JP7466161B2 - 接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、接合方法に関するものである。
特許文献1には、第1の金属材と、第1の金属材に対して溶接が困難な異種材とを重ね合わせた状態にし、異種材の貫通部を介して溶加材(溶接ワイヤ)をアーク溶接するようにした接合構造が開示されている。
このとき、溶融した溶加材によって、異種材の貫通部の上面側の外周部に覆い被さるようにつば部分を形成する。これにより、第1の金属材に対する溶加材の凝固収縮によるつば部分と第1の金属材との圧縮固定力によって、異種材と第1の金属材とを固定するようにしている。
国際公開第2018/030272号
ところで、特許文献1の発明では、第3の金属材のつば部分と第2の金属材との重ね合わせ面の隙間を通って、外部から水分が侵入するおそれがある。そして、侵入した水分によって、第3の金属材のつば部分と第2の金属材とが重なり合う部分で電食が発生してしまい、接合強度が低下するおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、金属材と異種材とが重なり合う部分で電食が発生するのを抑えることにある。
第1の態様は、金属材で構成された第1の部材と、該第1の部材に対して溶接が困難な材料で構成された第2の部材とを、互いに重ね合わせた状態で接合する接合方法であって、前記第2の部材には、前記第1の部材に向かって貫通する貫通部が形成されており、前記第1の部材に対して溶接可能な第1溶加材を、前記貫通部を介して該第1の部材に溶接することで、該第1の部材との間で前記第2の部材を圧縮固定させる第3の部材を形成する第1工程と、前記第2の部材に対して溶接可能な第2溶加材を、前記第3の部材の表面を覆うとともに該第2の部材に溶接することで、第4の部材を形成する第2工程とを備えている。
第1の態様では、第1工程において、第2の部材の貫通部を介して第1溶加材を第1の部材に溶接して、第3の部材を形成する。第2工程において、第3の部材の表面を第2溶加材で覆うとともに第2の部材に溶接して、第4の部材を形成する。
このように、第4の部材で第3の部材の表面を覆うとともに、第4の部材を第2の部材に溶接して、第2の部材と第3の部材との隙間を第4の部材で塞ぐことで、第2の部材及び第3の部材の重ね合わせ部分に、外部から水分が侵入するのを抑えることができる。
これにより、第2の部材と第3の部材とが重なり合う部分で電食が発生するのを抑え、接合強度を確保することができる。
第2の態様は、第1の態様において、前記第1工程では、前記第1の部材に対して前記第1溶加材を短絡アーク溶接することで、前記第3の部材を形成し、前記第2工程では、前記第2の部材に対して前記第2溶加材をパルス溶接することで、前記第4の部材を形成する。
第2の態様では、第1工程において、第1の部材に対して第1溶加材を短絡アーク溶接する。第2工程において、第2の部材に対して第2溶加材をパルス溶接する。
このように、第1工程では、貫通部を介して第1溶加材を第1の部材に溶接する際に、アークの広がりが小さく、短絡状態とアーク状態を繰り返す短絡アーク溶接を行うようにしている。これにより、第2の部材への入熱量を抑えながら第3の部材を形成することができる。なお、短絡アーク溶接には、正送と逆送とを繰り返すワイヤ送給制御を取り入れた溶接方法を含むものとする。
また、第2工程では、アークの広がりが大きい正極性や交流によるパルス溶接を行うようにしている。これにより、第3の部材の表面全体を覆うように、溶融した第2溶加材を広げて第4の部材を形成することができる。
第3の態様は、第1又は2の態様において、前記第2溶加材の外径は、前記第1溶加材の外径と同じ、又は該第1溶加材の外径よりも大きい。
第3の態様では、第2溶加材の外径を、第1溶加材の外径と同じ、又は第1溶加材の外径よりも大きくしている。
具体的に、第1溶加材は、貫通部を介して第1の部材に溶接するものであり、貫通部に挿通させ易くするために、細径であるのが好ましい。例えば、貫通部が2~5mmの孔の場合、外径が0.8mm、0.9mm、1.0mm、又は1.2mmの第1溶加材を選定すればよい。
一方、第2溶加材は、第3の部材の表面全体に広げて溶接するものであり、アークを広げやすくするために、太径であるのが好ましい。また、第2溶加材の外径が大きいと、座屈を抑えることができて好ましい。例えば、上述した外径の第1溶加材に対し、外径が1.2mm、1.4mm、又は1.6mmの第2溶加材を選定すればよい。
第4の態様は、第1乃至3の態様のうち何れか1つにおいて、前記第2工程は、前記第3の部材の外周縁に沿って前記第2溶加材を溶接することで、前記第4の部材の外周部を形成する外周形成工程と、前記外周形成工程の後、前記第3の部材の表面の中央部分を覆うように前記第2溶加材を溶接することで、前記外周部に溶接された前記第4の部材の中央部を形成する中央形成工程とを含む。
第4の態様では、第2工程において、第4の部材を、中央部と外周部とに分けて形成するようにしている。
