JP7488829B2 - 医療デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、医療デバイスに関する。
医療の分野において、生体器官を外科的手術により接合する手技(例えば、消化管の吻合術)が知られている。上記のような手技が行われた場合、生体器官同士が接合された接合部における癒合の遅延が生じないことが術後の予後決定因子として重要であることも知られている。
生体器官を接合する手技では種々の方法や医療器具が用いられるが、例えば、生分解性の縫合糸により生体器官を縫合する方法や、ステープラーによる吻合を行う機械式の接合装置(特許文献1を参照)を利用する方法が提案されている。特に、機械式の接合装置を利用して吻合術を行う場合、縫合糸を用いた方法と比較して接合部における生体器官同士の接合力を高めることができるため、縫合不全のリスクを低減させることが可能になる。
特表2007-505708号公報
しかしながら、接合部における癒合の進行の程度は、患者の接合対象部位(被接合部位)における生体組織の状態等にも依存する。そのため、例えば、特許文献1に記載されているような接合装置を使用した場合においても、患者の生体組織の状態如何によっては、縫合不全のリスクを十分に低減させることができない可能性もある。
そこで本発明は、外科手術等の術後における縫合不全のリスクを低減させることができる医療デバイスを提供することを目的とする。
本発明に係る医療デバイスは、接合対象となる生体器官の間に配置され、生体組織の癒合を促進する癒合促進デバイスと、前記癒合促進デバイスの内方側から外方へ向かって延在し、前記生体器官に対する前記癒合促進デバイスの保持を補助する保持部と、前記保持部と接続可能な第1引掛部と、前記生体器官の外周に沿って装着可能な装着部と、を有し、前記生体器官に装着された状態で前記癒合促進デバイスを前記生体器官に対して保持する補助デバイスを備える
本発明に係る医療デバイスによれば、接合対象となる生体器官の間に癒合促進デバイスを挟み込ませることにより、生体器官の生体組織の癒合を促進することができる。また、術者は、手技が行われている間、保持部を利用して接合対象の生体器官に対する癒合促進デバイスの保持を補助することにより、本体部が生体器官からズレたり、ヨレて変形したりすることを防止できる。そのため、術者は、生体器官の縫合不全のリスクを効果的に低減させることができる。
本発明の一形態に係る医療デバイスを示す斜視図である。 癒合促進デバイスを示す斜視図である。 図2の3-3線に沿う断面の一部を拡大して示す断面図である。 保持部を示す上面図である。 接続部を示す斜視図である。 補助デバイスを示す斜視図である。 医療デバイスを用いた処置方法の各手順を示すフローチャートである。 処置方法の実施形態(大腸吻合術)の手順を示すフローチャートである。 医療デバイスを留置する患者の腹部付近(臍のあたり)を示す図である。 大腸吻合術を説明するための模式的な断面図である。 大腸吻合術を説明するための模式的な断面図である。 大腸吻合術を説明するための模式的な断面図である。 補助デバイスを体内から体外へ取り出す方法を示す模式図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張され、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1実施形態)
<医療デバイス1>
図1は、医療デバイス1を示す斜視図である。
図1に示すように、医療デバイス1は、接合対象となる生体器官の間に配置され、生体組織の癒合を促進する癒合促進デバイス100と、癒合促進デバイス100の内方側から外方へ向かって延在し、生体器官に対する癒合促進デバイス100の保持を補助する保持部200と、生体器官の外周に沿って装着可能な装着部310を有し、生体器官に装着された状態で癒合促進デバイス100を生体器官に対して保持する補助デバイス300と、を有する。
<癒合促進デバイス100>
図2は、癒合促進デバイス100を示す斜視図である。図3は、図2の3-3線に沿う断面の一部を拡大して示す断面図である。
図1に示すように、癒合促進デバイス100は、接合対象となる生体器官の間に配置され、生体組織の癒合を促進する本体部110を有する。
癒合促進デバイス100は、図10~図12に示すように、所定の生体器官同士を接合する手技(例えば、消化管の吻合術)に適用することができる。後述するように、本明細書の説明では、癒合促進デバイス100を使用した手技例として大腸吻合術を説明する。
<本体部110>
図1および図2に示すように、本体部110は、シート状の部材で構成している。
本体部110に形成された各貫通孔112は、図1および図2に示すように、本体部110の面方向において規則的かつ周期的に設けられている。ただし、各貫通孔112は、本体部110の面方向の各部においてランダムに設けられていてもよい。
各貫通孔112は、図3に示すように、本体部110の厚み方向(図3の上下方向)に沿って表面111と裏面113との間で略垂直に延びている。なお、各貫通孔112は、本体部110の厚み方向に沿う断面において、表面111と裏面113との間でジグザグ状に屈曲していたり、湾曲していたりしてもよい。
各貫通孔112は、略円形の平面形状(本体部110の表面111又は本体部110の裏面113を平面視した際の形状)を有する。ただし、各貫通孔112の平面形状は、特に限定されず、例えば、楕円形や多角形(矩形や三角形等)であってもよい。また、貫通孔112ごとに平面形状や断面形状が異なっていてもよい。
本体部110は、略円形の平面形状を有する。ただし、本体部110の平面形状は、特に限定されず、例えば、楕円形や多角形(矩形や三角形等)であってもよい。
