JP7461151B2 - 外観検査装置 - Google Patents

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Description

この発明は、生産ライン等で製造される被作業体であるワーク等、例えば、樹脂成型部品のキズ、変形、変質、欠落、異物混入等の有無または表面状態等の確認、寸法測定等を行う外観検査装置に関する。
特許文献1では、直交3軸方向に移動する軸ロボットの先端に回転3自由度の回転機構を搭載し、回転機構に光切断プローブを搭載して光切断プローブを任意の角度に制御し、パターン光の像の撮像信号から取得した画像データを用いて形状測定を行う形状測定装置が提案されている。
特許文献2では、垂直多関節ロボットの先端に被作業体を搭載して、固定したカメラと照明の前に被作業体を位置決めして外観検査を行う物品検査方法が提案されている。
特許文献3では、複数台のカメラと照明を配置した外観検査装置が提案されている。
特開2013-64644号公報 特開2017-26441号公報 特許第3583450号公報
従来から、カメラを直交ステージによりXY平面上でXY軸方向に移動させて、被作業体を上方から検査する外観検査装置がある。この外観検査装置において、被作業体の種類によっては照明の種類または照明を当てる方向によって見えやすさが変わるケースがあり、照明とカメラの配置は検査結果に影響を与える大きな要因となる。照明とカメラの最適な配置を決めるには、例えば、被作業体に対して照明を一定方向から当てた上で、カメラを様々な位置、方向から撮影し、事前に欠陥の判別が可能な画像を探し出す必要がある。そのためには、特許文献1、2に提案されているような、カメラおよび被作業体を様々な角度に位置決めする機構が求められる。
しかし、特許文献1のような、一般的な垂直多関節ロボットの手首関節と同じ構成である回転機構を用いた外観検査装置では、被作業体に対して様々な位置・方向から撮影するために先端の姿勢を少し変更させる場合だけでも、回転機構の一部もしくは全体が大きく動いてしまい、動作速度が遅くなるといった課題があった。または特許文献2の垂直多関節ロボットを使用した外観検査装置では、被作業体に対して様々な位置・方向から撮影するために先端の姿勢を少し変更させる場合だけでも、先端の回転機構もしくは垂直多関節ロボットの一部もしくは全体が大きく動いてしまい、動作速度が遅くといった課題があった。さらに、特許文献1もしくは特許文献2のような外観検査装置では、カメラの視野内に被作業体を様々な姿勢で配置するためには、被作業体もしくはカメラ、照明を大きく移動させる必要があり、外観検査装置全体が大きくなるといった課題があった。
また、特許文献3のような複数台のカメラと照明を配置した外観検査装置では、検査ポイント数が増えるたびに配置するカメラおよび照明の個数を増やす必要がある。そのため、装置全体のコストが高くなるだけでなく、型番変更時等の段取り替え時には配置したカメラおよび照明の位置を調整しなければいけないため、段取りに時間がかかるといった課題があった。
この発明の目的は、装置サイズがコンパクトで、被作業体に対して様々な角度からカメラによる検査対象の撮影を高速に実現できる外観検査装置を提供することである。
この発明の外観検査装置は、被作業体に対しリンク作動装置により相対的にカメラおよび照明具を位置決めして前記被作業体の外観検査を行う外観検査装置であって、
前記リンク作動装置は、基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結され、前記各リンク機構が、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有し、前記3組以上のリンク機構のうちの2組以上のリンク機構に、前記基端側のリンクハブに対する前記先端側のリンクハブの姿勢を任意に変更させる姿勢制御用アクチュエータが設けられ、
前記基端側のリンクハブに前記カメラと前記照明具が設置され、
前記リンク作動装置は、前記先端側のリンクハブによって、前記被作業体を前記リンク作動装置の前記3組以上のリンク機構で囲まれる内部空間で前記カメラおよび前記照明具に対して位置決め可能である。
この構成によると、基端側のリンクハブにカメラおよび照明具が設置され、先端側のリンクハブによって、被作業体をリンク作動装置の内部空間でカメラおよび照明具に対して位置決め可能であるため、被作業体を大きく移動させることなく、被作業体に対して最大で半球面方向からカメラ、照明具を相対的に位置決めできる。したがって、非常にコンパクトな構成で外観検査装置を構築でき、従来の垂直多関節ロボットに比べて、被作業体に対して様々な角度からカメラによる検査対象の撮影を高速に実現できる。被作業体が、例えば、立方体または直方体の場合、立方体または直方体の5面に対して外観検査を実施できる。
前記リンク作動装置は、前記基端側のリンクハブの中心軸と前記先端側のリンクハブの中心軸との折れ角の最大値である最大折れ角をθmax、基端側の球面リンク中心と先端側の球面リンク中心との間の距離である球面リンク中心間距離をL、前記中央リンク部材の内側端の軌道円の直径をDとした場合、次式の関係が成り立つようにしてもよい。
Figure 0007461151000001
前記構成のリンク作動装置では、中央リンク部材は、リンク作動装置の姿勢が変わっても、常に先端側の球面リンク中心と基端側の球面リンク中心とを結ぶ直線を中心に同じ直径の軌道円上を動く。前記リンク作動装置の姿勢が変わるとは、基端側のリンクハブに対する先端側のリンクハブの姿勢が変化することを意味する。
上記式の関係が成り立つリンク作動装置を使用すると、中央リンク部材の内側端が基端側のリンクハブの中心軸と先端側のリンクハブの中心軸との交点と交差しない。このため、前記交点と交差する位置に被作業体を配置しても、中央リンク部材と被作業体が接触しにくくなり、リンク作動装置が広い可動範囲をとれるようになる。
