JP7472927B2 - 樹脂シート及びその製造方法、並びに欠点検出方法 - Google Patents

樹脂シート及びその製造方法、並びに欠点検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂シート及びその製造方法、並びに欠点検出方法に関する。
プリント配線板は、各種電子機器に広く使用されている。プリント配線板の製造方法としては、内層基板に絶縁層と導体層とを交互に積み重ねるビルドアップ方式による製造方法が知られている。絶縁層は、例えば、支持体上に樹脂組成物層が形成された樹脂シートを使用し、樹脂シートを内層基板上にラミネートして樹脂組成物層を形成し、樹脂組成物層を熱硬化させることにより形成される(特許文献1)。
特開2020-23714号公報
樹脂組成物層には、異物及び気泡等の欠点が混入することがありうる。樹脂組成物層が欠点を含む場合、その欠点が絶縁層に残留する可能性がある。
近年、電子機器及び電子部品の小型化のニーズにより、プリント配線板においては、配線の微細化及び高密度化が求められている。配線の微細化及び高密度化が進行すると、従来よりも小さい欠点が配線形成の妨げとなりうる。そこで、従来よりも小さい欠点であっても、樹脂組成物層から除くことが求められる。具体的には、樹脂組成物層に含まれる数十μmレベルの欠点を検出する技術が求められる。
数百μm以上の欠点は、目視観察によって検出することが可能である。しかし、数十μmレベルの小さい欠点は、目視観察による検出は難しい。そこで、前記の小さい欠点を検出する方法としては、顕微鏡、自動外観検査装置などの検査装置を使用して、樹脂組成物の光学観察を行う方法が考えられる。ところが、本発明者が前記の検査装置を用いて数十μmレベルの小さい欠点の検出を行ったところ、誤検出の頻度が高く、よって、樹脂組成物層中の小さい欠点の検出精度が低かった。具体的には、樹脂組成物層中に小さい欠点が無い部分において、当該部分が欠点を含むとの検出結果が生じる頻度が高かった。
本発明は、前記の課題に鑑みて創案されたもので、樹脂組成物層中の欠点の検出精度を高めることができる樹脂シート及びその製造方法;並びに、樹脂シートの樹脂組成物層中の欠点を高い精度で検出できる欠点検出方法;を提供することを目的とする。
本発明者は、前記の課題を解決するべく鋭意検討した。その結果、本発明者は、支持体と、前記支持体上に形成された樹脂組成物層と、を備える樹脂シートであって、前記支持体が有する最大径10μm以上の欠点の数が5個/cm以下であるものが前記の課題を解決できることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記のものを含む。
[1] 支持体と、前記支持体上に形成された樹脂組成物層と、を備え、
前記支持体が有する最大径10μm以上の欠点の数が、5個/cm以下である、樹脂シート。
[2] 前記欠点が、光学観察によって検出可能な点である、[1]に記載の樹脂シート。
[3] 前記欠点が、前記支持体の内部にある、[1]又は[2]に記載の樹脂シート。
[4] 前記支持体が、プラスチックフィルムである、[1]~[3]のいずれか一項に記載の樹脂シート。
[5] 絶縁層形成用である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の樹脂シート。
[6] [1]~[5]のいずれか一項に記載の樹脂シートの製造方法であって;
支持体上に樹脂組成物層を形成する工程と、
前記支持体及び前記樹脂組成物層の光学観察を同時に行って欠点を検出する工程と、を含み;
前記支持体が有する最大径10μm以上の欠点の数が、5個/cm以下である、樹脂シートの製造方法。
[7] 支持体と前記支持体上に形成された樹脂組成物層とを備える樹脂シートの、前記樹脂組成物層中の欠点検出方法であって、
前記支持体及び前記樹脂組成物層の光学観察を同時に行って欠点を検出する工程を含み、
前記支持体が有する最大径10μm以上の欠点の数が、5個/cm以下である、欠点検出方法。
[8] 前記支持体が有する最大径10μm以上の欠点が、前記支持体の内部にある、[7]に記載の欠点検出方法。
[9] 前記支持体が、プラスチックフィルムである、[7]又は[8]に記載の欠点検出方法。
本発明によれば、樹脂組成物層中の欠点の検出精度を高めることができる樹脂シート及びその製造方法;並びに、樹脂シートの樹脂組成物層中の欠点を高い精度で検出できる欠点検出方法;を提供できる。
図1は、一例としての樹脂シートの製造装置を模式的に示す正面図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物を示して説明する。ただし、本発明は、下記に示す実施形態及び例示物に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施されうる。
以下の説明において、用語「(メタ)アクリル」とは、アクリル、メタクリル及びその組み合わせを包含する。また、用語「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート、メタクリレート及びその組み合わせを包含する。さらに、用語「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル、メタクリロイル及びその組み合わせを包含する。
[樹脂シートの概要]
本発明の一実施形態に係る樹脂シートは、支持体と、この支持体上に形成された樹脂組成物層と、を備える。樹脂組成物層は、樹脂組成物を含み、好ましくは樹脂組成物のみを含む。そして、本実施形態に係る樹脂シートの支持体が有する最大径10μm以上の欠点の数は、特定の範囲にある。ここで、「欠点」とは、別に断らない限り、光学観察によって検出可能な点を表す。
樹脂シートが備える支持体及び樹脂組成物層等の構成部材は、一般に、その厚み方向に対して垂直な面内方向において一様となるように製造される。よって、支持体及び樹脂組成物等の構成部材は、巨視的に見ると、面内方向において均一な組成を有する。したがって、支持体及び樹脂組成物層並びにそれらを含む樹脂シートは、それぞれ、光学観察した場合に、理想的には均一な像が得られる。
しかし、現実の製造においては、光学観察によって正常部分とは異なる像を形成する欠点が形成されうる。「正常部分」とは、上述した均一な像を形成する部分を表し、通常は均一な組成を有する部分を表す。一般的には、この正常部分は、光学観察される測定対象エリアにおいて大部分を占める。他方、「欠点」は、前記の正常部分以外の部分を表す。この欠点は、通常、正常部分に囲まれた異常点として現れるから、光学観察により得られる映像では、周囲の正常部分とは異なる像を形成する。
具体的には、光学観察によって得られる映像において、欠点は、通常、正常部分とは異なるコントラスト及び/又は色調を有する像を形成する。欠点の色は、例えば、白色、褐色、黒色、半透明等が挙げられるが、これらに分類されないものも含みうる。欠点は、正常部分と異なる屈折率を有しうるので、光の屈折又は反射を生じ、透明性があるが輪郭だけが異なるコントラスト及び/又は色調を有する像を形成する場合もある。また、欠点の形状は、例えば、楕円形、不定形、又はこれらが組み合わせられた形状等が挙げられるが、これらに分類されないものも含みうる。「欠点の形状」とは、別に断らない限り、光学観察によって得られる映像に現れる欠点の形状を表し、例えば、厚み方向から観察して得られる欠点の形状を表す。
樹脂シートの欠点には、支持体の欠点と樹脂組成物層の欠点とが含まれうる。支持体の欠点は、例えば、支持体の材料の破片(例えば、樹脂ペレットの破片等)、局所的に重合及び架橋等の反応が意図せず進行して生じた塊、支持体の製造過程で混入した異物、支持体の製造過程で形成された気泡、傷、ムラ、などが挙げられる。これらの欠点は、一般には洗浄により除去することは難しい。他方、樹脂組成物層の欠点は、通常、樹脂組成物層に含まれる気泡、異物、ピンホール、塗工スジ、塗工ヌケなどを表す。樹脂組成物層の欠点は、一般に、絶縁層又は配線層の形成不良などの工程不良、並びに、絶縁層のクラックなどの製品不良、の原因になりうる。そこで、樹脂シートにおいて、樹脂組成物層の気泡及び異物などの欠点を含む部分を特定し、当該部分を除くことが望まれる。
本実施形態に係る樹脂シートは、樹脂シートを光学観察することを含む欠点検出方法を実施した場合に、当該樹脂シートの異物及び気泡等の欠点の検出を行うことができる。そして、こうして検出される樹脂シートの欠点の大部分、好ましくはその全てが、樹脂組成物層の欠点に対応している。したがって、本実施形態に係る樹脂シートは、欠点検出方法による樹脂組成物層の欠点の誤検出の頻度の低くすることができるので、樹脂組成物層中の欠点の検出精度を高めることができる。
[支持体]
支持体は、樹脂組成物層を支持する部材である。この支持体は、最大径10μm以上の欠点を有していてもよいが、その欠点の数は少ない。好ましくは、支持体は、最大径10μm以上の欠点を有さない。具体的には、支持体が有する最大径10μm以上の欠点の数は、通常5個/cm以下、好ましくは4個/cm以下、より好ましく3個/cm以下、更に好ましくは2個/cm以下、特に好ましくは1個/cm以下であり、理想的には0個/cmである。
欠点の最大径は、光学観察によって得られる映像において欠点が形成する像の径のうち、最大の径を表す。よって、支持体の欠点の最大径は、支持体を光学観察することによって測定できる。この支持体の光学観察は、後述する樹脂シートの製造方法において行われる光学観察と同じ方法によって行いうる。通常、支持体を単独で光学観察することにより、その支持体が有する欠点の最大径及び個数を測定することができる。具体的な測定方法は、例えば、参考例1~5において説明する方法を採用しうる。
支持体は、光学観察において用いる波長の光が透過できる材料で形成されることが好ましい。このとき、前記の光は、支持体が有する欠点を検出可能な程度に支持体を透過できることが好ましい。通常、光学観察は可視光を用いて行うので、支持体の材料としては、可視光を透過させることができる透明又は半透明の材料が好ましい。
一例において、支持体の測定波長550nmにおける光線透過率は、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上であり、通常100%以下である。光線透過率は、紫外近赤外分光光度計(例えば、島津製作所社製「UV3100PC」)によって測定できる。この際の測定条件は、以下のとおりでありうる。測定波長範囲:300nm~2600nm、サンプリングピッチ:1nm、露光時間:103秒(測定開始から終了までの時間)、積分球:あり、スリット幅:20nm。
また、一例において、支持体のヘーズ値は、好ましくは15%以下、より好ましく10%以下、更に好ましくは5%以下でありうる。ヘーズ値は、物質を通過する全光線に対する拡散光の割合(百分率)を指す。ヘーズ値は、ヘーズメーター(例えば、スガ試験機製のヘーズメーター「HZ-V3」)を用いて測定できる。
支持体の材料としては、例えば、プラスチック材料が挙げられる。プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミド等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びポリイミドが好ましく、ポリイミドが特に好ましい。
支持体の形状は、板状であってもよいが、フィルム状であることが好ましい。よって、支持体としては、前記のプラスチック材料を含むプラスチックフィルムが好ましく、ポリイミドフィルムが特に好ましい。また、支持体は、枚葉のフィルムであってもよいが、樹脂シートの連続的な製造を可能にして製造効率を高める観点から、長尺のフィルムであることが好ましい。長尺のフィルムとは、別に断らない限り、ロール状に巻き取り可能な程度の長さを有するフィルムをいい、例えば、幅に対して10倍以上の長さを有するフィルムでありうる。
支持体は、樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理、帯電防止処理を施してあってもよい。
支持体として、樹脂組成物層と接合する面に離型層を有していてもよい。よって、支持体は、例えば、上述したプラスチック材料で形成された支持層と、この支持層上に形成された離型層とを備えていてもよい。離型層は、通常、離型剤によって形成される。離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。
支持体の厚さは、特に限定されないが、5μm~75μmの範囲が好ましく、10μm~60μmの範囲がより好ましい。なお、離型層を備える支持体を使用する場合、離型層を含む支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
支持体は、市販品から選択して使用しうる。ただし、支持体がプラスチック材料を含むプラスチックフィルムである場合、一般に、市販のプラスチックフィルムをそのまま支持体として用いることは難しい。一般に、プラスチックフィルムには最大径10μm以上の欠点が5個/cmより大きい頻度で含まれる。例えば、プラスチック材料の溶液を用いる溶融流延法で製造されるプラスチックフィルムは、原料としてのプラスチックペレットの一部が溶液に溶けず、その結果、破片がプラスチックフィルム中に残留して欠点を形成することがありえる。また、熱溶融したプラスチック材料を用いる溶融押出法で製造されるプラスチックフィルムは、プラスチックペレットの一部が溶融せず、その結果、破片がプラスチックフィルム中に残留して欠点を形成することがありえる。さらに、プラスチックフィルムの製造方法は、厚み制御等の目的でフィルムを加熱しながら延伸、冷却することを含みうるが、その延伸の過程において材料の一部が重合、架橋、変性等の反応を生じることがある。このような反応が生じると、フィルム中に周囲とは異なる組成の塊が形成され、その結果、当該塊が欠点を形成することがありえる。また、一般に、プラスチックフィルムは、成形加工性の向上、成形品の特性改良などのために酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤などの添加剤を含むことがあるが、製造工程中でそれら添加剤が溶融せずに残留したり凝集したりすることで、欠点を形成することがありえる。これらの欠点を完全にゼロにすることは技術的及びコスト的に困難であるから、市販のプラスチックフィルムは、通常、最大径10μm以上の欠点が5個/cmより大きい頻度で含まれる。また、仮に小さい面積であればプラスチックフィルムが欠点を含まないことがありうるとしても、長尺のフィルムは、その全体において最大径10μm以上の欠点が5個/cm以下にすることは現在の高度なフィルム製造技術においても、一般に難しい。
そこで、市販のプラスチックフィルムを支持体として用いる場合、前記の欠点の少ないフィルムを選定して用いることが好ましい。また、当該フィルムには、前記のように欠点が含まれうるので、そのフィルムの光学観察を行って、最大径10μm以上の欠点を5個/cmより高い頻度で含む部分を除去し、残った部分を支持体として用いることが好ましい。もし最大径10μm以上の欠点を5個/cmより高い頻度で含む部分を除去した高グレートなフィルムを市場から入手可能な場合には、その高グレードなフィルムを支持体として用いても構わない。
[樹脂組成物層]
樹脂組成物層は、樹脂組成物を含む。この樹脂組成物は、熱及び光の一方又は両方によって硬化して、プリント配線板及び半導体チップパッケージ等の回路基板の構成部材として用いうる。樹脂組成物が硬化して得られる硬化物を適用しうる回路基板の構成部材としては、絶縁層、ソルダーレジスト、アンダーフィル材、ダイボンディング材、半導体封止材、穴埋め樹脂、部品埋め込み樹脂等が挙げられる。したがって、樹脂組成物としては、(A)硬化性樹脂を含む組成物を用いうる。以下、樹脂組成物の組成の具体例を説明するが、樹脂組成物としては下記に例示する以外のものを用いてもよい。
樹脂組成物が含みうる(A)硬化性樹脂は、通常、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂からなる群より選ばれる。(A)硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂のみを用いてもよく、光硬化性樹脂のみを用いてもよく、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂を組み合わせて用いてもよい。また、(A)硬化性樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