具体的に、第2溶加材を溶接して外周部を形成することで、第3の部材の表面の外周部分を覆い、その後、第3の部材の中央部の表面の中央部分に第2溶加材を溶接することで、第4の部材の中央部と外周部とをなじませることができる。
また、外周形成工程の後で中央形成工程を行うようにしたから、中央形成工程において第3の部材の中央部分に溶融させた第2溶加材が流れ出すのを、外周部でせき止めることができる。
第5の態様は、第1乃至3の態様のうち何れか1つにおいて、前記第2工程は、前記第3の部材の表面の中央部分を覆うように前記第2溶加材を溶接することで、前記第4の部材の中央部を形成する中央形成工程と、前記中央形成工程の後、前記第3の部材の外周縁に沿って前記第2溶加材を溶接することで、前記中央部と前記第2の部材とに溶接された前記第4の部材の外周部を形成する外周形成工程とを含む。
第5の態様では、第2工程において、第4の部材を、中央部と外周部とに分けて形成するようにしている。
具体的に、第2溶加材を溶接して中央部を形成することで、第3の部材の表面の中央部分を覆い、その後、中央部の外周縁に沿って第2溶加材を溶接して外周部を形成することで、第4の部材の中央部と外周部とをなじませることができる。
第6の態様は、第1乃至5の態様のうち何れか1つにおいて、前記第1工程は、前記貫通部を介して前記第1の部材に前記第1溶加材を溶接することで、該貫通部の内部に第1接合部を形成する第1接合工程と、前記第1接合工程の後、該第1接合工程とは異なる溶接条件によって、前記第1接合部に前記第1溶加材を溶接することで、前記貫通部よりも径方向外方に張り出して該貫通部の周縁部を押さえる第2接合部を形成する第2接合工程とを含む。
第6の態様では、第1工程において、第3の部材を、第1接合部と第2接合部とに分けて形成することで、第2の部材の材料特性を考慮した溶接法又は溶接条件の使い分けをすることができる。
例えば、溶融した第1溶加材を、貫通部を介して第1の部材に溶接する際には、溶け込みに必要な入熱で、アークの広がりが小さく、短絡状態とアーク状態を繰り返す短絡アーク溶接を行い、第1接合部を形成すればよい。その後、第2の部材を溶融しない程度の低入熱で、アークの広がりが大きい正極性や交流によるパルス溶接を行い、第2接合部を形成すればよい。これにより、第2の部材への入熱量を抑えながら、第2接合部を形成することができる。
なお、溶接条件としては、短絡アーク溶接とパルス溶接とを変更する場合の他、例えば、溶加材の外径を変更するようにしてもよい。
本開示の態様によれば、金属材と異種材とが重なり合う部分で電食が発生するのを抑えることができる。
図1は、本実施形態1に係る接合構造を説明するための側面断面図である。 図2は、本実施形態2に係る接合構造を説明するための側面断面図である。 図3は、本実施形態3に係る接合構造を説明するための側面断面図である。 図4は、本実施形態4に係る接合構造を説明するための側面断面図である。 図5は、本実施形態5に係る接合構造を説明するための側面断面図である。 図6は、本実施形態6に係る接合構造を説明するための側面断面図である。 図7は、本実施形態7に係る接合構造を説明するための側面断面図である。 図8は、本実施形態8に係る接合構造を説明するための側面断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
図1は、金属材で構成された第1の部材10と、第1の部材10に対して溶接が困難な材料で構成された第2の部材20と、溶加材としての第1溶加材6で構成された第3の部材30とを互いに接合するための接合構造を示している。
第1の部材10は、金属材で構成された板状の部材である。
第2の部材20は、第1の部材10に対して溶接が困難な材料で構成された板状の部材である。第2の部材20は、第1の部材10の上側に重ね合わされている。第2の部材20は、円形状の貫通部21を有する。
なお、本実施形態では、貫通部21を円形状の貫通孔として説明するが、楕円状や長孔状の貫通孔であってもよい。
第3の部材30は、第1の部材10と同種系の金属材である第1溶加材6で構成されている。ここで、同種系の金属材とは、互いに溶接可能な金属であり、同じ材質同士だけではなく、鉄系金属材同士、非鉄系金属材同士などの溶接接合性がよい金属材のことである。言い換えると、同種系の金属材とは、溶接の相性がよい同種系の材料のことである。
具体的には、溶接時における第1の部材10と第3の部材30との組み合わせとしては、以下のものが挙げられる。例えば、鉄系金属材の組合せとしては、軟鋼と軟鋼、ステンレスとステンレス、軟鋼とハイテン(高張力鋼)、ハイテンとハイテン等がある。また、非鉄系金属材としては、アルミとアルミ、アルミとアルミ合金、アルミ合金とアルミ合金等がある。
また、異種材としての第2の部材20は、同種系の金属材としての第1の部材10及び第3の部材30とは、異なる材質の材料であり、第1の部材10及び第3の部材30に対して溶接が困難な材質である。
例えば、同種系の金属材としての第1の部材10及び第3の部材30を鉄系金属材にした場合、異種材としての第2の部材20は、銅材やアルミ材等の非鉄系金属材である。
