JP7470764B1 - レーザ加工機、レーザ加工方法、加工プログラム作成方法、及び加工プログラムの構成方法 - Google Patents

レーザ加工機、レーザ加工方法、加工プログラム作成方法、及び加工プログラムの構成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ノズル内部にスパッタが蓄積しにくく、加工可能な状態を長時間継続させることができるレーザ加工機を提供する。【解決手段】制御装置(NC装置50)は、加工ヘッド35を固定の位置とするよう移動機構を制御する。制御装置は、穴を形成する穴形成領域内の加工開始位置でレーザビームをオンするようレーザ発振器10を制御する。制御装置は、加工開始位置から穴形成領域の端部までレーザビームを移動させてアプローチを形成し、穴形成領域の全周端部に沿ってレーザビームを円形に移動させて、被切断材料(板金W)に穴を形成するようビーム振動機構(ガルバノスキャナユニット32)を制御する。制御装置は、加工開始位置でレーザビームの照射を開始する穴の加工開始から穴の形成が完了するまで、ノズル36の先端と被切断材料の表面との距離を1.0mm以上6.0mm以下の固定の距離とするよう高さ調整機構38を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ加工機、レーザ加工方法、加工プログラム作成方法、及び加工プログラムの構成方法に関する。
特許文献1に記載されているように、ガルバノスキャナユニットを備えるレーザ加工機が実用化されている。特許文献1には、加工ヘッドを停止させた状態で、加工ヘッドの先端に取り付けられたノズルの開口より射出されるレーザビームをガルバノスキャナユニットによって円形に移動させることによって、開口の直径より小さい穴を形成することが記載されている。この開口の直径より小さい穴を形成するレーザ加工方法によれば、加工ヘッドを移動させながら穴を形成するレーザ加工方法と比較して、穴を形成する加工時間を大幅に短くすることができる。
また、特許文献1には、開口の中心でレーザビームをオンし、ガルバノスキャナユニットによって、レーザビームを形成しようとする穴の半径の距離だけ開口の端部の方向に変位させて、レーザビームを円形に移動させることが記載されている。
国際公開第2021/112039号 特開平9-220683号公報 特開2019-195831号公報 特開平8-118048号公報
特許文献2に記載のように、加工ヘッドを移動させながら穴を形成するレーザ加工方法においては、ノズルの先端と板金の表面との距離は0.3mmのような極めて近接した距離である。通常、レーザ加工機は、板金より開口を有する製品を切断するとき、開口を形成する領域の内部にピアスを開け、ピアスから開口を形成する領域の端部までアプローチを形成し、開口を形成する領域に沿って板金を切断する。
特許文献3の段落0051に記載されている事項から、一般的なレーザ加工機による板金の加工は次のように行われることが理解される。レーザ加工機は、ピアスを開けるときにはノズルの先端と板金の表面との距離を通常の切断時における距離よりも長くする。レーザ加工機は、アプローチの形成及び製品の外周または内周を切断する通常の切断時には、ノズルの先端と板金の表面との距離を近接した距離(例えば0.3mm)とする。
以上の当業者にとって周知の事項を踏まえると、加工ヘッドを停止させた状態で、ガルバノスキャナユニットによってレーザビームを円形に移動させて板金に穴を形成するときには、ノズルの先端と板金の表面までの距離を次のように設定して加工することが考えられる。
レーザ加工機は、ピアスを形成するときのみノズルの先端と板金の表面との距離を比較的長い距離とする。レーザ加工機は、レーザビームを開口の端部の方向に変位させるとき、及びレーザビームを円形に移動させるときには、ノズルの先端と板金の表面との距離を0.3mmのような極めて近接した距離とする。ところが、このようにノズルの先端と板金の表面との距離を変化させるために加工ヘッドを高さ方向に移動させると、加工速度が低下する。そこで、レーザ加工機は、開口の中心でレーザビームをオンしてから穴の切断が完了するまで、ノズルの先端と板金の表面との距離を0.3mmのような極めて近接した距離とすることが考えられる。
本発明者は、開口の中心でレーザビームをオンしてから穴の切断が完了するまでノズルの先端と板金の表面との距離を近接した距離に設定して、加工ヘッドを停止させた状態でレーザ加工機によってレーザビームを円形に移動させて板金に穴を形成する加工を数多く繰り返す検証を行った。すると、ノズル内部にスパッタが蓄積して、加工を継続できなくなるという事態が発生することがあるということが判明した。そこで、加工ヘッドを停止させた状態で板金にノズルの開口の範囲に収まる所定の形状の穴を形成する加工を数多く繰り返しても、ノズルの内部にスパッタが蓄積しにくく、加工可能な状態を長時間継続させることが求められる。
1またはそれ以上の実施形態の第1の態様は、レーザビームを射出するレーザ発振器と、前記レーザ発振器より射出されたレーザビームを開口より射出するノズルが先端に取り付けられた加工ヘッドと、前記加工ヘッドを被切断材料の面に沿って移動させる移動機構と、前記加工ヘッドの高さ方向の位置を調整する高さ調整機構と、前記開口より射出されるレーザビームを前記開口内で振動させるビーム振動機構と、前記レーザ発振器、前記移動機構、前記高さ調整機構、及び前記ビーム振動機構を制御する制御装置とを備え、前記被切断材料に前記開口の範囲に収まる穴を形成するとき、前記制御装置は、前記加工ヘッドを固定の位置とするよう前記移動機構を制御し、前記穴を形成する穴形成領域内の加工開始位置でレーザビームをオンするよう前記レーザ発振器を制御し、前記加工開始位置から前記穴形成領域の内周端部までレーザビームを円弧状に移動させて先端部が前記内周端部に連結する円弧状のアプローチを形成し、レーザビームを、前記アプローチの先端部でレーザビームが移動する方向に沿った方向で前記内周端部に沿うように移動させ、前記内周端部に沿って円形に移動させることにより、前記被切断材料に前記穴を形成するよう前記ビーム振動機構を制御し、前記加工開始位置でレーザビームの照射を開始する前記穴の加工開始から前記穴の形成が完了するまで、前記ノズルの先端と前記被切断材料の表面との距離を1.0mm以上6.0mm以下の固定の距離とするよう前記高さ調整機構を制御するレーザ加工機を提供する。
1またはそれ以上の実施形態の第2の態様は、レーザビームを射出するレーザ発振器と、前記レーザ発振器より射出されたレーザビームを開口より射出するノズルが先端に取り付けられた加工ヘッドと、前記加工ヘッドを被切断材料の面に沿って移動させる移動機構と、前記加工ヘッドの高さ方向の位置を調整する高さ調整機構と、前記開口より射出されるレーザビームを前記開口内で振動させるビーム振動機構と、前記レーザ発振器、前記移動機構、前記高さ調整機構、及び前記ビーム振動機構を制御する制御装置とを備え、前記被切断材料に前記開口の範囲に収まる丸穴を形成するとき、前記制御装置は、前記加工ヘッドを固定の位置とするよう前記移動機構を制御し、前記丸穴を形成する穴形成領域内の加工開始位置でレーザビームをオンするよう前記レーザ発振器を制御し、前記加工開始位置から前記穴形成領域の内周端部までレーザビームを螺旋状に移動させて先端部が前記内周端部に連結する螺旋状のアプローチを形成し、レーザビームを、前記アプローチの先端部でレーザビームが移動する方向に沿った方向で前記内周端部に沿うように移動させ、前記内周端部に沿って円形に移動させることにより、前記被切断材料に前記丸穴を形成するよう前記ビーム振動機構を制御し、前記加工開始位置でレーザビームの照射を開始する前記丸穴の加工開始から前記丸穴の形成が完了するまで、前記ノズルの先端と前記被切断材料の表面との距離を1.0mm以上6.0mm以下の固定の距離とするよう前記高さ調整機構を制御するレーザ加工機を提供する。
