以下、本開示の実施の形態に係る支持装置および組立装置について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中、同一又は同等の部分には同一の符号を付す。図に示す直交座標系XYZにおいて、組立の部品であるフレームの長手方向を左右方向に向け、短手方向を前後方向に向けた状態で、その状態のフレームを支持装置の上に載置して支持装置を使用するとした場合の、左右方向がX軸、前後方向がY軸、X軸とY軸とに直交する方向がZ軸である。以下、適宜、この座標系を引用して説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1に係る支持装置は、画像読取装置の組立時に使用される装置である。詳細には、実施の形態1に係る支持装置は、画像読取装置に設けられる透明板又はセンサ基板をフレームに接着するときに使用される装置である。まず、図1-図3を参照して、組立対象の画像読取装置の構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る支持装置が組立時に用いられる画像読取装置1の斜視図である。図2は、図1に示すII-II切断線の断面図であり、図3は、図1に示すIII-III切断線の断面図である。
なお、図1-図3では、主走査方向を左右方向に、副走査方向を前後方向に向け、さらに読取面を上に向けた状態の画像読取装置1を示している。また、図3では、理解を容易にするため、フレーム2Aの湾曲を強調している。
画像読取装置1は、図1に示すように、直方体状のフレーム2Aと、フレーム2Aの上面に配置された透明板3と、フレーム2Aの下面に配置されたセンサ基板4と、を備える。
フレーム2Aは、図2に示すように、光学部品を収容するため、内部に空洞を有する。フレーム2Aは、その空洞に導光体5とレンズ6を収容する。
導光体5は、図示しない光源が発する光をフレーム2Aの上面に導く。その結果、導光体5は、光源の光を透明板3へ入射させる。画像読取装置1では、透明板3の上に読取対象が載置されるところ、導光体5は、透明板3へ光を入射させることにより、その読取対象を照射する。
これに対して、レンズ6は、照射された読取対象が反射する光を集光する。そして、レンズ6は、その光をセンサ基板4に結像させる。
図1に戻って、透明板3は、矩形状に形成されている。フレーム2Aは、図2に示すように、上面側に開口部Aを有する。透明板3は、接着層7によってフレーム2Aの上端に固定され、その開口部Aを覆っている。
また、透明板3は、平板状に形成されている。これにより、透明板3は、上述した読取対象が載置されたときに、その読取対象の位置を規定する。その結果、透明板3は、読取対象が上述した光によって照射されたときに、レンズ6が読取対象によって反射した光をセンサ基板4に結像させる。
センサ基板4は、図示しないが、矩形状かつ平板状に形成されている。フレーム2Aは、図2に示すように、下面側に開口部Bを有する。センサ基板4は、下からこの開口部Bを覆っている。センサ基板4は、その開口部Bの内部かつ、上面側にセンサ素子8を有する。
センサ素子8は、図3に示すように、X方向、すなわち、主走査方向に複数個、配列されている。そして、センサ素子8は、図2に示すレンズ6が結像した光の像を電気信号に変換する。これにより、画像読取装置1では、読取対象からの光を電気信号に変換して、画像読取を行う。
このように、画像読取装置1では、透明板3が読取対象の位置を規定し、センサ基板4のセンサ素子8に、その読取対象からの光がレンズ6によって結像される。このため、高い解像度を得るには、透明板3、センサ基板4等の光学部品をフレーム2Aに高い精度で取り付ける必要がある。換言すると、画像読取装置1を高い精度で組み立てる必要がある。
しかし、図3に示すように、画像読取装置1では、フレーム2Aがたわんでいることがある。例えば、フレーム2Aは、樹脂材料が成型されることにより形成されることがあるところ、その成型時の熱収縮によって歪んでしまうことがある。その結果、フレーム2Aが長手方向にたわんでしまうことがある。換言すると、フレーム2Aが長手方向に湾曲してしまうことがある。
例えば、フレーム2Aが長手方向に向かって下へ湾曲している場合、最も下に湾曲した部分で、透明板3との間に隙間Gが生じてしまう。この隙間Gを空間のままにしておくと、読取対象の重量によって、透明板3が変形したり変形しなかったりする結果、読取対象の位置が変動してしまう。その結果、画像読取装置1の読取の解像度が低下してしまう。
そこで、解像度の低下を防ぐため、撓んだフレーム2Aの上面に接着剤を塗布することにより、接着層7を形成し、その接着層7で隙間Gを埋めることが行われている。そして、接着層7によって透明板3を平板状に保つことが行われている。
しかし、この接着層7の形成時に、透明板3を接着層7に押し付けて透明板3をフレーム2Aに接着するので、透明板3を接着層7に押し付ける力が大きいと、フレーム2Aがさらに歪んでしまう。その結果、フレーム2Aの湾曲がさらに大きくなってしまう。
そこで、接着時にフレーム2Aの湾曲がさらに大きくなってしまうことを防ぐため、実施の形態1に係る支持装置が用いられる。詳細には、接着時に、透明板3がある側と反対側から、すなわち、接着層7がある面と反対側の面からフレーム2Aを、実施の形態1に係る支持装置に支持させる。続いて、図4-図6を参照して、その支持装置の構成について説明する。
図4は、実施の形態1に係る支持装置100Aの正面図である。図5は、支持装置100Aのブロック図である。図6は、支持装置100Aが備える制御部30のハードウエア構成図である。