本体部110の厚み(図3に示す寸法T)は特に制限されないが、好ましくは0.05~0.3mmであり、より好ましくは0.1~0.2mmである。本体部110の厚みが0.05mm以上である場合(特に0.1mm以上である場合)、癒合促進デバイス100の取り扱い時に本体部110が破損しない程度の強度を備えさせることができる。一方、本体部110の厚みが0.3mm以下である場合(特に0.2mm以下である場合)、本体部110が適用される生体組織に本体部110が密着して生体組織に追随するのに十分な柔軟性を備えさせることができる。
本体部110は、貫通孔112のピッチP(図3に示す距離Pであり、隣接する貫通孔12の間の距離)に対する貫通孔112の孔径D(図3に示す距離D)の比の値が、0.25以上40未満であることが好ましい。なお、貫通孔112の平面形状が真円である場合、貫通孔112の孔径Dは真円の直径に等しくなる。一方、貫通孔112の平面形状が真円ではない場合には、貫通孔112の開口部(貫通孔112において表面111又は裏面113に面した部分)の面積と同じ面積を有する真円の直径(円相当径)を当該貫通孔112の孔径Dとすることができる。
本体部110は、複数の貫通孔112を有するため、各貫通孔112に対応する孔径Dの値が複数存在する。そこで、本実施形態では、上述した比の値を算出するにあたっては、複数の貫通孔112にそれぞれ対応する孔径Dの値の2点以上の算術平均値を孔径Dの代表値として用いるものとする。一方、複数の貫通孔112のピッチPは、2つの貫通孔112の開口部同士の最短距離で定義する。ただし、ピッチPの値についても隣接する貫通孔112の組み合わせに対応するピッチPの値が複数存在する。したがって、本実施形態では、上述した比の値を算出するにあたっては、隣接する貫通孔112の組み合わせにそれぞれ対応するピッチPの値の2点以上の算術平均値をピッチPの代表値として用いるものとする。
なお、上記の貫通孔112のピッチP、孔径D、ピッチPに対する孔径Dの比等は、一例であり、これに限定されることはない。
本体部110は、生分解性の材料で構成することができる。本体部110の構成材料について特に制限はなく、例えば、生分解性樹脂が挙げられる。生分解性樹脂としては、例えば、特表2011-528275号公報、特表2008-514719号公報、国際公報第2008-1952号、特表2004-509205号公報等に記載されるものなどの公知の生分解性(共)重合体が使用できる。具体的には、(1)脂肪族ポリエステル、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、ポリカーボネート、ポリホスファゼン、ポリリン酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリペプチド、多糖、タンパク質、セルロースからなる群から選択される重合体;(2)上記(1)を構成する一以上の単量体から構成される共重合体などが挙げられる。すなわち、生分解性シートは、脂肪族ポリエステル、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、ポリカーボネート、ポリホスファゼン、ポリリン酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリペプチド、多糖、タンパク質、セルロースからなる群から選択される重合体、ならびに前記重合体を構成する一以上の単量体から構成される共重合体からなる群より選択される少なくとも一種の生分解性樹脂を含むことが好ましい。
本体部110の製造方法は特に限定されないが、例えば、上述した生分解性樹脂からなる繊維を作製し、当該繊維を用いてメッシュ形状のシートを製造する方法が挙げられる。生分解性樹脂からなる繊維を作製する方法としては、特に限定されないが、例えば、エレクトロスピニング法(電界紡糸法・静電紡糸法)や、メルトブロー法等が挙げられる。本体部110は、上記の方法のうち1種のみを選択して用いてもよいし、2種以上を選択し適宜組み合わせてもよい。なお、本体部110の製造方法のさらに別の例として、上述した生分解性樹脂からなる繊維を常法に従って紡糸し、得られた繊維をメッシュ状に編むことによって本発明に係る生分解性シートを製造してもよい。
本体部110は、本体部110を構成する生分解性樹脂等の構成材料によって生体反応を惹起させる。本体部110は、この作用により、フィブリン等の生体成分の発現を誘導する。このようにして誘導された生体成分は、本体部110の貫通孔112を貫通するようにして集積することで、癒合を促進することができる。したがって、接合対象となる生体器官同士の間に癒合促進デバイス100の本体部110を配置することにより、上記のメカニズムによる癒合の促進が生じる。
なお、本体部110の材質は、癒合を促進させることが可能であれば、生分解性でなくてもよい。また、本体部110は、癒合を促進させることが可能であれば、材質に関わらず、貫通孔112が形成されていなくてもよい。
図1および図2に示すように、本体部110は、貫通孔112よりも孔径が大きく形成された孔部114を有している。孔部114は、本体部110の中心位置O1(平面図上の中心位置)が含まれる範囲に形成している。なお、中心位置O1は、本体部110が回転対称な形状を有する場合、本体部110の回転中心である。
孔部114は、円形の平面形状を有する。孔部114の孔径は、例えば、5mm~25mmに形成することができる。なお、孔部114の平面形状は、特に限定されず、例えば、楕円形や多角形(矩形や三角形等)であってもよい。また、孔部114の大きさも特に限定されない。
なお、孔部114は、予め本体部110に作成されていてもよいし、手技が行われている間に術者が作成してもよい。術者は、手技の進行等に応じて、本体部110の種々の変形を選択することができる。
<保持部200>
次に、本発明に係る保持部200について説明する。