1またはそれ以上の実施形態の第1及び第2の態様によれば、制御装置は、加工ヘッドを固定の位置とするよう移動機構を制御し、被切断材料に、ノズルの開口の範囲に収まる穴を形成するようビーム振動機構を制御するから、被切断材料に短時間でノズルの開口の直径より小さい直径を有する穴を形成することができる。1またはそれ以上の実施形態の第1及び第2の態様によれば、穴の加工開始から穴の形成が完了するまで、ノズルの先端と被切断材料の表面との距離を1.0mm以上6.0mm以下の固定の距離とするので、ノズル内部にスパッタが蓄積しにくい。従って、加工可能な状態を長時間継続させることができる。
1またはそれ以上の実施形態の第の態様は、加工ヘッドを停止させた状態とし、前記加工ヘッドに取り付けられているノズルの先端と被切断材料の表面との距離を1.0mm以上6.0mm以下の固定の距離とし、前記ノズルの開口の範囲に収まる穴を形成する穴形成領域内の加工開始位置でレーザビームをオンして前記加工開始位置でレーザビームの照射を開始し、前記加工開始位置から前記穴形成領域の内周端部までレーザビームを円弧状に移動させて先端部が前記内周端部に連結する円弧状のアプローチを形成し、レーザビームを、前記アプローチの先端部でレーザビームが移動する方向に沿った方向で前記内周端部に沿うように移動させ、前記内周端部に沿って円形に移動させることにより、前記被切断材料に前記穴を形成するレーザ加工方法を提供する。
1またはそれ以上の実施形態の第4の態様は、加工ヘッドを停止させた状態とし、前記加工ヘッドに取り付けられているノズルの先端と被切断材料の表面との距離を1.0mm以上6.0mm以下の固定の距離とし、前記ノズルの開口の範囲に収まる丸穴を形成する穴形成領域内の加工開始位置でレーザビームをオンして前記加工開始位置でレーザビームの照射を開始し、前記加工開始位置から前記穴形成領域の内周端部までレーザビームを螺旋状に移動させて先端部が前記内周端部に連結する螺旋状のアプローチを形成し、レーザビームを、前記アプローチの先端部でレーザビームが移動する方向に沿った方向で前記内周端部に沿うように移動させ、前記内周端部に沿って円形に移動させることにより、前記被切断材料に前記丸穴を形成するレーザ加工方法を提供する。
1またはそれ以上の実施形態の第3及び第4の態様によれば、加工ヘッドを停止させた状態とし、穴形成領域の全周端部に沿ってレーザビームを円形に移動させて、ノズルの開口の直径より小さい直径を有する穴を形成するから、被切断材料に短時間でノズルの開口の直径より小さい直径を有する穴を形成することができる。1またはそれ以上の実施形態の第3及び第4の態様によれば、ノズルの先端と被切断材料の表面との距離を1.0mm以上6.0mm以下の固定の距離として、ノズルの開口の直径より小さい直径を有する穴を形成するので、ノズル内部にスパッタが蓄積しにくい。従って、加工可能な状態を長時間継続させることができる。
1またはそれ以上の実施形態の第の態様は、コンピュータ機器が、それぞれ、オペレータによって設定されている、加工ヘッドより射出されるレーザビームを被切断材料に照射して所定の形状の穴を形成するときに、前記加工ヘッドを停止させた状態として、前記加工ヘッドの先端に取り付けられたノズルの開口の範囲内で前記レーザビームを照射する前記被切断材料上の位置を移動させることによって前記穴を形成するヘッド固定穴加工を実行させることを有効とするか無効とするかを設定する第1の設定条件と、前記ヘッド固定穴加工を実行させることを有効とする対象の穴の形状を設定する第2の設定条件と、前記対象の穴の最小サイズと最大サイズとを設定する第3の設定条件と、前記被切断材料に形成しようとする前記対象の穴の全周端部に沿って、オンとした状態の前記レーザビームを移動させる周回時間を決定する係数を設定する第4の設定条件とに従って、前記第1の設定条件によって前記ヘッド固定穴加工を実行させることが有効に設定され、前記被切断材料に形成しようとする特定の穴の形状前記第2の設定条件によって設定されている前記ヘッド固定穴加工を実行させることを有効とする対象の穴の形状であり、前記特定の穴のサイズが前記第3の設定条件によって設定されている前記最小サイズ以上、前記最大サイズ以下であるとき、前記特定の穴を形成することを指令するコードに、前記特定の穴のサイズを規定する第1のアドレスワードと、前記ヘッド固定穴加工の実行を指令する第2のアドレスワードと、前記第4の設定条件で設定されている前記係数を示す第3のアドレスワードとを、任意の順で連結させた1文を含むように加工プログラムを作成する加工プログラム作成方法を提供する。
1またはそれ以上の実施形態の第の態様によれば、ヘッド固定穴加工を実行させる各種の条件を設定した上で、ヘッド固定穴加工によって被切断材料にノズルの開口の範囲内の穴を形成するのに好適な加工プログラムを作成することができる。
1またはそれ以上の実施形態の第の態様は、レーザビームを射出する加工ヘッドを移動させることによって被切断材料に所定の形状の穴を形成することを指令するコードに、前記穴のサイズを規定する第1のアドレスワードと、前記加工ヘッドを停止させた状態として、前記加工ヘッドの先端に取り付けられたノズルの開口の範囲内で前記レーザビームを照射する前記被切断材料上の位置を移動させることによって前記穴を形成するヘッド固定穴加工を実行させること指令する第2のアドレスワードと、前記被切断材料に形成しようとする前記穴の全周端部に沿って、オンとした状態の前記レーザビームを移動させる周回時間を決定する係数を示す第3のアドレスワードとを、任意の順で連結させた1文を含むように加工プログラムを構成する加工プログラムの構成方法を提供する。
1またはそれ以上の実施形態の第の態様によれば、ヘッド固定穴加工用のコードを新たに規定する必要がなく、加工ヘッドを移動させることによって被切断材料に穴を形成することを指令する既存のコードを用いて、ヘッド固定穴加工用の加工プログラムを構成することができる。
1またはそれ以上の実施形態に係るレーザ加工機及びレーザ加工方法によれば、加工ヘッドを停止させた状態で板金にノズルの開口の範囲に収まる所定の形状の穴を形成する加工を数多く繰り返しても、ノズル内部にスパッタが蓄積しにくく、加工可能な状態を長時間継続させることができる。1またはそれ以上の実施形態に係る加工プログラム作成方法によれば、1またはそれ以上の実施形態に係るレーザ加工機及びレーザ加工方法に好適な加工プログラムを作成することができる。1またはそれ以上の実施形態に係る加工プログラムの構成方法によれば、1またはそれ以上の実施形態に係るレーザ加工機及びレーザ加工方法に好適な加工プログラムを構成することができる。
図1は、1またはそれ以上の実施形態に係るレーザ加工機を示す図である。 図2は、加工ヘッドの高さ方向の位置を調整する高さ調整機構を示す概念図である。 図3は、レーザ加工機におけるコリメータユニット及び加工ヘッドの詳細な構成例を示す斜視図である。 図4は、ビーム振動機構によるレーザビームの板金への照射位置の変位を説明するための図である。 図5Aは、板金に形成された、ノズルの開口の直径よりも小さい直径を有する穴の一例を示す図である。 図5Bは、板金に図5Aに示す穴が形成される前の穴形成領域を示す図である。 図6Aは、レーザビームがノズルの開口の直径よりも小さい直径を有する穴を形成するときのレーザビームが描く円弧状の軌跡の第1の例を示す図である。 図6Bは、レーザビームがノズルの開口の直径よりも小さい直径を有する穴を形成するときのレーザビームが描く円弧状の軌跡の第2の例を示す図である。 図7は、図6Aに示す第1の例によって板金にピアス、アプローチ、全周切断溝が形成される過程を示す図である。 図8Aは、レーザビームがノズルの開口の直径よりも小さい直径を有する穴を形成するときのレーザビームが描く螺旋状の軌跡の第1の例を示す図である。 図8Bは、レーザビームがノズルの開口の直径よりも小さい直径を有する穴を形成するときのレーザビームが描く螺旋状の軌跡の第2の例を示す図である。 図8Cは、レーザビームがノズルの開口の直径よりも小さい直径を有する穴を形成するときのレーザビームが描く螺旋状の軌跡の第3の例を示す図である。 図8Dは、レーザビームがノズルの開口の直径よりも小さい直径を有する穴を形成するときのレーザビームが描く螺旋状の軌跡の第4の例を示す図である。 図9は、CAM機器の具体的な構成例を示すブロック図である。 図10は、CAM機器が加工プログラムを作成する前段階で用いる設定画像の一例を示す図である。 図11は、板金にノズルの開口の直径よりも小さい直径を有する穴を複数形成するための加工プログラムの一例を示す図である。 図12は、図11に示す加工プログラムによって板金に複数の穴が形成された状態を示す図である。
