JP7486459B2 - 回転工具、及び切削加工物の製造方法 - Google Patents

回転工具、及び切削加工物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7486459B2
JP7486459B2 JP2021073606A JP2021073606A JP7486459B2 JP 7486459 B2 JP7486459 B2 JP 7486459B2 JP 2021073606 A JP2021073606 A JP 2021073606A JP 2021073606 A JP2021073606 A JP 2021073606A JP 7486459 B2 JP7486459 B2 JP 7486459B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting edge
angle
cutting
rotation axis
blade
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021073606A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022167663A (ja
Inventor
駿 恩地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2021073606A priority Critical patent/JP7486459B2/ja
Publication of JP2022167663A publication Critical patent/JP2022167663A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7486459B2 publication Critical patent/JP7486459B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Milling Processes (AREA)

Description

本開示は、被削材の切削加工(転削加工)に用いられる回転工具、及び切削加工物の製造方法に関する。
金属材料等からなる被削材を転削加工する際に用いられる回転工具として、例えば特許文献1に記載のエンドミルが知られている。特許文献1に記載のエンドミルは、本体の先端側に位置する複数の底刃を有する。複数の底刃は、外周側からチゼルエッジまで延びた一の底刃(親刃)と、外周側からチゼルエッジに離れた位置まで延びた他の底刃(子刃)とを有する。これらの底刃は、回転軸に近づくに従って本体の後端に近づくように径方向(回転軸に直交する方向)に傾斜する。このとき、子刃の径方向に対する傾斜角は、親刃の径方向に対する傾斜角よりも大きくなっている。
特開2010-201565号公報
親刃と底刃とを備える回転工具において、親刃が早期に摩耗したり又は早期に欠損したりすることを回避することが好ましい。
本開示の一態様に係る回転工具は、第1端から第2端に向かって回転軸に沿って延び、第1端側に切削部を有した円柱形状の本体を備える。前記切削部は、前記本体の第1端側に位置する複数の切刃と、前記複数の切刃からそれぞれ前記本体の第2端に向かって延びた複数の排出溝と、を有している。前記複数の切刃は、外周側から前記回転軸に向かって延びた第1切刃と、前記第1切刃に対して前記回転軸の回転方向の前方に位置し、外周側から前記回転軸に向かって延びた第2切刃と、前記第2切刃に対して前記回転軸の回転方向の前方に位置し、外周側から前記回転軸に向かって延びた第3切刃と、を含んでいる。前記本体の第1端に向かって正面視した場合における、前記第1切刃と前記第2切刃との間の分割角を第1分割角とし、前記第2切刃と前記第3切刃との間の分割角を第2分割角としたときに、前記第2分割角が前記第1分割角よりも大きく設定されている。前記第1切刃は、前記回転軸に直交し、又は前記回転軸に近づくに従って前記本体の第2端に近づくように径方向(前記回転軸に直交する方向)に対して傾斜している。前記第2切刃は、前記回転軸に近づくに従って前記本体の第2端に近づくように前記径方向に対して傾斜している。前記第1切刃を側面視した場合における前記回転軸に対する前記第1切刃の傾斜角を第1すかし角とし、前記第2切刃を側面視した場合における前記回転軸に対する前記第2切刃の傾斜角を第2すかし角としたときに、前記第1すかし角が前記第2すかし角よりも小さく設定されている。
本開示の一態様によれば、被削材の切削加工時における第1刃に加わる切削負荷と第2刃に加わる切削負荷のばらつきを抑えて、回転工具の耐久性を高めることができる。
