以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
1.情報処理システム
図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理システムを示す。
情報処理システム1は、ネットワーク等を介して通信可能に接続された情報処理装置10と、記憶装置20と、ウェブサーバ30とを有する。情報処理装置10は、バックエンドのコンピューティングサーバとして機能し、演算処理を実行する。記憶装置20は、サーバサイドのデータベースサーバとして機能する大容量の不揮発性の記憶装置である。情報処理装置10と記憶装置20とは独立してネットワーク等を介して接続されてもよいし(図示)、一体的な情報処理装置として構築されてもよい(不図示)。ウェブサーバ30は、フロントエンドのウェブサーバであり、情報処理装置10が演算処理して生成し記憶装置20に記憶されたデータを、クライアントである電子機器40からの要求に応じて提供する。情報処理装置10は、電子機器40に対して複数のメディア情報を選択し、選択した複数のメディア情報を表示するための表示データを、ウェブサーバ30を介して電子機器40に供給するよう構成される。
電子機器40は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、VRグラス等、表示装置41を有するデバイスであり、エンドユーザにより使用される端末装置である。電子機器40の制御回路42は、ウェブサーバ30と協働してアプリケーションプログラムを実行することにより、表示装置41に表示されるGUIを変遷させる。アプリケーションプログラムは、ウェブブラウザを介して実行されてもよいし、電子機器40にインストールされて実行されてもよい。電子機器40は、アプリケーションプログラムを実行することにより、起動時にはユーザに複数のメディア情報を表示装置41上でレコメンド表示し、さらに、検索時には複数のメディア情報の中からユーザが表示装置41上で選択したメディア情報に関連性のある複数の異なるメディア情報をさらにレコメンド表示する。これにより、新しい繋がりの発見や探求の広がりといったユーザエクスペリエンスをユーザに提供することを図る。表示装置41は、タッチパネル、タッチパネルを含まないディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ、VRグラス内蔵の表示部等でよい。
本実施形態で、メディア情報は、メディア情報は、静止画像、動画像、音楽、テキスト、位置情報、タグ情報等の複数の異なるモダリティ(様式)のうち少なくとも1つで構成される。モダリティの種別はこの例に限定されず如何なる様式でもよい。メディア情報は、ネットワーク上の動画、マガジン、オークション、EC、美術展、エンサイクロペディア、SNS、広告等のウェブページに紐づけられる。メディア情報は、ネットワーク上のデータに限定されず、記憶装置20に蓄積されたデータでもよい。
2.電子機器のGUI
以下、電子機器40の制御回路42がアプリケーションプログラムを実行することにより表示装置41に表示するGUI及びGUIの変遷を説明する。
図2は、電子機器のGUIのトップ画面の一例である。
本実施形態において、電子機器40はスマートフォンであり、表示装置41は縦長の長方形である。本実施形態において、長方形、正方形、四角形、多角形等の語は、角が丸い(Rがある)が視覚的に当該図形の印象を呈する略長方形、略正方形、略四角形、略多角形等も含むものとする。
電子機器40の制御回路42は、表示装置41に、第1の表示領域401と、第2の表示領域402とを設定する。
第1の表示領域401は、例えば、各辺の長さが3L以上である正方形である。表示装置41が例えばスマートフォンのタッチパネルである場合、第1の表示領域401の一辺の長さは、表示装置41の短辺と等しくてもよい又は略等しくてもよい。
第2の表示領域402は、第1の辺403と第2の辺404とを有する長方形である。第1の辺403は、第1の表示領域401の1辺に隣接し、例えば、長さが3L以上である。第2の辺404は、第1の辺403に直交し、例えば、長さがL以上である。第2の表示領域402の第2の辺404の長さは、例えば、Lの整数倍でもよい。
電子機器40の制御回路42は、表示装置41に、複数の第1のメディアオブジェクト410と、複数の第2のメディアオブジェクト420と、第1のファンクショナルオブジェクト430と、アカウントオブジェクト440とを含むトップ画面400を表示する。
第1のファンクショナルオブジェクト430は、例えば、各辺の長さがLである正方形である。第1のファンクショナルオブジェクト430は、第1の表示領域401(即ち、各辺の長さが3L以上である正方形)の中央に配置される。
複数(本例では4個)の第1のメディアオブジェクト410は、それぞれ、例えば、短辺の長さがLであり長辺の長さが2L以上(例えば、2.02L)である長方形である。4個の第1のメディアオブジェクト410は、第1の表示領域401内であって、第1のファンクショナルオブジェクト430の周囲に表示される。より具体的には、第1のファンクショナルオブジェクト430及び4個の第1のメディアオブジェクト410は、各辺の長さが3L以上である正方形を構成する。即ち、第1のファンクショナルオブジェクト430及び4個の第1のメディアオブジェクト410は、各辺の長さが3L以上である正方形第1の表示領域401に隙間なく配置される。
複数の第2のメディアオブジェクト420は、第2の表示領域402に表示される。第2のメディアオブジェクト420は、例えば、各辺の長さがLである正方形である。電子機器40の制御回路42は、第1の辺403の長さ方向である第1の方向に3個かつ第2の辺404の長さ方向である第2の方向に1個以上の第2のメディアオブジェクト420を、第1の表示領域401に隣接し、かつ、全ての第2のメディアオブジェクト420が互いに隣接するようにマトリクス状に表示する。
第1のメディアオブジェクト410は、異なるメディア情報をそれぞれ示す。各第1のメディアオブジェクト410は、例えば、各辺の長さがL以下である正方形の画像411と、画像411に隣接し各辺の長さがLである正方形に含まれる画像以外の情報412とを含む。例えば、第1のメディアオブジェクト410は、画像411と、各辺の長さがLである正方形に含まれるテキスト情報412とを含む。画像以外の情報412(例えば、テキスト情報)は、画像411に付随する情報であり、画像411の名称、説明文、リンク情報等である。
第2のメディアオブジェクト420は、それぞれ、第1のメディアオブジェクト410のメディア情報と異なるメディア情報を示す。例えば、各第2のメディアオブジェクト420は、各辺の長さがL以下である正方形の画像421を含む。