1またはそれ以上の実施形態に係るレーザ加工機は、レーザ発振器、加工ヘッド、移動機構、高さ調整機構、制御装置を備える。レーザ発振器はレーザビームを射出する。加工ヘッドは、前記レーザ発振器より射出されたレーザビームを開口より射出するノズルが先端に取り付けられている。移動機構は、前記加工ヘッドを板金の面に沿って移動させる。高さ調整機構は、前記加工ヘッドの高さ方向の位置を調整する。ビーム振動機構は、前記開口より射出されるレーザビームを前記開口内で振動させる。制御装置は、前記レーザ発振器、前記移動機構、前記高さ調整機構、及び前記ビーム振動機構を制御する。
前記被切断材料に前記開口の範囲に収まる穴を形成するとき、前記制御装置は、前記加工ヘッドを固定の位置とするよう前記移動機構を制御し、前記穴を形成する穴形成領域内の加工開始位置でレーザビームをオンするよう前記レーザ発振器を制御する。前記制御装置は、前記加工開始位置から前記穴形成領域の端部までレーザビームを移動させてアプローチを形成し、前記穴形成領域の全周端部に沿ってレーザビームを移動させて、前記被切断材料に前記穴を形成するよう前記ビーム振動機構を制御する。前記制御装置は、前記加工開始位置でレーザビームの照射を開始する前記穴の加工開始から前記穴の形成が完了するまで、前記ノズルの先端と前記被切断材料の表面との距離を1.0mm以上6.0mm以下の固定の距離とするよう前記高さ調整機構を制御する。
1またはそれ以上の実施形態に係るレーザ加工方法は、加工ヘッドを停止させた状態とし、前記加工ヘッドに取り付けられているノズルの先端と被切断材料の表面との距離を1.0mm以上6.0mm以下の固定の距離とし、前記ノズルの開口の範囲に収まる穴を形成する穴形成領域内の加工開始位置でレーザビームをオンして前記加工開始位置でレーザビームの照射を開始し、前記加工開始位置から前記穴形成領域の端部までレーザビームを移動させてアプローチを形成し、前記穴形成領域の全周端部に沿ってレーザビームを移動させて、前記被切断材料に前記穴を形成する。
1またはそれ以上の実施形態に係る加工プログラム作成方法は、加工ヘッドより射出されるレーザビームを被切断材料に照射して所定の形状の穴を形成するときに、前記加工ヘッドを停止させた状態として、前記加工ヘッドの先端に取り付けられたノズルの開口の範囲内で前記レーザビームを照射する前記被切断材料上の位置を移動させることによって前記穴を形成するヘッド固定穴加工を実行させることを有効とするか無効とするかを設定する。1またはそれ以上の実施形態に係る加工プログラム作成方法は、前記ヘッド固定穴加工を実行させることを有効とする対象の穴の形状を設定し、前記対象の穴の最小サイズと最大サイズとを設定し、前記被切断材料に形成しようとする前記対象の穴の全周端部に沿って、オンとした状態の前記レーザビームを移動させる周回時間を決定する係数を設定する。
1またはそれ以上の実施形態に係る加工プログラム作成方法は、前記ヘッド固定穴加工を実行させることが有効に設定され、前記被切断材料に形成しようとする特定の穴が前記対象の穴で、前記特定の穴のサイズが前記最小サイズ以上、前記最大サイズ以下であるとき、前記特定の穴を形成することを指令するコードに、前記特定の穴のサイズを規定する第1のアドレスワードと、前記ヘッド固定穴加工の実行を指令する第2のアドレスワードと、前記係数を示す第3のアドレスワードと、を、任意の順で連結させた1文を含むように加工プログラムを作成する。
1またはそれ以上の実施形態に係る加工プログラムの構成方法は、レーザビームを射出する加工ヘッドを移動させることによって被切断材料に所定の形状の穴を形成することを指令するコードに、第1のアドレスワードと、第2のアドレスワードと、第3のアドレスワードとを、任意の順で連結させた1文を含むように加工プログラムを構成する。第1のアドレスワードは、前記穴のサイズを規定する。第2のアドレスワードは、前記加工ヘッドを停止させた状態として、前記加工ヘッドの先端に取り付けられたノズルの開口の範囲内で前記レーザビームを照射する前記被切断材料上の位置を移動させることによって前記穴を形成するヘッド固定穴加工を実行させること指令する。第3のアドレスワードは、前記被切断材料に形成しようとする前記穴の全周端部に沿って、オンとした状態の前記レーザビームを移動させる周回時間を決定する係数を示す。
以下、1またはそれ以上の実施形態に係るレーザ加工機、レーザ加工方法、加工プログラム作成方法、及び加工プログラムの構成方法について、添付図面を参照して具体的に説明する。まず、図1~図4を用いて、1またはそれ以上の実施形態に係るレーザ加工機を説明する。図1は、1またはそれ以上の実施形態に係るレーザ加工機の構成例であるレーザ加工機100を示す。
図1において、レーザ加工機100は、レーザ発振器10、プロセスファイバ12、レーザ加工ユニット20、NC装置50、アシストガス供給装置80を備える。レーザ発振器10は、レーザビームを生成して射出する。プロセスファイバ12は、レーザ発振器10より射出されたレーザビームをレーザ加工ユニット20へと伝送する。NC装置50は、レーザ加工機100の各部を制御する制御装置の一例である。
NC装置50には、加工プログラムデータベース60と、加工条件データベース70とが接続されている。加工プログラムデータベース60及び加工条件データベース70は、ネットワークを介してレーザ加工機100と接続されていてもよい。加工プログラムデータベース60には、後述する加工プログラムを作成するCAM(Computer Aided Manufacturing)機器40が接続されている。CAM機器40は、ネットワークを介して加工プログラムデータベース60と接続されていてもよい。加工プログラムデータベース60は、CAM機器40で作成された加工プログラムを保存する。
CAM機器40は、CAMプログラムを実行するコンピュータ機器によって構成される。CAM機器40は、1またはそれ以上の実施形態に係る加工プログラム作成方法を実行して加工プログラムを作成する。CAM機器40が作成する加工プログラムについては後述する。
レーザ発振器10としては、レーザダイオードより発せられる励起光を増幅して所定の波長のレーザビームを射出するレーザ発振器、またはレーザダイオードより発せられるレーザビームを直接利用するレーザ発振器が好適である。レーザ発振器10は、例えば、固体レーザ発振器、ファイバレーザ発振器、ディスクレーザ発振器、ダイレクトダイオードレーザ発振器(DDL発振器)である。
レーザ発振器10は、波長900nm~1100nmの1μm帯のレーザビームを射出する。ファイバレーザ発振器及びDDL発振器を例とすると、ファイバレーザ発振器は、波長1060nm~1080nmのレーザビームを射出し、DDL発振器は、波長910nm~950nmのレーザビームを射出する。
レーザ加工ユニット20は、加工対象の被切断材料である板金Wを載せる加工テーブル21と、門型のX軸キャリッジ22と、Y軸キャリッジ23と、Y軸キャリッジ23に固定されたコリメータユニット30と、加工ヘッド35とを有する。X軸キャリッジ22は、加工テーブル21上でX軸方向に移動自在に構成されている。Y軸キャリッジ23は、X軸キャリッジ22上でX軸に垂直なY軸方向に移動自在に構成されている。X軸キャリッジ22及びY軸キャリッジ23は、加工ヘッド35を板金Wの面に沿って、X軸方向、Y軸方向、または、X軸とY軸との任意の合成方向に移動させる移動機構として機能する。
加工ヘッド35を板金Wの面に沿って移動させる代わりに、加工ヘッド35は位置が固定されていて、板金Wが移動するように構成されていてもよい。レーザ加工機100は、板金Wの面に対して加工ヘッド35を相対的に移動させる移動機構を備えていればよい。NC装置50は、移動機構(X軸キャリッジ22及びY軸キャリッジ23)による加工ヘッド35の移動を制御する。