図4は、保持部200を示す上面図である。図5は、接続部220を示す斜視図である。
図1および図4に示すように、保持部200は、牽引されることによって本体部110に対して保持力を付与する複数の牽引部210と、牽引部210の各々との接続を可能にする接続部220と、を有している。
牽引部210は、所定の長さ及び後述する接続部220の引掛部(「第2引掛部」に相当する)222に挿通(接続)可能な断面形状を備える長尺状の部材(例えば、細径な紐状の部材や所定の幅を有する帯状の部材)で構成することができる。なお、牽引部210の長さ等について特に制限はない。
接続部220は、略円形の回転対称な平面形状を有する。ただし、接続部220の平面形状は、特に限定されず、例えば、楕円形や多角形(矩形や三角形等)であってもよい。
接続部220は、複数の引掛部222を有している。引掛部222は、接続部220の表面221と裏面223の間を貫通する貫通孔により構成している。各引掛部222は、略円形の平面形状を有し、前述した牽引部210を挿通可能に構成されている。そのため、接続部220は引掛部222によって牽引部210の各々と接続され、牽引部210の各々は接続部220によって癒合促進デバイス100を生体器官に対して保持しやすくなる。接続部220に形成された各引掛部222は、図4および図5に示すように、接続部220の面方向において規則的かつ周期的に設けられている。
接続部220は、図5に示すように、引掛部222よりも孔径が大きく形成された孔部224を有している。孔部224は、接続部220の中心位置O2(平面図上の中心位置)が含まれる範囲に形成している。なお、中心位置O2は、接続部220が回転対称な形状を有する場合、接続部220の回転中心である。
孔部224は、円形の平面形状を有する。孔部224の孔径は、例えば、5mm~25mmに形成することができる。なお、孔部224の平面形状は、特に限定されず、例えば、楕円形や多角形(矩形や三角形等)であってもよい。また、孔部224の大きさも特に限定されない。
本実施形態に係る保持部200は、図4に示すように、八つの牽引部210と、各牽引部210に対応して設けられる八つの引掛部222と孔部224とを有し、八つの牽引部210の各々との接続を可能にする接続部220と、を有している。
保持部200は、癒合促進デバイス100が接合対象となる生体組織に配置される際に癒合促進デバイス100の表面111側に配置される。本実施形態に係る接続部220の引掛部222は、図1に示すように、癒合促進デバイス100の内方側の上部に配置される。
牽引部210は、図1および図4に示すように、一端部が接続部220に接続され、癒合促進デバイス100の内方側から外方へ向かって延在することによって、癒合促進デバイス100が接合対象となる生体組織に配置される際に生体器官に対する癒合促進デバイス100の保持を補助することができる。これにより、保持部200は癒合促進デバイス100の本体部110が生体器官からズレたり、ヨレて変形したりすることを防止できる。したがって、術者は、生体器官の縫合不全のリスクを効果的に低減させることができる。
なお、一つの接続部220に複数の引掛部222が設けられる場合、引掛部222は接続部220の対向する箇所に対をなして少なくとも一組設けられることが好ましい。これにより、術者は、癒合促進デバイス100の本体部110の対向する二箇所に対して牽引力を付与することが可能であるため、癒合促進デバイス100の本体部110を生体器官に対してより安定的に保持することができる。本実施形態では、図4に示すように、引掛部222は、接続部220の対向する箇所に対をなして四組設けられている。つまり、各引掛部222に対応して設けられる八つの牽引部210は、本実施形態では、接続部220の対向する箇所に対をなして四組設けられている。
接続部220の対向する箇所とは、図4に示すように、接続部220が回転対称な平面形状を有する場合、接続部220の中心位置O2で直交する四つの仮想線C1、C2、C3、C4上において接続部220の中心位置O2を間に挟んで対向する位置を意味する。
また、本実施形態に係る接続部220は、図1および図4に示すように、生体器官の一方の接合部位に配置される第1係合器具710と、生体器官の他方の被接合部位に配置され第1係合器具710と対向する第2係合器具720と、を備えた医療器具(接合装置700)によって癒合促進デバイス100を生体組織に接合する際に、第2係合器具720が打ち抜く領域E1(図12参照)よりも内方側に位置する。
生体器官を接合する接合装置700として、例えば、第1係合器具710および第2係合器具720を備える自動吻合器が挙げられる(図10~図12参照)。第1係合器具710は、アンビルと呼ばれる場合があり、第2係合器具720はトロッカーと呼ばれる場合がある。所定の手技において、癒合を促進させることが可能なシート状の癒合促進デバイス100を好適に用いることができる。
接合装置700を用いた手技に癒合促進デバイス100を使用する場合、図10に示すように、まず、術者は、第1係合器具710の被係合部711を大腸の口側A1に挿入し、大腸の口側A1から被係合部711を突出した状態で巾着縫合し、縫合部A11を形成する。このとき、縫合部A11は、接合装置700によって生体組織を接合する際において接合箇所を形成するために、接合される生体組織の一方を少なくとも部分的に径方向内方に寄せて***させた形状となる。
上記手技において、術者は、癒合促進デバイス100の裏面113側が縫合部A11の外表面に接触するように配置する。そして、癒合促進デバイス100の表面111側に保持部200を配置する。このとき、保持部200の牽引部210の各々は、鉗子や後述する補助デバイス300などによって牽引される。そのため、癒合促進デバイス100は、牽引部210の各々によって縫合部A11の外表面に対して保持される。これにより、術者は、手技が行われている間、癒合促進デバイス100が生体器官から脱落することを防止することができる。