「互いに関係性のある異なるメディア情報」とは、例えば、或るデザイナーがデザインした椅子、当人又は縁のあるデザイナーが、デザインしたテーブル、設計した建築物、その作品が展示されている美術館、訪れたことのある場所、被写体となった静止画や動画、影響を受けた作品、影響を与えた作品などに関するメディア情報であり、相互に直接的又は間接的に関係性があるメディア情報である。関係性は誰もが解るような直接的な一意の関係性でなくてよい。第1のメディアオブジェクト410及び第2のメディアオブジェクト420として表示される「互いに関係性のある異なるメディア情報」をどのように選択するかは、後で説明する。
第1のファンクショナルオブジェクト430は、検索窓として機能する。第1のファンクショナルオブジェクト430は、ファンクショナルボタン431を有する。第1のファンクショナルオブジェクト430及びファンクショナルボタン431の具体的な機能は後で詳細に説明する。
アカウントオブジェクト440は、第1の表示領域401及び第2の表示領域402の外に表示されてよい。
図26は、電子機器のGUIのトップ画面の別の例である。
変形例として、第1のメディアオブジェクト410は、1以上の能動的なアクションボタン470を含んでもよい。能動的なアクションボタン470は、記事保管(クリップ)、お気に入り、共有等をユーザが能動的に実行するためのボタンである。
次に、ユーザ操作に基づくGUIの変遷について説明する。
図3は、電子機器のGUIの変遷後の画面の一例である(第1のファンクショナルオブジェクトに向かう操作)。
(A)に示す様に、電子機器40の制御回路42は、表示装置41上で、1個の第1のメディアオブジェクト410又は第2のメディアオブジェクト420が第1のファンクショナルオブジェクト430に向かう操作(ユーザが新しい情報を表示するための第1の動作)がユーザによりなされることを検出する。すると、(B)に示す様に、電子機器40の制御回路42は、表示されている複数の第1のメディアオブジェクト410及び第2のメディアオブジェクト420に代えて、向かう操作がされた1個の第1のメディアオブジェクト410又は第2のメディアオブジェクト420が示すメディア情報に関係性のある異なるメディア情報をそれぞれ示す複数の新しい第1のメディアオブジェクト410及び第2のメディアオブジェクト420を表示するように、表示を切り替える。なお、「第1のメディアオブジェクト410又は第2のメディアオブジェクト420が第1のファンクショナルオブジェクト430に向かう操作」は、操作子(手指、スタイラスペン、マウス等)によるドラッグ操作、電子機器40がヘッドマウントディスプレイ、VRグラスの場合には手持ちのコントローラ、人体の一部、視線の移動による操作等でよい。
複数の新しい第1のメディアオブジェクト410及び第2のメディアオブジェクト420の配置は、トップ画面400と変わらない。即ち、複数の新しい第1のメディアオブジェクト410は、第1の表示領域401内の、第1のファンクショナルオブジェクト430の周囲に表示される。複数の新しい第2のメディアオブジェクト420は、第2の表示領域402に表示される。新しい第1のメディアオブジェクト410及び第2のメディアオブジェクト420の選択の方法は後で詳細に説明する。
新たな表示画面では、第1のファンクショナルオブジェクト430内に戻るボタン432が表示される。ユーザが第1のファンクショナルオブジェクト430内の戻るボタン432を操作すると、(A)に示す様に、もともと表示されていた第1のメディアオブジェクト410及び第2のメディアオブジェクト420がもともとの配置で表示される。この様に、複数の第1のメディアオブジェクト410と、複数の第2のメディアオブジェクト420とに表示されるメディア情報は、ユーザの嗜好に合わせて優先付けされ、掲示されるメディア情報を選択する際に利用される。
このように、トップ画面400のGUIは複数の図形で構成される。画面中央に検索に用いられる第1のファンクショナルオブジェクト430が配置され、第1のファンクショナルオブジェクト430を取り囲むようにメディア情報を掲示する第1のメディアオブジェクト410が配置される。第1のメディアオブジェクト410内には、例えば静止画像とテキストなど、複数種のメディア情報を組み合わせて表示させることができ、1以上のメディア情報が表示される。第1のメディアオブジェクト410又は第2のメディアオブジェクト420が第1のファンクショナルオブジェクト430に向かう操作をすることで、検索を実施する。トップ画面400から遷移すると、第1のファンクショナルオブジェクト430は指定位置から変更しないが、第1のメディアオブジェクト410及び第2のメディアオブジェクト420内の情報は変更される。
これにより、本実施形態によれば、周囲の第1のメディアオブジェクト410又は第2のメディアオブジェクト420が中央の第1のファンクショナルオブジェクト430に向かう操作をすることで、検索を行うことができる。第1のメディアオブジェクト410又は第2のメディアオブジェクト420が第1のファンクショナルオブジェクト430に向かう操作(例えば、ドラッグアンドドロップ)をするだけで検索が実行されることから、第1のメディアオブジェクト410又は第2のメディアオブジェクト420の移動操作(例えば、ドラッグアンドドロップ)後の操作工程が不要であり、ユーザにとっての直感的な操作性が高い。また、操作先の第1のファンクショナルオブジェクト430が何れの第1のメディアオブジェクト410からも等距離で中央にあることから、移動したい第1のメディアオブジェクト410によって移動距離のばらつきが無く、長距離の移動が不要であり直感的な操作性が高い。
変形例として、第1のメディアオブジェクト410、第2のメディアオブジェクト420及び第1のファンクショナルオブジェクト430は、楕円や円、多角形(角を丸くしたものを含む)等でよい。第1のメディアオブジェクト410、第2のメディアオブジェクト420及び第1のファンクショナルオブジェクト430の色は一色以上で構成されてよい。第1のメディアオブジェクト410の色は、図形が掲示する情報(掲示情報)に応じて変更してもよい。例えば、メディア情報のカテゴリに応じて色を変更する等でよい。第1のメディアオブジェクト410、第2のメディアオブジェクト420及び第1のファンクショナルオブジェクト430の境界線は明示的である必要はない。第1のメディアオブジェクト410又は第2のメディアオブジェクト420を移動操作するためにホールドした際に、効果音の再生、図形の形状の変更、色の変更や図形の揺れ等のアニメーション、電子機器20の振動等で、第1のメディアオブジェクト410又は第2のメディアオブジェクト420をホールドしたことをユーザに知らせてもよい。
図4は、電子機器のGUIの変遷後の画面の別の例である(下から上に向かう操作)。