加工ヘッド35には、先端部に円形の開口36aを有し、開口36aよりレーザビームを射出するノズル36が取り付けられている。ノズル36の開口36aより射出されたレーザビームは板金Wに照射される。アシストガス供給装置80は、アシストガスとして窒素、酸素、窒素と酸素との混合気体、または空気を加工ヘッド35に供給する。板金Wの加工時に、アシストガスは開口36aより板金Wへと吹き付けられる。アシストガスは、板金Wが溶融したカーフ幅内の溶融金属を排出する。
図2は、加工ヘッド35の高さ方向の位置を調整する高さ調整機構38を示す概念図である。図2に示すように、レーザ加工ユニット20は、加工ヘッド35の高さ方向の位置を調整する高さ調整機構38を有する。高さ方向とは、X軸及びY軸に垂直なZ軸方向である。詳細には、加工ヘッド35は、ボールねじまたはラック・アンド・ピニオンによってZ軸方向に移動自在とされ、高さ調整機構38はサーボモータまたはリニアモータによって加工ヘッド35をZ軸方向に移動させる。高さ調整機構38の少なくとも一部が加工ヘッド35の内部に存在することがある。
ノズル36の先端と板金Wの表面との距離は、高さ調整機構38が加工ヘッド35のZ軸方向の位置を調整することによって調整される。NC装置50は、高さ調整機構38による加工ヘッド35のZ軸方向の位置を制御する。
図3は、レーザ加工機100におけるコリメータユニット30及び加工ヘッド35の詳細な構成例を示す斜視図である。図3に示すように、コリメータユニット30は、プロセスファイバ12より射出された発散光のレーザビームを平行光(コリメート光)に変換するコリメーションレンズ31を備える。また、コリメータユニット30は、ガルバノスキャナユニット32と、ガルバノスキャナユニット32より射出されたレーザビームをZ軸方向下方に向けて反射させるベンドミラー33を備える。加工ヘッド35は、ベンドミラー33で反射したレーザビームを集束して、板金Wに照射する集束レンズ34を備える。
レーザビームの焦点位置を調整するために、集束レンズ34は図示していない駆動部及び移動機構によって、板金Wに近付く方向及び板金Wより離隔する方向に移動自在に構成されている。
レーザ加工機100は、ノズル36の開口36aより射出されるレーザビームが開口36aの中心に位置するように芯出しされている。基準の状態では、レーザビームは、開口36aの中心より射出する。ガルバノスキャナユニット32は、加工ヘッド35内を進行して開口36aより射出されるレーザビームを、開口36a内で振動させるビーム振動機構として機能する。
ガルバノスキャナユニット32は、コリメーションレンズ31より射出されたレーザビームを反射するスキャンミラー321と、スキャンミラー321を所定の角度となるように回転させる駆動部322とを有する。また、ガルバノスキャナユニット32は、スキャンミラー321より射出されたレーザビームを反射するスキャンミラー323と、スキャンミラー323を所定の角度となるように回転させる駆動部324とを有する。駆動部322及び324はモータによって構成することができる。
駆動部322及び324は、NC装置50による制御に基づき、それぞれ、スキャンミラー321及び323を所定の角度範囲で往復振動させることができる。スキャンミラー321とスキャンミラー323とのいずれか一方または双方を往復振動させることによって、ガルバノスキャナユニット32は、板金Wに照射されるレーザビームを振動させる。
ガルバノスキャナユニット32はビーム振動機構の一例であり、ビーム振動機構は一対のスキャンミラーを有するガルバノスキャナユニット32に限定されない。
図4は、ビーム振動機構によるレーザビームの板金Wへの照射位置の変位を説明するための図である。図4は、スキャンミラー321とスキャンミラー323とのいずれか一方または双方が傾けられて、板金Wに照射されるレーザビームの位置が変位した状態を示している。図4において、ベンドミラー33で折り曲げられて集束レンズ34を通過する細実線は、レーザ加工機100が基準の状態であるときのレーザビームの光軸を示している。
なお、詳細には、ベンドミラー33の手前に位置しているガルバノスキャナユニット32の作動により、ベンドミラー33に入射するレーザビームの光軸の角度が変化し、光軸がベンドミラー33の中心から外れる。図4では、簡略化のため、ガルバノスキャナユニット32の作動前後でベンドミラー33へのレーザビームの入射位置を同じ位置としている。
ガルバノスキャナユニット32による作用によって、レーザビームの光軸が細実線で示す位置から太実線で示す位置へと変位したとする。ベンドミラー33で反射するレーザビームが角度θで傾斜したとすると、板金Wへのレーザビームの照射位置は距離Δsだけ変位する。集束レンズ34の焦点距離をEFL(Effective Focal Length)とすると、距離Δsは、EFL×sinθで計算される。
ガルバノスキャナユニット32がレーザビームを図4に示す方向とは逆方向に角度θだけ傾ければ、板金Wへのレーザビームの照射位置を図4に示す方向とは逆方向に距離Δsだけ変位させることができる。距離Δsは開口36aの半径未満の距離であり、好ましくは、開口36aの半径から所定の余裕量だけ引いた距離を最大距離とした最大距離以下の距離である。
NC装置50は、ガルバノスキャナユニット32の駆動部322及び324を制御することによって、レーザビームを板金Wの面内の所定の方向に振動させることができる。レーザビームを振動させることによって、板金Wの面上に形成されるビームスポットを振動させることができる。ガルバノスキャナユニット32は、NC装置50による制御に基づいて、板金Wに照射されるレーザビームの位置、即ち、板金Wの面上に形成されるビームスポットの位置を移動させることができる。
以上のように構成されるレーザ加工機100は、レーザ発振器10より射出されたレーザビームによって板金Wを切断して所定の形状を有する製品を作製する。レーザ加工機100は、レーザビームの焦点を、板金Wの上面、上面より所定の距離だけ上方、または上面より所定の距離だけ下方で板金Wの板厚内のいずれかの適宜の位置に位置させて、レーザビームを所定の軌跡パターンで振動させながら板金を切断する。
加工プログラムデータベース60には、板金Wを切断するための加工プログラムが記憶されている。NC装置50は、加工プログラムデータベース60より加工プログラムを読み出し、加工条件データベース70に記憶されている複数の加工条件ファイルのうちのいずれかの加工条件ファイルを選択する。加工条件ファイルには、各種の加工条件が設定されている。NC装置50は、読み出した加工プログラムと選択した加工条件ファイルで設定されている加工条件とに基づいて板金Wを切断するようレーザ加工機100を制御する。NC装置50が選択する加工条件ファイルは、加工プログラムにおいて指定されている。
以上のように構成されるレーザ加工機100が、板金Wにノズル36の開口36aの範囲に収まる穴を形成する好ましい動作であり、1またはそれ以上の実施形態に係るレーザ加工方法を説明する。ここでは、開口36aの範囲に収まる穴として、開口36aの直径より小さい直径を有する丸穴を例とする。開口36aの範囲に収まる穴は、丸穴(真円)に限定されず、長穴、楕円、正方形、長方形、5角形以上の多角形等の任意の形状でよい。
図5Aは、板金Wに形成された、ノズル36の開口36aの直径よりも小さい直径を有する丸穴の一例を示している。図5Bは、板金Wに図5Aに示す丸穴が形成される前の穴形成領域を示している。図5Aに示すように、レーザ加工機100は、板金Wにノズル36の開口36aの直径より小さい直径を有する丸穴h0を形成するとする。図5Bに示すように、板金Wに丸穴h0を形成する前の丸穴h0を形成する領域を穴形成領域Ah0と称することとする。
NC装置50は、ガルバノスキャナユニット32によって板金Wに照射するレーザビームの位置を変位させない状態で、加工ヘッド35を穴形成領域Ah0の直上に位置させる。このとき、加工ヘッド35は、例えば、ノズル36より射出されるレーザビームが穴形成領域Ah0の中心に照射される位置に位置決めされている。この状態で、NC装置50は、レーザビームをオンするようレーザ発振器10を制御する。すると、図5Bに示すように、穴形成領域Ah0内でレーザビームが照射される位置が加工開始位置P0となる。
