JP7475830B2 - 撮像制御装置および撮像制御方法 - Google Patents
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Description
しかし、画像内の一部分を占める被写体が逆光状態や過順光状態となった高コントラスト状態のシーンでは、画像全体の光量に適した露出制御を行ったとしても、被写体を適切な露出で撮像できない場合がある。
適切な露出設定を行う方法として、受信した撮像画像ごとに被写体を検出し、被写体の領域の輝度評価値が所定の輝度評価値になるよう露出を制御する方法がある。また、ユーザが被写体に似た輝度の矩形領域を背景の中に指定し、当該矩形領域が所定の輝度評価値となるよう露出を制御する方法もある。
本発明の実施形態1に係るカメラシステムは、まず、目的とする被写体(オブジェクト)が映った第1の画像に対し、ユーザが指定した被写体候補領域から被写体領域を決定する。そして、カメラシステムは、第1の画像の被写体領域の輝度値に類似する値を有する領域を特定することを目的として、被写体領域以外の背景領域に第1の画像の被写体領域の輝度値に対する類似度を画素単位でマッピングした類似画素マップを取得する。カメラシステムは、その後取得した、露出調整対象の第2の画像のうち、類似画素マップから得られる領域の輝度値を評価対象の輝度値(輝度評価値)として取得する。そして、輝度評価値が所定の輝度となるように露出調整(露出制御)を行う。本実施形態では、輝度は256階調で表現されるとする。輝度の中間値は128となり、最大値は255となる。
図1は、本発明の実施形態に係るカメラシステム1の構成を示すブロック図である。
カメラシステム1は、撮像装置10と、ネットワーク20と、情報処理装置30とを有する。撮像装置10と情報処理装置30は、ネットワーク20を介して通信可能である。ネットワーク20は、有線でも無線でもよい。
情報処理装置30は、第1の画像信号の後に第2の画像信号を撮像装置10から受信すると、第2の画像信号のうち類似画素マップによって特定された領域の輝度値(輝度評価値)を取得し、輝度評価値が所定の輝度値となる露出設定(露出調整)を決定する。そして、情報処理装置30は、撮像装置10に当該露出設定で撮像を行わせるための露出制御信号(露出調整信号)を、撮像装置10へ送信する。情報処理装置30は、撮像装置10に露出制御信号を送信するので、撮像制御装置と称してもよい。情報処理装置30は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどである。
図2は撮像装置10および情報処理装置30の構成を示すブロック図である。
撮像装置10は、図2に示すように、撮像部11と、CCDコントローラ12と、I/F部13とを備える。I/FはInterfaceの略である。撮像部11はCCDコントローラ12に接続されており、CCDコントローラ12はI/F部13に接続されている。I/F部13は撮像部11とネットワーク20に接続されている。CCDはCharge Coupled Deviceの略である。
撮像部11は、レンズ111と、絞り112と、CCD113を備える。CCD113は、レンズ111および絞り112を通過した入射光を受け入射光に応じた検出信号を出力する。
I/F部13は、情報処理装置30からネットワーク20を介して送信された露出調整信号を受信し、露出調整信号をCCDコントローラ12に送信する。
I/F部31はネットワーク20に接続されており、撮像装置10から画像信号を受信する。I/F部31は、受信した画像信号をカメラシステム1で扱うフォーマットの画像データに変換し、当該画像データをデータバス35を介して記憶部34に送信する。記憶部34は、当該画像データを記憶する。
第1の画像がユーザにより予め選択(用意)されたものである場合、第1の画像は記憶部34に記憶されているとする。
なお、撮像装置10および情報処理装置30は、図2に示した以外の要素を含んでもよい。例えば、撮像装置10は、表示部、収音部およびパンチルトズーム駆動部などを有してもよい。情報処理装置30は、音声出力部などを有してもよい。
情報処理装置30内で行われる処理を、図3および図4を用いて説明する。図3は、情報処理装置30内で行われる処理の全体を示すフローチャートである。図4(A)~(G)は、図3の各処理により得られる処理結果の一例を示している。図3の各処理は、CPU32が記憶部34からプログラムを読み出して実行することにより行われる。SはStepの略である。
S5において、情報処理装置30は、直近の類似画素マップ作成から所定時間が経過したかを判定する。S5の判定結果がYesの場合、S6に進む。S5の判定結果がNoの場合、S7に進む。
