比較し、類似度が高い1又は複数の浸水シミュレーションのシミュレーション結果に基づいて対象地域の各地点の浸水深を推定する。従って、本浸水深推定装置1によれば、水害が発生した対象地域に調査員が赴くことなく、当該対象地域の各地点の浸水深を精度良く、かつ、迅速及び容易に推定することができる。
(6)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、1つの浸水深推定装置1に浸水域検出プログラム10、浸水シナリオ生成プログラム11、浸水シミュレーション計算プログラム12、浸水深推定プログラム13及び浸水深マップ生成プログラム14と、画像データベース15、地図データベース16、浸水情報データベース17、浸水シナリオデータベース18及び時系列浸水深データベース19とを配置するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これらのプログラムやデータベースをネットワーク上の複数のコンピュータ装置に分散させて配置するようにしてもよい。このようにしても本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また上述の実施の形態においては、画像選択・条件設定画面30や、結果表示画面50、結果詳細画面70及びシナリオパラメータ変更画面100の画面構成を図6~図10のようにするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の画面構成を広く適用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、浸水原因が河川の氾濫である場合について述べたが、本発明はこれに限らず、大雨や津波などが浸水原因である場合にも本発明を適用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、対象地域の浸水域の位置情報を対象地域を撮影した参照画像に基づいて浸水深推定装置1が自ら取得するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、対象地域の浸水域の位置情報を外部から浸水深推定装置1に与えるようにしてもよい。この場合には、浸水域検出プログラム10を省略することができる。
本発明は、対象地域の浸水域の浸水深を推定する浸水深推定装置に適用することができる。
1……浸水深推定装置、2……CPU、5……入力装置、6……出力装置、10……浸水域検出プログラム、11……浸水シナリオ生成プログラム、12……浸水シミュレーション計算プログラム、13……浸水深推定プログラム、14……浸水深マップ生成プログラム、15……画像データベース、16……地図データベース、17……浸水情報データベース、18……浸水シナリオデータベース、19点て時系列浸水深データベース、20……浸水深メッシュ、21,60A,84A,120A……セル、30……画像選択・条件設定画面、45,74,111……画像、50……結果表示画面、60……最大浸水深マップ、70……結果詳細画面、84,110……浸水深マップ、100……シナリオパラメータ変更画面、120……瞬間浸水深メッシュ。

Claims (8)

  1. 対象地域の浸水域の浸水深を推定する浸水深推定装置において、
    浸水に関する各種パラメータの値の組み合わせでなる複数の異なるシナリオに基づいて、前記対象地域における浸水現象をそれぞれシミュレーションする浸水シミュレーション計算部と、
    浸水中の前記対象地域を撮影した画像から前記浸水域を検出する浸水域検出部と、
    前記対象地域における実際の前記浸水域の情報と、各前記シナリオに基づく前記シミュレーションのシミュレーション結果とを比較し、当該実際の前記浸水域と類似する前記シミュレーション結果が得られた1又は複数の前記シミュレーションを抽出し、抽出した1又は複数の前記シミュレーションの前記シミュレーション結果に基づいて、抽出した前記シミュレーションにそれぞれ対応する前記シナリオごとに、前記対象地域の前記浸水域の各地点の浸水深をそれぞれ推定する浸水深推定部と
    を備え、
    前記浸水深推定部は、
    前記浸水域検出部により検出された実際の前記浸水域の位置と、各前記シナリオに基づく前記シミュレーションにより得られた前記浸水域の位置とを比較することにより、当該実際の前記浸水域と類似する前記シミュレーション結果が得られた1又は複数の前記シミュレーションを抽出し、
    さらに前記浸水域検出部は、
    前記対象地域を撮影した前記画像から複数の浸水域検出方法により前記浸水域を検出することができ、当該複数の浸水域検出方法のうちの1つの前記浸水域により前記浸水域を検出し、
    前記浸水深推定部が、前記浸水域検出部により検出された実際の前記浸水域の位置と、各前記シナリオに基づく前記シミュレーションにより得られた前記浸水域の位置との比較により、当該実際の前記浸水域と類似する前記シミュレーション結果が得られた前記シミュレーションを抽出できなかった場合に、実際の前記浸水域と類似する前記シミュレーション結果が得られた前記シミュレーションを抽出できるまで、又は、所定の回数分の当該比較が完了するまで、前記浸水域検出部が、他の前記浸水域検出方法により前記対象地域を撮影した前記画像から前記浸水域を検出する処理と、前記浸水深推定部が、前記浸水域検出部により検出された実際の前記浸水域の位置と、各前記シナリオに基づく前記シミュレーションにより得られた前記浸水域の位置とを比較する処理とを繰り返す
