JP7469803B2 - 集束エネルギービーム装置 - Google Patents

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Description

本発明は、差動排気装置を備える集束エネルギービーム装置に関する。
荷電粒子ビームを試料表面で走査することにより、試料から放出される2次粒子(2次電子、2次イオンなど)を検出して試料に関する情報を取得することを可能にする荷電粒子装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この荷電粒子装置では、試料の表面に、差動排気系により局所的に真空領域を形成し、この真空領域に荷電粒子ビームを照射して、試料の検査、計測などを行う。
差動排気系は、ビーム光学系を収納する筒状カラム内の先端部の中央に形成したビーム射出口からエアの吸い込みを行う中央排気経路と、ビーム射出口を取り囲む外側の溝部からエアの吸い込み行う外側排気経路と、を備える。中央排気経路と外側排気経路は、それぞれ独立して真空ポンプに接続されている。中央排気経路に接続される真空ポンプは、外側排気経路に接続される真空ポンプよりも、高い真空度を維持するように設定されている。
特開2019-179747号公報
しかしながら、上述の荷電粒子装置では、外側排気経路で吸引しきれなかった大気(リークエア)がビーム射出口(中央排気口)に向かって集まるため、荷電粒子ビームを照射すべき領域(ビーム射出口近傍の領域)でのエアの圧力が高くなる。換言すると、上述の荷電粒子装置では、ビーム射出口近傍の気体分子密度が局所的に高くなる。したがって、上述の荷電粒子装置では、荷電粒子ビームが試料に到達する前に、荷電粒子ビームを構成する荷電粒子がエアの分子と衝突して荷電粒子の散乱が促進されてしまう虞がある。また、上述の荷電粒子装置では、試料への荷電粒子ビームの入射により試料から放出される2次粒子も、荷電粒子と同様にエアの分子と衝突する虞がある。このため、上述の荷電粒子装置では、試料から放出される2次粒子から得られる情報が不安定となる。したがって、上述の荷電粒子装置では、検査、計測などの結果に悪影響を与えるという課題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、エネルギービームが通過する処理空間の真空度を高めて検査精度もしくは処理精度の高い集束エネルギービーム装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の態様は、内部に内部空間を有し、被処理基板に対向するように配置されるヘッド部と、前記ヘッド部における前記被処理基板と対向する対向面と反対側の位置に、前記内部空間と連通するように設けられた、エネルギービームを前記内部空間へ向けて出射する集束エネルギービームカラムと、を備え、前記対向面に、前記内部空間に連通して前記エネルギービームを通過させる中央排気口と、前記中央排気口の外側を取り囲み、前記内部空間に連通しない、少なくとも1つ以上の外側排気溝と、が形成され、前記集束エネルギービームカラムと、前記外側排気溝と、が異なる真空ポンプに連結されて差動排気を行う集束エネルギービーム装置であって、前記ヘッド部における前記中央排気口の周辺に前記内部空間と連通する副排気口が貫通して形成されていることを特徴とする。
上記態様としては、前記副排気口は、前記対向面において前記中央排気口を取り囲む略環形状であることが好ましい。
上記態様としては、前記副排気口は、前記対向面において前記中央排気口の外側を取り囲むように周回方向に沿って間欠的に配置されていることが好ましい。
上記態様としては、前記副排気口の前記対向面側に形成された第1開口部と前記中央排気口との距離よりも、当該副排気口の前記内部空間側に形成された第2開口部と前記中央排気口との距離のほうが、長く設定されていることが好ましい。
上記態様としては、前記ヘッド部は、前記内部空間に露呈して前記中央排気口に対峙する検出器、中和銃、成膜用ガス供給部のうち、少なくとも1つからなる処理用手段を備え、前記副排気口は、前記処理用手段の先端部に対して、前記エネルギービームの出射方向から見て重なり合わない位置に配置されていることが好ましい。
上記態様としては、前記副排気口は、前記中央排気口と、前記処理用手段と、の間の領域を避けた位置に配置されていることが好ましい。
本発明によれば、エネルギービームが通過する処理空間の真空度を高めて検査精度もしくは処理精度の高い集束エネルギービーム装置を実現できる。