第3の部材30は、貫通部21を介して第1の部材10に溶接される。第3の部材30には、貫通部21の周縁部を押さえるフランジ部31が設けられる。そして、第1の部材10に対して第3の部材30が凝固収縮することで、フランジ部31と第1の部材10との間に、異種材である第2の部材20が圧縮固定される。
ところで、第3の部材30のフランジ部31と第2の部材20とが重なり合う部分では、外部から水分が侵入することで電食が発生するおそれがある。
そこで、本実施形態では、第2の部材20及び第3の部材30が重なり合う部分の隙間を第4の部材40で塞ぐようにしている。
具体的に、第4の部材40は、第2の部材20と溶接可能な同種系の金属材である溶加材としての第2溶加材7で構成されている。第4の部材40は、第3の部材30の表面を覆っている。第4の部材40は、第2の部材20に溶接されている。
〈接合方法〉
以下では、第1の部材10として軟鋼材、第2の部材20としてアルミ材、第1の部材10に対する溶加材である第3の部材30として軟鋼材、第2の部材20に対する溶加材である第4の部材40としてアルミ材を用いた場合について説明する。また、貫通部21の孔径を5mm、第1溶加材6の外径を1.2mm、第2溶加材7の外径を1.6mmとする。
アーク溶接機1は、ノズル2と、チップ3とを備えている。ノズル2は、溶接対象物の溶接箇所にシールドガス等を供給する。チップ3は、第3の部材30に対して溶接電流を供給する。
アーク溶接機1は、軟鋼材である第1溶加材6を溶接する際には、アルゴン(Ar)と炭酸ガス(CO2)の混合ガスをシールドガスとして使用するマグ(Metal Active Gas)溶接、又は炭酸ガス(CO2)をシールドガスとして使用する炭酸ガスアーク溶接を行う。
アーク溶接機1は、アルミ材である第2溶加材7を溶接する際には、アルゴン(Ar)をシールドガスとして使用するアルゴンガス溶接を行う。
アーク溶接機1は、第1工程を行う。第1工程では、溶接電極としての第1溶加材6を、貫通部21を介して、母材としての第1の部材10に溶接する。この際に、第1溶加材6と第1の部材10とが短絡している短絡状態と、第1溶加材6と第1の部材10との間にアークが発生しているアーク状態とを繰り返す短絡アーク溶接を行う。短絡アーク溶接では、アーク5の広がりが小さくなる。
アーク溶接機1は、貫通部21を介して、第1の部材10に溶接電極としての第1溶加材6(第3の部材30)を送給しながら溶接電流を供給することで、第1溶加材6と第1の部材10との短絡を開放させ、第1溶加材6と第1の部材10との間にアーク5を発生させる。
このように、アーク状態のときに発生しているアーク5によって、第1溶加材6の先端に溶滴を生成する。一方、短絡状態のときに、第1溶加材6の先端に生成した溶滴を、第1の部材10に接触させて移行する。
アーク溶接により溶融した第3の部材30は、第1の部材10に溶融結合されるとともに、貫通部21内に積層されていく。そして、溶融した第3の部材30は、貫通部21内を埋め尽くした後、貫通部21の上面側の周縁部に流れ出し、フランジ状に広がる。
溶融した第3の部材30がビードとなる過程で、第3の部材30には、貫通部21の周縁部を押さえるフランジ部31が設けられる。フランジ部31は、第2の部材20における第1の部材10とは反対側の面(図1では上面)において、貫通部21よりも径方向外方に張り出している。
そして、第1の部材10に対して第3の部材30が凝固収縮することで、フランジ部31と第1の部材10との間に、異種材である第2の部材20が圧縮固定される。
このように、第3の部材30である溶加材としての溶接ワイヤを溶融させ、第2の部材20の貫通部21を介して第1の部材10に対して供給することで、強度を確保するためのフランジ形状のビードを第2の部材20上に形成し、第2の部材20を圧縮固定にて挟み込むことができるようにしている。
なお、第2の部材20と第3の部材30とが溶融接合されている必要性はない。仮に、溶融接合することで金属間化合物が形成されても、フランジ形状による圧縮固定を目的としているため、問題はない。
アーク溶接機1は、第2工程を行う。第2工程では、第2の部材20に対して溶接可能な第2溶加材7(第4の部材40)を、第3の部材30の表面を覆うとともに第2の部材20に溶接する。具体的に、アーク溶接機1は、第2溶加材7を第2の部材20に溶接する際に、正極性による直流溶接や極性を切り替える交流溶接において、ピーク電流とベース電流を交互に繰り返すパルス波形よるパルス溶接を行う。パルス溶接では、第2の部材20を溶融しない程度の低入熱で、アーク5の広がりを大きくし、溶接電極としての第2溶加材7側への入熱を多くし溶着量を増やすことができる。
パルス溶接では、ピーク電流とベース電流とからなる1パルスに1回の割合で第2溶加材7の先端に生成されている溶滴を第2溶加材7から離脱させ、フランジ部31や第2の部材20側へ離脱移行する。
