JP7481048B1 - 情報処理システム、情報処理方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】良否判定対象の成形品の外観不良の検出を支援する。【解決手段】圧力センサが設けられた金型内に樹脂を射出して成形する成形品の外観の良否または不良の有無を判定する情報処理システムであって、良否判定対象の成形品の射出成形において前記圧力センサで検出した圧力時系列データを取得する取得部と、取得された圧力時系列データのうち、圧力立ち上がり時刻からV-P切替時刻に基づく時刻までの対象期間中のデータを用いて、少なくとも1時刻における圧力増加率を算出する算出部と、算出された圧力増加率に基づく特徴量に基づいて、良否判定対象の成形品の外観の良否を表す情報または不良の有無を示す情報を出力すること及び/または当該成形品を排除するための処理を行うことを実行する出力部と、を備え、当該V-P切替時刻は、速度制御期間から圧力制御期間への切替タイミングである。【選択図】図6

Description

本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
従来、金型内に樹脂を射出して成形して成形品を生産することが行われている(例えば特許文献1参照)。金型内に樹脂を射出して成形する成形機側のパラメータ(例えば射出圧など)をモニタリングしても、温度などの要因によって、成形機側のパラメータは同じでも不良品が生産されてしまうことがある。
特開2004-209814号公報
これに対して、金型内に圧力センサを設け、良品が生成されるときの基準圧力波形と取得した圧力波形との差に基づいて良否判定することが考えられる。圧力センサで計測された圧力波形は、金型内の樹脂の状態を表しているため、より精度良く良否判定を行うことができる。基準圧力波形と取得した圧力波形との差としては、例えば、ピーク値の差が挙げられる。ピーク値は液体から固体への転移時の熱膨張や体積変化などの物理量の変化を表す特徴量である。
しかし、射出成形ではバリ、ショートの他にも多数の不良種類があり、その全てがピーク値の差となって現れるわけではなく、ピーク値は同じでも不良品が生産されてしまうことがある。特に外観不良についてはピーク値の差に現れにくいという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、良否判定対象の成形品の外観不良の検出を支援することを可能とする情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る情報処理システムは、圧力センサが設けられた金型内に樹脂を射出して成形する成形品の外観の良否または不良の有無を判定する情報処理システムであって、良否判定対象の成形品の射出成形において前記圧力センサで検出した圧力時系列データを取得する取得部と、前記取得された圧力時系列データのうち、圧力立ち上がり時刻からV-P切替時刻に基づく時刻までの対象期間中のデータを用いて、少なくとも1時刻における圧力増加率を算出する算出部と、前記算出された圧力増加率に基づく特徴量に基づいて、良否判定対象の成形品の外観の良否を表す情報または不良の有無を示す情報を出力すること及び/または当該成形品を排除するための処理を行うことを実行する出力部と、を備え、前記V-P切替時刻は、速度制御期間から圧力制御期間への切替タイミングである。
本発明の第2の態様に係る情報処理システムは、第1の態様に係る情報処理システムであって、良品が成形されたときの圧力の時系列データである基準時系列データのうち、圧力立ち上がり時刻からV-P切替時刻に基づく時刻までの対象期間中のデータを用いて算出された圧力増加率に基づく特徴量を少なくとも入力値に用いて射出成形の良否を表す情報を出力するように学習した機械学習モデルが記憶されている記憶部を更に備え、前記出力部は、前記算出された圧力増加率に基づく特徴量を前記機械学習モデルに入力することによって、良否判定対象の成形品の外観の良否を表す情報または不良の有無を示す情報を出力すること及び/または当該成形品を排除するための処理を行うことを実行する。
本発明の第3の態様に係る情報処理システムは、第2の態様に係る情報処理システムであって、前記機械学習モデルは、基準時系列データのうち対象期間中のデータを用いて算出された圧力増加率に基づく特徴量ベクトルの重心と、良否判定対象の圧力時系列データのうち前記対象期間中のデータを用いて算出された圧力増加率に基づく特徴量ベクトルとの距離を算出し、当該算出された距離に基づいて、良否判定対象の成形品の外観の良否を表す情報または不良の有無を示す情報を出力すること及び/または当該成形品を排除するための処理を行うことを実行する。