NC装置50は、加工開始位置P0でレーザビームの照射を開始した後、丸穴h0の形成が完了するまで、加工ヘッド35の板金Wの面の方向の位置を固定の位置とするようX軸キャリッジ22及びY軸キャリッジ23を制御する。加工プログラムにおいて、加工ヘッド35の板金Wの面の方向の位置を移動させないことが指令されている。
図6A及び図6Bは、それぞれ、NC装置50がガルバノスキャナユニット32を制御して板金Wに照射されるレーザビームが変位することによって形成される円弧状の軌跡の第1の例及び第2の例を示している。図6A及び図6Bに示すように、板金Wに丸穴h0の大きさの穴を形成するには、ビームスポットBsを穴形成領域Ah0よりビームスポットBsの半径だけ内側に変位した位置を円形に移動させる必要がある。
図6Aにおいて、NC装置50はガルバノスキャナユニット32を制御して、加工開始位置P0に位置するビームスポットBsが穴形成領域Ah0の端部he1まで円弧状の軌跡Tap1を描くようにビームスポットBsを変位させる。続けて、NC装置50はガルバノスキャナユニット32を制御して、ビームスポットBsが穴形成領域Ah0の全周端部(内周端部)に沿って円形に移動して全周の軌跡Tccを描くようにビームスポットBsを移動させる。
図6Bにおいて、NC装置50はガルバノスキャナユニット32を制御して、加工開始位置P0に位置するビームスポットBsが穴形成領域Ah0の端部he2まで円弧状の軌跡Tap2を描くようにビームスポットBsを変位させる。続けて、NC装置50はガルバノスキャナユニット32を制御して、ビームスポットBsが穴形成領域Ah0の内周端部である全周端部に沿って円形に移動して全周の軌跡Tccを描くようにビームスポットBsを移動させる。
NC装置50は、加工開始位置P0でレーザビームの照射を開始して丸穴h0の形成が完了するまで、ノズル36の先端と板金Wの表面との距離を1.0mm以上6.0mm以下の固定の距離とするよう高さ調整機構38を制御する。これにより、板金Wに丸穴h0を形成する加工を数多く繰り返しても、ノズル36の先端と板金Wの表面との距離を0.3mmのような極めて近接した距離とした場合と比較して、ノズル36の内部にスパッタが蓄積しにくく、加工可能な状態を長時間継続させることができる。
図3では図示を省略しているが、集束レンズ34とノズル36との間には、スパッタが集束レンズ34に付着しないように保護する保護ガラスが配置されている。ノズル36の先端と板金Wの表面との距離を1.0mm以上6.0mm以下とすることにより、スパッタがノズル36に飛散する量を減らすことができるので、保護ガラスに飛散するスパッタの量が少なくなり、保護ガラスが汚損しにくくなる。ノズル36の先端と板金Wの表面との距離を1.0mm以上とするのは、距離を1.0mm未満とすると、ノズル36また保護ガラスに飛散するスパッタの量が大幅に増加するためである。ノズル36の先端と板金Wの表面との距離を6.0mm以下とするのは、距離が6.0mmを超えると板金Wに付着するドロスの量が大幅に増加するためである。
ノズル36の先端と板金Wの表面との距離を3.0mm以上5.0mm以下とすることが好ましい。ノズル36の先端と板金Wの表面との距離を3.0mm以上とすれば、ノズル36また保護ガラスに飛散するスパッタの量を格段に少なくすることができ、加工可能な状態をより長時間継続させることができる。ノズル36の先端と板金Wの表面との距離を5.0mm以下とすれば、板金Wの加工品質をよくすることができる。
NC装置50は、加工開始位置P0で0を超える所定の時間、板金Wにレーザビームを照射した後に、レーザビームを穴形成領域Ah0の端部he1またはhe2まで移動させるよう、ガルバノスキャナユニット32を制御することが好ましい。加工開始位置P0でレーザビームをオンするのと同時にレーザビームを端部he1またはhe2まで移動させると、加工開始位置P0及びその周辺で発生するスパッタが一定の方向に集中して飛散しやすい。これに対して、加工開始位置P0で0を超える所定の時間、板金Wにレーザビームを照射して、加工開始位置P0に少なくとも所定の深さの凹部が形成されれば、加工開始位置P0及びその周辺で発生するスパッタが複数の方向に分散しやすくなる。
NC装置50は、加工開始位置P0にピアスが形成されるだけの時間、板金Wにレーザビームを照射するよう、ガルバノスキャナユニット32を制御することが好ましい。一例として、NC装置50は、加工開始位置P0でレーザビームをオンした後、例えば5msのドウェルを設定することによりレーザビームの位置を5msだけ変位させないようガルバノスキャナユニット32を制御する。加工開始位置P0で例えば5msのドウェルを設定して、加工開始位置P0にピアスを形成すれば、スパッタの少なくとも一部が板金Wの裏面側に排出され、スパッタが裏面側を含む複数の方向に分散しやすくなる。
図6A及び図6Bにおいて、加工開始位置P0は穴形成領域Ah0の必ずしも中心に位置している必要はない。加工開始位置P0が穴形成領域Ah0の中心に位置しているとすれば、軌跡Tap1及びTap2は穴形成領域Ah0の半径を直径とする半円とするのがよい。このようにすると、円弧状の軌跡Tap1及びTap2は、全周の軌跡Tccに対する接線で軌跡Tccと接続するので、端部he1またはhe2において形状の崩れがほとんどない、円の形状の精度がよい丸穴h0が形成される。
NC装置50は、ビームスポットBsを、1周を超えるように円形に移動させるようガルバノスキャナユニット32を制御する。
加工開始位置P0でレーザビームの照射を開始して丸穴h0の形成が完了するまでの、ノズル36の先端と板金Wの表面との距離は、加工条件ファイルにおける加工条件の1つとして設定される。ビームスポットBsを全周端部に沿って何周周回させるかは、後述する加工プログラムにおいて設定される。
図7は、図6Aに示す第1の例で、板金WにピアスPs、アプローチAP1、全周切断溝Ccが形成される過程を示している。レーザビームは加工開始位置P0で例えば5msだけ変位しないので、板金Wの加工開始位置P0にはピアスPsが形成される。また、板金Wには、ピアスPsと連結する円弧状のアプローチAP1が形成される。アプローチAP1はビームスポットBsのほぼ直径に相当する幅の溝である。アプローチAP1が穴形成領域Ah0の端部he1に到達した後、レーザビームの周回によって穴形成領域Ah0の全周端部が切断されて、全周切断溝Ccが形成される。アプローチAP1が周切断溝Ccに対する接線で周切断溝Ccと連結することにより、円の形状の精度がよい丸穴h0が形成される。
図7において、NC装置50は、ビームスポットBsを、1周を超える周回量で周回させた後に、例えば端部he1においてレーザビームをオフするようレーザ発振器10を制御したとする。NC装置50は、破線の矢印線で示すように、仮にレーザビームをオンとしたらレーザビームが照射させる位置が加工開始位置P0となるように、ガルバノスキャナユニット32を、丸穴h0を形成する前の状態に戻すよう制御する。
なお、板金Wに1つの丸穴h0を形成する際のレーザビームをオンする時間は、ドウェルの時間、アプローチAP1を形成する時間、ビームスポットBsを穴形成領域Ah0の全周端部で周回させる時間によって決まる。
以上のようにして、レーザ加工機100及びレーザ加工機100が実行するレーザ加工方法によれば、NC装置50は、加工ヘッド35を固定の位置とするようX軸キャリッジ22及びY軸キャリッジ23を制御する。この状態で、NC装置50は、板金Wに、ノズル36の開口36aの直径より小さい直径を有する丸穴h0を形成するようガルバノスキャナユニット32を制御する。従って、板金Wに短時間でノズル36の開口36aの直径より小さい直径を有する丸穴h0を形成することができる。
レーザ加工機100及びレーザ加工機100が実行するレーザ加工方法は、丸穴h0の加工開始から丸穴h0の形成が完了するまで、ノズル36の先端と板金Wの表面との距離を1.0mm以上6.0mm以下としている。従って、レーザ加工機100及びレーザ加工機100が実行するレーザ加工方法によれば、スパッタがノズル36または保護ガラスのような光学部品に飛散する量を減らすことができる。それにより、ノズル36の内部または光学部品にスパッタが蓄積しにくく、加工可能な状態を長時間継続させることができる。