なお、図4と図5には、理解を容易にするため、画像読取装置1の組立装置300Aの構成である光学部材保持装置200Aをあわせて表示している。また、図4では、位置関係を示すために、実際には載置されていないフレーム2Aを、載置予定位置に表示している。また、そのフレーム2Aを、支持装置100Aに載置される向きに、すなわち、主走査方向を左右方向に向けた向きに表示している。さらに、理解を容易にするため、フレーム2Aの湾曲を強調している。
図4に示すように、支持装置100Aは、フレーム2Aを載置するための複数の支柱11-15と、支柱11-15のフレーム2Aに対する位置を調整する調整機構20と、を備える。
支柱11-15は、フレーム2Aが載置され、その載置されたフレーム2Aを支える部材である。支柱11-15は、荷重に耐えるため、直線的に延びる円柱の形状に形成されている。そして、支柱11-15は、その円柱軸を上下方向に向けている。また、支柱11-15の上端は、フレーム2Aの破損を防ぐため、丸められている。一方、支柱11-15の下端は、調整機構20によって支えられている。
なお、図4では、支柱11-15が5つだけ示されているが、支持装置100Aは、左右方向および前後方向、すなわちXおよびY方向にマトリックス状に配列された支柱11-15を備える。すなわち、図4では、X方向に支柱11-15が5つ配列しているが、支持装置100Aでは、これと同じ支柱11-15の列が、Y方向に複数列、配置されている。これにより、支柱11-15は、フレーム2Aが載置されたときに、フレーム2Aの下面全体を均等に支える。以下、理解を容易にするため、支持装置100Aは、支柱11-15を5つだけ備えるものとして説明する。
調整機構20は、フレーム2Aを本来の形状のままで支持するために、支柱11-15の上端を所望の高さに調整する機構である。調整機構20は、図4および図5に示すように、支柱11-15の上端の高さを変更するため、支柱11-15を上下方向に移動させる駆動部21-25と、支柱11-15の上端を所望の高さにするため、駆動部21-25の動作を制御する制御部30と、を備える。
駆動部21-25は、図4に示すように、支柱11-15の下端側に設けられている。また、駆動部21-25は、図示しないが、支柱11-15を上下方向へ案内する案内部を有する。そして、駆動部21-25は、案内部に案内された状態の支柱11-15を上下方向に移動させる。これにより、駆動部21-25は、支柱11-15の上端の位置を変更する。
これに対して、制御部30は、支柱11-15の上端を所望の位置に配置するため、駆動部21-25の動作量を制御する。
詳細には、制御部30は、図5に示すように、支柱11-15それぞれの移動方向、移動距離等の移動パラメータを入力するための入力部40と接続されている。ここで、入力部40は、タッチパネル、テンキー等で構成されている。その入力部40には、画像読取装置1の組立を行う作業者が予め測定しておいたフレーム2Aの湾曲のデータに基づいて、支柱11-15それぞれの移動パラメータが入力される。或いは、入力部40には、実際に支柱11-15の上端がフレーム2Aに当接したか否かを作業者が確認しながら、支柱11-15それぞれの移動パラメータが入力される。
制御部30は、その入力部40に入力された移動パラメータに基づいて、駆動部21-25の動作量を求める。制御部30は、求めた動作量を駆動部21-25それぞれに出力する。これにより、制御部30は、支柱11-15の上端を所望の位置に移動させる。支柱11-15の上端がフレーム2Aに当接する位置を調整することによって、制御部30は、支柱11-15に本来の形状を保ったままのフレーム2Aを支持させる。その結果、制御部30は、フレーム2Aの湾曲がさらに大きくなることを防ぐ。
なお、制御部30は、図6に示すように、CPU(Centtral Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32及びRAM(Random Access Memory)33を含むメモリとを含むマイクロコンピュータを備える。CPU31は、ROM32に記憶されたプログラムをRAM33に読み出して実行することにより、上記処理を行う。また、制御部30は、I/Oポート34を有し、そのI/Oポート34に上述した駆動部21-25、入力部40等が接続されている。
図4に戻って、支持装置100Aは、フレーム2Aと透明板3から画像読取装置1を組み立てる組立装置300Aに組み込まれている。
組立装置300Aは、支持装置100Aのほかに、光学部材保持装置200Aを備える。その光学部材保持装置200Aは、フレーム2Aに接着させる透明板3を吸着する吸着ヘッド210と、吸着ヘッド210を移動させて、吸着ヘッド210に吸着された透明板3を支持装置100Aに搬送する搬送装置220とを有する。
吸着ヘッド210は、平坦な下面を有する金属ブロックで形成されている。そして、吸着ヘッド210は、支持装置100Aの上方に配置されている。吸着ヘッド210の下面側には、図示しない搬送ロボットによって透明板3が供給される。
また、吸着ヘッド210の下面側には、図示しない吸着孔が形成されている。吸着ヘッド210は、その吸着孔の内部を真空にすることにより、供給された透明板3を吸着する。
一方、搬送装置220は、ボールねじ、ボールねじを回転させるモータ等の機器により、吸着ヘッド210を上下に移動させる。これにより、搬送装置220は、吸着ヘッド210に吸着された透明板3を支持装置100Aの支柱11-15上に搬送する。
搬送装置220は、上述した制御部30によって動作が制御される。また、上述した入力部40には、搬送装置220を上または下に移動させる移動方向と移動距離が入力可能である。制御部30は、作業者によって移動方向と移動距離が入力部40に入力された場合、それら移動方向と移動距離に基づいて搬送装置220を移動させる。搬送装置220は、入力部40に支柱11-15上に移動するための移動方向と移動距離が入力された場合に、吸着ヘッド210に吸着された透明板3を支柱11-15上に搬送する。このとき、フレーム2Aは、支柱11-15によって支持されているので、透明板3が押し付けられても、フレーム2Aの湾曲がさらに大きくなりにくい。