熱硬化性樹脂としては、熱を加えられた場合に硬化可能な樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂の例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、活性エステル樹脂、シアネート樹脂、カルボジイミド樹脂、酸無水物樹脂、アミン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、チオール樹脂、及び、ラジカル重合性樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、活性エステル樹脂、シアネート樹脂及びラジカル重合性樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種類を含むことが好ましい。
一例においては、エポキシ樹脂と、そのエポキシ樹脂と反応して樹脂組成物を硬化させうる樹脂とを組み合わせて用いることが好ましい。エポキシ樹脂と反応して樹脂組成物を硬化させうる樹脂を、以下「硬化剤」と呼ぶことがある。硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂、活性エステル樹脂、シアネート樹脂、カルボジイミド樹脂、酸無水物樹脂、アミン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、チオール樹脂などが挙げられる。中でも、フェノール樹脂、活性エステル樹脂、シアネート樹脂及びカルボジイミド樹脂が好ましく、フェノール樹脂及び活性エステル樹脂がより好ましい。また、硬化剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂は、エポキシ基を有する硬化性樹脂である。エポキシ樹脂としては、例えば、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、イソシアヌラート型エポキシ樹脂、フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂は、耐熱性に優れる硬化物を得る観点から、芳香族構造を含有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。芳香族構造とは、一般に芳香族と定義される化学構造であり、多環芳香族及び芳香族複素環をも含む。芳香族構造を含有するエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビシキレノール型エポキシ樹脂、芳香族構造を有するグリシジルアミン型エポキシ樹脂、芳香族構造を有するグリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、芳香族構造を有する線状脂肪族エポキシ樹脂、芳香族構造を有するブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、芳香族構造を有する脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、芳香族構造を有するスピロ環含有エポキシ樹脂、芳香族構造を有するシクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、芳香族構造を有するトリメチロール型エポキシ樹脂、芳香族構造を有するテトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
(A)硬化性樹脂は、エポキシ樹脂として、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂の不揮発成分100質量%に対して、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。
エポキシ樹脂には、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」ということがある。)と、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」ということがある。)とがある。樹脂組成物は、エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、或いは固体状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、或いは液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて含んでいてもよい。
液状エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する液状エポキシ樹脂が好ましい。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましい。
液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「828US」、「828EL」、「jER828EL」、「825」、「エピコート828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER807」、「1750」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「630」、「630LSD」、「604」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂);ADEKA社製の「ED-523T」(グリシロール型エポキシ樹脂);ADEKA社製の「EP-3950L」、「EP-3980S」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂);ADEKA社製の「EP-4088S」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品);ナガセケムテックス社製の「EX-721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂);ダイセル社製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂);ダイセル社製の「PB-3600」、日本曹達社製の「JP-100」、「JP-200」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル製の「ZX1658」、「ZX1658GS」(液状1,4-グリシジルシクロヘキサン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する固体状エポキシ樹脂が好ましく、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する芳香族系の固体状エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状エポキシ樹脂としては、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂が好ましい。
固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP-4700」、「HP-4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂);DIC社製の「N-690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂);DIC社製の「N-695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP-7200」、「HP-7200HH」、「HP-7200H」、「HP-7200L」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂);DIC社製の「EXA-7311」、「EXA-7311-G3」、「EXA-7311-G4」、「EXA-7311-G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「EPPN-502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3000FH」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN475V」、「ESN4100V」(ナフタレン型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN485」(ナフトール型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN375」(ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX4000H」、「YX4000」、「YX4000HK」、「YL7890」(ビキシレノール型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX7700」(フェノールアラルキル型エポキシ樹脂);大阪ガスケミカル社製の「PG-100」、「CG-500」;三菱ケミカル社製の「YL7760」及び「YX7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER1010」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「WHR991S」(フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて用いる場合、それらの質量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、好ましくは20:1~1:20、より好ましくは10:1~1:10、特に好ましくは7:1~1:7である。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50g/eq.~5,000g/eq.、より好ましくは60g/eq.~3,000g/eq.、さらに好ましくは80g/eq.~2,000g/eq.、特に好ましくは110g/eq.~1,000g/eq.である。エポキシ当量は、エポキシ基1当量あたりの樹脂の質量を表す。このエポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができる。
エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは100~5,000、より好ましくは250~3,000、さらに好ましくは400~1,500である。樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン換算の値として測定できる。
樹脂組成物中のエポキシ樹脂の量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、特に好ましくは5質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、特に好ましくは35質量%以下である。
樹脂組成物中のエポキシ樹脂の量は、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、特に好ましくは20質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、特に好ましくは70質量%以下である。樹脂組成物の樹脂成分とは、別に断らない限り、樹脂組成物の不揮発成分のうち、後述する(B)無機充填材を除いた成分を表す。
フェノール樹脂としては、ベンゼン環、ナフタレン環等の芳香環に結合した水酸基を1分子中に1個以上、好ましくは2個以上有する化合物を用いうる。フェノール樹脂は、エポキシ樹脂と組み合わせた場合にエポキシ樹脂と反応して樹脂組成物を硬化させうるので、「フェノール系硬化剤」ということがある。耐熱性及び耐水性に優れた硬化物を得る観点からは、ノボラック構造を有するフェノール樹脂が好ましい。また、導体層との密着性に優れた硬化物を得る観点からは、含窒素フェノール樹脂が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール樹脂がより好ましい。中でも、耐熱性、耐水性、及び密着性に高度に優れる硬化物を得る観点から、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂が好ましい。フェノール樹脂の具体例としては、例えば、明和化成社製の「MEH-7700」、「MEH-7810」、「MEH-7851」、日本化薬社製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、日鉄ケミカル&マテリアル社製の「SN-170」、「SN-180」、「SN-190」、「SN-475」、「SN-485」、「SN-495」、「SN-375」、「SN-395」、DIC社製の「LA-7052」、「LA-7054」、「LA-3018」、「LA-3018-50P」、「LA-1356」、「TD2090」、「TD-2090-60M」等が挙げられる。
活性エステル樹脂としては、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の、反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。活性エステル樹脂は、エポキシ樹脂と組み合わせた場合にエポキシ樹脂と反応して樹脂組成物を硬化させうるので、「活性エステル系硬化剤」ということがある。当該活性エステル樹脂は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性に優れる硬化物を得る観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル樹脂が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル樹脂がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
具体的には、活性エステル樹脂としては、ジシクロペンタジエン型活性エステル樹脂、ナフタレン構造を含むナフタレン型活性エステル樹脂、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル樹脂、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル樹脂が好ましく、中でもジシクロペンタジエン型活性エステル樹脂、及びナフタレン型活性エステル樹脂から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。ジシクロペンタジエン型活性エステル樹脂としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル樹脂が好ましい。
活性エステル樹脂の市販品としては、例えば、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル樹脂として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「EXB-8000L」、「EXB-8000L-65M」、「EXB-8000L-65TM」、「HPC-8000L-65TM」、「HPC-8000」、「HPC-8000-65T」、「HPC-8000H」、「HPC-8000H-65TM」(DIC社製);ナフタレン構造を含む活性エステル樹脂として「HP-B-8151-62T」、「EXB-8100L-65T」、「EXB-8150-60T」、「EXB-8150-62T」、「EXB-9416-70BK」、「HPC-8150-60T」、「HPC-8150-62T」、「EXB-8」(DIC社製);りん含有活性エステル樹脂として、「EXB9401」(DIC社製);フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル樹脂として「DC808」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル樹脂として「YLH1026」、「YLH1030」、「YLH1048」(三菱ケミカル社製);スチリル基及びナフタレン構造を含む活性エステル樹脂として「PC1300-02-65MA」(エア・ウォーター社製)等が挙げられる。