(A)に示す様に、電子機器40の制御回路42は、表示装置41上で、第2の表示領域402から第1の表示領域401に向かう方向(下から上への矢印方向)に、ユーザにより操作(ユーザが新しい情報を表示するための第2の動作)されることを検出する。すると、(B)に示す様に、電子機器40の制御回路42は、第1の表示領域401に表示されている4個の第1のメディアオブジェクト410のうちのN個(Nは1以上4以下の整数)(本例では3個)の第1のメディアオブジェクト410に代えて、第1の表示領域401に近いN個の第2のメディアオブジェクト420が示すメディア情報をそれぞれ示すN個の新たな第1のメディアオブジェクト410が第1の表示領域401に表示する。電子機器40の制御回路42は、第2の表示領域402に表示されているN個(本例では3個)の第2のメディアオブジェクト420に代えて、N個の新たな第1のメディアオブジェクト410に関係性のある異なるメディア情報をそれぞれ示すN個の新たな第2のメディアオブジェクト420が第2の表示領域402に表示されるように、表示を切り替える。電子機器40の制御回路42は、メディア情報を予めキャッシュしておき、キャッシュしているメディア情報が尽きると、更新マーク(例えば、略円形の矢印)を表示して新規のメディア情報を読み込み新たな第2のメディアオブジェクト420として表示すればよい。
図5は、電子機器のGUIの変遷後の画面の別の例である(上から下に向かう操作)。
(A)に示す様に、電子機器40の制御回路42は、表示装置41上で、第1の表示領域401から第2の表示領域402に向かう方向(上から下への矢印方向)に、ユーザにより操作されることを検出する。すると、(G)に示す様に、電子機器40の制御回路42は、第2の表示領域402に表示されている3個以上の第2のメディアオブジェクト420のうちのN個(Nは1以上4以下の整数)(本例では4個)の第2のメディアオブジェクト420に代えて、第2の表示領域402に近いN個の第1のメディアオブジェクト410が示すメディア情報をそれぞれ示すN個の新たな第2のメディアオブジェクト420が第2の表示領域402に表示する。電子機器40の制御回路42は、第1の表示領域401に表示されているN個(本例では4個)の第1のメディアオブジェクト410に代えて、N個の新たな第2のメディアオブジェクト420に関係性のある異なるメディア情報をそれぞれ示すN個の新たな第1のメディアオブジェクト410が第1の表示領域401に表示されるように、表示を切り替える。電子機器40の制御回路42は、メディア情報を予めキャッシュしておき、キャッシュしているメディア情報が尽きると、更新マークを表示して新規のメディア情報を読み込み新たな第1のメディアオブジェクト410として表示すればよい。「下から上に向かう操作」及び「上から下に向かう操作」は、操作子(手指、スタイラスペン、マウス等)によるドラッグアンドドロップ操作、電子機器40がヘッドマウントディスプレイ、VRグラスの場合には手持ちのコントローラ、人体の一部、視線の移動による操作等でよい。
図6は、電子機器のGUIの変遷後の画面の別の例である(詳細表示)。
電子機器40の制御回路42は、表示装置41上で、1個の第1のメディアオブジェクト410が移動操作以外の方法(例えば、長押し、タップ等)(1個の第1のメディアオブジェクト又は第2のメディアオブジェクトが示すメディア情報の詳細ページを表示するための第3の動作)で操作されることを検出する。すると、電子機器40の制御回路42は、操作された1個の第1のメディアオブジェクト410又は第2のメディアオブジェクト420が示すメディア情報を詳細に示し、1個の第1のメディアオブジェクト410及び第2のメディアオブジェクト420より大きい詳細ページ452を表示する。同図に示す様に、詳細ページ452のレイアウトは、メディア情報のモダリティ(テキスト、動画、静止画等)により変更してもよい。
第1のファンクショナルオブジェクト430に新たに機能を追加してもよい。周囲の第1のメディアオブジェクト410又は第2のメディアオブジェクト420が第1のファンクショナルオブジェクト430に向かう操作をすることによるメディア情報検索、画像を取り込むことによる画像に基づくメディア情報検索、テキスト入力によるテキストに基づくメディア情報検索などである。検索されたメディア情報の表示方法は変更できる。第1のファンクショナルオブジェクト430を取り囲む第1のメディアオブジェクト410上へのメディア情報の表示(通常のトップ画面と同一)、同一の図形構成での表示、1以上のメディアが組み合わさったメディア情報の一覧表示、特定のメディアに限定したメディア情報の一覧表示などである。第1のメディアオブジェクト410又は第2のメディアオブジェクト420に対して指定の動作を行う(クリック、ダブルクリック、タップなど)ことで、メディア情報の詳細を表示することができる。詳細ページ452には、1以上のメディア情報が表示される。
このように、メディア情報は、第1のメディアオブジェクト410又は第2のメディアオブジェクト420から詳細ページ452へと、表示サイズを変更することができる。拡大された第1のメディアオブジェクト410は、画像やテキストを標準サイズの第1のメディアオブジェクト410又は第2のメディアオブジェクト420より多い画素数を使って掲示できる。情報掲示の変更方法は、テキストサイズの大きくする、掲示する情報量を増やす、メディア情報の種類を増やす等である。第1のメディアオブジェクト410又は第2のメディアオブジェクト420に対して能動的な操作が可能である。能動的な操作は、お気に入り情報の保管(クリップ)、他SNSへの投稿、メディア情報の共有、コメントの記載などである。これらの能動的な操作機能それぞれを実行するインタフェースは、第1のメディアオブジェクト410又は第2のメディアオブジェクト420上または付近に個別または集約した形でアイコンが描画される。集約されている場合は、集約されたアイコンを操作すると能動的な操作が一覧化されたメニューが開く。
詳細ページ452上からも、第1のメディアオブジェクト410と同様の能動的な操作が可能である。ユーザは各メディア情報にコメントを記載できる。ユーザはコメントを記載元となったメディア情報とともに閲覧することができる。ユーザは、コメントに対して指定のアイコンをクリックやタップすることで、リアクションを付けコメントを評価することができる。記載されたコメントに関してユーザが閲覧可能な情報は、当該コメント記載者の情報、当該コメントの内容、当該コメントの評価などである。ユーザがこれらの閲覧可能な情報の中からコメント記載者を選択すると、コメント記載者のマイページへ画面が遷移してよい。コメント記載者のマイページには、コメント記載者の自由記載欄(自己紹介など)、コメント記載歴、フォローしているユーザ数(フォロー数)、フォローされているユーザの数(フォロワー数)が表示されてよい。ユーザは他のユーザをフォローすることができてよい。ユーザの画面には、そのユーザがフォローしているユーザが記載したコメント、記事投稿、広告などが優先的に表示されてよい。
図7は、電子機器のGUIの変遷後の画面の別の例である(第2のファンクショナルオブジェクト)。