S8において、情報処理装置30は、S7で取得した輝度評価値に基づいて最適な露出設定を取得(決定)し、決定した露出設定に対応する露出調整信号を撮像装置10に送信する。S8の露出調整後に、撮像装置10が撮像した画像は、例えば、図4(F)のような画像になる。よって、被写体を適切な露出で撮像することができる。露出設定決定処理については、図8を用いて後述する。
<被写体領域決定処理>
図5は、図3のS2の処理内容を説明するフローチャートであり、情報処理装置30内で行われる被写体領域決定処理の詳細を示している。
S11において、情報処理装置30は、露出を合わせたい被写体が映った画像(第1の画像)を取得する。
S12において、ユーザは、S11で取得した画像内に、入力部33を使用して被写体候補領域を矩形で指定する。情報処理装置30は、ユーザが指定した被写体候補領域に基づいて、画像内に被写体候補領域を設定する。
S14において、情報処理装置30は、輝度値リストから輝度値の中央値を取得する。
S15において、情報処理装置30は、S14で取得した中央値が、輝度値の取り得る値範囲の中間(256階調なので128)未満かを判定する。S15の判定結果がYesの場合、S17に進む。S15の判定結果がNoの場合、S16に進む。
S17において、情報処理装置30は、もしS16を経由しているならS16で取得した画像を用い、S12で指定した矩形内の各画素の輝度値がS14で取得した中央値未満であれば最大値(255)に置き換える。情報処理装置30は、もしS16を経由していないならばS11で取得した画像を用い、S12で指定した矩形内の各画素の輝度値がS14で取得した中央値未満であれば最大値(255)に置き換える。
S19において、情報処理装置30は、S18で取得した画像に対し、S12で指定した矩形外の各画素の輝度値を、輝度値の最小値(0)に置き換える。
なお、図5の被写体領域決定方法は一例であって、この方法に限定されない。例えば、公知の被写体領域検出アルゴリズムにより被写体領域を検出し、検出された被写体領域を本実施形態で使用する被写体領域として採用してもよい。
S21において、情報処理装置30は、類似画素マップの作成に用いる輝度ヒストグラムで使用する区間幅wに区間幅初期値w0をセットする。
S22において、情報処理装置30は、S2で取得した被写体領域の輝度値から、区間幅wのヒストグラムH1を作成する。
S24において、情報処理装置30は、S22で取得したヒストグラムH1の各区間を、S23で取得したヒストグラムH2の各区間で除算し、ヒストグラムH3を取得する。
S25において、情報処理装置30は、背景領域に十分な類似画素マップが存在するかを判断するための指標として、S23で取得したヒストグラムH2の各区間の高さにS24で取得したヒストグラムH3の該当する区間の高さを乗算したものの総和(合計)aを算出する。
S27において、情報処理装置30は、区間幅wが閾値未満かどうかを判定する。S27の判定結果がYesの場合、S28に進む。S27の判定結果がNoの場合、S29に進む。
S28において、情報処理装置30は、区間幅wに区間幅加算値dwを加算する。つまり、背景領域の輝度ヒストグラムが表す輝度類似度の合計が所定値未満の場合、輝度ヒストグラムの区間幅を広げる。S28の後、S22に戻る。
S29において、情報処理装置30は、画像の背景領域の各画素の輝度値を取得する。
S31において、情報処理装置30は、S30で取得した画素ごとの区間高さ値を対応する画素にマッピングした類似画素マップを作成する。
S32において、情報処理装置30は、類似画素マップの二値化を行う。二値化により、類似画素マップは1の領域と0の領域(真の値の領域と偽の値の領域)とを有するようになる。
また、図6の類似画素マップ作成方法は一例であって、この方法に限定されない。例えば、第1の画像の被写体領域内の輝度値の中央値を代表輝度値とし、代表輝度値を中心とした所定の範囲に収まる輝度値を背景領域から探し出し、該当する画素に真を入力し、該当しない画素に偽を入力して類似画素マップを作成してもよい。
図7は図2のS7の処理内容を説明するフローチャートであり、情報処理装置30内で行われる輝度評価値取得処理の詳細を示している。
S41において、情報処理装置30は、撮像装置10から第2の画像を取得する。
S42において、情報処理装置30は、S3もしくはS6で取得した類似画素マップ内の真の値の領域についてのみ(つまり、0以外の領域のみ)、第2の画像から輝度値を収集する。
なお、図7の輝度評価値取得処理は一例であって、この方法に限定されない。例えば、類似画素マップの画素輝度値を重みとした第2の画像の加重平均輝度値を輝度評価値としてもよい。