本発明の第4の態様に係る情報処理システムは、第1から3のいずれかの態様に係る情報処理システムであって、前記射出成形の外観の良否を表す情報は、シルバーストリークの有無を表す情報を含む。
本発明の第5の態様に係る情報処理システムは、第1から4のいずれかの態様に係る情報処理システムであって、成形品を成形する成形機のスクリューの樹脂を押し込む端部とは反対の端部に設けられた圧力センサによって検出された射出圧を用いて、V-P切替時刻を特定する特定部を更に備え、
前記算出部は、前記特定されたV-P切替時刻を用いて、少なくとも1時刻における圧力増加率を算出する。
本発明の第6の態様に係る情報処理システムは、第1から5のいずれかの態様に係る情報処理システムであって、成形品を成形する成形機のスクリューの樹脂を押し込むためのモータの電流値またはトルクを用いて、V-P切替時刻を特定する特定部を更に備え、
前記算出部は、前記特定されたV-P切替時刻を用いて、少なくとも1時刻における圧力増加率を算出する。
本発明の第7の態様に係る情報処理方法は、圧力センサが設けられた金型内に樹脂を射出して成形する成形品の外観の良否または不良の有無を判定する情報処理方法であって、良否判定対象の成形品の射出成形において前記圧力センサで検出した圧力時系列データを取得する手順と、前記取得された圧力時系列データのうち、圧力立ち上がり時刻からV-P切替時刻に基づく時刻までの対象期間中のデータを用いて、少なくとも1時刻における圧力増加率を算出する手順と、前記算出された圧力増加率に基づく特徴量に基づいて、良否判定対象の成形品の外観の良否を表す情報または不良の有無を示す情報を出力すること及び/または当該成形品を排除するための処理を行うことを実行する手順と、を有し、前記V-P切替時刻は、速度制御期間から圧力制御期間への切替タイミングである。
本発明の第8の態様に係るプログラムは、圧力センサが設けられた金型内に樹脂を射出して成形する成形品の外観の良否または不良の有無を判定するプログラムであって、コンピュータに、良否判定対象の成形品の射出成形において前記圧力センサで検出した圧力時系列データを取得する手順、前記取得された圧力時系列データのうち、圧力立ち上がり時刻からV-P切替時刻に基づく時刻までの対象期間中のデータを用いて、少なくとも1時刻における圧力増加率を算出する手順、前記算出された圧力増加率に基づく特徴量に基づいて、良否判定対象の成形品の外観の良否を表す情報または不良の有無を示す情報を出力すること及び/または当該成形品を排除するための処理を行うことを実行する手順、を実行させるためのプログラムであって、前記V-P切替時刻は、速度制御期間から圧力制御期間への切替タイミングである。
本発明の一態様によれば、良否判定対象の成形品の外観の良否を表す情報または不良の有無を示す情報が得られるか、不良の場合に当該成形品が排除されるので、良否判定対象の成形品の外観不良の検出を支援することができる。
圧力立ち上がり時刻からV-P切替時刻までの圧力増加率を説明するための図である。 本実施形態における成形機の外観図である。 本実施形態における成形機1の一部の概略構成図である。 本実施形態における型締めユニットの構成の一例と、成形条件決定支援システム100の機器構成の一例を示す図である。 情報処理システム4の概略構成を示すブロック図である。 基準時系列データに基づく特徴量ベクトルの重心と圧力増加率に基づく特徴量ベクトルとの距離の一例を表す図である。 圧力時系列データの一例を示すグラフである。 型内圧と成形機側の射出圧の時系列データの一例を示すグラフである。 射出圧がピークを取る時間が1点に定まらない場合における型内圧と成形機側の射出圧の時系列データの一例を示すグラフである。 射出圧とモータの電流値のピークが一致する場合における射出圧とモータの電流値の時系列データの一例を示すグラフである。 変形例における成形条件決定支援システムの概略構成図である。
以下、各実施形態について、図面を参照しながら説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
本出願の発明者は、外観不良は樹脂の流動状態の変化によって現れることに着目した。型内圧波形の立ち上がりからピーク値までの圧力増加率が樹脂の流動挙動を表す特徴量として使用できる可能性がある。
ここで射出成形では、ある速度で金型へ樹脂を射出する速度制御期間と、速度制御期間の後に、ある圧力をかけて金型内に樹脂を保圧する圧力制御期間があり、速度制御期間から圧力制御期間への切替タイミングはV-P切替時刻と呼ばれる。
