JP7460560B2 - 鉄道車両の内装構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両の車体の内部に形成された車内空間を構成する内装構造に関するものである。
新幹線(登録商標)に代表される高速鉄道車両では、高速化あるいは動力の高出力化に伴い、新幹線に限らず高速鉄道車両(以下、鉄道車両と記す)の車体の内部に形成された車内空間の騒音が増大し、乗客の快適性悪化が懸念されている。こうした、車内騒音の増大を抑制する対策が数々講じられており、この対策技術として特許文献1と特許文献2が開示されている。
特許文献1には、鉄道車両の客室を構成する内装構造において、内装構造の長手方向一方の端部が開放されている筒状の形を有し、筒状の端部には空間が備えられた鉄道車両が開示されている。この鉄道車両の内装構造は、車内騒音のうち、特定の周波数の音の低減を目的に、筒状の端部に備えられた空間に入射する音と空間内に入射し反射され入射側に戻ってきた音との干渉により、特定の周波数の音を低減するものである。
特許文献2には、建築物などの室内空間を構成する天井や壁面において、繊維系吸音層の上面に開口を有する遮音板を積層させた吸音パネルが開示されている。この吸音パネルは、遮音板の開口を通過し遮音板の背後に入射する音を繊維系吸音層で吸音することにより、室内空間の騒音を低減するものである。
特開2019-43341号公報 特開2013-181381号公報
特許文献1に開示される鉄道車両及びその内装構造が効果的に客室の騒音を低減できる条件は、音の波長をλとすると1/4λが成立する場合である。筒状内に吸音材を封入することにより、広帯域で騒音を低減できるものの、その騒音の低減が期待できる範囲の最低周波数は1/4λである。音の周波数は波長の逆数に比例するため、より低周波数の騒音を低減するためには筒を長くする必要があるが、筒を長くすると客室空間を狭めることになる。
また、吸音に機能するのは筒状の端部である。この端部の面積は客室の表面積に対して小さいため、個々の筒では吸音に有効な周波数は上述で定義できるものの、客室騒音に対する効果は限定的である。広帯域にわたって客室騒音が高い鉄道車両やその走行条件(速度など)も多数存在するため、吸音に有効な面積の確保、客室空間の確保、及び広帯域での客室騒音の低減が課題である。
特許文献2に開示される吸音パネルは、上層の遮音板の開口と遮音板の背後に備えられた繊維系吸音層により、室内空間の音を吸音する。この吸音パネルを有効に機能するためには空間の天井や壁面に設置する必要があるが、この設置によって空間は狭くなる。この吸音パネルを鉄道車両の内装構造に適用した場合、鉄道車両の車体には、客室空間の空調を制御するための空調装置と連結する空調用ダクト、行先表示器など多数の機器類が備えられている。
これらの機器類を避けて吸音パネルを設置することで、客室空間が狭くなり、また吸音パネルと機器類を個別に車体へ設置する必要がある。そのため、内装構造の車体への取り付け作業に要する製作工数が増大する懸念がある。よって、客室騒音の低減や客室空間の確保、及び製作工数の低減などに関して解決すべき課題がある。
本発明の課題は、鉄道車両の車内空間(例えば、客室)の騒音を効果的に低減するとともに、内装構造の車体への取り付け作業やメンテナンスに要する製作工数を低減でき、かつ客室空間の確保と快適性向上が可能である鉄道車両の内装構造を提供することである。
上記の課題は、鉄道車両の車体の内部に形成された乗客が滞在可能な空間を構成する内装構造において、車体から内部の空間側に沿って所定の間隔をもつ層を設けて備えた少なくとも1以上の開口部を有する板材と、車体の内部の空間側の表面には層を分断するように板材につなぐ支持材と、支持材によって分断された層の内部の少なくとも1つは繊維質の吸音材からなる吸音ユニットと、で構成される鉄道車両の内装構造によって解決できる。
本発明によれば、車内空間に伝わる騒音に対する低減効果を高めることと、車内空間の確保と、を両立させ易く、快適性を向上した鉄道車両の内装構造を提供することができる。さらに、実施形態によっては、内装構造の車体への取り付け作業やメンテナンスに要する製作工数を低減させることもできる。
鉄道車両の長手方向に直交する断面図(以下、「鉄道車両の車幅方向断面図」ともいう)である。 鉄道車両の車幅方向断面図において、車外音が車内へ伝搬する経路を示す断面模式図である。 本発明の実施形態に係る吸音ユニットの車体長手方向の断面図(以下、「吸音ユニットの長手方向断面図」ともいう)である。 本発明の実施形態に係る吸音ユニットの車体長手方向に直行する断面図(以下、「吸音ユニットの車幅方向断面図」ともいう)である。 吸音ユニットを構成する板材の模式図である。 吸音ユニットの一部を構成する板材と支持材との締結に関する具体例を示した長手方向断面図である。 吸音ユニットの車幅方向断面図である。 吸音ユニットを構成する層の模式図である。 吸音ユニットを鉄道車両の車内空間から見た模式図である。 吸音ユニット内に封入される繊維質吸音材の残響室法吸音率の測定結果を示すグラフである。 吸音ユニットを鉄道車両の天井に設置したときの車内空間の音圧レベル低減量を示すグラフである。 吸音ユニットと鉄道車両の構体との締結に関する具体例を示した車幅方向断面図である。