電子機器40の制御回路42は、表示装置41上で、第1のファンクショナルオブジェクト430が操作(ユーザが情報のテキスト検索をするための第4の動作)されると、第2のファンクショナルオブジェクト451を表示する。第2のファンクショナルオブジェクト451はテキスト検索フィールドとして機能する。電子機器40の制御回路42は、第2のファンクショナルオブジェクト451に入力されたテキストに関係性のあるメディア情報をそれぞれ示す1以上の第3のメディアオブジェクト450を表示する。「テキストに関係性のあるメディア情報」は、上述の、第1のメディアオブジェクト410及び第2のメディアオブジェクト420として表示される「互いに関係性のある異なるメディア情報」を選択する方法で選択してもよいし、別の方法で選択してもよい。
第2のファンクショナルオブジェクト451は、テキスト検索フィールドに加えて、第1のファンクショナルオブジェクト430の検索窓と同様の機能を有する。電子機器40の制御回路42は、1個の第3のメディアオブジェクト450が第2のファンクショナルオブジェクト451に向かう操作がされると、向かう操作がされた第3のメディアオブジェクト450が示すメディア情報に関係性のある異なるメディア情報をそれぞれ示す複数の第1のメディアオブジェクト410を、トップ画面400のレイアウトで表示する。
3.情報処理システムの機能的構成
図8は、情報システムの機能的構成を示す。
情報処理装置10は、制御回路100のプロセッサが補助記憶装置に記録された各種の情報処理プログラムを主記憶装置にロードして実行することにより、収集部110、メディア情報解析部120、概念関係性算出部130、アカウント作成部140、アカウント利用履歴解析部150、起動時レコメンド部160、検索時レコメンド部170として動作する。
記憶装置20は、メディア情報データベース210、概念データベース220、概念関係性データベース230、解析情報データベース240、アカウントデータベース250を格納する。
4.情報処理装置の動作
図9は、情報処理装置の動作フローを示す。
収集部110は、メディア情報を収集する(ステップS1)。メディア情報は、静止画像、動画像、音楽、テキスト、位置情報、タグ情報等の複数の異なるモダリティ(様式)のうち少なくとも1つで構成される。メディア情報は、実世界及び仮想世界上に存在するあらゆるデータに紐づけられる。例えば、ウェブ(インターネット、ネットワークとも称する)上に保存されたデータ、個人のデバイス内に保存されたデータ、実世界上や仮想世界上で所定のセンサー等を用いて計測されたデータ等が対象となる。収集部110は、収集したメディア情報をメディア情報データベース210に蓄積する。
図10は、メディア情報データベースを示す。
メディア情報データベース210には、複数のメディアデータ210Aが登録される。それぞれのメディアデータ210Aは、メディアID211、タイトル212、テキスト213、画像識別子214、発信者アカウントID215、更新日216が互いに関連付けて登録されたものである。
メディアID211は、1つのメディア情報をメディア情報データベース210内で一意に識別するシリアルナンバーでよい。タイトル212は、収集されたメディア情報に含まれるメタ情報により定義されてよい。テキスト213は、収集されたメディア情報に含まれる。画像識別子214は、メディア情報に一意に割り当てられたURL(リンク先アドレス)でもよいし、実データでもよい。各メディアデータ210Aは、テキスト213及び画像識別子214の何れか一方を含んでもよいし、両方を含んでもよい。メディア情報が音楽である場合は、テキスト213及び画像識別子214の両方を含まず、URL又は実データを示す音楽識別子(不図示)を含んでもよい。
発信者アカウントID215は、メディア情報を発信したエンドユーザのアカウントIDである。発信者アカウントID215に加えて、当サービスの会員である、KYC(Know Your Customer)が行われているなどによって分類される発信者分類がさらに登録されてもよい。更新日216は、メディア情報の更新日である。更新日216は、更新日が収集日から定められた時間内の発信であるか否かで分類されてもよい。
複数のメディアデータ210Aの種類及び種類数は、どのようなメディアによってメディアデータ210Aが構成及び提供されているか、その種類と数によって分類されてもよい。メディアデータ210A毎に個別のアドレスが設定されている場合は(例えば、SNS)、当アドレス情報も収集されてもよい。
図11は、メディア情報解析部の構成を示す。
メディア情報解析部120は、ネットワーク上に存在する複数のメディア情報について、各メディア情報の特徴量であるメディア特徴量を、例えば機械学習により学習されたモデルを使って算出する(ステップS2)。具体的には、メディア情報は、複数のサブメディア情報M1、M2(例えば、テキストM1及び画像M2)を含む。メディア情報解析部120は、複数のサブメディア情報M1、M2それぞれについてメディア特徴量245、246を算出する(ステップS21)。即ち、メディア情報は、複数のサブメディア情報M1、M2それぞれについての複数のメディア特徴量245、246を有する。
メディア情報解析部120は、各メディア情報の概念を抽出する(ステップS3)。具体的には、メディア情報解析部120は、概念データベース220を参照し、各メディア情報が有する概念を抽出し、抽出した概念を、ドミナント概念243及びサブ概念244に分解する(ステップS22)。例えば、メディア情報解析部120は、1つのメディア情報の中で出現率の高い客体が有する概念をドミナント概念243とし、相対的に出現率の低い客体が有する概念をサブ概念244に分類してもよい。即ち、メディア情報の概念は、ドミナント概念243と、サブ概念244とを含む。或るメディア情報が有するドミナント概念243と、サブ概念244の集合は、そのメディア情報の概念とする。
図12は、概念データベースを示す。
概念データベース220には、複数の概念データ220Aが登録される。それぞれの概念データ220Aは、シリアルID221、概念ID222、概念名223が互いに関連付けて登録されたものである。概念データベース220に登録される概念データ220Aには、ドミナント概念243とサブ概念244との区別は無い。例えば、概念データ220Aは、ドミナント概念243とサブ概念244とを区別するフラグ等を有さない。
図13は、概念関係性データベースを示す。
概念関係性データベース230には、複数の概念関係性データ230Aが登録される。「概念」とは、テキストや画像内のメディア情報内で表現された概念である。それぞれの概念関係性データ230Aは、シリアルID231、概念関係性ID232、概念from233、概念to234、関係性の強さ235が互いに関連付けて登録されたものである。関係性の強さ235は、方向性を有する繋がりの強さ(結びつきの強さ)を意味する。