そこで本出願の発明者は、圧力立ち上がり時刻からV-P切替時刻に基づく時刻(例えば、V-P切替時刻、またはV-P切替時刻を基準として決定される時刻、具体的には例えばV-P切替時刻からX秒後の時刻またはX秒前の時刻など)までの圧力増加率に基づく特徴量を使用することに着想した。
図1は、圧力立ち上がり時刻からV-P切替時刻までの圧力増加率を説明するための図である。図1は縦軸が圧力、横軸が経過時間であり、1つの成形品を成形する1ショット間の時間の経過に伴う型内圧波形の一例が示されている。型内圧波形は、例えば圧力センサ23により検出されるもので、溶かした樹脂から受ける金型内圧力である。
図1に示すように、時刻t0は、圧力立ち上がり時刻であり、時刻t1は、V-P切替時刻である。時刻t0から時刻t1までの間には、サンプリング時間Δtであるとすると、(t1-t0)/Δtのサンプリングポイントがあり、それぞれのサンプリングポイントにおいて、圧力増加率が算出可能であるので、(t1-t0)/Δt個の圧力増加率が算出可能である。このように、複数の圧力増加率が得られるので、圧力増加率に基づく特徴量は、これら複数の圧力増加率の統計量(例えば、最大値、最小値、平均値、中央値など)であってもよいし、これら複数の圧力増加率の代表値であってもよい。
図2は、本実施形態における成形機の外観図である。本実施形態における成形機1は、溶かした樹脂(プラスチック)を金型へ流し入れ、冷やして固め、取り出すことで様々なプラスチック製品を作る機械である射出成形機である。成形機1は、材料の樹脂等を熱で溶かして金型に注入するための射出ユニット10、金型の開閉を行う型締めユニット20、成形条件(例えば、樹脂を金型に注入する際の速度、圧力、温度など)を制御するためのコントローラ30を有する。
図3は、本実施形態における成形機1の一部の概略構成図である。図3に示すように、射出ユニット10は、ホッパ、加熱シリンダ、スクリュー12、ノズル、ヒータ、駆動装置等を備える。ホッパは、ペレット(粒状に成形材料)の投入口である。加熱シリンダは、ベッドに対して軸方向に移動可能に設けられている。スクリュー12は、加熱シリンダの内部に配置され、回転可能かつ軸方向へ移動可能に設けられている。ノズルは、加熱シリンダの先端に設けられた射出口であり、スクリュー12の軸方向移動によって、加熱シリンダの内部の溶かした樹脂を、金型のキャビティに供給する。
図3に示すように、成形機1には、スクリュー12を駆動するモータ13と、モータ13の電流を検出する電流センサ14が設けられている。また成形機1には、射出圧力を検出する圧力センサの一例であるロードセル15がスクリュー12の端部側に設けられている。
型締めユニット20は、装着された金型の開閉動作を行うと共に、金型を締め付けた状態において、金型のキャビティ(成形品部)に射出された溶かした樹脂の圧力により金型が開かないようにする。型締めユニット20は、固定盤、可動盤、タイバー、駆動装置等を備える。固定盤には、固定側の第一金型が固定されている。固定盤には、上記のノズルに当接可能であって、ノズルから射出される樹脂を金型のキャビティへ導く。キャビティは、第一金型と第二金型との間に形成され、製品形状に対応する領域である。可動盤には、可動側の第二金型が固定されており、固定盤に対して接近および離間可能である。タイバーは、可動盤の移動を支持する。駆動装置は、例えば、シリンダ装置によって構成されており、可動盤を移動させる。第一金型は、ノズルからキャビティまでの間に供給路を備える。なお、3プレート金型等も同様に適用可能である。
図4は、本実施形態における型締めユニットの構成の一例と、成形条件決定支援システム100の機器構成の一例を示す図である。
図4に示すように、エジェクタプレート21に固定されたエジェクタピン(押出しピン)22が型開き時に突き出すことで、成形後の成形品(ワーク)を金型から外すことができる。
このエジェクタプレート21に埋め込むような態様で金型内データを取得する圧力センサ23を、エジェクタピン22の位置と対応(対抗)する箇所等に複数設ける。圧力センサ23は、溶かした樹脂から受ける金型内圧力を検出する圧力センサであり、例えば、ロードセル等である。なお、エジェクタプレート21およびエジェクタピン22を介した計測機構は必須ではなく、圧力センサ23の取り付け位置は金型内データを取得することが可能であれば特に限定されなく金型の内部外部を問わず任意である。
図3に示すコントローラ30は、成形条件に関する指令値(パラメータ)に基づいて、射出ユニット10の駆動装置および型締めユニット20の駆動装置を制御する。