ここで、正極性による直流溶接とは、直流による溶接において、溶接電極としての第2溶加材7をマイナス極側(負極)にし、母材としての第1の部材10及び第2の部材20をプラス極側(正極)にすることで、溶接電極としての第2溶加材7に対する入熱を大きくして溶接を行うものである。これにより、母材の入熱は抑えられ、溶接電極としての第2溶加材7の溶融が促進される。
また、極性を切り替える交流による交流溶接では、交流による溶接において、例えばピーク電流の波形をプラス極側となる逆極性にし、ベース電流の波形をマイナス極側となる正極性とする。逆極性のピーク電流時には、母材としての第1の部材10、第2の部材20をマイナス極側、溶接電極としての第2溶加材7をプラス極側にする。正極性のベース電流時には、母材としての第1の部材10、第2の部材20をプラス極側、溶接電極としての第2溶加材7をマイナス極側にする。
このように、極性を切り替える交流による交流溶接とは、逆極性のピーク電流時に母材としての第1の部材10、第2の部材20に対する入熱を大きくして溶接を行い、正極性のベース電流時に溶接電極としての第2溶加材7に対する入熱を大きくして溶接を行うものである。これにより、母材の入熱は直流溶接よりも抑えられ、溶接電極としての第2溶加材7の溶融が促進される。
なお、正極性によるパルス溶接を行うとしたが、アーク5の広がりは小さいが第2の部材20への入熱を抑える溶接法として、アーク状態と短絡状態を繰り返す短絡アーク溶接を行ってもよい。
アーク溶接機1は、第3の部材30の表面に第2溶加材7(第4の部材40)を送給しながら溶接電流を供給することで、アーク5を発生させる。アーク溶接により溶融した第4の部材40は、第2の部材20に溶融結合されるとともに、第3の部材30の表面を覆うように積層されていく。
以上のように、本実施形態に係る接合方法では、第4の部材40で第3の部材30の表面を覆うとともに、第4の部材40を第2の部材20に溶接することで、第2の部材20と第3の部材30との隙間を、外部から水分が侵入するのを防止するように第4の部材40で塞いでいる。このようにすれば、第2の部材20及び第3の部材30の重ね合わせ部分に、外部から水分が侵入するのを抑えることができる。
これにより、第2の部材20と第3の部材30とが重なり合う部分で電食が発生するのを抑え、接合強度を確保することができる。
このように、第3の部材30とは異なり、第2の部材20と同じ材質の溶加材としての第2溶加材7(第4の部材40)により2回目の溶接を行い、第3の部材30で形成したフランジ形状のビード上に溶融金属を覆いかぶさるように溶接し、フランジ形状サイズよりも大きくビードを形成するようにしている。これにより、第2の部材20と同じ材質の第4の部材40による溶融接合を可能としている。
また、同じ材質同士で溶融接合させることで、一般的によく使われる接着剤やシール剤、シーリング剤などの異なる工法を使用せずに、外部からの水分などの侵入を抑制し、電食を抑制することができる。
なお、基本的には、第1の部材10及び第3の部材30は、第2の部材20及び第4の部材40よりも融点が高い材質を使用するものとする。よって、第3の部材30と第4の部材40との界面は、溶融接合していないか、又は、少しだけ溶融接合している状態となる。
これにより、第3の部材30のフランジ形状のビード上に第4の部材40をビード形成しても、第3の部材30のフランジ形状を変形させるなどの影響もなく、第4の部材40のビードを形成することができる。
《実施形態2》
以下、前記実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
図2に示すように、第2の部材20は、貫通部21を有する。貫通部21は、第1の部材10に向かって先細となるテーパー部22を有する。
アーク溶接機1は、第1工程を行う。第1工程では、第1溶加材6(第3の部材30)を、短絡アーク溶接により溶融する。溶融した第3の部材30は、貫通部21のテーパー部22に沿って、貫通部21の中央側に集まるように流れ、第1の部材10に溶融結合される。
そして、溶融した第3の部材30は、貫通部21内を埋め尽くすことで、テーパー部22の上面にフランジ状に広がる。
溶融した第3の部材30がビードとなる過程で、第3の部材30には、貫通部21のテーパー部22を押さえるフランジ部31が設けられる。
そして、第1の部材10に対して第3の部材30が凝固収縮することで、フランジ部31と第1の部材10との間に、異種材である第2の部材20が圧縮固定される。
アーク溶接機1は、第2工程を行う。第2工程では、第3の部材30の表面に第2溶加材7(第4の部材40)を送給しながら溶接電流を供給することで、アーク5を発生させる。アーク溶接により溶融した第4の部材40は、第2の部材20に溶融結合されるとともに、第3の部材30の表面を覆うように積層されていく。
以上のように、本実施形態に係る接合方法によれば、貫通部21にテーパー部22を設け、テーパー部22に沿った形状にフランジ部31を凝固させることで、第2の部材20から飛び出すフランジ部31の厚みを抑えることができる。これにより、第2の部材20から飛び出す第4の部材40の厚みも抑えることができる。
《実施形態3》