実施形態に係るエンドミルの斜視図である。 図1におけるII部の拡大斜視図である。 図1に示すエンドミルの正面図である。 図3におけるIV方向から見た側面図である。 図3におけるV方向から見た側面図である。 図3におけるVI-VI断面の拡大断面図である。 図3におけるVII-VII断面の拡大断面図である。 実施形態の変形例1に係るエンドミルの部分側面図である。 実施形態の変形例2に係るエンドミルの部分側面図である。 実施形態の変形例3に係るエンドミルの部分側面図である。 実施形態に係る切削加工物の製造方法を説明する模式図である。 実施形態に係る切削加工物の製造方法を説明する模式図である。 実施形態に係る切削加工物の製造方法を説明する模式図である。 実施形態に係る切削加工物の製造方法を説明する模式図である。
以下、本開示の実施形態の回転工具の一例としてのエンドミル、及び切削加工物の製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、実施形態を説明する上で必要な構成要素のみを簡略化して示したものである。従って、回転工具の一例としてのエンドミルは、参照する各図に示されていない任意の構成要素を備え得る。また、各図中の構成要素の寸法は、実際の構成要素の寸法および各構成要素の寸法比率等を忠実に表したものではない。
本開示において、回転軸とは、回転工具の回転軸(回転軸心)のことであり、周方向とは、回転軸周りの方向のことをいう。径方向とは、回転軸及び周方向に対して直交する方向のことであり、径方向内側とは、径方向のうち回転軸に近づく方向又は近づく側のことであり、径方向外側とは、径方向のうち回転軸から遠ざかる方向又は遠ざかる側のことである。
<本開示の実施形態に係るエンドミル>
図1~7を参照して、実施形態の回転工具の一例であるエンドミル10の構成について説明する。図1は、実施形態に係るエンドミルの斜視図である。図2は、図1におけるII部の拡大斜視図である。図3は、図1に示すエンドミルの正面図である。図4は、図3におけるIV方向から見た側面図である。図5は、図3におけるV方向から見た側面図である。図6は、図3におけるVI-VI断面の拡大断面図である。図7は、図3におけるVII-VII断面の拡大断面図である。
図1及び2に示すように、本実施形態の回転工具の一例であるエンドミル10は、金属材料等からなる被削材W(図8参照)の切削加工(転削加工)に用いられるエンドミルである。被削材Wの切削加工としては、例えば肩削り加工、溝加工、R削り加工、倣い加工等が挙げられる。エンドミル10は、例えば超硬合金、サーメット、及びcBN等の硬質材料からなるソリッドタイプのエンドミルである。エンドミル10は、円柱形状の本体12を備えており、本体12は、先端(第1端)12aから後端(第2端)12bに向かって回転軸Sに沿って延びている。本体12は、その先端12a側に、被削材W(図11参照)に接触して転削加工を行う切削部14を有している。本体12は、その後端12b側に、工作機械の主軸にアーバを介して装着されるシャンク部16を有している。少なくとも切削部14が例えば超硬合金、サーメット、及びcBN等の硬質材料からなるものであれば、エンドミル10がソリッドタイプのエンドミルでなくてもよい。
図1~5に示すように、切削部14は、複数の切刃の一例としての複数の底刃18を有しており、複数の底刃18は、本体12の先端12a側に周方向に間隔を置いて位置している。切削部14は、回転軸Sを通るチゼルエッジ20を有しており、チゼルエッジ20は、本体12の先端12a側に位置している。チゼルエッジ20は、被削材Wの一部を押し潰す作用を有する。
切削部14は、切削加工によって生じた切屑を外部に排出するための複数の排出溝22を有している。複数の排出溝22は、本体12の外周面に周方向に間隔を置いて形成されており、複数の底刃18からそれぞれ本体12の後端12bに向かって螺旋状に延びている。各排出溝22の回転軸Sの回転方向Tに向かう側の壁面の外周端には、切刃の一例としての外周刃24が位置している。外周刃24の数は、排出溝22の数と同じである。各外周刃24の排出溝22側には、すくい面26が位置しており、各外周刃24における回転軸Sの回転方向Tの後方(回転方向Tの反対側)には、逃げ面28が位置している。すくい面26と逃げ面28の交差稜線には、外周刃24が位置している。
複数の底刃18には、第1切刃としての第1底刃30が含まれており、第1底刃30は、外周側から回転軸Sに向かってチゼルエッジ20から離れた位置まで延びた子刃である。第1底刃30の排出溝22側には、平面状のすくい面32が位置しており、第1底刃30における回転軸Sの回転方向Tの後方には、逃げ面34が位置している。すくい面32と逃げ面34との交差稜線には、第1底刃30が位置している。第1底刃30の径方向外側の端部は、外周刃24の先端にコーナ部36を介して滑らかに接続されている。コーナ部36は、切刃としての機能を有している。