なお、成形機1は制御装置やセンサ等が備えられた複数の装置により構成されていてもよい。
図4に示すように、成形機1の型締めユニット20には、型内圧などの金型内データを取得するセンサ(ロードセル)23を備えた金型が設置される。圧力センサ23は、データ取得部としての、計装アンプ2、A/Dコンバータ3等を介して、情報処理システム4にセンシングデータを送る。
なお、圧力センサ23と情報処理システム4は無線接続等の構成であってもよい。ここでは、圧力センサ(ロードセル)23としたが、型内圧などのキャビティ内データを取得することができるセンサであれば種類やデータ通信方法は問わなく、その設置位置も任意である。例えば、金型を作製する際に、金型自体にセンサを埋め込むか、キャビティに触れる態様でセンサが設けられて入れば、型内圧などのキャビティ内データは取得可能である。
情報処理システム4は、圧力センサ23が設けられた金型内に樹脂を射出して成形する成形品の外観の良否を判定する。情報処理システム4は、例えば、産業用PC(パーソナルコンピューター)であり、制御部・計算部としての演算装置であるプロセッサ(例えば、CPU:Central Processing Unite)等、ROM(Read Only Memory)・RAM(Random Access Memory)等、公知の入出力手段を備え、記憶部として所定の記憶装置を内蔵又は外付けHDD等として備えている。情報処理システム4は、情報を表示装置5に表示するよう制御する。
図5は、情報処理システム4の概略構成を示すブロック図である。図5に示すように、情報処理システム4は、プロセッサ40、入力部41、出力部42、記憶部43、通信部44を備える。入力部41は例えば、ユーザからの入力を受け付ける。出力部42は例えば、表示装置5に映像信号を出力する。記憶部43には、プロセッサ40が読み出して実行するプログラムが格納されている。通信部44は例えば有線または無線によって通信する。
プロセッサ40は、記憶部43からプログラムを読みだして実行することにより、取得部45、特定部46、算出部47、出力部48として機能する。
取得部45は、良否判定対象の成形品の射出成形において圧力センサ23で検出した圧力時系列データを取得する。
特定部46は、V-P切替時刻を特定する。特定部46の処理については後述する。
算出部47、取得された圧力時系列データのうち、前記圧力立ち上がり時刻からV-P切替時刻に基づく時刻までの対象期間中のデータを用いて、少なくとも1時刻における圧力増加率を算出する。
出力部48は、前記算出された圧力増加率に基づく特徴量に基づいて、良否判定対象の成形品の外観の良否を表す情報または不良の有無を示す情報を出力すること及び/または当該成形品を排除するための処理を行うことを実行する。ここで射出成形の外観の良否を表す情報は例えば、シルバーストリークの有無を表す情報を含む。
<出力部48の処理の具体例1>
その際、一例として出力部48は、圧力時系列データの前記圧力立ち上がり時刻からV-P切替時刻までの期間の圧力の増加率を、良品が成形されたときの圧力の時系列データである基準時系列データの同期間の圧力増加率と比較し、圧力増加率の差が所定の閾値以上であるときに成形品が不良であると判定してもよい。
<出力部48の処理の具体例2>
出力部48の処理の別の具体例について説明する。記憶部43には例えば、圧力増加率に基づく特徴量を少なくとも入力値に用いて射出成形の良否を表す情報を出力するように学習した機械学習モデルが記憶されている。ここで、この圧力増加率に基づく特徴量は、良品が成形されたときの圧力の時系列データである基準時系列データのうち圧力立ち上がり時刻からV-P切替時刻に基づく時刻までの対象期間中のデータを用いて算出されてもよい。このV-P切替時刻に基づく時刻とは、V-P切替時刻そのものであってもよいし、V-P切替時刻から予め決められた時間だけ後(もしくは前)の時刻であってもよいし、V-P切替時刻に所定の倍率(例えば1.1)をかけた時刻であってもよい。またこの特徴量は例えば、圧力立ち上がり時刻からV-P切替時刻に基づく時刻までの間の圧力増加率の代表値、圧力立ち上がり時刻からV-P切替時刻に基づく時刻までの間の圧力増加率の平均値もしくは中央値などである。この場合において、出力部48は例えば、前記算出された圧力増加率に基づく特徴量を前記機械学習モデルに入力することによって、良否判定対象の成形品の外観の良否を表す情報を出力する。
