JP7490419B2 - 吸収性物品用不織布、吸収性物品用トップシート、およびそれを含む吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品用不織布、吸収性物品用トップシート、およびそれを含む吸収性物品 Download PDF

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本発明は、吸収性物品用不織布、吸収性物品用トップシート、およびそれを含む吸収性物品に関する。
使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッドおよびパンティライナー等の吸収性物品のトップシートとして、二層構造を有する不織布が提案されている。
例えば、特許文献1は、第1繊維層と第2繊維層の少なくとも二層構造を有する不織布であって、第1繊維層と第2繊維層の両方共、各々特定の繊度を有し、第1繊維層の繊維径が第2繊維層の繊維径より大きく、第1繊維層と第2繊維層の両方共、水と接触しても親水性の高さの程度が維持される親水性を有し、第1繊維層と第2繊維層の両方共同じ親水性を有する不織布を提案する(請求項1参照)。更に、特許文献1は、その不織布を含み、第1繊維層が人の肌に対向するように配置される、吸収性物品用トップシート、及びそのトップシートを含み、第1繊維層が人の肌に対向するように配置される、吸収性物品を提案する(請求項6及び7参照)。特許文献1は、風合い、ウェットバック量、吸液時間、拡散長、繰り返し耐久性、保存性などから選択される少なくとも1種が改良されることを述べる([0014]参照)。
特許文献2は、着用者からの***物を受ける吸収性物品であり、高吸収性樹脂粉末を40重量%以上含む吸収コアと、吸収コアの着用者側の主面を覆う不織布により形成されたトップシートと、吸収コアのもう一方の主面を覆うバックシートを備え、トップシートが、吸収コアの高吸収性樹脂粉末に当接するとともに天然繊維及び/又は再生繊維である親水性繊維を含むトップシート下部と、トップシート下部の着用者側に配置されるとともにトップシート下部より親水性繊維の含有率が低いトップシート上部とを備える吸収性物品を提案する(請求項1参照)。特許文献2は、吸収性物品の薄型化及び構造の簡素化を実現できるとともに、***物の水分を確実に吸収することができること、吸収性物品の肌触りを向上することができることを述べる([0020]参照)。
特許文献3は、表面層と裏面層との間に吸収層が介在する吸収性物品であり、表面層は、疎水性繊維と疎水性繊維より短い親水性繊維を含み、疎水性繊維は互いに熱融着され、親水性繊維の少なくとも一部が集合体となってシート内に分散し、集合体の親水性繊維の少なくとも一部が疎水性繊維の表面に融着されている吸収性物品を開示する(請求項1参照)。更に、特許文献3は、表面層を厚み方向に区分し、受液側を表面部分、吸収層側を裏面部分とするとき、親水性繊維の集合体は表面部分に設けられておらず、裏面部分にのみ設けられている吸収性物品を開示する(請求項4参照)。特許文献3は、多量の液体が与えられたときに液体が表面層を速やかに透過して吸収層に吸収されること、少量の液体やあせなどが与えられたとき、分散した親水性繊維の集合体により水分が保持され、表面層の表面を乾燥状態にでき、装着者に湿潤感を与えず、装着感が良好になることを述べる([0064]参照)。
WO2017/171017A1 特開2009-327号公報 特開2002-651号公報
近年、吸収性物品には、吸液性能、触感を維持しながら、更に軟便、水様便、下痢便(以下、単に「軟便」とも言う)の吸収性の改良(向上)が求められるようになってきた。軟便は、極めて高粘度の流体であり、また水分及び油分を含む流体であり、油分を含むために高吸収性ポリマー(SAP)に吸収されにくく、軟便等の流体の吸収性の向上に関してはトップシート等に使用される不織布についても改良が必要である。特許文献1~3は、その点について何の言及もなく、特許文献1~3に記載された不織布、それを含むトップシート及びそのトップシートを含む吸収性物品には、更に改良の余地がある。
本発明は、吸液性能、触感を維持しながら、更に軟便等の流体の吸収性が改良(向上)された、吸収性物品用不織布、それを含むトップシート及びそのトップシートを含む吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、第1繊維層と第2繊維層を含む不織布であって、第1繊維層が特定の複合繊維を含み、第2繊維層が別の特定の複合繊維を含み、更にセルロース系繊維を特定量含む場合、吸液性能、触感を維持しながら、更に軟便等の流体の吸収性が改良(向上)された、吸収性物品用不織布が得られることを見出した。更に、そのような不織布は、トップシート及び吸収性物品用途に好適であることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、一の要旨として、吸収性物品用不織布を提供し、それは、
第1繊維層と、前記第1繊維層の一方の主表面に位置する第2繊維層とを含む不織布であって、
前記第1繊維層が、第1芯鞘型複合繊維を含み、
前記第2繊維層が、第2芯鞘型複合繊維とセルロース系繊維とを含み、
前記第1芯鞘型複合繊維の繊度が前記第2芯鞘型複合繊維の繊度よりも小さく、
前記第1芯鞘型複合繊維の繊度が1.0~2.8dtexであり、
前記第2芯鞘型複合繊維の繊度が1.7~5.6dtexであり、
前記セルロース系繊維の繊度が1.2~6.0dtexであり、
前記第2繊維層が、前記第2繊維層の総質量を基準として、前記セルロース系繊維を5質量%~40質量%の割合で含む。
更に、本発明は、他の要旨において、その吸収性物品用不織布を含むトップシート及びそのトップシートを含む吸収性物品を提供する。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、吸液性能、触感を維持しながら、更に軟便等の流体の吸収性を向上することができる。よって、本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、トップシート及び吸収性物品を製造するために好適に使用することができる。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、
第1繊維層と、前記第1繊維層の一方の主表面に位置する第2繊維層とを含む。
前記第1繊維層は、第1芯鞘型複合繊維を含み、
前記第2繊維層は、第2芯鞘型複合繊維とセルロース系繊維とを含む。
前記第1芯鞘型複合繊維の繊度は、前記第2芯鞘型複合繊維の繊度よりも小さく、
前記第1芯鞘型複合繊維の繊度は、1.0~2.8dtexであり、
前記第2芯鞘型複合繊維の繊度は、1.7~5.6dtexであり、
前記セルロース系繊維の繊度は、1.2~6.0dtexである。
前記第2繊維層は、前記第2繊維層の総質量を基準として、前記セルロース系繊維を5質量%~40質量%の割合で含む。
第1芯鞘型複合繊維は、本発明が目的とする吸収性物品用不織布を得られる限り、芯成分、鞘成分及びその質量比(芯/鞘比)等について特に制限されることはなく、同心又は偏心芯鞘型複合繊維であってよい。第1芯鞘型複合繊維は、同心芯鞘型複合繊維であることが、不織布の厚さを大きくし過ぎず、吸収体までの距離が適度となり、良好な吸液性能を奏するため好ましい。