複数の底刃18には、第2切刃としての第2底刃38が含まれており、第2底刃38は、外周側から回転軸Sに向かってチゼルエッジ20まで延びた親刃である。第2底刃38は、第1底刃30に対して回転軸Sの回転方向Tの前方に位置する。第2底刃38の排出溝22側には、平面状のすくい面40が位置しており、第2底刃38における回転軸Sの回転方向Tの後方には、逃げ面42が位置している。すくい面40と逃げ面42との交差稜線には、第2底刃38が位置している。第2底刃38の径方向外側の端部は、外周刃24の先端にコーナ部44を介して滑らかに接続されている。コーナ部44は、切刃としての機能を有している。
複数の底刃18には、第3切刃としての第3底刃46が含まれており、第3底刃46は、外周側から回転軸Sに向かってチゼルエッジ20から離れた位置まで延びた子刃である。第3底刃46は、第2底刃38に対して回転軸Sの回転方向Tの前方に位置する。第3底刃46は、第1底刃30に対して回転軸Sを中心として回転対称になっている。第3底刃46の排出溝22側には、平面状のすくい面48が位置しており、第3底刃46における回転軸Sの回転方向Tの後方には、逃げ面50が位置している。すくい面48と逃げ面50との交差稜線には、第3底刃46が位置している。第3底刃46の径方向外側の端部は、外周刃24の先端にコーナ部52を介して滑らかに接続されている。コーナ部52は、切刃としての機能を有している。
複数の底刃18には、第4切刃としての第4底刃54が含まれており、第4底刃54は、外周側から回転軸Sに向かってチゼルエッジ20まで延びた親刃である。第4底刃54は、第3底刃46に対して回転軸Sの回転方向Tの前方に位置する。第4底刃54は、第2底刃38に対して回転軸Sを中心として回転対称になっている。第4底刃54の排出溝22側には、平面状のすくい面56が位置しており、第4底刃54における回転軸Sの回転方向Tの後方には、逃げ面58が位置している。すくい面56と逃げ面58との交差稜線には、第4底刃54が位置している。第4底刃54の径方向外側の端部は、外周刃24の先端にコーナ部60を介して滑らかに接続されている。コーナ部60は、切刃としての機能を有している。第4底刃54の逃げ面58は、第2底刃38の逃げ面42にチゼルエッジ20を介して接続されている。
一例としてのエンドミル10は、4枚の底刃18(第1底刃30、第2底刃38、第3底刃46、第4底刃54)を有しているが、底刃18の枚数を3枚又は5枚以上にしてもよい。
図3、6、及び7に示すように、第1底刃30のすくい角を第1すくい角α1とし、第2底刃38のすくい角を第2すくい角α2とする。第1すくい角α1は、第2すくい角α2よりも大きく設定されてもよい。チゼルエッジ20に接続される親刃である第2底刃38と比較して、チゼルエッジ20から離れて位置する子刃である第1底刃30においては、例えば回転軸Sに近い端部などに切削負荷が集中する恐れがある。しかしながら、第1すくい角α1が第2すくい角α2よりも大きい場合には、第1底刃30に加わる切削負荷を軽減できる。そのため、複数の底刃18全体としても耐久性が高い。
第3底刃46のすくい角を第3すくい角とし、第4底刃54のすくい角を第4すくい角とする。第3すくい角は、第4すくい角よりも大きく設定されてもよい。この場合には、上記した内容と同じ理由で、子刃である第3底刃46に加わる切削負荷を軽減できる。そのため、複数の底刃18全体としても耐久性が高い。
第3すくい角は、第1すくい角α1と同じに設定されてもよく、第4すくい角は、第2すくい角α2と同じに設定されてもよい。2つのすくい角を同じするとは、2つのすくい角の差分を1度以内にすることである。第3すくい角が第1すくい角α1と同じである場合には、第1底刃30及び第3底刃46に加わる切削負荷のばらつきを抑えることができる。そのため、ビビリ振動が小さく抑えられる。また、第4すくい角が第2すくい角α2と同じである場合には、第2底刃38及び第4底刃54に加わる切削負荷のばらつきを抑えることができる。そのため、ビビリ振動が小さく抑えられる。
図3に示すように、本体12の先端12aに向かって正面視した場合における、第1底刃30と第2底刃38との間の分割角を第1分割角θ1とし、第2底刃38と第3底刃46との分割角を第2分割角θ2とし、第3底刃46と第4底刃54との分割角を第3分割角θ3とする。このとき、第2分割角θ2は、第1分割角θ1よりも大きく設定されてもよい。第2分割角θ2が第1分割角θ1よりも大きい場合には、第1底刃30に加わる切削負荷を軽減できる。そのため、複数の底刃18全体としても耐久性が高い。
第3分割角θ3は、第1分割角θ1と同じに設定されてもよい。2つの分割角を同じするとは、2つの分割角の差分を1度以内にすることである。このように分割角が設定された場合には、第1底刃30及び第3底刃46に加わる切削負荷のばらつきを抑えることができる。