また、術者は、接合対象となる生体器官に第1係合器具710と第2係合器具720とをセットし、第1係合器具710と第2係合器具720係合した状態で、接合装置700に挟み込まれた生体器官の一部と、本体部110の一部と、接続部220と、保持部200の一部と、を、第2係合器具720に内蔵された打ち抜きブレード(図示省略)によって打ち抜いて切除する。このとき、保持部200の牽引部210が打ち抜きブレードによって切断され、保持部200の接続部220と牽引部210の一部が打ち抜かれて切除される。また、術者は、接合装置700に挟み込まれた各構成部材を接合装置700によって切除すると同時に、切除した部位の周囲を接合する。そして、接合装置700は生体外へ取り出される(図12参照)。
上記手技において、術者は、第2係合器具720が打ち抜く領域E1よりも内方側に位置する接続部220を接合装置700によって取り除くことができる。また、術者は、接合装置700を生体外から取り出す際に、接続部220と牽引部210の一部を生体外へ取り出すことができる。
なお、牽引部210の材料は、接続部220の引掛部222に挿通された状態で本体部110を生体組織に対して保持する保持力を付与することが可能であり、第2係合器具720に内蔵された打ち抜きブレードによって切断されることが可能である限り、特に限定されない。牽引部210は、例えば、塩化ビニル、ポリウレタンエラストマー、ポリスチレンエラストマー、スチレン‐エチレン‐ブチレン‐スチレン共重合体(SEBS)、スチレン‐エチレン‐プロピレン‐スチレン共重合体(SEPS)などの熱可塑性エラストマー、ナイロン、PETなどの熱可塑性樹脂、又はゴム、シリコーンエラストマー、繊維素材、SUS線、銅線、チタン線、ナイチノール線などの金属、生分解性(共)重合体等で構成することができる。
また、牽引部210の断面形状や細さは、接合装置700による吻合を阻害しない限り、特に制限はない。
また、各牽引部210を接続部220に接続する方法は、特に制限されない。
また、接続部220の材料は、特に限定されない。接続部220は、例えば、熱可塑性エラストマー、ナイロン、PETなどの熱可塑性樹脂、又は金属等で構成することができる。
また、接続部220に設けられる引掛部222、および牽引部210の個数は特に限定されない。引掛部222の各々は、規則的かつ周期的に設けられていなくてもよく、それぞれ対向する箇所に配置されてなくてもよい。
また、接続部220の厚みは特に制限されないが、好ましくは0.01~10mmである。接続部220の厚みが0.01mm以上である場合、医療デバイス1の取り扱い時に接続部220が破損しない程度の強度を備えさせることができる。一方、接続部220の厚みが10mm以下である場合、医療デバイス1が適用される生体器官が接合される際に接合装置700による吻合を阻害することなく接続部220を使用することができる。ただし、接続部220の厚みは、接続部220の材料によって適宜変更することができる。
また、各引掛部222の平面形状(接続部220の表面221又は接続部220の裏面223を平面視した際の形状)は、特に限定されない。例えば、楕円形、多角形(矩形や三角形等)であってもよい。また、引掛部222ごとに平面形状や断面形状が異なっていてもよい。
また、各引掛部222は、接続部220の厚み方向に沿って表面221と裏面223との間で略垂直に延びてもよいし、接続部220の厚み方向に沿う断面において、表面221と裏面223との間でジグザグ状に屈曲していたり、湾曲していたりしてもよい。
また、各引掛部222は、貫通孔以外の構造を有していてもよい。例えば、引掛部222は、装着部310に形成されたスリット(切れ目)等でもよい。
また、保持部200は、接続部220が本体部110に予め固定されることによって癒合促進デバイス100と一体に設けられていてもよい。術者は、生体器官に癒合促進デバイス100を配置する際に、保持部200を生体器官に配置することができる。
また、保持部200は、牽引部210のみを備えていてもよく、牽引部210は、癒合促進デバイス100の本体部110と一体的に構成されていてもよい。
牽引部210が癒合促進デバイス100と一体的に構成されている場合、牽引部210は、本体部110の内周縁115に沿って形成され本体部110の他の部分(貫通孔112が形成された部分)よりも剛性が高められた補強部(図示省略)接続されていてもよい。このとき、補強部は、本体部110の表面111および裏面113の少なくとも一方に配置され、牽引部210の一端は本体部110の表面111側に接続される。なお、補強部は、本体部110の周方向(図2中の矢印R1-R2で示す方向)に沿って内周縁115の全範囲に亘って形成していてもよく、内周縁115の一部のみに形成していてもよい。
術者は、手技の進行等に応じて、癒合促進デバイス100と保持部200とを適宜組み合わせて使用することができる。
<補助デバイス300>
次に、本発明に係る補助デバイス300について説明する。
図6は、補助デバイス300を示す斜視図である。
図1および図6に示すように、補助デバイス300は、生体器官(例えば、大腸の口側A1)の外周に沿って装着可能な装着部310と、装着部310に形成され生体器官が挿通される挿通部320と、装着部310に形成され装着部310の外周側面317と挿通部320とを連通する連通部330と、装着部310に形成され装着部310と保持部200の牽引部210とを接続するための引掛部(「第1引掛部」に相当する)340と、を有している。