第1芯鞘型複合繊維は、低融点樹脂と、低融点樹脂の融点よりも、例えば10℃以上融点が高い高融点樹脂(すなわち、低融点樹脂の融点(℃)≦高融点樹脂の融点-10(℃)を満たす2種類の樹脂)で構成され、低融点樹脂が鞘を構成し、高融点の樹脂が芯を構成して良い。低融点樹脂の融点と高融点樹脂の融点の差は、20~190℃であることが好ましく、低融点樹脂の融点と高融点樹脂の融点の差は、70~170℃であることがより好ましく、低融点樹脂の融点と高融点樹脂の融点の差は、110~140℃であることが更により好ましい。
低融点樹脂の融点は、例えば100~170℃であり、110~150℃であることが好ましく、120~140℃であることがより好ましい。
高融点樹脂の融点は、例えば150~290℃であり、190~280℃であることが好ましく、230~270℃であることがより好ましい。
本明細書において、樹脂の融点は、JIS K 7121に準じて測定したDSC曲線により求められる融解ピーク温度をいう。
高融点樹脂および低融点樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートおよびその共重合体等のポリエステル系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等を含む)、ポリブテン-1、プロピレンを主たる成分とするプロピレン共重合体(プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-ブテン-1-エチレン共重合体を含む)、エチレン-ビニルアルコール共重合体、およびエチレン-酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ナイロン6、ナイロン12およびナイロン66のようなポリアミド系樹脂;アクリル系樹脂;ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスチレンおよび環状ポリオレフィンなどのエンジニアリング・プラスチック、ならびにそれらのエラストマーから任意に選択される1または複数の熱可塑性樹脂を適宜使用することができる。
高融点樹脂と低融点樹脂の組み合わせ(高融点/低融点)として、例えば、ポリプロピレン/高密度ポリエチレン、ポリプロピレン/低密度ポリエチレン、ポリプロピレン/直鎖状低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/直鎖状低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/共重合ポリエステル、ポリプロピレン/エチレン-プロピレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート/エチレン-プロピレン共重合体、ナイロン6/高密度ポリエチレン、ナイロン6/低密度ポリエチレン、ナイロン6/直鎖状低密度ポリエチレン、ナイロン6/ポリプロピレン、ポリ乳酸/ポリエチレン、ポリ乳酸/ポリブチレンサクシネート、およびポリ乳酸/ポリブチレンサクシネートアジペートを例示できるが、これらの組み合わせに限定されるものではない。
高融点樹脂と低融点樹脂の組み合わせは、ポリエチレンテレフタレート/高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン/高密度ポリエチレン、ポリプロピレン/低密度ポリエチレン、ポリプロピレン/直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく、ポリエチレンテレフタレート/高密度ポリエチレン、ポリプロピレン/高密度ポリエチレンがより好ましい。
芯成分と鞘成分との質量比(芯/鞘比)は、例えば、80/20~40/60であってよく、70/30~50/50であることが好ましく、65/35~55/45であることがより好ましい。
第1芯鞘型複合繊維の繊度は、例えば、1.0~2.8dtexであり、1.5~2.6dtexであることが好ましく、1.7~2.3dtexであることがより好ましい。第1芯鞘型複合繊維の繊度は、1.0~2.8dtexである場合、滑らかな触感を得られるという優れた効果を奏する。
第1芯鞘型複合繊維の繊維長は、例えば、10~100mmであり、20~70mmであることが好ましく、30~60mmであることがより好ましく、35~50mmであることが更により好ましい。
第2芯鞘型複合繊維は、本発明が目的とする吸収性物品用不織布を得られる限り、芯成分、鞘成分及びその質量比(芯/鞘比)等について特に制限されることはなく、同心又は偏心芯鞘型複合繊維であってよい。第2芯鞘型複合繊維は、同心芯鞘型複合繊維であることが、不織布の厚さを大きくし過ぎず、吸収体までの距離が適度となり、良好な吸液性能を奏するため好ましい。
第2芯鞘型複合繊維は、低融点樹脂と、低融点樹脂の融点よりも、例えば10℃以上融点が高い高融点樹脂(すなわち、低融点樹脂の融点(℃)≦高融点樹脂の融点-10(℃)を満たす2種類の樹脂)で構成され、低融点樹脂が鞘を構成し、高融点の樹脂が芯を構成して良い。低融点樹脂の融点と高融点樹脂の融点の差は、20~190℃であることが好ましく、低融点樹脂の融点と高融点樹脂の融点の差は、70~170℃であることがより好ましく、低融点樹脂の融点と高融点樹脂の融点の差は、110~140℃であることが更により好ましい。
低融点樹脂の融点は、例えば100~170℃であり、110~150℃であることが好ましく、120~140℃であることがより好ましい。
高融点樹脂の融点は、例えば150~290℃であり、190~280℃であることが好ましく、230~270℃であることがより好ましい。
高融点樹脂および低融点樹脂としては、第1芯鞘型複合繊維で例示した樹脂を同様に適宜使用することができる。高融点樹脂と低融点樹脂の組み合わせ(高融点/低融点)としては、第1芯鞘型複合繊維で例示した組み合わせを同様に適宜使用することができる。
高融点樹脂と低融点樹脂の組み合わせは、ポリエチレンテレフタレート/高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン/高密度ポリエチレン、ポリプロピレン/低密度ポリエチレン、ポリプロピレン/直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく、ポリエチレンテレフタレート/高密度ポリエチレン、ポリプロピレン/高密度ポリエチレンがより好ましい。
芯成分と鞘成分との質量比(芯/鞘比)は、例えば、80/20~40/60であってよく、70/30~50/50であることが好ましく、65/35~55/45であることがより好ましい。
第2芯鞘型複合繊維の繊度は、例えば、1.7~5.6dtexであり、2.0~5.0dtexであることが好ましく、2.6~4.0dtexであることがより好ましい。第2芯鞘型複合繊維の繊度は、1.7~5.6dtexである場合、ウェットバック量を低減させるという優れた効果を奏する。
第2芯鞘型複合繊維の繊維長は、例えば、10~100mmであり、20~70mmであることが好ましく、30~60mmであることがより好ましく、35~55mmであることが更により好ましい。
第1芯鞘型複合繊維の繊度は、前記第2芯鞘型複合繊維の繊度よりも小さく、第1芯鞘型複合繊維の繊度と、前記第2芯鞘型複合繊維の繊度との差は、例えば、0.5~4.0dtexでありえ、0.7~3.0dtexであることが好ましく、1.0~2.0dtexであることがより好ましい。第1芯鞘型複合繊維の繊度は、前記第2芯鞘型複合繊維の繊度よりも小さい場合、滑らかな触感とウェットバック量の低減を両立させるという優れた効果を奏する。