図3に示すように、第2の部材20は、第1の部材10とは反対側の面(図3では上面)に開口する段差部25と、段差部25の底面に形成された貫通部21とを有する。
アーク溶接機1は、第1工程を行う。第1工程では、第1溶加材6(第3の部材30)を、短絡アーク溶接により溶融する。溶融した第3の部材30は、第1の部材10に溶融結合される。
そして、溶融した第3の部材30は、貫通部21内を埋め尽くした後、貫通部21の上面側の周縁部、つまり、段差部25の底面に流れ出し、フランジ状に広がる。
溶融した第3の部材30がビードとなる過程で、第3の部材30には、貫通部21の周縁部を押さえるフランジ部31が設けられる。
そして、第1の部材10に対して第3の部材30が凝固収縮することで、フランジ部31と第1の部材10との間に、異種材である第2の部材20が圧縮固定される。
アーク溶接機1は、第2工程を行う。第2工程では、第3の部材30の表面に第2溶加材7(第4の部材40)を送給しながら溶接電流を供給することで、アーク5を発生させる。アーク溶接により溶融した第4の部材40は、第2の部材20の段差部25に溶融結合されるとともに、第3の部材30の表面を覆うように積層されていく。
以上のように、本実施形態に係る接合方法によれば、第3の部材30のフランジ部31を段差部25内に配置して、第2の部材20からフランジ部31が飛び出すのを抑えることができる。また、第2の部材20から飛び出す第4の部材40の厚みを抑えることができる。
《実施形態4》
図4に示すように、第2の部材20は、第1の部材10とは反対側の面(図4では上面)に開口する段差部25と、段差部25の底面に形成された貫通部21とを有する。段差部25の底面は、貫通部21に向かって傾斜している。
アーク溶接機1は、第1工程を行う。第1工程では、第1溶加材6(第3の部材30)を、短絡アーク溶接により溶融する。溶融した第3の部材30は、第1の部材10に溶融結合される。また、溶融した第3の部材30が段差部25の傾斜面にかかる場合には、段差部25の傾斜面に沿って貫通部21に向かって流れ、第1の部材10に向かって溶融結合される。
そして、溶融した第3の部材30は、貫通部21内を埋め尽くした後、貫通部21の上面側の周縁部、つまり、段差部25の底面に流れ出し、段差部25の傾斜面にフランジ状に広がる。
溶融した第3の部材30がビードとなる過程で、第3の部材30には、段差部25の傾斜面を押さえるフランジ部31が設けられる。
そして、第1の部材10に対して第3の部材30が凝固収縮することで、フランジ部31と第1の部材10との間に、異種材である第2の部材20が圧縮固定される。
アーク溶接機1は、第2工程を行う。第2工程では、第3の部材30の表面に第2溶加材7(第4の部材40)を送給しながら溶接電流を供給することで、アーク5を発生させる。アーク溶接により溶融した第4の部材40は、段差部25の傾斜面に沿って流れる。より具体的には、第3の部材30と第2の部材20との外部側からの隙間を塞ぐように効果的に流れる。そして、溶融した第4の部材40は、第2の部材20に溶融結合されるとともに、第3の部材30の表面を覆うように積層されていく。
以上のように、本実施形態に係る接合方法によれば、段差部25の底面を貫通部21に向かって傾斜させることで、溶融した第3の部材30が貫通部21に向かって流れ易くなる。
また、溶融した第4の部材40が、段差部25の傾斜面に沿って流れることで、第3の部材30と第2の部材20との外部側からの隙間を効果的に塞ぐとともに、第2の部材20に溶融結合することができる。
また、第3の部材30のフランジ部31を段差部25内に配置して、第2の部材20からフランジ部31が飛び出すのを抑えることができる。また、第2の部材20から飛び出す第4の部材40の厚みを抑えることができる。
《実施形態5》
図5に示すように、第2の部材20は、第1の部材10との重ね合わせ面(図5では下面)に開口する段差部25と、段差部25の底面に形成された貫通部21とを有する。
第1の部材10は、段差部25に向かって膨出した膨出部15を有する。膨出部15は、段差部25に嵌め込まれている。
アーク溶接機1は、第1工程を行う。第1工程では、第1溶加材6(第3の部材30)を、短絡アーク溶接により溶融する。溶融した第3の部材30は、第1の部材10に溶融結合される。
そして、溶融した第3の部材30は、貫通部21内を埋め尽くした後、貫通部21の上面側の周縁部に流れ出し、フランジ状に広がる。
溶融した第3の部材30がビードとなる過程で、第3の部材30には、貫通部21の周縁部を押さえるフランジ部31が設けられる。
そして、第1の部材10に対して第3の部材30が凝固収縮することで、フランジ部31と第1の部材10との間に、異種材である第2の部材20が圧縮固定される。
アーク溶接機1は、第2工程を行う。第2工程では、第3の部材30の表面に第2溶加材7(第4の部材40)を送給しながら溶接電流を供給することで、アーク5を発生させる。アーク溶接により溶融した第4の部材40は、第2の部材20に溶融結合されるとともに、第3の部材30の表面を覆うように積層されていく。