補助デバイス300は、図10~図12に示すように、保持部200が癒合促進デバイス100を生体組織に対して保持する保持力を付与する際に、本体部110に付与した保持力を維持するために使用される。具体的には、補助デバイス300は、癒合促進デバイス100の裏面113側に配置され、補助デバイス300の装着部310が生体器官に装着された状態で、装着310の引掛部340に保持部200の牽引部210が接続されることにより、牽引部210に牽引力を付与することができる。そのため、保持部200の牽引部210は、癒合促進デバイス100を生体器官に対して保持することを維持することができる。これにより、術者は、補助デバイス300を使用することにより自身の手指等で牽引部210を把持や牽引することなく、癒合促進デバイス100を生体器官に対して保持させることができる。したがって、補助デバイス300は、腹腔内でも癒合促進デバイス100の保持を保つことができる。
装着部310は、図6に示すように、略円形の平面形状を有している。ただし、装着部310の平面形状は、特に限定されず、例えば、楕円形や多角形(矩形や三角形等)であってもよい。挿通部320は、装着部310の中心位置を含む所定の範囲に形成された略円形の貫通孔で形成している。連通部330は、所定の幅を備える隙間部で構成している。
術者は、装着部310を生体器官に装着させる際、連通部330を通して生体器官を挿通部320内に案内する。このとき、術者は、連通部330の隙間部に腸間膜を誘導しながら生体器官を挿通部320内に案内することができる。また、連通部330を介して挿通部320に案内された生体器官は、挿通部320の周囲に抑え込まれて一部が撓んだ状態に変形する。装着部310は、撓んだ状態の生体器官の外周部に沿って装着される。
引掛部340は、装着部310の表面311と裏面312の間を貫通する貫通孔により構成している。装着部310には、複数の引掛部340が設けられている。各引掛部340は、装着部310の周方向の異なる箇所に配置している。本実施形態では、図6に示すように、引掛部340は、装着部310の対向する箇所に対をなして四組設けられており、保持部200の牽引部210の個数に対応して設けられている。
装着部310は、装着部310が生体器官に装着された際に、ヨレて変形したりすることがないように、癒合促進デバイス100の本体部110よりも硬質な材料で形成されていることが好ましい。例えば、装着部310は、ゴム等の弾性材料により形成することができる。
なお、装着部310は、内部に金属の線材などの芯材を入れることによって生体器官に対する装着力を高めてもよい。また、連通部330を形成する装着部310の両端部に磁石を設けることによって、装着部310が生体器官に装着された後に装着部310の両端部が引き寄せられることによって生体器官に対する装着力を高めてもよい。
また、装着部310の両端部に設けられている引掛部340の各々には、牽引部210の各々が互いに交差した状態で取り付けられていてもよい。この場合、互いに交差した状態で取り付けられている牽引部210は、連通部330の隙間部を狭める方向に作用する。そのため、このように取り付けられた牽引部210は、補助デバイス300を生体器官に対して保持する保持力を向上させることができる。
また、装着部310の外周側面317には、通過性を高めるための表面処理を施してもよい。また、挿通部320の内周面には、挿通部320と生体器官との間で生じる摩擦を高めるためのコーティングを施したり、摩擦を高めるための凹凸部を設けたり、滑り止め用の部材等を配置したりしてもよい。
また、保持部200の各牽引部210を装着部310に接続する方法は、特に制限されない。本実施形態において、各牽引部210は、装着部310に形成された各引掛部340に挿通されることによって装着部310と接続されているが、引掛部340は牽引部210の個数に対応して設けられていなくてもよく(一つの引掛部340に複数の牽引部210が接続されていてもよく)、引掛部340の各々は、それぞれ対向する箇所に配置されてなくてもよい。
また、各引掛部340の平面形状(装着部310の表面311又は装着部310の裏面312を平面視した際の形状)は、特に限定されない。例えば、楕円形、多角形(矩形や三角形等)であってもよい。また、引掛部340ごとに平面形状や断面形状が異なっていてもよい。
また、各引掛部340は、接続部220の厚み方向に沿って表面311と裏面312との間で略垂直に延びてもよいし、接続部220の厚み方向に沿う断面において、表面221と裏面223との間でジグザグ状に屈曲していたり、湾曲していたりしてもよい。
また、各引掛部340は、貫通孔以外の構造を有していてもよい。例えば、引掛部340は、装着部310に形成されたスリット(切れ目)等でもよい。
また、各引掛部340は、図1に示すように牽引部210が予め接続されることによって保持部200と一体に設けられていてもよいし、保持部200と別体で設けられていて、術者が手技の途中で各引掛部340に各牽引部210を接続してもよい。
<処置方法の実施形態(生体器官吻合術)>
次に、癒合促進デバイスを用いた処置方法を説明する。
図7は、癒合促進デバイスを用いた処置方法の各手順を示すフローチャートである。
処置方法は、生体器官の接合対象となる一方の被接合部位に生体組織の癒合を促進するシート状の本体部を備える癒合促進デバイスを配置すること(S11)、癒合促進デバイスの生体器官に対する保持を補助すること(S12)、生体器官の接合対象となる一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に生体組織の癒合を促進するシート状の本体部を備える癒合促進デバイスを配置すること(S13)、一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に癒合促進デバイスの本体部の少なくとも一部を配置した状態で一方の被接合部位と他方の被接合部位とを接合すること(S14)、を含む。