以下、図を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図1は、鉄道車両の車幅方向断面図である。ここで例示する鉄道車両は客車であり、そのための内装構造を備える。鉄道車両100は、車体20と、車体20を支持する台車21と、からなる。車体20は、床面をなす台枠4と、台枠4の車幅方向の両端部に立設される側構体5と、台枠21の車体長手方向に立設される妻構体(図示せず)と、側構体5及び妻構体(図示せず)の上端部に載置される屋根構体6と、から構成される。台枠4の上面には、座席等が載置される上床7が備えられる。
側構体5には、窓や乗客等の乗降に供される側引き戸(図示せず)などが備えられる。また、妻構体(図示せず)と平行に妻仕切り壁8が備えられ、これにより側引き戸(図示せず)が設置されるデッキ部(図示せず)と、座席(図示せず)のある客室部が区画される。妻仕切り壁8には妻仕切り壁引き戸9が備えられる。図2は、鉄道車両の車幅方向断面図において、車外音が車内へ伝搬する経路を示す断面模式図である。
鉄道車両100の乗客が滞在する車内空間10(客室、デッキ部)で観測される騒音は、固体伝搬音30と空気伝搬音31に分けられる。鉄道車両100の車体20は、中心ピン22(台車21の旋回中心となる部位)や、牽引装置(台車21の駆動力及びブレーキ力を車体20へ伝える部位、図示せず)や、ヨーダンパ(図示せず)の車外側の取り付け部(台車21の水平面内での振動を抑制する部位)を介して、台車21と接続している。
固体伝搬音30は、台車21の振動が中心ピン22や牽引装置(図示せず)等に伝搬し、振動が伝搬されたこれらの部位が車体20を構成する台枠4を加振する結果、台枠4の表面等から車内空間10に音として放射される音である。
一方、空気伝搬音31は、車輪23がレール(図示せず)の上を転がることで発生する転動音32や、車体20周りの空力音33等が車体20の各部を透過して車内の空間10へ伝搬する音である。空気伝搬音31のうち、転動音32は車体20周りの車外空間11に放射され、その一部が車体20を透過して車内空間10へ伝搬する。
さらに、鉄道車両100の周囲を流れる空気の流速は、高速で走行すると増大するため、車体20の表面及び車体20の床下に備えられる床下機器(図示せず)の周囲を流れる空気のはく離や渦に起因する空力音33も増大する。
鉄道車両100は高速になるほど、固体伝搬音30と空気伝搬音31はともに増大し車内空間10の騒音は増大する。鉄道車両100の走行速度と固体伝搬音30及び空気伝搬音31の関係性について、固体伝搬音30は一般に鉄道車両100の走行速度の2乗から3乗に比例し、空気伝搬音31は一般に鉄道車両100の走行速度の5乗から7乗に比例する。
そのため、鉄道車両100の高速化に伴い車内空間10の騒音で主たる音源は空気伝搬音31である。特に、新幹線(登録商標)のような高速鉄道車両における車内空間10の騒音低減には、空気伝搬音31の低減と、車内空間10の騒音の吸音が必要である。吸音ユニット200は、上記の車内空間10の騒音低減における課題を解決するものである。
図3は、吸音ユニット200の長手方向断面図である。図4は、吸音ユニット200の車幅方向断面図である。吸音ユニット200は、車体20の車内空間10側に備えられる板材41と、板材41の車体20側に備えられ、かつ車体20と所定の間隔をもつ層40bを隔てて備えられる遮音板42と、板材41と遮音板42との間に所定の間隔をもつ層40aと、層40aを分断するように板材41と遮音板42とをつなぐ支持材43a、43b(まとめて43)から構成される。
板材41は、開口部41a、41bと、非開口部41p、41qを備え、かつ車内空間10側に備えられる。層40aと層40bは、空気以外に、繊維質の吸音材44や各種機器及びダクトなどで構成される。以下、各構成の詳細について説明する。
[板材]
板材41は、遮音板42との間に所定の間隔を設けて備えられた層40aの車内空間10側に配置されており、車内空間10側から層40aに対して音を入射させるための開口部41a、41bと反射させるための非開口部41p、41qを備えている。
板材41を形成する開口部41a、41bと非開口部41p、41qの機能について、図4を用いて説明する。車内空間10には音が存在する。板材41の開口部41a、41bから層に向かって入射した音は、遮音板42により反射し再び層40aを伝搬し車内空間10側へ伝搬する。その伝搬する音の一部は板材41の非開口部41p、41qにより反射し、再び層40aを伝搬する。
このように、板材41の開口部41a、41bへ入射した音は、板材41の非開口部41p、41qによって遮音される。つまり、板材41の開口部41a、41bへ入射した音の一部のみが車内空間10に戻るため、入射した音のエネルギに対して戻ってきた音のエネルギが小さくなり、車内空間10の騒音は低減する。