シアネート樹脂としては、1分子内中に1個以上、好ましくは2個以上のシアネート基を有する化合物を用いうる。シアネート樹脂は、エポキシ樹脂と組み合わせた場合にエポキシ樹脂と反応して樹脂組成物を硬化させうるので、「シアネート系硬化剤」ということがある。シアネート樹脂としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3-メチレン-1,5-フェニレンシアネート))、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェニルシアネート)、4,4’-エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2-ビス(4-シアネート)フェニルプロパン、1,1-ビス(4-シアネートフェニルメタン)、ビス(4-シアネート-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,3-ビス(4-シアネートフェニル-1-(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4-シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4-シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネート樹脂の具体例としては、ロンザジャパン社製の「PT30」及び「PT60」(いずれもフェノールノボラック型多官能シアネート樹脂)、「BA230」、「BA230S75」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
カルボジイミド樹脂としては、1分子内中に1個以上、好ましくは2個以上のカルボジイミド構造を有する化合物を用いうる。カルボジイミド樹脂は、エポキシ樹脂と組み合わせた場合にエポキシ樹脂と反応して樹脂組成物を硬化させうるので、「カルボジイミド系硬化剤」ということがある。カルボジイミド樹脂の具体例としては、テトラメチレン-ビス(t-ブチルカルボジイミド)、シクロヘキサンビス(メチレン-t-ブチルカルボジイミド)等の脂肪族ビスカルボジイミド;フェニレン-ビス(キシリルカルボジイミド)等の芳香族ビスカルボジイミド等のビスカルボジイミド;ポリヘキサメチレンカルボジイミド、ポリトリメチルヘキサメチレンカルボジイミド、ポリシクロヘキシレンカルボジイミド、ポリ(メチレンビスシクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(イソホロンカルボジイミド)等の脂肪族ポリカルボジイミド;ポリ(フェニレンカルボジイミド)、ポリ(ナフチレンカルボジイミド)、ポリ(トリレンカルボジイミド)、ポリ(メチルジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(ジエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(キシリレンカルボジイミド)、ポリ(テトラメチルキシリレンカルボジイミド)、ポリ(メチレンジフェニレンカルボジイミド)、ポリ[メチレンビス(メチルフェニレン)カルボジイミド]等の芳香族ポリカルボジイミド等のポリカルボジイミドが挙げられる。カルボジイミド樹脂の市販品としては、例えば、日清紡ケミカル社製の「カルボジライトV-02B」、「カルボジライトV-03」、「カルボジライトV-04K」、「カルボジライトV-07」及び「カルボジライトV-09」;ラインケミー社製の「スタバクゾールP」、「スタバクゾールP400」、「ハイカジル510」等が挙げられる。
酸無水物樹脂としては、1分子内中に1個以上、好ましくは2個以上の酸無水物基を有する化合物を用いうる。酸無水物樹脂は、エポキシ基と組み合わせた場合にエポキシ樹脂と反応して樹脂組成物を硬化させうるので、「酸無水物系硬化剤」ということがある。酸無水物樹脂の具体例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3’-4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-C]フラン-1,3-ジオン、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、スチレンとマレイン酸とが共重合したスチレン・マレイン酸樹脂などのポリマー型の酸無水物などが挙げられる。酸無水物樹脂の市販品としては、例えば、新日本理化社製の「HNA-100」、「MH-700」、「MTA-15」、「DDSA」、「OSA」;三菱ケミカル社製の「YH-306」、「YH-307」;日立化成社製の「HN-2200」、「HN-5500」;クレイバレイ社製「EF-30」、「EF-40」「EF-60」、「EF-80」等が挙げられる。
アミン樹脂としては、1分子内中に1個以上、好ましくは2個以上のアミノ基を有する化合物を用いうる。アミン樹脂は、エポキシ基と組み合わせた場合にエポキシ樹脂と反応して樹脂組成物を硬化させうるので、「アミン系硬化剤」ということがある。アミン樹脂としては、例えば、脂肪族アミン類、ポリエーテルアミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類等が挙げられ、中でも、芳香族アミン類が好ましい。アミン樹脂は、第1級アミン又は第2級アミンが好ましく、第1級アミンがより好ましい。アミン樹脂の具体例としては、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルアニリン)、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、m-フェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジヒドロキシベンジジン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3-ジメチル-5,5-ジエチル-4,4-ジフェニルメタンジアミン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、等が挙げられる。アミン樹脂の市販品としては、例えば、セイカ社製「SEIKACURE-S」;日本化薬社製の「KAYABOND C-200S」、「KAYABOND C-100」、「カヤハードA-A」、「カヤハードA-B」、「カヤハードA-S」;三菱ケミカル社製の「エピキュアW」;住友精化社製「DTDA」等が挙げられる。
ベンゾオキサジン樹脂は、エポキシ樹脂と組み合わせた場合にエポキシ樹脂と反応して樹脂組成物を硬化させうるので、「ベンゾオキサジン系硬化剤」ということがある。ベンゾオキサジン樹脂の具体例としては、JFEケミカル社製の「JBZ-OP100D」、「ODA-BOZ」;昭和高分子社製の「HFB2006M」;四国化成工業社製の「P-d」、「F-a」などが挙げられる。
チオール樹脂は、エポキシ樹脂と組み合わせた場合にエポキシ樹脂と反応して樹脂組成物を硬化させうるので、「チオール系硬化剤」ということがある。チオール樹脂としては、例えば、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、トリス(3-メルカプトプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
硬化剤の活性基当量は、好ましくは50g/eq.~3000g/eq.、より好ましくは100g/eq.~1000g/eq.、さらに好ましくは100g/eq.~500g/eq.、特に好ましくは100g/eq.~300g/eq.である。活性基当量は、活性基1当量あたりの硬化剤の質量である。
エポキシ樹脂のエポキシ基数を1とした場合、硬化剤の活性基数は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上であり、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0以下、特に好ましくは3.0以下である。「エポキシ樹脂のエポキシ基数」とは、樹脂組成物中に存在するエポキシ樹脂の不揮発成分の質量をエポキシ当量で割り算した値を全て合計した値を表す。また、「硬化剤の活性基数」とは、樹脂組成物中に存在する硬化剤の不揮発成分の質量を活性基当量で割り算した値を全て合計した値を表す。
樹脂組成物中の硬化剤の量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、特に好ましくは5質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、特に好ましくは30質量%以下である。
樹脂組成物中の硬化剤の量は、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、特に好ましくは20質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、特に好ましくは70質量%以下である。
ラジカル重合性樹脂としては、エチレン性不飽和結合を有する化合物を用いうる。よって、ラジカル重合性樹脂は、エチレン性不飽和結合を含むラジカル重合性基を有しうる。ラジカル重合性基としては、例えば、ビニル基、アリル基、3-シクロヘキセニル基、3-シクロペンテニル基、2-ビニルフェニル基、3-ビニルフェニル基、4-ビニルフェニル基等の不飽和炭化水素基;アクリロイル基、メタクリロイル基、マレイミド基(2,5-ジヒドロ-2,5-ジオキソ-1H-ピロール-1-イル基)等のα,β-不飽和カルボニル基等が挙げられる。ラジカル重合性樹脂が1分子内中に含むラジカル重合性基の数は、1個でもよいが、2個以上が好ましい。ラジカル重合性樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系ラジカル重合性樹脂、スチレン系ラジカル重合性樹脂、アリル系ラジカル重合性樹脂、マレイミド系ラジカル重合性樹脂などが挙げられる。
(メタ)アクリル系ラジカル重合性樹脂は、例えば、1個以上、好ましくは2個以上のアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を有する化合物である。(メタ)アクリル系ラジカル重合性樹脂としては、例えば、シクロヘキサン-1,4-ジメタノールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン-1,3-ジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの低分子量(分子量1000未満)の脂肪族(メタ)アクリル酸エステル化合物;ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、3,6-ジオキサ-1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、3,6,9-トリオキサウンデカン-1,11-ジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、9,9-ビス[4-(2-アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートなどの低分子量(分子量1000未満)のエーテル含有(メタ)アクリル酸エステル化合物;トリス(3-ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレートなどの低分子量(分子量1000未満)のイソシアヌレート含有(メタ)アクリル酸エステル化合物;(メタ)アクリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂などの高分子量(分子量1000以上)のアクリル酸エステル化合物などが挙げられる。(メタ)アクリル系ラジカル重合性樹脂の市販品としては、例えば、新中村化学工業社製の「A-DOG」(ジオキサングリコールジアクリレート)、共栄社化学社製の「DCP-A」(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)、「DCP」(トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート)、日本化薬株式会社の「KAYARAD R-684」(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)、「KAYARAD R-604」(ジオキサングリコールジアクリレート)、SABICイノベーティブプラスチックス社製の「SA9000」、「SA9000-111」(メタクリル変性ポリフェニレンエーテル)などが挙げられる。
スチレン系ラジカル重合性樹脂は、例えば、芳香族炭素原子に直接結合した1個以上、好ましくは2個以上のビニル基を有する化合物である。スチレン系ラジカル重合性樹脂としては、例えば、ジビニルベンゼン、2,4-ジビニルトルエン、2,6-ジビニルナフタレン、1,4-ジビニルナフタレン、4,4’-ジビニルビフェニル、1,2-ビス(4-ビニルフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ビニルフェニル)プロパン、ビス(4-ビニルフェニル)エーテルなどの低分子量(分子量1000未満)のスチレン系化合物;ビニルベンジル変性ポリフェニレンエーテル樹脂、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体などの高分子量(分子量1000以上)のスチレン系化合物などが挙げられる。スチレン系ラジカル重合性樹脂の市販品としては、例えば、日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ODV-XET(X03)」、「ODV-XET(X04)」、「ODV-XET(X05)」(スチレン-ジビニルベンゼン共重合体)、三菱ガス化学社製の「OPE-2St 1200」、「OPE-2St 2200」(ビニルベンジル変性ポリフェニレンエーテル樹脂)が挙げられる。
アリル系ラジカル重合性樹脂は、例えば、1個以上、好ましくは2個以上のアリル基を有する化合物である。アリル系ラジカル重合性樹脂としては、例えば、ジフェン酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジアリル、2,3-ナフタレンカルボン酸ジアリルなどの芳香族カルボン酸アリルエステル化合物;1,3,5-トリアリルイソシアヌレート、1,3-ジアリル-5-グリシジルイソシアヌレートなどのイソシアヌル酸アリルエステル化合物;2,2-ビス[3-アリル-4-(グリシジルオキシ)フェニル]プロパンなどのエポキシ含有芳香族アリル化合物;ビス[3-アリル-4-(3,4-ジヒドロ-2H-1,3-ベンゾオキサジン-3-イル)フェニル]メタンなどのベンゾオキサジン含有芳香族アリル化合物;1,3,5-トリアリルエーテルベンゼンなどのエーテル含有芳香族アリル化合物;ジアリルジフェニルシランなどのアリルシラン化合物などが挙げられる。アリル系ラジカル重合性樹脂の市販品としては、例えば、日本化成社製の「TAIC」(1,3,5-トリアリルイソシアヌレート)、日触テクノファインケミカル社製の「DAD」(ジフェン酸ジアリル)、和光純薬工業社製の「TRIAM-705」(トリメリット酸トリアリル)、日本蒸留工業社製の商品名「DAND」(2,3-ナフタレンカルボン酸ジアリル)、四国化成工業社製「ALP-d」(ビス[3-アリル-4-(3,4-ジヒドロ-2H-1,3-ベンゾオキサジン-3-イル)フェニル]メタン)、日本化薬社製の「RE-810NM」(2,2-ビス[3-アリル-4-(グリシジルオキシ)フェニル]プロパン)、四国化成社製の「DA-MGIC」(1,3-ジアリル-5-グリシジルイソシアヌレート)などが挙げられる。