レーザ加工機100及びレーザ加工機100が実行するレーザ加工方法においては、次のようにしてスパッタがノズル36に飛散する量をさらに減らしている。レーザ加工機100及びレーザ加工機100が実行するレーザ加工方法においては、加工開始位置P0でレーザビームをオンした後に所定時間のドウェルを設定している。従って、加工開始位置P0に少なくとも所定の深さの凹部(好ましくはピアスPs)が形成され、ビームスポットBsは、凹部またはピアスPsが形成された後にアプローチAP1を形成するように移動する。これにより、スパッタがノズル36に飛散する量をさらに減らすことができ、スパッタがノズル36の内部に蓄積しにくくなり、光学部品が汚損しにくくなる。
加えて、レーザ加工機100及びレーザ加工機100が実行するレーザ加工方法においては、アプローチAP1を直線状ではなく円弧状としている。従って、スパッタは、回転しながら飛散することになるので一方向に飛散せず、スパッタが飛散する方向が分散する。これにより、スパッタがノズル36に飛散する量をさらに減らすことができ、スパッタがノズル36の内部に蓄積しにくくなり、光学部品が汚損しにくくなる。
図8A~図8Dは、図6Aに示す円弧状の軌跡Tap1に代えて、螺旋状のアプローチを形成するための、加工開始位置P0から穴形成領域Ah0の端部he1までの螺旋状の軌跡の第1~第4の例である軌跡Tap11~Tap14を示している。NC装置50はガルバノスキャナユニット32を制御して、螺旋状の軌跡Tap11~Tap14を描くようにビームスポットBsを変位させる。板金Wに螺旋状のアプローチが形成されると、スパッタが飛散する方向を分散させることができ、スパッタがノズル36に飛散する量を減らすことができる。
図8A~図8Dに示すように、ビームスポットBsを加工開始位置P0から端部he1まで螺旋状の軌跡Tap11~Tap14を描くように移動させると、軌跡Tap11~Tap14の端部が全周の軌跡Tccと滑らかに接続する。よって、端部he1において形状の崩れがほとんどない、円の形状の精度がよい丸穴h0が形成される。図8A~図8Dを比較すると、スパッタが飛散する方向を分散させるという観点では、螺旋における巻く量が多い方が好ましく、図8Dに示す軌跡Tap14が最も好ましい。
図6A、図6B、図8A~図8Dのいずれにおいても、NC装置50は、アプローチにおける先端部が穴形成領域Ah0の端部he1またはhe2における接線の方向から端部he1またはhe2と接続するようガルバノスキャナユニット32を制御することが好ましい。
ここで、図9~図11を参照して、1またはそれ以上の実施形態に係る加工プログラム作成方法、及び加工プログラムの構成方法を説明する。1またはそれ以上の実施形態に係る加工プログラム作成方法及び加工プログラムの構成方法によれば、以上説明したレーザ加工機100及びレーザ加工機100が実行するレーザ加工方法に好適な加工プログラムを作成することができ、好適な加工プログラムを構成することができる。
図9は、CAM機器40の具体的な構成例を示している。図10は、CAM機器40が加工プログラムを作成する前段階で用いる設定画像の一例を示している。CAM機器40は、中央処理装置(以下、CPU)401、CAMプログラムを記憶している非一時的な記憶媒体402、操作部403、表示部404を備える。CPU401は、CAMプログラムを実行し表示部404に図10に示す設定画像を表示し、設定画像での設定及び各種の条件に応じて加工プログラムを作成する。各種の条件は、使用するレーザ加工機100、板金Wの材料及び板厚、板金Wを切断することによって作製しようとする、穴を有する製品の図形データを含む。図形データとは、図示していないCAD(Computer Aided Design)機器によって作成されるCADデータである。
加工ヘッド35を停止させた状態として、加工ヘッド35の先端に取り付けられたノズル36の開口36aの範囲内でレーザビームを照射する板金W上の位置を移動させることによって所定の形状の穴を形成する加工をヘッド固定穴加工と称することとする。オペレータは、図10に示す設定画像において、操作部403を操作することによってヘッド固定穴加工を実行させることを有効とするか無効とするかを設定する(第1の設定条件)。図10において、「ヘッド固定穴加工を実行させることを有効とする」と記載されている項目にチェックを付けることによって、ヘッド固定穴加工を実行させることを有効とすることができる。
オペレータは、図10に示す設定画像において、操作部403を操作することによってヘッド固定穴加工を実行させることを有効とする対象の穴の形状を設定する(第2の設定条件)。図10に示す例では、丸穴、長丸穴、角穴及び長角穴、及びその他の穴の形状の選択肢が羅列されている。ここでは、丸穴にチェックが付けられて丸穴が対象の穴に設定されている。オペレータは、図10に示す設定画像において、操作部403を操作することによって対象の穴の最小サイズ及び最大サイズを設定する(第3の設定条件)。最小サイズは、ビームスポットBsの直径によって決まる、ヘッド固定穴加工で開けることができる最小の直径であってもよい。最大サイズは、開口36aの範囲に収まる穴の最大の直径であってもよい。
オペレータは、図10に示す設定画像において、操作部403を操作することによってオーバラップ係数を設定する(第4の設定条件)。オーバラップ係数とは、ヘッド固定穴加工によって板金Wに形成しようとする対象の穴の全周端部に沿って、オンとした状態のレーザビームを移動させる周回時間を決定する係数である。オペレータは、図10に示す設定画像において、操作部403を操作することによって加工条件ファイルを指定する加工条件番号を選択する。
図11は、CPU401が図10に示すように設定した設定画像及び各種の設定条件に従って作成した加工プログラムの一例を示している。図11において、M102は加工しようとしている板金Wを指定している。ここでは、板金Wは、板厚1.0mmの冷間圧延鋼板であるSPC-1.0である。図10では図示を省略しているが、板金Wの材料及び板厚は操作部403を操作することによって選択されている。“G92X3070.Y1550.”は、加工ヘッド35が位置する基準位置(原点位置)を示している。これは、使用するレーザ加工機100によって決まる。
M100は自動的に設定されるコードであり、レーザモードの開始を意味する。E3は、図10に示す設定画像において選択された加工条件番号である。加工条件データベース70に記憶されている加工条件番号E3の加工条件ファイルにおいて、ノズル36の先端と板金Wの表面との距離が設定されている。
“G112 I1.5 J1.5 L10 S3.”におけるG112は、丸穴を開けることを指令するコードである。このコードは、加工ヘッド35を移動させることによって板金Wに丸穴を開けることを指令するコードと同じコードである。レーザビームを射出する加工ヘッド35を移動させて所定の形状の穴を形成する加工をヘッド移動穴加工と称することとする。CAM機器40が作成する加工プログラムにおいては、ヘッド移動穴加工とヘッド固定穴加工とで、所定の形状の穴を形成することを指令するコードは同じコードが用いられている。
I1.5、J1.5は、それぞれ、丸穴のX軸方向の大きさを1.5mm、丸穴のY軸方向の大きさを1.5mmとすることを指令するアドレスワード(第1のアドレスワード)である。丸穴の大きさは図形データにおける丸穴の大きさによって決まる。図形データにおける丸穴の大きさは、図10に示す設定画像において設定した最小サイズ以上、最大サイズ以下の大きさである。L10は、ヘッド固定穴加工の実行を指令するアドレスワード(第2のアドレスワード)である。S3は、オーバラップ係数を示すアドレスワード(第3のアドレスワード)である。