セルロース系繊維は、本発明が目的とする吸収性物品用不織布を得られる限り、その種類など、特に制限されることはない。
セルロース系繊維として、例えば、コットン、および麻などの天然繊維;ビスコースレーヨン、キュプラ、および溶剤紡糸セルロース繊維(例えば、レンチングリヨセル(登録商標)およびテンセル(登録商標))等の再生繊維を例示することができる。セルロース系繊維は親水性および親油性の両方の性質を有するため、第2繊維層にセルロース系繊維が含まれることで、軟便等の水分及び油分を含む流体が吸収体から液戻り(ウェットバック)する際に、セルロース系繊維が軟便等の流体を吸収して不織布の第1繊維層の表面まで液戻りさせにくくする効果があると推測される。
セルロース系繊維は、コットン、ビスコースレーヨン、及び溶剤紡糸セルロース繊維から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ビスコースレーヨンを含むことがより好ましい。セルロース系繊維として、コットン、ビスコースレーヨン、溶剤紡糸セルロース繊維を含む場合、柔らかな触感が得られるという優れた効果を奏する。ビスコースレーヨンはコットン及び溶剤紡糸セルロース繊維よりも結晶化度が低く、非晶部分がより多いため、吸水性および吸油性がより高く、ビスコースレーヨンは、軟便等の水分及び油分を含む流体が吸収体から液戻りする際に、軟便等の流体を吸収して不織布の第1繊維層の表面まで液戻りさせにくくする効果がより高いと推測される。従ってセルロース系繊維としてビスコースレーヨンを含む場合、良好な軟便等の流体の吸収性を有し、特にウェットバック量を低減させるという優れた効果を奏する。
コットンは第2繊維層内部に繊維塊(繊維の集合体)を形成しやすい。第2繊維層内部に繊維塊を含むと第2繊維層の厚さがより厚くなりやすく、不織布の第1繊維層側の表面と吸収体との距離がより長くなり、吸収体からの液戻り量が減少することがある。また、繊維塊を形成することで、第2芯鞘型複合繊維同士が接する箇所がより多くなり、不織布の強力を維持しやすいことがある。
溶剤紡糸セルロース繊維は不織布の剛軟度をより高くしやすく、不織布に荷重がかかった場合第2繊維層の嵩がよりつぶれにくい。荷重時に第2繊維層の嵩がよりつぶれにくいと、不織布の第1繊維層側の表面と吸収体との距離がより長くなり、吸収体からの液戻り量が減少することがある。
また、繊維断面が菊花状であるセルロース系繊維を含むことが好ましく、特に繊維断面が菊花状であるビスコースレーヨンを含むことがより好ましい。この場合、繊維の表面積がより大きく、また繊維軸方向に筋を有することで、第2繊維層において軟便等の流体を拡散させやすく、吸収体において比較的広い面積で吸収させることができるため、ウェットバック量を低減させやすくするという優れた効果を奏する。
セルロース系繊維の繊度は、例えば、1.2~6.0dtexであり、1.5~5.0dtexであることが好ましく、2.0~4.0dtexであることがより好ましい。セルロース系繊維の繊度は、1.2~6.0dtexである場合、軟便等の流体の吸収性を良好にするという優れた効果を奏する。
セルロース系繊維の繊維長は、例えば、10~100mmであり、15~80mmであることが好ましく、20~60mmであることがより好ましく、30~55mmであることが更により好ましい。
セルロース系繊維の繊度または繊維長は、均一の繊度または繊維長を有することが、第2繊維層においてセルロース系繊維が集合体(ネップ)を形成しにくく、好ましい。第2繊維層においてセルロース系繊維が集合体を形成すると、第2繊維層に含まれる第2芯鞘型複合繊維とセルロース系繊維とが比較的不均一に混綿され、集合体が存在しない箇所においては第2芯鞘型複合繊維同士の接着点が比較的多くなり、軟便等の流体が不織布を通過しにくくなり、その箇所で軟便等の流体が残りやすく、吸液性が低下する、特にウェットバック量が低減しにくくなることがある。均一の繊度または繊維長を有するセルロース系繊維としては、化学繊維である再生繊維が挙げられる。セルロース系繊維の繊度及び繊維長は、それぞれ均一の繊度及び繊維長を有することがより好ましい。
セルロース系繊維の繊度または繊維長は、不均一な繊度または繊維長を有する場合は、第2繊維層においてセルロース系繊維が繊維塊(繊維の集合体)をより形成しやすいが、繊維塊を形成することで、第2芯鞘型複合繊維同士が接する箇所がより多くなり、不織布の強力を維持しやすいことがある。
前記第2繊維層は、前記第2繊維層の総質量を基準として、前記セルロース系繊維を例えば、5質量%~40質量%の割合(混率)で含むことができ、10質量%~30質量%の割合で含むことが好ましく、15質量%~25質量%の割合で含むことがより好ましく、17質量%~23質量%の割合で含むことが更により好ましい。前記第2繊維層は、前記第2繊維層の総質量を基準として、前記セルロース系繊維を、5質量%~40質量%の割合(混率)で含む場合、軟便等の流体の吸収性を良好にし、また、不織布の強力を良好にするという優れた効果を奏する。
前記第2繊維層は、前記第2繊維層の総質量を基準として、前記第2芯鞘型複合繊維を例えば、95質量%~60質量%の割合で含むことができ、90質量%~70質量%の割合で含むことが好ましく、85質量%~75質量%の割合で含むことがより好ましく、83質量%~77質量%の割合で含むことが更により好ましい。
第2繊維層は、第2繊維層に含まれる第2芯鞘型複合繊維の繊維本数とセルロース系繊維の繊維本数との比(第2芯鞘型複合繊維の繊維本数/セルロース系繊維の繊維本数)が、0.6~10であることが好ましく、より好ましくは1.0~4.0であり、さらに好ましくは1.2~3.0である。第2芯鞘型複合繊維の繊維本数/セルロース系繊維の繊維本数の値が0.6以上であると、第2芯鞘型複合繊維による繊維同士の接着箇所がより十分にあるため不織布の強力がより十分に得やすく、また、吸液性能をより良好にしやすい。第2芯鞘型複合繊維の繊維本数/セルロース系繊維の繊維本数の値が10以下であると、セルロース系繊維を含むことによる吸液性能の向上効果を得やすい。
第2繊維層における第2芯鞘型複合繊維の繊維本数とセルロース系繊維の繊維本数との比R(第2芯鞘型複合繊維の繊維本数/セルロース系繊維の繊維本数)は、以下の式により算出する。
R=As×Dc×Lc/(Ds×Ls×Ac)
式中、Asは第2芯鞘型複合繊維の第2繊維層における混率(質量%)を表し、
Dsは第2芯鞘型複合繊維の繊度(dtex)を表し、
Lsは第2芯鞘型複合繊維の繊維長(mm)を表し、
Acはセルロース系繊維の第2繊維層における混率(質量%)を表し、
Dcはセルロース系繊維の繊度(dtex)を表し、
Lcはセルロース系繊維の繊維長(mm)を表す。
不織布全体の目付は10~80g/mであることが好ましく、より好ましくは15~50g/mであり、さらに好ましくは17~40g/mである。
不織布全体の目付は使い捨ておむつの場合、なるべく低いことがコストの面でよく、その場合の目付は10~50g/mであることが好ましく、15~40g/mであることがより好ましい。