マレイミド系ラジカル重合性樹脂は、例えば、1個以上、好ましくは2個以上のマレイミド基を有する化合物である。マレイミド系ラジカル重合性樹脂は、脂肪族アミン骨格を含む脂肪族マレイミド化合物であってもよく、芳香族アミン骨格を含む芳香族マレイミド化合物であってもよい。マレイミド系ラジカル重合性樹脂の市販品としては、例えば、信越化学工業社製の「SLK-2600」、デザイナーモレキュールズ社製の「BMI-1500」、「BMI-1700」、「BMI-3000J」、「BMI-689」、「BMI-2500」(ダイマージアミン構造含有マレイミド化合物)、デザイナーモレキュールズ社製の「BMI-6100」(芳香族マレイミド化合物)、日本化薬社製の「MIR-5000-60T」、「MIR-3000-70MT」(ビフェニルアラルキル型マレイミド化合物)、ケイ・アイ化成社製の「BMI-70」、「BMI-80」、大和化成工業社製「BMI-2300」、「BMI-TMH」などが挙げられる。また、マレイミド系ラジカル重合性樹脂として、発明協会公開技報公技番号2020-500211号に開示されているマレイミド樹脂(インダン環骨格含有マレイミド化合物)を用いてもよい。
また、ラジカル重合性樹脂として、光硬化性樹脂の項において説明するものを用いてもよい。
ラジカル重合性樹脂のエチレン性不飽和結合当量は、好ましくは20g/eq.~3,000g/eq.、より好ましくは50g/eq.~2,500g/eq.、さらに好ましくは70g/eq.~2,000g/eq.、特に好ましくは90g/eq.~1,500g/eq.である。エチレン性不飽和結合当量は、エチレン性不飽和結合1当量あたりのラジカル重合性樹脂の質量を表す。
ラジカル重合性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは40,000以下、より好ましくは10,000以下、さらに好ましくは5,000以下、特に好ましくは3,000以下である。下限は、特に限定されるものではないが、例えば、150以上などとしうる。
樹脂組成物中のラジカル重合性樹脂の量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは1質量%以上であり、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。
樹脂組成物中のラジカル重合性樹脂の量は、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは1質量%以上であり、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、特に好ましくは8質量%以下である。
光硬化性樹脂としては、露光された場合に硬化可能な樹脂を用いることができる。光硬化性樹脂の例としては、ラジカル重合性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
光硬化性樹脂としてのラジカル重合性樹脂として、熱硬化性樹脂の項で説明したものを用いてもよい。また、アルカリ性現像液による現像を可能とする観点では、光硬化性樹脂としてのラジカル重合性樹脂として、エチレン性不飽和結合及びカルボキシル基を有する樹脂が好ましい。
エチレン性不飽和結合及びカルボキシル基を有する樹脂は、エチレン性不飽和結合を含むラジカル重合性基及びカルボキシル基を組み合わせて有しうる。ラジカル重合性基の例としては、上述したものが挙げられる。中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。樹脂1分子当たりのラジカル重合性基の数は、1個でもよく、2個以上でもよい。樹脂が1分子当たり2個以上のラジカル重合性基を含む場合、それらのラジカル重合性基は、同じでもよく、異なっていてもよい。また、樹脂1分子当たりのカルボキシルの数は、1個でもよく、2個以上でもよい。
エチレン性不飽和結合及びカルボキシル基を有する樹脂は、ナフタレン骨格を含有することが好ましい。エチレン性不飽和結合及びカルボキシル基を有する樹脂は、1分子中に、1つのナフタレン骨格を含んでいてもよく、2個以上のナフタレン骨格を含んでいてもよい。また、エチレン性不飽和結合及びカルボキシル基を有する樹脂は、ナフタレン骨格1個につき、2個以下のラジカル重合性基を有することが好ましい。さらに、ラジカル重合性基は、ナフタレン骨格の置換基に含まれることが好ましい。また、エチレン性不飽和結合及びカルボキシル基を有する樹脂は、ナフタレン骨格1個につき、2個以下のカルボキシル基を有することが好ましい。さらに、カルボキシル基は、ナフタレン骨格の置換基に含まれることが好ましい。
エチレン性不飽和結合及びカルボキシル基を有する樹脂の重量平均分子量は、成膜性の観点から、500以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましく、1500以上であることが更に好ましく、2000以上であることが特に好ましい。上限としては、現像性の観点から、10000以下であることが好ましく、8000以下であることがより好ましく、7500以下であることがさらに好ましい。
エチレン性不飽和結合及びカルボキシル基を有する樹脂の酸価は、アルカリ性現像液に対する溶解性を適切な範囲に収める観点から、好ましくは0.1mgKOH/g以上、より好ましくは0.5mgKOH/g以上、特に好ましくは1mgKOH/g以上であり、好ましくは150mgKOH/g以下、より好ましくは120mgKOH/g以下、特に好ましくは100mgKOH/g以下である。
光硬化性樹脂としてのラジカル重合性樹脂の量は、脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
光硬化性樹脂としてのラジカル重合性樹脂の量は、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、特に好ましくは40質量%以上であり、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、特に好ましくは65質量%以下である。
樹脂組成物中の(A)硬化性樹脂の量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、特に好ましくは10質量%以上であり、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、特に好ましくは50質量%以下である。
樹脂組成物中の(A)硬化性樹脂の量は、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上であり、好ましくは97質量%以下、より好ましくは96質量%以下、特に好ましくは95質量%以下である。
樹脂組成物は、任意の成分として、(B)無機充填材を含んでいてもよい。(B)無機充填材は、通常、粒子の状態で樹脂組成物に含まれる。
(B)無機充填材の材料としては、無機化合物を用いる。(B)無機充填材の材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でもシリカ、アルミナが好適であり、シリカが特に好適である。シリカとしては、例えば、無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等が挙げられる。また、シリカとしては球形シリカが好ましい。(B)無機充填材は、1種類単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)無機充填材の市販品としては、例えば、日鉄ケミカル&マテリアル社製の「SP60-05」、「SP507-05」;アドマテックス社製の「YC100C」、「YA050C」、「YA050C-MJE」、「YA010C」、「SC2500SQ」、「SO-C4」、「SO-C2」、「SO-C1」、「SC2050-SXF」;デンカ社製の「UFP-30」;トクヤマ社製の「シルフィルNSS-3N」、「シルフィルNSS-4N」、「シルフィルNSS-5N」;などが挙げられる。
(B)無機充填材の平均粒径は、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上、特に好ましくは0.1μm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは7μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。(B)無機充填材の平均粒径は、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的には、レーザー回折散乱式粒径分布測定装置により、無機充填材の粒径分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材100mg、メチルエチルケトン10gをバイアル瓶に秤取り、超音波にて10分間分散させたものを使用することができる。測定サンプルを、レーザー回折式粒径分布測定装置を使用して、使用光源波長を青色及び赤色とし、フローセル方式で無機充填材の体積基準の粒径分布を測定し、得られた粒径分布からメディアン径として平均粒径を算出しうる。レーザー回折式粒径分布測定装置としては、例えば堀場製作所社製「LA-960」等が挙げられる。
(B)無機充填材の比表面積は、好ましくは1m/g以上、より好ましくは2m/g以上、特に好ましくは3m/g以上であり、好ましくは60m/g以下、より好ましくは50m/g以下、特に好ましくは40m/g以下である。比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置(マウンテック社製Macsorb HM-1210)を使用して試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することで測定できる。
(B)無機充填材は、耐湿性及び分散性を高める観点から、表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤としては、例えば、フッ素含有シランカップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、アルコキシシラン、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。表面処理剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業社製「KBM403」(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM803」(3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBE903」(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM573」(N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「SZ-31」(ヘキサメチルジシラザン)、信越化学工業社製「KBM103」(フェニルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM-4803」(長鎖エポキシ型シランカップリング剤)、信越化学工業社製「KBM-7103」(3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン)等が挙げられる。
表面処理剤による表面処理の程度は、(B)無機充填材の分散性向上の観点から、特定の範囲に収まることが好ましい。具体的には、無機充填材100質量%は、0.2質量%~5質量%の表面処理剤で表面処理されていることが好ましく、0.2質量%~3質量%の表面処理剤で表面処理されていることがより好ましく、0.3質量%~2質量%の表面処理剤で表面処理されていることがさらに好ましい。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上がさらに好ましい。一方、樹脂組成物の溶融粘度の上昇を抑制する観点から、1.0mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下がさらに好ましい。
(B)無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、堀場製作所社製「EMIA-320V」等を使用することができる。
樹脂組成物中の(B)無機充填材の量は、樹脂組成物の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、特に好ましくは40質量%以上であり、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下、特に好ましくは80質量%以下である。
樹脂組成物は、任意の成分として、(C)硬化促進剤を含んでいてもよい。(C)硬化促進剤は、(A)硬化性樹脂の硬化を促進させる硬化触媒としての機能を有する。
(C)硬化促進剤としては、(A)硬化性樹脂の種類に応じて適切なものを用いうる。例えば、(A)硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含む場合、そのエポキシ樹脂の硬化を促進させうる(C)硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、ウレア系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、金属系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤等が挙げられる。(C)硬化促進剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
リン系硬化促進剤としては、例えば、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムデカノエート、テトラブチルホスホニウムラウレート、ビス(テトラブチルホスホニウム)ピロメリテート、テトラブチルホスホニウムハイドロジェンヘキサヒドロフタレート、テトラブチルホスホニウム2,6-ビス[(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)メチル]-4-メチルフェノラート、ジ-tert-ブチルジメチルホスホニウムテトラフェニルボレート等の脂肪族ホスホニウム塩;メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、プロピルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、p-トリルトリフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラp-トリルボレート、トリフェニルエチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリス(3-メチルフェニル)エチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリス(2-メトキシフェニル)エチルホスホニウムテトラフェニルボレート、(4-メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等の芳香族ホスホニウム塩;トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン等の芳香族ホスフィン・ボラン複合体;トリフェニルホスフィン・p-ベンゾキノン付加反応物等の芳香族ホスフィン・キノン付加反応物;トリブチルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、ジ-tert-ブチル(2-ブテニル)ホスフィン、ジ-tert-ブチル(3-メチル-2-ブテニル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等の脂肪族ホスフィン;ジブチルフェニルホスフィン、ジ-tert-ブチルフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ-o-トリルホスフィン、トリ-m-トリルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、トリス(4-エチルフェニル)ホスフィン、トリス(4-プロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4-イソプロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(4-tert-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,5-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6-トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメチル-4-エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-tert-ブトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニル-2-ピリジルホスフィン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)アセチレン、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)ジフェニルエーテル等の芳香族ホスフィン等が挙げられる。