図4及び5に示すように、第1底刃30は、回転軸Sに近づくに従って本体12の後端12bに近づくように径方向(回転軸Sに直交する方向)に対して傾斜してもよい。また、第1底刃30は、回転軸Sに直交してもよい。第2底刃38は、回転軸Sに近づくに従って本体12の後端12bに近づくように径方向に対して傾斜している。ここで、第2底刃38の径方向外側の端部は、第1底刃30の径方向外側の端部よりも本体12の後端12bから離れてもよい。このような場合には、親刃である第2底刃38が安定して被削材に接触し易い。また、子刃である第1底刃30に加わる切削負荷が抑制されるため、第1底刃30の耐久性を高めることができる。
上述したように、第1すくい角α1が第2すくい角α2よりも大きい場合には、第2底刃38と比較して第1底刃30の耐久性が低下し易い。しかしながら、子刃である第1底刃30に加わる切削負荷が抑制されるため、第1底刃30が損傷しにくい。
第3底刃46は、回転軸Sに近づくに従って本体12の後端12bに近づくように径方向に対して傾斜してもよい。また、第3底刃46は、回転軸Sに直交してもよい。第4底刃54は、回転軸Sに近づくに従って本体12の後端12bに近づくように径方向に対して傾斜している。ここで、第4底刃54の径方向外側の端部は、第3底刃46の径方向外側の端部よりも本体12の後端12bから離れてもよい。このような場合には、親刃である第4底刃54が安定して被削材に接触し易い。また、子刃である第3底刃46に加わる切削負荷が抑制されるため、第3底刃46の耐久性を高めることができる。
第3底刃46の径方向外側の端部は、回転軸Sに沿った方向において、第1底刃30の径方向外側の端部と同じ位置に位置してもよい。この場合には、第1底刃30に加わる切削負荷と、第3底刃46に加わる切削負荷に加わる切削負荷とのばらつきを小さく抑えることができる。そのため、複数の底刃18全体としての耐久性が高い。また、第4底刃54の径方向外側の端部は、回転軸Sに沿った方向において、第2底刃38の径方向外側の端部と同じ位置に位置してもよい。この場合には、第2底刃38に加わる切削負荷と、第4底刃54に加わる切削負荷に加わる切削負荷とのばらつきを小さく抑えることができる。そのため、複数の底刃18全体としての耐久性が高い。
第1底刃30を側面視した場合における回転軸Sに対する第1底刃30の傾斜角を第1すかし角β1とし、第2底刃38を側面視した場合における回転軸Sに対する第2底刃38の傾斜角を第2すかし角β2とする。第3底刃46を側面視した場合における回転軸Sに対する第3底刃46の傾斜角を第3すかし角β3とし、第4底刃54を側面視した場合における回転軸Sに対する第4底刃54の傾斜角を第4すかし角β4とする。
このとき、第1すかし角β1は、第2すかし角β2よりも小さく設定されてもよい。この場合には、第2底刃38をいわゆる主切刃、第1底刃30をいわゆるさらい刃として使い分けることができる。第1底刃30の第1すかし角β1が相対的に小さい場合には、切削加工物の加工面に対する第1底刃30の傾斜角が小さい。そのため、第1底刃30をさらい刃として用いることができる。
例えば、上述したように、第1すくい角α1が第2すくい角α2よりも大きい場合には、第1底刃30のさらい刃としての機能が向上する。また、上述したように、第2底刃38の径方向外側の端部が第1底刃30の径方向外側の端部よりも本体12の後端12bから離れている場合には、第2底刃38と比較して、第1底刃30に加わる切削負荷が抑制されるため、第1底刃30が損傷しにくい。したがって、第1底刃30をさらい刃として用いた場合であっても第1底刃30が損傷しにくい
第3すかし角β3は、第1すかし角β1と同じに設定されてもよく、第4すかし角β4は、第2すかし角β2と同じに設定されてもよい。2つのすかし角を同じするとは、2つのすかし角の差分を1度以内にすることである。このようにすかし角が設定された場合には、第3底刃46をいわゆる主切刃、第4底刃54をいわゆるさらい刃として使い分けることができる。さらに、さらい刃として用いられる第1底刃30及び第3底刃46に加わる切削負荷のばらつきが小さい。また、主切刃として用いられる第2底刃38及び第4底刃54に加わる切削負荷のばらつきが小さい。従って、複数の底刃18全体としても耐久性が高い。
図3に示すように、第2底刃38のすくい面40側には、シンニング面62が位置しており、シンニング面62は、外周側に近づくに従って本体12の後端12bに近づくように径方向に対して傾斜している。第4底刃54のすくい面56側には、シンニング面64が位置しており、シンニング面64は、外周側に近づくに従って本体12の後端12bに近づくように径方向に対して傾斜している。これにより、第2底刃38及び第4底刃54によって生じた切屑を流すためのスペースを確保しつつ、エンドミル10の芯厚を厚くすることができる。
