JP7484640B2 - ガラス板梱包体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス板梱包体を製造する方法に関する。
周知のように、ディスプレイ用のガラス基板、太陽電池用のガラス基板等の各種ガラス板を輸送するための形態として、ガラス板梱包体が多用されている。ガラス板梱包体は、元材ロールから矩形状の樹脂シートを保護シートとして切り出し、複数のガラス板をこの樹脂シートを介してパレット上に積載することにより製造される(例えば特許文献1参照)。
ガラス板梱包体の製造に使用される元材ロールは、例えばインフレーション成形によって製造される。インフレーション成形では、樹脂原料を溶融混練した後、溶融樹脂を環状スリットから連続的に押し出してチューブ状の樹脂バブルを形成する。さらに、この樹脂バブル内に空気を閉じこめて膨張させつつ冷却固化させることで、チューブ状のフィルムを形成し、当該チューブ状フィルムをシート状に畳んだ後にロール状に巻き取ることで、元材ロールが形成される(例えば特許文献2参照)。
樹脂シートとしては、運搬時における高い緩衝性を発揮するために、例えばポリエチレン系の発泡樹脂シートが使用される。この種の樹脂シートは帯電しやすく、周辺雰囲気中のゴミや埃等の汚染物がその表面に付着しやすい。汚染物が多く付着した樹脂フィルムをガラス板に接触させると、当該樹脂シートの汚染物がガラス板に転写し、ガラス板が汚染されてしまう。
さらに、ガラス板梱包体からガラス板を取り出す際に、ガラス板から樹脂シートを剥離させると、ガラス板自体が帯電(剥離帯電)しやすくなる。この場合、帯電したガラス板の表面に周辺雰囲気中の汚染物が付着し、ガラス板の汚染を招くおそれがある。
樹脂シートへの汚染物の付着を防止するために、樹脂シートに界面活性剤を含浸させ、或いは元材ロールの製造時において、樹脂原料に帯電防止剤を配合するといった措置が講じられている。樹脂シートの帯電防止性は、元材ロールを製造した後に、当該元材ロールの表面固有抵抗値(抵抗率)を測定することにより確認できる。表面固有抵抗値の測定は、例えばJIS K6911-1995 5.13に準拠して行われる(例えば特許文献3参照)。具体的には、相対湿度65%±5%、温度20℃±5℃の空間内で、表面固有抵抗値の測定が行われる。
特開2018-104105号公報 特開2001-246668号公報 特開2013-136656号公報
しかしながら、樹脂シートの表面固有抵抗値は、湿度等の測定条件によって測定値が変化する。測定値の変化量は、例えば樹脂シートの製造方法によって異なる。また、測定値の変化量は、界面活性剤といった添加剤の種類や含有量によっても異なる。
このため、ガラス板梱包体を製造する工程において使用された樹脂シートの表面固有抵抗値を測定すると、事前に管理されている元材ロールの表面固有抵抗値と大きく異なるといった事態が生じる。このため、樹脂シートが帯電してゴミや埃等の汚染物が樹脂シートの表面に付着し、その結果、ガラス板を汚染するおそれがある。このような問題は、樹脂シートに限らず、ガラス合紙を保護シートとして使用する場合にも起こり得る。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、保護シートの表面固有抵抗値を適切に管理することにより、梱包工程における保護シートの帯電を防止することを技術的課題とする。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、ガラス板と、保護シートとをパレットに積載する梱包工程を備える、ガラス板梱包体の製造方法において、前記梱包工程に供される前の前記保護シートの表面固有抵抗値を管理する管理工程を備え、前記管理工程では、前記梱包工程における湿度と同程度の湿度で、前記表面固有抵抗値を管理することを特徴とする。
この場合において、前記保護シートとしては、樹脂シートを用いてもよい。
かかる構成によれば、樹脂シートの表面固有抵抗値を所望の範囲に管理する管理工程において、梱包工程における湿度と同程度の湿度で、表面固有抵抗値を管理する。このため、管理工程で管理される表面固有抵抗値と、梱包工程において測定される表面固有抵抗値とが大きく異なるといった事態を防止することができる。その結果、梱包工程において樹脂シートの帯電を抑制し、樹脂シート及びガラス板に付着する汚染物を可及的に低減できる。