次に、図7A-図7Dを参照して、支持装置100Aを用いた画像読取装置1の組立方法について説明する。以下の説明では、支持装置100Aは、図4に示す支柱11-15を一定の長さに縮めた状態にあるものとする。すなわち、支柱11-15の上端を同じ高さにした状態にあるものとする。また、搬送装置220によって、吸着ヘッド210がフレーム2Aと透明板3をあわせた厚みよりも十分に大きい距離だけ支柱11-15よりも上に配置されているものとする。さらに、フレーム2Aには、上述した導光体5、レンズ6等の光学部品が組み込まれて収納されているものとする。
図7Aは、実施の形態1に係る画像読取装置1の組立方法で実施される、支持装置100Aを用いたフレームセット工程の工程図である。図7Bは、同組立方法で実施される接着層形成工程の工程図である。図7Cは、同組立方法で実施される接着工程の工程図である。図7Dは、同組立方法で組み立てられる半製品9Aの概念図である。
なお、図7A-図7Cでは、理解を容易にするため、制御部30、入力部40および、搬送装置220を省略している。
まず、図示しないが、作業者は、フレーム2Aの湾曲を予め測定し、その測定結果に基づいて、支持装置100Aの支柱11-15の上端の移動距離を求める。詳細には、作業者は、予め、フレーム2Aの、透明板3を接着する側と反対側の面の三次元立体形状を測定する。そして、作業者は、測定した三次元データに基づいて、支持装置100Aの支柱11-15を移動させる移動距離と移動方向等の移動パラメータを求める。
次に、作業者は、上述した入力部40を用いて、求めた移動パラメータだけ、支柱11-15を移動させる。これにより、支柱11-15上にフレーム2Aを載置したときに、支柱11-15それぞれがフレーム2Aに当接することができる状態にする。続いて、作業者は、図示しない搬送ロボットを用いて、支柱11-15上の定められた載置予定位置にフレーム2Aを載置する。これにより、図7Aに示すように、フレーム2Aが支柱11-15それぞれに支持された状態となる。
また、作業者は、図示しない搬送ロボットを用いて、光学部材保持装置200Aが備える吸着ヘッド210の下に透明板3を搬送し、搬送された透明板3を吸着ヘッド210に吸着させる。これにより、図7Aに示すように、接着対象の透明板3を光学部材保持装置200Aに保持させる。
次に、作業者は、フレーム2Aの、透明板3が配置される側の面に、すなわち透明板3を接着させる接着面に接着剤を塗布する。これにより、図7Bに示すように、フレーム2Aに接着層7を形成する。このとき、塗布した接着剤によって、フレーム2Aが湾曲することにより形成された凹みが満たされることが望ましい。
続いて、作業者は、入力部40を用いて吸着ヘッド210を下降させる。そして、図7Cに示すように、吸着ヘッド210に吸着された透明板3を接着層7に押し付ける。この押し付けでは、押し付け力を小さくするため、透明板3の下面が接着層7の上面に接触する位置に吸着ヘッド210を下降させることにより、透明板3の接着層7への押し付け量を小さくすることが望ましい。
このとき、フレーム2Aが支持装置100Aの支柱11-15によって支持されているので、透明板3が接着層7に押し付けられることにより、フレーム2Aに押し付けの力が加わったとしても、フレーム2Aが歪みにくい。その結果、フレーム2Aの湾曲がさらに大きくなることが防止される。
続いて、この状態で接着層7を硬化させる。例えば、紫外線硬化型接着剤で接着層7が形成されている場合、透明板3を介して接着層7に紫外線を照射する。また、熱硬化型接着剤で接着層7が形成されている場合、透明板3、接着層7およびフレーム2Aの全体を加熱する。
接着層7が硬化すると、透明板3がフレーム2Aに接着される。これにより、図7Dに示す透明板3とフレーム2Aを備える画像読取装置1の半製品9Aが完成する。この半製品9Aでは、透明板3が平坦面を有する吸着ヘッド210によって保持されていたため、透明板3が平らである。また、接着層7が隙間Gを塞いでいるため、透明板3が変形しにくい。その結果、この半製品9Aから組み立てられた画像読取装置1では、解像度が低下しにくい。
半製品9Aが完成すると、図示しないが、作業者は、光学部材保持装置200Aに吸着ヘッド210の吸着を解除させ、入力部40を用いて、吸着ヘッド210を上昇させる。そして、支持装置100Aから完成した半製品9Aを取り出す。その後、半製品9Aにセンサ基板4を取り付ける。これにより、画像読取装置1が完成する。
なお、上述した支柱11-15は、本明細書でいうところの支持体の一例である。また、透明板3とセンサ基板4は、本明細書でいうところの光学部材の一例である。画像読取装置1は、本明細書でいうところの光学装置の一例である。
以上のように、実施の形態1に係る支持装置100Aでは、支柱11-15の上端がそれぞれの位置に応じた高さに調整されるので、支柱11-15の上端がフレーム2Aの形状に沿った位置でフレーム2Aに当接することができる。このため、支持装置100Aは、フレーム2Aを本来の形状を保った状態で支持することができる。その結果、フレーム2Aが歪みにくい。
また、支持装置100Aでは、接着時に透明板3に押し付けられても、フレーム2Aが本来の形状を保つことができるので、接着時にフレーム2Aがさらに湾曲することを防ぐことができる。
(変形例)
なお、実施の形態1では、支持装置100Aがフレーム2Bに透明板3を接着する透明板接着工程で用いられているが、支持装置100Aは、フレーム2Bにセンサ基板4を接着するセンサ基板接着工程で用いられてもよい。