例えば、図12の概念ID「0」の概念「today」から概念ID「1」の概念「event」への関係性の強さ235は「0.61」である。また、概念「today」から概念「event」への関係性の強さ235が登録されているからと言って、逆方向に、概念「event」から概念「today」への関係性の強さ235は必ずしも登録されていなくてもよい。また、概念「today」から概念「event」への関係性の強さ235と、逆方向に、概念「event」から概念「today」への関係性の強さ235とは、必ずしも一致しない。
メディア情報解析部120は、概念データベース220及び概念関係性データベース230を参照し、抽出したドミナント概念243に対して所定の概念関係性の強さ235を有する概念を、メディア情報が有する追加的なサブ概念244として判断する(ステップS23)。例えば、メディア情報解析部120は、抽出したドミナント概念243を概念from233としたときに、この概念from233からの関係性の強さ235が所定値以上である概念to234を、追加的なサブ概念244として判断する。メディア情報解析部120は、メディア特徴量245、246、ドミナント概念243、サブ概念244を解析情報データベース240に登録すする。
図14は、解析情報データベースを示す。
解析情報データベース240には、複数の解析情報データ240Aが登録される。それぞれの解析情報データ240Aは、シリアルID241、メディアID242、ドミナント概念集合243、サブ概念集合244、テキスト特徴量245、画像特徴量246、他メディア(例えば、音楽)の特徴量247が互いに関連付けて登録されたものである。メディアID242は、メディア情報データベース210のメディアID211と同じである。ドミナント概念集合243は、メディアID242のメディア情報について抽出された全てのドミナント概念の概念ID222(図12)を含む。サブ概念集合244は、メディアID242のメディア情報について抽出された全てのサブ概念の概念ID222(図12)を含む。テキスト特徴量245、画像特徴量246、他メディアの特徴量247は、メディア情報に含まれる全てのサブメディアの特徴量を含む。テキスト特徴量245、画像特徴量246、他メディア(例えば、音楽)の特徴量247を集合的に「メディア特徴量」と称する。特徴量の形式の一形態はベクトルであるが、如何なる形式でもよい。
図15は、概念関係性算出部の構成を示す。
概念データベース220及び概念関係性データベース230は、概念関係性算出部130により予め作成され、随時更新される。即ち、概念関係性算出部130は、ネットワーク上に存在する複数のメディア情報の概念の概念関係性を算出し、更新する。
具体的には、概念関係性算出部130は、メディア情報データベース210及び解析情報データベース240を読み出す。概念関係性算出部130は、メディア情報データベース210から、或るメディアID212により特定されるメディアデータ210Aの発信者アカウントID215及び更新日216を抽出する。概念関係性算出部130は、解析情報データベース240から、或るメディアID242により特定される解析情報データ240Aのドミナント概念集合243、サブ概念集合244、テキスト特徴量245、画像特徴量246及び他メディアの特徴量247を抽出する。概念関係性算出部130は、各ドミナント概念集合243及びサブ概念集合244に対して概念関係性を算出する。概念関係性算出部130は、発信者アカウントID215及び更新日216と、テキスト特徴量245、画像特徴量246及び他メディアの特徴量247とを、概念関係性の算出に影響させてもよい。概念関係性算出部130は、算出結果に基づき、概念データベース220及び概念関係性データベース230を随時更新する。
図16は、アカウント作成部の構成を示す。
一方、アカウント作成部140は、電子機器40を使用して情報処理システム1により提供されるサービスにログインするユーザのアカウントを登録する(ステップS4)。ユーザは、電子機器40を使用して、ユーザ情報を入力する(ステップS41)。
ユーザはログインをすることで固有のアカウントを割り当てられ、情報処理システム1により提供される固有のサービスを利用することができる。固有のサービスとは、履歴の管理、メディア情報のタグ付け、タグ付けされたメディア情報の閲覧、コメントの記載、嗜好に合わせたコンテンツの提供、広告の配信などである。ユーザは初回登録時に、氏名(ユーザ名)、メールアドレス、携帯電話番号、SNSアカウント、個人証明書、決済情報等が必要に応じて求められてもよい。ユーザは初回登録時に、嗜好情報を判断する際の基準とするためのキーワードを1個以上指定してもよい。キーワードを定めるにあたって、簡易な設問によって嗜好情報を区分してもよい。嗜好情報は、ユーザの閲覧したメディア情報、このユーザがフォローする別のユーザ、このユーザがフォロワーである別のユーザ等のネットワーク利用履歴から機械学習により学習されたモデルを使って算出されてもよい。ユーザのログイン時に、登録されている情報に基づき2段階認証を求めてもよい。ユーザがログインした機器情報はサービスを運営するサーバへ登録され、過去に履歴のない機器にてログインを行った場合は2段階認証が求められ求めてもよい。アカウント情報はアカウントデータベース250に格納される。
図17は、アカウントデータベースを示す。
アカウントデータベース250には、複数のアカウントデータ250Aが登録される。それぞれのアカウントデータ250Aは、アカウントID251、ユーザ名252、嗜好特徴量253、閲覧履歴メディアIDリスト254、フォローアカウントリスト255、フォロワーアカウントリスト256が互いに関連付けて登録されたものである。
アカウント作成部140は、アカウントデータベース250に登録された閲覧履歴メディアIDリスト254、フォローアカウントリスト255、フォロワーアカウントリスト256、初回登録時の嗜好情報等に基づき、電子機器40を使用してサービスにログインするユーザの嗜好特徴量253を機械学習により学習されたモデルを使って算出し、アカウントデータベース250に登録する(ステップS42)。
図18は、アカウント利用履歴解析部の構成を示す。
アカウント利用履歴解析部150は、ユーザがアカウントにログインして情報処理システム1により提供されるサービスを利用すると、ユーザの利用履歴に基づき嗜好特徴量を再計算する(ステップS5)。具体的には、アカウント利用履歴解析部150は、アカウントデータベース250からアカウントID251、嗜好特徴量253、閲覧履歴メディアIDリスト254を読み出し、利用履歴である閲覧履歴メディアIDリスト254に基づき嗜好特徴量253を再計算する(ステップS51)。アカウント利用履歴解析部150は、さらにフォローアカウントリスト255、フォロワーアカウントリスト256に基づき嗜好特徴量253を再計算してもよい。アカウント利用履歴解析部150は、再計算した嗜好特徴量253をアカウントデータベース250に登録(更新)する。この様に、ユーザの嗜好は、初期登録時に選択したキーワードおよびサービスの過去の利用履歴に基づき解析される。