なお前記「中央リンク部材の内側端」とは、中央リンク部材における旋回軌道の中心に最も近い部位を言う。
前記カメラの視野の短辺をA、前記基端側のリンクハブの中心軸と前記先端側のリンクハブの中心軸との折れ角の最大値である最大折れ角をθmax、基端側の球面リンク中心と先端側の球面リンク中心との間の距離である球面リンク中心間距離をLとした場合、次式の関係が成り立つ前記カメラを使用してもよい。
Figure 0007461151000002
Figure 0007461151000003
前記カメラの被写界深度をF、前記基端側のリンクハブの中心軸と前記先端側のリンクハブの中心軸との折れ角の最大値である最大折れ角をθmax、基端側の球面リンク中心と先端側の球面リンク中心との間の距離である球面リンク中心間距離をLとした場合、次式の関係が成り立つ前記カメラを使用してもよい。
Figure 0007461151000004
Figure 0007461151000005
前記基端側のリンクハブに、前記カメラの少なくとも一部または前記照明具の少なくとも一部を貫通させる貫通孔が設けられていてもよい。基端側のリンクハブに貫通孔を設けた場合、カメラの少なくとも一部または照明具の少なくとも一部を貫通孔に貫通させて設置できる。このため、カメラまたは照明具を配置し易くなるだけでなく、それらのケーブルを貫通孔から外部空間に取り出すことができる。
前記先端側のリンクハブに貫通孔が設けられ、前記被作業体を前記貫通孔を通して前記内部空間に搬入し、前記被作業体を前記内部空間から前記貫通孔を通して搬出する搬送装置を備え、この搬送装置が前記先端側のリンクハブに設けられていてもよい。この場合、搬送装置を用いて被作業体をリンク作動装置の内部空間に入れて外観検査を実施する。このため、被作業体の搬送工程の中にリンク作動装置を設置するだけで被作業体の外観検査も実施できるようになり、生産工程を大幅に変更することなく外観検査工程を追加することができる。そのため、設備全体のより一層のコンパクト化およびコスト低減を図れる。
前記搬送装置は、前記被作業体を把持する把持部を含む把持機構と、前記把持部の向きを変更する把持部方向変更機構とを有するとよい。この場合、把持部方向変更機構により、リンク作動装置の外部空間方向と内部空間方向に把持部の向きを変更できるため、外部空間での被作業体の把持作業と、内部空間での被作業体の位置決め作業を両方実施することができる。把持機構に把持部方向変更機構を設けるだけで複数の作業を実施できるため、外観検査装置全体のコンパクト化を実現できる。
前記搬送装置は、前記基端側のリンクハブに対する前記先端側のリンクハブの姿勢に応じて、前記被作業体の位置を調整する被作業***置調整手段を有するとよい。基端側と先端側の球面リンク中心と回転中心までの距離は、リンク作動装置の折れ角に応じて変わる。そのため、その距離の変化量に対して搬送装置の被作業***置調整手段により被作業体の位置を調整すれば、常にピントの合った画像を取得できるようになる。また、被作業体の搬送を行う搬送装置を用いて被作業体の位置を調整するため、位置調整用の別の機構を設ける必要がなく、外観検査装置全体のコンパクト化およびコスト低減を図れる。
この発明の外観検査装置は、被作業体に対しリンク作動装置により相対的にカメラおよび照明具を位置決めして前記被作業体の外観検査を行う外観検査装置であって、前記リンク作動装置は、基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結され、前記各リンク機構が、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有し、前記3組以上のリンク機構のうちの2組以上のリンク機構に、前記基端側のリンクハブに対する前記先端側のリンクハブの姿勢を任意に変更させる姿勢制御用アクチュエータが設けられ、前記基端側のリンクハブに前記カメラと前記照明具が設置され、前記リンク作動装置は、前記先端側のリンクハブによって、前記被作業体を前記リンク作動装置の前記3組以上のリンク機構で囲まれる内部空間で前記カメラおよび前記照明具に対して位置決め可能である。このため、装置サイズがコンパクトで、被作業体に対して様々な角度からカメラによる検査対象の撮影を高速に実現できる。
この発明の第1の実施形態に係る外観検査装置の正面図である。 同外観検査装置のリンク作動装置の斜視図である。 同リンク作動装置の2つのリンク機構を省略した正面図である。 図3のIV-IV線の一部断面図である。 同リンク作動装置の1つのリンク機構を直線で表現した図である。 同リンク作動装置の中央リンク部材の軌道円を説明する図である。 図6のVII-VII線断面図である。 異なる姿勢の同リンク作動装置の中央リンク部材の軌道円を説明する図である。 図8のIX-IX線断面図である。 同リンク作動装置と被作業体の干渉回避方法を説明する図である。 同リンク作動装置に設けられたカメラの被写界深度と視野等を説明する図である。 同リンク作動装置の基端側のリンクハブに設けられたカメラの視野および被写界深度を示す図である。 同リンク作動装置の基端側のリンクハブに設けられたカメラの視野および被写界深度を示す図である。 同外観検査装置の搬送装置を表す図である。 同外観検査装置における他の状態の正面図である。 同外観検査装置におけるさらに他の状態の正面図である。 同外観検査装置におけるさらに他の状態の正面図である。 この発明の他の実施形態に係る外観検査装置の正面図である。 同外観検査装置におけるリンク作動装置等の斜視図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る外観検査装置のリンク作動装置等の斜視図である。
[第1の実施形態]:リンク作動装置と搬送装置とを組み合わせた外観検査装置を図1ないし図17と共に説明する。
<外観検査装置の概略構造>