ここで機械学習モデルは例えば、基準時系列データのうち対象期間中のデータを用いて算出された圧力増加率に基づく特徴量ベクトルの重心と、良否判定対象の圧力時系列データのうち前記対象期間中のデータを用いて算出された圧力増加率に基づく特徴量ベクトルとの距離を算出し、当該算出された距離に基づいて、良否判定対象の成形品の外観の良否を表す情報を出力する。
図6は、基準時系列データに基づく特徴量ベクトルの重心と圧力増加率に基づく特徴量ベクトルとの距離(以下、重心との距離ともいう)の一例を表す図である。図6の領域R1に示すように、良品の成形品(すなわち不良がない成形品)の場合には、重心との距離は、所定の閾値(例えば、2)以下に収まっている。一方、外観異常の一例であるシルバーストリークが発生した場合には、点P1~P4に示すように、重心との距離は、所定の閾値を超えている。
このように、機械学習モデルは例えば、重心との距離が所定の閾値に収まる場合には、良品と判定し、重心との距離が所定の閾値を超える場合には、外観異常と判定してもよい。
続いて、圧力時系列データ(型内圧波形データともいう)からV-P切替時刻を特定する特定部46の処理の実施例について説明する。
<実施例1>
図7は、圧力時系列データの一例を示すグラフである。図7のグラフが示す型内圧波形では、図7の破線の枠R2内の型内圧波形のうちいずれのタイミングでピークをとるのかの判断が難しい。すなわち型内圧波形データからは、どのタイミングでV-P切替しているかの判断が難しく、V-P切替時刻を特定することが難しい。
そこで、成形機側の射出圧の時系列データをロードセル15から取得し、型内圧波形データと時間的に同期させる。図8は、型内圧と成形機側の射出圧の時系列データの一例を示すグラフである。図8の矢印A1に示すように、成形機側の射出圧は、先鋭なピークを有する。この射出圧がピークとなる時刻がV-P切替時刻であるため、型内圧力波形データ中の当該時刻がV-P切替時刻を示すことになる。これにより、型内圧力波形データにおいてV-P切替時刻までの圧力増加率を求めることができる。
この際、特定部46は例えば、成形品を成形する成形機のスクリュー12の樹脂を押し込む端部とは反対の端部に設けられたロードセル15によって検出された射出圧を用いて、V-P切替時刻を特定する。具体的には例えば特定部46は射出圧のピークのタイミングをV-P切替時刻として検出してもよい。これにより、算出部47は、前記特定されたV-P切替時刻を用いて、少なくとも1時刻における圧力増加率を算出する。
<実施例2>
図9は、射出圧がピークを取る時間が1点に定まらない場合における型内圧と成形機側の射出圧の時系列データの一例を示すグラフである。上記実施例1において、射出圧のピークを用いてV-P切替時間を求めたが、保圧をかけている状態で射出圧の極大値が保圧以下(保圧をかけている状態で射出圧の極大値≦保圧)となる場合、図9のように、射出圧がピークを取る時刻が1点に定まらない。ここでいう射出圧の極大値とは、現れるはずが埋もれて現れてこない瞬時的な波形のピークのことである。ここで保圧は一例としてロードセル15で計測した圧力である。この図9では、射出圧の最大値で平坦波形となり、本来は現れるはずの瞬時的なピークが、保圧による圧力のほうが高いことによって埋もれていることを示している。
そこで、成形機の押し出しモータのトルクもしくはトルクと相関のあるモータの電流値をモニタリングする。図10は、射出圧とモータの電流値のピークが一致する場合における射出圧とモータの電流値の時系列データの一例を示すグラフである。図10のように射出圧のピークでモータのトルクまたは電流値がピークを取るので、トルクまたは電流値がピーク値を取る時刻が射出圧がピークを取る時刻となり、当該時刻がV-P切替時刻に相当する。
この場合、特定部46は、成形品を成形する成形機のスクリューの樹脂を押し込むためのモータの電流値またはトルクを用いて、V-P切替時刻を特定してもよい。具体的には例えば、特定部46は、モータの電流値またはトルクがピーク(極大値)をとる時刻を、V-P切替時刻として特定してもよいこの場合、算出部47は、前記特定されたV-P切替時刻を用いて、少なくとも1時刻における圧力増加率を算出してもよい。
以上、本実施形態に係る情報処理システム4は、圧力センサが設けられた金型内に樹脂を射出して成形する成形品に関する情報処理システムであって、良否判定対象の成形品の射出成形において前記圧力センサで検出した圧力時系列データを取得する取得部45を備える。
更に情報処理システム4は、前記取得された圧力時系列データのうち、前記圧力立ち上がり時刻からV-P切替時刻に基づく時刻までの対象期間中のデータを用いて、少なくとも1時刻における圧力増加率を算出する算出部47を備える。