前述のように、第2分割角θ2が第1分割角θ1よりも大きく設定されてもよく、第3分割角θ3が第1分割角θ1と同じに設定されてもよい。第1すかし角β1が第2すかし角β2よりも小さく設定されてもよく、第3すかし角β3が第1すかし角β1と同じに設定されてもよい。第1すくい角α1が第2すくい角α2よりも大きく設定されてもよく、第3すくい角が第4すくい角よりも大きく設定されてもよい。このように分割角及びすかし角が設定された場合には、被削材Wの切削加工時における第1底刃30及び第3底刃46に加わる切削負荷と、第2底刃38及び第4底刃54に加わる切削負荷のばらつきを抑えて、エンドミル10の耐久性を高めることができる。特に、第1すくい角α1が第2すくい角α2よりも大きく設定されてもよく、第3すくい角が第4すくい角よりも大きく設定された場合には、前述の効果をより高めることができる。
<本開示の実施形態の変形例1>
本実施形態の変形例1の構成について図8を参照して説明する。図8は、実施形態の変形例1に係るエンドミルの部分側面図である。
図8に示すように、本実施形態の変形例1においては、第2底刃38は、径方向外側に位置する外側部位(第1部位)38eと、径方向内側に位置する内側部位(第2部位)38iとを有している。第2底刃38を側面視した場合における、回転軸Sに対する外側部位38eの傾斜角を外側第2すかし角β2eとし、回転軸Sに対する内側部位38iの傾斜角を内側第2すかし角β2iとする。
このとき、内側第2すかし角β2iは、外側第2すかし角β2eよりも大きく設定されてもよい。内側部位38iと比較して外側部位38eには大きな切削負荷が加わり易い。しかしながら、外側第2すかし角β2eが内側第2すかし角β2iよりも大きく設定されている場合には、外側部位38eの耐久性を高めることができる。さらに、内側第2すかし角β2iが外側第2すかし角β2eよりも大きいことから、第2底刃38に加わる切削負荷の全体としては、過度に大きくなることが避けられ易い。
第2底刃38の外側部位38eの少なくとも一部は、第1底刃30の径方向外側の端部よりも本体12の後端12bから離れてもよい。この場合、子刃である第1底刃30に加わる切削負荷が抑制されるため、第1底刃30の耐久性を高めることができる。ここで、第2底刃38の内側部位38iの少なくとも一部は、第1底刃30の径方向内側の端部よりも本体の後端12bに近くなってもよい。この場合には、第1底刃30に加わる切削負荷及び第2底刃38に加わる切削負荷のばらつきが過度に大きくなることが避けられる。
第4底刃54は、径方向外側に位置する外側部位54eと、径方向内側に位置する内側部位54iとを有している。第4底刃54の外側部位54eの少なくとも一部は、第1切刃としての第1底刃30の径方向外側の端部よりも本体12の後端12bから離れてもよい。第4底刃54を側面視した場合における、回転軸Sに対する外側部位54eの傾斜角を外側第4すかし角β4eとし、回転軸Sに対する内側部位54iの傾斜角を内側第4すかし角β4iとする。
このとき、内側第4すかし角β4iは、外側第4すかし角β4eよりも大きく設定されてもよい。内側部位54iと比較して外側部位54eには大きな切削負荷が加わり易い。しかしながら、外側第4すかし角β4eが内側第4すかし角β4iよりも大きく設定されている場合には、外側部位54eの耐久性を高めることができる。さらに、内側第4すかし角β4iが外側第2すかし角β4eよりも大きいことから、第4底刃54に加わる切削負荷の全体としては、過度に大きくなることが避けられ易い。
第4底刃54の内側部位54iの少なくとも一部は、第1底刃30の径方向内側の端部よりも本体の後端12bに近くなってもよい。この場合には、第1底刃30に加わる切削負荷及び第4底刃54に加わる切削負荷のばらつきが過度に大きくなることが避けられる。
<本開示の実施形態の変形例2>
本開示の実施形態の変形例2について図9を参照して説明する。図9は、実施形態の変形例2に係るエンドミルの部分側面図である。
図9に示すように、本実施形態の変形例2においては、第2切刃としての第2底刃38の径方向外側の端部は、第1底刃30の径方向外側の端部よりも本体12の後端12bに近くてもよい。第4底刃54の径方向外側の端部は、第1底刃30の径方向外側の端部よりも本体12の後端12bに近くてもよい。この場合には、切削加工物の加工面が第2底刃38及び又は/第4底刃54によって形成され易い。そのため、加工面の面品位を向上させることができる。良好な面品位の切削加工物を作製することが求められる場合、本変形例が有効である。
<本開示の実施形態の変形例3>
本開示の実施形態の変形例3について図10を参照して説明する。図10は、実施形態の変形例3に係るエンドミルの部分側面図である。