図1に示すように、外観検査装置1は、被作業体2に対しリンク作動装置7により相対的にカメラCrおよび照明具Leを位置決めして被作業体2の外観検査を行う。リンク作動装置7の後述する基端側のリンクハブ12に、カメラCrおよび照明具Leが設置されている。リンク作動装置7は、後述する先端側のリンクハブ13によって、被作業体2をこのリンク作動装置7の内部空間NaでカメラCrおよび照明具Leに対して位置決め可能である。内部空間Naは、リンク作動装置7の姿勢にかかわらず各リンク部材に干渉しない空間となる。前記内部空間Naのうち、リンク作動装置7の姿勢にかかわらず各リンク部材に干渉しない範囲に被作業体2が位置決め可能であることが望ましい。
またこの実施形態では、先端側のリンクハブ13に搬送装置Tdが設置され、この搬送装置Tdにより被作業体2が内部空間Naに搬入され内部空間Naから搬出される。リンク作動装置7と搬送装置Tdは、同じコントローラCtに接続されており、このコントローラCtにより同期制御する構成である。なおリンク作動装置7と搬送装置Tdのコントローラを個別に設け、リンク作動装置7と搬送装置Tdを非同期で制御する構成にしてもよい。
<リンク作動装置7について>
リンク作動装置7は、例えば、架台60に、このリンク作動装置7の後述する基端部材6が水平に支持された吊り下げ状態で設置されている。
図2および図3に示すように、リンク作動装置7は、搬送装置Td(図1)の把持部64aを介して被作業体2を姿勢変更可能に支持するパラレルリンク機構9と、このパラレルリンク機構9を作動させる姿勢制御用アクチュエータ10とを備える。
<パラレルリンク機構9>
パラレルリンク機構9は、基端側のリンクハブ12に対し先端側のリンクハブ13を3組のリンク機構14を介して姿勢変更可能に連結したものである。リンク機構14の組数は4組以上であってもよい。なお図1、図3では、1組のリンク機構14のみが示され、残りの2つのリンク機構が省略されている。
各リンク機構14は、基端側の端部リンク部材15、先端側の端部リンク部材16、および中央リンク部材17を有し、4つの回転対偶からなる4節連鎖のリンク機構をなす。
図2~図4に示すように、基端側および先端側の端部リンク部材15,16はL字形状であり、一端がそれぞれ基端側のリンクハブ12および先端側のリンクハブ13に回転自在に連結されている。中央リンク部材17は、両端に基端側および先端側の端部リンク部材15,16の他端がそれぞれ回転自在に連結されている。
パラレルリンク機構9は、2つの球面リンク機構を組み合わせた構造である。基端側のリンクハブ12と基端側の端部リンク部材15の各回転対偶、および基端側の端部リンク部材15と中央リンク部材17の各回転対偶の中心軸が、基端側の球面リンク中心PAで交差している。同様に、先端側のリンクハブ13と先端側の端部リンク部材16の各回転対偶、および先端側の端部リンク部材16と中央リンク部材17の各回転対偶の中心軸が、先端側の球面リンク中心PBで交差している。
また、基端側のリンクハブ12の回転対偶の中心と基端側の球面リンク中心PA間の距離と、基端側の端部リンク部材15の回転対偶の中心と基端側の球面リンク中心PA間の距離とは互いに同じである。基端側の端部リンク部材15の回転対偶の中心と基端側の球面リンク中心PA間の距離と、中央リンク部材17の回転対偶の中心と基端側の球面リンク中心PA間の距離とは互いに同じである。同様に、先端側のリンクハブ13の回転対偶の中心と先端側の球面リンク中心PB間の距離と、先端側の端部リンク部材16の回転対偶の中心と先端側の球面リンク中心PB間の距離とは互いに同じである。先端側の端部リンク部材16の回転対偶の中心と先端側の球面リンク中心PB間の距離と、中央リンク部材17の回転対偶の中心と先端側の球面リンク中心PB間の距離とは互いに同じである。基端側および先端側の端部リンク部材15,16と中央リンク部材17との各回転対偶の中心軸は、ある交差角γを持っていてもよいし、平行であってもよい。
図4に、基端側のリンクハブ12と基端側の端部リンク部材15の各回転対偶の中心軸O1と、球面リンク中心PAとの関係が示されている。先端側のリンクハブ13(図3)および先端側の端部リンク部材16(図3)の形状ならびに位置関係も、図示しないが図4と同様である。図4では、基端側のリンクハブ12と基端側の端部リンク部材15との各回転対偶の中心軸O1と、基端側の端部リンク部材15と中央リンク部材17との各回転対偶の中心軸O2とが成す角度αが90°となっている。但し、前記角度αは90°以外であってもよい。
3組のリンク機構14は、幾何学的に同一形状をなす。幾何学的に同一形状とは、図5に示すように、各リンク部材15,16,17を直線で表現した幾何学モデル、すなわち各回転対偶と、これら回転対偶間を結ぶ直線とで表現したモデルが、どのような姿勢をとっていても、中央リンク部材17の中央部に対する基端側部分と先端側部分が対称を成す形状であることを言う。図5は、1組のリンク機構14を直線で表現した図である。この実施形態のパラレルリンク機構9は回転対称タイプで、基端側のリンクハブ12および基端側の端部リンク部材15と、先端側のリンクハブ13および先端側の端部リンク部材16との位置関係が、中央リンク部材17の中心線Cに対して回転対称となる位置関係になっている。各中央リンク部材17の中央部は、共通の軌道円D上に位置している。
基端側のリンクハブ12と先端側のリンクハブ13と3組のリンク機構14とで、基端側のリンクハブ12に対し先端側のリンクハブ13が直交2軸周りに回転自在な2自由度機構が構成されている。言い換えると、基端側のリンクハブ12に対して先端側のリンクハブ13を、回転が2自由度で姿勢変更自在な機構としている。この2自由度機構は、コンパクトでありながら、基端側のリンクハブ12に対する先端側のリンクハブ13の可動範囲を広くとれる。