板材41としては、板状又は棒状又はシート状であり、かつ層40aが空気で構成される繊維質吸音材44等が封入された場合には、その繊維質吸音材44を支持できる剛性を有しており、かつ音を反射できる材質であれば特に限定されず、各種の無機系板材や有機系板材を使用できる。
無機系板材としては、例えば、金属ボード(例えば、アルミニウム板、ステンレススチール、鋼板、鉄板など)、ガラスボード、石膏ボードなどが挙げられる。有機系板材としては、例えば、木質系ボード[例えば、天然木、無垢材、合板(積層木質ボード)など]、木質繊維系ボード(例えば、パーティクルボード、中密度繊維板、ハードボード、インシュレーションボード、アクリル樹脂ボードなど)、合成樹脂ボード(例えば、ポリカーボネートボード、繊維強化プラスチックボード、ポリエチレンボードなど)などが挙げられる。
これらの板材は、用途に応じて選択できる。例えば、軽量性が要求される用途では、合板などの木質系ボードや、アルミニウムなどの軽量金属ボードなどが適している。透過性が要求される用途では、ガラスボードやアクリル樹脂ボードなどが適している。その他、意匠性なども勘案し、板材の材質を適宜選択することができる。
板材41の厚さは、板材41の材質に応じて選択できるが、車内空間10の音が板材41の開口部41a、41bに入射して、再び車内空間10へ戻るとき、非開口部により反射することができれば、その厚さは例えば0.1mmであってもよい。
ただし、板材41の厚さが小さすぎると板材41の剛性が小さくなり、その結果、撓むなどの支障が生じる恐れがあり、一方で板材41の厚さが大きすぎると軽量性が悪化する。そのため、板材41の厚さは概ね5mmから15mm程度が望ましい。
開口部41a、41bの大きさは、車内空間10から板材41に入射する音の一部を透過させ、また透過した音が層40aを伝搬し板材41で反射して再び層40aを伝搬し板材41に入射する音の一部を非開口部41p、41qで反射するために、また、層40aに繊維質吸音材44を封入する場合にはその繊維質吸音材44を支持できる剛性を有するために、用途や開口部41a、41bの形状等に応じて適宜選択することができる。
開口部41a、41bの面積割合(開口率)は、用途に応じて適宜選択することができるが、層40aに繊維質吸音材44を封入する場合には、その繊維質吸音材44が有する吸音率の性能を発揮させるために、その開口率は50%程度が望ましい。ただし、この開口率は必ずしも50%程度にする必要はなく、車内空間10の騒音の低減したい度合いなどにより調整可能である。
開口部41a、41bの形状は、特に限定されず、目的の意匠に応じて適宜選択できる。例えば、多角形状(三角形状、正方形、長方形、菱形、平行四辺形などの四角形状、五角形状、六角形状、八角形状など)、円形状、楕円形状、数字やアルファベットなどの字体、絵を模した形状等でもよい。これらの形状のなかで、車内空間10の快適性向上の観点からは、長方形状が望ましい。
開口部41a、41bの形状が長方形状の場合、非開口部41p、41qの形状も長方形状となる。非開口部41p、41qの配列方向が、鉄道車両100の長手方向であれば鉄道車両100の幅方向の車内空間10が拡張される視覚効果を得られ、鉄道車両の幅方向であれば鉄道車両100の長手方向の車内空間10が拡張される視覚効果を得ることができる。この視覚効果は一般にヘルムホルツの錯視と呼ばれる。
吸音ユニット200は、少なくとも1以上の開口部を有し、かつ開口部41a、41bの形状は長方形状であり、その開口部41a、41bは、ある一方向に沿って配列されている。このように構成された吸音ユニット200は、鉄道車両100の乗客に対してヘルムホルツの錯視を与えることができるので、乗客に対して錯視効果を及ぼすことにより、広い空間であるかのような印象を与えられる。よって、吸音ユニット200は、車内空間10の快適性を向上させることができる。なお、開口部41a、41bの数は、開口率で定められる。開口率は0%より大きく100%より小さいことを勘案すると、開口部の数は少なくとも1以上となる。
図5は、吸音ユニット200を構成する板材の模式図であり、長方形状である9個の開口部と長方形状である10個の非開口部を鉄道車両100の幅方向に沿って配列させた図である。このように図5では、板材41と、板材41を構成する開口部41a、41b、及び非開口部41p、41qの具体例を示している。なお、長方形状開口部の配列方向は、鉄道車両100の幅方向に限定されるものではなく、鉄道車両100の長手方向に沿って配列させてもよい。
図6は、吸音ユニット200の一部を構成する板材と支持材との締結に関する具体例を示した長手方向断面図である。すなわち、図6は、吸音ユニット200の断面図で、吸音ユニット200の一部を構成する板材41と支持材43との締結に関する具体例を示した図である。
板材41と支持材43との締結は、バネ51による差込み、ボルト52による締結の他、マグネットキャッチ(図示せず)、線ファスナー(図示せず)や面ファスナー(図示せず)による取付け等を想定している。