ウレア系硬化促進剤としては、例えば、1,1-ジメチル尿素;1,1,3-トリメチル尿素、3-エチル-1,1-ジメチル尿素、3-シクロヘキシル-1,1-ジメチル尿素、3-シクロオクチル-1,1-ジメチル尿素等の脂肪族ジメチルウレア;3-フェニル-1,1-ジメチル尿素、3-(4-クロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(2-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3,4-ジメチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-イソプロピルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-メトキシフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-ニトロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-[4-(4-メトキシフェノキシ)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、3-[4-(4-クロロフェノキシ)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、3-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、N,N-(1,4-フェニレン)ビス(N’,N’-ジメチル尿素)、N,N-(4-メチル-1,3-フェニレン)ビス(N’,N’-ジメチル尿素)〔トルエンビスジメチルウレア〕等の芳香族ジメチルウレア等が挙げられる。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニド等が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。イミダゾール系硬化促進剤の市販品としては、例えば、四国化成工業社製の「1B2PZ」、「2E4MZ」、「2MZA-PW」、「2MZ-OK」、「2MA-OK」、「2MA-OK-PW」、「2PHZ」、「2PHZ-PW」、「Cl1Z」、「Cl1Z-CN」、「Cl1Z-CNS」、「C11Z-A」;三菱ケミカル社製の「P200-H50」等が挙げられる。
金属系硬化促進剤としては、例えば、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体等が挙げられる。有機金属塩としては、例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン等が挙げられる。アミン系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、味の素ファインテクノ社製の「MY-25」等が挙げられる。
樹脂組成物中の(C)硬化促進剤の量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、特に好ましくは0.05質量%以上であり、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.2質量%以下である。
樹脂組成物中の(C)硬化促進剤の量は、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、特に好ましくは0.10質量%以上であり、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下である。
樹脂組成物は、任意の成分として、(D)熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。(D)熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。(D)熱可塑性樹脂は、1種類単独で用いてもよく、又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種類以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱ケミカル社製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「FX280」及び「FX293」;三菱ケミカル社製の「YL7500BH30」、「YX6954BH30」、「YX7553」、「YX7553BH30」、「YL7769BH30」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」、「YL7482」及び「YL7891BH30」;等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、信越化学工業社製「SLK-6100」、新日本理化社製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられ、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、電気化学工業社製の「電化ブチラール4000-2」、「電化ブチラール5000-A」、「電化ブチラール6000-C」、「電化ブチラール6000-EP」;積水化学工業社製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ(例えばBX-5Z)、KSシリーズ(例えばKS-1)、BLシリーズ、BMシリーズ;等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体等のエチレン系共重合樹脂;ポリプロピレン、エチレン-プロピレンブロック共重合体等のポリオレフィン系重合体等が挙げられる。
ポリブタジエン樹脂としては、例えば、水素化ポリブタジエン骨格含有樹脂、ヒドロキシ基含有ポリブタジエン樹脂、フェノール性水酸基含有ポリブタジエン樹脂、カルボキシ基含有ポリブタジエン樹脂、酸無水物基含有ポリブタジエン樹脂、エポキシ基含有ポリブタジエン樹脂、イソシアネート基含有ポリブタジエン樹脂、ウレタン基含有ポリブタジエン樹脂、ポリフェニレンエーテル-ポリブタジエン樹脂等が挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡社製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、日立化成社製の「KS9100」、「KS9300」(ポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド)等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「PES5003P」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ社製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
ポリフェニレンエーテル樹脂の具体例としては、SABIC製「NORYL SA90」等が挙げられる。ポリエーテルイミド樹脂の具体例としては、GE社製の「ウルテム」等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂としては、例えば、ヒドロキシ基含有カーボネート樹脂、フェノール性水酸基含有カーボネート樹脂、カルボキシ基含有カーボネート樹脂、酸無水物基含有カーボネート樹脂、イソシアネート基含有カーボネート樹脂、ウレタン基含有カーボネート樹脂等が挙げられる。ポリカーボネート樹脂の具体例としては、三菱瓦斯化学社製の「FPC0220」、旭化成ケミカルズ社製の「T6002」、「T6001」(ポリカーボネートジオール)、クラレ社製の「C-1090」、「C-2090」、「C-3090」(ポリカーボネートジオール)等が挙げられる。ポリエーテルエーテルケトン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「スミプロイK」等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート樹脂等が挙げられる。
(D)熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5,000より大きく、より好ましくは8,000以上、さらに好ましくは10,000以上、特に好ましくは20,000以上であり、好ましくは100,000以下、より好ましくは70,000以下、さらに好ましくは60,000以下、特に好ましくは50,000以下である。
樹脂組成物中の(D)熱可塑性樹脂の量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは1質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。
樹脂組成物中の(D)熱可塑性樹脂の量は、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、特に好ましくは2質量%以上であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。
樹脂組成物は、上述した(A)~(D)成分に組み合わせて、更に任意の不揮発成分として、(E)任意の添加剤を含んでいてもよい。(E)任意の添加剤としては、例えば、有機銅化合物、有機亜鉛化合物、有機コバルト化合物等の有機金属化合物;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオディングリーン、ジアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック等の着色剤;ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、フェノチアジン等の重合禁止剤;シリコーン系レベリング剤、アクリルポリマー系レベリング剤等のレベリング剤;ベントン、モンモリロナイト等の増粘剤;シリコーン系消泡剤、アクリル系消泡剤、フッ素系消泡剤、ビニル樹脂系消泡剤等の消泡剤;ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤;尿素シラン等の接着性向上剤;トリアゾール系密着性付与剤、テトラゾール系密着性付与剤、トリアジン系密着性付与剤等の密着性付与剤;ヒンダードフェノール系酸化防止剤等の酸化防止剤;スチルベン誘導体等の蛍光増白剤;フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤;リン系難燃剤(例えばリン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、ホスフィン酸化合物、赤リン)、窒素系難燃剤(例えば硫酸メラミン)、ハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤(例えば三酸化アンチモン)等の難燃剤;リン酸エステル系分散剤、ポリオキシアルキレン系分散剤、アセチレン系分散剤、シリコーン系分散剤、アニオン性分散剤、カチオン性分散剤等の分散剤;ボレート系安定剤、チタネート系安定剤、アルミネート系安定剤、ジルコネート系安定剤、イソシアネート系安定剤、カルボン酸系安定剤、カルボン酸無水物系安定剤等の安定剤;第三級アミン類等の重合開始助剤;ピラリゾン類、アントラセン類、クマリン類、キサントン類、チオキサントン類等の光増感剤;有機粒子;が挙げられる。(E)任意の添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物は、上述した(A)~(E)成分といった不揮発成分に組み合わせて、更に任意の揮発性成分として、(F)溶剤を含んでいてもよい。(F)溶剤としては、通常、有機溶剤を用いる。有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ-ブチロラクトン等のエステル系溶剤;テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール等のエーテル系溶剤;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶剤;酢酸2-エトキシエチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルジグリコールアセテート、γ-ブチロラクトン、メトキシプロピオン酸メチル等のエーテルエステル系溶剤;乳酸メチル、乳酸エチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル等のエステルアルコール系溶剤;2-メトキシプロパノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)等のエーテルアルコール系溶剤;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等のアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶剤;ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤等を挙げることができる。(F)溶剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(F)溶剤の量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の全成分を100質量%とした場合、例えば、60質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下等でありえ、0質量%であってもよい。
樹脂組成物層は、通常、絶縁層等の回路基板の材料としての硬化物を得るために用いられる。通常、樹脂組成物に含まれる(F)溶剤等の揮発成分は、硬化時に与えられる熱によって揮発しうるが、(A)~(E)成分といった不揮発成分は、硬化時の熱によっては揮発しない。よって、硬化物は、樹脂組成物の不揮発成分又はその反応生成物を含みうる。
樹脂組成物の硬化物は、優れた誘電特性を有することが好ましい。具体的には、樹脂組成物の硬化物は、低い比誘電率を有することが好ましい。一例において、硬化物の比誘電率は、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、特に好ましくは3以下である。下限は、特段の制限は無く、例えば、1.5以上、2.0以上などでありうる。
また、樹脂組成物の硬化物は、低い誘電正接を有することが好ましい。一例において、硬化物の誘電正接は、好ましくは0.05以下、より好ましくは0.04以下、特に好ましくは0.03以下である。下限は、特段の制限は無く、例えば、0.001以上、0.002以上などでありうる。
樹脂組成物が熱硬化性を有する場合、前記の比誘電率及び誘電正接は、例えば、樹脂組成物を180℃、90分の条件で熱硬化させて得られる硬化物を用いて測定できる。また、樹脂組成物が光硬化性を有する場合、前記の比誘電率及び誘電正接は、樹脂組成物に1J/cmの紫外線照射を行った後、180℃、90分の条件で加熱して得られる硬化物を用いて測定できる。硬化物の比誘電率及び誘電正接の測定は、空洞共振摂動法により、測定周波数5.8GHz、測定温度23℃の条件で行いうる。
樹脂組成物層は、光学観察による欠点の検出を行う観点から、光学観察において用いる波長の光に透過されることができることが好ましい。このとき、前記の樹脂組成物層は、当該樹脂組成物層に含まれる欠点を検出可能な程度に光に透過されることができることが好ましい。通常、光学観察は可視光を用いて行うので、樹脂組成物層は、可視光に対して透明又は半透明であることが好ましい。