ここで、アドレスワードS3によって周回時間が具体的にどのように決定するかを説明する。図11においては、最初に、直径1.5mmの丸穴を形成する加工プログラムを示しているが、直径1.0mmの丸穴を形成する場合を例とする。直径1.0mmの丸穴の周長は3.14mmである。加工条件番号E3の加工条件ファイルにおいて、加工速度が毎分54000mm(900mm/s)に設定されているとする。このとき、レーザビームは、900/3.14より1秒当たり286.624回転する。よって、レーザビームが直径1.0mmの丸穴(穴形成領域)を1周する時間は、1/287より0.0035sである。アドレスワードS3は、レーザビームが丸穴を1周する時間を3倍することを示し、3×0.0035sより0.0105sとなる。
アドレスワードS3によってレーザビームが丸穴を1周する時間を3倍した時間を周回時間としている理由は次のとおりである。ガルバノスキャナユニット32におけるスキャンミラー321及び323は、丸穴の直径が小さくなるほど、駆動部322及び324による能力的な最大回転角度より低速で回転することを余儀なくされる。これはスキャンミラー321及び323の2軸は4つの変曲点を通るときに速度がゼロとなり、丸穴の直径が大きければ速度がゼロとなる変曲点間で十分に加速できるが、丸穴の直径が小さければ十分に加速できないからである。
レーザビームが丸穴を1周する時間を3倍した時間を周回時間とすれば、丸穴の直径が小さく、スキャンミラー321及び323が最大回転角度よりかなり低速で回転したとしても、ガルバノスキャナユニット32は、レーザビームが丸穴を少なくとも1周するように周回させることができる。ここでは、丸穴を例として説明したが、他の形状の穴の場合も同様である。
“G136 X100 Y100 I5 J5 P10 K2 L10”におけるG136は、複数の丸穴を配置するグリッドパターンを設定することを指令するコードである。X100及びY100は、最初の丸穴を形成する位置を示している。I5はX軸方向のピッチを5mmとすること、J5はY軸方向のピッチを5mmとすること、P10は丸穴のX軸方向の個数10個、K2は丸穴のY軸方向の個数2個を示している。P10及びK2は、位置X100及びY100において形成する最初の丸穴に続けてX軸方向に丸穴をさらに10個形成し、Y軸方向にさらに2個形成することを意味する。これらは、図形データにおける複数の丸穴の個数及び配置の仕方によって決まる。
同様に、“G112 I2.8 J2.8 L10 S3.”は、ヘッド固定穴加工で、X軸方向の大きさを2.8mm、Y軸方向の大きさを2.8mmとした丸穴を開ける指令を示している。“G136 X100 Y200 I5 J5 P10 K2 L10”は、X100及びY200の位置で最初の丸穴を形成し、X軸方向のピッチ5mm、Y軸方向のピッチ5mm、X軸方向の個数10個、Y軸方向の個数2個とすることを示している。M101はレーザモードの終了を意味し、G50は加工プログラムの終了を意味する。M101及びG50は自動的に設定される。
以上のように、1またはそれ以上の実施形態に係る加工プログラム作成方法は、図10に例示するように、加工プログラムを作成する前段階として、ヘッド固定穴加工を実行させることを有効とするか無効とするかを設定し、ヘッド固定穴加工を実行させることを有効とする対象の穴の形状を設定する。さらに、1またはそれ以上の実施形態に係る加工プログラム作成方法は、対象の穴の最小サイズと最大サイズとを設定し、対象の穴の全周端部に沿ってレーザビームを移動させる周回時間を決定するオーバラップ係数を設定する。
1またはそれ以上の実施形態に係る加工プログラム作成方法は、ヘッド固定穴加工を実行させることが有効に設定され、板金Wに形成しようとする特定の穴が対象の穴で、特定の穴のサイズが最小サイズ以上、最大サイズ以下であるとき、次のように加工プログラムを作成する。1またはそれ以上の実施形態に係る加工プログラム作成方法は、特定の穴を形成することを指令するコードに、特定の穴のサイズを規定する第1のアドレスワードと、ヘッド固定穴加工の実行を指令する第2のアドレスワードと、オーバラップ係数を示す第3のアドレスワードとを、任意の順で連結させた1文を含むように加工プログラムを作成する。
1またはそれ以上の実施形態に係る加工プログラム作成方法によれば、ヘッド固定穴加工を実行させる各種の条件を設定した上で、ヘッド固定穴加工によって板金Wにノズル36の開口36aの範囲内の穴を形成するのに好適な加工プログラムを作成することができる。
1またはそれ以上の実施形態に係る加工プログラムの構成方法は、次のように加工プログラムを構成する。1またはそれ以上の実施形態に係る加工プログラムの構成方法は、ヘッド移動穴加工で使用されている穴を形成することを指令するコードに、第1のアドレスワードと、第2のアドレスワードと、第3のアドレスワードとを、任意の順で連結させた1文を含むように加工プログラムを構成する。
1またはそれ以上の実施形態に係る加工プログラムの構成方法によれば、ヘッド固定穴加工用のコードを新たに規定する必要がなく、加工ヘッド35を移動させることによって板金Wに穴を形成することを指令する既存のコードを用いて、ヘッド固定穴加工用の加工プログラムを構成することができる。
図11に示す加工プログラムにおいて、“G112 I1.5 J1.5 L10 S3.”及び“G136 X100 Y100 I5 J5 P10 K2 L10”の指令によって、板金Wに形成される丸穴を穴h1と称することとする。“G112 I2.8 J2.8 L10 S3.”及び“G136 X100 Y200 I5 J5 P10 K2 L10”の指令によって、板金Wに形成される穴を穴h2と称することとする。
図12は、図11に示す加工プログラムによって板金Wに複数の穴が形成された状態を示している。NC装置50が、図11に示す加工プログラムに従って板金Wを加工するようレーザ加工機100を制御すると、図12に示すように、板金Wには、直径1.5mmの穴h1が3行、直径2.8mmの穴h2が3行形成される。穴h1の1行はX軸方向のピッチ5mmで11個の穴h1を含み、穴h1の3行はY軸方向のピッチ5mmで配置されている。穴h2の1行はX軸方向のピッチ5mmで11個の穴h2を含み、穴h2の3行はY軸方向のピッチ5mmで配置されている。
図12に示す全ての穴h1及びh2を形成する時間は、加工ヘッド35の位置を固定した状態で各穴h1及び各穴h2を形成する時間と、隣接する穴h1間で加工ヘッド35を動かす時間、隣接する穴h2間で加工ヘッド35を動かす時間、最後の穴h1から最初のh2まで加工ヘッド35を動かす時間の合計の時間となる。この全ての穴h1及びh2を形成する時間は、ガルバノスキャナユニット32によってレーザビームを変位させず、加工ヘッド35を移動させながら各穴h1及び各穴h2を形成する時間と比較して大幅に短い。
本発明は以上説明した1またはそれ以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
10 レーザ発振器
12 プロセスファイバ
20 レーザ加工ユニット
21 加工テーブル
22 X軸キャリッジ(移動機構)
23 Y軸キャリッジ(移動機構)
30 コリメータユニット
31 コリメーションレンズ
32 ガルバノスキャナユニット(ビーム振動機構)
33 ベンドミラー
34 集束レンズ
35 加工ヘッド
36 ノズル
36a 開口
38 高さ調整機構
40 CAM機器
50 NC装置(制御装置)
60 加工プログラムデータベース
70 加工条件データベース
80 アシストガス供給装置
W 板金

Claims (12)

  1. レーザビームを射出するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器より射出されたレーザビームを開口より射出するノズルが先端に取り付けられた加工ヘッドと、
    前記加工ヘッドを被切断材料の面に沿って移動させる移動機構と、
    前記加工ヘッドの高さ方向の位置を調整する高さ調整機構と、
    前記開口より射出されるレーザビームを前記開口内で振動させるビーム振動機構と、
    前記レーザ発振器、前記移動機構、前記高さ調整機構、及び前記ビーム振動機構を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記被切断材料に前記開口の範囲に収まる穴を形成するとき、