また、板材41と支持材43は締結後、必ずしも取り外し不可である必要はなく、吸音ユニット200を構成する層40a、40b(まとめて40)の内部に収められる繊維質吸音材44、機器45a、空調用ダクト46、空調用ダクト開口部46aなどのメンテナンスのために、板材41の一部を開閉可能もしくは取り外すことも可能である。
[支持材]
支持材43a、43bは、板材41と遮音板42とをつなぐ部材であり、板材41と遮音板42の間の層40aを分断するように備えられている。支持材としては、板材41と遮音板42を支持できる剛性を有する材料であればよく、特に限定されるものではないが、鉄道車両100の車体材料として一般に使用される金属材料(例えば、アルミニウム、ステンレススチールなど)が適している。支持材43a、43bの長さは、層40aの厚さに依存する。層40aの詳細説明については後述するため、ここではその説明を割愛する。
支持材43a、43bの数は、板材41と遮音板42を支持できる剛性を有する数であればよいが、層40aの厚さがゼロより大きいこと、かつ板材41と遮音板42を支持できる剛性を有する必要があることから、少なくとも2以上が適している。
[層]
層40の構成として、空気以外に、繊維質吸音材44を封入することができる。この繊維系吸音材を封入する主たる目的は、車内空間10の騒音を効率良く低減することにある。繊維質吸音材44としては、吸音機能を有する繊維構造であればよく、例えば合成繊維(例えば、アクリル系繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル系繊維など)で形成された繊維質吸音材44や、無機繊維(例えば、ガラス繊維や炭素繊維など)で形成された繊維質吸音材44などが挙げられる。
図7は、吸音ユニット200の車幅方向断面図である。吸音ユニット200の具体例であり、鉄道車両の長手方向に交差する幅方向の断面図である。層40aもしくは層40b又はその両方に繊維質吸音材44を封入することで、吸音される。すなわち、車内空間10から板材41の開口部41a、41bを透過し層40a(繊維質吸音材44)内を伝搬する音は、繊維質吸音材44を透過する際に繊維自体の振動の発生や細孔を構成する繊維相互の摩擦や細孔中(繊維と繊維の間)を通過するときの粘性抵抗などにより、音のエネルギの一部が熱エネルギに変換されて吸音される。
エネルギが低減した音は遮音板42に到達し、その一部は遮音板42によって板材41側に反射され、板材41の開口部41a、41bに入射した音が層40aを伝搬し遮音板42に反射し再び層40aを伝搬する。そのようにして車内空間10に戻ってきたときの反射音のエネルギは、層40aに繊維質吸音材44を封入しない場合(空気の場合)と比べて小さくなり、車内空間10の騒音をより低減することができる。
また、遮音板42で反射せず透過する音も存在する。この音は遮音板42を透過し層40bを透過する。この層40bに封入された繊維質吸音材44によって前述した吸音によりエネルギは低減する。層40bを透過した音は、その一部は車体20によって遮音板42側へ反射されるが、残りは車体20を透過し車外へ伝搬する。遮音板42側へ反射された音は、層40bを透過中に再び吸音され、これによりエネルギが低減した音は遮音板42へ到達し、その一部は車体20側へ反射され、残りは遮音板42を透過し層40aを透過する。
この層40aを透過する音は前述の吸音によりエネルギが低減されて板材41の開口部41a、41bから車内空間10へ透過する。つまり、車内空間10から開口部41a、41bに入射した音が層40aを伝搬し遮音板42に反射し、また車体20に反射して再び層40aを伝搬し車内空間10に戻ってきたときの音のエネルギは、層40aもしくは層40b又はその両方に繊維質吸音材44を封入しない場合(空気の場合)と比べて小さくなり、車内空間10の騒音はより低減することができる。
繊維質吸音材44は、必ずしも単一の材料である必要はなく、用途に応じて適宜選択することができる。例えば、繊維質吸音材44の板材41側の表面に対して薄材(図示せず)を積層させることができる。ここでの薄材とは、重力に抗して自立できない程度に剛性の低い薄材を示す。板材41側の表面に備えられた薄材(図示せず)と繊維質吸音材44を積層させることで、乗客の接触などによる繊維質吸音材44の汚れ防止、車内空間10の色彩などの統一感による意匠性の向上、低周波数の音の低減が可能となる。
低周波数の音の低減については、薄材(図示せず)の振動による低周波数でピークを有する吸音機能が付与されるため、繊維質吸音材44の厚さを大きくすることなく、低周波数の吸音機能を増大することができる。
層40aに備えられるものは、上述した空気や繊維質吸音材44に限定されるものではなく、鉄道車両100の運行機能を維持するために必要な各種機器や空調用ダクト46などを備えることもできる。各種機器としては、例えば、行先表示器、スピーカ、照明、消火器、非常スイッチ、空調センサなどが挙げられる。