前記管理工程における前記樹脂シートの前記表面固有抵抗値は、10~1012Ω/□であってもよい。これにより、梱包工程において樹脂シートの帯電を確実に抑制でき、当該樹脂シート及びガラス板に付着する汚染物を確実に低減できる。
前記梱包工程における前記湿度は30~60%であってもよい。これにより、ガラス板に結露を生じさせることなくガラス板梱包体を製造できる。
本発明に係るガラス板梱包体の製造方法では、前記樹脂シートは、前記表面固有抵抗値が低い第一の面と、前記表面固有抵抗値が高い第二の面とを有し、前記梱包工程において、前記樹脂シートは、前記第一の面が前記ガラス板の品質保証面と接触するように前記ガラス板に積層されてもよい。これにより、ガラス板の品質保証面に付着する汚染物を可及的に低減させることができる。
本方法において、前記保護シートとしては、ガラス合紙を用いてもよい。この場合において、前記管理工程における前記ガラス合紙の前記表面固有抵抗値は、9.5×1010~2.7×1011Ω/□であってもよい。また、前記梱包工程における前記湿度は、45~55%であってもよい。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、ガラス板と樹脂シートとをパレットに積載してなるガラス板梱包体であって、前記樹脂シートは、湿度30~60%における表面固有抵抗値が10~1012Ω/□であり、前記樹脂シートは、前記表面固有抵抗
値が低い第一の面と、前記表面固有抵抗値が高い第二の面とを有しており、前記樹脂シートの前記第一の面が前記ガラス板の品質保証面に接触することを特徴とする。
かかる構成によれば、ガラス板梱包体における樹脂シートの表面固有抵抗値を10~1012Ω/□とすることで、樹脂シートの帯電を抑制でき、当該樹脂シートに付着する汚染物を可及的に低減できる。また、樹脂シートにおいて表面固有抵抗値が低い第一の面をガラス板の品質保証面に接触させることで、当該品質保証面に付着する汚染物を可及的に低減できる。
本発明によれば、保護シートの表面固有抵抗値を適切に管理することにより、梱包工程における保護シートの帯電を防止できる。
ガラス板梱包体の製造装置を示す概略図である。 ガラス板及び樹脂シートの斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。図1及び図2は、本発明に係るガラス板梱包体及びその製造方法の一実施形態を示す。
本発明により製造されるガラス板梱包体GPは、ガラス板Gと保護シートとが交互に積層されるガラス板積層体GLを、パレットP上に載置することにより構成される。以下の説明では、保護シートとして樹脂シートPSを例示するが、これに限らずガラス合紙を保護シートとして使用してもよい。
ガラス板積層体GLにおけるガラス板Gは、例えばオーバーフローダウンドロー法によって形成される長尺状のガラスリボンを矩形状に切断することにより構成される。オーバーフローダウンドロー法は、断面が略くさび形の成形体の上部に設けられたオーバーフロー溝に溶融ガラスを流し込み、このオーバーフロー溝から両側に溢れ出た溶融ガラスを成形体の両側の側壁部に沿って流下させながら、成形体の下端部で融合一体化し、ガラスリボンを連続成形するというものである。
特にオーバーフローダウンドロー法では、成形されたガラスリボンの表裏両面が、成形過程において、成形体の如何なる部位とも接触せずに成形されるので、非常に平面度がよく傷等の欠陥のない火造り面となる。
ガラス板Gの厚みは、例えば0.2~3.0mmとされるが、この寸法に限定されない。ガラス板Gは、品質保証面である第一の面Gaと、当該第一の面Gaとは反対側の非保証面である第二の面Gbとを有する。
樹脂シートPSとしては、例えばポリエチレンを主成分とする樹脂により構成される発泡樹脂シートが使用されるが、この構成に限定されるものではない。樹脂シートPSは、ポリマー型帯電防止剤等の帯電防止剤、或いはアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤を含有する。樹脂シートPSの表面固有抵抗値は、10~1012Ω/□とされることが好ましい。樹脂シートPSの厚みは、0.15~2.00mmとされるが、この範囲に限定されるものではない。