処置方法により接合される生体器官および生体器官における被接合部位は特に限定されず、任意に選択することができる。ただし、以下の説明では、大腸吻合術を例に挙げて説明する。また、以下に説明する各手技において使用される癒合促進デバイスとしては、例えば、前述した癒合促進デバイスの中から任意のものを選択することが可能であるし、その他の癒合促進デバイスを選択することもできる。ただし、以下の説明では、各手技に好適に用いることができる代表的な例として、特定の癒合促進デバイスの使用例を説明する。また、以下に説明する各手技において、公知の手技手順や公知の医療装置・医療器具等については詳細な説明を適宜省略する。
以下、本明細書の説明において「生体器官の間に癒合促進デバイスを配置する」とは、生体器官に癒合促進デバイスが直接的にまたは間接的に接触した状態で配置されること、生体器官との間に空間的な隙間が形成された状態で癒合促進デバイスが配置されること、またはその両方の状態で癒合促進デバイスが配置されること(例えば、一方の生体器官に癒合促進デバイスが接触し、他方の生体器官には癒合促進デバイスが接触していない状態で配置されること)の少なくとも一つを意味する。また、本明細書の説明において「周辺」とは、厳密な範囲(領域)を規定するものではなく、処置の目的(生体器官同士の接合)を達成し得る限りにおいて、所定の範囲(領域)を意味する。また、各処置方法において説明する手技手順は、処置の目的を達成し得る限りにおいて、順番を適宜入れ替えることが可能である。また、「癒合促進デバイスの生体器官に対する保持を補助する」とは、癒合促進デバイスを生体器官に対して保持する作業、保持する作業を実施するための準備作業、及び生体器官に対する保持を維持するための作業の少なくとも一つが含まれる。また、本明細書の説明において「相対的に接近させる」とは、接近させる対象となる2つ以上のものを、互いに接近させること、一方のみを他方のみに接近させることの両方を意味する。
<処置方法の実施形態(大腸吻合術)>
図8は、処置方法の実施形態(大腸吻合術)の手順を示すフローチャートである。図9は、医療デバイス1を留置する患者の腹部付近(臍のあたり)を示す図である。図10~図12は、大腸吻合術の説明に供する図である。図13は、補助デバイス300を体内から体外へ取り出す方法を示す模式図である。
本実施形態に係る処置方法において、接合対象となる生体器官は、癌腫瘍の切除に伴い切断された大腸である。具体的には、接合対象となる生体器官は、切断した大腸の口側A1と、切断した大腸の肛門側A2である。以下の説明では、切断した大腸の口側A1の口部周辺(一方の被接合部位)と、切断した大腸の肛門側A2の腸壁の一部(他方の被接合部位)を接合する手順を説明する。
図8に示すように、本実施形態に係る処置方法は、大腸の口部周辺に癒合促進デバイスを配置すること(S101)、大腸の口部周辺に対する癒合促進デバイスの保持を補助すること(S102)、大腸の口部周辺と大腸の腸壁との間に癒合促進デバイスを配置すること(S103)、大腸の口部周辺と大腸の腸壁を相対的に接近させること(S104)、大腸の口部周辺と大腸の腸壁との間で癒合促進デバイスの本体部を挟み込むこと(S105)、大腸の口部周辺と大腸の腸壁との間に癒合促進デバイスの本体部を挟み込んだ状態で接合すること(S106)、大腸の口部周辺と大腸の腸壁との間に癒合促進デバイスの本体部を留置すること(S107)、を含む。
次に、図9~図13を参照して、本実施形態に係る処置方法を具体的に説明する。
まず、術者は、図9において体表面Hの臍のあたり(図9の×で示す部分)の周囲にポートRという穴のような部位を形成し、患者のお腹を膨らませる。図9では臍を挟んで左右に2か所ずつ〇で示すポートRを形成しているが、あくまで例示であってポートRの位置や個数は図9に限定されない。
次に、術者は、図9の×で示す臍のあたりに切開部を形成し、そこから口側A1の患部を体外に取り出して、大腸の口側A1に接合装置700の第1係合器具710を挿入する。術者は、第1係合器具710の被係合部711を大腸の口側A1に挿入し、被係合部711を突出した状態で巾着縫合し、縫合部A11を形成する。縫合部A11の外表面は、縫合に伴い凹凸形状となる。
接合装置700としては、例えば、大腸吻合術に使用される公知の装置を用いることができる。接合装置700は、第1係合器具710と第2係合器具720の係合に伴い、第1係合器具710と第2係合器具720との間に配置された生体組織の切除とともに、切除した生体組織の周囲をステープルにより円周状に縫合する。第1係合器具710は、例えば、筒状の被係合部711を備える器具であり、第2係合器具720は、例えば、第1係合器具710の被係合部711に挿入および係合される係合ピン721を備える器具である。
次に、術者は、大腸の口側A1の生体組織に癒合促進デバイス100と、保持部200と、補助デバイス300を配置する。術者は、癒合促進デバイス100を配置する際に、第1係合器具710が備える被係合部711を癒合促進デバイス100の本体部110に形成された孔部114(図1を参照)と、保持部200の接続部220に形成された孔部224(図1を参照)に通し、癒合促進デバイス100の裏面113側が縫合部A11の外表面に接触するように配置する。そして、術者は、保持部200の牽引部210が接続された補助デバイス300の装着部310を生体器官に装着する。
次に、術者は、本体部110が大腸の口側A1からずれたり、本体部110がヨレて変形したりするのを防止するために、大腸の口側A1に対する本体部110の保持を補助する作業を行う。具体的には、術者は、保持部200の牽引部210を大腸の一端側(大腸の肛門側A2に対向する側と反対側)に牽引することにより、本体部110を大腸の口側A1に押し付ける。そのため、凹凸状の面形状を形成している縫合部A11及びその周辺部に対して本体部110をしっかりと保持することができる。この際、術者は、本体部110を大腸の口側A1に対してより安定的に保持するために、保持部200の接続部220の対向する箇所に配置された一組の牽引部210が接続された補助デバイス300の引掛部340を同時に牽引することが好ましい。術者は、生体器官の装着された補助デバイス300を利用することによって、本体部110を生体組織に対して保持する保持力が付与された状態を維持することができる。これにより、術者は、手技が行われている間、癒合促進デバイス100が生体器官から脱落することを防止することができる。そのため、術者は、生体器官の縫合不全のリスクを効果的に低減させることができる。