また、空調用ダクト46で構成することも可能であり、特に車内空間10の空気を空調装置(図示せず)へ戻すための空調用ダクト開口部46aや、空調装置(図示せず)から調整された空気を車内空間10へ送風するための空調用ダクト開口部46aを、この層40aに備えても良い。そうすることで、従来は別部材として構成していた空調用ダクト46を吸音ユニット200として一体型にすることができる。その結果、車体への空調用ダクト46の設置作業に要する製作工数を低減することができる。
図8は、吸音ユニット200を構成する層の模式図である。層40aが繊維質吸音材44、機器45a、機器45b、空調用ダクト46、及び空調用ダクト開口部46aで構成された具体例である。図7に示した層40aの構成例では、層40aの大部が繊維質吸音材44、残りが機器45a、45b、空調用ダクト46(空調ダクト開口部46aを含む)で構成されている。このように、層40aは、空気、繊維質吸音材44、各種機材、空調用ダクト46などを組み合わせて構成することが可能である。
また、層40aは支持材43a、43bによって分断されているが、層40aの構成部材によっては、支持材43a、43bの一部を切り欠くことも可能である。また、図8に示した支持材43a、43bは、鉄道車両100の車幅方向に沿っているが、その形態に限定されない。すなわち、必ずしも支持材43a、43bは、車幅方向に沿った構成に限定して層40aが繊維質吸音材44、機器、及び空調用ダクト46などで構成されるわけではない。したがって、支持材43a、43bが鉄道車両100の長手方向に沿っている場合であっても、層40aは繊維質吸音材44、機器、及び空調用ダクト46などで構成することができる。
また、層40aの厚さは、車内空間10の確保や層40aの構成に応じて適宜選択することができる。一般に、層40aの一部が繊維質吸音材44で構成される場合、その繊維質吸音材44の吸音機能による車内空間10の騒音低減効果は、板材41の開口率だけではなく繊維質吸音材44の厚さにも影響する。また、繊維質吸音材44は、その厚さが大きくなるほど低周波数の吸音機能が高くなることが知られている。そのため、層40aの厚さは、車内空間10の騒音を低減したい周波数特性や、騒音を低減したい程度、車内空間10の確保などに応じて適宜選択することができる。
[遮音板]
本発明の実施形態に係る鉄道車両の内装構造では、層40aの一部が繊維質吸音材44で構成され、かつ繊維質吸音材44の車内空間10側表面の一部がある開口率を有する板材41で積層される吸音ユニット200によって、車内空間10の音を吸音することができるため、車内空間10の騒音を低減することができる。
しかし、前述したように鉄道車両100の高速化に伴い鉄道車両100の車外音が増大し、増大された車外音が内装構造を伝搬して透過音として車内空間10に進入するため、車内空間10の騒音はさらに増大する。繊維質吸音材44による吸音効果は、繊維質吸音材44の面積、材質、厚さなどが不変の場合には、一般に車内空間10の騒音の大きさに依らない(周波数特性には依る)。
したがって、高速で走行する鉄道車両100の車内空間10の騒音をより低減するためには、車外音の透過音を低減する必要がある。吸音ユニット200は、この透過音の低減を目的に、板材41と車体20の間に、車内空間10側に沿って遮音板42を備えている。遮音板42としては、透過音を低減させる機能(遮音機能)を有する材質であればよく、板状又は棒状又はシート状であり、かつ音を反射できる材質であれば特に限定されず、各種の無機系板材や有機系板材を使用できる。
無機系板材としては、例えば、金属ボード(例えば、アルミニウム板、ステンレススチール、鋼板、鉄板など)、ガラスボード、石膏ボードなどが挙げられる。有機系板材としては、例えば、木質系ボード[例えば、天然木、無垢材、合板(積層木質ボード)など]、木質繊維系ボード(例えば、パーティクルボード、中密度繊維板、ハードボード、インシュレーションボード、アクリル樹脂ボードなど)、合成樹脂ボード(例えば、ポリカーボネートボード、繊維強化プラスチックボード、ポリエチレンボードなど)などが挙げられる。
さらに、天然ゴムや合成ゴム(例えば、クロロプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴムなど)で形成されたゴムシートなどが挙げられる。これらの板材やシート材は、用途に応じて選択できる。例えば、遮音性が要求される用途では、鉄板などの重量金属ボードなどが適している。軽量性が要求される用途では、合板などの木質系ボードや、アルミニウムなどの軽量金属ボードなどが適している。
車体20から内装構造を伝搬する振動の低減が要求される用途では、ゴムシートなどが適している。その他、要求される用途によって、適宜選択することができる。遮音板42の厚さは、板材又はシート材の材質に応じて選択できるが、車内空間10の騒音の低減の程度に応じて、適宜選択することができる。これは、遮音板42の面密度が大きくなるほど遮音機能が大きくなる(質量則に依る)ためである。
例えば、繊維質吸音材44による吸音の効果のみで車内空間10の騒音の低減の程度を満足することができるのであれば、遮音板42の厚さはゼロ、すなわち遮音板42は不要でもよい。遮音板42が不要の場合、層40bは層40aと一体の層となる。