樹脂シートPSは、矩形状に構成されており、ガラス板Gよりも大きな面積を有する。樹脂シートPSは、例えばインフレーション成形によって製造された元材ロールRからシート元材OSを引き出し、当該シート元材OSを所定の寸法に切断することによって形成される。
樹脂シートPSは、第一の面PSaと第二の面PSbとを有する。本実施形態に係る樹脂シートPSでは、第一の面PSaにおける表面固有抵抗値は、第二の面PSbにおける表面固有抵抗値よりも低い。したがって、ガラス板積層体GLにおいて、樹脂シートPSの第一の面PSaがガラス板Gの第一の面Ga(品質保証面)に接触することが好ましい。
保護シートにガラス合紙を用いる場合、その表面固有抵抗値は、9.5×1010~2.7×1011Ω/□とされることが好ましい。ガラス合紙の厚みは、0.03~0.3mmとされるが、この範囲に限定されない。ガラス合紙としては、木材パルプを主成分とする各種の紙が使用される。ガラス合紙には、例えば木材パルプに残存している樹脂や、ガラス合紙の製造工程で混入する樹脂が含まれており、この樹脂やその他の成分が長期の保管によってガラス板Gの第一の面Gaに転写し得る。ガラス合紙は、樹脂シートPSと同様に、元材ロールRからシート元材OSを引き出し、当該シート元材OSを所定の寸法に切断することによって形成される。
元材ロールR(Ra,Rb)から引き出されるシート元材OSは、内面OSaと外面OSbとを有する。シート元材OSの内面OSaにおける表面固有抵抗値は、外面OSbにおける表面固有抵抗値よりも低い。このため、シート元材OSを切断してなる樹脂シートPSは、内面OSaであった部分を第一の面PSaとして、ガラス板Gの第一の面Gaに接触させることが好ましい。
図1に示すように、ガラス板梱包体GPの製造装置1は、ガラス板Gを搬送する搬送部2と、元材ロールRを管理する管理部3と、パレットPにガラス板G及び樹脂シートPSを積載する梱包部4とを備える。
搬送部2は、ガラス板Gを移動させる複数の保持部5を備える搬送装置として構成される。各保持部5は、ロボットアームその他の各種移動機構により三次元的に移動し得る。各保持部5は、ガラス板Gを把持可能なクランプ機構6を有する。搬送部2は、保持部5のクランプ機構6によってガラス板Gの上部を把持するとともに、ガラス板Gの第一の面Gaがその移動方向に面するように、当該ガラス板Gを搬送する。
管理部3は、梱包部4に供される前の予備の元材ロールRを管理する。管理部3は、空調システムを備えるクリーンルーム等により構成される。管理部3は、温度及び湿度が管理される管理空間7と、元材ロールRを梱包部4へと搬送するための搬送路8とを有する。
管理空間7は、空調システムにより、所望の温度及び湿度に設定される。管理空間7内には、複数の元材ロールRが備蓄されている。管理空間7には、当該管理空間7の温度及び湿度を測定する機器、及び元材ロールRに係る樹脂シートPSの表面固有抵抗値を測定する装置が配備されている。
管理空間7の温度及び湿度は、梱包部4における温度及び湿度と同程度となるように調整される。本実施形態において、管理空間7の温度が梱包部4における温度と同程度であるとは、管理空間7の温度が、梱包部4の温度に対して±5℃の範囲内にあることをいう。また、管理空間7の湿度が梱包部4の湿度と同程度であるとは、管理空間7の湿度(相対湿度)が、梱包部4の湿度(相対湿度)に対して±5%の範囲内であることをいう。すなわち、例えば梱包部4の湿度が45%である場合、管理空間7の湿度は、40~50%で管理される。
管理空間7で保管される元材ロールRは、必要に応じて、台車等の搬送手段9により、搬送路8を通じて梱包部4へと搬送される。
梱包部4は、空調システムを備えるクリーンルーム等の内部に構成される。梱包部4における空間は、空調システムによって所望の温度及び湿度で管理されている。保護シートに樹脂シートPSを使用する場合、管理空間7及び梱包部4の温度は、20~30℃とされることが好ましい。管理空間7及び梱包部4の湿度(相対湿度)は、30~60%とされることが好ましく、40~50%とされることがより好ましい。