例えば、基端側および先端側の球面リンク中心PA,PBを通り、基端側および先端側のリンクハブ12,13と基端側および先端側の端部リンク部材15,16の各回転対偶の中心軸O1(図4)と直角に交わる直線を基端側および先端側のリンクハブ12,13の中心軸QA,QBとした場合、基端側のリンクハブ12の中心軸QAと先端側のリンクハブ13の中心軸QBとの折れ角θの最大値を約±90°とすることができる。また、基端側のリンクハブ12に対する先端側のリンクハブ13の旋回角φを0°~360°の範囲に設定できる。折れ角θは、基端側のリンクハブ12の中心軸QAに対して先端側のリンクハブ13の中心軸QBが傾斜した垂直角度のことである。一方、旋回角φは、基端側のリンクハブ12の中心軸QAに対して先端側のリンクハブ13の中心軸QBが傾斜した水平角度のことである。
基端側のリンクハブ12に対する先端側のリンクハブ13の姿勢変更は、基端側のリンクハブ12の中心軸QAと先端側のリンクハブ13の中心軸QBとの交点Oを回転中心として行われる。図6は、基端側のリンクハブ12の中心軸QAと先端側のリンクハブ13の中心軸QBが同一線上にある状態を示し、図8は、基端側のリンクハブ12の中心軸QAに対して先端側のリンクハブ13の中心軸QBが或る作動角をとった状態を示す。図5に示すように、基端側のリンクハブ12に対する先端側のリンクハブ13の姿勢が変化しても、基端側と先端側の球面リンク中心PA,PB間の距離Lは変化しない。
図4および図5に示すように、このパラレルリンク機構9において、以下の条件1~4をすべて満たすとき、中央リンク部材17の対称面に対して、中央リンク部材17と基端側および先端側の端部リンク部材15,16との角度位置関係を基端側と先端側とで同じにすれば、幾何学的対称性から基端側のリンクハブ12および基端側の端部リンク部材15と、先端側のリンクハブ13および先端側の端部リンク部材16とは同じに動く。
(条件1)各リンク機構14における基端側および先端側のリンクハブ12,13と基端側および先端側の端部リンク部材15,16の回転対偶の中心軸O1の角度および基端側および先端側の球面リンク中心PA,PBからの長さが互いに等しい。
(条件2)各リンク機構14の基端側および先端側のリンクハブ12,13と基端側および先端側の端部リンク部材15,16の回転対偶の中心軸O1、および基端側および先端側の端部リンク部材15,16と中央リンク部材17の回転対偶の中心軸O2が、基端側および先端側において基端側および先端側の球面リンク中心PA,PBと交差する。
(条件3)基端側の端部リンク部材15と先端側の端部リンク部材16の幾何学的形状が等しい。
(条件4)中央リンク部材17についても基端側と先端側とで形状が等しい。
図2(a)および図3に示すように、基端側のリンクハブ12は、平板状の基端部材6と、この基端部材6と一体に設けられた3個の回転軸連結部材21とを有する。図4に示すように、基端部材6は中央部に円形の貫通孔6aを有し、この貫通孔6aの周囲に3個の回転軸連結部材21が円周方向に等間隔で配置されている。図3および図4に示すように、貫通孔6aの中心は、基端側のリンクハブ12の中心軸QA上に位置する。各回転軸連結部材21には、軸心が基端側のリンクハブ12の中心軸QAと交差する回転軸22が回転自在に連結されている。この回転軸22に、基端側の端部リンク部材15の一端が連結されている。
図4に示すように、回転軸22は、軸方向に沿って順次、大径部22a、小径部22b、および雄ねじ部22cを有し、小径部22bで2個の軸受23を介して回転軸連結部材21に回転自在に支持されている。軸受23は、例えば深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受等の玉軸受である。これらの軸受23は、回転軸連結部材21に設けられた内径溝に外輪外周面が嵌合状態で設置され固定されている。他の回転対偶部に設けられる軸受の種類および設置方法も同様である。
回転軸22は、大径部22aで後述の減速機構52の出力軸52aに同心軸上に配置されている。回転軸22には、この回転軸22と一体に回転するように、基端側の端部リンク部材15の一端が連結されている。基端側の端部リンク部材15の一端に切欠き部25が形成され、この切欠き部25の両側部分が内外一対の回転軸支持部26,27を構成している。これら一対の回転軸支持部26,27に貫通孔がそれぞれ形成されている。回転軸連結部材21が切欠き部25内に配置され、回転軸22の小径部22bが前記貫通孔および軸受23の内輪内周面に挿通されている。回転軸22の雄ねじ部22cは、内側の回転軸支持部27よりも内側に突出している。
回転軸22の大径部22aの外周にスペーサ28が嵌合され、このスペーサ28を介して基端側の端部リンク部材15と減速機構52の出力軸52aとがボルト29で固定されている。さらに、回転軸22の雄ねじ部22cにナットが螺着されている。軸受23の内輪端面と一対の回転軸支持部26,27との間に、スペーサが介在されており、前記ナットの螺着時に軸受23に予圧が付与される。
基端側の端部リンク部材15の他端には、中央リンク部材17の一端に回転自在に連結された回転軸35が連結されている。この回転軸35は、基端側のリンクハブ12の回転軸22と同様に、大径部35a、小径部35b、および雄ねじ部35cを有し、小径部35bで2個の軸受36を介して中央リンク部材17の一端に回転自在に支持されている。基端側の端部リンク部材15の他端に切欠き部37が形成され、この切欠き部37の両側部分が内外一対の回転軸支持部38、39を構成している。これら回転軸支持部38、39に貫通孔がそれぞれ形成されている。雄ねじ部35cは、内側の回転軸支持部39よりも内側に突出している。
切欠き部37内に中央リンク部材17の一端が配置され、前記小径部35bが前記貫通孔および軸受36の内輪内周面に挿通されている。さらに、雄ねじ部35cにナットが螺着されている。軸受36の内輪端面と一対の回転軸支持部38,39との間に、スペーサが介在されており、前記ナットの螺着時に軸受36に予圧が付与される。