    前記制御装置は、
    前記加工ヘッドを固定の位置とするよう前記移動機構を制御し、
    前記穴を形成する穴形成領域内の加工開始位置でレーザビームをオンするよう前記レーザ発振器を制御し、
    前記加工開始位置から前記穴形成領域の内周端部までレーザビームを円弧状に移動させて先端部が前記内周端部に連結する円弧状のアプローチを形成し、レーザビームを、前記アプローチの先端部でレーザビームが移動する方向に沿った方向で前記内周端部に沿うように移動させ、前記内周端部に沿って円形に移動させることにより、前記被切断材料に前記穴を形成するよう前記ビーム振動機構を制御し、
    前記加工開始位置でレーザビームの照射を開始する前記穴の加工開始から前記穴の形成が完了するまで、前記ノズルの先端と前記被切断材料の表面との距離を1.0mm以上6.0mm以下の固定の距離とするよう前記高さ調整機構を制御する
    レーザ加工機。
  2. レーザビームを射出するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器より射出されたレーザビームを開口より射出するノズルが先端に取り付けられた加工ヘッドと、
    前記加工ヘッドを被切断材料の面に沿って移動させる移動機構と、
    前記加工ヘッドの高さ方向の位置を調整する高さ調整機構と、
    前記開口より射出されるレーザビームを前記開口内で振動させるビーム振動機構と、
    前記レーザ発振器、前記移動機構、前記高さ調整機構、及び前記ビーム振動機構を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記被切断材料に前記開口の範囲に収まる穴を形成するとき、
    前記制御装置は、
    前記加工ヘッドを固定の位置とするよう前記移動機構を制御し、
    前記穴を形成する穴形成領域内の加工開始位置でレーザビームをオンするよう前記レーザ発振器を制御し、
    前記加工開始位置から前記穴形成領域の内周端部までレーザビームを螺旋状に移動させて先端部が前記内周端部に連結する螺旋状のアプローチを形成し、レーザビームを、前記アプローチの先端部でレーザビームが移動する方向に沿った方向で前記内周端部に沿うように移動させ、前記内周端部に沿って円形に移動させることにより、前記被切断材料に前記穴を形成するよう前記ビーム振動機構を制御し、
    前記加工開始位置でレーザビームの照射を開始する前記穴の加工開始から前記穴の形成が完了するまで、前記ノズルの先端と前記被切断材料の表面との距離を1.0mm以上6.0mm以下の固定の距離とするよう前記高さ調整機構を制御する
    レーザ加工機。
  3. 前記制御装置は、前記円弧状のアプローチとして、前記穴形成領域の半径を直径とする半円のアプローチを形成するよう前記ビーム振動機構を制御する請求項に記載のレーザ加工機。
  4. 前記制御装置は、前記アプローチにおける先端部が前記内周端部における接線の方向から前記内周端部と接続するよう前記ビーム振動機構を制御する請求項1または2に記載のレーザ加工機。
  5. 前記制御装置は、前記加工開始位置で0を超える所定の時間、レーザビームを照射した後に、レーザビームを前記内周端部まで移動させるよう前記ビーム振動機構を制御する請求項1~のいずれか1項に記載のレーザ加工機。
  6. 加工ヘッドを停止させた状態とし、
    前記加工ヘッドに取り付けられているノズルの先端と被切断材料の表面との距離を1.0mm以上6.0mm以下の固定の距離とし、
    前記ノズルの開口の範囲に収まる穴を形成する穴形成領域内の加工開始位置でレーザビームをオンして前記加工開始位置でレーザビームの照射を開始し、
    前記加工開始位置から前記穴形成領域の内周端部までレーザビームを円弧状に移動させて先端部が前記内周端部に連結する円弧状のアプローチを形成し、
    レーザビームを、前記アプローチの先端部でレーザビームが移動する方向に沿った方向で前記内周端部に沿うように移動させ、前記内周端部に沿って円形に移動させることにより、前記被切断材料に前記穴を形成する
    レーザ加工方法。
  7. 加工ヘッドを停止させた状態とし、
    前記加工ヘッドに取り付けられているノズルの先端と被切断材料の表面との距離を1.0mm以上6.0mm以下の固定の距離とし、
    前記ノズルの開口の範囲に収まる穴を形成する穴形成領域内の加工開始位置でレーザビームをオンして前記加工開始位置でレーザビームの照射を開始し、
    前記加工開始位置から前記穴形成領域の内周端部までレーザビームを螺旋状に移動させて先端部が前記内周端部に連結する螺旋状のアプローチを形成し、
    レーザビームを、前記アプローチの先端部でレーザビームが移動する方向に沿った方向で前記内周端部に沿うように移動させ、前記内周端部に沿って円形に移動させることにより、前記被切断材料に前記穴を形成する
    レーザ加工方法。
  8. 前記円弧状のアプローチとして、前記穴形成領域の半径を直径とする半円のアプローチを形成する請求項に記載のレーザ加工方法。
  9. 前記アプローチにおける先端部が前記内周端部における接線の方向から前記内周端部と接続するよう前記アプローチを形成する請求項6または7に記載のレーザ加工方法。
  10. 前記加工開始位置で0を超える所定の時間、レーザビームを照射した後に、レーザビームを前記内周端部まで移動させる請求項6~のいずれか1項に記載のレーザ加工方法。
  11. コンピュータ機器が、
    それぞれ、オペレータによって設定されている
    加工ヘッドより射出されるレーザビームを被切断材料に照射して所定の形状の穴を形成するときに、前記加工ヘッドを停止させた状態として、前記加工ヘッドの先端に取り付けられたノズルの開口の範囲内で前記レーザビームを照射する前記被切断材料上の位置を移動させることによって前記穴を形成するヘッド固定穴加工を実行させることを有効とするか無効とするかを設定する第1の設定条件と
    前記ヘッド固定穴加工を実行させることを有効とする対象の穴の形状を設定する第2の設定条件と
    前記対象の穴の最小サイズと最大サイズとを設定する第3の設定条件と
    前記被切断材料に形成しようとする前記対象の穴の全周端部に沿って、オンとした状態の前記レーザビームを移動させる周回時間を決定する係数を設定する第4の設定条件と
    に従って、
    前記第1の設定条件によって前記ヘッド固定穴加工を実行させることが有効に設定され、前記被切断材料に形成しようとする特定の穴の形状前記第2の設定条件によって設定されている前記ヘッド固定穴加工を実行させることを有効とする対象の穴の形状であり、前記特定の穴のサイズが前記第3の設定条件によって設定されている前記最小サイズ以上、前記最大サイズ以下であるとき、
    前記特定の穴を形成することを指令するコードに、
    前記特定の穴のサイズを規定する第1のアドレスワードと、
    前記ヘッド固定穴加工の実行を指令する第2のアドレスワードと、
    前記第4の設定条件で設定されている前記係数を示す第3のアドレスワードと、
    を、任意の順で連結させた1文を含むように加工プログラムを作成する
    加工プログラム作成方法。
  12. レーザビームを射出する加工ヘッドを移動させることによって被切断材料に所定の形状の穴を形成することを指令するコードに、
    前記穴のサイズを規定する第1のアドレスワードと、
    前記加工ヘッドを停止させた状態として、前記加工ヘッドの先端に取り付けられたノズルの開口の範囲内で前記レーザビームを照射する前記被切断材料上の位置を移動させることによって前記穴を形成するヘッド固定穴加工を実行させること指令する第2のアドレスワードと、
    前記被切断材料に形成しようとする前記穴の全周端部に沿って、オンとした状態の前記レーザビームを移動させる周回時間を決定する係数を示す第3のアドレスワードとを、
    任意の順で連結させた1文を含むように加工プログラムを構成する加工プログラムの構成方法。
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