保護シートにガラス合紙を使用する場合、管理空間7及び梱包部4の温度は、20~30℃とされることが好ましい。また、管理空間7及び梱包部4の湿度(相対湿度)は、45~55%とされることが好ましい。
梱包部4は、元材ロールRaからシート元材OSを引き出すとともに、当該シート元材OSを切断して樹脂シートPSを形成するシート供給装置10を備える。
シート供給装置10は、元材ロールRa,Rbを支持する支持装置11と、元材ロールRaから引き出されたシート元材OSを切断して樹脂シートPSを形成する切断装置12と、切断装置12の下方に配置され、かつ切断後の樹脂シートPSを保持する一対の第一保持部13及び一対の第二保持部14と、各保持部13,14を移動可能に支持するガイド部材15,16と、を主に備える。
また、シート供給装置10の支持装置11から切断装置12に至るまでの経路には、シート元材OSの送り移動を円滑に行うための各種ローラが配列されている。
支持装置11は、シート供給装置10がシート元材OSを連続的に搬送するように、二個の元材ロールRa,Rbを支持する。元材ロールRa,Rbは、先に使用される第一元材ロールRaと、後に使用される第二元材ロールRbとを含む。
支持装置11は、各元材ロールRa,Rbを支持する支持部17と、二個の元材ロールRの連結を行う第一連結部18及び第二連結部19と、を備える。
支持部17は、長尺状に構成されており、その一端部で第一元材ロールRaを回転自在に支持するとともに、その他端部で第二元材ロールRbを回転自在に支持する。支持部17は、支点17aを介して回転可能に構成される。支持部17は、支点17a廻りに回転することで、第一元材ロールRaと第二元材ロールRbの位置を反転させるように構成される。
第一連結部18と第二連結部19は、上下方向において、相対的に接近・離反可能に構成される。各連結部18,19は、第一元材ロールRaのシート元材OSの終端部と第二元材ロールRbのシート元材OSの始端部とを重ね合わせ、この部分を挟み込むことで連結する。
支持装置11は、第一元材ロールRaからシート元材OSが引き出される間、第二元材ロールRbを待機させる。支持装置11は、第一元材ロールRaのシート元材OSが全て引き出されたときに、このシート元材OSの終端部と第二元材ロールRbのシート元材OSの始端部とを連結部18,19により連結する。
切断装置12は、各保持部13,14によってシート元材OSの一部を保持した状態で、その切断刃12aにより、当該シート元材OSを切断する。
第一保持部13は、樹脂シートPSの幅方向端部における上部を保持するように構成される。第二保持部14は、樹脂シートPSの幅方向端部における下部を保持するように構成される。各保持部13,14は、シート元材OSを切断してなる樹脂シートPSの幅方向両端部を保持するクランプ機構を有する。
ガイド部材15,16は、各保持部13,14をパレットPに対して前後に接近・離反させる第一ガイド部材15と、この第一ガイド部材15を上下に移動させる第二ガイド部材16とを含む。
第一ガイド部材15は、第二ガイド部材16から前方に突出する長尺体である。第一ガイド部材15は、水平方向に対して所定の角度で下方に傾斜している。第一ガイド部材15は、その上面側で、各保持部13,14をその長手方向(前後方向)にスライド自在に支持する。
第一ガイド部材15は、各保持部13,14を前後に移動させるための駆動機構を備える。この駆動機構はベルト伝達機構からなるが、この構成に限定されるものではなく、例えば、ボールネジ機構、ラックアンドピニオン機構、リニアモータなどで構成されてもよい。
第二ガイド部材16は、上下方向に延びる長尺体である。第二ガイド部材16は、鉛直方向に対して所定の角度で傾斜している。第二ガイド部材16は、第一ガイド部材15の一端部を上下移動可能に支持する。第一ガイド部材15は、第二ガイド部材16に対して直角を為すように、当該第二ガイド部材16に支持される。第二ガイド部材16は、第一ガイド部材15を上下に移動させるための駆動機構を有する。この駆動機構はベルト伝達機構により構成されるが、これに限定されるものではなく、例えば、ボールネジ機構、ラックアンドピニオン機構、リニアモータなどで構成され得る。