図8は、支持装置100Aの変形例を用いたセンサ基板接着工程の工程図である。図9は、支持装置100Aの変形例を用いて組み立てられる半製品9Bの概念図である。なお、図8では、理解を容易にするため、制御部30、入力部40および、組立装置300Bの光学部材保持装置200Bが備える搬送装置220を省略している。
図8に示すように、支持装置100Bは、フレーム2Bにセンサ基板4を接着するセンサ基板接着工程で、フレーム2Bを支持してもよい。吸着ヘッド210がセンサ基板4の下面を吸着することにより、光学部材保持装置200Bがセンサ基板4を下から保持する場合、支持装置100Bは、そのセンサ基板4にフレーム2Bを対向させるため、光学部材保持装置200Bの上に配置されるとよい。また、支持装置100Bは、フレーム2Bの上面側を保持するとよい。
この場合、図示しないが、支持装置100Bは、支柱11-15の下端に吸着孔が設けられ、その吸着孔の内部を真空にすることにより、フレーム2Bを吸着するとよい。そして、支持装置100Bは、吸着したフレーム2Bを、センサ基板4上に接着剤が塗布されることにより、センサ基板4上に形成された接着層7に押し付けるとよい。さらに、その状態で、接着層7を硬化させるとよい。これにより、フレーム2Bにセンサ基板4が接着された、図9に示す半製品9Bを組み立てることができる。
このような形態でも、支持装置100Bの支柱11-15が、フレーム2Bの、センサ基板4を接着する接着面と反対側を支持するので、実施の形態1に係る支持装置100Aと同様に、フレーム2Bが歪みにくい。その結果、フレーム2Bの湾曲がさらに大きくなることが防止される。
(実施の形態2)
実施の形態1に係る支持装置100A、100Bでは、作業者が予め支柱11-15の移動距離を求めておき、或いは、支柱11-15がフレーム2A、2Bに接触したか否かを作業者が確認しながら、支柱11-15を移動させている。しかし、支持装置100A、100Bは、これに限定されない。支持装置100A、100Bは、支柱11-15がフレーム2A、2Bに接触したか否かを検出する接触検出部を備え、接触検出部の検出結果に基づいて、支柱11-15を移動させてもよい。
実施の形態2に係る支持装置100Cは、その接触検出部として機能する導通検出部50を備える。以下、図10及び図11を参照して、実施の形態2に係る支持装置100Cについて説明する。実施の形態2では、実施の形態1と異なる構成について説明する。
図10は、実施の形態2に係る支持装置100Cのブロック図である。図11は、実施の形態2に係る支持装置100Cが備える導通検出部50の概念図である。
なお、図11では、フレーム2Cが載置予定位置まで搬送された状態を示している。また、理解を容易にするため、入力部40、組立装置300Cが備える光学部材保持装置200C等を省略している。
図10に示すように、支持装置100Cは、検出結果を制御部30に出力する導通検出部50を備える。
図11に示すように、導通検出部50は、支柱11-15上端それぞれが移動してフレーム2Cに接触したかを検出するため、支柱11-15それぞれの上端とフレーム2Cとの導通を検出する。
詳細には、支柱11-15それぞれの上端には、抵抗器52を介して電圧が印加された上端電極51が設けられている。そして、支柱11-15自体は、絶縁材料で形成されている。これにより、上端電極51が駆動部21-25の他の部品と電気的に絶縁されている。
これに対して、フレーム2Cは、導電性材料で形成されている。詳細には、フレーム2Cは、板金がプレス加工されることにより形成されている。その結果、フレーム2Cは、高い電気伝導性率を有する。
また、支持装置100Cを備える組立装置300Cには、このフレーム2Cを把持して搬送する把持装置53が設けられている。把持装置53は、フレームと同様に導電性材料で形成されており、電気伝導率が高い。そして、接地されている。把持装置53は、フレーム2Cを把持して支柱11-15上の載置予定位置まで搬送する。把持装置53は、フレーム2Cを把持している間、フレーム2Cと電気的に接触する。その結果、把持装置53は、フレーム2Cを接地する。ここで接地とは、地面と電位を等しくすることをいう。
導通検出部50は、支柱11-15それぞれの、上述した上端電極51と電気的に接続されている。そして、導通検出部50は、上端電極51それぞれの電位を測定する。上述したように、フレーム2Cは、把持装置53によって把持されている間、接地されている。このため、支柱11-15が移動することにより、上端電極51がフレーム2Cに接触すると、上端電極51の電位が変動する。導通検出部50は、この電位の変動を検出することにより、支柱11-15それぞれの上端電極51とフレーム2Cの導通を検出する。導通検出部50は、支柱11-15のいずれかの上端電極51とフレーム2Cが導通したことを検出すると、その導通が検出された支柱11-15がフレーム2Cに接触したものと判定する。そして、導通検出部50は、接触信号を接触した支柱11-15の支柱番号に対応付けて制御部30に送信する。
制御部30は、駆動部21-25それぞれを駆動して支柱11-15それぞれを上方へ移動させる。これにより、制御部30は、支柱11-15上端それぞれをフレーム2C側へ移動させる。このとき、制御部30は、接触信号および支柱番号を受信すると、その支柱番号に対応する支柱11-15を移動させる、図10に示す駆動部21-25を停止させる。これにより、フレーム2Cに接触した支柱11-15の移動を停止させる。その結果、制御部30は、支柱11-15がフレーム2Cを押し上げて歪ませてしまうことを防ぐ。
制御部30は、すべての支柱11-15について接触信号および支柱番号を受信して、支柱11-15の移動を停止させることにより、フレーム2Cを本来の形状のまま、支柱11-15に支持させる。