図1は、本発明の実施の形態に係る集束イオンビーム装置の断面説明図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る集束イオンビーム装置の底面図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る集束イオンビーム装置の要部断面図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る集束イオンビーム装置の変形例1の底面図である。 図5は、本発明の実施の形態に係る集束イオンビーム装置の変形例2の底面図である。 図6は、本発明の実施の形態に係る集束イオンビーム装置の変形例3を示す底面図である。 図7は、本発明の実施の形態に係る集束イオンビーム装置の変形例4を示す底面図である。 図8は、本発明の実施の形態に係る集束イオンビーム装置の変形例5の底面図である。 図9は、本発明の実施の形態に係る集束イオンビーム装置の変形例6の要部断面図である。 図10は、集束イオンビーム装置の比較例を示す要部断面図である。
本発明に係る集束エネルギービーム装置は、出射するエネルギービームの種類や被処理基板への処理用途に応じて、リペア装置としての集束イオンビーム装置、被処理基板への直接描画機能を有する電子線描画装置、被処理基板の表面状態の観察を可能にする走査電子顕微鏡などの差動排気系を備える装置に適用できる。
以下の実施の形態においては、エネルギービームとしてイオンビームを適用した集束イオンビーム装置について説明する。なお、図面は模式的なものであり、各部材の寸法や寸法の比率や数、形状などは現実のものと異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率や形状が異なる部分が含まれている。
[実施の形態]
(集束イオンビーム装置の概略構成)
図1は、実施の形態に係る集束イオンビーム装置1の概略構成を示している。集束イオンビーム装置1は、差動排気装置2と、集束エネルギービームカラムとしての円筒形状の集束イオンビームカラム(以下、FIBカラムともいう)3と、被処理基板Sを載せた状態で支持する基板支持台4と、を備える。
(差動排気装置の構成)
図1から図3を用いて差動排気装置2の構成を説明する。差動排気装置2は、ヘッド部5を備える。ヘッド部5は、被処理基板Sの面積に比較して小さな占有面積の円盤形状に形成されている。差動排気装置2およびFIBカラム3は、基板支持台4に対してX-Y方向に移動することにより、被処理基板Sの任意領域に対向し得るようになっている。
ヘッド部5は、円錐の上部を切断したような円盤形状の上本体6と、円盤形状の下本体7と、下本体7の下面に配置される溝形成板8と、で構成されている。
上本体6の中央には、回転軸方向に貫通する筒穴状のカラム結合口6Aが形成されている。下本体7は、中央に下本体開口部7Aが形成されている。溝形成板8の中央には、被処理基板Sの上面(被処理面)に対する処理(イオンビーム照射)を可能にする中央排気口10が形成されている。これらカラム結合口6A、下本体開口部7Aおよび中央排気口10は、同軸的に配置されている。
ヘッド部5の内部には、上本体6と下本体7と溝形成板8とによって、内部空間9が形成されている。カラム結合口6A、下本体開口部7Aとおよび中央排気口10は、内部空間9を介して連通している。
中央排気口10は、後述するFIBカラム3から出射される被処理基板Sの上面(被処理面)へのイオンビームIbの照射を可能にする。この中央排気口10は、後述するFIBカラム3と同軸的に配置され、内部空間9およびFIBカラム3の内側の空間に連通する。
図2に示すように、溝形成板8の対向面(底面)8Aには、上記中央排気口10を取り囲むように、半径方向に所定の距離を隔てて同心円状に配置された3つの外側排気溝11,12,13が形成されている。図2に示すように、外側排気溝11,12,13は、中央排気口10を取り囲むように環状に形成されているが、円形のループ状の溝、方形のループ状の溝、またはループの一部が欠損した例えばC文字形状の溝、間欠的にループ状に並ぶ複数の溝なども含むものと定義する。
外側排気溝11,12,13は、吸気部として機能する。外側排気溝11は、連結パイプ11A,11Bを介して図示しない第1の真空ポンプに接続されている。外側排気溝12は、連結パイプ12A,12Bを介して図示しない第2の真空ポンプに接続されている。外側排気溝13は、連結パイプ13A,13Bを介して図示しない第3の真空ポンプに接続されている。これらの第1、第2、第3の真空ポンプとしては、例えば、ロータリーポンプなどを用いる。