また、繊維質吸音材44による吸音の効果のみでは車内空間10の騒音の低減の程度を満足することできないのであれば、遮音板42の厚さを例えば0.1mm以上で適宜選択することができる。ただし、遮音板42の厚さが小さすぎると板材の剛性が小さくなり撓むなどの支障が生じる恐れがあり、一方で遮音板42の厚さが大きすぎると軽量性が低下する。
[吸音ユニットの特性]
図9は、車内空間10から吸音ユニット200を見た模式図である。図9に示す吸音ユニット200は、吸音ユニット200を構成する層40aは、繊維質吸音材44、機器45a、機器45b、空調用ダクト46、及び空調用ダクト開口部46aで構成されている例である。図9のように、車内空間10から吸音ユニット200を見ると、板材41(開口部41a、41b、非開口部41p、41qを含む)、支持材43a、43b、及び繊維質吸音材44が見える。
支持材によって分断された層の内部の少なくとも一部は機器もしくはダクトより構成されても良い。このような本内装構造によれば、車内空間10から繊維質吸音材44が見えており、しかも吸音ユニット200は車内空間10の音を吸音するので、車内空間10の騒音を低減することができる。また、機器45a、機器45b、空調用ダクト46、及び空調用ダクト開口部46aの車内空間10側の板材41の一部が開閉可能もしくは撤去可能な板材41で構成されている場合は、機器45a、45bや空調用ダクト46などのメンテナンス作業を容易にすることが可能となる。
吸音ユニット200の吸音効果について説明する。前述したように、吸音効果向上のため、吸音ユニット200を構成する層40aの一部には、繊維質吸音材44を封入し、かつ吸音ユニット200の車内空間10側の表面積のうち、繊維系吸音材44が50%程度以上露出するのが望ましい。一般に、繊維質吸音材44の吸音効果は繊維質吸音材44の厚さが大きいほど吸音効果が向上することが知られている。
よって、吸音効果、つまり車内空間10の騒音を低減する効果の観点から、繊維質吸音材44の厚さは大きいほど良いが、繊維質吸音材44の厚さを大きくすると、車内空間10が狭くなり、車内空間10の快適性低下が懸念される。しかし、従来の鉄道車両100の内装構造における客室側表面材として広く使用されている内装パネルの材質はアルミニウム製や繊維強化プラスチック製であることが多く、これらの材料の吸音率は0.1程度であり、繊維質吸音材44と比べて非常に小さい。
つまり、繊維質吸音材44をそれほど厚くできないとしても、従来の鉄道車両100の内装パネルより吸音率は高く、車内空間10の騒音を低減するのには有効である。吸音率の変化前後による音圧レベルの変化量は、吸音率の変化前後で材質の面積が同じと仮定すると次式より表される。
ΔL=10×Log10(A2/A1)
ここに、ΔLは音圧レベルの変化量、A1は変化前の吸音率、A2は変化後の吸音率である。この式より、音圧レベルの変化量は吸音率の変化前後の比で定まることが理解できる。いま、吸音率の変化前後による音圧レベルの変化量を、ある材質を仮定して示すこととする。
図10は、吸音ユニット200内に封入される繊維質吸音材44の残響室法吸音率の測定結果を示すグラフである。内装パネルの材質として広く利用されているアルミニウム板の吸音率と、繊維質吸音材44として広く利用されているガラス繊維で形成された繊維質吸音材44(厚さ25mmと50mm)の吸音率である。図10より、繊維質吸音材44の吸音率はアルミニウム板の吸音率と比べて広帯域に渡り高いことが確認できる。
図11は、吸音ユニット200を鉄道車両の天井に設置したときの車内空間の音圧レベル低減量を示すグラフである。図10に示した吸音率の変化前後による音圧レベルの変化量の例である。鉄道車両100の車内空間10の概寸法として直方体を仮定し、直方体を構成する全6面の材質をアルミニウムと仮定し、車内空間10の腰掛(図示せず)などの吸音率を0.3程度と仮定する。この6面のうち天井の1面に対して繊維質吸音材44(グラスウール、厚さ25mmと50mm)に置換した場合の音圧レベルの変化量を示している。
この音圧レベルの変化量は、次式より表される。
ΔL=10×Log10(α2/α1)
=10×Log10((ΣSj×Aj)/((ΣSi×Ai))
ここに、α1は変化前の平均吸音率、α2は変化後の平均吸音率、Siは変化前の各内装の表面積、Aiは変化前の各内装の吸音率、Sjは変化後の各内装の表面積、Ajは変化後の各内装の表面積であり、この表面積は直方体を仮定した車内空間100の概寸法比として、天井:側面:妻仕切り壁:床=5:7:1:5と仮定した。
図11より、天井の1面のみをアルミニウム板から繊維質吸音材44に置換することで、車内空間10内の音圧レベルは低減、すなわちその一部を繊維質吸音材44で構成される吸音ユニット200は、車内空間100の騒音低減に寄与することが確認できる。繊維質吸音材44の厚さが25mmの条件における音圧レベルの低減量は、繊維質吸音材44の厚さが50mmの条件の音圧レベルの変化量と比べて小さいものの、アルミニウム板に対しては音圧レベルの低減量が大きいとが確認できる。