図2(a)および図6に示すように、先端側のリンクハブ13は、平板状の先端部材40と、この先端部材40の底面に円周方向等配で設けられた3個の回転軸連結部材41とを有する。各回転軸連結部材41が配置される円周の中心は、先端側のリンクハブ13の中心軸QB上に位置する。各回転軸連結部材41には、軸心が先端側のリンクハブ13の中心軸QBと交差する回転軸43が回転自在に連結されている。この回転軸43に、先端側の端部リンク部材16の一端が連結されている。先端側の端部リンク部材16の他端には、中央リンク部材17の他端に回転自在に連結された回転軸45が連結されている。
先端側のリンクハブ13の回転軸43および中央リンク部材17の回転軸45も、前記回転軸35(図4)と同じ形状であり、かつ2個の軸受(図示せず)を介して回転軸連結部材41および中央リンク部材17の他端にそれぞれ回転自在に連結されている。
<姿勢制御用アクチュエータ10>
図2(a)および図4に示すように、姿勢制御用アクチュエータ10は、減速機構52を備えたロータリアクチュエータであり、基端側のリンクハブ12の基端部材6の下面に前記回転軸22と同軸上に設置されている。姿勢制御用アクチュエータ10と減速機構52は一体に設けられ、モータ固定部材53により減速機構52が基端部材6に固定されている。この例では、3組のリンク機構14のすべてに姿勢制御用アクチュエータ10が設けられているが、3組のリンク機構14のうち少なくとも2組に姿勢制御用アクチュエータ10を設ければ、基端側のリンクハブ12に対する先端側のリンクハブ13の姿勢を確定することができる。
図4に示すように、減速機構52はフランジ出力であって、大径の出力軸52aを有する。出力軸52aの先端面は、出力軸52aの中心線と直交する平面状のフランジ面54となっている。出力軸52aは、前記スペーサ28を介して、基端側の端部リンク部材15の回転軸支持部26にボルト29で接続されている。基端側のリンクハブ12(図3)と基端側の端部リンク部材15の回転対偶部を構成する、回転軸22の大径部22aが、減速機構52の出力軸52aに設けられた内径溝57に嵌っている。
図3および図4に示すように、リンク作動装置7は、各姿勢制御用アクチュエータ10を回転駆動することで、パラレルリンク機構9が作動する。詳しくは、姿勢制御用アクチュエータ10が回転駆動すると、その回転が減速機構52を介して減速して回転軸22に伝達される。それにより、基端側のリンクハブ12に対する基端側の端部リンク部材15の角度が変わり、基端側のリンクハブ12に対する先端側のリンクハブ13の姿勢が変更される。
<カメラおよび照明具について>
図2(a),(b)に示すように、基端側のリンクハブ12における基端部材6には、この基端部材6の中央を貫通する貫通孔6aが形成されている。被作業体2を撮影するカメラCrは、リンク内部空間Na側に向くように前記貫通孔6aにカメラ本体の一部が嵌め込まれた状態で、このカメラCrの側面が取付部材61を介して基端部材6に取付けられている。被作業体2を照らす照明具Leは、発光部が環状のリング照明であり、カメラCrの外周に位置するように基端部材6に支柱Leaを介して取付けられている。照明具Leとしては、例えば、発光ダイオード(略称LED:Light Emitting Diode)が適用されるが、蛍光灯または水銀灯等を適用することも可能である。
カメラCrの中心軸と、照明具Leにおける環状の発光部の中心軸とは同心に配置され、これらカメラCrおよび照明具Leの中心軸は、基端側のリンクハブ12の中心軸QA(図3)と一致している。但し、カメラCrおよび照明具Leの中心軸は、必ずしも基端側のリンクハブ12の中心軸QA(図3)と一致していなくてもよく、中心軸QA(図3)と平行であってもよい。なお、基端側のリンクハブ12の中心軸QA(図3)に対し、カメラCrおよび照明具Leの中心軸が傾いていてもよい。カメラCrおよび照明具Leは、配線を介してカメラ制御システム(図示せず)と繋がっており、前記カメラ制御システムにより撮影時の各種制御が行われる。なお、無線によりカメラCrおよび照明具Leを制御してもよく、またカメラCrおよび照明具Leに対しワイヤレス給電を行ってもよい。
図6~図9には、リンク作動装置7の中央リンク部材17の軌道円を説明する図を示す。各中央リンク部材17は、リンク作動装置7の姿勢が変わっても、基端側と先端側の球面リンク中心PA,PBを結ぶ直線を中心として常に一定の直径の軌道円Co上を移動する。ここでいう軌道円Coとは、中央リンク部材17における旋回軌道の中心に最も近い部位である内側端17aの内接円を示す。図6、図7では基端側のリンクハブ12の中心軸QAと先端側のリンクハブ13の中心軸QBとの折れ角θが0°の時の軌道円Co、図8、図9では折れ角θが90°の時の軌道円Coを示す。どちらの例でも、軌道円Coの中心は基端側と先端側の球面リンク中心PA,PBを結ぶ直線上にあり、軌道円Coの直径も同じである。また、基端側と先端側で幾何学的に対称となる平面上に中央リンク部材17の軌道円Coが存在している。
<リンク作動装置と被作業体の干渉回避方法>
図10(a)は、リンク作動装置7と被作業体2の干渉回避方法の説明図(折れ角0°の状態)であり、図10(b)は、同干渉回避方法の他の説明図(最大折れ角90°の状態)である。図10の例では、リンク作動装置7が作業中に動作する最大折れ角をθmax、球面リンク中心間距離をL、中央リンク部材17の軌道円Co(図7)の直径をDとした場合、D>Ltan(θmax/2)の関係を満たすリンク作動装置7を示す。この例のリンク作動装置7の最大折れ角θmaxは90°である。