不織布の厚さは、0.10~4.0mmであることが好ましく、より好ましくは0.20~3.0mmであり、さらに好ましくは0.30~2.0mmである。不織布の厚さは使い捨ておむつの場合、なるべく低いことがコストの面でよく、その場合の厚さは0.10~3.0mmであることが好ましく、0.30~2.0mmであることがより好ましい。本発明において不織布の厚さとは、不織布に294Paの荷重を加えた状態で測定した厚さを指す。
不織布の比容積は、5~150cm/gであることが好ましく、より好ましくは7~120cm/gであり、さらに好ましくは10~100cm/gである。本発明において不織布の比容積とは、上述する目付と厚さから計算によって求めた値を指す。
第1繊維層の目付は、例えば、3~40g/mであってよく、4~25g/mであることが好ましく、5~15g/mであることがより好ましい。
第2繊維層の目付は、例えば、3~40g/mであってよく、5~30g/mであることが好ましく、8~20g/mであることがより好ましい。
第1繊維層の目付は、第2繊維層の目付より、小さいことが好ましい。
第1繊維層の目付と第2繊維層の目付の差は、例えば、0~10g/mであってよく、1~8g/mであることが好ましく、2~6g/mであることが更により好ましい。
第1繊維層の目付は、第2繊維層の目付より、小さい場合、ウェットバック量を低減させるという優れた効果を奏する。
本発明の実施形態の不織布は、第1繊維層と第2繊維層が積層された構造を有する。第1繊維層と第2繊維層は、各々の繊維層内で繊維同士が接着されていてよく、第1繊維層と第2繊維層の間で繊維同士が接着されていてよい。
本発明の実施形態の第1繊維層および第2繊維層は、種々の繊維ウェブの製造方法を用いて製造することができる。本発明が目的とする吸収性物品用不織布を得ることができる限り、その製造方法は特に制限されることはない。そのような製造方法として、例えば、パラレルウェブ、クロスウェブ、クリスクロスウェブ、セミランダムウェブおよびランダムウェブ等のカード法、エアレイ法等を例示することができる。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、第1繊維ウェブと第2繊維ウェブを重ね合わせて、一体化することで製造することができる。本発明が目的とする吸収性物品用不織布を得ることができる限り、その製造方法は特に制限されることはない。そのような製造方法として、例えば、エアスルー法(熱風貫通式熱処理法)、熱風吹付け式熱処理法、ヒートロール法、赤外線式熱処理法、ニードルパンチ法等を例示することができ、エアスルー法(熱風貫通式熱処理法)が風合いの良好な不織布を得やすい点で好ましい。
一体化された不織布の第1繊維層の繊維と第2繊維層の繊維は、接着されていてよい。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、必要に応じて、更に、不織布が通常有する追加の層を有することができる。本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、第1繊維層及び第2繊維層からなる二層構造であることが好ましい。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、必要に応じて、エンボス加工等の追加の加工が施されてよく、そのような追加の形態および形状等を有してよい。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、MD方向(機械方向)の引張強さが、10~45N/5cmであることが好ましく、15~40N/5cmであることがより好ましく、20~35N/5cmであることが更に好ましい。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布のMD方向の引張強さが、10~45N/5cmである場合、良好な触感を有し、また、吸収性物品の製品加工時における不織布の幅入りを抑制するという優れた効果を奏する。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、CD方向(MD方向に直交する方向)の引張強さが、2~12N/5cmであることが好ましく、3~10N/5cmであることがより好ましく、5~8N/5cmであることが更に好ましい。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布のCD方向の引張強さが、2~12N/5cmである場合、良好な触感を有し、また、吸収性物品の製品加工時における不織布の幅入りを抑制するという優れた効果を奏する。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、MD方向の伸び率が20~80%であることが好ましく、30~70%であることがより好ましく、40~60%であることが更に好ましい。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、CD方向の伸び率が20~130%であることが好ましく、40~110%であることがより好ましく、60~90%であることが更に好ましい。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、MD方向の10%伸長時応力が、1~20N/5cmであることが好ましく、2~10N/5cmであることがより好ましく、3~7N/5cmであることが更に好ましい。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、MD方向の剛軟度とCD方向の剛軟度の合計が、5~25mN・cmであることが好ましく、6~20mN・cmであることがより好ましく、7~15mN・cmであることが更に好ましい。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、MD方向の剛軟度とCD方向の剛軟度の合計が、5~25mN・cmである場合、柔らかな触感を得られ、また、吸収性物品の部材として使用した場合に破れにくいという優れた効果を奏する。剛軟度は実施例に記載の41.5°カンチレバー法に準じて測定する。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッドおよびパンティライナー等の種々の吸収性物品に使用することができる。本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は触感に優れるため、各種吸収性物品であればどのような部材にも使用できる。本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、不織布の触感や吸液特性にすぐれるため、吸収性物品のトップシートやセカンドシートに好適に使用できるが、吸収性物品において着用者の肌と接触し、着用者から排出される尿や経血、軟便が最初に接触するトップシートに使用することが特に好ましい。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、水分及び油分を含む流体を吸収するための吸収性物品用不織布を含むことが好ましく、水分及び油分を含む流体を吸収するための吸収性物品用不織布であることがより好ましく、より特には軟便を吸収するための吸収性物品用不織布を含むことが好ましく、軟便を吸収するための吸収性物品用不織布であることがより好ましい。本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、使い捨ておむつ用の不織布であれば、尿の吸液性能と軟便の吸収性がいずれも良好であり、また触感も良好であるため特に好ましい。