図10に示すように、本実施形態の変形例3においては、第3分割角θ3は、第1分割角θ1よりも小さく設定されてもよい。このように第3分割角θ3が第1分割角θ1と異なる値である場合には、ビビリ振動を抑えることができる。第3底刃46は、回転軸に近づくに従って本体12の後端12bに近づくように径方向に対して傾斜している。第1すかし角β1は、第3すかし角β3よりも小さく設定されてもよい。このようにすかし角が設定された場合には、加工面の面品位を向上させることができる。
<本開示の実施形態に係る切削加工物の製造方法>
本開示の実施形態に係る切削加工物の製造方法について図11~14を参照して説明する。図11~14は、実施形態に係る切削加工物の製造方法を説明する模式図である。
図11~14に示すように、本実施形態に係る切削加工物の製造方法は、切削加工済みの被削材Wである切削加工物を製造Mするための方法であって、第1工程と、第2工程と、第3工程とを備えている。第1工程とは、回転工具としてのエンドミル10を回転させる工程のことである。第2工程とは、回転しているエンドミル10を被削材Wに接触させる工程のことである。第3工程とは、エンドミル10を被削材Wから離す工程のことである。そして、本実施形態に係る切削加工物の製造方法の具体的な内容は、次の通りである。
図11及び12に示すように、エンドミル10を回転軸Sの回転方向Tに回転させつつ、矢印D1方向へ移動させて、被削材Wに近づける。次に、図13に示すように、回転しているエンドミル10を被削材Wに接触させながら、矢印D2方向へ移動させる。これにより、被削材Wの切削加工(転削加工)が行われ、複数の外周刃24によって被削材Wに側方加工面Wsが形成されると共に、複数の底刃18によって被削材Wに底加工面Wfが形成される。
その後、図14に示すように、エンドミル10を矢印D3方向へ移動させて、被削材Wから離す。これにより、被削材Wの切削加工が終了し、切削加工済みの被削材Wである切削加工物Mを製造することができる。エンドミル10が前述した理由から優れた切削能力を備えているので、加工精度に優れた切削加工物Mを製造することができる。
切削加工を継続する場合には、エンドミル10を回転させた状態で、被削材Wの異なる箇所へのエンドミル10の接触を繰り返せばよい。本実施形態では、エンドミル10を被削材Wに近づけているが、エンドミル10と被削材Wとが相対的に近づけばよいため、例えば被削材Wをエンドミル10に近づけてもよい。この点、エンドミル10を被削材Wから離す場合も同様である。
以上、本開示に係る発明について、諸図面および実施例に基づいて説明してきた。しかし、本開示に係る発明は前述した各実施形態に限定されるものではない。すなわち、本開示に係る発明は本開示で示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示に係る発明の技術的範囲に含まれる。つまり、当業者であれば本開示に基づき種々の変形または修正を行うことが容易であることに注意されたい。また、これらの変形または修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。
10 エンドミル(回転工具)
12 本体
12a 先端(第1端)
12b 後端(第2端)
14 切削部
16 シャンク部
18 底刃(切刃)
20 チゼルエッジ
22 排出溝
24 外周刃(切刃)
30 第1底刃(第1切刃、子刃)
38 第2底刃(第2切刃、親刃)
38e 外側部位(第1部位)
38i 内側部位(第2部位)
46 第3底刃(第3切刃、子刃)
54 第4底刃(第4切刃、親刃)
54e 外側部位(第1部位)
54i 内側部位(第2部位)
S 回転軸
T 回転方向
θ1 第1分割角
θ2 第2分割角
θ3 第3分割角
α1 第1すくい角
α2 第2すくい角
β1 第1すかし角
β2 第2すかし角
β2e 外側第2すかし角
β2i 内側第2すかし角
β3 第3すかし角
β4 第4すかし角
β4e 外側第4すかし角
β4i 内側第4すかし角
W 被削材
Wf 底加工面
Ws 側方加工面
M 切削加工物

Claims (6)

  1. 第1端から第2端に向かって回転軸に沿って延び、第1端側に切削部を有した円柱形状の本体を備え、
    前記切削部は、
    前記本体の第1端側に位置する複数の切刃と、
    前記本体の第1端側に位置し、前記回転軸を通るチゼルエッジと、
    前記複数の切刃からそれぞれ前記本体の第2端に向かって延びた複数の排出溝と、を有し、
    前記複数の切刃は、
    外周側から前記回転軸に向かって延びた第1切刃と、
    前記第1切刃に対して前記回転軸の回転方向の前方に位置し、外周側から前記回転軸に向かって延びた第2切刃と、
    前記第2切刃に対して前記回転軸の回転方向の前方に位置し、外周側から前記回転軸に向かって延びた第3切刃と、を含み、
    前記第2切刃は、前記チゼルエッジまで延びた親刃であり、
    前記第1切刃及び前記第3切刃は、それぞれ前記チゼルエッジに離れた位置まで延びた子刃であって、