上記関係式を満たすことで、リンク作動装置7がどのような姿勢になった場合でも、中央リンク部材17の内側端面が基端側のリンクハブ12の中心軸QAと先端側のリンクハブ13の中心軸QBとの交点Oと交差しない。このため、図10(b)のように、前記交点Oと交差する位置に被作業体2を配置しても、中央リンク部材17と被作業体2が接触しにくくなる。実際には、被作業体2のワークサイズを考慮しながら上記関係式を満たすようなリンク作動装置7を使用するとよい。この例では、リンク作動装置7の折れ角に応じて、搬送装置Td(図1)により被作業体2を上下方向(Z方向)に動かしているが、被作業体2の位置を固定してもよく、また径方向に移動させてもよい。
<カメラの被写界深度、視野について>
図11、図12および図13は、カメラCrの被写界深度Fと視野Fv等を説明する図である。図11では、カメラCrの被写界深度Fと視野Fvに対する被作業体2の位置関係を示している。図11(a)に示すように、カメラCrの先端部から被写体までの距離Laに対し、カメラCrのピントが合う奥行き方向の範囲を被写界深度F、径方向寸法を視野Fvと定義している。ここでは、視野Fvを短辺A×長辺Bの長方形、ピントの合う領域を視野Fvに対して奥行き方向に伸ばした直方体としている。なお、視野Fvの短辺Aと長辺Bの長さを同じ寸法にした正方形としてもよく、さらに奥行き方向まで視野Fvの一辺と同じ寸法にしてピントの合う領域を立方体にしてもよい。
図11(b),(c)では、カメラCrの視野の短辺をA、カメラCrの被写界深度をFとした場合、以下の関係を全て満たすカメラCrをリンク作動装置7に搭載し、搬送装置Td(図1)により被作業体2の位置を固定した状態で、リンク作動装置7を動かしながら被作業体2の外観検査を行う構成を示す。
Figure 0007461151000006
Figure 0007461151000007
そのため、上記の関係を全て満たすカメラCrを使用することで、図11(b),(c)に示すように、被作業体2はカメラCrのピントが合う領域内に存在することになり、搬送装置Td(図1)により被作業体2の位置を固定した状態でも、被作業体2の5面方向から外観検査を実施できるようになる。視野Fvの短辺をAもしくはカメラCrの被写界深度をFのいずれか一方の関係式だけを満たすカメラCrを選定してもよい。その場合でも、搬送装置Td(図1)により被作業体2の移動量を小さくすることができる。したがって、タクトタイムつまり生産性も向上し得る。
<搬送装置について>
図1および図14に示すように、搬送装置Tdには1軸の直動アクチュエータ67を使用している。搬送装置Tdは先端側のリンクハブ13に設置されている。搬送装置Tdは、被作業***置調整手段である前記直動アクチュエータ67と、この直動アクチュエータ67に支持された把持機構64と、把持部方向変更機構70とを備える。直動アクチュエータ67は、先端側のリンクハブ13に図示外の固定具を介して固定されたガイド67bと、このガイド67bに沿って案内されるステージ部67cと、ステージ部67cを移動駆動させる駆動源であるモータ67aと、このモータ67aの回転を直線往復動作に変換するボールねじ等の変換機構(図示せず)とを有する。ガイド67bは、先端部材40の貫通孔40a(図2(a))に所定の隙間を空けて挿通され、且つ、先端部材40の平面に対し直交する方向に延びるように、先端側のリンクハブ13に固定されている。
ステージ部67cに、把持部方向変更機構70を介して、被作業体2を把持する把持部64aを含む把持機構64が支持されている。この把持機構64は、内径部にエアーを通す通路が設けられたL字形状のものを使用しており、エアーの負圧の吸引力で被作業体2をこの把持機構64の先端部である前記把持部64aで吸引して被作業体2を把持する構成(バキュームチャック)を適用しているが、例えば、流体圧シリンダ(図示せず)のロッドの進退動作を、歯車機構等を介して被作業体2を把持するチャックの開閉動作に変換するエアーチャック等他の機構を使用してもよい。
把持機構64の根本つまり基端部には、把持部64aの向きを変更する把持部方向変更機構70が設けられている。具体的には、ステージ部67cの進行方向における前後方向に把持部64aを向けられるように、把持部方向変更機構70として回転モータを配置している。ステージ部67cの進行方向における前後方向に把持部64aを向けられる機構であれば、把持部方向変更機構70として回転モータ以外の機構を用いてもよい。例えば、把持機構64の棒状の部分を弾性体にして、把持部方向変更機構70としてワイヤ等で把持部64aの先端を引張る構成等が考えられる。
把持機構64に把持された被作業体2は、先端部材40の貫通孔40a(図2(a))を通してリンク機構14の内部空間Naに搬入される。また被作業体2は、前記内部空間Naから貫通孔40a(図2(a))を通して外部空間に搬出される。直動アクチュエータ67は、基端側のリンクハブ12に対する先端側のリンクハブ13の姿勢に応じて、把持機構64で把持された被作業体2の位置を調整してもよい。
<外観検査装置の流れ(概略)について>
(1)図1に示すように、リンク作動装置7を下向き(折れ角0°)にして、搬送装置Tdのステージ部67cを下部方向へ移動し、把持部方向変更機構70により把持機構64の把持部64aを下向きに向ける。
(2)図15に示すように、ステージ部67cをさらに下部方向に移動し、設置面SFの搬入位置PINに搬入されている被作業体2を把持機構64により把持する。
(3)図16に示すように、ステージ部67cを所定距離上方に移動させた状態で、把持部方向変更機構70を駆動して、把持機構64の把持部64aを上向きにする。
(4)図17に示すように、前記把持部64aを上向きにしたままステージ部67cを上部方向へ動かし、先端部材40の貫通孔40a(図2(a))から被作業体2をリンク作動装置7の内部空間Naの検査位置に移動させる。
(5)リンク作動装置7を動かし、被作業体2を動かしながらカメラCrから画像を取得し、画像処理によりOK/NG判定を行う。
・リンク作動装置7は、事前に登録した位置に対して位置決めする場合、または予め作成した動作パターンを実行させる場合等を想定しているが、その限りではない。