なお、制御部30は、フレーム2Cに応力がかかりにくくするため、すべての支柱11-15について接触信号および支柱番号を受信して、それら支柱11-15の移動を停止させたときに、把持装置53の把持を停止させてフレーム2Cを解放してもよい。これにより、フレーム2Cが変形する要因を可能な限り排除してもよい。
以上のように、実施の形態2に係る支持装置100Cでは、支柱11-15とフレーム2Cの導通を検出することにより、支柱11-15がフレーム2Cに接触したことを検出する導通検出部50を備えるので、支柱11-15がフレーム2Cに接触したときに支柱11-15の移動を停止させて、支柱11-15がフレーム2Cを押し上げて歪ませてしまうことを防ぐことができる。
(変形例)
なお、実施の形態2に係る支持装置100Cは、支柱11-15のフレーム2Cへの接触を検出する接触検出部を備えていればよい。実施の形態2で説明した導通検出部50は、この接触検出部の一例であるが、この接触検出部は導通検出部50に限定されない。
図12は、実施の形態2に係る支持装置100Cが備える導通検出部50の変形例の概念図である。図13は、導通検出部50の別の変形例の概念図である。図14は、導通検出部50のさらに別の変形例の概念図である。
なお、図12-図14では、フレーム2Cが載置予定位置まで搬送された状態を示している。また、理解を容易にするため、入力部40、光学部材保持装置200C等を省略している。
図12に示すように、支持装置100Cは、接触検出部として機能する光電センサ54を備えていてもよい。この場合、例えば、実施の形態2で説明した把持装置53に光電センサ54と光源55を設けるとよい。光電センサ54と光源55は、把持装置53がフレーム2Cを把持したときのフレーム2Cの下面に支柱11-15の上端が接触したときの、その支柱11-15の上端を挟み込む位置関係に配置されるとよい。そして、光電センサ54は、フレーム2Cの下面に接触する支柱11-15の上端を検出するとよい。そして、制御部30は、光電センサ54の出力値の変動に基づいて支柱11-15上端のフレーム2Cへの接触を判定するとよい。
また、図13に示すように、支持装置100Cは、接触検出部として機能するマイクロスイッチ56を備えていてもよい。この場合、マイクロスイッチ56は、支柱11-15の上端に設けるとよい。ここで、マイクロスイッチとは、接触により接点が切り替わる小型のスイッチのことである。そして、制御部30にマイクロスイッチ56の出力が入力され、制御部30が、マイクロスイッチ56の出力に基づいて支柱11-15の上端のフレーム2Cへの接触を判定するとよい。
図14に示すように、支持装置100Cは、接触検出部として機能する画像処理部57を備えていてもよい。この場合、フレーム2Cの搬送先である、支柱11-15上の載置予定位置をカメラ58で撮像するとよい。詳細には、カメラ58は、その載置予定位置と同じ高さに設置され、さらに、カメラ58のレンズをその載置予定位置に向けるとよい。そして、カメラ58で載置予定位置に搬送されたフレーム2Cの下面と支柱11-15の上端との隙間を撮像するとよい。画像処理部57は、カメラ58で撮像した画像を処理し、支柱11-15の上端とフレーム2Cとの間に隙間があるか否かを判定するとよい。制御部30は、画像処理部57の判定結果から支柱11-15上端のフレーム2Cへの接触を判定するとよい。
図12-図14のいずれの変形例でも、支柱11-15がフレーム2Cに接触したことを検出できるので、支柱11-15がフレーム2Cに接触したときに支柱11-15の移動を停止させることにより、支柱11-15がフレーム2Cを押し上げて歪ませてしまうことを防ぐことができる。
(実施の形態3)
実施の形態2に係る支持装置100Cでは、導通検出部50の出力に基づいて制御部30が支柱11-15の移動を停止させている。しかし、支持装置100Cでは、制御部30が支柱11-15の移動を停止させる信号を出力してから実際に支柱11-15が停止するまで、ある程度の距離、支柱11-15が移動してしまうことがある。その結果、フレーム2Cが支柱11-15に押されて、フレーム2Cが変形するおそれがある。
また、支柱11-15のうちの3つだけでフレーム2Cを支持するのであれば、支柱11-15の停止位置がずれた場合でも、支柱11-15のうちの3つの上端、つまり3点でフレーム2Cを支持するので、フレーム2Cの荷重を支柱11-15に分散させてフレーム2Cを歪みにくくするにはあまり影響がない。しかし、4つ以上の支柱11-15でフレーム2Cを支持する場合、支柱11-15の停止位置がずれると、支柱11-15のうちの3つの上端の3点でだけでフレーム2Cを支持してしまう状態が発生してしまい、支柱11-15を4つ以上設けたことが無駄となってしまう。そして、支柱11-15を4つ以上設けることにより、フレーム2Cの荷重をできるだけ分散させてフレーム2Cの歪みをできるだけ小さくすることができなくなってしまう。
このような課題を解決するため、支持装置100Cは、支柱11-15がフレーム2Cに近接したことを検出する近接検出部を備え、その近接検出部の検出結果に基づいて支柱11-15の動作を制御するとよい。
実施の形態3に係る支持装置100Dは、その近接センサを備える装置である。以下、図15及び図16を参照して、実施の形態3に係る支持装置100Dについて説明する。実施の形態3では、実施の形態1および2と異なる構成について説明する。
図15は、実施の形態3に係る支持装置100Dのブロック図である。図16は、実施の形態3に係る支持装置100Dが備える近接センサ60の概念図である。
なお、図16では、フレーム2Dが載置予定位置まで搬送された状態を示している。また、理解を容易にするため、入力部40、組立装置300Dが備える光学部材保持装置200D等を省略している。