    前記本体の第1端に向かって正面視した場合における、前記第1切刃と前記第2切刃との間の分割角を第1分割角とし、前記第2切刃と前記第3切刃との間の分割角を第2分割角としたときに、前記第2分割角が前記第1分割角よりも大きく設定され、
    前記第1切刃は、前記回転軸に直交し、又は前記回転軸に近づくに従って前記本体の第2端に近づくように径方向に対して傾斜し、
    前記第2切刃は、前記回転軸に近づくに従って前記本体の第端に近づくように前記径方向に対して傾斜し、
    前記第1切刃を側面視した場合における前記回転軸に対する前記第1切刃の傾斜角を第1すかし角とし、前記第2切刃を側面視した場合における前記回転軸に対する前記第2切刃の傾斜角を第2すかし角としたときに、前記第1すかし角が前記第2すかし角よりも小さく設定され
    前記第2切刃の径方向外側の端部は、前記第1切刃の径方向外側の端部よりも前記本体の第2端から離れており、
    前記第2切刃は、
    径方向外側に位置する第1部位と、
    径方向内側に位置する第2部位と、を有し、
    前記第2切刃を側面視した場合における、前記回転軸に対する前記第1部位の傾斜角を外側第2すかし角とし、前記回転軸に対する前記第2部位の傾斜角を内側第2すかし角としたときに、前記内側第2すかし角が前記外側第2すかし角よりも大きく設定されている、回転工具。
  2. 前記第1部位の少なくとも一部は、前記第1切刃の径方向外側の端部よりも前記本体の第2端から離れ、
    前記第2部位の少なくとも一部は、前記第1切刃の径方向内側の端部よりも前記本体の第2端に近くなっている、請求項に記載の回転工具。
  3. 前記第1切刃のすくい角を第1すくい角とし、前記第2切刃のすくい角を第2すくい角としたときに、前記第1すくい角が前記第2すくい角よりも大きく設定されている、請求項1又は2に記載の回転工具。
  4. 前記複数の切刃は、
    前記第3切刃に対して前記回転軸の回転方向の前方に位置し、外周側から前記回転軸に向かって延びた第4切刃を更に含み、
    前記本体の第1端に向かって正面視した場合における前記第3切刃と前記第4切刃との間の分割角を第3分割角としたときに、前記第3分割角が前記第1分割角よりも小さく設定され、
    前記第3切刃は、前記回転軸に近づくに従って前記本体の第2端に近づくように前記径方向に対して傾斜し、
    前記第3切刃を側面視した場合における前記回転軸に対する前記第3切刃の傾斜角を第3すかし角としたときに、前記第1すかし角が前記第3すかし角よりも小さく設定されている、請求項からのうちのいずれか1項に回転工具。
  5. 前記複数の切刃は、
    前記第3切刃に対して前記回転軸の回転方向の前方に位置し、外周側から前記回転軸に向かって延びた第4切刃を更に含み、
    前記本体の第1端に向かって正面視した場合における前記第3切刃と前記第4切刃との間の分割角を第3分割角としたときに、前記第3分割角が前記第1分割角と同じに設定され、
    前記第3切刃は、前記回転軸に直交し、又は前記回転軸に近づくに従って前記本体の第2端に近づくように前記径方向に対して傾斜し、
    前記第3切刃を側面視した場合における前記回転軸に対する前記第3切刃の傾斜角を第3すかし角としたときに、前記第3すかし角が前記第1すかし角と同じに設定されている、請求項からのうちのいずれか1項に回転工具。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載の回転工具を回転させる工程と、
    回転している前記回転工具を被削材に接触させる工程と、
    前記回転工具を前記被削材から離す工程と、を備える、切削加工物の製造方法。
JP2021073606A 2021-04-23 2021-04-23 回転工具、及び切削加工物の製造方法 Active JP7486459B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021073606A JP7486459B2 (ja) 2021-04-23 2021-04-23 回転工具、及び切削加工物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021073606A JP7486459B2 (ja) 2021-04-23 2021-04-23 回転工具、及び切削加工物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022167663A JP2022167663A (ja) 2022-11-04
JP7486459B2 true JP7486459B2 (ja) 2024-05-17

Family

ID=83852408