つまり、車内空間の広さ確保などの観点から繊維質吸音材44を厚くできないとしても、アルミニウム製やFRP製などのような鉄道車両の内装構造として広く用いられているパネルに対して吸音率は大きいため、十分な厚さでなくても車内空間の騒音を効率よく低減することができる。
図12は、吸音ユニット200と鉄道車両の構体との締結に関する具体例を示した車幅方向断面図である。吸音ユニット200と屋根構体6との締結に関する具体例を示した図である。吸音ユニット200は、屋根構体6に備えられるカーテンレール61と、ボルト52による締結、バネ(図示せず)を用いた差込み、線ファスナー(図示せず)、面ファスナー(図示せず)等により固定される。
図12に示したような吸音ユニット200と屋根構体6との締結に限らず、吸音ユニット200と車体20との締結において、アウトワーク化したユニット艤装とすることで、車体20における車両内作業量を低減し、車体20の製作におけるリードタイムの短縮を図ることが可能となる。
以上述べたように、本実施形態によれば、車内空間の騒音低減と、車内空間の確保と視覚効果と、による快適性の向上に加えて、内装構造の車体への取り付け作業やメンテナンス作業に要する車両内作業量の低減も両立できる鉄道車両の内装構造を提供することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態における構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態における構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
本発明の実施形態に係る鉄道車両の内装構造(以下、「本内装構造」という)について、以下のように総括できる。
[1]本内装構造は、鉄道車両100の車体の内部に形成された乗客が滞在可能な空間を構成する内装構造である。本内装構造は、図3に示す板材41と、支持材43と、吸音ユニット200と、で構成される。
図3に示す板材41は、車体より内部の空間側に沿って所定の間隔をもつ層40を設けて備えた少なくとも1以上の開口部41a、41bを有する。支持材43は、車体の内部の空間側の表面には層40a、40bを分断するように板材41につながれている。吸音ユニット200は、支持材43によって分断された層40の内部の少なくとも1つは繊維質吸音材44よりなる。
本内装構造において、騒音は、板材41で反射され、吸音ユニット200を通過しながら、支持材43によって分断された層40の内部の繊維質吸音材44で吸音される。つまり、本内装構造は、車内空間に伝わる騒音に対する低減効果を高められる。また、車内空間の確保について、繊維質吸音材44は、アルミニウム製やFRP製のパネルに対して吸音率が大きいため、十分な厚さでなくても車内空間の騒音を効率よく低減することができる。
その結果、本内装構造は、車内空間に伝わる騒音に対する低減効果を高めることと、車内空間の確保と、を両立させ易く、快適性を向上できる。また、図12に例示するような実施形態の内装構造であれば、車体への取り付け作業やメンテナンスに要する製作工数を低減できる。また、工数の低減については、図12に例示したものに限らない。
[2]本内装構造は、上記[1]に加えて遮音板42を備えるほか、板材41の構成が若干異なる。その若干異なる構成の板材41は、車体より内部の空間側に沿って所定の間隔を設けて備えた少なくとも1以上の開口部41a、41bを有する。遮音板42は、板材41と車体の間に配設される。支持材43は、遮音板42の板材41側の表面には遮音板42と板材41の間に所定の間隔で配置された層40を分断するように板材41につながれている。
吸音ユニット200は、支持材43によって分断された層40の内部の少なくとも1つは繊維質の吸音材を有する。その吸音ユニット200は、それを構成する遮音板42が車体の空間側に所定の間隔を設けて配置される。図4に示すように、車内空間10に存在する音は、板材41の開口部41a、41bから層40aに向かって入射し、遮音板42により反射して再び層40aを伝搬し車内空間10側へ伝搬する。その伝搬する音の一部は板材41の非開口部41p、41qにより反射し、再び層40aを伝搬する。
つまり、板材41の開口部41a、41bへ入射した音の一部のみが車内空間10に戻るため、入射した音のエネルギに対して戻ってきた音のエネルギが小さくなり、車内空間10の騒音は低減する。このような本内装構造も、車内空間に伝わる騒音に対する低減効果を高めることと、車内空間の確保と、を両立させ易く、快適性を向上できる。
[3]上記[1]又は[2]の本内装構造において、板材41の開口部41a、41bは長方形状であり、長方形状の開口部41a、41bはある一方向に沿って配列すると良い。このように構成された吸音ユニット200は、鉄道車両100の乗客に対してヘルムホルツの錯視を与えることができるので、乗客に対して錯視効果を及ぼすことにより、広い空間であるかのような印象を与えられる。よって、吸音ユニット200は、車内空間10の快適性を向上させることができる。