図15に示すように、支持装置100Dは、フレーム2Dの近接を制御部30に出力する近接センサ60を備える。
図16に示すように、近接センサ60は、フレーム2Dとの衝突を防ぐため、支柱11-15それぞれの上端部側面に設けられている。そして、近接センサ60は、支柱11-15が移動して、それら上端をフレーム2Dへ向かって移動させるときの、フレーム2Dの接近を検出する。詳細には、フレーム2Dまでの距離Dが一定値未満になったときに、フレーム2Dの接近を検出する。
ここで、上記の、接近の検出基準である一定値は、制御部30が支柱11-15の移動を停止させる信号を出力してから支柱11-15が実際に停止するまでに移動してしまう距離と支柱11-15の上端から近接センサ60までの距離との和よりも大きいことが望ましい。また、この和と上記一定値との差は、フレーム2Dの許容できる高さ方向への変形量よりも小さいことが望ましい。
制御部30は、フレーム2D下面が接近したことを近接センサ60が検出した場合、支柱11-15の移動を停止させる。これにより、制御部30は、支柱11-15が目標とする停止位置からずれたとしても、そのときのフレーム2Dの変形を許容範囲内に収める。
以上のように、実施の形態3に係る支持装置100Dは、支柱11-15の上端がフレーム2Dに接近したことを検出する近接センサ60を備えるので、支柱11-15の上端がフレーム2Dに接近したことを近接センサ60が検出したときに、支柱11-15の移動を停止させることにより、支柱11-15の上端がフレーム2Dに接触しなかったり逆に過剰に接触してフレーム2Dを押し上げたりすることを防ぐことができる。
すなわち、支持装置100Dは、より正確な位置に支柱11-15の上端を位置させて、フレーム2Dを歪みにくくすることができる。その結果、フレーム2Dがより湾曲することを防ぐことができる。
(変形例)
なお、実施の形態3に係る支持装置100Dは、支柱11-15の上端がフレーム2Dに接近したことを検出する近接検出部を備えていればよい。実施の形態3で説明した近接センサ60は、この近接検出部の一例であるが、この近接検出部は近接センサ60に限定されない。
例えば、支持装置100Dは、実施の形態2の変形例で説明した画像処理部57とカメラ58を備えていてもよい。そして、画像処理部57がカメラ58で撮像した画像を処理して、支柱11-15の上端からフレーム2Dまでの距離が接近しているか否かを判定してもよい。制御部30は、画像処理部57の判定結果から支柱11-15の移動を停止させるとよい。
このような形態でも、画像処理部57が、支柱11-15の上端のフレーム2Dへの接近を検出することができる。そして、制御部30が、その検出結果に基づいて支柱11-15の移動を停止させることにより、支柱11-15の上端がフレーム2Dに接触しなかったり逆に過剰に接触してフレーム2Dを押し上げたりすることを防ぐことができる。
(実施の形態4)
実施の形態3に係る支持装置100Dでは、近接センサ60が支柱11-15の上端がフレーム2Dに接近したことを検出した場合に、制御部30が支柱11-15の移動を停止することにより、支柱11-15の上端がフレーム2Dに接触しなかったり逆に過剰に接触してフレーム2Dを押し上げたりすることを防いでいる。換言すると、制御部30の停止指令から支柱11-15が停止するまでのタイムラグによるフレーム2Dの湾曲を防いでいる。しかし、支持装置100Dはこれに限定されない。支持装置100Dは、支柱11-15の上端からフレーム2Dの下面までの変位を検出する変位センサを備えていてもよい。
実施の形態4に係る支持装置100Eは、その変位センサを備える装置である。以下、図17及び図18を参照して、実施の形態4に係る支持装置100Eについて説明する。実施の形態4では、実施の形態1-3と異なる構成について説明する。
図17は、実施の形態4に係る支持装置100Eのブロック図である。図18は、実施の形態4に係る支持装置100Eが備える変位センサ70の概念図である。
なお、図18では、フレーム2Eが載置予定位置まで搬送された状態を示している。また、理解を容易にするため、入力部40、組立装置300Eが備える光学部材保持装置200E等を省略している。
図17に示すように、支持装置100Eは、検出した変位を制御部30に出力する変位センサ70を備える。
図18に示すように、変位センサ70は、フレーム2Eとの干渉を防ぐため、支柱11-15それぞれの中間部側面に設けられている。これにより、変位センサ70は、支柱11-15それぞれが移動すると、支柱11-15とともに移動する。変位センサ70は、把持装置53によって把持され、載置予定位置にあるフレーム2Eに向かって支柱11-15それぞれが移動する場合に、そのフレーム2Eとの距離D1を測定する。変位センサ70は、測定した距離D1のデータを制御部30に送信する。
制御部30は、変位センサ70から距離D1のデータを受信すると、その距離D1のデータに基づいて、支柱11-15それぞれの上端からフレーム2Eまでの距離D2を求める。詳細には、支柱11-15それぞれの上端から変位センサ70までの距離D3のデータを記憶部71に記憶させておき、制御部30が記憶部71から距離D3のデータを読み出し、読み出した距離D3のデータと変位センサ70から受信した距離D1のデータから、上記の距離D2を求める。制御部30は、求めた距離D2から図17に示す駆動部21-25の駆動量を求める。このとき、予め実験により求めた、制御部30の停止指令から支柱11-15が停止するまでのタイムラグによって支柱11-15それぞれが移動する距離だけ、駆動量を小さくするとよい。