以上のように、本実施形態に係る接合方法によれば、第1の部材10に第2の部材20を重ね合わせる際に、膨出部15に対して段差部25を嵌め込むようにすれば、第1の部材10及び第2の部材20の位置合わせを容易に行うことができる。
また、第1の部材10に対して第3の部材30をアーク溶接により溶融させる際、第1の部材10における膨出部15の裏側の空いたスペース(空間)部分を利用することで、第2の部材20に対して反対側の面である第1の部材10の裏面に裏波を十分に形成することができる。これにより、第1の部材10の裏側からも溶接したように溶接ビードを形成する、いわゆる裏波溶接によりさらに強度を高めることができる。
また、第1の部材10における膨出部15の裏側に空いたスペース部分を設けることにより、第1の部材10の裏面側から溶接ビードが裏波として一部張り出した場合のスペースを確保することができる。
《実施形態6》
図6に示すように、第2の部材20は、貫通部21を有する。
アーク溶接機1は、第1工程を行う。第1工程は、第1接合工程と、第2接合工程とを含む。第1接合工程では、貫通部21を介して第1の部材10に第1溶加材6を溶接することで、貫通部21の内部に第1接合部35を形成する。
具体的に、溶融した第3の部材30を、貫通部21を介して第1の部材10に溶接する際には、溶け込みに必要な入熱で、アーク5の広がりが小さく、短絡状態とアーク状態を繰り返す短絡アーク溶接を行い、第1接合部35を形成する。
第2接合工程では、第1接合工程とは異なる溶接条件によって、第1接合部35に第1溶加材6を溶接する。具体的に、第2の部材20を溶融しない程度の低入熱で、アーク5の広がりが大きく、溶接電極としての第1溶加材6側への入熱を多くして溶着量を増やすことができるように、正極性や極性を切り替える交流によるパルス溶接を行い、第2接合部36を形成する。これにより、第2の部材20への入熱量を抑えながら、フランジ部31を形成することができる。
なお、溶接条件としては、短絡アーク溶接とパルス溶接とを変更する場合の他、例えば、第1溶加材6の外径を変更するようにしてもよい。例えば、第1接合工程で使用する第1溶加材6の外径が0.8mm、0.9mm、1.0mm、又は1.2mmの何れかである場合に、第2接合工程で使用する第1溶加材6の外径を1.2mm、1.4mm、又は1.6mmの何れかにすればよい。第1溶加材6の外径を変更した場合、第2接合工程を短絡アーク溶接で行うようにしてもよい。
このように、溶融した第3の部材30がビードとなる過程で、第3の部材30には、第1接合部35と、第2接合部36とが設けられる。第1接合部35は、第1の部材10に溶融結合している。第2接合部36は、第1接合部35に溶融結合して、貫通部21の周縁部を押さえるフランジ部31を構成している。
なお、第1接合部35の上部は、中央が窪んだ形状になるように溶接することが好ましい。これにより、第1接合部35に対して第2接合部36を溶接する際に、溶接位置が定まり易くなる。また、溶融している第2接合部36が、第1接合部35の窪んだ中央側に集まり易くなり、第2接合部36の形状をより整えることができる。
そして、第1の部材10に対して第3の部材30が凝固収縮することで、フランジ部31と第1の部材10との間に、異種材である第2の部材20が圧縮固定される。
アーク溶接機1は、第2工程を行う。第2工程では、第3の部材30の表面に第2溶加材7(第4の部材40)を送給しながら溶接電流を供給することで、アーク5を発生させる。アーク溶接により溶融した第4の部材40は、第2の部材20に溶融結合されるとともに、第3の部材30の表面を覆うように積層されていく。
以上のように、本実施形態に係る接合方法によれば、第3の部材30を、第1接合部35と第2接合部36とに分けて形成することで、第2の部材20の材料特性を考慮した溶接法又は溶接条件の使い分けをすることができる。
なお、第1の部材10及び第2の部材20の形状は、あくまでも一例であり、その他の組み合わせであってもよい。
《実施形態7》
図7に示すように、第2の部材20は、貫通部21を有する。
アーク溶接機1は、第1工程を行う。第1工程では、第1溶加材6(第3の部材30)を、短絡アーク溶接により溶融する。溶融した第3の部材30は、第1の部材10に溶融結合される。溶融した第3の部材30は、貫通部21内を埋め尽くした後、貫通部21の上面側の周縁部に流れ出し、フランジ状に広がる。
溶融した第3の部材30がビードとなる過程で、第3の部材30には、貫通部21の周縁部を押さえるフランジ部31が設けられる。
そして、第1の部材10に対して第3の部材30が凝固収縮することで、フランジ部31と第1の部材10との間に、異種材である第2の部材20が圧縮固定される。
アーク溶接機1は、第2工程を行う。第2工程は、中央形成工程と、外周形成工程とを含む。中央形成工程では、第3の部材30の表面の中央部分を覆うように第2溶加材7を溶接することで、第4の部材40の中央部41を形成する。