更に、本発明は、そのような吸収性物品用不織布を含む、種々の吸収性物品を提供することができる。特に、本発明の実施形態の吸収性物品用トップシートの第1繊維層が、使用者の肌に近い側に配置されて、吸収性物品用トップシートが含まれる吸収性物品を提供することができる。
更にまた、本発明は、上述の種々の吸収性物品を提供することができる。本発明の実施形態の吸収性物品は、水分及び油分を含む流体を吸収するための吸収性物品を含むことが好ましく、より特には軟便を吸収するための吸収性物品を含むことが好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的かつ詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例の不織布を製造するために使用した[繊維]を以下に示す。
第1芯鞘型複合繊維:芯成分が融点256℃のポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)であり、鞘成分が融点130℃の高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂であり、繊維断面における芯成分と鞘成分の質量比である芯鞘比(芯/鞘 質量比)が60/40である、繊度2.0dtex(繊維径15μm)、繊維長45mmの同心芯鞘型複合繊維(以下「複合繊維1」ともいう)
第2芯鞘型複合繊維:芯成分が融点256℃のポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)であり、鞘成分が融点130℃の高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂であり、繊維断面における芯成分と鞘成分の質量比である芯鞘比(芯/鞘 質量比)が60/40である、繊度3.3dtex(繊維径19μm)、繊維長51mmの同心芯鞘型複合繊維(以下「複合繊維2」ともいう)
レーヨン繊維A:繊度1.4dtex、繊維長44mmのビスコースレーヨン(商品名:コロナCD、ダイワボウレーヨン(株)製)(以下「レーヨンA」ともいう)
レーヨン繊維B:繊度1.7dtex、繊維長40mmのビスコースレーヨン(商品名:コロナCD、ダイワボウレーヨン(株)製)(以下「レーヨンB」ともいう)
レーヨン繊維C:繊度2.2dtex、繊維長51mmのビスコースレーヨン(商品名:コロナCD、ダイワボウレーヨン(株)製)(以下「レーヨンC」ともいう)
レーヨン繊維D:繊度3.3dtex、繊維長51mmのビスコースレーヨン(商品名:コロナCD、ダイワボウレーヨン(株)製)(以下「レーヨンD」ともいう)
レーヨン繊維E:繊度5.6dtex、繊維長51mmのビスコースレーヨン(商品名:コロナCD、ダイワボウレーヨン(株)製)(以下「レーヨンE」ともいう)
なおレーヨン繊維A~Eの繊維断面は、いずれも菊花状の異型断面であった。
リヨセル繊維:繊度1.7dtex、繊維長40mm、繊維断面が円形状の溶剤紡糸セルロース繊維(レンツィング社製のリヨセル(商品名))(以下「リヨセル」ともいう)
コットン繊維:繊度1.0~5.0dtex(平均2.5dtex)、繊維長10~60mm(平均繊維長20mm)のコットン(丸三産業(株)製のMSD(商品名))(以下「コットン」ともいう)
[実施例1]
第1芯鞘型複合繊維として複合繊維1を用い、パラレルカード機を使用して、第1繊維層となる第1繊維ウェブを製造した。第1繊維ウェブの目付は、約8g/mであった。
第2芯鞘型複合繊維として複合繊維2が90質量%、セルロース系繊維としてレーヨンBが10質量%となるように複合繊維2及びレーヨンBを秤量し、これらを十分に混合した後、パラレルカード機を使用して、第2繊維層となる第2繊維ウェブを製造した。第2繊維ウェブの目付は、約12g/mであった。
この第1繊維ウェブと第2繊維ウェブとを重ね合わせて、熱風貫通式熱処理機による熱処理を行った。熱処理を行う際、熱風貫通式熱処理機のコンベアネットに対し、前記第1繊維ウェブが接するように載置した。熱処理は135℃の熱風を第2繊維ウェブ側から吹き付けて行い、複合繊維1及び複合繊維2の鞘成分により各繊維ウェブの構成繊維同士を熱接着させるとともに、第1繊維ウェブと第2繊維ウェブを熱接着させて一体化し、実施例1の不織布を得た。実施例1の不織布の目付は約20g/mであった。
[実施例2~10]及び[比較例1~3]
実施例2~10及び比較例1~3について、表1~3に記載した繊維を使用して、上述の実施例1の不織布の製造方法と同様の方法を用いて、実施例2~10及び比較例1~3の不織布を得た。
実施例及び比較例の不織布について、以下に示す方法に沿って測定及び評価を行った。
[不織布の厚さ、比容積]
不織布(不織布サンプルを含む)の厚さは、厚み測定機((株)大栄科学精器製作所製の商品名 THICKNESS GAUGE モデル CR-60A)を用い、不織布に294Paの荷重を加えた状態で測定した。
比容積は目付と厚さから計算によって求めた。
[不織布の引張強さ、伸び率、10%伸長時応力]
JIS L 1913(2010)1096 6.312.1 A法(ストリップ法)に準じて、定速緊張形引張試験機を用いて、試料片の幅5cm、つかみ間隔10cm、引張速度30±2cm/分の条件で引張試験に付し、切断時の荷重値(引張強さ)、伸び率、及び10%伸長時応力を測定した。引張試験は、不織布のMD方向(機械方向)およびCD方向(MD方向に直交する方向)を引張方向として行った。いずれの値についても、3点の試料について測定して、その平均値を示した。
[剛軟度]
不織布の剛軟度は、JIS L 1913(2010)の41.5°カンチレバー法に準じて、MD方向及びCD方向それぞれの剛軟度を測定した。なお、測定の際に不織布の下に不織布と同じ大きさの離型紙を敷いて測定した。
[触感(滑らかさ、柔らかさ)]
12名のパネラーによる、官能評価を行った。官能評価は以下の5段階の基準に沿って各パネラーが評価を与え、12名の評価の平均値を算出した。
滑らかさの官能評価基準
5:非常に滑らかである
4:滑らかである
3:普通
2:少しざらつく
1:ざらつく
柔らかさの官能評価基準
5:非常に柔らかである
4:柔らかである
3:普通
2:少し硬い
1:硬い
実施例及び比較例の不織布の吸収性について、評価用吸液性物品を製造して評価した。
[吸収性物品の製造]
股下部分がトップシート、セカンドシート、吸収体の3層構造で構成される吸液部分と、外側に水分を漏らさないようにする防漏シートで構成されている市販の使い捨て紙おむつ(大王製紙株式会社製 商品名GOO.N(登録商標))からトップシートを剥がして除去し、除去したトップシートの代わりに、上述の実施例及び比較例の不織布を積層して、評価用吸収性物品とした。尚、積層の際、第1繊維層が、外側に向き、第2繊維層が前記セカンドシートに向くように配置した。この評価用吸収性物品を用いて、実施例及び比較例の不織布の吸液性(吸液時間、ウェットバック、不織布表面拡散長)を評価した。
[ウェットバック(生理食塩水)]
実施例及び比較例の不織布のウェットバックは、次の方法により評価した。
(1)ウェットバック量を測定するために、下記の物品を用意した。
上述の実施例及び比較例の評価用吸収性物品
注入筒付きプレート(筒下部の内径2.5cm)
0.9%生理食塩水(青色染料で着色、温度37℃の粘度が1.4mPa・s)