樹脂組成物層の厚さは、樹脂組成物層の用途に応じて設定されうる。具体例を挙げると、樹脂組成物層の厚さは、好ましくは200μm以下、より好ましくは70μm以下、特に好ましくは50μm以下である。樹脂組成物層の厚さの下限は、特に限定されないが、5μm以上、10μm以上等でありうる。
[樹脂シートが備えうる任意の層]
樹脂シートは、支持体及び樹脂組成物層に組み合わせて、任意の層を備えていてもよい。任意の層としては、例えば、樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)に設けられた、支持体に準じた保護フィルムが挙げられる。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm~40μmである。保護フィルムにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の異物の付着を抑制したり、樹脂組成物層が傷付くことを抑制したりできる。
[樹脂シートの形状及び寸法]
樹脂シートの形状は、特に制限はない。よって、樹脂シートは、枚葉のシートであってもよい。ただし、樹脂シートの連続的な製造を可能にして製造効率を高める観点から、樹脂シートは、長尺のシートであることが好ましい。長尺のシートとは、別に断らない限り、ロール状に巻き取り可能な程度の長さを有するシートをいい、例えば、幅に対して10倍以上の長さを有するシートでありうる。
樹脂シートの厚さは、特に限定されないが、5μm~500μmの範囲が好ましく、10μm~300μmの範囲がより好ましい。なお、保護フィルム等の任意の層を備える樹脂シートを使用する場合、任意の層を含む樹脂シート全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
[樹脂シートの製造方法]
上述した樹脂シートは、例えば、
(i)支持体上に樹脂組成物層を形成する工程と、
(ii)支持体及び樹脂組成物層の光学観察を同時に行って欠点を検出する工程と、
を含む製造方法により、製造できる。以下、この製造方法について、詳細に説明する。この製造方法は、好ましくは、クリーンルーム内において行われる。
図1は、一例としての樹脂シートの製造装置1を模式的に示す正面図である。図1に示すように、この例に示す製造装置1は、支持体10上に樹脂組成物層20を形成して、欠点の検出前の樹脂シート30を得る層形成装置100と、前記の樹脂シート30の光学観察を行って欠点の検出を行う検出装置200とを備える。以下、工程(ii)において欠点の検出を行われる前の樹脂シート30を「被検査シート」30ということがあり、工程(ii)において欠点の検出を行われた後の樹脂シート40を「製品シート」40ということがある。また、図1に示す例においては、長尺のフィルムとしての支持体10を用いた例を示して説明する。ただし、支持体10としては、枚葉のものを用いてもよい。
工程(i)では、支持体10上に樹脂組成物層20を形成して、被検査シート30を得る。通常は、液状(ワニス状)の樹脂組成物50を用意し、その樹脂組成物50を支持体10上に塗布することを含む方法により、樹脂組成物層20を形成する。例えば、液状(ワニス状)の樹脂組成物50をそのまま支持体10上に塗布してもよい。また、例えば、樹脂組成物50の不揮発成分と溶剤とを混合して液状(ワニス状)の樹脂組成物50を調製し、これを支持体10上に塗布してもよい。
樹脂組成物50は、例えば、樹脂組成物50に含まれうる成分を混合することによって、製造することができる。前記の成分は、一部又は全部を同時に混合してもよく、順に混合してもよい。各成分を混合する過程で、温度を適宜設定してもよく、よって、一時的に又は終始にわたって、加熱及び/又は冷却してもよい。また、各成分を混合する過程において、撹拌又は振盪を行ってもよい。
樹脂組成物50の塗布方法に制限はなく、例えば、ダイコーター等の塗布装置110を用いて塗布を行いうる。図1に示す例においては、支持体10のロール60が発出装置300に取り付けられている。この支持体10は、ロール60から発出されその長さ方向に搬送されて、層形成装置100に供給される。そして、層形成装置100が備える塗布装置110によって支持体10上に樹脂組成物50が塗布されて、樹脂組成物層20が形成される。
工程(i)は、必要に応じて、樹脂組成物50の塗布の後に、乾燥を行ってもよい。乾燥により、樹脂組成物層20に含まれる溶剤を除去できる。乾燥は、例えば、加熱、熱風吹きつけ等の方法により実施してよい。乾燥条件は、特に限定されないが、樹脂組成物層20中の溶剤の含有量が通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%~60質量%の溶剤を含む樹脂組成物50を用いる場合、50℃~150℃で3分間~10分間乾燥させてもよい。図1には、層形成装置100が備えるオーブン等の乾燥装置120によって樹脂組成物層20の乾燥が行われた例を示す。
前記のように、樹脂組成物50の支持体10上への塗布と、更に必要に応じて乾燥とを含む工程(i)が層形成装置100で行われて、支持体10及び樹脂組成物層20を備える被検査シート30が得られる。通常、この被検査シート30は、支持体10及び樹脂組成物層20のみを備え、よって樹脂組成物層20の表面20Uは露出している。この被検査シート30は、検出装置200へと送られる。
被検査シート30が検出装置200に供給されると、検出装置200において(ii)支持体10及び樹脂組成物層20の光学観察を同時に行って欠点を検出する工程が行われる。この工程(ii)における光学観察は、被検査シート30を光源部210からの光で照らしながら、撮影部220で撮影することを含む。被検査シート30を撮影すると、当該被検査シート30が備える支持体10及び樹脂組成物層20も同時に撮影されるから、支持体10及び樹脂組成物層20の光学観察が同時に行われる。
光学観察は、透過観察によって行うことが好ましい。透過観察は、光源部210と撮影部220との間に被検査シート30を配して行われる光学観察を表わす。透過観察では、光源部210から発せられた光が被検査シート30を透過し、その透過した光が撮影部220で撮影されて、映像が得られる。この際、光源部210から発せられた光が支持体10及び樹脂組成物層20をこの順で透過して撮影部220で撮影されてもよく、光源部210から発せられた光が樹脂組成物層20及び支持体10をこの順で透過して撮影部220で撮影されてもよい。
前記の光学観察は、通常、可視光によって行われる。よって、光源部210としては、可視光を発することができるものを用いることが好ましい。また、撮影部220としては、可視光を撮影できるものを用いることが好ましい。このような光源部210及び撮影部220を備える検出装置200としては、例えば、自動外観検査装置(AOI)、光学顕微鏡等が挙げられる。ここでは、図1に示すように、光源部210と、撮影部220と、出力部230とを備える検出装置200を例に挙げて説明する。
光源部210は、被検査シート30に光学観察用の光を発することができるように設けられる。この光源部210としては、例えば、発光ダイオード、線形チューブ蛍光ランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられるが、これら以外の光源を用いてもよい。
撮影部220は、被検査シート30を撮影できるように設けられる。撮影部220としては、例えば、CCDセンサ等のイメージセンサ及びレンズを備えるCCDカメラ等を用いうるが、これら以外の撮影装置を用いてもよい。
出力部230は、撮影部220が撮影して得られる映像データを出力できるように設けられる。出力部230としては、例えば、プリンタ、モニターを用いうる。また、コンピュータへの出力ができるように、入出力端子等のインターフェースを出力部230として用いてもよい。例えば、自動外観検査装置を検出装置200として用いる場合、出力部230は、図示しない映像処理部に映像データを出力できるように設けられる。映像処理部は、CPU等のプロセッサ、並びにRAM及びROM等のメモリを備えるコンピュータを含み、映像データに現れうる欠点の検出を行うことができるように設けられる。
工程(ii)では、詳細には、下記の要領で欠点の検出が行われる。検出装置200では、光源部210が発した光によって被検査シート30が照らされ、その照らされた被検査シート30を撮影部220が撮影する。撮影によって得られた被検査シート30の映像データは、出力部230へと送られ、出力される。被検査シート30が撮影されることにより、支持体10及び樹脂組成物層20の光学観察が同時に行われる。そして、その光学観察の結果としての映像データには、支持体10の像及び樹脂組成物層20の像の両方が現れる。
通常、光源部210が発する光の照度、撮影部220のレンズの焦点位置、イメージセンサの画素数等の撮影条件は、樹脂組成物層20の欠点を撮影できるように設定される。よって、前記の映像データには、脂組成物層20が有する欠点の像が現れる。また、被検査シート30は樹脂組成物層20に近接した支持体10を備えるので、前記の映像データには、支持体10が有する欠点の像も現れることがありうる。よって、前記の映像データからは、支持体10の欠点及び樹脂組成物層20の欠点を検出できる。
前記のように欠点を検出することにより、下記のように、クラックの原因及び配線形成の妨げとなりうる樹脂組成物層20の異物及び気泡等の欠点を検出できる。
映像データから検出できる欠点のうち、樹脂組成物層20の欠点には、クラックの原因及び配線形成の妨げとなりうる欠点が含まれうる。したがって、映像データに現れる樹脂組成物層20の欠点から、クラックの原因及び配線形成の妨げとなりうる当該樹脂組成物層の欠点を検出することができる。具体的には、特定値以上の最大径を有する欠点を検出することにより、クラックの原因及び配線形成の妨げとなりうる樹脂組成物層の欠点を検出できる。検出すべき欠点の最大径の閾値を表す前記の特定値は、通常は10μmに設定されるが、10μmよりも大きい別の値を設定してもよく、例えば10μm~100μmの範囲の任意の値を設定しうる。
ただし、映像データからは、支持体10の欠点が検出される可能性がある。支持体10の欠点は、樹脂組成物層20に含まれる欠点を示さない。したがって、仮に映像データから検出できる欠点に支持体10の欠点が多く含まれていながら、映像データから検出できる欠点の全てを樹脂組成物層20の欠点として検出した場合には、支持体10の欠点の分だけ誤検出が生じる。従来は、このような誤検出が高い頻度で生じていたので、検出精度が低かった。
これに対し、本実施形態において使用される支持体10は、最大径10μm以上の欠点の数が少なく、好ましくは最大径10μm以上の欠点を含まない。したがって、支持体20には、前記の誤検出の原因となりうる欠点が少なく、好ましくは誤検出の原因となりうる欠点が無い。よって、映像データから検出できる欠点のうち、特定値以上の最大径を有する全ての欠点を樹脂組成物層20の欠点として検出した場合であっても、誤検出の発生は抑制できる。したがって、映像データから、特定値以上の最大径を有する欠点を樹脂組成物層20の欠点として検出することにより、クラックの原因及び配線形成の妨げとなりうる樹脂組成物層20の欠点を、高い精度で検出することが可能である。
好ましい実施形態においては、検出装置200として自動外観検査装置(AOI)を用い、クラックの原因及び配線形成の妨げとなりうる樹脂組成物層20の欠点の検出を映像処理部(図示せず)が行う。例えば、映像処理部は出力部230から出力された映像データを受け取り、その映像データから特定値以上の最大径を有する欠点を検出する。そして、映像処理部は、当該検出された欠点の位置に、クラックの原因及び配線形成の妨げとなりうる樹脂組成物層20の欠点があると判定し、その欠点の位置を出力する。
前記のように欠点の検出を行われることにより、欠点検出済みの樹脂シートとしての製品シート40が得られる。この製品シート40が含む樹脂組成物層20が欠点を含む場合、その欠点の位置は判明している。よって、その欠点を含む製品シート40を除くこと、又は、その欠点がある部分を除去することにより、クラックの原因及び配線形成の妨げとなりうる樹脂組成物層20の欠点が無い製品シート40を高品質の樹脂シートとして得ることができる。また、前記の製造方法によれば、誤って欠点を検出する誤検出の発生が抑制されている。よって、樹脂組成物層20に欠点がない樹脂シート40を誤って除去してしまうことを抑制でき、また、樹脂シート40から欠点がない部分を誤って除去してしまうことを抑制できる。したがって、製品歩留まりを向上させることが可能である。
また、前記の製造方法によれば、製造される製品シート40の樹脂組成物層20の欠点の数を正確に測定することができる。したがって、樹脂組成物層20の欠点レベルを高い精度で把握することが可能であるので、製品シート40の正確な品質評価を達成することができる。
樹脂シートの製造方法は、上述した工程(i)及び工程(ii)に組み合わせて、更に任意の工程を含んでいてもよい。
樹脂シートの製造方法は、例えば、前記のように、製品シート40から、樹脂組成物層20の欠点が検出された部分を除去する工程を含んでいてもよい。
また、樹脂シートの製造方法は、例えば、樹脂組成物層20の面20Uに保護フィルム(図示せず)を貼り合わせる工程を含んでいてもよい。保護フィルムの貼り合わせは、工程(ii)の前に行ってもよいが、欠点の高精度な検出の観点では、工程(ii)において被検査シート30は支持体10及び樹脂組成物層20のみを備えることが好ましく、よって保護フィルムを備えないことが好ましい。したがって、保護フィルムの貼り合わせは、工程(ii)の後に行うことが好ましい。
さらに、樹脂シートの製造方法は、例えば、製品フィルム40を巻き取って回収する工程、製品フィルム40を所望の幅に切断する工程、などを含んでいてもよい。
以下、前記の製造方法の技術的意義について説明する。ただし、以下に示す技術的意義の説明は、本発明の技術的範囲を制限するものではない。
従来の樹脂シートを用いて製造される回路基板では、形成される配線のサイズが大きかったので、配線形成の妨げとなりうる樹脂組成物層の欠点の大きさは数百μm以上と大きかった。そのように大きい欠点は、支持体中の欠点と目視によって見分けることが可能である。よって、樹脂シートに含まれる欠点が樹脂組成物層の欠点か支持体の欠点かを目視によって見分けることで、樹脂組成物層の欠点を正確に検出することが可能であった。また、樹脂シートの製造に用いられる支持体として、数百μm以上の欠点を有さないものは、一般に、単純に市場から入手することが可能であった。このような事情から、従来は、支持体に含まれる欠点は問題視されていなかった。
これに対し、近年、配線の微細化が進行し、よって絶縁層の形成に用いる樹脂組成物層に許容される欠点のサイズが小さくなっている。具体的には最大径が数十μm程度の欠点を樹脂組成物層から排除することが望まれる。よって、欠点の検出レベルを高度化して、最大径が数百μm以上の欠点だけでなく、最大径が数十μm程度の欠点まで検出することが望まれる。
最大径が数十μm程度の欠点は目視では検出が困難であるから、自動外観検査装置(AOI)、光学顕微鏡等の検出装置で検出を行うことが要求される。前記の検出装置で欠点の検出を行う場合、検出装置の撮影部の視野に支持体と樹脂組成物層とが同時に入る。しかし、検出装置を用いる場合、支持体の欠点と樹脂組成物層の欠点とを区別することが難しいので、支持体の欠点に基づいて、樹脂組成物層の欠点を誤検出することが高い頻度で生じた。このような誤検出は、配線の微細化が進行して数十μmレベルの小さい欠点の検出が求められるようになって初めて顕在化した課題である。
そこで、本発明者は、支持体として、配線形成の妨げとなりうる小さい樹脂組成物層の欠点との区別が難しい最大径10μm以上の欠点が少ない支持体を用いることを試みた。前記の支持体の欠点は、例えば、支持体の材料としての樹脂のペレットの破片、各種添加物、支持体の製造過程で生じた樹脂の塊などが挙げられる。これらの欠点は、支持体の製造過程において不可避的に生じるものである。よって、最大径10μm以上の欠点が5個/cm以下と少ない支持体は、入手が容易ではなく、特に、大面積の長尺のフィルムとして入手する困難性は高い。よって、上述した支持体としては、欠点の少ないグレードの支持体を選定し、更に好ましくはその購入した支持体を検査して欠点のある部分を特定し、その部分を取り除いて用いることが望ましい。