更に情報処理システム4は、前記算出された圧力増加率に基づく特徴量に基づいて、良否判定対象の成形品の外観の良否を表す情報または不良の有無を示す情報を出力すること及び/または当該成形品を排除するための処理を行うことを実行する出力部48を備える。例えば出力部48は「外観不良が発生します」という情報を出力してもよいし、不良の種類を特定せずに何かしらの不良が発生したという情報を出力してもよい。また出力部48は、不良が発生したと判定した場合、成形された成形品を排除するための処理を実行してもよい。ここで当該処理は例えば、当該成形品を別の場所に移動するように制御(例えば成形後の成形品が流れるレーンを制御)してもよいし、不良が発生した成形品に目印をつけるようにしてもよい。
この構成によれば、良否判定対象の成形品の外観の良否を表す情報または不良の有無を示す情報が得られるか、不良の場合に当該成形品が排除されるので、良否判定対象の成形品の外観不良の検出を支援することができる。
図11は、変形例における成形条件決定支援システムの概略構成図である。図11に示すように、成形条件決定支援システム100bは、本実施形態のものと比べて、A/Dコンバータ3の出力に接続する端末装置6が設けられている点、情報処理システム4が通信回路網CNを介して端末装置6に通信可能に接続されている点が変更されている。情報処理システム4は、端末装置6から各種のデータ(例えば、センサの波形データ、運転データ、設定条件など)を受信可能である。また情報処理システム4は、処理によって得られた良否判定対象の成形品の外観の良否を表す情報を端末装置6に送信する。
端末装置6は表示装置5に接続されており、表示装置に情報処理システム4から受信した情報を表示するよう制御する。情報処理システム4は、遠隔(例えばクラウド)に構築されていてもよい。これにより、例えば情報処理システム4を遠隔に構築することにより、複数の場所に設置された複数の成形機1について、良否判定対象の成形品の外観の良否を表す情報を決定し、複数の成形機1の使用者が使用する端末装置6にこの情報を送信することができる。
なお、上述した実施形態で説明した情報処理システム4の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システム4の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
また、情報処理システム4の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
さらに、一つまたは複数の情報機器によって情報処理システム4を機能させてもよい。複数の情報機器を用いる場合、そのうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システム4の少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
また、方法の発明においては、全ての工程(ステップ)をコンピュータによって自動制御で実現するようにしてもよい。また、各工程をコンピュータに実施させながら、工程間の進行制御を人の手によって実施するようにしてもよい。また、さらには、全工程のうちの少なくとも一部を人の手によって実施するようにしてもよい。
以上、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1 成形機
10 射出ユニット
12 スクリュー
13 モータ
14 電流センサ
15 ロードセル
100、100b 成形条件決定支援システム
2 計装アンプ
20 型締めユニット
3 A/Dコンバータ
30 コントローラ
4 情報処理システム
40 プロセッサ
41 入力部
42 出力部
43 記憶部
44 通信部
45 取得部
46 特定部
47 算出部
48 出力部
5 表示装置
6 端末装置
10 射出ユニット
20 型締めユニット
21 エジェクタプレート
22 エジェクタピン
23 圧力センサ
30 コントローラ

Claims (8)

  1. 圧力センサが設けられた金型内に樹脂を射出して成形する成形品に関する情報処理システムであって、
    良否判定対象の成形品の射出成形において前記圧力センサで検出した圧力時系列データを取得する取得部と、
    前記取得された圧力時系列データのうち、圧力立ち上がり時刻からV-P切替時刻に基づく時刻までの対象期間中のデータを用いて、少なくとも1時刻における圧力増加率を算出する算出部と、