・リアルタイムに画像処理を行わず、この段階では画像の取得のみ行い、別工程でOK/NG(良否)判定を行ってもよい。
・被作業体2は一定の位置に固定したまま、画像を取得する検査または画像の取得および画像処理を行う検査を行ってもよく、搬送装置Tdにより被作業体2を移動させながら画像を取得する検査または画像の取得および画像処理を行う検査を行ってもよい。
(6)図16に示すように、ステージ部67cを下部方向へ移動させ、前記貫通孔40a(図2(a))から被作業体2をリンク作動装置7の外部空間に出す。
(7)図15に示すように、把持部方向変更機構70を駆動して把持部64aを下向きにして、被作業体2であるワークを搬出位置POUTに置く。
被作業体2の搬入・搬出位置PIN,POUTには、作業者が被作業体2を設置し、取り出しを行う。但し、図示外のコンベア等または垂直多関節ロボットのようなもので被作業体2を移動させてもよい。また、被作業体2を搬出する際には、画像処理結果に基づき、被作業体2のOK品とNG品を別々の搬出位置POUTに置くようにしてもよい。本実施形態ではリンク作動装置7の真下に搬入・搬出位置PIN,POUTを設けているが、別の場所に設けてもよく、また搬入位置PINと搬出位置POUTをそれぞれ個別に設けてもよい。
<作用効果>
以上説明した外観検査装置1によれば、基端側のリンクハブ12にカメラCrおよび照明具Leが設置され、先端側のリンクハブ13によって、被作業体2をリンク作動装置7の内部空間NaでカメラCrおよび照明具Leに対して位置決め可能であるため、被作業体2を大きく移動させることなく、被作業体2に対して最大で半球面方向からカメラCr、照明具Leを相対的に位置決めできる。したがって、非常にコンパクトな構成で外観検査装置1を構築でき、従来の垂直多関節ロボットに比べて、被作業体2に対して様々な角度からカメラCrによる撮影を高速に実現できる。
カメラCrは、リンク内部空間Na側に向くように基端部材6の中央を貫通する貫通孔6aにカメラ本体の一部が嵌め込まれた状態で、このカメラCrの側面が取付部材61を介して基端部材6に取付けられている。このようにカメラCrの一部を貫通孔6aに貫通させて設置できる。このため、カメラCrを配置し易くなるだけでなく、そのケーブルを貫通孔6aから外部空間に取り出すことができる。
先端側のリンクハブ13に貫通孔40aが設けられ、被作業体2を貫通孔40aを通して内部空間Naに搬入し、被作業体2を内部空間Naから貫通孔40aを通して外部空間に搬出する搬送装置Tdを備えた。この場合、搬送装置Tdを用いて被作業体2をリンク作動装置7の内部空間Naに入れて外観検査を実施する。このため、被作業体2の搬送工程の中にリンク作動装置7を設置するだけで被作業体2の外観検査も実施できるようになり、生産工程を大幅に変更することなく外観検査工程を追加することができる。そのため、設備全体のより一層のコンパクト化およびコスト低減を図れる。
搬送装置Tdは、前記把持部64aの向きを変更する把持部方向変更機構70により、リンク作動装置7の外部空間方向と内部空間方向に前記把持部64aの向きを変更できる。このため、外部空間での被作業体2の把持作業と、内部空間Naでの被作業体2の位置決め作業を両方実施することができる。把持機構64に把持方向変更機構70を設けるだけで複数の作業を実施できるため、外観検査装置全体のコンパクト化を実現できる。
搬送装置Tdは、基端側のリンクハブ12に対する先端側のリンクハブ13の姿勢に応じて、被作業体2の位置を調整する直動アクチュエータ67を有する。基端側と先端側の球面リンク中心PA,PBと回転中心までの距離は、リンク作動装置7の折れ角θに応じて変わる。そのため、その距離の変化量に対して搬送装置Tdの直動アクチュエータ67により被作業体2の位置を調整すれば、常にピントの合った画像を取得できるようになる。また、被作業体2の搬送を行う搬送装置Tdを用いて被作業体2の位置を調整するため、位置調整用の別の機構を設ける必要がなく、外観検査装置全体のコンパクト化およびコスト低減を図れる。
<他の実施形態について>
以下の説明においては、各実施の形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図18に示すように、基端部材6に貫通孔が形成されていない基端側のリンクハブ12に、カメラCrおよび照明具Leが固定され、搬送装置が設けられていない外観検査装置1としてもよい。この外観検査装置1には、内部空間Naに被作業体2を位置させる被作業体支持手段として、被作業体2を把持する把持機構64が先端部材40に設けられている。この場合、検査対象の被作業体2を例えば作業者の手により把持機構64に把持させ得る。なお前記被作業体支持手段として、把持機構64に代えて、被作業体2を支持する支持台(図示せず)、または前記支持台およびこの支持台に被作業体2を着脱自在に固定する固定具(図示せず)等を適用してもよい。
図19に示すように、先端部材40に貫通孔が形成されていない先端側のリンクハブ13に、被作業体2が着脱自在に固定され、基端部材6に貫通孔が形成されていない基端側のリンクハブ12に、カメラCrおよび照明具Leが固定される構成であってもよい。
図20に示すように、先端部材40に貫通孔が形成されていない先端側のリンクハブ13に、被作業体2が着脱自在に固定され、基端部材6に貫通孔6aが形成されている基端側のリンクハブ12に、カメラCrおよび照明具Leが固定される構成であってもよい。この場合、カメラCrは、内部空間Na側に向くように前記貫通孔6aにカメラ本体の一部が嵌め込まれた状態で、このカメラCrの側面が取付部材61を介して基端部材6に取付けられている。
基端側のリンクハブの基端部材に、カメラおよび照明具が固定して設置されているが、参考提案例として、カメラおよび照明具を1つもしくは複数の直動アクチュエータに搭載し、前記直動アクチュエータによりカメラ、照明具の少なくともいずれか一方の位置を微小に変化させてもよい。