ろ紙(東洋濾紙(株)製ADVANTEC(登録商標)No.2)10cm×10cm
重り(5kg)10cm×10cm
(2)方法
ウェットバック量を下記の手順に従って測定した。
(i)評価用吸収性物品を、不織布(タテ42cm×ヨコ21cm)が上を向くように配置して、その上に注入筒付きプレートを乗せた。
(ii)約37℃に温めた生理食塩水50mlを筒から注入した。生理食塩水が不織布表面から見えなくなる(液体として生理食塩水が確認されなくなる)まで放置した。
(iii)注入筒付きプレートを外し、10分間静置した。
(iv)予め質量を測定したろ紙(30枚)を不織布の上に載せ、その上に5kgの重りを20秒間載せた。その後、ろ紙の質量を測定した。不織布の上に載せる前のろ紙の質量と、不織布の上に載せ、更におもりを載せた後のろ紙の質量との差が、ウェットバック量に相当する。
(v)上記(i)に戻り、(i)~(iv)を繰り返して3回測定を行った。合計4回、ウェットバックを評価した。
なお、実施例11~19、比較例11~14については合計2回のみ評価しており、後述の合計量についても2回の合計量とした。
一つの試料(不織布)について、3つのサンプルを用意した。3つのサンプル各々について測定したウェットバック量の平均値を、その試料のウェットバック量とした。
結果を表に示した。不織布からしみ出す水分の量がより少ない方が、人の肌がより蒸れないことから、ウェットバックの値は、小さい方が好ましい。
ウェットバック量は、ウェットバック量の測定を4回行い、その合計量によっても評価できる。複数回(具体的には4回)測定したウェットバックの合計量が小さいことで、この不織布を実際に紙オムツや生理用ナプキンといった吸収性物品のトップシートとして使用した際、トップシートが尿や経血を複数回吸収しても第1繊維層側の不織布表面、すなわち肌と接触している面に尿や経血が戻ってくる量が少なくなり、着用者の快適性及び使用感が向上するだけでなく、同一の吸収性物品を着用し続けても不快に感じにくくなる、と考えられる。
[吸液時間(生理食塩水)]
上記ウェットバックの測定において、1回目~4回目の測定時に吸液時間をそれぞれ測定した。吸液時間の測定は、生理食塩水の注入から、生理食塩水が不織布表面から見えなくなる(液体として生理食塩水が確認されなくなる)時間を計測し、吸液時間とした。
結果を表1に示した。より短時間で吸収する方が、人の肌がより蒸れないので、吸液時間(秒)は、その値が小さい方が好ましい。
吸液時間は、不織布が液体を吸収し、表面には液体が存在しなくなるまでに要する時間であり、短ければ短いほど好ましい。吸液時間が短いことで、得られる不織布を吸収性物品のトップシートとして使用した際、尿や経血をトップシートが素早く吸収し、肌と接触している面、すなわち不織布の第1繊維層側の表面には液体が存在しなくなるまでの時間が短くなり、不織布のドライ感が向上し、吸収性物品着用者の快適性、使用感が向上する。
[ウェットバック(牛乳)]
[吸液時間(牛乳)]
ウェットバック(生理食塩水)及び吸液時間(生理食塩水)において、生理食塩水にかえて疑似軟便として約37℃に温めた牛乳(商品名:おいしい牛乳、(株)明治製、温度37℃の粘度が1.7mPa・s)50mlを用いて測定を行った。
[不織布表面拡散長(牛乳)]
1回目~4回目の吸液時間の測定の後、注入筒付きプレートを外した際に、実施例及び比較例の不織布のタテ方向における牛乳を吸収した部分の長さを計測し、それぞれ1~4回目の拡散長とした。
[スポット吸収性(牛乳)]
実施例5、7、9の不織布について、第1繊維層を上に向け、不織布の下に日本製紙クレシア社製「キムタオル(登録商標)」1枚を四つ折り(縦16.5cm、横19.0cm)にした状態で敷き、不織布の上に穴が等間隔に空けられたステンレス製プレート(縦5cm、横22cm、厚さ0.5cm、質量360g、穴の直径1.5cm、穴の中心間距離2.0cm)を置き、穴の中の不織布に対して約37℃に温めた牛乳(商品名:おいしい牛乳、(株)明治製、温度37℃の粘度が1.7mPa・s)をピペット(アズワン(株)製、商品名:1-4655-01ポリスポイト1mL」で1滴(約0.03g)を滴下し、不織布に吸収されるか否かを観察した。室温(20℃)で、牛乳を不織布に滴下してから1分後に、不織布の第1繊維層側の表面に液体が存在しなくなった場合は「スポット吸収性あり」とし、不織布の第1繊維層側の表面に液体が存在したままの場合は「スポット吸収性なし」とする。
Figure 0007490419000001
Figure 0007490419000002
Figure 0007490419000003
Figure 0007490419000004
Figure 0007490419000005
Figure 0007490419000006
表1~3において、実施例1~3と比較例1及び2を夏期に製造及び評価し、また実施例4~10及び比較例3を冬期に製造及び評価した。評価結果に若干の相違を生じ得るが、その相違の度合いは、実施例1~10が実施例であり、比較例1~3が比較例であるということに影響を及ぼすものではない。尚、表1~3において、吸液性能については、2回の合計と4回の合計の両方を考慮して検討した。
実施例1~10の不織布は、いずれも、生理食塩水の吸液時間及びウェットバック、牛乳の吸液時間及びウェットバック、触感(滑らかさ及び柔らかさ)について、優れる。
これに対し、比較例1は、第2繊維層のセルロース系繊維の混率が高く、生理食塩水のトータルウェットバックにおいて更なる向上を要する。
比較例2および比較例3は、第2繊維層がセルロース系繊維を含まず、触感(滑らかさ及び柔らかさ)の更なる向上を要する。また生理食塩水の1回目のウェットバック量について、実施例1~10の不織布は、比較例2および比較例3の不織布よりも良い結果であった。これは、吸収体から不織布表面に戻る液をセルロース繊維が吸収することで、ウェットバック量が低減されたと考えられる。
実施例1~3と比較例2を対比すると、第2繊維層がセルロース系繊維を含む実施例1~3において牛乳のトータルウェットバックが良い結果であった。また実施例4~10と比較例3を対比すると、第2繊維層がセルロース系繊維を含む実施例4~10において牛乳のトータルウェットバックが良い結果であった。比較例2及び比較例3は、牛乳のトータル吸液時間が短く、すばやく吸収体に牛乳が移行されるが、牛乳のような油分を含む流体は吸収体の高吸水性ポリマー(SAP)に吸収されにくく、吸収体の上部で広がって溜まり、それがウェットバック量として多く現れたと考えられる。実施例1~3、実施例4~10のように第2繊維層がセルロース系繊維を含むことで、吸液時間をコントロールすることができ、ウェットバック量を低減させることができたと考えられる。
次に、実施例同士で対比する。
セルロース系繊維の種類に着目すると、実施例5と実施例9は、セルロース系繊維がそれぞれレーヨンB(ビスコースレーヨン)とリヨセル(溶剤紡糸セルロース繊維)であること以外は同様の不織布であるが、生理食塩水のトータルウェットバック及び牛乳のトータルウェットバックにおいて、実施例5の方がより良い結果であった。
牛乳の不織布表面拡散長は、セルロース系繊維がレーヨンB(ビスコースレーヨン)である実施例5の方が大きかった。これはレーヨンB(ビスコースレーヨン)の繊維断面が菊花状であり表面積が大きく、また繊維軸方向に筋を有し牛乳が伝いやすく、その結果第2繊維層において拡散されやすいためと考えられる。そして拡散されることで吸収体において広い面積で吸収されるため、また上述した通り第2繊維層がセルロース系繊維を含むことで吸液時間をコントロールすることができるため、その結果、実施例5において牛乳のトータルウェットバック量の低減につながったと考えられる。