次に、術者は、癒合促進デバイス100と、保持部200と、補助デバイス300が配置された大腸の口側A1の生体組織を図9の×で示す切開部から体内に収容する。
次に、術者は、大腸の肛門側A2に、接合装置700の第2係合器具720を配置する。第2係合器具720を大腸の肛門側A2に配置(挿入)するのに伴って、大腸の肛門側A2に貫通孔A21が形成される。なお、貫通孔A21を形成するタイミングは、第2係合器具720を配置する前であれば、特に限定されない。そして、術者は、大腸の口側A1に対して本体部110を保持した状態を維持しつつ、第1係合器具710の被係合部711と第2係合器具720の係合ピン721とを離間した位置で係合させることによって、図10に示すように、大腸の口側A1と大腸の肛門側A2との間に癒合促進デバイス100と保持部200と補助デバイス300を配置する。
次に、術者は、大腸の口側A1の縫合部A11に対して癒合促進デバイス100を保持した状態を維持しつつ、図11に示すように、第1係合器具710と第2係合器具720を相対的に接近させて係合させる。術者は、第1係合器具710と第2係合器具720との間に、大腸の口側A1の口部周辺、癒合促進デバイス100の本体部110、大腸の肛門側A2の腸壁に形成した貫通孔A21周辺を挟み込む。術者は、第1係合器具710と第2係合器具720との間に挟み込まれた大腸の口側A1の一部と、癒合促進デバイス100の本体部110の一部と、保持部200の牽引部210と、大腸の肛門側A2の一部と、を接合装置700によって切断する。また、同時に、術者は、接合装置700を操作することにより、切除した部位の周囲をステープル(図示省略)により接合する。
次に、術者は、図12に示すように、接合装置700を、例えば、大腸の肛門側A2から肛門を介して生体外へ取り出す。このとき、術者は、第2係合器具720が打ち抜く領域E1よりも内方側に位置する大腸の口側A1の一部と、癒合促進デバイス100の本体部110の一部と、保持部200の牽引部210の一部と、接続部220と、大腸の肛門側A2の一部と、を接合装置700とともに生体外へ取り出すことができる。
次に、術者は、鉗子等を用いて生体器官から補助デバイス300を取り外す。取り外した補助デバイス300の引掛部340には、接合装置700とともに生体外へ取り出されなかった牽引部210の残部が接続されている。補助デバイス300は、補助デバイス300が弾性材料で形成されていることを利用して、図13に示すように、ポートRの内腔形状に合わせて略直線状に変形しながら患者の腹部付近に形成したポートRから体外に取り出される。これにより、術者は、保持部200の牽引部210の残部および補助デバイス300を体内から体外へ取り出すことができる。
このような処置方法によれば、癒合促進デバイスが備えるシート状の本体部を一方の被接合部位と他方の被接合部位との間に挟み込ませるという簡便な方法により、接合手技(例えば、消化管の吻合術)後の縫合不全のリスクを低減させることができる。
また、使用される癒合促進デバイス100は、保持部200によって接合対象の生体器官に対する本体部110の保持力を高めているため、術者の操作時(体内留置時)に、癒合促進デバイス100が生体器官から脱落することを防止することができる。したがって、外科手術等の術後における縫合不全のリスクを低減させることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る医療デバイス1は、接合対象となる生体器官の間に配置され、生体組織の癒合を促進する癒合促進デバイス100と、癒合促進デバイス100の内方側から外方へ向かって延在し、生体器官に対する癒合促進デバイス100の保持を補助する保持部200と、を有する。
上記のような医療デバイス1によれば、接合対象となる生体器官の間に癒合促進デバイス100を挟み込ませることにより、生体器官の生体組織の癒合を促進することができる。また、術者は、手技が行われている間、保持部200を利用して接合対象の生体器官に対する癒合促進デバイス100の保持を補助することにより、癒合促進デバイス100が生体器官からズレたり、ヨレて変形したりすることを防止できる。そのため、術者は、生体器官の縫合不全のリスクを効果的に低減させることができる。
また、保持部200と接続可能な引掛部(第1引掛部)340と、生体器官の外周に沿って装着可能な装着部310と、を有し、生体器官に装着された状態で癒合促進デバイス100を生体器官に対して保持する補助デバイス300を備える。これにより、術者は、補助デバイス300を使用することによって保持部200が癒合促進デバイス100を生体器官に対して保持することを維持することができる。
また、補助デバイス300は、装着部310に形成され生体器官が挿通される挿通部320と、装着部310に形成され装着部310の外周側面317と挿通部320とを連通する連通部330と、を有する。これにより、術者は、装着部310を生体器官に装着させる際に連通部330を通して生体器官を挿通部320内に案内することができる。
また、保持部200は、牽引されることによって癒合促進デバイス100に対して保持力を付与する複数の牽引部210を備える。これにより、術者は、牽引部210を介して癒合促進デバイス100を生体器官に対してより確実に保持することができる。