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021073606A Active JP7486459B2 (ja) 2021-04-23 2021-04-23 回転工具、及び切削加工物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7486459B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004223642A (ja) 2003-01-22 2004-08-12 Osg Corp スクエアエンドミル
JP2010201565A (ja) 2009-03-03 2010-09-16 Mitsubishi Materials Corp エンドミル
JP2015168058A (ja) 2014-03-07 2015-09-28 ギューリング カーゲーGuehring Kg エンドミル
JP2017196694A (ja) 2016-04-27 2017-11-02 国立大学法人名古屋大学 エンドミル

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004223642A (ja) 2003-01-22 2004-08-12 Osg Corp スクエアエンドミル
JP2010201565A (ja) 2009-03-03 2010-09-16 Mitsubishi Materials Corp エンドミル
JP2015168058A (ja) 2014-03-07 2015-09-28 ギューリング カーゲーGuehring Kg エンドミル
JP2017196694A (ja) 2016-04-27 2017-11-02 国立大学法人名古屋大学 エンドミル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022167663A (ja) 2022-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6532940B2 (ja) 両面型切削インサートおよびフライス工具
EP1807233B1 (en) Helical flute end mill with multi-section cutting edge
JP5526924B2 (ja) エンドミル
JPS639927B2 (ja)
EP2181787B1 (en) End mill
US8056452B2 (en) Method of machining crankshafts and a crankshaft machining tool insert therefor
US20150258616A1 (en) End mill
JP2018534159A (ja) 旋削インサートおよび方法
JP6708668B2 (ja) エンドミル及び切削加工物の製造方法
JP6473761B2 (ja) エンドミルおよび切削加工物の製造方法
CN108430682B (zh) 螺纹切削刀具
JP2007276010A (ja) 回転切削工具及びその製造方法
JP2016190300A (ja) ラフィングエンドミル
JP4677722B2 (ja) 3枚刃ボールエンドミル
EP3785834A1 (en) Cutting insert
JP7486459B2 (ja) 回転工具、及び切削加工物の製造方法
US11253934B2 (en) End mill with independent rake surfaces
JP2019115939A (ja) 回転工具及び切削加工物の製造方法
JP2008044040A (ja) 回転切削工具
JP4965140B2 (ja) スローアウェイエンドミルおよび回転切削工具
CN112118928B (zh) 用于钻头的切削刀具以及钻头
JP6902284B2 (ja) 切削工具
JP2006281391A (ja) インサート及びインサート着脱式穴あけ工具
JP3354905B2 (ja) 荒切削用総形フライス
WO2023054574A1 (ja) 回転工具、及び切削加工物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240301

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240423

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240507

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7486459

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150