また牛乳のスポット吸収性は、セルロース系繊維がレーヨンB又はD(ビスコースレーヨン)である実施例5および7はスポット吸収性がなく、リヨセル(溶剤紡糸セルロース繊維)である実施例9はスポット吸収性があるという結果であったが、リヨセル(溶剤紡糸セルロース繊維)を含む実施例9はスポット吸収性を有するがために液の戻りが起こりやすく比較的ウェットバック量が多くなったと考えられる。
また、実施例7と実施例10は、セルロース系繊維がそれぞれレーヨンD(ビスコースレーヨン)とコットンであること、繊度が多少異なること以外は同様の不織布であるが、生理食塩水のトータルウェットバック及び牛乳のトータルウェットバックにおいて、実施例7の方がより良い結果であった。これはビスコースレーヨンがコットンと比較して繊度および繊維長が均一であることにより、第2繊維層においてビスコースレーヨンと第2芯鞘型複合繊維が比較的均一に混綿され、牛乳が第2繊維層に比較的残りにくくなったためと考えられる。
セルロース系繊維の繊度に着目すると、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8は、セルロース系繊維であるビスコースレーヨンの繊度が異なること以外は同様の不織布であるが、生理食塩水のトータルウェットバックにおいて、実施例5~8がより良い結果であった。
セルロース系繊維の混率に着目すると、実施例1~3は、セルロース系繊維であるビスコースレーヨンの混率が異なること以外は同様の不織布であるが、牛乳のトータルウェットバックにおいて、実施例2がより良い結果であった。
[実施例11~19]及び[比較例11~14]
実施例11~19及び比較例11~14について、表4~6に記載した繊維を使用して、上述の実施例1の不織布の製造方法と同様の方法を用いて、実施例11~19及び比較例11~14の不織布を得た。
実施例11~19及び比較例11~14の不織布について、上述の方法に沿って吸収性物品としておむつを製造して、測定及び評価を行った。結果を表4~6に示した。
Figure 0007490419000007
Figure 0007490419000008
Figure 0007490419000009
実施例11~13及び比較例11~12について、セルロース繊維として3.3dtexのレーヨンDを使用して、混率が変えられた。実施例13(レーヨンDの混率30%)のとき、生理食塩水と牛乳でのウェットバックのバランスがより良かった。実施例13は第2芯鞘型複合繊維とセルロース繊維の繊維本数のバランスがより良いため、第2芯鞘型複合繊維同士の接着点数がより適度であり、第2繊維層における液残りがより起こりにくくなったこと、また、第2芯鞘型複合繊維とセルロース系繊維との接着点がより適度にあり、吸液の際にその接着点がより適度に剥がれ、第2繊維層における液残りがより起こりにくくなったことが推測される。
実施例11~13の生理食塩水でのウェットバックは、比較例11(第2芯鞘型複合繊維100%)と同等以上であり、特に1回目のウェットバックにおいて実施例11~13が比較例11よりも良かった。また、実施例11~13の牛乳軟便でのウェットバックは、比較例11(第2芯鞘型複合繊維100%)よりも、若干改善された。実施例11~13の不織布表面拡散性(トータル)は同等以上であった。また、後述するようにナプキンでの性能は、実施例は、比較例(第2芯鞘型複合繊維100%)と比べてウェットバックが大きく改善されていることから、液量が少ない条件下での性能を必要とするオムツ(新生児)、ナプキンにより好適であることがわかる。
比較例12(レーヨンDの混率50%)は不織布製造における工程性が十分でなく、また、不織布が柔らかすぎるため切断加工が行いにくく、切断面から繊維脱落が起こりやすいものであった。また、第1繊維層と第2繊維層との層間剥離が起こりやすいものであった。
実施例14~16及び比較例13について、セルロース繊維としてコットンを使用して、混率が変えられた。実施例14(コットンの混率10%)のとき、牛乳でのウェットバックがより良かった。コットンは繊維長が不均一な繊維であるため、レーヨンやリヨセルと比べて繊維本数が多くなる傾向にある。そのため実施例14において第2芯鞘型複合繊維とセルロース繊維の繊維本数のバランスがより良く、第2芯鞘型複合繊維同士の接着点数がより適度であり、第2繊維層における液残りがより起こりにくくなったこと、また、第2芯鞘型複合繊維とセルロース系繊維との接着点がより適度にあり、吸液の際にその接着点がより適度に剥がれ、第2繊維層における液残りがより起こりにくくなったことが推測される。
実施例14~16の生理食塩水のウェットバックは、比較例11(第2芯鞘型複合繊維100%)と同等以上であり、特に1回目のウェットバックにおいて実施例14~16が比較例11よりも良かった。実施例14~16の牛乳軟便のウェットバックは、比較例11(第2芯鞘型複合繊維100%)よりも改善された。不織布表面拡散性(トータル)は同等以上であった。実施例は、軟便用オムツ(特に乳児向け)に好適であり、また、ナプキンでも使用できることがわかった。
比較例13(コットンの混率50%)は不織布製造における工程性が十分でなく、また、不織布が柔らかすぎるため切断加工が行いにくく、切断面から繊維脱落が起こりやすいものであった。また、第1繊維層と第2繊維層との層間剥離が起こりやすいものであった。
実施例17~19及び比較例14について、セルロース繊維としてリヨセル(1.7dtex)を使用して、混率が変えられた。実施例19(リヨセルの混率30%)のとき、生理食塩水と牛乳でのウェットバックのバランスがより良かったが、不織布製造における工程性や不織布の切断加工性の点では実施例18(リヨセルの混率20%)がより良く、総合的には実施例18(リヨセルの混率20%)がより良かった。
実施例17~19の生理食塩水でのウェットバックは、実施例11~16よりも悪いが、生理食塩水のウェットバックは、比較例11(第2芯鞘型複合繊維100%)と同等であること、牛乳軟便のウェットバックは比較例11(第2芯鞘型複合繊維100%)よりも大きく改善されており、不織布表面拡散性(トータル)は同等以上であるので、軟便用のオムツとしてより有効(特に新生児向け)と考えられる。また、ナプキンとしても使用できる。
比較例14(リヨセルの混率50%)は不織布製造における工程性が十分でなく、また、不織布が柔らかすぎるため切断加工が行いにくく、切断面から繊維脱落が起こりやすいものであった。また、第1繊維層と第2繊維層との層間剥離が起こりやすいものであった。
[実施例21~29]及び[比較例21~24]
実施例21~29及び比較例21~24について、表7~9に記載した繊維を使用して、上述の実施例1の不織布の製造方法と同様の方法を用いて、実施例21~29及び比較例21~24の不織布を得た。
実施例21~29及び比較例21~24の不織布について、吸収性物品としてナプキンを製造して、下述の方法に沿って測定及び評価を行った。結果を表7~9に示した。
実施例21~29及び比較例21~24の不織布の吸収性について、評価用吸液性物品としてナプキンを製造して評価した。その製造方法を以下に示す。
[吸収性物品の製造(ナプキン)]