また、保持部200は、牽引部210の各々との接続を可能にする複数の引掛部(第2引掛部)222が設けられた接続部220を備える。これにより、接続部220は引掛部222によって牽引部210の各々と接続され、牽引部210の各々は接続部220によって癒合促進デバイス100を生体器官に対して保持しやすくなる。
また、接続部220は、回転対称な平面形状を有し、引掛部(第2引掛部)222は、接続部220の対向する箇所に対をなして少なくとも一組設けられる。これにより、術者は、癒合促進デバイス100の対向する二箇所に対して牽引力を付与することが可能であるため、癒合促進デバイス100を生体器官に対してより安定的に保持することができる。
また、接続部220は、生体器官の一方の接合部位に配置される第1係合器具710と、生体器官の他方の被接合部位に配置され第1係合器具710と対向する第2係合器具720と、を備えた接合装置(医療器具)700を挿通可能とする孔部114を有する。これにより、術者は、大腸吻合術などに癒合促進デバイス100を使用する際、孔部114を利用することにより接合装置700等への装着を容易に行うことができる。
また、接続部220は、接合装置(医療器具)700によって癒合促進デバイス100を生体組織に接合する際に、第2係合器具720が打ち抜く領域E1よりも内方側に位置する。これにより、術者は、接合装置700によって接続部220を取り除くことができる。また、術者は、接合装置700を生体外から取り出す際に、接続部220を生体外へ取り出すことができる。
また、接続部220は、癒合促進デバイス100と一体に設けられる。これにより、術者は、生体器官に癒合促進デバイス100を配置する際に、保持部200を生体器官に配置することができる。
また、接続部220は、癒合促進デバイス100と別体に設けられる。これにより、手技の進行等に応じて、癒合促進デバイス100と接続部220に接続される牽引部210とを適宜組み合わせて使用することができる。
以上、実施形態を通じて本発明に係る癒合促進デバイスおよび医療デバイスを説明したが、本発明は実施形態で説明した内容のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、接合対象となる生体器官、被接合部位、具体的な手技手順等は、実施形態において説明したものに限定されない。また、医療器具の材質、大きさ、形状、具体的な構造等は、癒合促進デバイスが備える本体部により被接合部位の生体組織の癒合を促進する機能を持つ限り、特に限定されない。
本出願は、2019年9月30日に出願された日本国特許出願第2019-179528号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。
1 医療デバイス、
100 癒合促進デバイス、
200 保持部、
210 牽引部、
220 接続部、
222 引掛部(第引掛部)、
300 補助デバイス、
310 装着部、
320 挿通部、
330 連通部、
340 引掛部(第引掛部)、
700 接合装置、
710 第1係合器具、
711 被係合部、
720 第2係合器具、
721 係合ピン、
A1 口側、
A11 縫合部、
A2 肛門側、
A21 貫通孔、
D 孔径、
E1 接合装置が接合した生体器官を打ち抜く領域、
H 体表面、
O1 本体部の中心位置、
O2 接続部の中心位置、
P ピッチ、
R ポート、
T 本体部の厚み。

Claims (8)

  1. 接合対象となる生体器官の間に配置され、生体組織の癒合を促進する癒合促進デバイスと、
    前記癒合促進デバイスの内方側から外方へ向かって延在し、前記生体器官に対する前記癒合促進デバイスの保持を補助する保持部と、
    前記保持部と接続可能な第1引掛部と、
    前記生体器官の外周に沿って装着可能な装着部と、を有し、
    前記生体器官に装着された状態で前記癒合促進デバイスを前記生体器官に対して保持する補助デバイスを備える、医療デバイス。
  2. 前記補助デバイスは、前記装着部に形成され前記生体器官が挿通される挿通部と、前記装着部に形成され前記装着部の外周側面と前記挿通部とを連通する連通部と、を有する、請求項に記載の医療デバイス。
  3. 接合対象となる生体器官の間に配置され、生体組織の癒合を促進する癒合促進デバイスと、
    前記癒合促進デバイスの内方側から外方へ向かって延在し、前記生体器官に対する前記癒合促進デバイスの保持を補助する保持部と、を有し、
    前記保持部は、牽引されることによって前記癒合促進デバイスに対して保持力を付与する複数の牽引部と、前記牽引部の各々との接続を可能にする複数の第2引掛部が設けられた接続部を備える、医療デバイス。
  4. 前記接続部は、回転対称な平面形状を有し、
    前記第2引掛部は、前記接続部の対向する箇所に対をなして少なくとも一組設けられる、請求項に記載の医療デバイス。
  5. 前記接続部は、前記生体器官の一方の接合部位に配置される第1係合器具と、前記生体器官の他方の被接合部位に配置され前記第1係合器具と対向する第2係合器具と、を備えた医療器具を挿通可能とする孔部を有する、請求項または請求項に記載の医療デバイス。
  6. 前記接続部は、前記医療器具によって前記癒合促進デバイスを前記生体組織に接合する際に、前記第2係合器具が打ち抜く領域よりも内方側に位置する請求項に記載の医療デバイス。
  7. 前記接続部は、前記癒合促進デバイスと一体に設けられる、請求項のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  8. 前記接続部は、前記癒合促進デバイスと別体に設けられる、請求項のいずれか1項に記載の医療デバイス。
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