図8は、図2のS8の処理内容を説明するフローチャートであり、情報処理装置30内で行われる露出設定決定処理の詳細を示している。
S51において、情報処理装置30は、S7で取得した輝度評価値を用いて、記憶部34に記憶されている輝度評価値と露出設定の対応表を参照し、該当した露出設定を取得する。
S52において、情報処理装置30は、S51で取得した露出設定を、露出制御信号として撮像装置10に送信する。撮像装置10は受信し露出制御信号に従い露出設定(決定、変更)を行う。
なお、上記の露出設定決定処理は一例であり、他の手法により露出設定を決定してもよい。例えば、輝度評価値が所定の輝度値になるまで、露出設定を変更し続けてもよい。
図9は図2のS6の処理内容を説明するフローチャートであり、情報処理装置30内で行われる類似画素マップ更新処理の詳細を示している。
S61において、情報処理装置30は、前回の類似画素マップ更新から所定時間経過したかを判定する。所定時間は、例えば、10分である。S61の判定結果がYesの場合、S62に進む。S27の判定結果がNoの場合、S61に戻る。
S62において、情報処理装置30は撮像装置10から撮像画像を取得する。S62では、被写体が映っている画像を撮像装置10から受信・取得しているので、図9の処理は、所定時間ごとに、新たに第1の画像を撮像装置10から取得していると言える。
S64において、情報処理装置30は、S3の類似画素マップ作成処理を実行する。つまり、S64により、S7の輝度評価値取得処理で用いられる類似画素マップが更新される。
以上説明したように、本実施形態のカメラシステム1によれば、目的とする被写体(オブジェクト)が検出できるかどうかに関わらず、被写体に適した露出調整をすることができる。そのため、撮像画像ごとに露出設定を変更する方式に比べ、被写体を迅速に適正露出で撮像することができ、被写体の撮像し損なう機会を減らすことができる。本実施形態によれば、類似画素マップを更新することにより、光源の位置や明るさが変わったとしても、被写体撮像に適した露出調整を行うことができる。
実施形態1では、1枚の第1の画像から類似画素マップを作成する例を説明した。しかし、1枚の画像から類似画素マップを作成する際、被写体領域の輝度値に対して、風で動く木々など背景領域の動体領域の輝度値がたまたま類似するケースがある。その場合、第2の画像の際には、第1の画像の被写体領域の輝度値と動体領域の輝度値との類似度が継続しない可能性がある。そのため、第2の画像では適切な露出調整ができない可能性がある。当該可能性を低減するために、実施形態2では、目的となる被写体が映った動画を用いて、当該動画を構成するフレーム画像に対する類似画素マップを平均化して用いる。なお、本実施形態の説明において、実施形態1と同様な構成や処理には同じ参照符号を付けて、説明を省略する場合がある。
実施形態2に係るカメラシステム1、撮像装置10および情報処理装置30の構成は、実施形態1の図1および図2と同じであるため、説明を省略する。
図10は、実施形態2の情報処理装置30内で実行される処理の全体を示すフローチャートである。
S71において、情報処理装置30は、複数フレームからなる動画から類似画素マップを作成する。S71の詳細は図11を用いて説明する。S71の後、S4に進む。
図10のS4~S8の処理は、図3と同じため説明を省略する。
S81において、情報処理装置30は、撮像装置10から目的の被写体が映った動画の入力を受け取る。つまり、情報処理装置30は、被写体が写った動画を撮像装置10から受信して、例えば、記憶部34の第1記憶領域に記憶する。
S82において、情報処理装置30は、動画を構成するフレーム画像を1つずつ取得する。フレーム画像は、CPU31が動画を記憶部34の第1記憶領域から読み出され、記憶部34の第2記憶領域に記憶する(読み込む)ことにより行われる。
S84において、情報処理装置30は、S82で読み込んだフレーム画像から、公知の被写体領域検出方法によって被写体領域を決定する。実施形態1と同様にユーザが被写体領域を指定してもよい。
S85において、情報処理装置30は、S3と同様に類似画素マップ作成処理を実行する。
S86において、情報処理装置30は、S85で作成した類似画素マップを記憶部34の第3記憶領域に保存する。S86の後、S82に戻る。
S87において、情報処理装置30は、複数のフレームに対応する複数の類似画素マップの各画素の類似度を画素ごとに平均し、1枚の類似画素マップを作成する。