制御部30は、求めた駆動量で駆動部21-25を駆動する。これにより、制御部30は、支柱11-15それぞれの上端をフレーム2Eにより正確に当接させる。その結果、制御部30は、フレーム2Eが支柱11-15それぞれの上端に押されて歪むことを防ぐ。
以上のように、実施の形態4に係る支持装置100Eでは、変位センサ70が測定した距離D1に基づいて、支柱11-15を移動させるので、支柱11-15の上端をフレーム2Eに正確に当接させることができる。その結果、支柱11-15の上端がフレーム2Dに接触しなかったり逆に過剰に接触してフレーム2Dを押し上げたりすることを防ぐことができる。
なお、変位センサ70は、支柱11-15に設けられているが、駆動部21-25が固定されている、図18に示すベース26に設けられてもよい。その場合、支柱11-15が原点を基準に移動するとした場合の、その原点から変位センサ70までの上下方向の距離が、記憶部71に予め記憶されているとよい。そして、制御部30は、その原点から変位センサ70までの上下方向の距離を記憶部71から読み出し、読み出した距離と、変位センサ70が測定した、変位センサ70からフレーム2Eまでの距離D1とに基づいて、駆動部21-25の駆動量を求めるとよい。これにより、制御部30が支柱11-15の上端をフレーム2Eに正確に当接させるとよい。
(変形例)
また、実施の形態4に係る支持装置100Eは、支柱11-15それぞれの上端からフレーム2Eまでの距離、すなわち変位を検出する変位検出部を備えていればよい。実施の形態4で説明した変位センサ70は、この変位検出部の一例であるが、この変位検出部は、上記の変位センサ70に限定されない。
例えば、支持装置100Eは、実施の形態2の変形例で説明した画像処理部57とカメラ58を備えていてもよい。その画像処理部57がカメラ58で撮像した画像を処理して、支柱11-15それぞれの上端からフレーム2Eまでの距離を求めてもよい。予め記憶部71にカメラ58で撮像した画像での画像内距離と、その画像内距離に対する実際の距離とを対応付けた校正データを格納しておき、画像処理部57は、その校正データを用いて、支柱11-15それぞれの上端からフレーム2Eまでの距離を求めてもよい。
このような形態でも、支柱11-15それぞれの上端をフレーム2Eに正確に当接させることができ、フレーム2Eが歪むことを防ぐことができる。
(実施の形態5)
実施の形態1-4に係る支持装置100A-100Eは、支柱11-15を上下方向に移動させる駆動部21-25と、駆動部21-25の動作を制御する制御部30と、が設けられた調整機構20を備える。支持装置100A-100Eは、要するに、支柱11-15の上端の高さを能動的に調整する調整機構20を備える。しかし、支持装置100A-100Eはこれに限定されない。支持装置100A-100Eは、支柱11-15の上端の高さを受動的に調整する調整機構20を備えてもよい。
実施の形態5に係る支持装置100Fは、フレーム2Fの荷重に応じて支柱11-15の位置が変化することにより、支柱11-15の上端の高さを受動的に調整する調整機構90を備える。以下、図19を参照して、実施の形態5に係る支持装置100Fについて説明する。実施の形態5では、実施の形態1-4と異なる構成について説明する。
図19は、実施の形態5に係る支持装置100Fの断面図である。なお、図19では、理解を容易にするため、組立装置300Fが備える光学部材保持装置を省略している。
図19に示すように、支持装置100Fが備える調整機構90は、支柱81-85を上下方向へ移動可能に保持する保持器91A-95Aと、支柱81-85の下端を支え、支柱81-85が上下方向へ移動することにより弾性変形する圧縮コイルばね91B-95Bと、支柱81-85の上下方向への移動を阻止するため、支柱81-85を固定する固定機構91C-95Cと、を有する。
保持器91A-95Aは、上端が開放され、円筒軸が上下方向に延びる円筒形状に形成されている。その円筒の内径は、支柱81-85の外径と同じまたは大きい。そして、保持器91A-95Aの円筒内空間には、支柱81-85が挿入されている。これにより、保持器91A-95Aは、支柱81-85を上下方向へ移動可能に保持している。その支柱81-85の下端は、圧縮コイルばね91B-95Bによって支えられている。
圧縮コイルばね91B-95Bは、保持器91A-95Aの内径よりも小さいコイル部を有する。そして、圧縮コイルばね91B-95Bは、保持器91A-95Aの円筒内空間に収容されている。また、圧縮コイルばね91B-95Bの上には、支柱81-85が配置されている。圧縮コイルばね91B-95Bは、支柱81-85の自重によって、弾性変形し、その結果、自然長よりも圧縮されている。また、圧縮コイルばね91B-95Bは、支柱81-85が下方へ押されると、さらに弾性変形して圧縮され、支柱81-85の位置変化に追従する。
一方、保持器91A-95Aの円筒壁には、上述した固定機構91C-95Cが設けられている。
固定機構91C-95Cは、保持器91A-95Aの円筒壁に形成された対向する2つの貫通孔それぞれに差し込まれた挟持部P、Qを有する。固定機構91C-95Cでは、挟持部P、Qの差し込み量を調整することにより、挟持部P、Qが支柱81-85の、保持器91A-95Aの円筒空間内にある側面部を挟持する状態と、その側面部を挟持しないで解放した状態とに切換可能である。固定機構91C-95Cは、支柱81-85の上端が所望の高さにあるときに挟持部P、Qの差し込み量が調整されることにより、挟持部P、Qに支柱81-85の側面部を挟持させて、支柱81-85を固定する。
支持装置100Fは、このような構成の調整機構90を備えることにより、支柱11-15の上端の高さを受動的に調整する。続いて、その支柱11-15の上端の調整方法について説明する。以下の説明では、固定機構91C-95Cは、挟持部P、Qそれぞれが支柱81-85の側面部を挟持せず解放する状態に切り換えられているものとする。