図19は、起動時レコメンド部の構成を示す。
起動時レコメンド部160は、嗜好特徴量253に対して所定の条件を満足するメディア特徴量をそれぞれ有する複数のメディア情報を、複数の第1のメディアオブジェクト410と、複数の第2のメディアオブジェクト420として初期に表示される複数のメディア情報として選択する(ステップS6)。具体的には、ユーザが電子機器40を用いてアプリケーションプログラムを起動すると(ステップS61)、起動時レコメンド部160は、アカウントデータベース250を読み出す。起動時レコメンド部160は、アカウントデータベース250から、ログインしたユーザのアカウントID251に関連付けられた嗜好特徴量253を読み出す。起動時レコメンド部160は、読み出した嗜好特徴量253に対して所定の条件を満足するメディア特徴量245、246、247を有する複数の解析情報データ240Aを、解析情報データベース240から抽出する。これにより、無自覚な検索ニーズに対する検索を可能にするため、ユーザに対する検索ニーズ候補の推薦方法(嗜好性を基に初期画面を出す)及び表示方法(UI)を提供することが出来る。
起動時レコメンド部160は、抽出した複数の解析情報データ240AのメディアID242と同じメディアID211の複数のメディアデータ210Aを、メディア情報データベース210から抽出する。データ生成部180は、抽出した複数のメディアデータ210Aのタイトル212、テキスト213及び画像識別子214に基づき、複数の第1のメディアオブジェクト410と、複数の第2のメディアオブジェクト420とを生成する(ステップS10)。複数の第1のメディアオブジェクト410と、複数の第2のメディアオブジェクト420とは、ウェブサーバ30を介して電子機器40に供給される、選択した複数のメディア情報を表示するための表示データである。データ生成部180は、ウェブサーバ30を介して、電子機器40の表示装置41に、複数のメディアデータ210Aに基づく複数の第1のメディアオブジェクト410と、複数の第2のメディアオブジェクト420とを含むトップ画面400を表示させる(ステップS62)。即ち、ウェブサーバ30は、情報処理装置10が選択した複数のメディア情報を表示するための表示データを電子機器40に供給する。
図27は、起動時レコメンド部の構成の変形例を示す。
さらに、起動時レコメンド部160は、解析情報データ240Aを解析情報データベース240から抽出するだけでなく、ユーザの嗜好特徴量253に合致するメディア情報のデータを生成してもよい(ステップS63)。この場合、データ生成部180は、生成されたメディア情報のデータを表示するための第1のメディアオブジェクト410又は第2のメディアオブジェクト420を生成すればよい。
ユーザはトップ画面400を閲覧する(ステップS7)。ユーザは、第1のメディアオブジェクト410を第1のファンクショナルオブジェクト430の上に向かうように操作(例えば、ドラッグアンドドロップ操作)することで、第1のファンクショナルオブジェクト430を選択して検索を実施する(ステップS8)。トップ画面400から遷移すると、第1のファンクショナルオブジェクト430は指定位置から変更しないが、第1のメディアオブジェクト410内の情報は、以下の様に変更される(ステップS9)。
図20は、検索時レコメンド部の構成を示す。図28及び図29は、検索時レコメンド部の動作の一例を説明するための図である。
検索時レコメンド部170は、1個の第1のメディアオブジェクト410が第1のファンクショナルオブジェクト430に向かう操作がされたとき、1個の第1のメディアオブジェクト410が示すメディア情報の概念に対して所定の概念関係性を有する概念をそれぞれ有する複数のメディア情報を選択する。具体的には、ユーザは、第1のメディアオブジェクト410が第1のファンクショナルオブジェクト430に向かうように操作する(ステップS81)。図28の例では、ユーザが操作した第1のメディアオブジェクト410が示すメディア情報は、「猫が月に向かってジャンプする動画」であるとする。
検索時レコメンド部170は、ユーザにより選択操作された第1のメディアオブジェクト410が示すメディアデータ210AのメディアID211をメディア情報データベース210から抽出する。検索時レコメンド部170は、抽出したメディアID211と同じメディアID242のドミナント概念243及びサブ概念244、メディア特徴量245、246、247を解析情報データベース240から抽出する。検索時レコメンド部170は、抽出したドミナント概念243及びサブ概念244の概念ID222を概念データベース220から抽出する。
検索時レコメンド部170は、抽出した概念ID222により特定されるドミナント概念243及びサブ概念244を概念from233としたときに、この概念from233からの関係性の強さ235が所定の条件(例えば、閾値以上)を満たす概念to234を、概念関係性データベース230から抽出する。検索時レコメンド部170は、抽出した概念to234の概念IDが関連付けられたメディアID242(即ち、概念to234をドミナント概念243又はサブ概念244として有するメディア情報のメディアID242)を解析情報データベース240から抽出する。検索時レコメンド部170は、抽出したメディアID242の解析情報データ240Aを解析情報データベース240から抽出する(ステップS91)。これにより、検索時レコメンド部170は、ユーザにより選択された第1のメディアオブジェクト410が示すメディアデータ210Aに所定の概念関係性を有するメディア(メディアID242により特定されるメディア)を選択することが出来る。
選択されたメディア情報に対する検索対象を広げるプロセスとして、当メディア情報が直接持たない情報(サブ概念)を、概念from233及び概念to234を使って付与することが出来る。このプロセスは1度だけでなく再帰的に何度でも行うことが出来る。例えば、第1の概念(ドミナント概念)から第2の概念(サブ概念)を導き、さらに、第2の概念(サブ概念)から第3の概念(サブ概念)を導くことが出来る。即ち、検索時レコメンド部170は、ユーザにより選択されたメディア情報の概念のうち少なくとも一部のドミナント概念243及び/又はサブ概念244に対して所定の概念関係性を有する少なくとも1個のドミナント概念243及び/又はサブ概念244を当メディア情報の概念に追加してもよい。これにより、検索時レコメンド部170は、ユーザにより選択されたメディア情報の概念と直接的な概念関係性を有さない概念を有するメディアを、選択することが出来る。
図28及び図29の例では、検索時レコメンド部170は、「猫が月に向かってジャンプする動画」のドミナント概念243「猫」(図29のDominant)及びサブ概念244「月明り」及び「ジャンプ」(図29のSub)を抽出する。検索時レコメンド部170は、ドミナント概念243「猫」(概念from233)と関係性を有するサブ概念244(概念to234)として「猫背」及び「保護猫譲渡会」(図29のSub1-1)をサブ概念244として抽出する。検索時レコメンド部170は、サブ概念244「猫背」及び「保護猫譲渡会」を有するメディア情報210A(例えば、猫背予防体操の動画、保護猫譲渡会の広告)を抽出する。