    ことを特徴とする浸水深推定装置。
  2. 前記浸水深推定部により推定された前記対象地域の各前記地点の浸水深を表す時系列の浸水深マップを生成する浸水深マップ生成部をさらに備え、
    前記浸水深マップ生成部は、
    生成した各前記浸水深マップを前記対象地域を撮影した画像に重ねて表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載の浸水深推定装置。
  3. 前記浸水深マップは、所定画面において前記対象地域を撮影した前記画像に重ねて表示され、
    当該画面には、浸水開始からの経過時間を指定するためのスライダが設けられ、
    前記浸水深マップ生成部は、
    時系列の前記浸水深マップのうち、前記スライダが操作されることにより指定された時間の前記浸水深マップを前記対象地域を撮影した前記画像に重ねて表示する
    ことを特徴とする請求項2に記載の浸水深推定装置。
  4. 前記浸水深推定部は、
    前記対象地域における実際の前記浸水域の情報と、各前記シナリオに基づく前記シミュレーションのシミュレーション結果とに基づいて、実際の前記浸水域に対する各前記シミュレーション結果の類似度合を表す類似度を、各前記シナリオに基づく前記シミュレーション結果ごとにそれぞれ算出し、
    算出した前記シミュレーション結果ごとの前記類似度に基づいて、実際の前記浸水域と類似する前記シミュレーション結果が得られた1又は複数の前記シミュレーションを抽出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の浸水深推定装置。
  5. 前記浸水に関する前記パラメータは、河川の氾濫位置、当該氾濫位置から流出する単位時間当たりの水量、及び、氾濫開始時刻である
    ことを特徴とする請求項1に記載の浸水推定装置。
  6. 前記パラメータの値を変更するための画面を表示する画面表示部をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の浸水深推定装置。
  7. 前記浸水深推定部は、
    前記対象地域の各前記地点の最大の前記浸水深をそれぞれ推定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の浸水深推定装置。
  8. 対象地域の浸水域の浸水深を推定する浸水深推定装置において実行される浸水深推定方法であって、
    浸水に関する各種パラメータの値の組み合わせでなる複数の異なるシナリオに基づいて、前記対象地域における浸水現象をそれぞれシミュレーションする第1のステップと、
    浸水中の前記対象地域を撮影した画像から前記浸水域を検出し、前記対象地域における実際の前記浸水域の情報と、各前記シナリオに基づく前記シミュレーションのシミュレーション結果とを比較し、当該実際の前記浸水域と類似する前記シミュレーション結果が得られた1又は複数の前記シミュレーションを抽出する第2のステップと、
    抽出した1又は複数の前記シミュレーションの前記シミュレーション結果に基づいて、抽出した前記シミュレーションにそれぞれ対応する前記シナリオごとに、前記対象地域の前記浸水域の各地点の浸水深をそれぞれ推定する第3のステップと
    を備え、
    前記第2のステップにおいて、前記浸水深推定装置は、
    検出した実際の前記浸水域の位置と、各前記シナリオに基づく前記シミュレーションにより得られた前記浸水域の位置とを比較することにより、当該実際の前記浸水域と類似する前記シミュレーション結果が得られた1又は複数の前記シミュレーションを抽出し、
    前記浸水深推定装置は、
    前記対象地域を撮影した前記画像から複数の浸水域検出方法により前記浸水域を検出することができ、
    前記第2のステップにおいて、前記浸水深推定装置は、
    当該複数の浸水域検出方法のうちの1つの前記浸水域により前記浸水域を検出し、
    検出した実際の前記浸水域の位置と、各前記シナリオに基づく前記シミュレーションにより得られた前記浸水域の位置との比較により、当該実際の前記浸水域と類似する前記シミュレーション結果が得られた前記シミュレーションを抽出できなかった場合に、実際の前記浸水域と類似する前記シミュレーション結果が得られた前記シミュレーションを抽出できるまで、又は、所定の回数分の当該比較が完了するまで、他の前記浸水域検出方法により前記対象地域を撮影した前記画像から前記浸水域を検出する処理と、検出した実際の前記浸水域の位置と、各前記シナリオに基づく前記シミュレーションにより得られた前記浸水域の位置とを比較する処理とを繰り返す
    ことを特徴とする浸水深推定方法。
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