第二ガイド部材16は、パレットPの上方に配置された基台部20に吊り下げ支持されている。基台部20は、第一基台部21と第二基台部22の上下二つに分割されている。第一基台部21は、建物の構造物である梁に固定されている。第二基台部22は、前後方向に移動可能となるように、第一基台部21の下面に支持されている。
梱包部4にはパレットPが配置される。搬送部2及びシート供給装置10の動作により、パレットPには、ガラス板Gと樹脂シートPSとが縦姿勢で交互にパレットPに積層される。パレットPは、ガラス板Gの第一の面Ga側を支持する第一支持面Paと、ガラス板Gの下端部を支持する第二支持面Pbとを有する。第一支持面Paと第二支持面Pbとは、90°を為すように交差している。
第一支持面Paは、鉛直方向に対して所定の角度で傾斜している。詳細には、第一支持面Paは、第一ガイド部材15と直角を為すように、かつ第二ガイド部材16と平行となるように傾斜する。また、第二支持面Pbは、水平方向に対して所定の角度で傾斜する。すなわち、第二支持面Pbは、第一ガイド部材15と平行となるように、かつ第二ガイド部材16と直角を為すように傾斜する。
以下、上記構成の製造装置1によってガラス板梱包体GPを製造する方法について説明する。本方法は、ガラス板Gを搬送する搬送工程と、梱包工程に供される前の樹脂シートPSとして元材ロールRの表面固有抵抗値を所望の範囲内に管理する管理工程と、ガラス板Gと樹脂シートPSとをパレットPに積載する梱包工程とを備える。
搬送工程では、搬送部2の保持部5によってガラス板Gの上部を保持する。保持部5は、ガラス板Gの下部を床面から離間させた宙吊り状態とし、当該ガラス板GをパレットPに向かって搬送する。
管理工程は、梱包工程に供される前の樹脂シートPSとして元材ロールRを管理部3において保管する保管工程と、元材ロールRを管理部3から梱包部4へと搬送するロール搬送工程と、梱包部4に元材ロールRを供給するロール供給工程と、を備える。
管理部3では、梱包部4で測定された温度及び湿度が管理コンピュータに保存されている。保管工程では、梱包部4における温度及び湿度と同程度となるように、管理空間7の温度及び湿度が設定される。
保管工程において、管理空間7に収容されている元材ロールRの表面固有抵抗値が測定される(表面固有抵抗測定工程)。この場合、各元材ロールRから所定長さのシート元材OSが引き出され、その内面OSa及び外面OSbの表面固有抵抗値が測定される。この表面固有抵抗値の測定には、例えば東亜電波工業株式会社製の超絶縁計SM-10Eが使用される。測定された表面固有抵抗値は、必要に応じ、管理コンピュータに保存される。測定された表面固有抵抗値が所望の範囲内である場合、元材ロールRは使用可能と判定され、表面固有抵抗値が所望の範囲を外れる場合、元材ロールRは使用不可と判定されて廃棄される。なお、表面固有抵抗値の所望の範囲は、10~1012Ω/□とすることが
好ましく、1010~1011Ω/□とすることがより好ましい。
ロール搬送工程では、梱包部4において使用されている第一元材ロールRaに係るシート元材OSの残量が少なくなった場合に、使用可能と判定された元材ロールRが搬送路8を通じて管理部3から梱包部4に搬送される。
ロール供給工程では、管理部3から梱包部4に搬送された新たな元材ロールRがシート供給装置10の支持装置11に装着される。具体的には、支持装置11に支持されていた第一元材ロールRaからシート元材OSが全て引き出されると、当該シート元材OSの終端部と、第二元材ロールRbにおけるシート元材OSの始端部とが連結部18,19によって連結される。これにより、支持装置11に支持されていた第二元材ロールRbは、新たな第一元材ロールRaとなる。
管理部3から搬送された新たな元材ロールRは、支持装置11の支持部17に装着され、新たな第二元材ロールRbとなる。ロール供給工程では、この新たな元材ロールRを支持部17に装着する前、又は装着した後に、元材ロールRからシート元材OSを引き出して、その内面OSa及び外面OSbの表面固有抵抗値が測定される。測定された表面固有抵抗値は、管理部3の管理コンピュータに送信され、当該管理コンピュータに保存される。