上述のように、概念「today」(第1の概念)から概念「event」(第2の概念)への関係性の強さ235が登録されているからと言って、逆方向に、概念「event」から概念「today」への関係性の強さ235は必ずしも登録されていなくてもよい。また、概念「today」から概念「event」への関係性の強さ235と、逆方向に、概念「event」から概念「today」への関係性の強さ235とは、必ずしも一致しない。このため、例えば、概念「today」を有するメディア情報からをキーとして概念「event」を有するメディア情報が抽出されるとしても、概念「event」を有するメディア情報からをキーとして概念「today」を有するメディア情報が抽出されるわけではない。ここで、ドミナント概念243から導かれる直接関係性のあるメディア情報に加えて、サブ概念244から導かれる間接関係性のあるメディア情報が選択される。このため、ユーザにとってはパターン化されていない意外性のあるメディア情報が抽出されることになる。
図30は、従前の検索と本実施形態の検索の比較を模式的に示す。
(A)に示す様に、従前の検索では、検索ニーズをユーザ自身が自覚しており、なおかつそれを自発的に言語で記述できることを前提としている。このため、まず、ユーザの嗜好性が検索ワード等(画像検索やマルチメディア検索も含む)により一義的に特定され、その結果、ユーザの嗜好性(検索ワード)に対して直接関係性を有する情報が検索されていた。このようなマルチメディア検索システムでは、ユーザが検索クエリに対して期待する情報以外の情報をユーザへ提供することが発生し得ない。言い換えると、システムはユーザが期待した範囲の情報しか提供することができない。
これに対して、(B)に示す様に、本実施形態では、レコメンドされたメディア情報の1つが検索クエリとして利用されるから、ユーザが無自覚に検索クエリを入力することができ、ユーザの一義的な嗜好性ではなく、示唆的な傾向嗜好性が獲得される。検索クエリ(レコメンドされたメディア情報の1つ)に対して、直接関係性を有するメディア情報だけでなく、間接関係性を有するメディア情報も検索結果に含めることが出来る。これにより、検索ニーズにユーザ自身が無自覚でありながらも検索を実行することができ、また、ユーザが想定していない一方で検索対象との関連性は担保されたマルチメディアを検索結果に含めることにより、ユーザに対して、新しい繋がりの発見や探求の広がりを提供することができる。
動作の説明に戻る。検索時レコメンド部170は、アカウントデータベース250から、ログインしたユーザのアカウントID251に関連付けられた嗜好特徴量253を抽出する。検索時レコメンド部170は、抽出した嗜好特徴量253に基づき、解析情報データ240Aをフィルタリングする(ステップS92)。
検索時レコメンド部170は、フィルタリング後の複数の解析情報データ240AのメディアID242と同じメディアID211の複数のメディアデータ210Aを、メディア情報データベース210から抽出する。データ生成部180は、抽出した複数のメディアデータ210Aのタイトル212、テキスト213及び画像識別子214に基づき、複数の第1のメディアオブジェクト410と、複数の第2のメディアオブジェクト420とを生成する(ステップS10)。データ生成部180は、ウェブサーバ30を介して、電子機器40の表示装置41に、複数のメディアデータ210Aに基づく複数の第1のメディアオブジェクト410と、複数の第2のメディアオブジェクト420とを含むトップ画面400を表示させる。
図31は、検索時レコメンド部の構成の変形例を示す。
さらに、検索時レコメンド部170は、解析情報データ240Aを解析情報データベース240から抽出するだけでなく、ユーザの嗜好特徴量253に合致するメディア情報のデータを生成してもよい(ステップS93)。この場合、データ生成部180は、生成されたメディア情報のデータを表示するための第1のメディアオブジェクト410又は第2のメディアオブジェクト420を生成すればよい。
1度目の検索の実施時には、検索時レコメンド部170は、検索対象のメディア情報210Aからドミナント概念243とサブ概念244を抽出する。事前計算されたものであってもよい。検索時レコメンド部170は、この際、各ドミナント概念243に対して概念関係性データベース230上で関係性が存在する概念を、サブ概念244として追加してもよい。検索時レコメンド部170は、メディア情報210Aデータベース、解析情報データベース、概念データベース、概念関係性データベース230に検索をかけ、検索対象のメディア情報210Aと関連する1つまたは複数のメディア情報210Aおよび特徴量を得る。検索時レコメンド部170は、この際、検索対象のメディア情報210Aと共通したドミナント概念243またはサブ概念244を持つメディア情報210Aだけに検索範囲を絞り込む。検索時レコメンド部170は、最後に、表示の優先順位(表示しないも含む)に基づき表示を行う。表示の優先順位および表示の可否は、ユーザの嗜好性、TF-IDF (Term Frequency - Inverse Document Frequency)を用いた概念の重要度、などに基づき決定されてもよい。
n度目の検索の実施時には、検索時レコメンド部170は、新たに検索対象とするメディア情報210Aから、ドミナント概念243とサブ概念244を抽出する。事前計算されたものであってもよい。検索時レコメンド部170は、この際、各ドミナント概念243に対して概念関係性データベース230上で関係性が存在する概念を、サブ概念244として追加してもよい。検索時レコメンド部170は、メディア情報210Aデータベース、解析情報データベース、概念データベース、概念関係性データベース230に検索をかけ、検索対象のメディア情報210Aと関連する1つまたは複数のメディア情報210Aおよび特徴量を得る。検索時レコメンド部170は、この際、検索対象のメディア情報210Aと共通したドミナント概念243またはサブ概念244を持つメディア情報210Aだけに検索範囲を絞り込む。ここで、1度目からn-1度目までの全てのまたはいずれかの検索範囲と重複する部分を用いて検索範囲をさらに絞り込んでもよいし、それらの検索範囲を用いて検索範囲を広げてもよい。1度目からn-1度目までの検索範囲を使用しなくてもよい。検索時レコメンド部170は、最後に、表示の優先順位(表示しないも含む)に基づき表示を行う。表示の優先順位は、ユーザの嗜好性、TF-IDF (Term Frequency - Inverse Document Frequency)を用いた概念の重要度、などに基づき決定されてもよい。