基端側のリンクハブの基端部材に、カメラおよび照明具が固定して設置されているが、参考提案例として、カメラおよび照明具のいずれか一方を基端部材に搭載し、他方を架台等の別の場所に設置して使用してもよい。その他、参考提案例として、カメラおよび照明具を架台60等に設置してもよい。
基端側のリンクハブの基端部材に、カメラおよび照明具が固定して設置されているが、参考提案例として、例えば、ディスペンサのような他のエンドエフェクタを基端部材に設置してもよい。
図18~図20では、先端側のリンクハブ13に、被作業体2が着脱自在に固定されているが、参考提案例として、例えば、垂直多関節ロボットのような搬送装置を別の場所におき、リンク機構14間の隙間から搬送装置により被作業体2を搬入・搬出しても良い。
搬送装置は1軸の直動アクチュエータを備えているが、複数の直動アクチュエータを使用してもよい。また、リンク作動装置の内部空間に被作業体を引き込める構成であれば、他の機構を使用してもよい。
基端側のリンクハブ12における基端部材6の貫通孔6aに、カメラCrの全体が嵌め込まれていてもよい。前記基端部材6の貫通孔6aに、照明具Leの一部が嵌め込まれていてもよく、照明具Leの全体が嵌め込まれていてもよい。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…外観検査装置、2…被作業体、6a…貫通孔、7…リンク作動装置、10…姿勢制御用アクチュエータ、12…基端側のリンクハブ、13…先端側のリンクハブ、14…リンク機構、15…基端側の端部リンク部材、16…先端側の端部リンク部材、17…中央リンク部材、64…把持機構、64a…把持部、67…直動アクチュエータ(被作業***置調整手段)、70…把持部方向変更機構、Cr…カメラ、Le…照明具、Na…内部空間、PA…基端側の球面リンク中心、PB…先端側の球面リンク中心、Td…搬送装置

Claims (8)

  1. 被作業体に対しリンク作動装置により相対的にカメラおよび照明具を位置決めして前記被作業体の外観検査を行う外観検査装置であって、
    前記リンク作動装置は、基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結され、前記各リンク機構が、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有し、前記3組以上のリンク機構のうちの2組以上のリンク機構に、前記基端側のリンクハブに対する前記先端側のリンクハブの姿勢を任意に変更させる姿勢制御用アクチュエータが設けられ、
    前記基端側のリンクハブに前記カメラと前記照明具が設置され、
    前記リンク作動装置は、前記先端側のリンクハブによって、前記被作業体を前記リンク作動装置の前記3組以上のリンク機構で囲まれる内部空間で前記カメラおよび前記照明具に対して位置決め可能である外観検査装置。
  2. 請求項1に記載の外観検査装置において、前記リンク作動装置は、前記基端側のリンクハブの中心軸と前記先端側のリンクハブの中心軸との折れ角の最大値である最大折れ角をθmax、基端側の球面リンク中心と先端側の球面リンク中心との間の距離である球面リンク中心間距離をL、前記中央リンク部材の内側端の軌道円の直径をDとした場合、次式の関係が成り立つ外観検査装置。
    Figure 0007461151000008
  3. 請求項1または請求項2に記載の外観検査装置において、前記カメラの視野の短辺をA、前記基端側のリンクハブの中心軸と前記先端側のリンクハブの中心軸との折れ角の最大値である最大折れ角をθmax、基端側の球面リンク中心と先端側の球面リンク中心との間の距離である球面リンク中心間距離をLとした場合、次式の関係が成り立つ前記カメラを使用する外観検査装置。
    Figure 0007461151000009
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の外観検査装置において、前記カメラの被写界深度をF、前記基端側のリンクハブの中心軸と前記先端側のリンクハブの中心軸との折れ角の最大値である最大折れ角をθmax、基端側の球面リンク中心と先端側の球面リンク中心との間の距離である球面リンク中心間距離をLとした場合、次式の関係が成り立つ前記カメラを使用する外観検査装置。
    Figure 0007461151000010
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の外観検査装置において、前記基端側のリンクハブに、前記カメラの少なくとも一部または前記照明具の少なくとも一部を貫通させる貫通孔が設けられている外観検査装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の外観検査装置において、前記先端側のリンクハブに貫通孔が設けられ、前記被作業体を、前記先端側のリンクハブに設けられた前記貫通孔を通して前記内部空間に搬入し、前記被作業体を前記内部空間から前記先端側のリンクハブに設けられた前記貫通孔を通して搬出する搬送装置を備え、この搬送装置が前記先端側のリンクハブに設けられている外観検査装置。
  7. 請求項6に記載の外観検査装置において、前記搬送装置は、前記被作業体を把持する把持部を含む把持機構と、前記把持部の向きを変更する把持部方向変更機構とを有する外観検査装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載の外観検査装置において、前記搬送装置は、前記基端側のリンクハブに対する前記先端側のリンクハブの姿勢に応じて、前記被作業体の位置を調整する被作業***置調整手段を有する外観検査装置。
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