    前記算出された圧力増加率に基づく特徴量に基づいて、良否判定対象の成形品の外観の良否を表す情報または不良の有無を示す情報を出力すること及び/または当該成形品を排除するための処理を行うことを実行する出力部と、
    を備え、
    前記V-P切替時刻は、前記射出成形においてある速度で金型へ樹脂を射出する速度制御期間から、ある圧力をかけて金型内に樹脂を保圧する圧力制御期間への切替タイミングである情報処理システム。
  2. 良品が成形されたときの圧力の時系列データである基準時系列データのうち、圧力立ち上がり時刻から前記V-P切替時刻に基づく時刻までの対象期間中のデータを用いて算出された圧力増加率に基づく特徴量を少なくとも入力値に用いて射出成形の良否を表す情報を出力するように学習した機械学習モデルが記憶されている記憶部を更に備え、
    前記出力部は、前記算出された圧力増加率に基づく特徴量を前記機械学習モデルに入力することによって、良否判定対象の成形品の外観の良否を表す情報または不良の有無を示す情報を出力すること及び/または当該成形品を排除するための処理を行うことを実行する
    請求項1に記載の情報処理システム。
  3. 前記機械学習モデルは、基準時系列データのうち対象期間中のデータを用いて算出された圧力増加率に基づく特徴量ベクトルの重心と、良否判定対象の圧力時系列データのうち前記対象期間中のデータを用いて算出された圧力増加率に基づく特徴量ベクトルとの距離を算出し、当該算出された距離に基づいて、良否判定対象の成形品の外観の良否を表す情報または不良の有無を示す情報を出力すること及び/または当該成形品を排除するための処理を行うことを実行する 請求項2に記載の情報処理システム。
  4. 前記射出成形の外観の良否を表す情報は、シルバーストリークの有無を表す情報を含む
    請求項1または2に記載の情報処理システム。
  5. 成形品を成形する成形機のスクリューの樹脂を押し込む端部とは反対の端部に設けられた圧力センサによって検出された射出圧を用いて、前記V-P切替時刻を特定する特定部を更に備え、
    前記算出部は、前記特定されたV-P切替時刻を用いて、少なくとも1時刻における圧力増加率を算出する
    請求項1に記載の情報処理システム。
  6. 成形品を成形する成形機のスクリューの樹脂を押し込むためのモータの電流値またはトルクを用いて、前記V-P切替時刻を特定する特定部を更に備え、
    前記算出部は、前記特定されたV-P切替時刻を用いて、少なくとも1時刻における圧力増加率を算出する
    請求項1に記載の情報処理システム。
  7. 圧力センサが設けられた金型内に樹脂を射出して成形する成形品に関する情報処理方法であって、
    良否判定対象の成形品の射出成形において前記圧力センサで検出した圧力時系列データを取得する手順と、
    前記取得された圧力時系列データのうち、圧力立ち上がり時刻からV-P切替時刻に基づく時刻までの対象期間中のデータを用いて、少なくとも1時刻における圧力増加率を算出する手順と、
    前記算出された圧力増加率に基づく特徴量に基づいて、良否判定対象の成形品の外観の良否を表す情報または不良の有無を示す情報を出力すること及び/または当該成形品を排除するように制御することを実行する手順と、
    を有し、
    前記V-P切替時刻は、前記射出成形においてある速度で金型へ樹脂を射出する速度制御期間から、ある圧力をかけて金型内に樹脂を保圧する圧力制御期間への切替タイミングである情報処理方法。
  8. 圧力センサが設けられた金型内に樹脂を射出して成形する成形品の外観の良否に関するプログラムであって、コンピュータに、
    良否判定対象の成形品の射出成形において前記圧力センサで検出した圧力時系列データを取得する手順、
    前記取得された圧力時系列データのうち、圧力立ち上がり時刻からV-P切替時刻に基づく時刻までの対象期間中のデータを用いて、少なくとも1時刻における圧力増加率を算出する手順、
    前記算出された圧力増加率に基づく特徴量に基づいて、良否判定対象の成形品の外観の良否を表す情報または不良の有無を示す情報を出力すること及び/または当該成形品を排除するための処理を行うことを実行する手順、
    を実行させるためのプログラムであって、
    前記V-P切替時刻は、前記射出成形においてある速度で金型へ樹脂を射出する速度制御期間から、ある圧力をかけて金型内に樹脂を保圧する圧力制御期間への切替タイミングであるプログラム。
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