本実施形態によれば、例えば単語の関係性だけでなく、ドミナント概念243及びサブ概念244の方向性を有する関係性に基づき、ユーザにレコメンドされるメディア情報を選択する。ここで、ドミナント概念243から導かれる直接関係性のあるメディア情報に加えて、サブ概念244から導かれる間接関係性のあるメディア情報が選択される。このため、ありきたりな関連情報が提示されるのではなく、ユーザにとっては、むしろ意外性のあるメディア情報が提示される。ユーザにとっては、自身が関心のあるトピックに対して、知っていたものの繋がりがあるとは気づいていなかった別のトピックが提示されることもある。このように、本実施形態によれば、ユーザの知的好奇心を刺激し、ユーザに対して、新しい繋がりの発見や探求の広がりを提供することができる。これにより、ユーザがサービスをより利用したくなるというインセンティブが生じる。
本実施形態によれば、さらに、上述の様に、概念関係性算出部130は、ネットワーク上に存在する複数のメディア情報の概念の概念関係性を算出し、更新する。アカウント利用履歴解析部150は、嗜好特徴量253を算出し、更新する。このため、仮に、ネットワーク上に存在する複数のメディア情報が変化(増減)しなくても、複数のメディア情報の関係性の変化、ユーザの嗜好特徴量253の変化により、起動時及び検索時ともに、特定のユーザにレコメンドされるメディア情報は動的に変化する。このため、ユーザに対して、常に、新しい繋がりの発見や探求の広がりを提供することができる。
5.その他
(1)アカウント履歴サービス
ログインしたユーザは過去の利用履歴を閲覧することができる。利用履歴は、投稿履歴、検索履歴、詳細情報を閲覧したメディア情報の履歴、閲覧したコメント、記載したコメントなどである。ユーザは履歴の全てまたは一部を削除することができる。ユーザは閲覧する履歴を選択することができる。検索履歴を選択した場合は、選択した時点での検索履歴が表示される。詳細情報を閲覧したメディア情報の履歴を選択した場合は、当該詳細情報が確認できる。各ユーザは自らをフォローしているユーザ、自らがフォローしているユーザを確認できる。これらの確認画面から、それぞれのマイページへ遷移できる。アカウント利用履歴はアカウントデータベース250に格納される
(2)インフルエンス機能(広告、フライヤー)
広告掲載を望むログインしたユーザは、メディアオブジェクト410、420を自らの広告掲示のために利用することができる。広告はユーザに閲覧される。広告をユーザが選択すると既存のウェブブラウザを起動し外部サイトに移動するか、詳細情報を確認できる。ユーザが閲覧する広告は、広告掲載者の選定したキーワードに基づいて選定される。選択したキーワードと掲載広告の関連性及び妥当性は、解析システムによって評価されるキーワードと表示日時と表示場所を掲載枠とし、当掲載枠の表示単価は、広告表示希望者が設定できる。掲載枠に価格については、広告表示希望者が入札することで価格設定をすることができる。広告はキーワードとの関連性解析と単価などに基づき、表示の優先順位が設定される。キーワードの関連性が薄いと解析された広告の掲載の優先順位を低く設定することができる。
(3)投稿機能
ユーザは自らが作成した1以上のメディアで構成されたメディア情報を投稿することができる。投稿されたメディア情報にキーワード設定をすることができる投稿されたメディア情報は投稿時に設定したキーワードと、解析機能によって関連性の高いキーワードが抽出されキーワード群が設定されるキーワード群によって関連性が高く重要性が高いと判断されたメディア情報が、当投稿メディア情報のグループに設定され、当メディア情報を当システムの機能を使って検索された際に表示される。投稿者は関連性が高いと判断されてグループに設定されたメディア情報の全てまたは一部を選択し削除することができる投稿者は関連性が高いと判断されるメディア情報を自らが投稿したメディア情報のグループに入れることができる。
(4)自動再生機能
図21は、トップ画面の一例を示す。図22は、電子機器のGUIの変遷後の画面の一例である(自動再生)。
図21のトップ画面400において、第1のメディアオブジェクト410及び第2のメディアオブジェクト420が動画や音声を含むメディア情報を示すとする。(A)に示す様に、ユーザが第1のメディアオブジェクト410に対して移動を伴わない操作(タッチ操作等)をすると、第1のメディアオブジェクト410内に再生ボタンが表示されてよい。(B)に示す様に、ユーザが第2のメディアオブジェクト420に対して移動を伴わない操作(タッチ操作等)をすると、第2のメディアオブジェクト420内に再生ボタンが表示されてよい。
さらに、ユーザが、再生ボタンが表示された第1のメディアオブジェクト410又は第2のメディアオブジェクト420に対して移動を伴わない操作をすると、詳細ページ(図22)に遷移し、(A)のスタート画面が表示されてよい。
ユーザは一覧化されたメディア情報を自動再生することができる。自動再生の方法は、一定時間が経過するごとに画面に掲示されるメディア情報が切り替わる自動遷移方法、動画像等の各メディア情報を順次再生する方法、テキストを読み上げる音声情報を順次再生する方法などの内、1以上の方法を組み合わせて行われる。図22の(A)のスタート画面で、メディア情報である動画の自動遷移の時間と自動再生の再生速度、音声情報の再生速度をユーザが変更できる。(B)の各種再生時にユーザが画面を操作すると、(C)の操作画面が表示される。ユーザは操作画面上で、再生速度の調整、再生、再生の停止、一定時間の巻き戻し、一定時間の順送り、1つ前のメディア情報への移動、1つ次のメディア情報への移動などを行うことができる。一方、(D)に示す様に、静止画が中心のメディアの場合は静止画が大きく表示される。上述のように、メディア情報は、静止画像、動画像、音声、テキスト等の複数の異なるモダリティ(様式)のうち少なくとも1つで構成される。モダリティの種別はこの例に限定されず如何なる様式でもよい。
(5)トップ画面の変形例
図23、図24、図25は、トップ画面の変形例である。
図23に示す様に、トップ画面400のレイアウトは、上記実施形態のレイアウトに限定されない。図24、図25は、電子機器40がスマートフォンではなくパーソナルコンピュータのブラウザに表示されたトップ画面400の例である。図24は、コミュニティ機能、レコメンド機能、その他機能が、メディア表示機能と一緒に一覧化されたトップ画面400の例である。図25は、メディア情報のみ表示するトップ画面400の一例である。図25において、第1のメディアオブジェクト410及び第1のファンクショナルオブジェクト430を含む表示領域471のみが表示されてもよい。例えば、VRグラス等、表示可能な領域が狭い場合に表示領域471のみ表示するのは有用である。図23、図24、図25の何れにおいても、複数の第1のメディアオブジェクト410が第1のファンクショナルオブジェクト430の周囲に表示されれば如何なるレイアウトでもよい。
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。