本実施の形態においては、外側排気溝11,12,13における吸引排気性能は、差動排気を行うように、外側排気溝13から外側排気溝11へ向けて漸次高くなるように設定されている。具体的には、外側排気溝11,12,13においては、最も外側の外側排気溝13では、例えば、数千Pa程度の圧力まで減圧できるような性能に設定されている。そして、最も内側に位置する外側排気溝11では、例えば0.5Pa程度の圧力まで減圧できるような性能に設定されている。すなわち、外側排気溝11,12,13においては、最も外側の外側排気溝13から最も内側の外側排気溝11に向けて漸次低圧になるように設定されている。
(副排気口)
特に、本実施の形態では、図1から図3に示すように、中央排気口10の外側近傍に、この中央排気口10を取り囲むように略環状の副排気口10Aが形成されている。この副排気口10Aは、溝形成板8の下面(対向面8A)から上面(内部空間9側)に貫通するように形成されている。なお、図示しないが、溝形成板8における、副排気口10Aよりも半径方向内側に位置する領域と、副排気口10Aよりも半径方向外側に位置する領域と、は互いに分離しないように副排気口10Aの周回方向に沿って間欠的に連結されている。
中央排気口10および副排気口10Aにおける吸引排気性能は、外側排気溝11,12,13よりもさらに高くなるように設定されている。すなわち、中央排気口10および副排気口10Aは、後述するFIBカラム3に接続された図示しない真空ポンプ(例えば、イオンポンプなど)により、外側排気溝11,12,13よりも高真空(例えば、10-3Pa~10-4Pa程度)になるように設定されている。
ヘッド部5は、対向面8Aを被処理基板Sの上面(被処理面)に対向させた状態で、中央排気口10、副排気口10A、外側排気溝11,12,13からの吸引排気作用により、局所的に真空領域を形成する。
なお、本実施の形態に係る集束イオンビーム装置1では、副排気口10Aは、後述する処理用手段もしくは検出器としてのシンチレータ14の先端部に対して、イオンビームIbの出射方向(本実施の形態では、上下方向)から見て重なり合わない位置に配置されている。これは、副排気口10Aを通過して内部空間9へ向かうエアAが後述するシンチレータ14の検出性能に悪影響を及ぼさないようにするためである。
(集束イオンビームカラム:FIBカラム)
FIBカラム3は、ヘッド部5における被処理基板Sと対向する対向面8Aと反対側の面側(上面側)に配置され、上本体6のカラム結合口6Aに先端部が埋没するように嵌め込まれた状態で連結されている。
FIBカラム3は、上本体6のカラム結合口6Aに連通する鏡筒15と、鏡筒15内に内蔵された集束イオンビーム光学系16と、を備える。鏡筒15の上部には、連結パイプ17を介して図示しない真空ポンプ(例えば、イオンポンプなど)が連結されている。FIBカラム3の先端部からは、中央排気口10内を通るようにイオンビームIbを被処理基板Sに向けて出射するように設定されている。
集束イオンビーム光学系16は、イオンビームIbを発生させるイオン源、発生したイオンビームIbを集束させるコンデンサレンズ、イオンビームIbを走査する偏向器、イオンビームIbを集束させる対物静電レンズなどを備える。
本実施の形態では、FIBカラム3の上端部には、図示しない昇降手段が設けられている。なお、この昇降手段は、図示しないX-Yガントリステージに連結されている。このため、FIBカラム3および差動排気装置2は、昇降手段による昇降動作や、X-YガントリステージによるX-Y方向への移動が可能である。
したがって、本実施の形態では、基板支持台4に支持された被処理基板Sに対して、差動排気装置2およびFIBカラム3が、移動するようになっている。なお、本実施の形態では、差動排気装置2およびFIBカラム3が移動する構成としたが、差動排気装置2およびFIBカラム3が位置固定され、被処理基板Sが移動する構成としてもよい。
(シンチレータ:検出器、処理用手段)
図1から図3に示すように、ヘッド部5は、検出器(処理用手段)としてのシンチレータ14を備える。シンチレータ14は、ヘッド部5の内部空間9に先端部が露呈し、先端部が中央排気口10に対峙するように、上本体6に挿入された状態で支持されている。このシンチレータ14は、イオンビームIbが照射された被処理基板Sの表面から放出される2次粒子を捕捉して被処理基板Sの表面情報を取得する。
(実施の形態の集束イオンビーム装置の作用・動作)
以下、本実施の形態に係る集束イオンビーム装置1における作用・動作について説明する。
図1に示すように、差動排気装置2およびFIBカラム3を被処理基板Sの任意の領域の上方に所望のギャップとなるように対向配置させる。FIBカラム3の連結パイプ17に接続された図示しない真空ポンプ、上記した図示しない第1真空ポンプ、第2真空ポンプ、および第3真空ポンプを稼働させて差動排気を行う。FIBカラム3の集束イオンビーム光学系16を稼働して、被処理基板Sの表面に向けて、イオンビームIbを出射させる。