このように、前記の製造方法は、一局面において、配線の微細化が要求される回路基板に適用することによって初めて顕在化した課題を、容易には用意できない支持体を用いることで解決したものといえる。よって、前記の製造方法は、回路基板の製造技術に対する貢献の程度は高く、したがって、その価値は高い。
[樹脂組成物層の欠点検出方法]
上述した樹脂シートの製造方法における工程(ii)の方法は、樹脂シートの樹脂組成物層の欠点検出方法として実施してもよい。よって、前記の工程(ii)の方法は、工程(i)と別に単独に行ってもよく、工程(i)以外の任意の工程と組み合わせて行ってもよい。この欠点検出方法の内容は、樹脂シートの製造方法における工程(ii)の説明で詳述した通りである。この欠点検出方法によれば、樹脂シートの樹脂組成物層中の欠点を高い精度で検出できる。
[樹脂シートの用途]
上述した樹脂シートは、例えば、絶縁層を形成するための樹脂シート(絶縁層形成用の樹脂シート)として好適に使用することができる。中でも、樹脂シートは、プリント配線板及び半導体チップパッケージ等の回路基板の絶縁層を形成するための樹脂シートとして好適である。特に好ましい例を挙げると、樹脂シートは、多層プリント配線板の層間絶縁層を形成するために用いることが好ましい。また、樹脂シートは、再配線形成層を形成するために用いることが好ましい。再配線形成層とは、絶縁層であって、当該絶縁層上に再配線層を形成されるものを表す。また、再配線層とは、絶縁層としての再配線形成層上に形成される導体層を表す。
さらに、上述した樹脂シートは、例えば、ソルダーレジスト、アンダーフィル材、ダイボンディング材、半導体封止材、穴埋め樹脂、部品埋め込み樹脂を形成するために用いてもよい。
以下、樹脂シートの用途の例として、樹脂シートを用いたプリント配線板の製造方法を説明する。プリント配線板は、通常、樹脂組成物層を硬化して得られる絶縁層を備える。このプリント配線板は、例えば、上述の樹脂シートを用いて、下記(I)及び(II)の工程を含む方法により製造することができる。
(I)内層基板上に、樹脂シートを、樹脂シートの樹脂組成物層が内層基板と接合するように、積層する工程。
(II)樹脂組成物層を硬化して、絶縁層を形成する工程。
工程(I)で用いる「内層基板」とは、プリント配線板の基板となる部材であって、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が挙げられる。また、該基板は、その片面又は両面に導体層を有していてもよく、この導体層はパターン加工されていてもよい。基板の片面または両面に導体層(回路)が形成された内層基板は「内層回路基板」ということがある。またプリント配線板を製造する際に、さらに絶縁層及び/又は導体層が形成されるべき中間製造物も、前記の「内層基板」に含まれる。プリント配線板が部品内蔵回路板である場合、部品を内蔵した内層基板を使用してもよい。
内層基板と樹脂シートの積層は、例えば、支持体側から樹脂シートを内層基板に加熱圧着することにより行うことができる。樹脂シートを内層基板に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ともいう。)としては、例えば、加熱された金属板(SUS鏡板等)又は金属ロール(SUSロール)等が挙げられる。なお、加熱圧着部材を樹脂シートに直接プレスするのではなく、内層基板の表面凹凸に樹脂シートが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスするのが好ましい。
内層基板と樹脂シートの積層は、真空ラミネート法により実施してよい。真空ラミネート法において、加熱圧着温度は、好ましくは60℃~160℃、より好ましくは80℃~140℃の範囲であり、加熱圧着圧力は、好ましくは0.098MPa~1.77MPa、より好ましくは0.29MPa~1.47MPaの範囲であり、加熱圧着時間は、好ましくは20秒間~400秒間、より好ましくは30秒間~300秒間の範囲である。積層は、好ましくは圧力26.7hPa以下の減圧条件下で実施される。
積層は、市販の真空ラミネーターによって行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、名機製作所社製の真空加圧式ラミネーター、ニッコー・マテリアルズ社製のバキュームアップリケーター、バッチ式真空加圧ラミネーター等が挙げられる。
積層の後に、常圧下(大気圧下)、例えば、加熱圧着部材を支持体側からプレスすることにより、積層された樹脂シートの平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理のプレス条件は、上記積層の加熱圧着条件と同様の条件とすることができる。平滑化処理は、市販のラミネーターによって行うことができる。なお、積層と平滑化処理は、上記の市販の真空ラミネーターを用いて連続的に行ってもよい。
支持体は、工程(I)と工程(II)の間に除去してもよく、工程(II)の後に除去してもよい。
工程(II)において、樹脂組成物層を硬化して、樹脂組成物の硬化物からなる絶縁層を形成する。樹脂組成物層の硬化は、熱硬化、光硬化等のように、樹脂組成物に適した方法で行いうる。樹脂組成物層の具体的な硬化条件は、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常採用される条件を使用してよい。
例えば熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物等の、熱硬化性の樹脂組成物を用いた場合、樹脂組成物の硬化は、熱硬化として進行しうる。よってこの場合、工程(II)は、樹脂組成物層を熱硬化させることを含みうる。樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物の種類によっても異なりうる。例えば、硬化温度は、好ましくは120℃~240℃、より好ましくは150℃~220℃、さらに好ましくは170℃~210℃である。また、硬化時間は、好ましくは5分間~120分間、より好ましくは10分間~100分間、さらに好ましくは15分間~100分間でありうる。
また、樹脂組成物層を熱硬化させる場合には、プリント配線板の製造方法は、その熱硬化の前に、樹脂組成物層を硬化温度よりも低い温度にて予備加熱することを含むことが好ましい。例えば、樹脂組成物層を熱硬化させるのに先立ち、通常50℃~150℃、好ましくは60℃~140℃、より好ましくは70℃~130℃の温度にて、樹脂組成物層を通常5分間以上、好ましくは5分間~150分間、より好ましくは15分間~120分間、さらに好ましくは15分間~100分間予備加熱してもよい。
他方、例えば光硬化性樹脂を含む樹脂組成物等の、光硬化性の樹脂組成物を用いた場合、樹脂組成物の硬化は、光硬化として進行しうる。よってこの場合、工程(II)は、樹脂組成物層を光硬化させることを含みうる。樹脂組成物の光硬化条件は、樹脂組成物の種類によっても異なりうる。例えば、樹脂組成物層に活性光線を照射する露光処理によって、照射部の樹脂組成物層を光硬化させうる。活性光線としては、例えば、紫外線、可視光線、電子線、X線等が挙げられ、特に紫外線が好ましい。紫外線の照射量は、例えば、10mJ/cm2~1000mJ/cm2である。支持体を備える樹脂シートを用いた場合、支持体を通して露光を行ってもよく、支持体を剥離した後に露光を行ってもよい。
露光処理では、パターンを形成されたマスクを通して樹脂組成物層に活性光線を照射してもよい。マスクを用いた露光方法には、マスクをワークに接触させて露光を行う接触露光法と、接触させずに平行光線を使用して露光を行う非接触露光法とがあり、どちらを用いてもよい。
工程(II)は、露光処理の後に、現像処理を行うことを含んでいてもよい。現像処理によれば、光硬化されていない部分(未露光部)を除去して、硬化体層にパターンを形成することができる。現像は、通常、ウェット現像により行う。ウェット現像において、現像液としては、例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の、安全かつ安定であり操作性が良好な現像液が用いられる。なかでも、アルカリ水溶液による現像工程が好ましい。現像方法としては、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の方法が採用されうる。
さらに、樹脂組成物層を光硬化させた場合には、光硬化及び現像の後で、必要に応じて、ポストベーク処理を行ってもよい。ポストベーク処理としては、例えば、高圧水銀ランプによる紫外線照射処理、クリーンオーブンを用いた加熱処理、などが挙げられる。紫外線照射処理は、例えば、0.05J/cm~10J/cm程度の照射量で行いうる。また、加熱処理は、例えば、好ましくは150℃~250℃で20分間~180分間の範囲、より好ましくは160℃~230℃で30分間~120分間の範囲で行いうる。
プリント配線板を製造するに際しては、(III)絶縁層に穴あけする工程、(IV)絶縁層を粗化処理する工程、(V)導体層を形成する工程をさらに実施してもよい。これらの工程(III)乃至工程(V)は、プリント配線板の製造に用いられる、当業者に公知の各種方法に従って実施してよい。なお、支持体を工程(II)の後に除去する場合、該支持体の除去は、工程(II)と工程(III)との間、工程(III)と工程(IV)の間、又は工程(IV)と工程(V)との間に実施してよい。また、必要に応じて、工程(I)~工程(V)の絶縁層及び導体層の形成を繰り返して実施し、多層配線板を形成してもよい。
工程(III)は、絶縁層に穴あけする工程であり、これにより絶縁層にビアホール、スルーホール等のホールを形成することができる。工程(III)は、絶縁層の形成に使用した樹脂組成物の組成等に応じて、例えば、ドリル、レーザー、プラズマ等を使用して実施してよい。ホールの寸法及び形状は、プリント配線板のデザインに応じて適宜決定してよい。
工程(IV)は、絶縁層を粗化処理する工程である。通常、この工程(IV)において、スミアの除去も行われる。粗化処理の手順、条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常使用される公知の手順、条件を採用することができる。例えば、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理、中和液による中和処理をこの順に実施して絶縁層を粗化処理することができる。
粗化処理に用いる膨潤液としては、例えば、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられ、好ましくはアルカリ溶液である。該アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液がより好ましい。市販されている膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン社製の「スウェリング・ディップ・セキュリガンスP」、「スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU」等が挙げられる。膨潤液による膨潤処理は、例えば、30℃~90℃の膨潤液に絶縁層を1分間~20分間浸漬することにより行うことができる。絶縁層の樹脂の膨潤を適度なレベルに抑える観点から、40℃~80℃の膨潤液に絶縁層を5分間~15分間浸漬させることが好ましい。
粗化処理に用いる酸化剤としては、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウム又は過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。アルカリ性過マンガン酸溶液等の酸化剤による粗化処理は、60℃~100℃に加熱した酸化剤溶液に絶縁層を10分間~30分間浸漬させて行うことが好ましい。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は、5質量%~10質量%が好ましい。市販されている酸化剤としては、例えば、アトテックジャパン社製の「コンセントレート・コンパクトCP」、「ドージングソリューション・セキュリガンスP」等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。
粗化処理に用いる中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、例えば、アトテックジャパン社製の「リダクションソリューション・セキュリガントP」が挙げられる。中和液による処理は、酸化剤による粗化処理がなされた処理面を30℃~80℃の中和液に5分間~30分間浸漬させることにより行うことができる。作業性等の点から、酸化剤による粗化処理がなされた対象物を、40℃~70℃の中和液に5分間~20分間浸漬する方法が好ましい。
工程(V)は、導体層を形成する工程であり、絶縁層上に導体層を形成する。導体層に使用する導体材料は特に限定されない。好適な実施形態では、導体層は、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムからなる群から選択される1種以上の金属を含む。導体層は、単金属層であっても合金層であってもよく、合金層としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金(例えば、ニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金及び銅・チタン合金)から形成された層が挙げられる。中でも、導体層形成の汎用性、コスト、パターニングの容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金、銅・チタン合金の合金層が好ましく、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層がより好ましく、銅の単金属層が更に好ましい。
導体層は、単層構造であってもよく、異なる種類の金属若しくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。導体層が複層構造である場合、絶縁層と接する層は、クロム、亜鉛若しくはチタンの単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層であることが好ましい。
導体層の厚さは、所望のプリント配線板のデザインによるが、一般に3μm~35μm、好ましくは5μm~30μmである。
一実施形態において、導体層は、メッキにより形成してよい。例えば、セミアディティブ法、フルアディティブ法等の従来公知の技術により絶縁層の表面にメッキして、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。製造の簡便性の観点から、セミアディティブ法が好ましい。以下、導体層をセミアディティブ法により形成する例を示す。
まず、絶縁層の表面に、無電解メッキによりメッキシード層を形成する。次いで、形成されたメッキシード層上に、所望の配線パターンに対応してメッキシード層の一部を露出させるマスクパターンを形成する。露出したメッキシード層上に、電解メッキにより金属層を形成した後、マスクパターンを除去する。その後、不要なメッキシード層をエッチング等により除去して、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。
他の実施形態において、導体層は、金属箔を使用して形成してよい。金属箔を使用して導体層を形成する場合、工程(V)は、工程(I)と工程(II)の間に実施することが好適である。例えば、工程(I)の後、支持体を除去し、露出した樹脂組成物層の表面に金属箔を積層する。樹脂組成物層と金属箔との積層は、真空ラミネート法により実施してよい。積層の条件は、工程(I)について説明した条件と同様としてよい。次いで、工程(II)を実施して絶縁層を形成する。その後、絶縁層上の金属箔を利用して、サブトラクティブ法、モディファイドセミアディティブ法等の従来の公知の技術により、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。
金属箔は、例えば、電解法、圧延法等の公知の方法により製造することができる。金属箔の市販品としては、例えば、JX金属社製のHLP箔、JXUT-III箔、三井金属鉱業社製の3EC-III箔、TP-III箔等が挙げられる。