トップシート、セカンドシート、吸収体の3層構造で構成される吸液部分と、外側に水分を漏らさないようにする防漏シートで構成されている市販のナプキン(大王製紙株式会社製 商品名エリス Megami 素肌のきもち 多い昼用 羽つき23cm)からトップシートを剥がして除去し、除去したトップシートの代わりに、上述の実施例21~29及び比較例21~24の不織布(タテ19cm×ヨコ8cm)を積層して、評価用吸収性物品とした。尚、積層の際、第1繊維層が、外側に向き、第2繊維層が前記セカンドシートに向くように配置した。この評価用吸収性物品を用いて、実施例21~29及び比較例21~24の不織布の吸液性(吸液時間、ウェットバック、不織布表面拡散長)を評価した。
[ウェットバック(人工経血)]
実施例21~29及び比較例21~24の不織布のウェットバックは、次の方法により評価した。
(1)ウェットバック量を測定するために、下記の物品を用意した。
上述の実施例及び比較例の評価用吸収性物品
注入筒付きプレート(高さ6.0cm、筒上部の内径2.2cm、筒下部の内径1.0cmの二段円筒状のもの)
人工経血は1リットル中にグリセリン100ml、イオン交換水875ml、CMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム)4.6g、NaCl(塩化ナトリウム)10g、Na2CO3(炭酸ナトリウム)10.7g含有するように調整し、少量の食用青色1号で着色したものを使用した。(温度37℃の粘度が8mPa・s)
ろ紙(東洋濾紙(株)製ADVANTEC(登録商標)No.2)10cm×10cm
重り(1kg)10cm×10cm
(2)方法
ウェットバック量を下記の手順に従って測定した。
(i)評価用吸収性物品を、不織布(タテ19cm×ヨコ8cm)が上を向くように配置して、その上に注入筒付きプレートを乗せた。
(ii)約37℃に温めた人工経血5.0mlを筒から注入した。人工経血が不織布表面から見えなくなる(液体として人工経血が確認されなくなる)まで放置した。
(iii)注入筒付きプレートを外し、10分間静置した。
(iv)予め質量を測定したろ紙(10枚)を不織布の上に載せ、その上に1kgの重りを20秒間載せた。その後、ろ紙の質量を測定した。不織布の上に載せる前のろ紙の質量と、不織布の上に載せ、更におもりを載せた後のろ紙の質量との差が、ウェットバック量に相当する。
(v)上記(i)に戻り、(i)~(iv)を繰り返してもう1回測定を行った。合計2回、ウェットバックを評価した。
一つの試料(不織布)について、3つのサンプルを用意した。3つのサンプル各々について測定したウェットバック量の平均値を、その試料のウェットバック量とした。
[吸液時間(人工経血)]
上記ウェットバックの測定において、1回目および2回目の測定時に吸液時間をそれぞれ測定した。吸液時間の測定は、人工経血の注入から、人工経血が不織布表面から見えなくなる(液体として人工経血が確認されなくなる)時間を計測し、吸液時間とした。
Figure 0007490419000010
Figure 0007490419000011
Figure 0007490419000012
実施例21~29は、各々実施例11~19と対応し、比較例21~24は、各々比較例11~14と対応する。実施例21~29は、ナプキンであり、実施例11~19は、おむつであるから、吸収性物品として相違するが、実施例21~29は、上述した実施例11~19と同様の傾向を示した。
実施例21~23の中で、実施例23(レーヨンDの混率30%)のとき、吸液時間とウェットバックのバランスがより良かった。実施例24~26の中で、実施例25(コットンの混率20%)のとき、吸液時間とウェットバックのバランスがより良かった。実施例27~29の中で、実施例28(リヨセルの混率20%)のとき、吸液時間とウェットバックのバランスがより良かった。実施例23、実施例25、実施例28は、第2芯鞘型複合繊維とセルロース繊維の繊維本数のバランスがより良いため、第2芯鞘型複合繊維同士の接着点数がより適度であり、第2繊維層における液残りがより起こりにくくなったこと、また、第2芯鞘型複合繊維とセルロース系繊維との接着点がより適度にあり、吸液の際にその接着点がより適度に剥がれ、第2繊維層における液残りがより起こりにくくなったことが推測される。特に人工経血は粘度が高いため、液残りをより減少させることの影響が大きいと考えられる。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、吸液性能、触感を維持しながら、更に軟便等の流体の吸収性を向上することができる。よって、本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、トップシート及び吸収性物品を製造するために好適に使用することができる。

Claims (12)

  1. 第1繊維層と、前記第1繊維層の一方の主表面に位置する第2繊維層とを含む不織布であって、
    前記第1繊維層が、第1芯鞘型複合繊維を含み、
    前記第2繊維層が、第2芯鞘型複合繊維とセルロース系繊維とを含み、
    前記第1芯鞘型複合繊維の繊度が前記第2芯鞘型複合繊維の繊度よりも小さく、
    前記第1芯鞘型複合繊維の繊度が1.0~2.8dtexであり、
    前記第2芯鞘型複合繊維の繊度が1.7~5.6dtexであり、
    前記セルロース系繊維の繊度が1.2~6.0dtexであり、
    前記第2繊維層が、前記第2繊維層の総質量を基準として、前記セルロース系繊維を5質量%~40質量%の割合で含み、
    第1繊維層が着用者の肌に接触する層である、吸収性物品用トップシート用不織布。
  2. 前記第2芯鞘型複合繊維の繊維本数と前記セルロース系繊維の繊維本数との比が0.6~4.0である、請求項1に記載の吸収性物品用トップシート用不織布。
  3. 前記セルロース系繊維の繊度が1.2~2.2dtexである、請求項1又は2に記載の吸収性物品用トップシート用不織布。
  4. 前記第2繊維層が、前記第2繊維層の総質量を基準として、前記セルロース系繊維を15質量%~25質量%の割合で含む、請求項1~3のいずれかに記載の吸収性物品用トップシート用不織布。
  5. 前記セルロース系繊維が、ビスコースレーヨンを含む、請求項1~4のいずれかに記載の吸収性物品用トップシート用不織布。
  6. 前記第1繊維層の目付が前記第2繊維層の目付よりも小さい、請求項1~のいずれかに記載の吸収性物品用トップシート用不織布。
  7. 吸収性物品は、水分及び油分を含む流体を吸収するための吸収性物品を含む、請求項1~のいずれかに記載の吸収性物品用トップシート用不織布。
  8. 前記水分及び油分を含む流体が軟便を含む、請求項に記載の吸収性物品用トップシート用不織布。
  9. 請求項1~のいずれかに記載の吸収性物品用トップシート用不織布を含む、吸収性物品用トップシート。
  10. 請求項に記載の吸収性物品用トップシートの前記第1繊維層が、使用者の肌に近い側に配置されて、請求項に記載の吸収性物品用トップシートが含まれる吸収性物品。
  11. 水分及び油分を含む流体を吸収するための吸収性物品を含む、請求項10に記載の吸収性物品。
  12. 前記水分及び油分を含む流体が軟便を含む、請求項11に記載の吸収性物品。
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