図3に示すように、ヘッド部5の対向面8Aでは、最も外側の外側排気溝13から順次、外側排気溝12,11へと内側へ向けて吸引されるエアA(矢印で示す)が存在する。そして、最も内側の外側排気溝11で吸引されなかったエアは、リークエアとして副排気口10A、中央排気口10で吸引されて内部空間9側へ移動する。このとき、エアAは、中央排気口10よりも、副排気口10Aから先に吸引されるため、中央排気口10へ到達するエアAの分子数は少なくなる。このため、中央排気口10の直下の空間や中央排気口10の直上の空間でのエアAの分子密度は低く、より高真空な状態となる。
上述のように、中央排気口10の上下の空間のエアAの分子数が少なくなると、イオンビームIbがエアAの分子に衝突することを抑制してイオンビームIbの散乱を抑えることができ、したがって、イオンビームIbを確実に被処理基板Sの表面に照射させることができる。このため、イオンビームIbの照射に起因して被処理基板Sから放出される2次粒子をシンチレータ14の先端部(検出器)で確実に検出することができる。
(比較例)
図10は、本実施の形態に係る集束イオンビーム装置1に対する比較例を示す。この比較例における構成は、溝形成板8における中央排気口10の近傍に副排気口10Aが形成されていない点以外は、本実施の形態に係る集束イオンビーム装置1と同様の構成である。
図10に示すように、この比較例では、ヘッド部5の対向面8Aでは、本実施の形態と同様に、最も外側の外側排気溝13から順次、外側排気溝12,11へと内側へ向けて移動するエアA(矢印で示す)が存在する。そして、最も内側の外側排気溝11で吸引されなかったエアAは、中央排気口10に集中した状態で吸引されて内部空間9側へ移動する。この比較例では、副排気口10Aが存在しないため、中央排気口10へ到達するエアAの分子数は多くなる。したがって、イオンビームIbにより各種の処理を行う中央排気口10の直下の空間や中央排気口10の直上の空間でのエアAの分子密度が高くなり、真空度が低下するため、イオンビームIbが悪影響を受ける可能性がある。
[変形例1]
図4は、本実施の形態に係る集束イオンビーム装置1の変形例1を示す。この変形例1においては、差動排気装置2Aにおける副排気口10B,10Cの構成のみが本実施の形態に係る集束イオンビーム装置1と相違する。
図4に示すように、この変形例1においては、中央排気口10を取り囲むように、一対の副排気口10Bと、一対の副排気口10Cと、を備える。一対の副排気口10Bは、中央排気口10を挟んで、シンチレータ14の長手方向と直交する方向に配置されている。これら副排気口10Bは、中央排気口10を取り囲む同じ円に沿って円弧状に形成されている。
これに対して、一対の副排気口10Cは、中央排気口10を挟んで、シンチレータ14の長手方向に沿って、シンチレータ14の先端部に近い副排気口10Cと、シンチレータ14の先端部から遠い副排気口10Cと、で構成されている。これら副排気口10C同士も、中央排気口10を取り囲む同じ円に沿って円弧状に形成されている。また、副排気口10Cの長さは、副排気口10Bの長さよりも短く設定されている。このため、副排気口10Cから内部空間9内へ向けて取り込むエアAの量は、副排気口10Bから取り込むエアAの量に比べて少ない。
そして、これら副排気口10Cの中央排気口10からの距離は、副排気口10Bの中央排気口10からの距離よりも短く設定されている。このため、シンチレータ14の先端部側に配置された副排気口10Cは、シンチレータ14の先端部から離れた位置にあり、しかも取り込むエアAの量も少ないため、シンチレータ14による2次粒子の検出に悪影響を及ぼすことを防止できる。この変形例1においても、中央排気口10の直下の空間や中央排気口10の直上の空間での真空度を向上させる効果は、上記本実施の形態に係る集束イオンビーム装置1と同様である。なお、この変形例1において、一対の副排気口10Cを形成せずに、一対の副排気口10Bだけを形成する構成としてもよい。
[変形例2]
図5は、本実施の形態に係る集束イオンビーム装置1の変形例2を示す。この変形例2においては、差動排気装置2Bにおける副排気口10Dの構成のみが本実施の形態に係る集束イオンビーム装置1と相違する。
図5に示すように、この変形例2においては、中央排気口10を挟んで、一対の副排気口10Dを備える。一対の副排気口10Dは、中央排気口10を挟んで、シンチレータ14の長手方向と直交する方向に配置されている。これら副排気口10Dは、矩形状に形成されている。また、一対の副排気口10Dは、中央排気口10と、シンチレータ14との間の領域を避けた位置に配置されている。