具体的に、第3の部材30の表面の中央部分に第2溶加材7(第4の部材40)を送給しながら溶接電流を供給することで、アーク5を発生させる。アーク溶接により溶融した第4の部材40は、第3の部材30の表面を覆うように積層されていく。これにより、第4の部材40の中央部41が形成される。
外周形成工程では、第3の部材30の外周縁に沿って第2溶加材7を溶接することで、中央部41と第2の部材20とに溶接された第4の部材40の外周部42を形成する。
具体的に、中央部41の外周縁に沿ってアーク溶接機1のノズル2を旋回させることで、中央部41の外周縁に対して、溶融した第4の部材40を供給する。溶融した第4の部材40は、中央部41と第2の部材20とに溶接される。これにより、第4の部材40の外周部42が形成される。
なお、中央形成工程及び外周形成工程は、短絡アーク溶接又はパルス溶接の何れの溶接法で行ってもよい。
以上のように、本実施形態に係る接合方法によれば、アーク溶接によって中央部41を形成して第3の部材30の表面の中央部分を覆い、その後、中央部41の外周縁に沿ってアーク溶接を行って外周部42を形成することで、中央部41と外周部42とをなじませることができる。
《実施形態8》
図8に示すように、第2の部材20は、貫通部21を有する。
アーク溶接機1は、第1工程を行う。第1工程では、第1溶加材6(第3の部材30)を、短絡アーク溶接により溶融する。溶融した第3の部材30は、第1の部材10に溶融結合される。溶融した第3の部材30は、貫通部21内を埋め尽くした後、貫通部21の上面側の周縁部に流れ出し、フランジ状に広がる。
溶融した第3の部材30がビードとなる過程で、第3の部材30には、貫通部21の周縁部を押さえるフランジ部31が設けられる。
そして、第1の部材10に対して第3の部材30が凝固収縮することで、フランジ部31と第1の部材10との間に、異種材である第2の部材20が圧縮固定される。
アーク溶接機1は、第2工程を行う。第2工程は、外周形成工程と、中央形成工程とを含む。外周形成工程では、第3の部材30の外周縁に沿って第2溶加材7を溶接することで、第4の部材40の外周部42を形成する。
具体的に、フランジ部31の外周縁に沿ってアーク溶接機1のノズル2を旋回させることで、フランジ部31の外周縁に対して、溶融した第2溶加材7(第4の部材40)を供給する。溶融した第4の部材40は、フランジ部31の外周縁に沿って第2の部材20に溶接される。これにより、第4の部材40の外周部42が形成される。
中央形成工程では、第3の部材30の表面の中央部分を覆うように第2溶加材7を溶接することで、外周部42に溶接された第4の部材40の中央部41を形成する。
具体的に、第3の部材30の表面の中央部分に第4の部材40を送給しながら溶接電流を供給することで、アーク5を発生させる。アーク溶接により溶融した第4の部材40は、外周部42に溶融結合されるとともに、第3の部材30の表面を覆うように積層されていく。これにより、第4の部材40の中央部41が形成される。
なお、中央形成工程及び外周形成工程は、短絡アーク溶接又はパルス溶接の何れの溶接法で行ってもよい。
以上のように、本実施形態に係る接合方法によれば、アーク溶接によって外周部42を形成して第3の部材30の表面の外周部分を覆い、その後、第3の部材30の表面の中央部分にアーク溶接を行って中央部41を形成することで、中央部41と外周部42とをなじませることができる。
また、外周形成工程の後で中央形成工程を行うようにしたから、中央形成工程において第3の部材30の中央部分に溶融させた第2溶加材が流れ出すのを、外周部42でせき止めることができる。
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
本実施形態では、第1の部材10に対してアーク溶接を行うようにしたが、この形態に限定するものではない。具体的に、第3の部材30としての溶加材には、溶極式(消耗電極式)と非溶極式(非消耗電極式)がある。そこで、例えば、第3の部材30として使用した溶極式(消耗電極式)の溶加材としての溶接ワイヤの代わりに、非溶極式(非消耗電極式)の溶加材としてのフィラーワイヤを用いて第1の部材10に対してレーザ溶接を行うレーザフィラー溶接を行うようにしてもよい。
レーザフィラー溶接では、第1の部材10に対してレーザを照射して第1の部材10の表面の溶込みをしっかりと確保した後、供給されるフィラーワイヤのみにレーザを照射し、第3の部材30であるフィラーワイヤを溶融させることができる。これにより、第2の部材20への入熱を抑えながら、貫通部21内を第3の部材30で埋め尽くすことができる。
また、レーザのパワー密度を下げるためにデフォーカスさせてビーム径を大きく確保することで、レーザのビーム径の外周部分を利用して、第2の部材20に予熱を与えることができる。これにより、第3の部材30である溶融したフィラーワイヤを、第2の部材20に対してなじみやすくできる。そして、この効果により、第2の部材20と第3の部材30との隙間を、外部から水分が侵入するのを防止するように塞ぐことで、第2の部材20と第3の部材30との重ね合わせ部分に、外部から水分が侵入するのを抑えることができる。