[4]上記[1]~[3]の本内装構造において、支持材43によって分断された層40の内部の少なくとも一部は機器もしくはダクトより構成されても良い。このような本内装構造によれば、車内空間10から繊維質吸音材44が見えており、しかも吸音ユニット200は車内空間10の音を吸音するので、車内空間10の騒音を低減することができる。このように、本内装構造において、空調用ダクト46を吸音ユニット200として一体型にすることができので、車体への空調用ダクト46の設置作業に要する製作工数を低減することができる。
[5]上記[1]~[4]の本内装構造において、機器45a、機器45b、空調用ダクト46、及び空調用ダクト開口部46aの車内空間10側の板材41の一部が開閉可能もしくは撤去可能な板材41で構成されていることが好ましい。その場合は、機器45a、45bや空調用ダクト46などのメンテナンス作業を容易にすることが可能となる。
[6]上記[1]~[5]の本内装構造において、空間は乗客が着席可能な客室に好適である。鉄道車両の高速化あるいは動力の高出力化に伴い、車体の内部に形成された車内空間の騒音が増大し、乗客の快適性悪化が懸念されており、そのような懸念を解消できる。
[7]上記[1]~[5]の本内装構造において、空間は乗客が鉄道車両の乗降のために利用する乗降口を備えるデッキ部に適用しても良い。走行中のデッキ部も静粛であるに越したことはない。
[8]上記[1]~[7]の本内装構造において、板材は、少なくとも、空間の天井と、空間の側面と、空間の前方もしくは後方の一方もしくは両方の内壁と、空間の床面と、の何れか1つを形成していることが好ましい。本内装構造の適用範囲と効果の関係について、天井の1面のみをアルミニウム板から繊維質吸音材44に置換することで、車内空間10内の音圧レベルは低減、すなわちその一部を繊維質吸音材44で構成される吸音ユニット200は、車内空間100の騒音低減に寄与することが確認できた。同様に本内装構造を内壁や床面に適用しても、相応に騒音低減する効果が得られる。
[9]上記[1]~[8]の本内装構造において、吸音材の空間側の表面には薄材を備えることが好ましい。すなわち、低周波数の音の低減については、薄材(図示せず)の振動による低周波数でピークを有する吸音機能が付与されるため、繊維質吸音材44の厚さを大きくすることなく、低周波数の吸音機能を増大することができる。
4 台枠、5 側構体、6 屋根構体、7 上床、8 妻仕切り壁、9 妻仕切り壁引き戸、10 車内空間、11 車外空間、20 車体、21 台車、22 中心ピン、23 車輪、30 固体伝搬音、31 空気伝搬音、32 転動音、33 空力音、40a、40b 層、41 板材、41a、41b 開口部、41p、41q 非開口部、42 遮音板、43、43a、43b 支持材、44 繊維質吸音材44、45a、45b 機器、46 空調用ダクト46a 空調用ダクト開口部46a、51 バネ、52 ボルト、61 カーテンレール、100 鉄道車両、200 吸音ユニット

Claims (8)

  1. 鉄道車両の車体の内部に形成された乗客が滞在可能な空間を構成する内装構造において、
    ある一方向に沿って配列し、前記空間に面した長方形状の少なくとも1以上の開口部を有する板材と、
    前記ある一方向と交差する方向にて前記板材につなぐ支持材と、
    維質の吸音材からなる吸音ユニットと、
    を備え、
    前記板材により前記車体から内部の空間側に沿って所定の間隔をもつ層が形成されるとともに、前記支持材により前記層が分断され、前記支持材によって分断された前記層の内部の少なくとも1つに前記吸音ユニットが封入される、
    鉄道車両の内装構造。
  2. 記板材と前記車体の間に、前記板材および前記車体と所定の間隔を設けて配設され、前記支持材を介して前記板材とつながれる遮音板をさらに備える請求項1に記載の鉄道車両の内装構造。
  3. 前記支持材によって分断された前記層の内部の少なくとも一部は機器もしくはダクトからなる、
    請求項1または2に記載の鉄道車両の内装構造。
  4. 前記板材の一部は開閉可能な機構もしくは撤去可能な機構を備えている、
    請求項1~の何れか1項に記載の鉄道車両の内装構造。
  5. 前記空間は乗客が着席可能な客室である、
    請求項1~の何れか1項に記載の鉄道車両の内装構造。
  6. 前記空間は乗客が前記鉄道車両の乗降のために利用する乗降口を備えるデッキ部である、
    請求項1~の何れか1項に記載の鉄道車両の内装構造において、
    鉄道車両の内装構造。
  7. 前記板材は、少なくとも、前記空間の天井と、前記空間の側面と、前記空間の前方もしくは後方の一方もしくは両方の内壁と、前記空間の床面と、の何れか1つを形成している、
    請求項1~の何れか1項に記載の鉄道車両の内装構造。
  8. 前記吸音材の前記空間側の表面には薄材を備える、
    請求項1~の何れか1項に記載の鉄道車両の内装構造。
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