この変形例2では、副排気口10Dが、シンチレータ14の先端部と中央排気口10との間の領域を避けて、シンチレータ14の先端部の近傍に配置されていないため、副排気口10Dから取り込むエアAがシンチレータ14側へ悪影響を及ぼすことを抑制できる。このため、変形例2の構成によれば、被処理基板Sの表面の情報を精度よく取得することができる。
[変形例3]
図6は、本実施の形態に係る集束イオンビーム装置1の変形例3を示す。この変形例3においては、差動排気装置2Cにおける一対の副排気口10Eの構成のみが本実施の形態に係る集束イオンビーム装置1と相違する。
図6に示すように、この変形例3においては、中央排気口10を挟んで、一対の副排気口10Eを備える。一対の副排気口10Eは、中央排気口10を挟んで、シンチレータ14の長手方向と所定の角度(変形例3では略45度)をなすように設定されている。それぞれの副排気口10Eは、円形状に形成されている。この変形例3においても、一対の副排気口10Eは、中央排気口10と、シンチレータ14の先端部との間の領域を避けた位置に配置されている。
この変形例3においても、副排気口10Eが、シンチレータ14の先端部の近傍に配置されていないため、副排気口10Eから取り込むエアAがシンチレータ14側へ悪影響を及ぼすことを抑制できる。このため、変形例3の構成によれば、被処理基板Sの表面の情報を精度よく取得することができる。
[変形例4]
図7は、本実施の形態に係る集束イオンビーム装置1の変形例4を示す。この変形例4においては、差動排気装置2Dにおける5つの副排気口10Fの構成のみが本実施の形態に係る集束イオンビーム装置1と相違する。
図7に示すように、この変形例4においては、中央排気口10を取り囲むように、3つ以上(変形例4では5つ)の副排気口10Fを備える。これらの副排気口10Fは、シンチレータ14の先端部に対して、イオンビームIbの出射方向(上下方向)から見て重なり合わない位置に配置されている。このため、副排気口10Fを通過して内部空間9へ向かうエアAがシンチレータ14の検出性能に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
[変形例5]
図8は、本実施の形態に係る集束イオンビーム装置1の変形例5を示す。この変形例5においては、一対の副排気口10Gは上記変形例3と同様の形状である。この変形例5が変形例3と相違する構成は、差動排気装置2Eが、シンチレータ14に隣接して円周方向に沿って、順次、一対の成膜用ガス供給部18,19および中和銃20を備える点である。
成膜用ガス供給部18,19から供給されるCVD成膜のデポジション用ガスとしては、W(CO)などを用いることができる。被処理基板S近傍のW(CO)にイオンビームIbが照射されると、WとCOに分解され、Wが被処理基板S上にデポジションされる。中和銃20は、被処理基板Sのチャージアップを防止する機能を有する。
図8に示すように、この変形例5においては、中央排気口10を挟んで、一対の副排気口10Gを備える。一対の副排気口10Gは、中央排気口10を挟んで、シンチレータ14の長手方向と略45度の角度をなすように設定されている。これら副排気口10Gは、円形状に形成されている。この変形例5においては、一対の副排気口10Eは、中央排気口10と、シンチレータ14、一対の成膜用ガス供給部18,19および中和銃20の群と、の間の領域を避けた位置に配置されている。
この変形例5においても、副排気口10Gが、中央排気口10と、シンチレータ14などの処理用手段の群と、の間の領域を避けて、しかもこれら処理用手段の近傍に配置されていないため、副排気口10Gから取り込むエアAがシンチレータ14などの処理用手段へ悪影響を及ぼすことを抑制できる。このため、変形例5の構成によれば、被処理基板Sの表面の情報を精度よく取得したり、被処理基板Sの表面へのCVD成膜を良好に行ったり、被処理基板Sのチャージアップを防止したりできる。
[変形例6]
図9は、本発明の実施の形態に係る集束イオンビーム装置1の変形例6を示す。この変形例6では、中央排気口10を取り囲むように環形状に形成された副排気口10Hにおいて、対向面8A側に形成された第1開口部10Hinと中央排気口10の中心軸との距離d1よりも、副排気口10Hの内部空間側(上側)の第2開口部10Houtと中央排気口10の中心軸との距離d2のほうが、長く設定されている。