以上説明したように、実施形態2のカメラシステム1によれば、実施形態1と同様に、被写体に適した露出調整を迅速に行うことができ、被写体の撮像し損なう機会を減らすことができる。さらに、実施形態2のカメラシステム1によれば、風で動く木々など背景領域の動体領域の輝度値と、被写体領域の輝度値との類似度が高いと判断することが少なくなる。そのため、実施形態1よりも正確に露出調整を行うことができる。
図1および図2には1つのネットワーク20が描かれているが、撮像装置10と情報処理装置30は、複数のネットワークを介して接続されてもよい。
図1および図2では、情報処理装置30と撮像装置10が別々の装置として示されているが、情報処理装置30を撮像装置10内に組み込んでもよい。この場合、撮像装置10は、情報処理装置30の機能を内蔵する撮像装置となり、情報処理装置側ではユーザが指定した第1の画像内の被写体領域の位置およびサイズ情報を撮像装置10側に送信することになる。
また、第2の画像には、図4(G)に示すように、第1の画像の被写体領域付近に被写体が撮影されるが、それらに最適な露出が制御できることになる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
Claims (8)
- 撮像部の露出を制御する撮像制御装置であって、
前記撮像部により撮像された第1の画像から特定の被写体を含む被写体領域を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定した被写体領域の輝度ヒストグラムと、前記被写体領域以外の領域の輝度ヒストグラムとに基づいて、前記第1の画像において、前記被写体領域の輝度値と類似する輝度値を有する領域を取得する取得手段と、
前記撮像部により撮像された第2の画像における前記取得手段によって取得された領域の輝度値に基づいて、前記撮像部の露出を調整する調整手段と、
を有し、
前記取得手段は、前記被写体領域以外の領域の輝度ヒストグラムが表す輝度類似度の合計が所定値未満の場合、前記輝度ヒストグラムの区間幅を広げることを特徴とする撮像制御装置。 - 撮像部の露出を制御する撮像制御装置であって、
前記撮像部により撮像された第1の画像から特定の被写体を含む被写体領域を決定する決定手段と、
前記第1の画像において、前記被写体領域の輝度値と類似する輝度値を有する領域を取得する取得手段と、
前記撮像部により撮像された第2の画像における前記取得手段によって取得された領域の輝度値に基づいて、前記撮像部の露出を調整する調整手段と、
を有し、
前記取得手段は、前記被写体が映っている動画を前記撮像部から取得した場合、前記動画の複数のフレーム画像の背景領域のそれぞれについて、前記被写体領域の輝度値に対する類似度を平均化することにより前記類似する輝度値を有する領域を取得することを特徴とする撮像制御装置。 - 前記決定手段は、所定時間ごとに、前記被写体が映っている第1の画像を取得し、当該第1の画像から被写体領域を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像制御装置。
- 前記調整手段は、調整後の前記領域の輝度値が所定値になるまで、前記露出を調整することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
- 前記取得手段は、前記第1の画像の画素ごとの輝度値に基づいて、前記被写体領域の輝度値と類似する輝度値を有する領域を取得することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の撮像制御装置と、
前記撮像制御装置により露出制御される撮像部と、
を備える撮像装置。 - 撮像部の露出を制御する撮像制御方法であって、
前記撮像部により撮像された第1の画像から特定の被写体を含む被写体領域を決定するステップと、
前記決定するステップにより決定した被写体領域の輝度ヒストグラムと、前記被写体領域以外の領域の輝度ヒストグラムとに基づいて、前記第1の画像において、前記被写体領域の輝度値と類似する輝度値を有する領域を取得するステップと、
前記撮像部により撮像された第2の画像における前記取得するステップによって取得された領域の輝度値に基づいて、前記撮像部の露出を調整するステップと、
を有し、
前記取得するステップは、前記被写体領域以外の領域の輝度ヒストグラムが表す輝度類似度の合計が所定値未満の場合、前記輝度ヒストグラムの区間幅を広げることを特徴とする撮像制御方法。 - コンピュータを、請求項1~6のいずれか1項に記載の撮像制御装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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