また、アーク溶接とレーザ溶接を用いたハイブリット溶接で、第3の部材30を及び第4の部材40を形成しても良い。具体的に説明すると、第3の部材30をレーザフィラー溶接により形成し、第4の部材40をアーク溶接にて形成するハイブリット溶接で形成してもよい。
また、第3の部材30を溶極式の溶加材を用いたアーク溶接にて形成し、第4の部材40を非溶極式の溶加材としてのフィラーワイヤを用いたレーザフィラー溶接により形成するハイブリット溶接で形成してもよい。
さらに、これらのレーザ溶接を組み合わせた構成としてもよい。例えば、レーザのパワー密度を下げるためにデフォーカスさせて相対的に出力を下げる、又は、レーザの連続出力をパルス発振出力に変更する、パルス発振出力のONとOFFの比率であるデューティ(Duty)を下げる等の出力を低下させたレーザを、第2の部材20の貫通部21の外周側及び第3の部材30の上部側の少なくとも一つ以上の箇所に予め照射して予熱するようにしてもよい。このようにすれば、第2の部材20、第3の部材30、及び第4の部材40の溶接時のなじみを向上させることができる。これにより、第2の部材20、第3の部材30、及び第4の部材40との重ね合わせ部分に、外部から水分が侵入するのを抑えることができる。
また、本実施形態では、第1の部材10として軟鋼材、第2の部材20としてアルミ材を用いた構成について説明したが、例えば、第1の部材10としてアルミ材、第2の部材20として軟鋼材を用いた形態であってもよい。この場合、第2の部材20の軟鋼材の融点が、第1の部材10のアルミ材の融点よりも高いため、第1の部材10に第3の部材30を溶接する際に、短絡アーク溶接を行う必要が無い。
以上説明したように、本発明は、金属材と異種材とが重なり合う部分で電食が発生するのを抑えることができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
6 第1溶加材
7 第2溶加材
10 第1の部材
20 第2の部材
21 貫通部
30 第3の部材
35 第1接合部
36 第2接合部
40 第4の部材
41 中央部
42 外周部

Claims (6)

  1. 金属材で構成された第1の部材と、該第1の部材に対して溶接が困難な材料で構成された第2の部材とを、互いに重ね合わせた状態で接合する接合方法であって、
    前記第2の部材には、前記第1の部材に向かって貫通する貫通部が形成されており、
    前記第1の部材に対して溶接可能な第1溶加材を、前記貫通部を介して該第1の部材に溶接することで、該第1の部材との間で前記第2の部材を圧縮固定させる第3の部材を形成する第1工程と、
    前記第2の部材に対して溶接可能な第2溶加材を、前記第3の部材の表面を覆うとともに該第2の部材に溶接することで、第4の部材を形成する第2工程とを備えた
    ことを特徴とする接合方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1工程では、前記第1の部材に対して前記第1溶加材を短絡アーク溶接することで、前記第3の部材を形成し、
    前記第2工程では、前記第2の部材に対して前記第2溶加材をパルス溶接することで、前記第4の部材を形成する
    ことを特徴とする接合方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記第2溶加材の外径は、前記第1溶加材の外径と同じ、又は該第1溶加材の外径よりも大きい
    ことを特徴とする接合方法。
  4. 請求項1乃至3のうち何れか1つにおいて、
    前記第2工程は、
    前記第3の部材の外周縁に沿って前記第2溶加材を溶接することで、前記第4の部材の外周部を形成する外周形成工程と、
    前記外周形成工程の後、前記第3の部材の表面の中央部分を覆うように前記第2溶加材を溶接することで、前記外周部に溶接された前記第4の部材の中央部を形成する中央形成工程とを含む
    ことを特徴とする接合方法。
  5. 請求項1乃至3のうち何れか1つにおいて、
    前記第2工程は、
    前記第3の部材の表面の中央部分を覆うように前記第2溶加材を溶接することで、前記第4の部材の中央部を形成する中央形成工程と、
    前記中央形成工程の後、前記第3の部材の外周縁に沿って前記第2溶加材を溶接することで、前記中央部と前記第2の部材とに溶接された前記第4の部材の外周部を形成する外周形成工程とを含む
    ことを特徴とする接合方法。
  6. 請求項1乃至5のうち何れか1つにおいて、
    前記第1工程は、
    前記貫通部を介して前記第1の部材に前記第1溶加材を溶接することで、該貫通部の内部に第1接合部を形成する第1接合工程と、
    前記第1接合工程の後、該第1接合工程とは異なる溶接条件によって、前記第1接合部に前記第1溶加材を溶接することで、前記貫通部よりも径方向外方に張り出して該貫通部の周縁部を押さえる第2接合部を形成する第2接合工程とを含む
    ことを特徴とする接合方法。
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