梱包工程は、シート供給装置10によって樹脂シートPSをパレットPに供給するシート供給工程と、搬送部2によってガラス板GをパレットPに載置する載置工程とを含む。梱包工程では、このシート供給工程と載置工程とが同時に進行する。
シート供給工程において、シート供給装置10は、第一元材ロールRaからシート元材OSを引き出すとともに、当該シート元材OSを所定の寸法に切断して樹脂シートPSを形成する。シート供給装置10は、樹脂シートPSの第一の面PSaがガラス板Gの第一の面Gaに接触するように、各保持部13,14により保持した樹脂シートPSをパレットPの所定位置に配置する。具体的には、各保持部13,14は、樹脂シートPSの第二の面PSbがパレットPの第一支持面Paに対向するように、樹脂シートPSをパレットPに載置する。
載置工程において、搬送部2は、保持部5がパレットPに接近すると、この保持部5を一時停止させる。その後、保持部5は、ガラス板Gの第一の面GaをパレットPに配置された樹脂シートPSの第一の面PSaに重ね合わせる。ガラス板GがパレットPの第二支持面Pbに載置されると、保持部5は、クランプ機構6によるガラス板Gの把持を解除し、次のガラス板Gを搬送するために、その受け取り位置へと移動する。
所定数のガラス板GがパレットPに載置されると、ガラス板梱包体GPが完成する。このガラス板梱包体GPにおける樹脂シートPSは、湿度30~60%における表面固有抵抗値が10~1012Ω/□であり、その第一の面PSaがガラス板Gの第一の面Ga
(品質保証面)に接触した状態となる。なお、樹脂シートPSは、湿度30~60%における表面固有抵抗値が1010~1011Ω/□とすることが好ましい。
以上説明した本実施形態に係るガラス板梱包体GPの製造方法によれば、管理工程における湿度を梱包工程における湿度と同程度とする。このため、管理工程で管理される元材ロールRの表面固有抵抗値と、梱包工程において使用された保護シート(樹脂シートPS又はガラス合紙)の表面固有抵抗値とが大きく異なるといった事態を防止することができる。その結果、保護シートの帯電を抑制し、保護シート及びガラス板に付着する汚染物を可及的に低減できる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態に係るガラス板梱包体GPの製造方法では、梱包部4に搬送された元材ロールRの表面固有抵抗値を測定する工程を備えていたが、本発明はこの構成に限定されるものではない。管理部3における湿度が梱包部4における湿度と同程度で継続的に管理される場合には、梱包部4における元材ロールRの表面固有抵抗値の測定を省略してもよい。
上記の実施形態では、ガラス板Gを縦姿勢でパレットPに積載してなるガラス板梱包体を例示したが、本発明はこの構成に限定されない。本発明は、ガラス板Gを水平姿勢でパレットPに積載するガラス板梱包体GPにも適用可能である。
上記の実施形態では、元材ロールRから切り出された樹脂シートPSを用いるが、本発明はこの構成に限定されるものではない。矩形状の樹脂シートPSを準備し、管理工程では、準備された樹脂シートPSの表面固有抵抗値を管理してもよい。
以下、本発明に係る実施例について説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
この試験では、JIS K6911 5.13に基づく測定条件、すなわち、湿度65%±5%、温度20℃±2℃の管理空間で樹脂シートを24時間保管した後、樹脂シートの表面固有抵抗値を測定した。また、湿度45%、温度23℃の管理空間で樹脂シートを24時間保管した後、樹脂シートの表面固有抵抗値を測定した。表面固有抵抗値の測定には、三菱ケミカルアナリティック社製の高抵抗率計Hiresta-UXを使用した。
実施例1~3の樹脂シートは、いずれもポリエチレン系樹脂シートである。実施例1に係る樹脂シートは、アニオン系界面活性剤を含有する樹脂シートである。実施例2は、ノニオン系界面活性剤を含有する樹脂シートである。実施例3は、ノニオン系界面活性剤を含有する樹脂シートであるが、界面活性剤の含有量が実施例2よりも多い。