仮に、副排気口10Hが、外側排気溝11に近すぎる位置に配置された場合、外側排気溝11で吸引すべきエアAを副排気口10Hで吸引してしまうため、FIBカラム3側に連結された高性能な真空ポンプの適正な動作を妨げる虞がある。そこで、この変形例6の構造のように、第1開口部10Hinを中央排気口10に近づけることで、副排気口10Hが外側排気溝11近傍のエアAを吸い込むことを抑制できる。また、第2開口部10Houtを中央排気口10から遠ざけることにより、副排気口10Hから吸引したエアAが、集束イオンビーム装置1の処理プロセスに悪影響を及ぼすことを防止できる。このような副排気口10Hの構造、すなわち対向面8A側の第1開口部10Hinが内部空間9側の第2開口部10Houtよりも中央排気口10に近接して配置される構造は、上記した変形例1から変形例5に適用可能である。
[その他の実施の形態]
以上、本発明の実施の形態および変形例1から変形例6について説明したが、これら開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記の実施の形態に係る集束イオンビーム装置1は、エネルギービームとしてイオンビームIbを適用したが、本発明は、エネルギービームとしてレーザ光を用いるレーザCVDやレーザエッチングを行うリペア装置などに適用することも勿論可能である。
上記の実施の形態に係る集束イオンビーム装置1では、ヘッド部5として、円盤形状のプレート用いたが、差動排気機能を実現する構造であれば、これに限定されるものではない。また、外側排気溝の数は、3つに限定されるものではない。また、外側排気溝は、環状溝ではなく多数の開口部を均一に配置する構造としてもよい。
S 被処理基板
1 集束イオンビーム装置(集束エネルギービーム装置)
2,2A,2B,2C,2D,2E 差動排気装置
3 集束イオンビームカラム(FIBカラム)
4 基板支持台
5 ヘッド部
6 上本体
6A カラム結合口
7 下本体
7A 下本体開口部
8 溝形成板
8A 対向面
9 内部空間
10 中央排気口
10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H 副排気口
10Hin 第1開口部
10Hout 第2開口部
11,12,13 外側排気溝
11A,11B,12A,12B,13A,13B 連結パイプ
14 シンチレータ(処理用手段:検出器)
15 鏡筒
16 集束イオンビーム光学系
17 連結パイプ
18,19 成膜用ガス供給部(処理用手段)
20 中和銃(処理用手段)

Claims (6)

  1. 内部に内部空間を有し、被処理基板に対向するように配置されるヘッド部と、
    前記ヘッド部における前記被処理基板と対向する対向面と反対側の位置に、前記内部空間と連通するように設けられた、エネルギービームを前記内部空間へ向けて出射する集束エネルギービームカラムと、
    を備え、
    前記対向面に、前記内部空間に連通して前記エネルギービームを通過させる中央排気口と、前記中央排気口の外側を取り囲み、前記内部空間に連通しない、少なくとも1つ以上の外側排気溝と、が形成され、
    前記集束エネルギービームカラムと、前記外側排気溝と、が異なる真空ポンプに連結されて差動排気を行う集束エネルギービーム装置であって、
    前記ヘッド部における前記中央排気口の周辺に前記内部空間と連通する副排気口が貫通して形成されている、
    ことを特徴とする集束エネルギービーム装置。
  2. 前記副排気口は、前記対向面において前記中央排気口を取り囲む略環形状である、
    請求項1に記載の集束エネルギービーム装置。
  3. 前記副排気口は、前記対向面において前記中央排気口の外側を取り囲むように周回方向に沿って間欠的に配置されている、
    請求項1に記載の集束エネルギービーム装置。
  4. 前記副排気口の前記対向面側に形成された第1開口部と前記中央排気口との距離よりも、当該副排気口の前記内部空間側の第2開口部と前記中央排気口との距離のほうが、長く設定されている、
    請求項1に記載の集束エネルギービーム装置。
  5. 前記ヘッド部は、前記内部空間に露呈して前記中央排気口に対峙する検出器、中和銃、成膜用ガス供給部のうち、少なくとも1つからなる処理用手段を備え、
    前記副排気口は、前記処理用手段の先端部に対して、前記エネルギービームの出射方向から見て重なり合わない位置に配置されている、
    請求項1に記載の集束エネルギービーム装置。
  6. 前記副排気口は、前記中央排気口と、前記処理用手段と、の間の領域を避けた位置に配置されている、
    請求項5に記載の集束エネルギービーム装置。
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