まず、支柱81-85には、作業者、ロボット等によってフレーム2Fが載置される。支柱81-85は、上述したように、保持器91A-95Aに上下方向へ移動可能に保持されている。また、支柱81-85の下端は、圧縮コイルばね91B-95Bによって支えられている。このため、フレーム2Fが載置されると、支柱81-85は、フレーム2Fの荷重によって圧縮コイルばね91B-95Bを弾性変形させながら下へ移動する。
続いて、圧縮コイルばね91B-95Bの弾性力とフレーム2Fの荷重がつりあうと支柱81-85が自動的に停止する。
この状態で、作業者が固定機構91C-95Cそれぞれに設けられた挟持部P、Qの保持器91A-95Aへの差し込み量を調整する。そして、挟持部P、Qが支柱81-85を挟持する状態に固定機構91C-95Cを切り換える。これにより、固定機構91C-95Cが支柱81-85を固定する。
上述した圧縮コイルばね91B-95Bの弾性力とフレーム2Fの荷重がつりあった状態では、支柱81-85の上端は、フレーム2Fの下面に沿った位置にある。換言すると、支柱81-85は、フレーム2Fを本来の形状のままで支持している。この状態で、支柱81-85が固定されるので、支持装置100Fは、フレーム2Fを本来の形状のままで支持する状態を保つ。その結果、支持装置100Fは、フレーム2Fがさらに歪んでしまい、さらに湾曲することを防ぐことができる。
以上のように、実施の形態5に係る支持装置100Fは、支柱11-15の上端の高さを受動的に調整する調整機構90を備える。このため、支持装置100Fは、駆動部21-25と制御部30を備える必要がない。その結果、構成が簡易である。
(変形例)
なお、実施の形態5に係る支持装置100Fは、支柱11-15それぞれに設けられ、支柱11-15がフレーム2Fに当接することにより、弾性変形する弾性体を備えているものであればよい。実施の形態5で説明した圧縮コイルばね91B-95Bは、この弾性体の一例であるが、この弾性体は、圧縮コイルばね91B-95Bに限定されない。弾性体は、圧縮コイルばね91B-95Bのほか、ゴム部材、油圧シリンダー等であってもよい。
以上、本開示の実施の形態1-5に係る支持装置100A-100Fおよび組立装置300A-300Fについて説明したが、支持装置100A-100Fおよび組立装置300A-300Fはこれに限定されない。
例えば、実施の形態1-5では、フレーム2A-2Fが下に湾曲しているが、支持装置100A-100Fおよび組立装置300A-300Fでは、フレーム2A-2Fの形状は任意である。フレーム2A-2Fは、接着面と反対の面の側から支柱11-15が当接して支柱11-15が支持するものであればよい。例えば、フレーム2A-2Fは上に湾曲してもよい。また、フレーム2A-2Fは上または下に突出する凸状であってもよい。別の観点から説明すると、フレーム2A-2Fは、上述した熱収縮以外の要因で歪んでいてもよい。また、フレーム2A-2Fは、設計どおりの形状で歪んでいなくてもよい。このような形状であっても、支持装置100A-100Fは、フレーム2A-2Fを支持するときに、フレーム2A-2Fが歪むことを防ぐことができる。
実施の形態1-5では、支持装置100A-100Fが円柱状の支柱11-15を備えるが、支持装置100A-100Fはこれに限定されない。支柱11-15は、接着対象の光学部材が配置される接着面と反対の面の側からフレーム2A-2Fを当接してフレーム2A-2Fを支持する支持体であれば良い。例えば、支柱11-15は、角柱状であってもよい。また、支柱11-15は、中実だけでなく、中空であってもよい。つまり、筒状であってもよい。支柱11-15は、柱状以外であれば、円錐、多角錘状であってもよい。
実施の形態1-5では、支持装置100A-100Fが5つの支柱11-15の列を備えている。しかし、支持装置100A-100Fはこれに限定されない。支持装置100A-100Fでは、支柱11-15の数は任意である。
支柱11-15は、少なくとも1つあればよい。詳細には、例えば、把持装置53がフレーム2A-2Fを把持している場合に、支柱13、一つだけでも、本来の形状を保った状態のままで、フレーム2A-2Fを支持することができる。このことからわかるように、支柱11-15は少なくとも1つあればよい。
また、支柱11-15は、望ましくは、複数であり、より望ましくは、少なくとも3つ以上である。この場合、調整機構20、90は、支柱11-15それぞれを接着面がある方向へ、またはその反対の方向へ移動させることにより、支柱11-15それぞれの位置を調整して支柱11-15それぞれをフレーム2A-2Fの形状に沿った位置でフレーム2A-2Fに当接させるとよい。また、駆動部21-25は、支柱11-15それぞれを駆動するため、支柱11-15と同数設けられるとよい。
実施の形態2-4では、支持装置100C、100D、100Eそれぞれが、導通検出部50、近接センサ60、変位センサ70それぞれを備えている。しかし、支持装置100A-100Fはこれに限定されない。支持装置100A-100Fは、導通検出部50、近接センサ60、変位センサ70のうちの少なくとも1つを備えているとよい。そして、導通検出部50、近接センサ60、変位センサ70のうちの少なくとも1つの出力に基づいて制御部30が駆動部21-25の動作を制御してもよい。また、導通検出部50、近接センサ60、変位センサ70それぞれは、接触検出部、近接検出部、変位検出部として機能するが、支持装置100A-100Fは、接触検出部、近接検出部、変位検出部のいずれか1つ以上を備え、そのいずれか1つ以上の出力に基づいて制御部30が駆動部21-25の動作を制御するとよい。