導体層がパターン加工されていている場合、導体層の最小ライン(回路幅)/スペース(回路間の幅)比は、特に制限されない。ただし、樹脂組成物層の小さい欠点の検出が可能であるので、当該欠点を排除した絶縁層を得られるという上述した樹脂シートの利点を活用する観点では、最小ライン/スペース比は小さいことが好ましい。具体例を示すと、最小ライン/スペース比は、好ましくは20μm/20μm以下(即ちピッチが40μm以下)、より好ましくは10μm/10μm以下、さらに好ましくは5μm/5μm以下、よりさらに好ましくは1μm/1μm以下、特に好ましくは0.5μm/0.5μm以下である。下限は、例えば、0.1μm/0.1μm以上でありうる。ピッチは、導体層の全体にわたって同一でもよく、同一でなくてもよい。導体層の最小ピッチは、例えば、40μm以下、36μm以下、又は30μm以下であってもよい。
上述したプリント配線板等の回路基板は、半導体装置に設けて用いうる。このような回路基板を備える半導体装置としては、例えば、電気製品(例えば、コンピュータ、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される各種半導体装置が挙げられる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。以下の説明において、量を表す「部」及び「%」は、別途明示のない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。また、特に指定が無い場合の温度条件及び圧力条件は、室温(25℃)及び大気圧(1atm)であった。
[支持体の種類]
支持体として、下記のプラスチックフィルムを用意した。
支持体1:ポリイミドフィルム(東洋紡社製「ゼノマックス」。厚み38μm)。
支持体2:アルキド樹脂系離型剤(リンテック社製「AL-5」)で離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製「ルミラーT6AM」、厚さ38μm)。
支持体3:ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製「R80」、厚み38μm)。
支持体4:アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製「AL-5」、厚み38μm)
支持体5:ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン200EN」、厚み50μm)
[参考例1:支持体1単体の観察]
支持体1を、クリーンルーム内で梱包体から取り出し、次に示す手順で観察を行った。
顕微鏡(キーエンス製「VHX-7000」)を用いて、倍率200倍で、厚み方向(入射角0°)において透過光(可視光)による支持体1の光学観察を行った。観察により得られた映像から、周囲(正常部分)とは異なるコントラスト又は色調を有する最大径10μm以上の欠点の個数を数えた。ここで説明する参考例、実施例及び比較例では、黒色又は褐色の欠点が検出されたので、それらの欠点の数を数えた。支持体の観察範囲は1エリアにつき1cmとし、支持体の任意の課所から5エリアを選んで観察を行った。
[参考例2:支持体2単体の観察]
支持体1を支持体2に変更した以外は参考例1と同様にして観察を行い、最大径10μm以上の欠点の個数を数えた。
[参考例3:支持体3単体の観察]
支持体1を支持体3に変更した以外は参考例1と同様にして観察を行い、最大径10μm以上の欠点の個数を数えた。
[参考例4:支持体4単体の観察]
支持体1を支持体4に変更した以外は参考例1と同様にして観察を行い、最大径10μm以上の欠点の個数を数えた。
[参考例5:支持体5単体の観察]
支持体1を支持体5に変更した以外は参考例1と同様にして観察を行い、最大径10μm以上の欠点の個数を数えた。
[実施例1:支持体1を用いた樹脂シートの製造及び評価]
(1-1.樹脂ワニスIの調製)
ビスフェノールAF型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YL7760」、エポキシ当量約238g/eq.)12部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬社製「NC3000L」、エポキシ当量約269g/eq.)12部、ビキシレノール型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX4000HK」、エポキシ当量約185g/eq.)12部、及びフェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7553BH30」、固形分30質量%のシクロヘキサノン:メチルエチルケトン(MEK)の1:1溶液)10部を、ソルベントナフサ15部及びMEK2部に撹拌しながら加熱溶解させて、溶液を得た。この溶液を室温にまで冷却した後、そこへ、トリアジン骨格含有クレゾールノボラック系硬化剤(DIC社製「LA-3018-50P」、水酸基当量151g/eq.、固形分50%の2-メトキシプロパノール溶液)6部、活性エステル系硬化剤(DIC社製「HPC-8000-65T」、活性基当量約223g/eq.、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)16部、アミン系硬化促進剤(4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、固形分5質量%のMEK溶液)2部、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス社製「SO-C2」、平均粒径0.50μm)80部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散した後に、カートリッジフィルター(ロキテクノ社製「SHP-050」、濾過効率(メーカー公称値):3μm以上の粒子を99.9%以上カット)で濾過して、樹脂ワニスIを調製した。
(1-2.樹脂組成物層の形成)
支持体1のロールを用意した。このロールから支持体1をクリーンルームにて発出し、上記で得た樹脂ワニスIを、該支持体1の平滑面側の表面に、ダイコーターを用いて均一に塗布し、80℃~110℃(平均100℃)にて2分間乾燥させて、樹脂組成物層を形成した。樹脂組成物層の厚さは20μmであった。
(1-3.保護フィルムの貼り合わせ)
続いて、樹脂組成物層の表面に、保護フィルムとしてポリプロピレンフィルム(王子特殊紙社製「アルファンMA-411」、厚さ15μm)を、常圧下、60℃、線圧6kgf/cmにて連続的にラミネートし、樹脂シートを得た。この樹脂シートは、支持体1、樹脂組成物層及び保護フィルムをこの順に備えていた。この樹脂シートを巻き取ってロール体を得た(巻き取り長60m)。得られたロール体を幅340mmにスリットして、幅340mm、長さ60mの樹脂シートのロールを得た。
(1-4.樹脂シートの観察)
前記のロールから樹脂シートを発出し、保護フィルムをゆっくり剥離して、樹脂組成物層を露出させた。静電気による異物付着を防ぐため、保護フィルムの剥離は、支持体1をイオナイザーに当てながら行った。前記の剥離により、支持体1及び樹脂組成物層のみを備える樹脂シートとしての試料シートを得た。
参考例1と同様の方法により、試料シートの欠点検出を行った。具体的には、顕微鏡(キーエンス社製「VHX-7000」)を用いて、倍率200倍で、厚み方向(入射角0°)において透過光(可視光)による試料シートの光学観察を行った。この光学観察は、顕微鏡の光源から発せられた光が支持体1及び樹脂組成物層をこの順に透過して顕微鏡のレンズに入るようにするため、樹脂組成物層がレンズ側を向くように試料シートを設置して行った。観察により得られた映像から、周囲の正常部分とは異なるコントラスト又は色調を有する最大径10μm以上の欠点の個数を数えた。試料シートの観察範囲は1エリアにつき1cmとし、試料シートの任意の課所から5エリアを選んで観察を行った。
[比較例1:支持体2を用いた樹脂シートの製造及び評価]
支持体1を支持体2に変更し、支持体2の離型層面側にワニスを塗布した以外は実施例1と同様にして、樹脂シートの製造及び観察を行い、最大径10μm以上の欠点の個数を数えた。
[比較例2:支持体3を用いた樹脂シートの製造及び評価]
実施例1を支持体3に変更した以外は実施例1と同様にして、樹脂シートの製造及び観察を行い、最大径10μm以上の欠点の個数を数えた。
[比較例3:支持体4を用いた樹脂シートの製造及び評価]
実施例1を支持体4に変更し、支持体4の離型層面側にワニスを塗布した以外は実施例1と同様にして、樹脂シートの製造及び観察を行い、最大径10μm以上の欠点の個数を数えた。
[比較例4:支持体5を用いた樹脂シートの製造及び評価]
実施例1を支持体5に変更した以外は実施例1と同様にして、樹脂シートの製造及び観察を行い、最大径10μm以上の欠点の個数を数えた。
[参考例6:ガラス支持体を用いたコントロールサンプルAの製造及び評価]
実施例1で使用した支持体を、ガラス支持体に変更して、下記の方法により、ガラス支持体及び樹脂組成物層を備える積層板としてのコントロールサンプルAを製造した。
ガラス支持体として、ガラスの平板を用意した。窒素ブロワーを用いてガラス支持体の表面の付着物を除去した。実施例1で得た樹脂ワニスIをバーコーターにてガラス支持体の片面に均一に塗布し、80℃~110℃(平均100℃)にて2分間乾燥させて、樹脂組成物層を形成した。樹脂組成物層の厚さは20μmであった。以上の操作により、ガラス支持体と、このガラス支持体上に形成された樹脂組成物層とを備えるコントロールサンプルAを得た。
参考例1と同様の方法により、コントロールサンプルAの欠点検出を行った。具体的には、顕微鏡(キーエンス製「VHX-7000」)を用いて、倍率200倍で、厚み方向(入射角0°)において透過光(可視光)によるコントロールサンプルAの光学観察を行った。観察により得られた映像から、周囲の正常部分とは異なるコントラスト又は色調を有する最大径10μm以上の欠点の個数を数えた。コントロールサンプルAの観察範囲は1エリアにつき1cmとし、コントロールサンプルAの任意の課所から5エリアを選んで観察を行った。
前記のガラス支持体は、欠点を有さない。よって、コントロールサンプルAの欠点の数は、樹脂組成物層に含まれる欠点に起因した欠点の数を表す。
[実施例2:支持体1及び黒色フィラー入り樹脂組成物を用いた樹脂シートの製造及び評価]
実施例1で得た樹脂ワニスIに、黒色フィラー(エプソンアトミックス社製「KUAMET 6B2」、Fe基アモルファス磁性材料、平均粒径25μm)を添加し、攪拌機(シンキー社製「あわとり練太郎」)で混合して、黒色フィラー入りの樹脂ワニスIIを作製した。黒色フィラーは、樹脂ワニスII中の黒色フィラーの濃度が50ppmとなる量を用いた。
樹脂ワニスIを、上記で得た黒色フィラー入りの樹脂ワニスIIに変更した以外は実施例1の工程(1-2)~(1-4)と同様にして、樹脂シートの製造及び観察を行い、最大径10μm以上の欠点の個数を数えた。
[比較例5:支持体2及び黒色フィラー入り樹脂組成物を用いた樹脂シートの製造及び評価]
支持体1を支持体2に変更した以外は実施例2と同様にして、接着シートの製造及び観察を行い、最大径10μm以上の欠点の個数を数えた。
[比較例6:支持体3及び黒色フィラー入りの樹脂組成物を用いた樹脂シートの製造及び評価]
支持体1を支持体3に変更した以外は実施例2と同様にして、接着シートの製造及び観察を行い、最大径10μm以上の欠点の個数を数えた。
[比較例7:支持体4及び黒色フィラー入りの樹脂組成物を用いた樹脂シートの製造及び評価]
支持体1を支持体4に変更した以外は実施例2と同様にして、接着シートの製造及び観察を行い、最大径10μm以上の欠点の個数を数えた。
[比較例8:支持体5及び黒色フィラー入りの樹脂組成物を用いた樹脂シートの製造及び評価]
支持体1を支持体5に変更した以外は実施例2と同様にして、接着シートの製造及び観察を行い、最大径10μm以上の欠点の個数を数えた。
[参考例7:ガラス支持体を用いたコントロールサンプルBの製造及び評価]
実施例2で使用した支持体を、ガラス支持体に変更して、下記の方法により、ガラス支持体及び樹脂組成物層を備える積層板としてのコントロールサンプルBを製造した。
ガラス支持体として、ガラスの平板を用意した。窒素ブロワーを用いてガラス支持体の表面の付着物を除去した。実施例2で得た黒色フィラー入りの樹脂ワニスIIをバーコーターにてガラス支持体の片面に均一に塗布し、80℃~110℃(平均100℃)にて2分間乾燥させて、黒色フィラー入りの樹脂組成物層を形成した。黒色フィラー入りの樹脂組成物層の厚さは20μmであった。以上の操作により、ガラス支持体と、このガラス支持体上に形成された黒色フィラー入りの樹脂組成物層とを備えるコントロールサンプルBを得た。
参考例1と同様の方法により、コントロールサンプルBの欠点検出を行った。具体的には、顕微鏡(キーエンス社製「VHX-7000」)を用いて、倍率200倍で、厚み方向(入射角0°)において透過光(可視光)によるコントロールサンプルBの光学観察を行った。観察により得られた映像から、周囲の正常部分とは異なるコントラスト又は色調を有する最大径10μm以上の欠点の個数を数えた。コントロールサンプルBの測定範囲は1エリアにつき1cmとし、コントロールサンプルBの任意の課所から5エリアを選んで観察を行った。
前記のガラス支持体は、欠点を有さない。よって、コントロールサンプルBの欠点の数は、黒色フィラー入りの樹脂組成物層に含まれる欠点に起因した欠点の数を表す。
[結果]
上述した実施例、比較例及び参考例の結果を、下記の表に示す。下記の表において「検出誤差」の欄の数値は、実施例及び比較例の欠点の平均個数と、それに対応するコントロールの欠点の平均個数との差を表す。よって、実施例1、比較例1、比較例2、比較例3及び比較例4の検出誤差の値は、実施例1、比較例1、比較例2、比較例3及び比較例4の欠点の平均個数と、参考例6の欠点の平均個数との差を表す。また、実施例2、比較例5、比較例6、比較例7及び比較例8の検出誤差の値は、実施例2、比較例5、比較例6、比較例7及び比較例8の欠点の平均個数と、参考例7の欠点の平均個数との差を表す。したがって、検出誤差の値の絶対値が小さいほど、誤検出の頻度が低く、よって、樹脂組成物層中の小さい欠点の検出精度が高いことを表す。
Figure 0007472927000001
1 製造装置
10 支持体
20 樹脂組成物層
30 被検査シート(樹脂シート)
40 製品シート(樹脂シート)
50 樹脂組成物
60 ロール
100 層形成装置
110 塗布装置
120 乾燥装置
200 検出装置
210 光源部
220 撮影部
230 出力部
300 発出装置

Claims (8)

  1. 支持体と、前記支持体上に形成された樹脂組成物層と、を備える樹脂シートであって
    樹脂シートが、前記支持体を除去されて前記樹脂組成物層によって回路基板の絶縁層を形成するためのものであり
    前記支持体が有する最大径10μm以上の欠点の数が、5個/cm以下である、樹脂シート。
  2. 前記欠点が、光学観察によって検出可能な点である、請求項1に記載の樹脂シート。
  3. 前記欠点が、前記支持体の内部にある、請求項1又は2に記載の樹脂シート。
  4. 前記支持体が、プラスチックフィルムである、請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  5. 請求項1~のいずれか一項に記載の樹脂シートの製造方法であって;
    支持体上に樹脂組成物層を形成する工程と、
    前記支持体及び前記樹脂組成物層の光学観察を同時に行って欠点を検出する工程と、を含み;
    前記支持体が有する最大径10μm以上の欠点の数が、5個/cm以下である、樹脂シートの製造方法。
  6. 支持体と前記支持体上に形成された樹脂組成物層とを備え、前記支持体を除去されて前記樹脂組成物層によって回路基板の絶縁層を形成するための樹脂シートの、前記樹脂組成物層中の欠点検出方法であって、
    前記支持体及び前記樹脂組成物層の光学観察を同時に行って欠点を検出する工程を含み、前記支持体が有する最大径10μm以上の欠点の数が、5個/cm以下である、欠点検出方法。
  7. 前記支持体が有する最大径10μm以上の欠点が、前記支持体の内部にある、請求項に記載の欠点検出方法。
  8. 前記支持体が、プラスチックフィルムである、請求項又はに記載の欠点検出方法。
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