この試験では、湿度45%、温度23℃の管理空間で保管された樹脂シートをガラス板に重ねた状態で24時間保管した後で剥離させ、樹脂シートが重ねられていたガラス板の表面を洗浄し、その後、当該表面に残留しているパーティクルを計数した。洗浄は、機能水を使用したバッチ洗浄で行った。残留パーティクル数の測定には、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の表面パーティクル測定機(GI 3200)を使用した。
測定結果を表1に示す。表1の残留パーティクル数の評価は、◎(優良)、〇(良)、△(通常)、×(不可)の4段階で行った。
Figure 0007484640000001
表1に示すように、湿度65%±5%の条件で測定された各実施例1~3に係る表面固有抵抗値はいずれも同じ1010Ω/□であったが、湿度45%の条件で測定された表面固有抵抗値は、各実施例1~3の間で大きな差が生じている。したがって、梱包工程における湿度と大きく異なる湿度で測定された元材ロールの表面固有抵抗値は、後にこの元材ロールから形成された樹脂シートの梱包工程における表面固有抵抗値と相違することとなる。このため、樹脂シートの実質的な帯電防止性を把握することが困難となる。したがって、梱包工程における湿度と同程度の湿度で元材ロールの表面固有抵抗値を管理することが望ましい。
また、この試験では、実施例4及び実施例5に係るガラス合紙を用意し、測定条件としての湿度を異ならせ(40%、50%、60%)、温度20℃の管理空間で各ガラス合紙を24時間保管した後、樹脂シート(実施例1~3)の場合と同様に、各ガラス合紙の表面固有抵抗値を測定した。実施例4に係るガラス合紙は坪量が50g/mであり、実施例5に係るガラス合紙は100g/mであった。試験結果を表2に示す。
Figure 0007484640000002
表2に示す表面固有抵抗値によれば、湿度の増減に対する表面固有抵抗値の変化量が、実施例4に係るガラス合紙よりも、実施例5に係るガラス合紙が大きくなった。したがって、梱包工程における湿度と同程度の湿度で元材ロールの表面固有抵抗値を管理することが望ましい。
さらに、実施例4に係るガラス合紙を異なる湿度(40%、50%、60%)、温度20℃の管理空間で保管した。そのガラス合紙をガラス板に重ねた状態で24時間保管した後で剥離させ、ガラス合紙が重ねられていたガラス板の表面を洗浄し、その後、当該表面に残留しているパーティクルを樹脂シートの場合と同様に計数した。
残留パーティクル数の評価は、樹脂シート(実施例1~3)の場合と同様に、◎(優良)、〇(良)、△(通常)、×(不可)の4段階で行った。
湿度50%の管理空間でガラス板及びガラス合紙を保管した場合に、残留パーティクル数の評価は〇(良)となった。しかし、湿度40%、60%の管理空間でガラス板及びガラス合紙を保管した場合には、残留パーティクル数の評価は△(通常)となった。このことから、保護シートとしてガラス合紙を使用する場合には、梱包工程及び管理工程における湿度を45%以上55%以下の範囲内で同程度とすることが好ましい。
G ガラス板
Ga ガラス板の品質保証面
GP ガラス板梱包体
P パレット
PS 樹脂シート
PSa 樹脂シートの第一の面
PSb 樹脂シートの第二の面

Claims (4)

  1. ガラス板と、保護シートとをパレットに積載する梱包工程を備える、ガラス板梱包体の製造方法において、
    前記梱包工程に供される前の前記保護シートの表面固有抵抗値を管理する管理工程を備え、
    前記管理工程では、前記梱包工程における湿度に対して±5%の範囲内の湿度で、前記表面固有抵抗値を管理し、
    前記保護シートとして、樹脂シートを用いることを特徴とするガラス板梱包体の製造方法。
  2. 前記管理工程における前記樹脂シートの前記表面固有抵抗値は、10~1012Ω/□である請求項に記載のガラス板梱包体の製造方法。
  3. 前記梱包工程における前記湿度は、30~60%である請求項又はに記載のガラス板梱包体の製造方法。
  4. 前記樹脂シートは、前記表面固有抵抗値が低い第一の面と、前記表面固有抵抗値が高い第二の面とを有し、
    前記梱包工程において、前記樹脂シートは、前記第一の面が前記ガラス板の品質保証面と接触するように前記ガラス板に積層される請求項からのいずれか一項に記載のガラス板梱包体の製造方法。
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